2022年1月19日水曜日

七句会 第三十八回目のネット句会 選句結果をご報告します。

  七句会のみなさま


 第三十八回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

今回の選句結果をご報告いたします。

 (若干早めの締め切りですが、追加があれば補正します。) 



  5 点句

(013) 小豆煮る母の匂ひの年の暮れ           小野寺16

(080) 身をそぎて凜とそびえり枯れ銀杏         吉良01


  4 点句

(035) 柚子かほる無音の闇夜迫り来て          小野寺19

(047) 近き嶺暮れて遠山冬茜              小野寺07

(058) 朱を深めエアーズロックに初日の出        深瀬24

(063) 味深し杵つき餅の雑煮かな            橋本05

(075) 凩 (こがらし) が哭きて故郷の無人駅       小野寺15

(088) 混沌の二年を咲くや冬の薔薇           小野寺11


  3 点句

(014) 冬の日ははや沈みけり黒き富士          豊04

(018) 冬の夜の祖母の童話は動きだし          小野寺22

(020) 着膨れてスイカまさぐり通せんぼ         桑子03

(029) かくれんぼこんなところにからすうり       深瀬06

(056) キャラバンを砂紋にうかす初日の出        深瀬22

(097) 艶めきの過ぎてあはれを散るもみぢ        小野寺06


  2 点句

(003) からすうり夕陽に染まり子ら家路         深瀬07

(009) 墨にほふ途切れし筆の雪の朝           小野寺10

(010) 年惜しむ後に湧き出るしたいこと         新井11

(022) スマホ手に落ち葉の雨のランデブー        吉良02

(028) 鬼瓦降り積む雪に雀舞ひ             小野寺20

(031) 冬木立快晴の空突き刺しぬ            豊06

(033) 鮮やかに柿の葉濡れて初時雨           小野寺03

(036) 水仙や時空旅して今ここに            深瀬04

(053) 宇宙から見ればなんなの初日の出         深瀬19

(055) ガンジスの荼毘の岸辺に初日の出                深瀬21

(059) 初日の出伊豆の海原万華鏡            深瀬25

(061) 石組みの濠 (ほり) に清らか初日の出       深瀬27

(068) 会えぬから今年こそ書く年賀状          中津川07

(069) お正月孫を迎えて子は父に            深瀬15

(106) 去年今年つらぬくものはなにか問い        深瀬08



  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、今年3 月~4 月ころにご連絡したいと思っていますので、

よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら

、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。


 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。


(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の15名が参加しました。

  秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さ

ん、中津川さん、橋本さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、柳町さん、豊さ

ん、深瀬。


(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  2 月 2日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。


 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/


  2022.01.19


      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬



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(001) 落ち葉来る仕舞いはいつなの掃き掃除       服部05

