七句会のみなさま
第四十四回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
7 点句
(036) 盆踊り見返り美人の厚化粧 志方 03
5 点句
(071) すれ違う声は異国の浴衣連れ 桑子 01
4 点句
(049) 心澄みやはらかに聴く夏至の雨 小野寺09
(068) 朽ち果てし卒塔婆 (そとば) に語る夏の蝶 小野寺21
(073) 風鈴の音色が亘る天の川 志方 01
(注。作者自身の選がありましたが、よしとしました。)
3 点句
(018) 病棟の窓の緑や夏陽受け 深瀬 02
(024) 望郷や第九奏でる蝉しぐれ 吉良 08
(042) 炎天やかぶるものなき石地蔵 豊 06
(064) ゆふすげは君亡き里の道しるべ 小野寺19
(100) 夕日落ち薔薇一輪の赤き色 小野寺11
2 点句
(005) 引き潮に蟹の楽園広々と 志方 04
(009) 暑気払いもう一杯の大ジョッキ 豊 05
(010) 念ずればゴルフ日和の梅雨曇り 桑子 02
(019) 志津川の湾煌めいて船を呑む 橋本 03
(020) 暁にひらきはじめし白牡丹 小野寺17
(030) 浜木綿は潮騒聴くや雲の峰 小野寺13
(031) いつの間に滝落ちるごと老い迎え 深瀬 11
(048) 人新世 (ひとしんせい) 夏の猛暑を噛みしめる 深瀬 14
(056) 飽きもせず素麺2皿昼餉かな 桑子 05
(061) 滝近し木立の冷気迷い蝶 小野寺01
(079) 向日葵(ヒマワリ)の合唱の指揮は陽の光 吉良 03
(083) ほとばしる汗や舞い手の阿波の夜 吉良 07
(089) 七月の残り日わずかなにか悔い 深瀬 18
(098) 大の字に寝ても広々夏座敷 豊 02
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、今年10月~ 11月ころにご連絡したいと思っていますので
、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありました
ら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の14名が参加しました。
桜子さん (新井さん) 、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部
さん、中津川さん、橋本さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、柳町さん、豊
さん、深瀬。
また、七句会第44回句会選者各位の選句結果 (句の作者名付き) を下記URL
に掲載しておきました。
http://nanaku-haiku.blogspot.com/2023/05/43.html
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては 9 月9 日とし、事務方にメールでいた
だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
2023.08.21
代表 橋口侯之介
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
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(001) 夏至の日に雲よりこぼれ陽は沈み 小野寺02
(002) 西瓜食う水分補給万全に 豊 07
(003) 彼の国に天災来ぬかと酷暑かな 橋本 06
(004) 紫陽花にふれそに走る銚子電 服部 02
1 深瀬 銚子電鉄にはヤマサ醤油の工場をみた
ついでに、似たような感じの江ノ電には
腰越に囲碁仲間と行ったとき乗りました。
風情がよくわかります。
(005) 引き潮に蟹の楽園広々と 志方 04
1 橋本 テレビで見た西表島のマングローブの
干潟の光景を思い起こしました。
2 豊 潮が引いて砂浜に蟹の遊び場ができた。
「 楽園」としたところがうまいですね。
(006) ホトトギス托卵求め夜もすがら 橋本 01
(007) コロナ明け炎天ものかわ同期会 中津川03
(008) 野仏がついて来そうな祇園の夜 小野寺14
1 中津川 祇園祭の宵山でしょうか?それともこ
れから一杯?
