2024年5月13日月曜日

七句会 第47回 ネット句会 選句 結果

 

 七句会のみなさま

 

 第四十七回目の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

 今回の選句結果をご報告いたします。

 

9 点句

(076) たんぽぽや錆の色濃き廃線路           豊   01

 

5 点句

(103) 老妻の手とり退院花吹雪             深瀬 04

 

4 点句

(034) ああ旨しわが養老の花見酒            豊   04

 

3 点句

(002) すれ違い胸元まぶし春の服            宮澤 03

(061) 微睡 (まどろみ) の眼窩に満ちる菜花かな     吉良 02

(070) 湯上がりの肌にひとひら花の白          小野寺06

(072) 気が付けば逃げ水追いて喜寿となり        小野寺01

(081) 名も知らぬ雛も歴史を背負いたり         宮澤 04

 

2 点句

(006) なごり雪杖つく友に肩を貸し           中津川07

(022) ぷかりぷかり浮き雲連れて春来る         橋本  02

(026) 躑躅満つ迷路のごとき寺の庭           中津川06

(029) 露天風呂花散る夜の静けさや           深瀬 03

(037) 花月夜凪の湖面を櫂の音             小野寺21

(041) 春雷の昏き光を朋渡り              小野寺14

(043) 寒明けて語らう友も酒量減り           中津川01

(044) 新入生母の着物の袖つかむ            桜子 06

(055) けじめなき老いの春眠やるせなく         深瀬 15

(060) 菜の花や織りなす波に遊ぶ吾子          吉良 01

(063) 畔温み鷺舞い降りし春の風            吉良 04

(078) みほとけの頸傾むきて春惜しむ          小野寺20

(079) 座を仕切る豊満の笑み姥桜            深瀬 13

(084) 数独の睡魔に負けし春の昼            桑子 04

(096) 窓越しに芽吹き楽しむ日永かな          橋本  05

(100) 余命聞き向き合う花に改まり           深瀬 14

(101) 宵闇に漁火 (いさりび) 遠く春の雨        小野寺19

(112) 江戸人も愛でし桜の隅田川            豊   06

 

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、7 月~  8 月ころにご連絡したいと思っていますので、よ

ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連

絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 

 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。

 

(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の14名が参加しました。

  桜子さん (新井さん) 、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、

治部さん、中津川さん、橋本さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、

柳町さん、豊さん、深瀬。

 

(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  6 3 日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

  2024.05.13

 

      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬

 

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(001) 花残月光かすめて鳥還る             小野寺03

