2021年7月19日月曜日

七句会 第三十六回目のネット句会 選句の結果をご報告します。

 

 七句会のみなさま

 

 第三十六回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

今回の選句結果をご報告いたします。

 

  4 点句

(008) 紫陽花の青滴りて虹の玉            小野寺06

 

  3 点句

(003) 乱れ飛ぶほたるの飛跡星を縫ひ         深瀬 05

(036) 青葉木菟 (あおばずく) 故郷の森に祖父はをり  小野寺10

(042) ほとばしる滝の飛沫 (しぶき) に蝶は舞ひ    小野寺09

(050) 砂浜に残る足跡晩夏光             豊    01

(052) 人妻となりて別れし花明かり          小野寺02

(057) 少年は夢ふくらませ夏の雲           豊    04

(064) スカイツリー雲にとげ刺し梅雨やまず      宮澤  06

(066) 迎え火を庭で焚く父いまは亡く         深瀬 18

(071) 人生は花火とともに消えにけり         豊    05

(102) 野佛の深き瞳や夏木立             小野寺03

 

  2 点句

(002) 若鮎の炭火に香る藻の青さ           吉良  03

(007) 空蝉の余生にほのか恋手紙           宮澤  05

(011) 朝採りの有機きゅうりや無二の味        橋本  01

(013) 夏休み喧嘩ばかりし兄施設           深瀬 11

(015) 微笑まれ帰りたくない雨宿り          宮澤  03

(027) 切れ長の佛の目 (まなこ) 梅雨の寺       小野寺07

(029) 老ひ集ふ若葉に埋まるゴルフ場         深瀬 02

(035) 拡大鏡線香花火で隅田川            宮澤  04

(039) 夏雲を讃えて青き甲斐の山           小野寺04

(043) 剪定に暫しの安らぎ初夏の庭          橋本  02

(074) 紫陽花は薄紫の花暦              秋元 01

(077) 軒先の倖せの巣やツバメ来る          小野寺12

(083) メロン切る手に甘き汁母の夢          吉良  05

(086) 梔子 (くちなし) の白き雫に光る虹       小野寺08

(095) 青空に落ちるものなし原爆忌          豊    06

(096) 夕立に用を忘れて帰宅する           宮澤  02

(097) 独り居の友となりぬる冷やっこ         吉良  02

 

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、今年9 10月ころにご連絡したいと思っていますので、よ

ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連

絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。

 

(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の15名が参加しました。

  秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さ

ん、中津川さん、橋本さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、柳町さん、豊さ

ん、深瀬。

 

(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  8 9日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

  2021.07.19

      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬

 

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(001) 健診表人生秋の便りかな            新井  03