(009) 暑気払いもう一杯の大ジョッキ 豊 05
1 治部 ビヤガーデンですかね。いい光景です。
仲間での盛り上がりが目に浮かびますね。
しかし、大ジョッキ見なくなりましたよ
ね。なぜなのでしょう。懐かしいなあ。
2 桜子 小気味よいリズム感のある、また、真
夏の暑さが吹き飛ぶような力強さも持ち
合わせた一句です
(010) 念ずればゴルフ日和の梅雨曇り 桑子 02
1 服部
2 深瀬 やはり上手なゴルファーの心がけは違
うなと実感しました。
(011) 蓮の花三渓園の朝に咲く 桜子 05
(012) 御仏の眼が合ひ外は蝉時雨 小野寺22
1 柳町
(013) 子供らが消えた公園油照り 豊 01
1 治部 油照りという季語は本当に昔からあっ
たのですか。最近でこそピタリの季語に
感じます。感じられる暑さが半端ないよ
うに伝わります。子供は危険ですよね。
(014) 夏雲のみおろす大地砲火飛び 深瀬 15
1 志方 青いそら、白い雲、のどかな田園に硝
煙が舞う悲惨な光景がうまく表現されて
いる。
(015) 老い杉を陽は移りゆき蝉時雨 小野寺12
(016) 清水谷ニューオータニに蝉の声 深瀬 05
(017) 浴衣着て宵山歩く外国語 中津川01
(018) 病棟の窓の緑や夏陽受け 深瀬 02
1 治部 入院中なのでしょうか、お見舞いなの
でしょうか。外の猛暑を涼しいところか
ら見ている様子。よいのか悪いのか、憂
鬱を感じます。
2 平島 病も何とか快方に向かい、窓から見え
る木々の緑や力強い夏陽に自然の生命力
営みから元気がもらえて退院も近いかな。
3 小野寺 闘病の身動きならない病棟、窓から眺
める強い日差しに輝く緑は、病身の身の
もどかしさと外界への希望とが、がない
まぜになった心情を表してます。
(019) 志津川の湾煌めいて船を呑む 橋本 03
1 宮澤 山の上から湾を眺めた遠景、夏の強い
陽の光の煌めきに小舟の照り返しが飲み
込まれ一体となった感じ好きです。
2 小野寺 志津川河口から煌めく湾の光の海は湾
に浮かぶ船を光の中に呑み込んで行く様
です。なかなか素敵な表現です。
(020) 暁にひらきはじめし白牡丹 小野寺17
1 桜子 何とも言えない情緒あふれる一句です。
2 豊 暁のぼんやりした明るさと牡丹のすが
(021) 連絡船夕凪瀬戸のざるうどん 中津川07
(022) 孫たちを夏合宿に送り出し 深瀬 16
(023) 夕映えは山の端越えて雲染める 志方 07
1 小野寺 夕陽が沈みかけながら山の端を越えて
雲を染めていく様子が時の移り変わりと
して上手く捉えられてます。
徳島ドイツ館(俘虜収容所)にて
(024) 望郷や第九奏でる蝉しぐれ 吉良 08
1 平島 日本で最初の演奏、ドイツ人捕虜には
民間人もいて地元の人達はチーズ作りな
ども学びました。もう昔の出来事も遠い
彼方に。今はただ蝉時雨が聴こえるだけ。
2 中津川 ドイツ兵は故郷を想い、蝉は何を想っ
て泣くのでしょうか?
3 深瀬 第九と蝉しぐれの取り合わせに意表を
衝かれます。
(025) 夏の陽に訃報のはがき身に迫る 深瀬 17
1 橋本
(026) 鮎走る暗き深みに腹ひかり 小野寺08
1 豊 生き生きとした鮎の姿が目に浮かびま
す。
(027) ぼんぼりの朝顔照らす色とりどり 桜子 08
(028) つばめの子寄り添い眠る夜のとばり 深瀬 09
(029) オーナーの紹介長し揚げ花火 桑子 04
(030) 浜木綿は潮騒聴くや雲の峰 小野寺13
1 柳町
2 桜子 鏑木清方の日本画を思わせる句です。
(031) いつの間に滝落ちるごと老い迎え 深瀬 11
1 吉良 いつの間に滝落ちるごと:同館です。
2 志方 人それぞれに老いの自覚ですが、その
一瞬がうまく捉えられています。
(032) 浦島を乗せた亀去る土用波 豊 04
1 桜子 発想が面白くて、最後の言葉が効いて
います。
(033) 銚子にて入梅イワシの漬け具合 服部 03
(034) 花菖蒲黒髪香ほり息をのみ 小野寺20
1 治部 花菖蒲に香る黒髪ですか。思わず息を
のみます。ゴクリと音が聞こえるようで
すね。何となく作者がわかったような気
がします。
(035) 発車票数字の上に燕の巣 桜子 02
(036) 盆踊り見返り美人の厚化粧 志方 03
1 治部 盆踊りを踊る若者が少なくなった気が
します。古き良き文化は厚化粧の美人た
ちが継いでゆくのでしょう。何だか時世
を詠んだ句のようです。
2 吉良 盆踊りなど何十年も経験ありませんが、
懐かしく思われます。
3 桜子 最後の一文で笑ってしまいました。ユ
ーモアあふれます。
4 橋本 がっかりでしょうか、それともやはり
なのか?
