七句会の皆様
コロナ禍が収まることなく師走を迎えてしまいましたが、みなさまお
元気にお過ごしのことと思います。
七句会としての第三十四回目のネット句会となりますが、今回、下記
108 句の投句がありました。
つきましては、次の要領で、選句をしていただきたく、よろしくお願
いいたします。
- 下記は、今回、投句していただいた全ての句を、作者を伏せ、兼題別
に、ランダムに列挙したものです。表記は、投句されたそのものです。
詞書きがあり、複数の句があるものは、まとめて並べてあります。兼題
句、自由題句、無季語句、川柳的な句、作者の特定が可能な句、等々、
なんでもありとしています。分類については、作者の意図と異なるかも
しれませんが、ご了承のほどお願いいたします。 (今回は分類を省略さ
せていただきました。)
- このなかから、共感する俳句を、最大7 句選び、12月27日 (日) まで
に、下記へメールで返信してください。番号表記でも構いません。その
際、選んだ理由を一言、付け加えていただくとなお結構です。全体への
コメントでも結構です。
hfukase@k03.itscom.net (事務方
深瀬)
- 蛇足ですが、選句にあたり、自作を選ぶのはご遠慮ください。
- 12月下旬には、選句の結果をまとめ、皆さまにご報告する予定です。
今回の投句者は、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方
さん、治部さん、中津川さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町
さん、豊さん、深瀬 (以上13名) です。
これまでの選句結果は、下記のURL から参照可能です。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
以上、よろしくお願いいたします。
送付不要な場合、ご面倒ですがご一報下さい。以後、送付しないよう
にします。
七句会 2020.12.16
代表 橋口侯之介
顧問
豊 宣光
事務 深瀬久敬
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1.全て (兼題、季語の有無など無関係)
(001) 夕霧が古都の紅葉 (もみじ) も濡らしけり
(002) トナカイの鈴の音遠き聖夜かな
(003) 濡れ落ち葉拾い集めて我を知る
(004) 紅梅は泪をたたえ君誘う
(005) 潮の香や海底 (うなぞこ) の夢秋の空
(006) 雨後の蹊雫の出会う十三夜
(007) GoToはコロナ微笑む処方箋
(008) 月冴えて墨の匂ひに筆を執り
(009) 風に問うコロナの行くへ秋茜
(010) 白菊を一輪供え別れかな
(011) 洋館の銀杏のマントはんなりと
(012) 宅配のオリーブの実や風光る
「きんぎょそうの種って、怖いね!」と孫に言われ
しみじみ見ました。本当にドクロでした
(013) 金魚草ドクロ顔の種哀し
(014) 老ひ深むこころやすらぐ残暑かな
(015) 浪の音恋せし夜の冬銀河
(016) 冠雪に薄紅染める朝の富士
(017) 憂国忌白手はち巻きなにを問ひ
(018) 天満宮合格祈る神無月
(019) 良き人の逝きし一年除夜の鐘
(020) 老いらくの思いかみしめ落ち葉踏む
(021) 散る銀杏黒き枝えだ天に透き
(022) 新酒飲み鍋を囲むや家族愛
(023) 梟は夜のしじまを偲び啼き
(024) 三密を逃れてゴルフ天高し
(025) すすき原泡立ち草が天下取り
(026) 棘隠すバラの花園古女房
(027) ひぐらしや子守の少女空見上げ
(028) 鎌切りに食われし雄の覚悟観る
(029) 球打てばファーを聞くなり秋の空
(030) 熱燗も独酌続く胡麻和えと
(031) 半袖にダウンベストの小春日や
(032) 北斗星無窮の闇に傾きて
(033) 秋の陽に大島望む城ヶ崎
(034) 小春日やベンチに並ぶ老夫婦
(035) 散り急ぐ紅きもみじに吾重ね
(036) 秋雨や川面に隈無く輪の並ぶ
(037) あるじ待つあくまで白きとろろ汁