(002) しみたかなおでん恋しや大根が          志方05

      1 秋元

(003) からすうり夕陽に染まり子ら家路         深瀬07

      1 新井    赤く染まった夕焼けが目に浮かびました。

      2 小野寺  紅いからすうりに夕陽があたり落日はつるべ落としで迫

              り家路に駆ける子供達の帰宅も急がれます。

(004) 鮟肝のつきだし小鉢友偲ぶ            中津川02

      1 服部

(005) 雪の宵紅ひき結び別れ往き            小野寺08

(006) ブルーベリー朱の葉留める松の内         橋本02

(007) 蜜避けて3 日遅れの初詣             桑子05

      1 新井    全く共感です。

(008) 早々に喪中はがきの暮早し            服部04

(009) 墨にほふ途切れし筆の雪の朝           小野寺10

      1 豊     きれいな句です。墨の黒と雪の白の対比がみごと。

      2 秋元

(010) 年惜しむ後に湧き出るしたいこと         新井11

      1 志方

      2 深瀬    前向きな気持ちがうらやましく感じました。

(011) 受験生幸先詣でオミクロン            中津川04

(012) 水仙や古池めぐる苔に和し            深瀬05

(013) 小豆煮る母の匂ひの年の暮れ           小野寺16

      1 新井    コトコトとお鍋の音が聞こえてくる、情緒あふれる一句

          です。

      2 平島    毎年の行事のお節。この匂いを嗅ぐと思い出されるのが

              母が割烹着で甲斐甲斐しく働いていた姿。今時の子供はも

              う味わえないのでは・・・  匂いの記憶は終生忘れないも

              のです。

      3 吉良    今はデパートで買えるものとなった「おせち料理」。年

              末の家庭の年中行事が懐かしく思われます。

      4 豊      正月祝いの準備をしているお母さんの思い出でしょうか。

          「匂ひの」は「匂ひや」としたほうが引き締まったと思い

          ます。

      5 服部

(014) 冬の日ははや沈みけり黒き富士          豊04

      1 吉良    赤富士、青富士でなく黒富士が新鮮に感じられました。

              黒富士を強調したほうが更に良い句になるように思います

              がいかがでしょうか?  "黒富士や冬の陽ははや沈みけり" 

