七句会のみなさま
第十四回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回の5 点句から3 点句は、下記のようでした。
5 点句
(026) 雑踏の人波避けて路地の秋 秋岡04
(114) 風が啼く 秋発つ 野辺に 友の 逝き。 小野寺03
4 点句
(002) 穂の波の秋の稔りのうれしさよ 秋岡03
(048) 秋刀魚焼く煙なつかし昭和かな 深瀬15
(112) 哀しみは 遥かな秋の 鰯雲(いわしぐも) 小野寺10
3 点句
(008) ひとの世の波風強し老いてなほ 深瀬08
(010) さざ波に 中秋の月 揺らめいて 橋本03
(077) 潮待やいにしえ偲ぶ鞆の浦 内野05
(086) はらはらと 散りゆく 野辺に 秋も逝き。 小野寺05
(097) 彼岸花 紅い 焔(ほむら)に秋の居り 小野寺08
(098) 落葉踏む 秋移ろうや 散歩道 橋本07
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、来年1 月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の17名が参加しました。
澤藤さん、秋岡さん、中津川さん、秋元さん、古川さん、吉良さん、野澤さ
ん、豊さん、内野さん、宮澤さん、森 (杜瑯) さん、橋本さん、志方さん、柳
町さん、藤原さん、小野寺さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、下記の要領で勉
強会を行いたいと思います。
参加者は、11月14日 (土) までにご連絡いただければ幸いです。
勉強会の後、有志で飲み会を予定しています。
・日時 11月25日(水)17時~19時
・場所 喫茶室ルノアール ニュー新宿3 丁目店 貸会議室
(予約名: 駒東七句会)
新宿三丁目駅 (東京メトロ丸の内線、副都心線、都営地下鉄新宿線
)の近傍
HOME PAGE URL
http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.121
・費用 一人り2,000 円前後 (飲み物代を含みます。参加人数によって若干
変動します)
2015.11.06
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 波
(001) 御意ですと 妻の波長に 合わす今 野澤04
1 秋岡 嫁さんというのは歳と共に段々強くなっていく
んですね。併せて旦那は段々細かいことを決めるのが
面倒臭くなってくる。
(002) 穂の波の秋の稔りのうれしさよ 秋岡03
1 吉良 農業従事者は勿論ですが、お米を美味しく食べ
る立場の我々の喜びが素直にあらわれています。
2 深瀬 冷夏などで立ったままの稲穂をみると本能的不
安を感じます。
3 橋本
4 藤原
(003) 七十路も寄る年波にもうまぢか 深瀬10
(004) カモメとび波間の先の千切れ雲 志方04
1 古川
2 内野
通勤する皆さんの服装が、だんだん秋色に
なっていく様を表現してみました
(005) 改札の 人の波にも 秋を知る 柳町01
1 宮澤 初夏は「甍の波と雲の波」で知り、秋は「人の
波」で知るのですね。
(006) 熟年の婚活秋波どはくりょく 深瀬02
なんだか政治家の知性や気概が全く感じら
れない時代をむかえたようです。
(007) 波乗りに 思想信条 放り投げ 志方05
(008) ひとの世の波風強し老いてなほ 深瀬08
1 吉良 生来ている限り、もめごと、迷いなど様々な悩
みはつきないもの。悟りの世界は彼岸にあるのでしょ
うか。
2 豊 「老いてなほ」に作者の感慨がよく出ています。
3 宮澤 団塊の世代は死ぬまで波風にもまれ続けるので
しょう。
