2016年2月11日木曜日

 七句会のみなさま
 第十五回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
  今回の8 点句から3 点句は、下記のようでした。
  8 点句
(010) 青き闇 白く染め抜く 寒の月            吉良01
  5 点句
(083) 閑かさを求めて冬の一人旅              豊05
  4 点句
(035) 空碧く 冬芽は 命 宿しけり。           小野寺18
 3 点句
(004) 紺碧の海峡の先初日の出               秋岡03
(006) 古伊万里の藍の牡丹や床框 (とこがまち)        豊01
(055) 温暖化青い地球に影落とす              秋元08
(068) 江南の春風に舞う藍染布               秋元02
(082) 漁火 (いさりび) の波頭の闇に 星流れ。       小野寺06
(091) 年明けてなにか軽やか過去を捨て           深瀬18
(092) 朝日背に 孫と背比べ 初詣             野澤03
(112) 潮鳴りを 故郷 (ふるさと) とほく 夢で聴き。    小野寺15
(113) 雑煮食べ 亡き母偲ぶ 一周忌            野澤01
  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
  次回については、今年4 月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
 今回の選句には、下記の18名が参加しました。
  秋岡さん、秋元さん、内野さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、澤藤さ
ん、志方さん、中津川さん、野澤さん、橋本さん、藤原さん、古川さん、宮澤
さん、森 (杜瑯) さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
 今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、下記の要領で勉
強会を行いたいと思います。
 参加者は、2 月14日 (日) までにご連絡いただければ幸いです。
  勉強会の後、有志で飲み会を予定しています。
・日時   3 月2 日(水)17時~19時
・場所  未定
・費用    一人り2,000 円前後 (予定)
  2016.02.07
      代表   橋口侯之介 (休会中)
      顧問  豊  宣光
      事務方 深瀬久敬


  1.兼題 青 (紺、藍)
(001) 青空に 南天赤の 点描画              宮澤03
1 秋元
2 深瀬   青い空に赤い南天の色彩感と、点と
 天の掛詞がたのしい。
(002) 群青の波頭遥かに 友の逝き。            小野寺08
1 吉良  海を愛した亡き友人と思いますが、
 波間に今もなおその姿が見えているように感
 じたのでしょうか?
2 中津川 西牟田君の散骨の様子が浮かびます
(003) 青空にからす飛び交う麦畑 (ゴッコ絵画)        深瀬05
      元旦の朝近くの高台から見た明石海峡の先
    の初日の出は印象的でした。
(004) 紺碧の海峡の先初日の出               秋岡03
1 吉良  初日の出が目の前に見えるように感
 じます。
2 内野   きっと素晴らしい光景だったことで
 しょう。
3 豊   海峡の先に昇る初日の出の美しさが
 目に浮かびます。
(005) また一つふえる空地 (あきち) と青い空        小幡03
1 宮澤
(006) 古伊万里の藍の牡丹や床框 (とこがまち)        豊01
1 中津川 家の中にも藍の牡丹が咲いてます
2 柳町
3 小野寺 古伊万里の藍の牡丹と床框の対象が
 藍の抑えられた色調を一層静謐な風情におき
 かえて心地よい。
(007) 吹雪さり紅梅匂い空青く               内野03
(008) 氷上に青き輝き願いこめ               秋元07
(009) 蒼き朝 牡丹の冬芽 眠りおり。           小野寺19
1 深瀬   蒼と絢爛豪華な牡丹の色彩感、そし
 て、じっと時をまつ姿勢に共感。
(010) 青き闇 白く染め抜く 寒の月            吉良01
1 秋岡  月は、夏は赤く、秋は黄色く、そし
 て冬は本当に白い寒々しい月なんですね。
2 宮澤
3 豊   冬の夜の月の姿がうまくとらえられ
 ています。「白く染め抜く」がいいですね。
4 橋本  絵画的ですね
5 柳町
6 小野寺 白い月を浮かび上がらせる青い闇夜
 が深い夜更けの静けさを引き立てます
7 志方
8 小幡
(011) 青空や 北風我に 吹きぬけよ            古川03
(012) 群青の 海 切り裂きて 百舌が啼き。        小野寺10
1 秋元
2 小幡
(013) ヨットの帆輝く海の青さかな             豊02
1 藤原
2 古川
(014) 寝転んで 見上げる空は 青一色           古川05
1 秋岡  寒い中でもご本人の何か嬉しげな楽
 しげな心持ちを感じます