      2 志方

      3 橋本    冬は空が澄み、西の空にくっきりと浮かび上がる富士の

          姿は感動的でもあります。

(015) 一時間遅く起きた日テレワーク          新井03

(016) 苦も楽も日記かえりみ年惜しむ          深瀬01

      1 小野寺  年の終わりに過ぎて行った日々を懐かしく慈しむ、時の

              過ぎさる速さに取り残されそうです

(017) 冬鳥の叫び虚空に突き抜けり           服部02

      1 秋元

(018) 冬の夜の祖母の童話は動きだし          小野寺22

      1 吉良    「童話は動きだし」の表現が秀逸です。祖母の童話の話

              を聞いているうちに、孫が夢のおとぎの国にさまよい込ん

              だ様子が目に浮かびます。

      2 中津川  童話を聞いている孫はきっと主人公になっているのでし

          ょう。

      3 深瀬    朗読の仕方が上手なのでしょう。「動きだし」がリアル

          です。

(019) お正月残り少なき歳数え             深瀬12

(020) 着膨れてスイカまさぐり通せんぼ         桑子03

      1 服部

      2 宮澤    自動改札の前でこのようなおじさんが前にいて、電車来

          ているのにと蹴とばしたくなること度々。しかし、同じこ

          とをして自分が通せんぼしているときは、他人を意識して

          いません。わがままなものです。

      3 深瀬    サザエさんの漫画を彷彿とさせます。

(021) 鐘つきも酒も手水も無し初詣           橋本04

(022) スマホ手に落ち葉の雨のランデブー        吉良02

      1 新井    最後のランデブーが歌謡曲の一幕のようです。

      2 中津川  スマホの近代性と古いランデブーという表現が面白いで

          す。

(023) 年賀状もうやめますといく枚か          深瀬09

      1 桑子    毎年欠礼の挨拶の年賀状が届きます。寂しいとともにな

              ぜかほっとする思いがします。

(024) 星流る一期の命燃え尽きて            小野寺14

      1 吉良    宇宙のなかでは人間の一生は流れ星のように一瞬のこと

              のように思われます。

(025) 風雨明け芝生に描く落ち葉の絵          橋本01

(026) 日の丸を掲げて過ぎし宴かな           秋元01

(027) おごそかに海明けてくる初日の出         豊01

      1 深瀬    海からの初日の出をすっきり詠んでいると感じます。

(028) 鬼瓦降り積む雪に雀舞ひ             小野寺20

      1 治部    景色がいいですね。快晴の青空が目にうかびます。降り

              積むとして場合、現在降っているようであり快晴ではない

              のかも知れません。(積りし雪に…だと雪の白と空の青が

              明確なのですが…)雀が舞ってるのだから快晴ですよね。

      2 平島    厳めしい黒い色の鬼瓦、そこに降り積む白い雪。この雪

              に遊び戯れる可愛い雀の踊り。蕪村的絵画。

(029) かくれんぼこんなところにからすうり       深瀬06

      1 新井    すべてひらがなにしたところが印象的で、子供の心を表

              しているようです。

      2 吉良    幼いこどものちょっとした事に対する純粋な驚きの心を

              表現できることに驚嘆しました。

      3 宮澤    いつもと違う動きをしたときに、何か思わぬ発見がある

          と、自分にまだこんな感受性があったのかとうれしくなり

          ます。

(030) 元日の朝の神社に白い息             新井06

(031) 冬木立快晴の空突き刺しぬ            豊06

      1 志方

      2 橋本    見上げればまさしくこの表現、いいですね。

(032) 米中のまなじり険しお正月            深瀬18

(033) 鮮やかに柿の葉濡れて初時雨           小野寺03

      1 中津川  先日紅くなった柿の葉がわずか数枚残っているのを見ま

          した。

      2 秋元

(034) 冬紅葉逝きし報せを後で知り           中津川05

      1 治部    訃報を聞いて「そんな前に」という事よくあります。家

              族だけで送ることが多いからでしょうか、コロナのせいで

              しょうか、寂しい別れが増えたように思います。気持ちそ

              のままで、冬紅葉がよく表していると思います。

(035) 柚子かほる無音の闇夜迫り来て          小野寺19

      1 柳町

      2 服部

      3 橋本    黄色い柚子とその香りが閑かな闇夜に包まれていく、、

          、情景はいくつか浮びます。

      4 秋元

(036) 水仙や時空旅して今ここに            深瀬04

      1 平島    あまり俳句に馴染む言葉ではない時空。でも哲学的には