(038) 故郷の夜汽車の汽笛冬近し
(039) ひぐらしや山河にこだま瑞穂国
(040) 秋の空風を飲み込み芝生触れ
(041) 都庁までくっきり高尾の紅き秋
(042) 役目終へ風に舞ひ散る落ち葉かな
(043) 秋高く鳶の眼 (まなこ) は尾根を追い
(044) 刈田道活きているごと立つ案山子
(045) ただ死ぬを待つ身のときの重さかな
(046) 冬木立掃きたる空の青深し
(047) 七十路に「君といつまでも」聞きひたり
(048) 畦みちに直立不動の彼岸花
(049) 破れ寺の紅葉 (もみじ) 踏む音風に消え
(050) 色付く葉残し剪定秋惜しむ
(051) 太極拳モザイクかかる残暑かな
(052) 栗飯の甘い匂ひに孫はしゃぎ
(053) 新酒呑みトイムトラベル古老団
(054) 木枯らしや塵もコロナも知らぬまま
(055) 冬来たる富士山頂の薄化粧
(056) 落栗を踏んで登るや木曽の路
(057) 河豚ちりや孫と同じ身摘まみけり
(058) 雲速し朋逝きし日に野分荒れ
(059) 来し方の岐路振り返る残暑かな
(060) 散髪し襟元抜ける冬の風
(061) 病む友を励ます文や暮れの秋
(062) 月光を浴びて薄 (すすき) は銀の海
(063) 紫が天下取りたる秋の庭
(064) 不理解の極みに至る憂国忌
(065) 朋去りぬ虫哭き送る独り酒
(066) 落ち葉ごとひそり消えたし老ひの朝
(067) 民宿の香るどぶろく焼きイワナ
(068) 温暖化百鬼夜行の野分かな
(069) 友の顔浮かべて癒す新酒かな
(070) 晩秋の夕暮れ澄みて富士の峰
A さんの復帰を祝って一句、
(071) 柿紅葉 (かきもみじ) 陽に照り映えて朋還る
(072) 文化祭笑み笑みあふれ友家族
(073) 吐く息や初霜の朝窓曇る
(074) 一輪の白ばら冴えて月夜かな
(075) 死の形さまざまと問ふ憂国忌
(076) 今年また同じ紅葉の花舞台
(077) 小春日や木漏れ日まぶし散歩道
(078) ふるさとは港の汽笛夜泣き蕎麦
(079) 初登山新蕎麦すする麓茶屋
(080) 濡れ落ち葉朝陽に燃えるきよらかさ
(081) 霜降や日々の河原の草々も
(082) 小夜時雨京の町屋に灯が燈り
(083) 仏壇の新酒に割れる父母遺影
(084) 紅葉舞う散りゆく生命
(いのち) 煌めきて
(085) 柿干せる母の手細し今は亡き
(086) 紅葉は命の光照り返し
(087) 墓碑朽ちて無縁仏に曼珠沙華
(088) 生きている疑問すらなき時もあり
(089) 実りたる街の畑に猪
(しし) 出でる
(090) 郷に入り吾もしてみむと吊るし柿
(091) ひぐらしや遠き夕陽を呼び起こし
(092) 天高く筑波と富士がにらめっこ
(093) 城ヶ崎岩にくだける秋の波
(094) 秋惜しむ何はなくとも茸鍋
(095) 古都暮れて路地裏深く紅葉 (もみじ) 踏み
(096) 赤緑過ぎゆく小道爽やかに
(097) 冬晴にタワークレーン富士摘まむ
(098) 幽谷の村流れゆく霧の音
(099) ふつふつと牡蠣鍋を待つ箸二膳
(100) 金閣寺夕陽に浮かぶ憂国忌
(101) 流星群願いをこめて祈る空
(102) 星冴ゆる沖の漁火窓に揺れ
(103) 懐かしやコロナ不在の去年の冬
(104) 憂国忌激情したたる若気かな
(105) 頭上飛ぶ残暑の機影重たげに
(106) 木漏れ陽と風にゆられて梢かな
(107) 雁の声波浪の岬風に消え
(108) ひとひねり蛇口から水手で受ける
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今回は、事務方が心筋梗塞を患い、選句表をお届けするのが遅れてし
まい、たいへん申し訳ありませんでした。インペラなどの先端医療技術
をタンミングよく適用していただくことができ、九死に一生を得るとと
もに最小限のダメージで済んだ感じです。
みなさまからご心配をいただき、たいへんありがとうございました。
(深瀬)
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