2021年10月19日火曜日

七句会 第三十七回目のネット句会 選句結果をご報告します。

 

 七句会のみなさま

 

 第三十七回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

今回の選句結果をご報告いたします。

 

 4 点句

(001) 雲一朶芒の原を翳らせて            小野寺05

(018) じゃがいもの地中つらなる小惑星        深瀬  04

(050) 病室の窓泳ぎ行く鱗雲             吉良 02

(061) 信濃路やそよぎ光りてそばの花         中津川01

(095) 月明かり隣家と柿の今は無く          治部 04

 

 3 点句

(011) いつのまに手すりに頼る老いの秋        深瀬  15

(012) 帯解きし祇園囃子の古都の宵          小野寺03

(013) 焼き茄子と香り味噌にて夕餉かな        秋元  01

(023) 川底に陽の光りあり秋の影           小野寺10

(031) 銀杏散り黒き梢に白き月            小野寺16

(051) 舌腫れて柘榴のごとく鎮座せり         吉良 03

(069) あだし野に一期の別れ曼珠沙華         小野寺06

(075) 日だまりに肩で息つく秋の蝶          小野寺01

 

 2 点句

(003) 図書室の学生まばら秋の朝           深瀬  13

(014) 香りたつ菊の白さに母想う           柳町 01

(024) 彼岸花黄泉に誘う思い馳せ           志方  03

(025) 引き波は砕けて光り鰯雲            小野寺02

(032) コロナ禍の人生の秋これもあり         深瀬  08

(040) 熟柿食ふ陽の匂ひして腹に沁み         小野寺14

(041) 古希過ぎて初孫を抱く赤とんぼ         橋本  03

(044) 盆踊り漁火遠く伊豆の浜            深瀬  02

(047) 独り酒今生きてをり時雨降る          小野寺19

(062) 熟柿枝より落ちる五秒前            豊  04

(065) シベリアの鉄路凍らせ冬銀河          小野寺13

(066) 茜舞う風穂の先の草千里            志方  02

(086) ふるさとへ刈田のつづく鉄路行く        深瀬  16

(088) 秋風に胸の谷間も店 (見せ) 仕舞い       宮澤  05

(090) 野分後の澄みたる空の青さかな         豊  03

 

 

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、今年12月~来年1 月ころにご連絡したいと思っていますの

で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら

、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。

 

(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の15名が参加しました。

  秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さ

ん、中津川さん、橋本さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、柳町さん、豊さ

ん、深瀬。

 

(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  11 2日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

  2021.10.19

      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬

 

----------------------------------------------------------------------

 

(001) 雲一朶芒の原を翳らせて            小野寺05

      1 秋元   

     2 桑子    一面の芒原が翳っていく光景が目に浮かびます。

   3 橋本    雲の一塊が、芒の原の一部を日影していく旨い

       表現です)

