2015年8月5日水曜日

第十三回の七句会の選句結果をご報告いたします。


 七句会のみなさま
 第十三回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
  今回の6 点句から3 点句は、下記のようでした。
  6 点句
(008)  薄墨の雲間染め抜く緋の光              志方04
 
  4 点句
(034)  蝉しぐれ 夢まぼろしの 光堂。           小野寺09
(048)  飛魚の群れ飛ぶいまや海光る             豊01
(065)  風送る団扇の先に孫の息               柳町02
(148)  道端の蝉の抜け殻夏盛り               秋元03
  3 点句
(015)  月山に残雪光り神宿る                秋岡05
(017)  光 (こう) 合成いのちと宇宙むすびけり        深瀬07
(036)  ひかり射す雨戸ふしあな朝ろうか           深瀬03
(044)  海鳴りの 怒涛彼方に 光見え。           小野寺14
(045)  光陰もしずかにわれを抜いていく           深瀬06
(046)  一撃の閃光走り夏来たる               秋岡01
(050)  記念日に妻の欲しがるひかりもの           小幡05
(058)  風鈴を  団扇で鳴らす  孫娘             野澤11
(071)  眠る子に母の手動く団扇風              豊04
(078)  隣席の団扇の風をもらい受け             澤藤01
(082)  打ち水に誘われ団扇背に仕舞う            柳町03
(091)  芳醇な甘みうれしや庭トマト             橋本04
(154)  捨てるなと言っても捨てる世話女房          秋岡13

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
  次回については、10月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、
よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見がありましたら、
ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。


 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 参加者について
 秋岡さん、秋元さん、澤藤さん、橋本さん、水谷さん、宮澤さん、森 (杜瑯
) さんは、駒場東邦卒ではありませんが、これまでに適宜、ご紹介させていた
だいておりますので、よろしくご参照方お願いいたします。
(2) 兼題の募集について
  前回同様、次回の句会の兼題を募集します。9 月25日 (金) までに、事務方
まで送っていただければ幸いです。
  2015.08.05
      代表   橋口侯之介 (休会中)
      事務方 深瀬久敬



     1. 兼題 光
(001)  歳嵩ね頭頂部には光指す               中島06
(002)  新幹線  ひかりとこだまの  50年          野澤06
1 柳町 
2 治部  いつの間にか50年。無j 戸で本当にご苦労様です。
 作者もともにひかりこだまのごとき50年の速さを感じて
 いることでしょう。卒業後50年ほんとに早いものです。
(003)  うまおいの 眼に光満ち 夏が逝く。         小野寺08
(004)  光速を 超えて宇宙に 飛び出すぞ          古川03
(005)  光さす 窓辺にひとり 胡蝶蘭            吉良06
1 深瀬  胡蝶蘭は、開店祝いとか、華やかな雰囲気のとこ
 ろでよく見かけます。日常のなかでの隙間時間なのか、
 心がふと内面に向かったときの一瞬を切り取ったように
 感じました。
         自然の営みには人知を超え圧倒される崇高
       なものがあります。夏木立の向こうの積乱雲
       は光を呼吸しており落日の空には神が住んで
       いるのでしょう。以下、2句。
(006)  夏木立 雲は光を 呼吸せり。            小野寺03
1 古川 
(007)  夕焼けの神住む空に 光消え。            小野寺04
1 森 