(009) 七かまど 見渡し歩く 早瀬波 中津川01
1 志方
2 柳町
家の直ぐ近くの川に映る中秋の月 '添付ポ
ケットデジカメ写真' をご覧ください
(010) さざ波に 中秋の月 揺らめいて 橋本03
1 秋岡 何度見ても、どこで見てもいい月でしたね。
2 深瀬 写真の迫力に感銘しました。
3 藤原
麻布十番夏祭り
(011) 人波に押されて歩く夏祭り 秋元03
1 古川
2 藤原
(012) 北斎の波の見おろす富士の峰 深瀬05
1 豊 北斎の名画をうまく切り取りました。
愁波ばかりで声も掛けられない純情派であ
りました
(013) 若い頃愁波を送る誰かれと 澤藤01
(014) たんぽぽや町を飲みこむ大津波 豊02
1 吉良 大津波の被災地に「たんぽぽ」が生命の復活を
示すように咲いている様子が印象的です。
(015) ざんぶりこ波音岩に秋の海 深瀬03
幼い頃、麻布新網町のガキ大将だった良太
郎さんに、40歳台の十年間、彼の名前を冠
したクルーザーに月二回乗せていただき海洋
生活を十分楽しませていただき感謝しており
ます。以下、5句。
(016) 波超えて 面舵一杯 良太郎 古川01
(017) 船出する 良太郎に 光る海 古川02
(018) 荒波に 夢を満タン 船出する 古川03
(019) 我が道は 波乱万丈 道半ば 古川04
1 柳町
2 小野寺 人それぞれ己の生涯は危うい道を歩んできて
おり先はまだ長いな~と 立ち止まるのでしょうか。
(020) 天つ風 波を押しのけ 吹き進め 古川05
パラオボートダイビング
(021) 浮上して波間に探す船の影 秋元01
(022) 地震波に本崩れるをただ見つめ 深瀬09
1 中津川
(023) 波しずか 天まで伸びし 月明かり 志方03
1 澤藤 秋の凛とした清明をかんじました。
なりふり構わぬ数の論理は政治屋でしかあ
りません
(024) 与党の波安保増税尽きるなし 澤藤02
(025) 秋の夜寄る年波にじっと耐え 深瀬06
1 秋岡 なんか辛い句ですが”夜””寄る”がいいリズ
ムで面白いです。
2 野澤 実感。思い知らされます。
(026) 雑踏の人波避けて路地の秋 秋岡04
1 秋元 秋と色彩のテーマ
2 古川
3 吉良 都会にも路地裏にちょとした秋が感じられる観
察力が素晴らしい。
4 藤原
5 小野寺 雑踏の人波と 路地裏の秋の対比が面白い。
渋谷スクランブル交差点
(027) 人波がランダムクロス交差点 秋元02
1 橋本 英語で旨く詠みましたね
(028) 波風にもまれたどりしこの境地 深瀬04
1 野澤 人によりそれぞれ違った境地にたどり着くので
しょうが,お互いどんな境地か語り合ってみたいもの
です。
健康のために始めた散歩だが、他人に負け
まいと速足になっても置いていかれる自分の
老化を感じるこの頃です
(029) 散歩する 歩数に感ずる 歳の波 柳町02
(030) 波紋呼ぶ 上から目線の 取り調べ 野澤03
(031) 老いてなほ秋波飛び交ふケアホーム 深瀬01
(032) 波寄せて 五輪に夢を 老サーファー 中津川03
1 宮澤 やっと五輪種目になりそうだと思ったら間に合
わない。寄る年波で夢は砕けるのでしょうか。
(033) 波はみな エネルギー伝え 果てるなり 橋本04
1 深瀬 理系の句のようですが、祖父母、父母、自分た
ち夫婦、子ども、孫という連鎖も波のようなものであ
り、自分もいずれ果てるのだ、と再認識しました。
高円寺での阿波踊りの見学の時の感激です。
以下、2句。
(034) 阿波踊り囃子にあわせる白き足袋 志方01
1 中津川
2 古川
(035) 渓流に 見上げてゆれる 波もみじ 中津川02
1 秋元 秋と色彩のテーマ
2 内野
(036) 形変え寄せては崩る波波波 深瀬11
(037) 鳥追いの 指先妖し ほの明かり 志方02
1 小野寺 鳥追いの指先妖しとほのあかりの感覚に 作