(015) 青学が箱根路走る晴れ晴れと             秋岡01
(016) 群青に旗竿染める藍の郷               秋元01
1 中津川 約40年前に行った徳島の藍住を思
 い出しました
(017) 蒼穹の かなた山の端 紅淡く            志方02
1 小野寺 明け方の東雲時の荘厳さを 絵のよ
 うに伝えてくれます。
(018) 空青き登りゆく坂白富嶽               内野02
1 吉良  澄んだ青空に聳える山に向かって登
 っている様子が、読み人の人生の歩みを映し
 ているように思います。
2 澤藤  寒波一幕が終わり、二幕はあるので
 しょうか。
(019) 晴天に北風小僧が演舞する              小幡01
1 秋岡  "小僧が演舞する" は楽しくて、気分
 をほっとさせてくれる句です。
2 橋本  北風は何で舞っているのか
(020) 熱燗に デルフトブルー 揺ら揺らと         宮澤02
(021) 年老いて更に求める空の青              澤藤02
(022) 雲海を 押しのけ坐る 青き峰            吉良02
1 志方
(023) 春画展永青文庫男女群れ               深瀬02
(024) 晴天に木枯らしが泣く寒さかな            小幡02
1 秋岡   あまりの寒さに木枯らし自身が泣く
 のでしょうか。
2 小野寺 木枯らしを泣くと表した寒さが青い
 空にふと感慨を呼びます。
(025) 初春や梅の香りと空の青               澤藤01
(026) 凛として 北アルプスに 青空や           古川04
(027) 太古より 青く静まる 大氷河            吉良03
1 豊   季語のない無季俳句ですが、悠久の
 歴史を大きなスケールで詠んでいます。
(028) 明星を 抱きて (いだきて) 蒼く 夜が明け。     小野寺11
     庭の樫の木を剪定し、窓からの青空の眺め
    復活、気持ち良し
(029) 剪定に 青空すっきり 戻りけり           橋本03
1 深瀬   樹木の剪定作業をし、すっきりした
 空を見上げたときの爽快感と新鮮さ。
2 古川
(030) 茶と青の陸海軍服セピア色              深瀬03
(031) イーゼルに映す山肌青の影              秋元04
(032) 青空を背にしてキリリ冬木立             秋岡05
(033) 青海に イルカ飛び跳ね 船の伴           吉良05
(034) 初めてのダンスステップブルーライト横浜       澤藤04
(035) 空碧く 冬芽は 命 宿しけり。           小野寺18
1 杜瑯
2 吉良  厳寒の中にも命の息吹を感じさせる
 句です
3 中津川
4 柳町
(036) 藍染に 浸るわが手や 青き皺            吉良06
1 宮澤
2 内野   皺に作者の人生を感じます。
(037) 青き海 白波よせて カモメ鳴く           志方04
(038) 雪景色 木枯らし寒く 青が澄む           宮澤01
(039) 群青の 海朱け染めて (あけそめて) 冬の朝      小野寺12
1 秋元
2 内野   冬の朝の見事さを見事に表現してい
 ますね。
(040) 寒風の青空の中泳ぐ凧                秋岡04
1 野澤
2 古川
     三年前ギリシャのサントリーニ島を旅行し
    たが、青い海と白亜のホテルが記憶に深く刻
    まれました。
(041) 青と白夏の思い出エ-ゲ海              小幡04
(042) 月一輪 蒼き光の 夜を往く。            小野寺16
      駒場東邦の教室から富士山が見えたことを
    おもいだして
(043) まなび屋の窓から望む青き富士             柳町01
1 藤原
2 志方
(044) 今日もまた株価ながめて青ざめる (川柳)        秋岡07
1 宮澤
2 小幡
(045) 青空を 伸び行く白線 突き進む           吉良04
(046) おもちゃ箱青いビー玉異邦人             深瀬04
(047) 空青く白く輝く富嶽かな               内野01
      転んで作った青あざで、駒場東邦の棒倒し
    を思い出しました。歳をとると転びやすくな
    ります。お互い気をつけましょう
(048) 青あざを見つめて想う棒倒              柳町01
1 小幡
(049) 箱根路を青き躍動駆け抜ける             秋岡02
(050) 青と白 水の惑星 我ありき             古川01
     若かりし頃の山行、南アに出かけ初日は土
    砂降りも翌日は梅雨明けの素晴らしい青空
(051) 碧空の 南アルプス 梅雨明ける           橋本02
(052) 藍染の 肩の向こうに 大文字。           小野寺07
(053) 青二才成人式に羽目外し               秋岡06
1 野澤
(054) 青色に 染まり続けろ 我が星や           古川02
(055) 温暖化青い地球に影落とす              秋元08
1 藤原
2 橋本  言い得て妙!