(008)  薄墨の雲間染め抜く緋の光              志方04
1 治部 この景色は我が家からも見ることがあります。い
 つもここで一句と思うのですが・・・ これなのですよ
 私の言いたかった光景は。ありがとうございます。
2 豊  日本画の風景を見ているような色彩感覚があります。
3 内野  神々しい心象風景です。
4 秋岡  薄墨と緋の色彩バランス、”染め抜く”が素晴ら
 しいと思います。
5 橋本 
6 小野寺 薄墨の彼方にある緋の光は一服の絵のような情
 景です。
(009)  光満つ絵を前にした涼しさよ             水谷01
(010)  歳重ね  光り輝く  おでこかな            野澤07
(011)  稲光竜巻豪雨過ぎ去りて               秋元02
(012)  梅雨あけの青きひかりやお盆まで           深瀬09
1 澤藤 
(013)  星流れ、漆黒の闇 光裂く。             小野寺11
(014)  夏の夜街のひかりに君の顔              小幡04
(015)  月山に残雪光り神宿る                秋岡05
1 土川 月山の神秘さが伝わってきます。
2 内野 清々しさを感じます。
3 小野寺 月山の残雪が神の存在を確信させる、心に響く
 息をのむ光景です。
(016)  天窓に月の光の授かりて               土川01
1 志方 
(017)  光 (こう) 合成いのちと宇宙むすびけり        深瀬07
1 澤藤 
2 豊  大いなるものと小さいものを結びつけたところが見
 事です。
3 小幡 
(018)  遠去りて 哀しみ遥か 海光り。           小野寺12
(019)  鮨ネタで  欠かせないのは  光り物          野澤08
1 橋本 
(020)  日の光 紫に沈む 赤道線              吉良05
(021)  早朝のグランドゴルフ光る汗             秋岡02
(022)  世の中に光があるから生きている           橋本01
(023)  たまゆらの光残して 夏が逝き。           小野寺05
(024)  夏ひかり不動のとかげシルエット           深瀬01
1 小幡 
(025)  「月光」を弾く指白きピアニスト           豊02
(026)  ゆるぎなく、 光見据えて 雲流る。         小野寺07
(027)  木洩れ陽の  先に見出す  希望の光          野澤12
1 澤藤 
(028)  安倍晋三平和賞の光消す               中島08
(029)  夏木立 木漏れ日光(こもれびひかり) 沈まれり。  小野寺01
1 中津川 
(030)  ひかり満つ雲の峰越ゆジェット機影          深瀬02
1 橋本 
(031)  梅雨空に 光の予感 夏が来る            宮澤01
1 小幡 
(032)  空を飛ぶ光の線は宇宙駅(ステーション)       澤藤03
(033)  光と闇レンブラントの絵の世界            深瀬05
(034)  蝉しぐれ 夢まぼろしの 光堂。           小野寺09
1 志方 
2 古川 
3 秋元  歴史ものに敬意
4 中津川 
(035)  夜明け前山の鞍部に光指す              中島05
1 土川 鞍部から光が走る夜明けは感動的ですね。
2 小幡
(036)  ひかり射す雨戸ふしあな朝ろうか           深瀬03
1 治部  この場面は田舎の実家に里帰りした時のものです
 かね。私も経験があります。今の雨戸はアルミだし、庭
 に面した廊下はないし。とても懐かしい気持ちになりま
 した。
2 宮澤  雨戸の建てつけが悪ければ漏れる光は線になり、
 建てつけが良ければ節穴通して点になる。昔の朝はそう
 でした。
3 秋元  昭和風景への憧憬
(037)  乳飲み児の 生命(いのち)想いて 光在り。     小野寺13
(038)  朝露の真珠の光りはかなげに             秋岡04
1 橋本 
(039)  雨露が光をはじくアジサイや             志方02
(040)  晴れ上がり宇宙をひかり突き抜けり          深瀬08
1 秋岡  梅雨空が晴れ上がり、光が宇宙を突き抜けるスケ
 ールの大きさが素晴らしいと思います。
       現在の住まいは宝塚の山裾にあり、緑が多
      く朝には色々な鳥が飛んで来る。以下、3句。