      1       「花残月」という言葉を発見しただけでも見事。イメ

          ージが巧みです。

(002) すれ違い胸元まぶし春の服            宮澤 03

      1 服部

      2 治部    春のエロスを感じますね。「どこ見てんのよ」と、叱

          られそうですな。

      3 柳町

(003) 咲き誇る花のこころに謎宇宙           深瀬 16

(004) 鵜を逃る小魚白鷺頂戴す             橋本  06

(005) 紅麹キックバックもAB遺産           志方 08

(006) なごり雪杖つく友に肩を貸し           中津川07

      1 桑子

      2 桜子    長年のご友情が感じられて、温かい気持ちになれまし

          た。

(007) 春とてもロシアを覆うマゾヒズム         深瀬 18

(008) 花筏かき分けながら舟が行く           宮澤 01

(009) 標準木満開近し減る人出             中津川02

(010) 夜桜や梢は深き闇に消え             小野寺15

      1 宮澤

(011) 花疲れ優先席の狸寝入り             桑子 01

      1 服部

(012) 霞みゆく川面のかなたに雉がなく         志方 01

      1 平島   

(013) 新入生正門くぐり一歩一歩            桜子 05

(014) 満州の戦火越え来し父の春            小野寺23

(015) 初音在り師匠の音にはほど遠く          服部 04

      1 中津川  初鳴きのうぐいすの未熟さが伝わります。

(016) 春眠と午睡重なる老いの日々           深瀬 01

      1 服部

(017) 生きてあれ木々朝霧に木の芽吹き         小野寺13

      1 平島   

(018) 花のした牛丼ひろげ紅生姜            深瀬 07

(019) 学園の桜吹雪や衿白し              治部 07

      1 桜子    入学式の光景でしょうか。桜や制服のシャツの襟の白

          色など、色のコントラストが印象的です。

(020) さえずりや朝の気配の宅急便           宮澤 05

      1 小野寺  早朝、小鳥のさえずりで目覚めると宅急便の気配が重

             なり何か良い事がありそうな気配。清々しさを感じます。

(021) 初夏を行く髭にハットのダンディズム        深瀬 22

      1       まさに男のダンディズム、おしゃれな紳士の様子が伝

          わってきます。

(022) ぷかりぷかり浮き雲連れて春来る         橋本  02

      1 志方

      2 吉良    擬音がのんびりした春の景色になんともピッタリです。

(023) 春一番山轟かす風の音、             小野寺18

(024) タテ社会他者のこころに土足入り         深瀬 24

(025) 廃村の瀬音ゆたかに山桜             小野寺09

      1 橋本    廃村なれど、自然はそのままに巡っている。

(026) 躑躅満つ迷路のごとき寺の庭           中津川06

      1 宮澤

      2 柳町

(027) 歳重ね去年より早し春一番            治部 02

(028) 春雨や眼鏡に残るミスショット          桑子 02

(029) 露天風呂花散る夜の静けさや           深瀬 03

      1 桜子    夜の露天風呂の良さがしみじみ味わえます。

      2 服部

(030) 竹の秋炊き込みご飯の準備かな          桜子 08

      1 治部    やあ!香ってきますね。筍ご飯ですよね。準備中から

          わくわくしている様子が伝わってきます。美味しいに決

          まっています。

(031) 異星人歩道橋から花めでる            深瀬 02

(032) 菜の花が朧月夜に薄化粧             志方 03

      1 桜子    幻想的な一句です。

(033) 若芝のゴルフ楽しや息子らと           服部 01

(034) ああ旨しわが養老の花見酒            豊   04

      1 吉良    心から発する酒を飲む喜びの声が聞こえそうです。

      2 治部    ああ旨しがいいですね。このところ出来なかった花見

          酒、人生の後半にひとしおの旨さを感じている様子が伝

          わりますね。

      3 橋本    生きていればこそ、相応の美味い花見酒が呑める幸せ。

      4 小野寺  誰に気兼ねする訳ではない気ままな花見酒わが養老の

              花見酒はさぞ旨いことでしょう。

(035) 新境地老いのもがきか竹の秋           深瀬 11

      同期会、早世した友人を思い出

(036) 春の宴中心避けたい記念写真           服部 07

      1 治部    おやおや、もうひと働きを決めたのですか。もがいて

          いると表現した事と、春ではなく竹の秋とした所、何だ

          か振り絞っている感が伝わります。「もがきや」として

          強調すると決心がさらに強まるかな。

(037) 花月夜凪の湖面を櫂の音             小野寺21

      1 宮澤

      2 深瀬    夜の湖畔には満開の桜が並び、湖面には小舟が静かに

          櫂の音をたてて進んでいく。なにをしに行く舟なのでし

          ょうか。

(038) 若き女医怒れば般若に様変わり          桜子 02

(039) 風に乗せ桜連れ去り初燕             志方 07

(040) 喜寿の声花見マンネリ認知症           深瀬 06

(041) 春雷の昏き光を朋渡り              小野寺14

      1       急逝した友人を思う気持ちでしょうか。「春雷」が効

          果的です。

      2 柳町

(042) 花冷えや亡き先生を偲ぶ会            豊   02

(043) 寒明けて語らう友も酒量減り           中津川01

      1 桑子    小生も年に比例して減っています。共感します。

      2 治部    同感です。これ自分もですよね。暖かくなって久々に

          会い語らうも、酒の量は心なしか減っている。お互い体

          に気を付けて長く付き合いたいものです。

(044) 新入生母の着物の袖つかむ            桜子 06

      1 桑子    不安そうに、はにかむ様子が目に浮かびます。和服姿

          のお母さんはめっきり少なくなりました。

      2 宮澤

(045) 筍の飯炊くかほり足止めて            治部 03

        先日、草津温泉に行きましたので、その時の感じを詠んでみ

      ました。雪の大谷には負けますが、渋峠付近に雪の壁がある。

      温度が上がり雪が解けて夢幻惑煙状になり------(2)