5 服部 日本全国高齢化と感じました?
6 豊 後ろ姿は美人なのに、振り返ったその
厚化粧に期待を裏切られた、ということ
でしょうか。
7 宮澤 バックシャン見とれていたら振り返り、
思わぬ厚化粧。惚れ直したのか、がっか
りしたのかどちらなのでしょうか?
(037) そうめんに大根おろしと揚げ玉を 深瀬 20
(038) 七夕会後期高齢若返り 中津川02
(039) ミニトマトつるの中から実がのぞく 桜子 06
(040) 城跡の名残の堀や花菖蒲 治部 01
1 小野寺 忘れられた古城の堀に凛として咲く花
菖蒲は城を枕に討ち死にした将兵の魂魄
の忘れがたみの様でもあります。芭蕉の
夏草や兵どもが夢の跡、に通じるものを
感じます。
(041) ビル街にひやし中華のメニューかな 深瀬 06
(042) 炎天やかぶるものなき石地蔵 豊 06
1 吉良 暑さに耐えている修行者の様子に思わ
れます。
2 中津川 野ざらしのお地蔵様はさぞや暑い事で
しょう。
3 宮澤 暑苦しいので帽子嫌いの禿の小生、い
たく同感です。かぶるものがないと言っ
ていますが、本心はかぶりたくないので
す。
(043) つぎつぎの争いごとに昼寝かな 深瀬 19
(044) シジュウカラ雛鳴き騒ぎ虫を待ち 小野寺07
(045) 鴎外忌団子坂から東博へ 桑子 03
1 豊 団子坂はかつて森鴎外が住んでいた所
です。そこから上野の東京博物館はそれ
ほど遠くはありません。
(046) ほおづき市淡いオレンジ癒されし 桜子 09
(047) 孫が待つアイス溶けると急ぐチャリ 中津川05
(048) 人新世 (ひとしんせい) 夏の猛暑を噛みしめる 深瀬 14
1 柳町
2 中津川 なぜ人類は愚かなことを繰り返すのか。
(049) 心澄みやはらかに聴く夏至の雨 小野寺09
1 治部 随分と心穏やかな様子が伝わります。
やるべきことを成し遂げた感があります。
何だか、人生かくあるべしと言われてい
るような気がします。
2 吉良 最近の雨は豪雨ばかりですが、雨が柔
らかに聞こえる落ち着いた心境がうらや
ましい。
3 平島 もう老境に差し掛かり世の中の騒然も
気にかからなくなり夏至に降る雨の音さ
えも穏やかな純な気持ちで聴けます。「
やはらかに」がいいなあ!