(041)  嵐去り朝のひかりに燕かな.             小幡01
1 志方 
2 小野寺  嵐のあとに生きていた燕はきっと命の希望でし
 ょうか。
(042)  姿なく声とひかりはウグイスか            小幡02
(043)  目に見えぬ暁光に啼くホ-ホケェキョ         小幡03
(044)  海鳴りの 怒涛彼方に 光見え。           小野寺14
1 古川 
2 内野 
3 宮澤 荒々しき明け方の渚に1人佇み光を感じるとはこ
 んな状況でしょうか。
(045)  光陰もしずかにわれを抜いていく           深瀬06
1 土川 光陰は早いものとばかり思っていました。
2 森 
3 秋岡  共感します。
(046)  一撃の閃光走り夏来たる               秋岡01
1 豊  夏を告げる一瞬の雷光。鋭い季節感にあふれていま
 す。
2 秋元  刹那の切り取りに感動
3 小野寺  黒雲の中に一瞬輝く 稲妻の躍動感が盛夏の力
 強さをみせて歯切れがいい。
(047)  黒き眼に 光湛えて(たたえて)夏は過ぎ。      小野寺10
(048)  飛魚の群れ飛ぶいまや海光る             豊01
1 志方 
2 秋岡 ”光”のきらきら感が嫌というほど感じます。
3 中島 
4 深瀬 真夏の海の突き刺すようなきらきらした様子が眼
 前に迫ってくるようです。子供のことに行った伊東の海
 を思い出しました。
(049)  ティショット光跡残し姿消す             中島07
1 治部  これは!!・・・カップに直接消えたホールインワ
 ンはたまた300 ヤードオーバーナイスショット それと
 も・・・もしや残念な消えかたをしてしまったのでしょ
 うか。(小生はいつもこれです)
(050)  記念日に妻の欲しがるひかりもの           小幡05
1 野澤  我が家では娘がやたらと欲しがりますが,妻は全
 く興味を示しません。一度でもねだられて,そんな物は
 何の役にも立たない,と云ってみたかった。
2 宮澤  そうですね、あじ、イワシなら腹いっぱい食わせ
 ても良いが、堅くて食えない光りものを何で欲しがるの
 でしょうか
3 中島 
(051)  近頃は朝の光も眩しけれ               澤藤02
1 野澤  実感。私もやたらと光りが眩しく,清々しさを感
 じられなくなりました。
(052)  光り満ち 眩しき渚 子が走る            宮澤03
1 内野  渚は若きエネルギーに満ちています。
2 小野寺 渚を走る子供に生命の輝きをみる。素直な希望
 が満ちていますね。
(053)  林間に浅緑踊る初夏の光               志方01
(054)  蛍群れ 灯ともし役を 舞うひかり          宮澤02
(055)  海峡のグリーンの向こう光る夏            秋岡03
(056)  白百合の 花弁 ゆたかに 光揺れ。         小野寺02
1 中津川 
(057)  ひかりあれ希望と恐怖おどりいで           深瀬04
   
   
      2.兼題 団扇
(058)  風鈴を  団扇で鳴らす  孫娘             野澤11
1 秋元  愛らしさに感動
2 小幡 
3 深瀬  童話の絵本でみるような情景であり、なにかこど
 もの原風景的な思いに引き込まれました。
(059)  団扇持つ白き二の腕艶めいて             秋岡07
1 宮澤  大原 麗子、大地 喜和子、夏目 雅子。二の腕
 の艶めいた女はみんな死んじゃった。いあやー、昔は良
 かった。
(060)  トリス翁団扇の中でウィスキー            中島03
(061)  団扇持ち縁に端座す父思う              水谷02
1 柳町 
2 中津川 
(062)  冷や汗に  右手ハンカチ  左手団扇          野澤10
(063)  団扇もつ 乙女の姿 夢のあと            吉良02
(064)  団扇風 梅雨空飛ばせ 明日ゴルフ          古川02
         孫が昼寝をしているので、団扇でそよ風を
       おくっています
(065)  風送る団扇の先に孫の息               柳町02
1 野澤  目に浮かぶ光景です。さぞかしい気持ちよさそう
 に寝込んでいるのでしょうね。
2 宮澤  風送る方が虫の息にならないよう、頑張りましょ
 う
3 中島 
4 小幡 
         若い頃は、団扇で蝿をたたき落とせたので
       すがーーーーー???