              時間も空間も同義語。今ここに生きていることの有難さ、

              尊さ。可憐な水仙が引き立っています。

      2 豊      不思議な味わいのある句ですね。どのような時空を旅し

              たのかはわかりませんが、「人生」の象徴として読むと、

              なかなか深い趣があります。

(037) カメラマン一瞬とらえる流れ星          新井01

(038) 正月も朝からゲームの孫達よ           服部03

      1 桑子    小生の孫達も全く同じです。

(039) 寒空に銀漢流れ大宇宙              志方04

(040) 新聞を切り抜き過ごす三が日           深瀬16

(041) 椋鳥 (むくどり) の騒ぎ包みて帷 (とばり) 降り  小野寺18

      1 宮澤    鳥のさえずりというにはやや騒音に近い椋鳥の声を、帷

          で光と一緒にを包むという感覚が素敵です。

(042) 寒風や一人佇むショット待ち           桑子04

      1 治部    ロングヒッターが同伴者のセカンドショットの後、前の

              組のグリーンが空くのを待っているのでしょうか。2オン

              狙いですかね。寒いですね。まさか一人ゴルフではないで

              すよね。

(043) 年の瀬に行き交う人も儘ならず          秋元02

(044) 隠居者の部屋はすっきりお正月          深瀬13

(045) 吐く息で指を暖め霜の朝             豊05

      1 深瀬    子どもころをなつかしく思い出します。しばらく霜をみ

           ていません。

(046) 孫帰省疲れも忘れ遊びナウ            柳町02

(047) 近き嶺暮れて遠山冬茜              小野寺07

      1 治部    選者は八王子に住んでいますので、高尾の山々が近くに

              見えます。冬の日が沈むとその赤をバックに手前の山々が

              黒く遠くに感じます。同じ光景ですかね。科学で説明でき

              るのでしょうが、不思議なままがいいです。

      2 豊      無駄な言葉のない、いい句だと思います。「冬茜」とし

              たことで、冬の夕映えの美しさが伝わってきます。

      3 秋元

      4 桑子

(048) 割烹着師走の母を想い出し            志方07

(049) 四面楚歌越え来し峰に寒椿            小野寺13

(050) ミチクサに池を巡りて漱石忌           桑子02

      1 橋本    小説名をうまく取り込んで面白い。

(051) 神様も覚えきれない願い事            新井05

(052) 鳶の輪を残して古都の秋は暮れ          小野寺12

      1 志方

      初日の出~世界十景 (10句)            深瀬  

(053) 宇宙から見ればなんなの初日の出         深瀬19

      1 吉良    面白い試みとして楽しめました。

      2 中津川  初日の出世界10景のアイデアを選びました。

(054) 紫禁城いらかに燃える初日の出          深瀬20

      1 吉良    面白い試みとして楽しめました。

(055) ガンジスの荼毘の岸辺に初日の出                深瀬21

      1 吉良    面白い試みとして楽しめました。

      2 小野寺  ガンジス川に死者をおくりその岸辺から新年の太陽があ

              がる。繰り返し続く輪廻と悠久の生生流転を感じます。

(056) キャラバンを砂紋にうかす初日の出        深瀬22

      1 治部    何だか昔の映画で見たような光景です。陽炎のように揺

              れていました。これ、初日の出ですか。選者も是非見たい

              と思いました。

      2 平島    色んな世界の日の出を詠んでおられる中で月の砂漠を彷

              彿させるキャラバンと砂紋を配置して日本のお正月を思い

              ささせる対象の妙。スケールの大きい句です。

      3 吉良    面白い試みとして楽しめました。

(057) アメリカの荒野の地平初日の出          深瀬23

      1 吉良    面白い試みとして楽しめました。

(058) 朱を深めエアーズロックに初日の出        深瀬24

      1 新井    エアーズロックのダイナミックな光景が一気に迫ってき

              ました、今は「ウルル」という名前になったでしょうか。

      2 吉良    面白い試みとして楽しめました。

      3 服部

      4 桑子    初日の出~世界十景の中で砂漠の日の出は一度は見たい

              ものです。

(059) 初日の出伊豆の海原万華鏡            深瀬25

      1 平島    日本での初日の出。伊豆から東の空に昇ってくる旭日が

              相模灘の海原を刻々変化する色に染めている。これも時空

              をとらえた佳い句だと思います。

      2 吉良    面白い試みとして楽しめました。