(046) 雪壁が作る煙や春一番              柳町  01

(047) 夢幻なり遠目に消える雪煙            柳町 02

(048) 春眠と惰眠の間往き戻り             宮澤 02

(049) 両国の散歩葉ざくら江戸情緒           深瀬 05

(050) 花散らし早緑のなか風に舞い           志方 02

(051) 春暮れて月光に触れ眠りけり           小野寺08

(052) 能登の塩伝統の味日本一             桜子 09

(053) 苺花やがて香りの粒となり            中津川04

      1 小野寺  白い苺の花、眺めながら、いつか甘くて香るイチゴに

              なるのだ。その想像力が良いですね。

(054) 初夏の白き素足や女高生             豊   07

      1 志方

(055) けじめなき老いの春眠やるせなく         深瀬 15

      1 志方

      2 服部

(056) 月白く花散る宵を舟は航き            小野寺10

(057) 冬旅や富士隠す雲にくにくし           治部 01

(058) こどもの日子になに学ぶ対話会          深瀬 21

(059) 浅川の流れを覆う櫻花              治部 06

      ゴルフ場の行き帰りに通る利根川の岸辺の風景 (4 )

(060) 菜の花や織りなす波に遊ぶ吾子          吉良 01

      1 中津川  利根川の土手は菜の花と桜とのコラボのすばらしい場

          所がありますね。

      2 橋本

(061)   (まどろみ) の眼窩に満ちる菜花かな     吉良 02

      1       暖かい春になると、ついうとうとしてしまいますね。

          同感です。

      2 柳町

      3 小野寺  微睡のなかふと目をあければ一面の菜の花の黄色が飛

              び込んできた。幸せなひとときです。

(062) 黄金なる利根の菜花や空を断つ          吉良 03

(063) 畔温み鷺舞い降りし春の風            吉良 04

      1 志方

      2 小野寺  畦道の田圃が水温む季節になり、白鷺が舞い降りてき

              た。春のそよ風が気持ち良い、絵を観る様な情景です。

(064) 春蘭を愛でし人逝き空の青            小野寺04

(065) 新緑に孫の笑顔の夢二度寝             深瀬 20

(066) 絵画展大小の春並びおり             豊   05

      1 橋本    画の大きさのみならず、大きな春、小さな春も描かれ

          ているのでしょう。

      気候変動 (温暖化) (2句)