(066)  蝿を追う団扇の振りに歳を視る            柳町01
1 野澤  昔は叩き落とせた蝿も,動きが緩慢になり落とせ
 ない。やっぱり年をとったと実感させられる出来事の1
 つ。
(067)  腕まくり 浴衣の帯に 団扇差し           宮澤05
1 柳町
(068)  縁側で  団扇片手に  夕涼み             野澤05
(069)  金髪の 夜店にぎわう 団扇かな           吉良04
(070)  蒸し暑き夜半活躍美女団扇              中島04
(071)  眠る子に母の手動く団扇風              豊04
1 土川 ゆっくりとした手の動きに母の愛情が伝わってき
 ます。
2 内野  母の愛ですね。
3 深瀬  赤ん坊を世話している女性の姿には神々しいもの
 を感ずることがあります。
(072)  湯上りに涼を求め団扇取る              中島01
(073)  街角で 左うちわを 配りおる            宮澤04
(074)  退職後  左団扇は  淡い夢              野澤13
1 志方
2 澤藤
(075)  手放せぬ風いろいろの団扇かな            橋本02
1 豊 最初に読んだときは「手放せぬ風」とは何かと思い
 ましたが、「手放せぬ」で一度切るのですね。「風いろ
 いろ」の表現がすばらしい。
(076)  風呂上り団扇の風がなつかしく            秋岡08
(077)  肉汁の炎鼓舞する渋団扇               土川02
(078)  隣席の団扇の風をもらい受け             澤藤01
1 土川 これは嬉しいもらい物ですね。
2 野澤  省エネで気持ちいいですね。といっても私は臨席
 組ですが。
3 宮澤  焼き鳥のにおいも一緒に送ってください。
(079)  はっけよい  団扇で捌く  孫相撲           野澤09
1 土川 家族の笑顔が見えるようです。
(080)  浮世絵のうちわ美人で夕涼み             深瀬10
1 橋本  同じ団扇ならこちらがいいけど、最近は少ないの
 では
2 中島 
(081)  浴衣地の 青に浮ける 赤団扇            吉良01
1 柳町 
         浴衣姿の少女が、打ち水の効果か思わず団
        扇を背中の帯に差しました
(082)  打ち水に誘われ団扇背に仕舞う            柳町03
1 秋元  昭和風景への憧憬
2 中津川 
3 小野寺  打ち水の中を 思わず背中に団扇を仕舞う少女
 の浴衣姿が微笑ましい。
(083)  和服美女茶碗をまえにうちわ手に           深瀬11
1 治部  この場面は目を閉じて想いうかべたものでしょう
 か。まさか、目の前で起きている事実ではないですよね。
 常々こういう場面に同席したいと思っています。
(084)  若き日の女優輝く古団扇               中島02
1 柳町 
(085)  団扇なき家族に昭和遠くなり             豊03
(086)  団扇振り腰振り踊る阿波の熱             秋岡06
1 中津川 
(087)  外人の 団扇あおげる おもてなし          吉良03

      3.自由題
(088)  つかのまの 涼をとりたり 夏木立          内野02
1 古川 
2 橋本 
(089)  頑固さも  孫の前では  腰砕け            野澤01
1 澤藤 
(090)  二輪草の 見上げる峰は 奥穂高           森04
(091)  芳醇な甘みうれしや庭トマト             橋本04
1 野澤  丹精込めて作られたもぎたてのトマトの味が伝わ
 ってきます。
2 古川 
3 秋元  手作りの味がでていて感動
(092)  子規の句を訪ねて歩く伊予の夏            秋岡09
1 豊  俳句好きの作者の素直な旅情が出ていると思います。
(093)  白百合の むせぶ香りに 夏来たり。         小野寺06
(094)  明滅に我が息合はす蛍籠               土川07