3 野澤
     残照の時刻、いつもの公園の紅葉が映え、
    碧空に白い月が美しい
(056) 碧空に 映える紅葉 白い月             橋本04
(057) 青と赤寒暖男女危機度合い              深瀬01
(058) 南仏の抜ける青空画家の丘              秋元05
(059) 挑戦も 意味なき連呼 青吐息            志方03
1 野澤
2 柳町
(060) 南仏の降り注ぐ青燦燦と               秋元03
(061) 青氷  踏みてふれあう  道すがら           柳町01
1 秋元
2 深瀬   霜柱かつららの落ちたものか、いろ
 んな人が足元を注意しながら行き交っている
 風景がなつかしい。
(062) 友逝きて 散骨されし 青海原            志方06
1 小野寺 青海原に帰した友の死はいつまでも
 己の死と重なり自分が生きることの理を教え
 ているようです。
     まだ若い頃、八ヶ岳山頂で体験、感激しま
    した。
(063) 雲海に浮かぶ青島 (あおしま) 夏の富士        小幡05
1 橋本  独立蜂だからこその富士の雄姿です
 ね、何回か見ています
(064) どちらに軍配あげようか空の青さと海の碧 (あお)    澤藤03
(065) 時雨空青空覗き薄日射す               秋元06
1 藤原
(066) 空青く 梢の先の 富士白き             志方01
1 宮澤
     小笠原旅行での、美しい海の色に浮かぶ島
    々を思い出して
(067) 小笠原 コバルトブルーに 浮かぶ島         橋本01
1 野澤
(068) 江南の春風に舞う藍染布               秋元02
1 柳町
2 小野寺 春風に舞う藍染の布は、絵のように
 心を揺さぶられるようです。
3 志方

    2.兼題 地球
(069) 地球の美改めて知るお正月              深瀬10
(070) 春浅し地球を壊す温暖化               豊03
1 野澤
(071) にごり陽の北京もパリも人の業            深瀬09
1 橋本  にごり陽がいいですね、パリはディ
 ーゼル車(VW)が主要因?
2 中津川 まさににごり陽の大気ですね
(072) クォークは 地球の裏の 夏も知る          宮澤05
     北朝鮮の水爆実験は狂気の沙汰としか思え
    ない。テロといい北朝鮮といい悩ましい限り
    です。 (以下、2 句)
(073) 北鮮の狂気に悩む地球人               秋岡08
(074) 地球儀で小さき祖国再確認              秋岡09
(075) どう処方地球の微熱ヒト菌禍             深瀬06
1 豊    地球の危機をうまく風刺しています。
 社会派俳句ですね。
(076) 地球儀に つつがなき世を 初詣で          宮澤04
1 柳町
(077) 地球四季さくらにすいか栗に葱            深瀬07
      COP21パリ協定は出来たが温暖化は抑
    制できるのか、以下二句。
(078) 温暖化 行方定まぬ 地球号             橋本05
1 澤藤  みんなで考え、行動しましょう。
2 豊   文法としては「行方定まらぬ」もし
 くは「行方定めぬ」だと思います。「地球号」
 という言葉がいいです。
(079) 温暖化 地球は一つ 逃げられぬ           橋本06
(080) われらみな銀河の中の地球人             豊04
1 小幡
(081) 流氷にやっとたどりし白熊や             深瀬08

  3.自由題
(082) 漁火 (いさりび) の波頭の闇に 星流れ。       小野寺06
1 秋元
2 内野   地球、宇宙、人間の営みの描写が見
 事です。
3 古川
(083) 閑かさを求めて冬の一人旅              豊05
1 秋元
2 内野   どうして一人旅なのでしょうか。気
 になります。
3 中津川
4 志方
5 小幡
(084) 冴えわたる 夜寒に白く 月の在り。         小野寺04
(085) 寄り添いし 白梅ほのか 香り立ち          杜瑯02
(086) 元旦の障子や松の影うつし              深瀬13