(067) 3 月がつひに夏日となりにけり          橋本  03

(068) 気候変動人を桜を振り回す            橋本  04

(069) 神田川散りし集まり花いかだ           志方 04

(070) 湯上がりの肌にひとひら花の白          小野寺06

      1 桑子    妖艶な光景を想像しちゃいます。

      2 桜子    温泉地での一コマでしょうか。絵葉書に描かれた美し

          い女性のようです。

      3 治部    「湯上りの肌」で、美しき女性の白い肌が湯上りで薄

          紅色になっていることを思わせて、そこへひとひらの白

          い花びらいいですね。これを色気というのかな。お見事

          です。

(071) 輪島塗海を渡れる世界一             桜子 01

(072) 気が付けば逃げ水追いて喜寿となり        小野寺01

      1 宮澤

      2 中津川  「逃げ水」は何を象徴しているのでしょうか?  求め

          て来たものは何だったか気になります。

      3 柳町

(073) 溌剌の新入社員走馬灯              深瀬 09

(074) 入学の朝は桜と決めていた            治部 04

      毎年飽きずに同じ苗を

(075) トマト茄子苗は今年も同じもの          服部 03

(076) たんぽぽや錆の色濃き廃線路           豊   01

      1 宮澤

      2 深瀬    たんぽぽの黄色とさび付いた線路の茶色が調和してい

          る感じがします。

      3 平島   

      4 中津川  廃線された後にはいろいろな思い出があるものです。

      5 服部

      6 吉良    廃線となった錆びた線路とたんぽぽの色の対比が面白

          い。

      7 治部    役目を終えて久しい錆びた廃線路の周りを囲むたんぽ

          ぽの黄色が、のんびりとした暖かさを感じさせます。疲

          れを癒しているような春らしい光景が目にうかびますね。

      8 橋本    タンポポの鮮やかな花の黄色と葉の緑が、廃線の錆の

          色をいっそう際立たせている。

      9 小野寺  忘れ去られた廃線路、錆色が濃いなかにひときわ健気

              に黄色のたんぽぽが咲いている。何処にでも生きる生命

              があるんですね。対象に目がゆく作者の感性が光ります。

(077) ぞろぞろと目黒の土手の花疲れ          中津川05

      1       目黒川は桜の名所、たくさんの人で賑わいます。人混

          みで「花疲れ」したのでしょう。

(078) みほとけの頸傾むきて春惜しむ          小野寺20

      1 吉良    美しい春の日はいつまでも続いてほしい。御仏も同じ

          思いなのでしょう。

      2 柳町

(079) 座を仕切る豊満の笑み姥桜            深瀬 13

      1 宮澤

      2 中津川  中高年の女子会か?それとも居酒屋の女将か?あるあ

          るですね。

(080) 夜桜のピンクのマシュマロふんわりと       桜子 04

(081) 名も知らぬ雛も歴史を背負いたり         宮澤 04

      1 桑子

      2 中津川  各家庭にはお雛様だけでなく歴史を伝える何かがある

          のではと思います。

      3 吉良    その時代を背負って生きた様々な人々に受け継がれた

          古いひな人形。でも人形の優しい微笑みは時を超えて変

          わらないことでしょう。

(082) 弾む声無口な孫に桜咲く             中津川03

      1 深瀬    共感するものがあります。小学生の上の孫が不登校に

          なり、今度、下の孫が入学しました。今は二人で仲良く

          登校しています。ほっとしています。

(083) マリウポリ残虐ロシアに眼を背く         深瀬 23

(084) 数独の睡魔に負けし春の昼            桑子 04

      1 深瀬    最近、昼食後、しばらくすると猛烈な睡魔に襲われま

          す。老化を実感します。

      2 橋本    数独は時間が掛かり疲れるのでやりませんが、やはり

          眠くなりますか。

(085) 父の墓碑風が手向けし花吹雪           小野寺22

      1 深瀬    我が家のお墓は室内にたくさん並んでいるタイプです。

          こうした景色とは無縁で残念です。

(086) 花盛る歌碑をたどりて人偲ぶ           吉良 05

(087) 空覆う花の老木銀河ごと             深瀬 17

(088) 鎮魂の読経のしじま花吹雪            小野寺17

      1 平島   

(089) 新入りの兵は戻らず母涙             深瀬 08

(090) 春愁の薄陽が照らす孫の頬            志方 05

(091) 竹の秋主役を地下にゆずりましょう        桜子 07

(092) 花明かり別れし人を隠しけり           小野寺12

      1       別れた人は恋人でしょうか。もっと会っていたかった

          という未練の想いが、花明かりの中に浮かんでいるので

          す。

(093) 認知症新入生の胸騒ぎ              深瀬 10

(094) 三年後何人残る入社式              豊   03

(095) 夜桜は蒼き夜空に散りしきり           小野寺11