者の感性を感じます
(038) 雨戸打つ 波音高し 祖父の家 野澤05
1 吉良 都会に住む我々には地方の素晴らしい自然が時
に荒々しく感じられることもあるのかもしれません。
(039) 波の花砕ける風の日本海 豊01
1 古川
2 志方
(040) 望郷の秋霧ながる波止場かな 深瀬07
1 豊 ロマンチックな雰囲気が伝わりますが、文法的に
は「ながる」は「ながるる」でしょう。字余りになる
のでほかの言葉をひと工夫する必要がありそうです。
2 志方
2.兼題 秋刀魚
(041) 秋刀魚まで獲りに来るのかお隣さん 秋岡02
NHK'ためしてガッテン' お薦め旨み(脂)
を出しすぎない焼き方、試してみたら美味い
(042) 美味しいと いう秋刀魚焼き 試すなり 橋本02
(043) 好物をきかれて秋刀魚よき時代 深瀬14
1 秋岡 今は美味しいものが多すぎて、秋刀魚を好物と
いう人は少なくなってきたでしょうね。
(044) 秋刀魚食べ 秋の憂鬱 吹き飛ばせ 古川07
1 柳町
先日初物の秋刀魚の塩焼きをいただきまし
た
(045) 刺し身とか蒲より秋刀魚は塩焼きか 澤藤05
(046) 留守居酒 一人観戦 サンマ缶 中津川05
1 内野
2 深瀬 定年退職者の日常が活写されていると感じまし
た。
台湾・中国の公海上での大量先獲り、日本
近海の安くておいしい旬の秋刀魚に黄信号…
ウナギの二の舞は避けたい
(047) 先獲られ 旬の秋刀魚 ほろ苦し 橋本01
1 中津川
(048) 秋刀魚焼く煙なつかし昭和かな 深瀬15
1 秋岡 昭和は本当に遠くなりました。
2 野澤 3句(048、056 、061)纏めて:母が炭で焼いて
くれた幼き頃の光景が目に浮かびます。魚焼き器で焼
かれ焦げ目のない秋刀魚にも臭いだけは換気扇を通し
て伝わってきます。
3 豊 おっしゃるとおり、秋刀魚を焼く姿は昭和を感じ
させますね。
4 橋本 家の中で秋刀魚焼きの煙が漂ったのはいつ頃ま
でか思い出します
(049) 若き日の下宿の味や秋刀魚食ふ 豊03
(050) 焼秋刀魚おろしとにがみに一家言 深瀬16
1 橋本 料理人はそれが一番おいしいと信じているので
しょうが
(051) 幼き日 サンマのホネも カルシウム 野澤02
(052) におい来る 目黒に並ぶ 焼きさんま 中津川04
(053) 目黒川秋刀魚届ける江戸水路 深瀬13
1 中津川
(054) 炭おこし 旬の秋刀魚に 舌鼓 野澤01
1 古川
(055) 競り売りの声高らかに初秋刀魚 豊04
1 藤原
小学生の頃は夕方になると近隣の家で焼く
秋刀魚の煙が外まで漂い、秋を感じることが
できましたが、今はマンション生活の身とな
り煙を嗅ぐこともなく、昔が懐かしく思われ
ます。以下、4句。
(056) 秋刀魚焼く 秋を振り撒く 換気扇 吉良01
1 澤藤 さんまの焼く匂いは他の魚にない世の中の秋を
感じさせてくれます。
2 野澤 (048) に記載。
(057) 夕煙 右も左も 秋刀魚食う 吉良02
(058) 玄関を 入ると香る 秋刀魚かな 吉良03
1 藤原
(059) 年重ね 秋刀魚の小骨 身に染みる 吉良04
1 森
江戸時代はともに安価なご馳走だったよう 澤藤03
です
(060) 鯵鰯秋刀魚は庶民の応援団 澤藤04
(061) 七輪で 焼いた秋刀魚の あの日々や 古川06
1 野澤 (048) に記載。
(062) 秋刀魚さん高級魚ねと妻の言う 秋岡01
(063) 小粒化す秋刀魚に日本重ねけり 深瀬12
1 豊 確かに最近の日本は、政治家の人格も精神も小粒
になりました。
2 宮澤 みんな小さくなって、寂しくなって、秋になる
のです。
3.自由題
(064) 懐かしき 玉藻の庭に 白芙蓉 中津川06
1 秋元 秋と色彩のテーマ
2 小野寺 懐かしいのは 芙蓉の花の白さでしょうか
(065) 群れをなす 昔農協 今チャイナ 野澤08