   4 宮澤    昔、箱根仙石原で急に雲が出て辺りが暗くなっ

       た光景の記憶が蘇りました。

(002) 秋の灯に百人一首めくるめく          新井  02

(003) 図書室の学生まばら秋の朝           深瀬  13

   1 新井    秋の静かな朝、この時期の図書室の静けさをう

       まく表しておられます。

   2       対面授業がなくて、登校する学生が少ない。そ

       んな大学の風景でしょうか。「図書室の」よりも

       「図書室に」としたほうがよかったと思います。 

(004) 寂し気に刈田にたたずむペルシャ猫       新井  04

   1 志方    まさに静止画の情景。

(005) 高過ぎる買う気の起きぬ痩せさんま       中津川01

(006) カナカナの声こだまして友は発ち        小野寺07

(007) 切り通し超えて山路に地蔵かな         志方  04

   1 小野寺  切り通しのある鎌倉辺りの風景でしょうか。地

       蔵に出くわした邂逅の素直な驚きを  感じます。

(008) 孫二人大の字揃へて眠る秋           橋本  04

(009) 二学期がリモートとなる孫の鬱         治部 03

(010) 敬老会古希過ぎてなお若手かな         桑子  02

(011) いつのまに手すりに頼る老いの秋        深瀬  15

   1 秋元   

   2 宮澤    特に駅の下り階段は、人通りも多く手すりを頼

       りにするようになり、秋の心細さの中で共感しま

       す。

   3       老いは知らないうちに迫ってきます。手すりを

       頼りにするようになって、はっと自分の老いに気

       づかされたのです。

(012) 帯解きし祇園囃子の古都の宵          小野寺03

   1 桑子    昔の映画のワンシーンを見ているみたいです。

   2 服部

   3 柳町    つやっぽくていいですね!!でも、私には冬の

       京都の方が好きですが?