4 深瀬 なにか作者の心情が伝わって来るのが
おもしろいです。
(050) 万緑の溪谷沿って涼運ぶ 志方 06
(051) 七夕に大雨こぬよう願い事 桜子 10
(052) 七夕や元気な友と六十年 治部 04
(053) 炎帝の怒りに耐えてカンナ咲き 小野寺03
1 服部
(054) 滝の水途中で霧消ギアナの地 深瀬 12
(055) 力抜け無ダボのラウンド梅雨の効 橋本 04
1 深瀬 ゴルフは本当に脱力が基本だと思いま
すが、わたしほど遠い感じです。
(056) 飽きもせず素麺2皿昼餉かな 桑子 05
1 治部 これよく解ります。素麺大好きです。
飽きるわけないですよ。これ俳句にする
のは流石です。
2 小野寺 いつもの通い慣れた蕎麦屋で定番の素
麺二皿をたのむ昼餉、何の衒いも気負い
もない作者の恬淡とした愉快な表情が窺
えます。
(057) 沖流る黒潮岬合歓の花 小野寺05
(058) オレンジのくちばし並ぶ燕の巣 桜子 01
1 宮澤 オレンジ色のひし形のくちばしが並ぶ
様子が目に浮かびます。でも、都会では
ツバメの定宿の巣も減り、この景色も記
憶の世界になってしまうのが怖いです。
(059) ファーファーと芝の鹿の子に声かけて 治部 02
(060) 梅雨いずこ今日も朝から青い空 服部 05
(061) 滝近し木立の冷気迷い蝶 小野寺01
1 吉良 夏の暑いなか滝の冷気にのって飛んで
いる蝶が目にうかびます。
2 平島 この木立の冷気はどこから? ああ近
くにある滝からだ。蝶よおまえも迷い迷
いながら探しているのか?
(062) つばめの子生存枠を競うかな 深瀬 08
(063) 釜無川雪解け富士や武田節 中津川06
(064) ゆふすげは君亡き里の道しるべ 小野寺19
1 橋本 夕菅が道しるべとは、感傷的になりま
す。
2 中津川 大切な人が住んでいた所へ行くのでし
ょうか。
3 志方
(065) ナイアガラ小舟揺るがす滝の音 桜子 04
(066) 七月の木々のゆらめくビル谷間 深瀬 01
(067) 落日やインスタ映えの夏の海 豊 03
(068) 朽ち果てし卒塔婆 (そとば) に語る夏の蝶 小野寺21
1 柳町
2 吉良 美しい蝶と卒塔婆の取り合わせが面白
く感じます。
3 服部
4 宮澤 長い年月をかけ字も消えている卒塔婆、
短い命を舞う蝶の対比。138 億年を考え
れば、両者とも小さいことなのでしょう。
(069) 雨上がり水溜まりよけ犬談義 中津川04
(070) 日傘列弁慶橋に堀の風 深瀬 03
(071) すれ違う声は異国の浴衣連れ 桑子 01
1 平島 浴衣の金髪碧眼が話しているのは何語
かな?それにしても日本を楽しむ外人が
増えたなあ。日本の経済も良くなって欲
しいなあ。
2 服部 観光地でよく見る景色です。
3 豊 浅草あたりの花火大会でしょうか。浴
衣姿の外国人が増えました。
4 宮澤 アジア系の外人が増え、外見では見分
けがつかないようになりました。文化共
有には言葉が大事なのか、感性なのか?
後者でありたいです。
5 小野寺 最近は巷に海外の旅行客が増えてきま
した。京都に限らず横浜あたりでも夕暮
れ時に異国の浴衣美人に出会うとそこは
かとない風情があります。
(072) 郭公の呼ぶ声深し霧の森 小野寺16
(073) 風鈴の音色が亘る天の川 志方 01
1 桜子 風鈴の音色が天に届く…スケールの大
きなロマンティックな一句だと思います。
2 橋本 風鈴の音が天の川に響くよう、大きな
句です。
3 志方 大パノラマの夜空と市井の珠玉の風鈴
の対比鮮やか。
4 小野寺 暑い夏の日差しが過ぎて夜空を眺める
と軒先の風鈴の涼やかな音は遥かな天の
川まで伝わってゆくようです。風鈴の音
色が壮大な視覚の広がりを演出します。
(074) 夏服の洗濯物の乾きよし 桜子 07
(075) 寝静まる枕辺に聞く滝の音 深瀬 10
(076) 雲の峰湧きて湖沼に風ひかる 小野寺10
1 吉良 暑い夏の日に涼しい一陣の風を感じま
す。
徳島-淡路島ゴルフ旅行にて (7 句)
(077) マスクとり口元緩めかき氷 吉良 01
(078) ティーショット瀬戸の夏空突き破る 吉良 02
(079) 向日葵(ヒマワリ)の合唱の指揮は陽の光 吉良 03
1 橋本 合唱の指揮が面白いです。
2 中津川 同じ方向を向く向日葵の合唱いいです
ね。「合唱の」の「の」は省いてもよい
のでは?