(066) しののめに 過ぎし 夜寒の 秋の風 小野寺01
1 秋元 秋と色彩のテーマ
人生の再挑戦に際して、織田信長が桶狭間
の戦いに行く前に詣でた熱田神宮に参拝して
(067) 熱田宮 誓い立ており 蝉の飛び 杜瑯02
1 古川
(068) 夕まぐれ 浅瀬の岸に 秋 騒ぎ 小野寺09
1 橋本 どんな秋が騒いでいるのか想像力を掻きたてら
れます
小布施にて 以下2 句
(069) 北斎と正則しのぶ岩松院 秋元04
(070) 栗づくし小布施の味に舌鼓 秋元05
(071) 来しかたの 秋の彼方に 陽が沈み 小野寺04
1 内野
2 志方
(072) 線香の煙に笑ふ父母遺影 深瀬19
1 野澤 仮住まいのため,仏壇に線香を上げることも出
来ず我が両親は渋い顔をしているものと思われます。
ご先祖様に申し訳ない気持ちにさせられました。
瀬戸内海は豊後水道、紀伊水道から満ち潮
が入り、干潮時には両水道から潮が引きます。
そのため古代から大阪付近を出帆した舟は満
ち潮で鞆の浦まで容易に航行できました。鞆
の浦で次の干潮を待てば更に西に容易に航海
できるのです。この秋、友人のヨットで鞆の
浦に停泊して古代の瀬戸内海の海運の重要性
を認識し、さらにいにしえの遣隋使を思い偲
びました。以下、9句。
(073) 秋の日やあかね染まれる瀬戸の海 内野01
(074) あかね雲波は静かに瀬戸の海 内野02
(075) あかね空しばしまどろみ潮をまつ 内野03
1 柳町
(076) 鞆の浦いにしえ人は潮を待つ 内野04
(077) 潮待やいにしえ偲ぶ鞆の浦 内野05
1 豊 「鞆の浦」の歴史を感じさせます。
2 深瀬 鞆ノ浦の長く深い歴史的情感がわき上がってく
る感じです。
3 小野寺 潮待ちの情景が浮かんでくるようです。
(078) 秋潮を待ち休みたる遣隋使 内野06
(079) 潮を待ち船とまどろむ鞆の浦 内野07
1 秋元 ゆったりした情景が思い浮かぶようで選びまし
た。
(080) 波静かいにしえしのぶ鞆の浦 内野08
(081) 流星妹子も見たり瀬戸の海 内野09
(082) 酔い暮れて月夜に揺れる影法師 秋岡06
1 吉良 月明かりのもと、海辺か船上で気持ち良く酒に
酔える経験をしてみたいものです。
(083) 滔々と 流れて深き 秋が暮れ 小野寺07
(084) 虎落笛(もがりぶえ)鳴る日山姥来ると言ふ 豊06
(085) 山里のあぜ道そってコスモスが 志方08
(086) はらはらと 散りゆく 野辺に 秋も逝き。 小野寺05
1 内野
2 志方
3 柳町
(087) お彼岸は 孫に手ひかれ 墓参り 野澤06
中秋の月が水面に映るはずなのに、川沿い
の樹木の影が未だ邪魔をしている
(088) 名月を 木立に隠す 水面かな 橋本05
1 小野寺 余情を誘う 風景です。歯切れの良さが水面
のトーンを 心地良さに誘います。
(089) 弥勒像思惟の指先秋の風 深瀬17
1 秋岡 弥勒菩薩の半跏思惟像の指先は秋の雰囲気にマ
ッチしますね。
2 中津川
(090) 荒涼と 秋発つ 沢に 雲流れ 小野寺11
(091) お呼ばれで 勇んで行くと 孫の世話 野澤09
1 深瀬 落差表現の切り口が見事だと思います。
(092) 仏壇に線香流れる秋の朝 深瀬18
(093) 朝泳ぎ 昼寝をしては 眠れぬ夜 野澤10
(094) 10.21 デロリアン飛ぶ 未来かな 古川08
(095) オリオンの 星降る 夜に秋 流る。 小野寺12
1 柳町
よく見れば川沿いの葉の落ちた桜の木の枝
先という枝先に赤とんぼが止まっている
(096) 空に向く 枝先埋める 赤とんぼ 橋本06
(097) 彼岸花 紅い 焔(ほむら)に秋の居り 小野寺08
1 中津川
2 秋元 秋と色彩のテーマ
3 宮澤 赤いよだれかけのお地蔵さんと、紅い彼岸花は
秋のお寺によく似合います。