(013) 焼き茄子と香り味噌にて夕餉かな        秋元  01

   1 小野寺  焼き茄子に香り味噌、晩酌には辛口の酒も良い

       ですね。平凡な団欒こそが幸せなのです。

   2 中津川  私は米茄子の田楽が大好物です

   3 深瀬    色と香りに彩られた夕食の雰囲気が静物画のよ

       うに伝わってきます。

(014) 香りたつ菊の白さに母想う           柳町 01

   1 小野寺  白菊の様な色白の品のある母上だったのでしょ

       うね。亡き母への作者の深い哀切を感じます。

   2 服部

(015) 摩天楼彷徨う二人を包み込み          新井  08

(016) 黒髪の匂ひ羽織りて紅葉燃え          小野寺20

(017) 老いらくや今更のジム秋の風          治部 01

(018) じゃがいもの地中つらなる小惑星        深瀬  04

   1 吉良    ジャガイモの実を星と見立てるとは空想力があ

           りますね。

   2 治部    土の中に宇宙を見るとは思いもよらぬ発想。流

       石ですね。

   3 服部

   4 宮澤    小惑星は丸くないこと、いっぱいあることをイ

       トカワで知りました。

(019) かなかなの一鳴き響き森暮れる         橋本  02

   1 小野寺  ひぐらしの一鳴きに今まさに暮れようとする暗

       い森に静寂が訪れ、泣かまほしいような深い寂寥

       を誘います。一鳴きの選択が見事です。  

(020) 久方の暖簾をくぐり喉癒す           志方  06

(021) お隣も旦那がゴミ出し秋の朝          服部 01

(022) 秋灯下祖父の形見の拡大鏡           深瀬  19

(023) 川底に陽の光りあり秋の影           小野寺10

   1 秋元   

   2 治部    風も水も澄んでいる秋の様子。光と影の対比が

       いいですね。

   3 平島    秋の光と影を川底に見咎めた観察眼。澄んだ空

       気、清流に映り消える秋の気配が美しい。

(024) 彼岸花黄泉に誘う思い馳せ           志方  03

   1 服部

   2 柳町   

(025) 引き波は砕けて光り鰯雲            小野寺02

   1 治部    下の目線に光る波は上の目線の鰯雲と重なって

       穏やかな秋を感じます。波が砕ける前には同じ目

       線に鰯雲も見えていたかもしれません。季語がい

       いです。

   2 橋本    砕けた引き波の光具合と鰯雲の対比が良いです

       ね。

(026) 風の音谷に集いて秋深し            宮澤  03

(027) 池ポチャに100切りならぬ秋の夕       桑子  03

(028) 谷川を紅葉流れて朋は逝き           小野寺22

(029) 時刻む柱時計や秋深し             豊  02

(030) 痛いほどきっと味良し栗拾い          中津川01

   1 桑子    苦労して取ったものはうまくないはずは無いで

       すね。「きっと味よし」という表現がステキです。

(031) 銀杏散り黒き梢に白き月            小野寺16

   1 秋元   

   2 平島    高い木々は黒々と立ち、その一部を照らす月光。

       白と黒が鮮やかです。

   3 宮澤    勝手に嵐勘寿郎の鞍馬天狗の映画の場面を連想

       して気に入ってます。

(032) コロナ禍の人生の秋これもあり         深瀬  08

   1 新井    「コロナ禍」「人生の秋」と、どうとらえたら

           いいか戸惑うような状態を、うまくまとめておら

           れるので、読んだ後に心が落ち着きました。

   2 吉良    年をへて達観すると、なんでも素直に受け入れ

           られる余裕を「これもあり」に感じます。

(033) 新酒酌む深き匂いに父偲ぶ           小野寺21

   1 橋本    新酒の深き匂いとは (香りとは異なる?) 、酒

       を愛した父が懐かしく思い出されるのでしょうか。

(034) 草の陰白いラッパの秋奏で           新井  05

   1 深瀬    草の陰でひっそりと繰り広げられている情景の

       切り取りがすごい。

(035) 秋麗店主の居眠り骨董市            服部 04

   1       秋のうららかな一日、骨董市が開かれています。

       のんびりした日差しの下、つい店主は居眠りをし

       てしまいました。

(036) 蛍火は鼓動となりて闇に棲み          小野寺04

(037) ティーショット道具に頼る秋の空        治部 02

   1 柳町    この気持ちよーーーくわかります!!でも、私

       は大和魂でがんばってまーーす。

(038) 色溢れ果物の秋道の駅             中津川01

   1 治部    おいしそうな果物が並ぶ道の駅実りの秋を色で

       主張しています。語順どうかな? 我が家の近く

       にもあります。「道の駅瀧山」

(039) 盆踊りセザンヌの構図行き来して        深瀬  03

   1 新井    絵が好きですが、面白い見方です。

(040) 熟柿食ふ陽の匂ひして腹に沁み         小野寺14

   1 橋本    熟れた柿が実に旨い、陽ををたっぷり浴びたに

       違いない。

   2 深瀬    熟した柿の実を食べている雰囲気がストレート

       に伝わってきます。

(041) 古希過ぎて初孫を抱く赤とんぼ         橋本  03

   1 中津川 

   2 柳町   

(042) 千鳥足舗道の銀杏 (ぎんなん) 踏まぬよう    宮澤  04

   1 治部    八王子の甲州街道は今ぎんなんの真っ盛りです。

       クサイですよね解ります。この句は、ぎんなんを

       避ける姿が千鳥足なのか、酒に酔って千鳥足だか

       ら踏まぬように注意しているのかどちらでしょう

       か。選者は前者だと思いましたが。

(043) 荒海に冬の銀河は傾きて            小野寺11

   1 服部

(044) 盆踊り漁火遠く伊豆の浜            深瀬  02

   1 吉良    絵になる俳句ですね。

   2 平島    祭囃子を聴きながら沖を見やれば遠くにチラチ

       ラと揺れる漁火。イさりびとイずのイ音の重なり

       が心地好い。

(045) 紅白や敬老餅と彼岸花             中津川01

   1 治部    彼岸花と取り合わせてほしくはないのですが合

       いますよね。

(046) さわやかにピュアーピンクの百日紅       志方  01

(047) 独り酒今生きてをり時雨降る          小野寺19

   1 吉良    コロナ禍、明日はどうなるか分からない世の中

       でも、「今生きている」気持ちが伝わります。

   2 平島    人生今までに色んな事があったけどこうして時

       雨の音を聴きながらひとりでしみじみ酒を楽しめ

       ることの幸せ。

(048) 秋深夜トイレに起きてポップコーン       深瀬  12

   舌癌の手術治療を受けて:  (5 )