(002) 若鮎の炭火に香る藻の青さ           吉良  03

   1 中津川 

   2 秋元   

(003) 乱れ飛ぶほたるの飛跡星を縫ひ         深瀬 05

      1 新井    暗い中キラキラ光る蛍が目に浮かびました。『星』

          が素敵です。

      2 中津川  多くのほたるが舞う様が浮かびます。

      3 志方    雄大な天空のパノラマが浮かぶ

(004) 万緑に染まりし寺に不動尊           小野寺20

      1       不動尊を祀っている寺はいくつかありますが、作

          者はどこの寺に行ったのでしょうか。緑の木々の葉

          のやさしさと不動尊の顔の厳しさがうまく対応して

          います。

(005) キャミソール薄着で魅せる五十女        新井  08

      1 桑子    「魅せる」という表現がステキです。まだまだ若

          い者には負けないわよという意気込みが感じられま

          す。

(006) つゆ空に芽生えし稲の田に映えり        深瀬 07

      1 柳町   

(007) 空蝉の余生にほのか恋手紙           宮澤  05

      1 平島    源氏物語の面影。老いらくの恋とかも思い出させ

          てくれました。「ほのか」が少しの暖かさ嬉しさも

          含んで恋が生きています。

   2 小野寺  空蝉の余生でも恋は恋です。ほのかが効いてます。

(008) 紫陽花の青滴りて虹の玉            小野寺06

      1 吉良    雨上がりの状況でしょうか。水滴が光に虹色に輝

          き、花の青色とコントラストを見せている美しさを

          感じました。

      2 新井    紫陽花、虹、とロマンティックで洋画の一場面の

          ようです。

      3 橋本    情景が見事に浮んできます、美しいです。

      4 秋元   

(009) 梅雨晴や足取り軽くフェアウエイ        桑子  01

(010) 庭電灯つけて影踏み懐かしく          深瀬 15

(011) 朝採りの有機きゅうりや無二の味        橋本  01

      1 新井    きゅうりのシャキッとした食感が感じられます。

      2 中津川  手塩にかけた作物はとりわけおいしいですね。

(012) カルガモの親子見守る半夏生          中津川06

      1 秋元   

(013) 夏休み喧嘩ばかりし兄施設           深瀬 11

      1 中津川  本当は仲の良い兄弟なのが伝わります。

      2 宮澤    順番だから仕方ないと思いつつ、切ない気持ちで

          す。

(014) キャンバスに滴る緑夏の雲           小野寺05

(015) 微笑まれ帰りたくない雨宿り          宮澤  03

      1 橋本    微笑んでいるのはどんな人、気になります。 そん

          な出会いに巡り会いたい。

      2 小野寺  雨宿り、微笑まれたら雨よ止むなと思いますよね。

       笑

(016) 天涯を光と翔けし岩ひばり           小野寺11

      1 志方    ダイナミックな躍動感の表現、旨いな

(017) 地球といふ岩石浮かす宇宙かな         深瀬 22

      1       似たような発想の名句がいくつかありますが、作

          者の壮大なスケールの発想に共感しました。

(018) 桜色来年の私似合うかな            新井  01

(019) 草むらや雨に打たれるあまがえる        深瀬 19

      1 秋元   

(020) 万緑の深き谷間を鷺は越え           小野寺15

(021) 左腕接種安心老いの夏             中津川01

(022) コロナ禍の集団接種梅雨の空          服部  04

(023) 昼休み若葉の下のピクニック          新井  07

(024) ところてん遭遇せしは母実家          深瀬 17

      1 服部   

(025) 七夕にトラの命が後わずか           志方  03

      1 桑子    トラとは阪神タイガースの事でしょうか?そうな

          ら同感です。阪神の優勝年は1962年、64年、85年、

          2003年、5 年と20年間隔の規則性があり、次回は20

          25年早くて23年というところでしょうか。(あくま

          で小生の予想です) 