(080) 消え隠くる向日葵(ヒマワリ)畑に稚児の顔 吉良 04
1 宮澤 映画ゴッドファーザーで、ドン役のマ
ーロンブランドが孫と畑(向日葵ではな
いが)で遊んでいる最中に倒れるシーン
とラップします。
(081) 渦潮の大暑のみ込む静けさや 吉良 05
1 深瀬 芭蕉の "暑き日を海にいれたり最上川"
を連想しましたが、渦潮の方がダイナミ
ックな感じがします。
(082) 渦の道水軍走る夏の夢 吉良 06
1 服部
(083) ほとばしる汗や舞い手の阿波の夜 吉良 07
1 中津川 ずい分以前ですが阿波踊りに行った事
を思い出しました。
2 服部
(084) 父の日の届くメロンの甘さかな 服部 01
(085) 幹つたひ白雨音たて流れ落つ 小野寺04
(086) 夏草の砲弾に飛ぶウクライナ 深瀬 07
(087) 夏空や尚エで終わるショウタイム 治部 03
(088) 猛暑かなセミ鳴く音色ゼイゼイと 志方 05
1 柳町
(089) 七月の残り日わずかなにか悔い 深瀬 18
1 治部 これはホントによく解りますよ。ただ、
七月のみならずですけどね。
2 平島 人生ももう残り少なくなって来た。残
日録でも残したいがこのままでは悔いが
残るなあ。意義ある日常にすべく努力し
て悔いもない余生にしよう!
(090) 路地裏に涼を彩る朝顔や 志方 02
1 桜子 ひっそりとした朝顔のけなげな美しさ
が感じられ、勇気をもらえます。
(091) 胎動を聴きしその日に薔薇を買い 小野寺06
1 柳町
(092) デヴィ夫人滝つぼの中古希迎え 桜子 03
(093) 夏富士をめがけて打てばドラコンが 服部 04
(094) 音もなく時過ぎゆくや蛍舞ひ 小野寺15
1 平島 静かに穏やかに迷い無く過ごしている
老境の日常。でも自然の営みはそこここ
にあり蛍も短い命を懸命に燃やして生き
急いでいるのかなあ?
(095) 梅雨晴間気と青空のしみる朝 橋本 05
1 志方
(096) 二丁目を曲がれば闇に藤の花 小野寺18
(097) 夏服にマスクの列の異次元さ 深瀬 04
1 橋本 こんな異次元さ、この夏までとなるの
でしょうか、、、
(098) 大の字に寝ても広々夏座敷 豊 02
1 治部 何だか昔々このような光景を見たよう
な懐かしい気持ちになりました。夏休み
に帰った祖父母の家、海の家の大広間、
真夏に法事をしたお寺の本堂。たくさん
想い出します。
2 深瀬 芭蕉の "山も庭も動き入るるや夏座敷"
を思い起こしました。
(099) 幼蜘蛛 (くも) の巣に大物の四苦八苦 橋本 02
(100) 夕日落ち薔薇一輪の赤き色 小野寺11
1 柳町
2 志方
3 豊 赤のイメージが強烈な一句です。
(101) 腰越の囲碁の集いや夏の海 深瀬 13
1 志方 大好きな腰越海岸です。
すがしい白さがいいですね。
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