(049) 臥して見る天井奥に銀河濃し          吉良 01

   1 秋元   

(050) 病室の窓泳ぎ行く鱗雲             吉良 02

   1 新井    窓から遠くをながめておられるお心がよく表れ

           ているようです。

   2 桑子    ゆったりとした時間が流れていく様子が伝わっ

       てきます。

   3 平島    今は身動き出来ないベッドの上だが早く退院し

       てあの空を行く雲の様に自由に動き回りたいなあ。

   4 深瀬    病室のベッドから鰯雲を眺めている気持ちがよ

       く分かります。

(051) 舌腫れて柘榴のごとく鎮座せり         吉良 03

   1 治部    吉良さん大変でしたね。石榴ですか。すごいも

       のが入った感じなのですね。とても痛そうです。

       伝わります。

   2 中津川  さぞかし痛かったでしょう。無事手術が終わっ

       て良かったです。

   3       吉良様、舌の入院治療ご同情申し上げます。実

       は私もつい先日まで虫垂炎で10日間入院していた

       ので、入院生活の苦労はよくわかります。

(052) 舌を病み知る美味しさぞ新豆腐         吉良 04

   1 小野寺  舌癌の手術を乗り超えてようやく食べた新豆腐

       の味は己の生命( いのち) に対する深い感謝の思

       いでしょうか。新豆腐の美味さが、歓びとなる味

       わいが伝わります。

(053) とろろ汁食うもどかしさ痺れ舌         吉良 05

   1 橋本    とろろ汁を一気に飲み込むわけにも行かず、確

       かに難儀でしょう。

(054) 半身づつサンマ高値で睦まじく         宮澤  02

   1 桑子    ご夫婦の愛情が感じられます。

(055) 一年の仕事終わりし刈田かな          深瀬  18

(056) 風に乗り遙かな法師蝉時雨           橋本  01

(057) 旅寝かな中天の月枕とし            豊  01

   1 橋本    一人気ままな、一寸侘しい旅でしょうか、私的

       には「中天の月枕とし旅寝かな」の方が好みです

       が、、、)

(058) 原発の廃墟に並ぶ刈田かな           深瀬  17

   1 中津川  この10年あの事故は片時も忘れられないです。

(059) 鳥渡る故郷の祖父と別れし日          小野寺17

(060) 懐かしき赤提灯はお馴染みさん         志方  07

(061) 信濃路やそよぎ光りてそばの花         中津川01

   1 秋元   

   2 小野寺  白い蕎麦の話に吹く信州の風は光りながらなが

       れてゆく、作者の感性の光りを感じます、

   3 吉良    風に舞うそばの白い花が瞼に浮かびます。

   4 志方    信濃路に蕎麦の花、寅さん映画の一コマ。

(062) 熟柿枝より落ちる五秒前            豊  04

   1 中津川  五秒前という表現が落ちる寸前をうまく表して

       いると思います。

   2 服部

(063) 秋の夜ゆぶねでしばし目をつむり        深瀬  06

   1 新井    涼しくなった夜、お風呂に入った時の気持ちよ

           さがよく伝わってきます。

(064) 摩天楼無垢な瞳に影映す            新井  07

(065) シベリアの鉄路凍らせ冬銀河          小野寺13

   1 志方    壮大な原野の様の活写。

   2       シベリアという大地の上に広がる銀河。寒さで

       鉄路が凍っています。壮大なスケールの見事な句

       です。

(066) 茜舞う風穂の先の草千里            志方  02

   1 秋元   

   2 橋本    「風穂」は想像するしかないのですが、広大な

       草千里の秋の情景が浮んできます。

(067) 懐かしや火薬の匂い運動会           服部 03

   1 宮澤    車の排気ガス、落葉焚き、風呂の焚き木・・炭

       素系のにおいが懐かしくなりました。

(068) 日比谷にて議事堂噴水秋の風          深瀬  10

(069) あだし野に一期の別れ曼珠沙華         小野寺06

   1 中津川 

   2 平島    死はいずれは来るものとは知りながら親友があ

       っけなく別名は彼岸花の咲くというあの世へ行っ

       てしまうとは。嗚呼!