1 中島
2 小野寺  蛍籠の中の明滅は きっと己の心の鼓動なので
 しょうか。
(095)  梓川夏山望む上高地                 秋元07
1 森 
(096)  新緑路 憂い深くも 定まらず            森09
(097)  鬼平も 八つ目うなぎで つつじ愛(め)で      森03
(098)  良き友と別れた後の満ちた月             秋岡10
(099)  君と立つ 穂高極めし 夏の夢            森07
(100)  財布みて  ジジ金あるのと  気付かわれ        野澤03
(101)  ゴルフ好き何より勝る爽快さ             橋本06
(102)  紫陽花や跨げるほどの水溜              土川05
1 秋岡  雨が上がったあとの澄んだ空気に、少しの水たま
 りの感じがいいです
(103)  深緑(ふかみどり)湖面に映る山姿          秋元05
1 内野  心が落ち着きますね。
       孫(4 年生男子)が彩の国プラチナキッヅ
      (JOC サポートプロジェクト)に選ばれまし
      た。以下、3句。
(104)  何とまあ小学生から世界見る             治部01
(105)  孫の夢わが夢として余生生く             治部02
(106)  東京の次の五輪を見たい我              治部03
(107)  さくらんぼ受粉は人手ラブタッチ           深瀬16
1 中島 
(108)  黄昏や 大地を染めし あかねいろ          内野04
1 志方 
(109)  涼しきは十割 (とわり) 蕎麦なり最上川        土川03
(110)  山肌に残雪眺め露店風呂               秋元06
1 中津川
(111)  孫育も  嫁の目線に  気を遣い            野澤04
1 澤藤 
(112)  山寺の閑かさ今も夏景色               秋岡11
(113)  バラの香は 青春の思い 甘くのせ          森08
(114)  縁台に雨音過ぎて土埃                秋元01
1 深瀬  雨が降り出した直後のほこりっぽい独特なにおい
 は、遠い過去の想い出でしかありません。なにかタイム
 スップしたような気持ちになりました。
(115)  玄海に漁り火遠く拉致未だ              志方06
(116)  戦場の死屍累々になにを見る             深瀬17
(117)  上高地 思い惹(ひ)くのは 誰袖草(たがそでそう) 森06
(118)  さくらんぼ籤 (くじ) 引くごとく摘 (つま) みけり   土川04
(119)  盆休み静寂の中爪を見る               秋岡12
(120)  ごきぶりや気配をなにで感じとり           深瀬13
(121)  粉カレー 期待外れの 資生堂            古川01
(122)  熟しつつ 落ちるリンゴや 富実重ね         森10
(123)  透きとほるガラスの器夏料理             豊05
1 内野  涼しさを感じます。
(124)  黄昏(たそがれ)に 竹林揺れる たおやかに     内野03
        毎年、三浦の農家にトマトを買いに行きま
       す。以下、2句。
(125)  納屋の中家族でトマトの出荷待つ           治部04
(126)  梅雨明けて今年もおいしい紅トマト          治部05
(127)  献灯が山笠照らすほの明かり             志方05
(128)  冷気満つ残雪の月山露天風呂             橋本03
1 秋元  修験道までも感じさせる佇まい感
(129)  月山や梅雨の残雪志津の風呂             深瀬15
(130)  急坂の 息はずむ先 すべて青            内野01
1 森
2 宮澤  晴れた日に上る急坂の先に見える希望の青空?
 それとも、急坂を上って交差点の信号で休もうと思うと
 何故かいつも青で「行け行け」と、尻を叩かれているの
 かな?