(060) 柏手のひびく出雲の初日の出           深瀬26

      1 吉良    面白い試みとして楽しめました。

(061) 石組みの濠 (ほり) に清らか初日の出       深瀬27

      1 吉良    面白い試みとして楽しめました。

      2 橋本    十句の中から、日本の地味 (寂び?) な初日の出を選び

          ました。

(062) 湾岸のビルとブリッジ初日の出          深瀬28

      1 吉良    面白い試みとして楽しめました。

(063) 味深し杵つき餅の雑煮かな            橋本05

      1 宮澤    もう何年も機械でついた餅ばかりで正月を過ごしていま

          す。杵も臼も見なくなって久しいが、つき加減が時々乱れ

           る人力だよりが懐かしいです。美は乱調にあり。

      2 深瀬    臼と杵でうったお餅の味は違うのだろうと想像しました。

      3 秋元

      4 小野寺  市販のサトーの切り餅ではない杵付き餅の味はまた深い

              味わいがあるのでしょう。

(064) 老いてなほ黄昏寒し独酒かな           志方01

      1 柳町

(065) ワクチンを待つ身に響く汽笛かな         新井08

(066) 急流に紅葉敷き詰め陽は落ちぬ          小野寺01

(067) 夜目遠目落とした物も気がつかず         秋元03

(068) 会えぬから今年こそ書く年賀状          中津川07

      1 深瀬    こちらはもう会うことがないだろうと思う人には今年で

          やめることにしました。

      2 小野寺  年賀状は今年限りとくる人々の賀状ですがコロナで会え

              ぬ親しい人達との交流はまた別な温もりがあると思います。

(069) お正月孫を迎えて子は父に            深瀬15

      1 治部    ジジババが目を細めているそのままの気持ち。正月に皆

              が集まっている賑やかな様子が見えます。

      2 柳町

(070) 紅白のビデオ見つつ雑煮味う           柳町03

(071) 黄昏の落ち葉まといて笑顔行く          吉良04

(072) 千年の古都鎮めさせ時雨降る           小野寺05

(073) しもやけの孫と割る手や鏡餅           柳町01

      1 豊      ユニークなところに目をつけた句ですね。「しもやけの

              手の孫と割る」としたほうが、お孫さんの印象が強くなっ

              たのではないかと思いますが、どうでしょう。

(074) お正月重ねし回の遠く消え            深瀬10

(075) 凩 (こがらし) が哭きて故郷の無人駅       小野寺15

      1 治部    久々に帰ってきた故郷なのですね。凩と今時の無人駅で、

              寒々として昔と何も変わっていない様子がうかがえます。

      2 柳町

      3 服部

      4 志方

(076) 故郷の味なつかしき雑煮かな           豊03

(077) 除夜の鐘待つ夕水仙ひっそりと          新井09

(078) 雪濡れのほおかすめ哭く潮の音          小野寺09

(079) 年惜しむ残り少なき老ひ刻み           深瀬03

      1 豊      老年の心境、同感です。

(080) 身をそぎて凜とそびえり枯れ銀杏         吉良01

      1 柳町

      2 志方

      3 宮澤    葉を落としきり、潔く素っ裸になってまた来年と言って

          いるようで、冬の銀杏ほんとに凛としています。

      4 中津川  年輪を重ねそびえている様がわかります。

      5 桑子

(081) 朋去りぬ酔えぬ酒浴び明けの星          小野寺21

(082) クリスマス深紅のネクタイ輝けり         新井02

      1 橋本    クリスマスは何故か赤が似合います、ネクタイですか。

(083) ふるさとの森眠らせて冬銀河           小野寺17

(084) 木枯らしに老い桜耐えまた春を          志方02

      1 小野寺  冬の木枯らしの厳しい寒さに耐え春を待つ老木の芯の強

              さはただものではありません。春爛漫の桜の光景が浮かび

              上がります。

(085) お正月澄みし空気に老いきざみ          深瀬17

(086) 祈る男賽銭箱の脇隠れ              新井04

(087) 膝痛し風花舞いて峠越え             中津川03

(088) 混沌の二年を咲くや冬の薔薇           小野寺11

      1 新井    このご時世にも負けずに美しく咲く薔薇。勇気づけられ

              ます。

      2 平島    コロナコロナで振り回された二年でした。誰もが複雑な

              思いを抱いて過ごした二年でした。でも薔薇はそんな浮世

              の騒擾には関係なく寒い冬に凛と咲いている。人間もこう

              で無くちゃあ。

      3 吉良    コロナ禍の2 年、人間の混乱とは関係なく、冬になると

              美しい花を咲かせるバラの自然の力を感じます。