(098) 落葉踏む 秋移ろうや 散歩道 橋本07
1 秋元 秋と色彩のテーマ
2 藤原
3 小野寺 何気ない秋の風景ですが 踏んだ落ち葉の散
歩道がしみじみとした共感を誘います。
(099) 朝霧が山襞に沿いて立ちのぼる 志方07
(100) 若き日の母の遺影に歳忘れ 深瀬20
1 野澤 いま,私は父母の遺品を整理していますが,古
び,色褪せた写真にあれこれと思い巡り,若かりし日
の思い出に浸っています
2 柳町
(101) 自転車は 歩道も車道も 我が物顔 野澤07
(102) 波はなく 朝もや深く 乙女像 中津川07
小川のひだまりに羽をやすめる 瑠璃色の
蝶一服の絵のようです。
(103) ルリタテハ 秋の小川に休みおり 小野寺06
1 内野
(104) さびしさに秋夕焼をながめをり 豊05
出張に出会ったスイスでは すでに秋は白
夜でした。
(105) はろばろと 白夜の夜に 秋眠り。 小野寺13
(106) 屁理屈に 論理通じぬ もどかしさ 野澤12
1 橋本
現状に別れを告げる秋、満月でも光の届か
ない闇がある
(107) 満月に 遠吠え聞こえ 別れ闇 杜瑯01
1 深瀬 月明かりのもと、決意を新たにするという独特
の感性に幻惑されました。
(108) もみじ葉の紅(くれない)に満ち 秋が逝く 小野寺02
(109) 数ミリの 段差に躓く 老いた足 野澤11
(110) 金木犀 愛しく薫る 今年また 志方06
1 秋岡 金木犀の香りは私も大好きです。
(111) 寺田屋で竜馬に会いし京の秋 秋岡07
友人を亡くした日は 秋晴れでした。
(112) 哀しみは 遥かな秋の 鰯雲(いわしぐも) 小野寺10
1 吉良 いわし雲も時々の人の感情により様々な風景を
作るものだと思いました。
2 豊 叙情性たっぷりですが、「秋」と「鰯雲」は季語
が重なっているので、「秋」の代わりに違う言葉を考
えたほうがいいと思います。
3 橋本
4 志方
(113) きじ鳩の何鳴き交わす秋静か 秋岡05
1 宮澤 浅草の鳩ほど群れず静かだから鳴き声は聞こえ
るし、ちょっとしゃれた羽の色具合、土鳩は羨ましい
でしょうね。
秋の日に 旧い友人を亡くしました。
(114) 風が啼く 秋発つ 野辺に 友の 逝き。 小野寺03
1 中津川 私も10月の初めに旧友を亡くしました
2 内野
3 宮澤 今年は元の会社のゴルフ仲間が3 人も逝き、身
につまされます。
4 森
5 志方
4.川柳
(115) ・ハイタッチ上がらぬ腕に悲鳴上げ 秋岡08
(116) ・安倍さんを覗いてみたい腹の中 秋岡09
- 補足 選句とともに、下記のようなコメントが寄せられました。
・中津川さん ---- なかなか決められません。選句は大変ですね。
・野澤さん ---- みなさんがどんな俳句を詠まれたか,毎回楽しみにしていま
す。100句を超すと選句も一苦労ですが,これも又楽しい作業です。
今回は48,56,61の同じような思いを詠った3句の選別ができません
でしたが,7句までよしと云うことなので3句とも選んでしまいました。ご容
赦下さい。
・内野さん ---- 選句の理由付けは出来ませんが、どれも深みのある句だと思
います。
・橋本さん ---- 俳句は勉強していませんので上手くはなりませんが、頭の体
操?と皆さんの句を楽しむことができますので続けて行きたいと思います。
土川さんには下手な素人句でも我慢してお付き合いして頂けたらと思います
が、退会残念です。
・志方さん ---- 多くの句が、秋が持つ特有の風情を上手く表現されているよ
うに感じました。
- 訂正とお詫び
詞書き「友人を亡くした日は 秋晴れでした。」は、(112) にかかるもの
でした。誤って、(106) の前にしてしまいました。修正し、お詫びします。
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