(131)  夏休み 孫に精出す じじとばば           野澤14
        息子が引っ越しました。以下、2句。
(132)  雨の中転居通知が嬉しげに              治部06
(133)  あらかわい孫の笑顔に息子見ゆ            治部07
1 柳町 
(134)  五色沼モリアオガエル泡を吹く            秋元04
1 土川 カタカナ表現がとてもグロテスクですね。
(135)  幾千年しずかに坐る弥勒像              深瀬14
1 森 
2 豊  背後に長い歴史を感じながら弥勒仏と向き合ってい
 る姿が浮かびます。
(136)  春の宵 まぼろし誘う 根津老女           森02
1 深瀬  ややあやしい雰囲気もありますが、おとこたるも
 の、老いても異性への関心をるのか、とも感じました。
(137)  古希前に  頑固さ改め  円くなる           野澤02
1 森 
(138)  夏草やフクシマ被曝跡地にも             豊06
1 中島 
(139)  ひと吠えで 穂高残雪 崩れ落つ           森05
1 古川 
       庭に1 本あるアメリカ楓に野鳩が3mくら
      いの高さに巣を架け6 月初めから抱卵、下旬
      には2 羽の雛が誕生、親交互に給餌して7 月
      中旬に無事巣立って行きました。居間から3
      m 位の近さなので写真も撮りました。驚きで
       す。
(140)  我が庭に野鳩巣を架け子巣立つとは          橋本05
1 秋岡  野鳩の成長を見届け、巣立った驚きに共感し
  ます。
(141)  ドア開けしわれとごきぶりすれ違う            深瀬12
(142)  翼広げ漁後の川鵜羽を干す              橋本07
(143)  クチナシの香り漂う散歩道              志方07
(144)  戦ひの島を思ひてゴーヤ植う             土川06
(145)  芭蕉翁よくぞ粗食で幾千里              深瀬18
(146)  さわさわと 内股なぞる 春の闇           森01
(147)  燃える緋がクチナシ染める雲間から          志方03
1 森 
(148)  道端の蝉の抜け殻夏盛り               秋元03
1 志方
2 古川
3 秋岡  夏の盛りと蝉の抜け殻に季節の移ろい、命のはか
 なさを感じます。
4 小幡 

     4. 川柳
(149)  客観力たかめ人間どこへ行く             深瀬22
(150)  熟年旅行 朝かと起きたら 妻まだテレビ       林03
1 柳町 
(151)  人はなに宇宙にいのち普遍知り            深瀬23
(152)  ひざ痛い 目も歯も痛い 腰痛い           林02
(153)  マイナンバーIoTのチップ埋め           深瀬21
(154)  捨てるなと言っても捨てる世話女房          秋岡13
1 野澤  私はもう諦めて,今では私の見ていないときに捨
 てるようにとお願いしています。
2 豊  愚痴を言っているようで、そのくせ世話好きの女房
 を愛している。川柳の味わいです。
3 深瀬  なにか完全に奥さんのコントール下にある感じで
 す。サラリーマン現役時代とのギャップの大きさを受け
 入れるしかないということでしょうか。
(155)  押し寄せる便利べんりの先になに           深瀬19
(156)  同窓会 誰も来てない 明日だった          林01
(157)  それぞれに硬き殻つけ譲歩せず            深瀬20
1 橋本 建前は譲れないものなのでしょうか、、、いろい
 ろ難しいものです)


 追記
 選句に多少、関係したコメントがありましたので、ご参考までに掲載させて
いたたきます。
〇中津川さん
 投句をしてみましょうと思っているうちに締め切 りが過ぎていました。
 また、選句して送信しようと思ったらモデムが故障してパソコンが使えずギ
リギリになりました。
 普段使い慣れないスマホを使ってお送りします。
 とりあえず番号だけ連絡します。ご容赦ください。
〇秋元さん
 本日、旅行から帰り、慌てて選句しました。
〇中島さん
 何時もの共感できることに分かり易さと調子の良さを基準に加え選びました。
〇秋岡さん
 こちらは関西の茹だるような暑さにうんざりしていますが元気にやっており
ます。何とか共感する7句を選句をさせて頂きました。宜しくお願いいたしま
す。
〇内野さん
 良い句がおおく選ぶのが大変でした。心に響く句を基準に選びました。よろ
しくお願い致します。
〇豊さん
 30日から8月3日まで東京を留守にするので、早めに選句を送ります。よ
ろしくお願いします。
〇志方さん
 本当に暑いですね。何事にも億劫になり、気力がなえます。
 今回の句には、写実的に優れた表現が多いような気がします。選定に苦労し
ました。
 特に041と048のくは、光の眩さが強く感じさせられました。
〇野澤さん
 皆さんのようにうまく詠むことが出来ませんが,とても愉しませてもらって
います。今回も,身近に感じられる出来事を詠っている句を選びました。
〇柳町さん
 皆さん上手なので選ぶのが大変です。
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