1 内野  静かな正月だったようですね。
2 豊   正月のめでたさをきれいに表現した、
 完成度の高い句だと思います。
(087) 蕾梅 いつまで待つか 野辺歩き           志方05
(088) 朋ひとり 枯れ野の果つる 野辺に逝き。       小野寺21
1 志方
(089) 寂しさに うつり香求め 梅の咲く          杜瑯01
(090) 三世代 我が常識は 非常識             野澤07
1 古川
(091) 年明けてなにか軽やか過去を捨て           深瀬18
1 秋岡   新年は幾つになっても軽やかな気分
 で迎えたいものです。
2 橋本  こうありたいとは思いますが、、、
 一時でしょうか
3 野澤
(092) 朝日背に 孫と背比べ 初詣             野澤03
1 吉良  正月の朝日を背に孫の成長を願う気
 持ちが感じられます。
2 秋岡   今年の正月は天気も良く家族揃って
 の初詣が多かったです。楽しそうでいいです
 ね。
3 宮澤
(093) 朝焼けの 光ほのかに 薔薇は咲き。         小野寺03
(094) 陽のひかり寒気の朝に顔に受け            深瀬16
(095) 薄紅の 光まといて 冬の薔薇。           小野寺02
1 秋元
2 志方
(096) 妻と屠蘇悲観楽観老ひの影              深瀬11
(097) 暁に 星たずさえて 陽はのぼり。          小野寺13
(098) のこり雪ふみしめかみしめ登る坂           内野04
(099) 暖冬と 云えども寂し 懐が             野澤05
(100) 月冴えて 銀の 雪夜を 歩きけり。         小野寺05
1 吉良  学生時代に行ったスキー場の夜を思
 い出しました。
(101) 満員もスマホ溢れて疎空間              深瀬19
1 中津川 久しぶりに満員電車に乗ったときも
 回りはスマホばかり
(102) 万感の 想い託して 歳が暮れ。           小野寺20
(103) 孫曰く 僕は勉強 アレルギー            野澤06
1 深瀬   こういう反発がでる子どもの柔軟性
 がすごい。
(104) 海鳴りを 銀河流るる 果てに聴き。         小野寺09
(105) 元旦にひとりパン焼き茶を淹れる           深瀬17
1 秋岡   寂しいけれど何か強さも感じ、唸っ
 てしまいました。
(106) 銀漢を 仰げば耳に 潮の音             小野寺14
1 志方
(107) 餅つきも 孫の世代は 押しボタン          野澤04
(108) 潮ひきて 浅瀬に迷う クジラかな          志方07
(109) 百舌 (もず) 啼きて 月 天心にかかりおり。     小野寺01
(110) 正月の おせちに残る 母の味            野澤02
1 豊   亡くなった母親の味がお嫁さんに引
 き継がれている、ほのぼのとした感じが出て
 います。
2 小幡
(111) 桟道橋電車見おろし初詣               深瀬15
(112) 潮鳴りを 故郷 (ふるさと) とほく 夢で聴き。    小野寺15
1 杜瑯
2 内野   海から上陸した生命体。人間の故郷
 も海ですね。
3 橋本  いつも聞いていた潮鳴りは夢でも聴
 けるとは。山育ちには無理です
(113) 雑煮食べ 亡き母偲ぶ 一周忌            野澤01
1 吉良  最近の正月のおせち料理は出来合い
 が多くなりましたが、やはり母親の手作りの
 味が忘れられません。
2 柳町
3 深瀬   引き継がれる伝統が急減するなかで、
 食事は身近に残っています。
(114) 夕陽凧遠い昔にすいこまれ              深瀬12
(115) 荒海に 蝶一羽舞い 秋は暮れ。           小野寺17
(116) 目覚ましや家人は留守の冬座敷            豊06
1 宮澤
2 深瀬   なにか私小説的な異空間的の雰囲気
 にひかれます。
(117) 初風呂の夜のしじまに顔拭ふ             深瀬14
1 小野寺 元旦の夜の風呂で顔を洗い、今年一
 年を静かに迎えるのだという心の気概がいい
 ですね。
(118) この一年  俳句に心  和まされ            野澤08
  ----  以上 ----