(026) 雨蛙ハシビロコウに勝ちにけり         桑子  02

(027) 切れ長の佛の目 (まなこ) 梅雨の寺       小野寺07

      1 宮澤    なぜか、若き日の山口百恵の切れ長の目の涙が連

          想されます。

      2 深瀬    言われてみると確かに仏様の眼というのは切れ長

          です。梅雨の寺との取り合わせを興味深く感じまし

          た。

(028) 船旅や太平洋は夕焼けて            豊    02

(029) 老ひ集ふ若葉に埋まるゴルフ場         深瀬 02

      1 中津川  コロナ禍でもゴルフ場は高齢者で結構混んでいる

          らしいですね。

      2 桑子    老人にとってゴルフはコロナ禍で、健康維持のた

          めのベストな屋外での運動だと思います。

(030) 草茂り捨て冷蔵庫埋もれ行く          服部  03

      1 深瀬    なにかよく見かける光景ですが、自然の営みと人

          間活動の接点のなかで、人間の身勝手な浅はかさが

          えぐりだされている感じです。

(031) 実家より新ジャガ届く梅雨間近         橋本  03

      1 宮澤    知人からの頂き物で季節を知ることがあります。

          届くことで無事を知ります。いつまでも無事に続く

          ように。

(032) 散る桜海の蒼さに染まりけり          小野寺01

(033) 庭に椅子すいか囲みし父母は亡く        深瀬 14

      1 新井    寂しさも感じますが、一方でご両親を慕うしみじ

          みとした愛情にあふれています。

(034) 遊園地跡バラの盛りの燃えるごと        中津川04

(035) 拡大鏡線香花火で隅田川            宮澤  04

      1 橋本    視点が面白いです。

      2 深瀬    浮世絵には巨視的な描写の絵がありますが、その

          逆を行った感じでおもしろいと思いました。

(036) 青葉木菟 (あおばずく) 故郷の森に祖父はをり  小野寺10

      1 柳町   

      2 志方    しみじみとした祖父への敬愛

      3       亡くなった祖父が青葉木菟に姿を変えて故郷の森

          に帰ってきた。見事な発想です。

(037) 時間割隠居者用は役立たず           深瀬 26

(038) 夏来る予約画面でヨーイドン          新井  02

      1 治部    コロナ禍でのワクチン予約大変でしたよね。こん

          な感じで一日中苦戦しました。

(039) 夏雲を讃えて青き甲斐の山           小野寺04

      1 平島    青い空白い入道雲それらを讃えるかの如く緑滴る

          甲斐の山々。人間至る所に青山あり。色の配合が好

          きです。一編の絵画。

      2 治部    私も見ました。青く見える甲斐駒ヶ岳。雲と大和

          が互いに讃え合っているような迫力のある風景でし

          た。

(040) 風の中ツバメ飛び交う田植えかな        志方  04

(041) 心筋梗塞この死に方は気が重し         深瀬 23

(042) ほとばしる滝の飛沫 (しぶき) に蝶は舞ひ    小野寺09

      1 吉良    滝の作る瀑風にのり軽々と舞い上がる蝶が涼しさ

          を感じさせます。  

      2 柳町   

      3 秋元   

(043) 剪定に暫しの安らぎ初夏の庭          橋本  02

      1 服部   

      2 小野寺  夏草が生い茂る前に庭木を選定しておくのは理に

       叶っており、ホッと落ち着きますね。

(044) 何時の間に富士の雪解け消えゆきて       志方  07

(045) 布団干し梅雨の合間の勘違い          新井  05

(046) 夏ホームべんとべんとの声行き来        深瀬 16

      1 治部    懐かしい風景ですよね。子供のころの夏休みの帰

          省を思い出します。今も弁当売りってあるんですか

          ね。

(047) ひとと逢ふ闇夜を蛍流れゆき          小野寺19

      1 宮澤    道案内なのでしょうか。吉の徴だといいですね。

(048) 裾乱し走り騒ぐや浴衣の子           服部  05

(049) 変わりなく瀬戸の島並み煙雨降り        志方  02

      1 平島    コロナ騒ぎなど世に有為転変が起きているがそこ

          にある自然は昔の儘で点在する島々が降る雨に煙る

          その姿は墨絵のごとくなり。

(050) 砂浜に残る足跡晩夏光             豊    01

      1 吉良    足跡は子供足跡、あるいは恋人達の足跡色々でし

          ょうか。晩夏の人気のない海岸が切なく感じられま

          す。

      2 服部   

      3 桑子    夏が終わる寂しさを感じます。誰もいない浜辺が

          目に浮かびます。

(051) 部屋隅に琥珀に沈む梅酒あり          吉良  04

      1 服部   

(052) 人妻となりて別れし花明かり          小野寺02

      1 平島    自分が人妻となって男と別れたか、それとも彼女