   3 柳町    京都化野念仏寺を詠んだのでしょうか?昨年も

       今年(11 月予定)も京都を訪問する私には、心地

       よい句です。

(070) 夜風入れ虫の音を聞く良夜かな         橋本  05

   1 深瀬    夜中、穏やかな風と虫の音に耳を傾ける様子に

       深く共感します。

(071) 水澄みて瀬音駆け抜くオニヤンマ        小野寺08

(072) 秋灯の団地の窓に老いの影           深瀬  20

(073) 名月や輝き放つ星二つ             桑子  05

(074) 人も樹もいま黄落の時の中           豊  05

   1 吉良    「時の中」は面白い表現ですが、黄色い落ち葉

       にうずもれている様子で良いのでしょうか。

(075) 日だまりに肩で息つく秋の蝶          小野寺01

   1 中津川 

   2 宮澤    肩で息ついて休んでいるのか。そういう目で見

       たことなかったので新鮮です。

   3       秋の蝶は春ほど元気がないように見えます。日

       だまりで一休み。「肩で息つく」という表現がい

       いですね。

(076) 曼珠沙華さんぽの道にみつけおり        深瀬  14

(077) 一打差でコンペを制し山も澄む         治部 05

(078) 秋涼し今宵の酒はチンをして          服部 05

(079) プロ野球残り試合で秋を知る          宮澤  01

   1 新井    全く同感です。

(080) エルドラドじゃがいもの皮アンデス史      深瀬  05

(081) 稲穂垂れ思い出多し蝗取り           中津川01

(082) 秋日差し永久 (とわ) に地にあれ祈るかな    深瀬  11

(083) 百舌鳥 (もず) 鳴きて墨の香りに筆を置き    小野寺15

   1 志方    墨の香りを懐かしく思い出させてくれます。

(084) 我が庵は 終の棲家や 紅紅葉                 柳町 02

(085) 刈田から手招く笑顔ひいじいちゃん       新井  03

   1 桑子    ほのぼのした光景が目に浮かびます。「ひいじ

       いちゃん」の表現がいいです。

(086) ふるさとへ刈田のつづく鉄路行く        深瀬  16

   1 吉良    稲穂が刈り取られ、今年も豊作の遠い故郷を思

       う気持ちが鉄路に込められています。

   2 志方    車窓から眺める秋がしみこむようです。

(087) 時雨哭く朋逝きし夜の濁り酒          小野寺12

    (本句は、公序良俗に反するようでしたら割愛願います。)