      4 宮澤    コロナで暮れ、コロナで明けるという年をまたいで、寒

          さに負けずけなげに咲く薔薇に、何か希望を託したくなり

          ます。

(089) 静かさに老いをかさねてお正月          深瀬14

(090) つむじ風落葉舞上げ路掃除            桑子01

      1 新井    小さな光景ですが、一瞬をうまく表しておられます。

(091) 葉も散りて梢の先の熟柿かな           志方06

      1 小野寺  紅葉の柿の葉は全て散り去った梢の先にポツンと残った

              熟柿は寒さを凌ぐ鳥達の為に残した自然の恵でしょうか。

              熟柿を眺める作者の柔らかい心の温かみを感じます。

(092) 水仙の切り花包むパステル色           新井07

(093) やはらかき猫の和毛 (にこげ) か冬の薔薇     小野寺02

(094) 山稜の寒さを刻む夕照が             志方03

(095) 年始め今年もテレビで待つ駅伝          中津川06

(096) ワクチンに振り回されし年惜しむ         新井10

      1 桑子    全くワクチンに翻弄された1年でした。

(097) 艶めきの過ぎてあはれを散るもみぢ        小野寺06

      1 柳町

      2 志方

      3 中津川  もみぢが枯れ散って地面が紅くなっている様が見えます。

(098) 宝くじ懲りずに夢見る去年今年          服部01

      1 中津川  私も年末ジャンボだけは毎年買っています。

(099) 正月や二年ぶりの孫を待つ            中津川01

(100) 落葉踏む音も静けし夫婦老う           吉良03

(101) お正月ことしの抱負夢の中            深瀬11

(102) 小夜時雨沖の小舟に灯り揺れ           小野寺04

      1 桑子    幻想的な光景が目に浮かびます。

(103) 帰らざる宇宙の時流年惜しむ           深瀬02

(104) 北風に寒波を連れた雲の峰            橋本03

      1 柳町

(105) 若きよりLINEで届く年賀状            豊02

(106) 去年今年つらぬくものはなにか問い        深瀬08

      1 平島    今の時代時間がとてつもなく速く流れて行き不易流行と

              は何か考えさせられます。早すぎる有為転変のなかに昔か

              ら変わらぬ不変の価値あるものは無いものかねえ!  ある

              けれど見過ごしていないか?  自問自答が良いなあ。

      2 橋本    地球の、また日本の問題を考え根源を問う、大きいです

          ね。どう動きますか。


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  補足


 選句者の選句におけるコメントを僣越ですがご参考までにご紹介します。


・新井さん

  楽しかったので8 句選んだのですが、だめでしょうか。


・小野寺さん

  今回は全く予期せね突然の友人の死に遭遇し、投句が浮かんで来ず大変苦労

しましたが、寄せられた皆さんの句の中に心に響く句が沢山あり選句七句では

足りないな、と思いました。

  我々はもう明日がわからない境遇に足を踏み入れているのだとしみじみと思

いました。

  自分が生きてきた証とは何であろうと自問します。久しぶりに厳しい寒さの

中で流星群を眺めましたが、不思議な心の落ち着きを覚えました。

  悠久の厳しい大自然の中で芥子粒の様な存在ながら心して生きたいと感じた

次第です。


・志方さん

  以上それぞれの句には古希過ぎて老境の心象風景があふれて、選句に苦労し

ました。


・治部さん

  今回は投句をサボりました。ので、選句は早めにと。いつも通り素人のくせ

に勝手なことを書きました。適当にカットしてください。


・橋本さん

  オミクロン株の感染が激増中ですが、ワクチン・飲み薬が有効になり、早く

インフルエンザ並の扱いになることを願うばかりです。


・平島さん

  また選句のみで参加させて頂きます。

  以上七句勝手な独断での選句です。他にも共感を覚える句も多いのですが限

定で七句しかないのであしからず。


・宮澤さん

 年明けに合わせオミクロン株の猛威で、困ったものです。「いい加減にしろ

」と誰に言ったらよいのか?

  投句はパスさせていただきましたが、選句には参加させていただき下記6 句

選句しました。

  ところで、貴メールで小笠原さん経由で元IHI の亀井氏が亡くなった知らせ

に触れていました。

  小生のIHI 勤務は化学プラントの業務が主でしたが、10年弱物流システム業

務にも携わっていました。その関係で、先週の13日に旧物流システムOBのゴル

フコンペに行った際、亀井氏が亡くなったことが話題になっていました。

  そのゴルフコンペは10年近く続いていますがその初期に、亀井氏も仲間であ

ったとのこと。小生自身は、亀井氏との接点はあまりありませんが、思わぬ縁

に驚いています。

  小笠原さんと亀井氏の縁が分からないので話が見えないところがあります。


・柳町さん

  訳の分からぬオミクロン株の跋扈で未だにGolf以外の外出もままならず、こ

の鬱憤をどこに向けたらいいのやらーーーーーー!!??


・豊さん

 以下の通り選句します。今回は力作揃いで、迷いました。