          が人妻になって離れ離れになってしまった男の述懐

          か? 花明りに遠い昔をぼんやりと重ねている。忘

          れがたい人だったなあ。

      2 柳町    この句、なんかいいですねーーーー。作者を知り

          たいです。

      3 桑子    何かせつない思いがします。人妻になる前はどう

          いう間柄だったか想像をかき立てられます。

(053) 生きすぎとほたるに詫びる老ひひとり      深瀬 03

      1 平島    一人ぼっちになってもまだ未練たらしくこの世に

          生かされている己に比べて短い命の蛍がけなげに一

          生懸命おしりを光らせて精一杯生きている。ごめん

          な!変わってやりたいくらい。

(054) 紫陽花の深緑に浮ぶ灯りかな          橋本  04

(055) 梅雨空や胃カメラ検査の気の重く        服部  01

(056) おもひつきアマゾンクリック少し悔ひ      深瀬 25

(057) 少年は夢ふくらませ夏の雲           豊    04

      1 吉良    入道雲に向かい夏休みに何をしようかとワクワク

          している子供が思い浮かびます。

      2 柳町   

      3 志方    すっきりとした夏の表現が見事

(058) 冷そうめん卓に吹き寄す瀬戸の風        吉良  01

      1 中津川  このそうめんはきっと瀬戸内小豆島産ですね。

(059) 燕の子黄色の声に母還る            小野寺13

(060) 江ノ電の車窓に映る夾竹桃           志方  05

(061) 干しもののピアノ部屋埋むつゆの日々      深瀬 10

      1 橋本    便利に使われてしまう余り使われないピアノ部屋

          を想像しますが、、、

(062) 蓮の花白やピンクの愛らしさ          新井  06

(063) オリパラをやるかやめるか迷い梅雨       中津川03

      1 服部   

(064) スカイツリー雲にとげ刺し梅雨やまず      宮澤  06

      1 新井    「とげ刺し~」が面白いです。

      2 服部   

      3 深瀬    天の貯水槽に穴でもあけてしまったのか、人間の

          やりすぎをエスプリをきかせて批評しているように

          も感じました。

(065) (ちまき) 喰う孫の笑顔や風薫る       小野寺17

(066) 迎え火を庭で焚く父いまは亡く         深瀬 18

      1 桑子    今は作者が焚いているのでしょう、将来は子ども

          達が受け継いでいくのでしょうか。

      2       いつも迎え火を焚いていた父が亡くなって、今年

          はその父のために迎え火を焚く作者。親子の情の交

          流がいいですね。

      3 小野寺  お盆の何気ない風景でしょうか。お勤めの様に迎

       え火を焚いた父上に限りない哀惜の想いが伝わって

       きます。

(067) 警報におののく蛍も避難かな          新井  04

(068) おもちゃかと石灯籠に乗る蛙          深瀬 20

(069) 紫陽花に居場所とらるる愛車かな        桑子  04

      1 治部    雨が降ると紫陽花の枝は横に広がり花が重くて大

          変です。狭くなっている駐車場の様子が見えます。

(070) 梅雨さ中マスクは苦しコロナかな        志方  01

(071) 人生は花火とともに消えにけり         豊    05

      1 新井    そういえばそうだ、と思い知らされました。

      2 治部    花火は本来華やかな夏の風物詩です。人生を消す

          ものではありません。花火とともに燃えにけりと行

          きましょうよ。

      3 深瀬    最近、こういう状況が身近にわかる心境になって

          きた感じがしています。

(072) つゆの窓頬杖をつく少女かな          深瀬 08

(073) 霧の海郭公 (かっこう) が哭き陽は昏れぬ    小野寺21

      1 志方    黄昏の情景が、音の響きに合わせて上手い表現

(074) 紫陽花は薄紫の花暦              秋元 01

      1 平島    パッとみると漢字の紫と花が二つ飛び込んでくる。

          声に出して読んでみると全然違う。花暦で決まりで

          す。言葉遊びとして秀逸です。

      2 柳町   

(075) 残り時間どうたのしむか日々自問        深瀬 21

(076) 木曽川の風薫り来て山法師           中津川05

      1 小野寺  木曽川の風が香り山法師の白い花が初夏の柔らか

       な光を感じさせます。

(077) 軒先の倖せの巣やツバメ来る          小野寺12

      1 志方    幼いころは本当に夏の風物詩だった

      2       「倖せの巣」という表現に、小動物と家族への作

          者の愛情が感じられます。

(078) ダンゴバチ来て安堵する庭野菜         橋本  05

      1 桑子    ハチは来ないとちょっと不安、「安堵する」とい

          う表現がステキです。

(079) 寝てばかり隠居生活どこ向かふ         深瀬 27

(080) ラフの中打つの待ってと青蛙          宮澤  01