(088) 秋風に胸の谷間も店 (見せ) 仕舞い       宮澤  05

   1 新井    とても面白いです、思わず笑ってしまいました。

   2 桑子    こういうの好きです。薄着になっていく春の句

       が楽しみです。

(089) 狂騒の東京音頭に阿鼻の陰           深瀬  01

(090) 野分後の澄みたる空の青さかな         豊  03

   1 志方    台風一過。昔はそうだったけど。

   2 深瀬    台風の過ぎ去ったあとの空いっぱいの青空が眼

       に浮かびます。

(091) 秋の陽に疲れを知らぬ孫の声          深瀬  07

(092) 赤蜻蛉半袖シャツを追い出せり         中津川01

   1 柳町   

(093) 三十歳自由へ飛び立つシンデレラ        新井  06

(094) ISS一直線に宵の秋             桑子  01

(095) 月明かり隣家と柿の今は無く          治部 04

   1 小野寺  ふと月明かりに気づく隣家の宅地化世代が代わ

       り、世知辛くなる昨今の世相ですね。

   2 服部

   3 平島    昔も今も月は照らす世の有為転変を。自分の瞼

       には残っているのに今や何も無し。それにしても

       時の流れは早いなあ。

   4 深瀬    なにがあったのかはっきりとは分かりませんが、

       なにかむなしいというかさみしい気持ちがしみじ

       みと伝わってきます。

(096) ふくらはぎ秋の灯に沿いもみほぐす       新井  01

(097) お釈迦様秋の日差しに目を細め         服部 02

   1 志方    秋の夕暮れの柔らかさ上手く表現。

(098) 冬銀河原野の町に沈みけり           小野寺09

(099) 深む老い肩に背負いて秋の暮れ         深瀬  09

   1 柳町   

(100) ウォーキング最も安価な減量法         新井  09

(101) 山霧が流れ林に郭公が             志方  05

(102) 朋惜しむ読経のしじま蝉時雨          小野寺18

(103) 物言えば3倍返し秋の声            桑子  04

 

2021年10月4日月曜日

第7 回目の七句会自由連句 実施要領

  七句会自由連句のみなさま

  いつもたいへんお世話になり、ありがとうございます。

  事務方の怠慢でやや遅延してしまいましたが、第7 回目の七句会自由連句を

下記要領にて行いたいと思います。よろしくお願いします。


・参加者 新井さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、豊さん、深瀬(6名) 


・発句  紫陽花の青滴りて虹の玉  小野寺さん


  選句者および作者のコメント

- 雨上がりの状況でしょうか。水滴が光に虹色に輝き、花の青色とコントラス

トを見せている美しさを感じました。 (吉良さん) 

- 紫陽花、虹、とロマンティックで洋画の一場面のようです。 (新井さん) 

- 情景が見事に浮んできます、美しいです。 (橋本さん) 

- 雨上がりの紫陽花の花の水滴が光に当たり虹色に輝き紫陽花の青とのコント

ラストが見事でした。吉良さんの感想の通りです。 (小野寺さん) 


・座


    初折表六句

01 発句   夏    小野寺

02 脇    夏    吉良

03 第三   雑 無季 深瀬

04 四句目  雑 無季 志方

05 月の座  秋    豊

06 折端   秋    小野寺


 初折裏十二句

07 折立   秋    吉良

08 二句目  雑 無季 新井

09 三句目  雑 無季 志方

10 四句目  雑 無季 深瀬

11 五句目  雑 無季 小野寺

12 六句目  雑 無季 豊

13 月の座  冬    新井

14 八句目  冬    吉良

15 九句目  雑 無季 豊

16 十句目  雑 無季 志方

17 花の座  春    深瀬

18 折端   春    小野寺


 名残表十二句

19 折立   春    新井

20 二句目  雑 無季 深瀬

21 三句目  雑 無季 小野寺

22 四句目  雑 無季 豊

23 五句目  夏    新井

24 六句目  夏か雑  吉良

25 七句目  雑 無季 新井

26 八句目  雑 無季 志方

27 九句目  雑 無季 吉良

28 十句目  雑 無季 小野寺

29 月の座  秋    志方

30 折端   秋    深瀬


 名残裏六句

31 折立   秋    小野寺

32 二句目  雑 無季 豊

33 三句目  雑 無季 吉良

34 四句目  雑か春  新井

35 花の座  春    豊

36 挙句   春    志方


・式目  特に前回と変わりません。同じ語句の使用は避ける、付合において

場面の繰り返しや後戻りはしない、付合の背景の補足コメント (付け筋) を簡

単に付記する、といった程度です。

  若干追加しますが、月、花の座については遵守する、固有名詞の使用はバラ

ンスを考慮する、雅的な雰囲気は少し避ける、などです。恋の座は取りやめま

した。また、表六句が序、裏~名残表が破、名残裏が急、あるいは、表六句が

起、裏が承、名残表が転、名残裏が結といっためりはりを意識したいと思いま

す。


・順番ですが、前回、新井さんのところを若干変更しましたが、それをもとに

戻した形としました。


  なにか、お気づきの点などありましたら、対応したいと思いますので、適宜

、ご連絡方、よろしくお願いします。


  深瀬 (事務方)