      1 小野寺  与謝蕪村の様な、俳諧に洒脱なユーモアを感じら

       れてほのぼのとしますね。

(080) 1 橋本    青蛙の居る健全なゴルフ場、打てないですよね。

(081) 鳴るラインワクチン接種の報告会        中津川07

      1 橋本    お先打ちました、副反応は如何なのと素早く情報

          が行き交う世の中。

(082) つゆ空に一羽のからす重く飛び         深瀬 06

(083) メロン切る手に甘き汁母の夢          吉良  05

      1 宮澤    母のやさしさ、甘さを思い出します。でもメロン

          とは裕福だったのですね。我が家はスイカでした。

      2 小野寺  メロンを切る手に残る甘い汁は懐かしく優しかっ

       た母上の記憶でしょうか。

(084) 人生は一度限りといま悟り           深瀬 24

(085) 更衣(衣替え)眩く見えるセーラー服      志方  06

(086) 梔子 (くちなし) の白き雫に光る虹       小野寺08

      1 宮澤    雫に虹が閉じ込められてトパーズの輝きを放って

          いる。「クチナシの花」のようなお前にトパーズは

          似合っている。

      2 秋元   

(087) ライオンも木陰に休む夏日かな         豊    03

(088) 夏野行く駿馬は青き風を追い          小野寺14

      1 吉良    青き風によりさわやかさを感じさせられます。

(089) 夏休み湘南電車に海の青            深瀬 13

      1 新井    夏の良さが全面に表れています。

(090) 湯上りに浴衣着流しみだれ髪          小野寺18

      1 平島   ちょっとお年寄りなら与謝野晶子を思い浮かべま

          す。江戸の画家なら曽我蕭白か。男の官能をくすぐ

          られる句立てです。若い世代なら美空ひばり、星野

          哲郎、船村徹かな?

       コロナ禍の句 2句                                    

(091) 後手後手と自粛に疲れ人流る          橋本  06

(092) 結局はワクチン頼みとなりにけり        橋本  07

(093) 孫たちのやっと引き揚げ夏終わる        服部  02

      1 吉良    孫がいよいよ帰るときになり、ほっとする気持ち

          と悲しい気持ちが良く描かれています。

(094) ふきつのる梅雨の雨かぜ老ひの窓        深瀬 09

      1 柳町   

(095) 青空に落ちるものなし原爆忌          豊    06

      1 吉良    原爆の投下された夏の日の暑さが「青空に落ちる

          ものなし」でうまく表現されています。

      2 深瀬     「落ちるものなし」という表現が人間の行いの

           罪深さを切り取っている感じがします。

(096) 夕立に用を忘れて帰宅する           宮澤  02

      1 中津川  私も物忘れ増えて一つやるともう一つをよく忘れ

          ます。

      2 服部   

(097) 独り居の友となりぬる冷やっこ         吉良  02

      1 橋本    私も同類、夏は何はなくとも冷や奴、 手軽で美味

          しい。

      2 深瀬    冷や奴は、歳とともに身近な食べ物になって迫っ

          て来る感じです。

(098) 戦死者のいのちほたるに重ねけり        深瀬 04

      1       戦死者の魂がホタルとなって帰ってきた。戦争の

          不幸な記憶はいつまでも忘れてはいけません。

(099) ミズスマシ水面に逝きし友の顔         中津川02

(100) 草笛や憂いのしらべ峠道            小野寺16

(101) 夏休み始め終わりの浮ひた腰          深瀬 12

(102) 野佛の深き瞳や夏木立             小野寺03

      1 柳町   

      2 秋元   

      3 志方    なら柳生街道の佇んでいたお地蔵様を想起しまし

          た。

(103) 六月や塩屋の空にフェニックス         桑子  03

(104) 温暖化先行き想ふ子供の日           深瀬 01

 

 

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付録  ご参考。選句とともにお寄せいただいてコメントをご紹介し

ます。

 

・新井さん

  色々な方とお話したようで、楽しいひと時を過ごせました。

・中津川さん

  今週は珍しく週中に所用があり早めに選句をお送りします。都内

では飲めないので名古屋の友人と川崎で飲むことになりました。

・宮澤さん

  梅雨空にうんざりしているところに、またもや、緊急事態宣言。

猛暑も間近と思われます。いいことは大谷君の活躍くらいです。

 本日は休みですが、まだ、週3 日程度出勤しています。勤務場所

が晴海で選手村に近く、人の動きが増えています。ワクチンは2

打ちましたが、バブルがはじけるのではと、落ち着かない感じです。

・橋本さん

 コロナの感染拡大、残念ながら止まりませんね。政府の対策がこ

れまで有効に機能していないので、信用されなくなっているのが問

題かなと思います。

・秋元さん

  素人なりにvisualな句を選びました。