(096) 窓越しに芽吹き楽しむ日永かな          橋本  05

      1 深瀬    穏やかな日々を過ごしている様が実感として伝わって

          きます。

      2 平島   

(097) 死者並ぶガザウクライナ春陽受け         深瀬 19

      1 吉良    平和な春の陽光とはうらはらな残酷な情景ですね。人

          間の知性は物質文明の進歩とはうらはらに益々退化して

          いるのでしょうか。

(098) 花透いて我が来し方に悔いなきや         小野寺05

      1 桜子    桜を見つめながらそっとつぶやく。映画で俳優さん

          がつぶやくようで、素敵です。

(099) あぁ桜なんと気まぐれ雨に咲く          治部 05

(100) 余命聞き向き合う花に改まり           深瀬 14

      1 中津川  自分が宣告された時は・・・・と想像しました。

      2 小野寺  余命を宣告されて、よく俳句を作る気になったと驚き

              を禁じ得ません。花に向き合い、心の動揺を抑えられた

              としたらそれはまた大変な覚悟です。

(101) 宵闇に漁火 (いさりび) 遠く春の雨        小野寺19

      1 志方

      2 平島   

(102) せせらぎの新緑のなか老い桜           志方 09

(103) 老妻の手とり退院花吹雪             深瀬 04

      1 桑子    ほほえましい光景ですね。病院へ行くと手を取り合う

          老夫婦を多く見かけます。

      2       入院していた奥さんが退院することになった。その喜

          びを花吹雪が盛り上げてくれるのです。うらやましい老

          夫婦です。

      3 服部

      4 吉良    愛情のあふれるすばらしい光景です。

      5 橋本

(104) 舞い散りて残り桜の儚さが            志方 06

      1 柳町

(105) 花冷えの古城の松に風は哭き           小野寺07

(106) 歓迎会牛しゃぶしゃぶで囲む鍋          桜子 03

(107) 春眠や海越え届くホームラン           吉良 06

(108) 雪解けの瀬音流るる落ち椿            小野寺02

      1 平島   

(109) 春迎え老いのグッズの二つ三つ          深瀬 12

(110) 満開だエージシュートだ桜咲く          服部 05

(111) 春浅し小川に跳ねる光かな            橋本  01

(112) 江戸人も愛でし桜の隅田川            豊   06

      1 深瀬    先日、両国界隈を散歩し、江戸時代は、隅田川沿いが

          繁華街の中心であったことを実感しました。

      2 柳町

(113) 温暖化桜満開夏日かな              桑子 03

      1 桜子    季語を入れながらも、現代の環境問題をズバリとつい

          ておられます。

(114) 星の畔 (あぜ) (かわず) の歌の大合唱     小野寺16

(115) 囲碁手談義理人情と真逆行く           深瀬 25

 

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  ご参考  選句時にお寄せいただいたコメントを、僣越ですが、下記に添付し

ます。

 

○ 桜子さん (新井さん)

 楽しく拝見し、選句致しました。

  桜の光景を詠まれた句が多く、幻想的な光景を表現なされていた句が多かっ

たようです。

  日常のつぶやきにも、現代の問題が語られていて、さすが視野の広さがあら

れます。

 楽しいひと時をありがとうございます。

  自分で俳句を作るのも、「私はこんなことを思っていたんだ」と発見になり

ますが、他の方の句を読ませていただくのも、どのあたりが目に留まるかで、

自分の関心に気づくものですね。

 

○ 志方さん

 春を詠むと、似たような句が多く、選句に苦労いたしました。

 

○ 柳町さん

  早めに選句して、気持ちよく(?)旅行に出かけたいと思います。

 御免なさい、どうしても8句になってしまいます(笑)

 

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2024年5月1日水曜日

七句会 第四十七回目のネット句会 選句表

 

 七句会の皆様

 

  桜の季節から初夏にジャンプしてしまったような今日このころですが、

みなさまお元気にお過ごしのことと思います。

  七句会としての第四十七回目のネット句会となりますが、今回、下記

115 句の投句がありました。

  つきましては、次の要領で、選句をしていただきたく、よろしくお願

いいたします。

 

- 下記は、今回、投句していただいた全ての句を、作者を伏せ、兼題別

に、ランダムに列挙したものです。表記は、投句されたそのものです。

詞書きがあり、複数の句があるものは、まとめて並べてあります。兼題

句、自由題句、無季語句、川柳的な句、作者の特定が可能な句、等々、

なんでもありとしています。分類については、作者の意図と異なるかも

しれませんが、ご了承のほどお願いいたします。 (今回も分類を省略さ

せていただきました。)

- このなかから、共感する俳句を、最大7 句選び、5 12 () まで

に、下記へメールで返信してください。番号表記でも構いません。その

際、選んだ理由を一言、付け加えていただくとなお結構です。全体への

コメントでも結構です。

    hfukase@k03.itscom.net  (事務方  深瀬)

- 蛇足ですが、選句にあたり、自作を選ぶのはご遠慮ください。

- 2 月下旬には、選句の結果をまとめ、皆さまにご報告する予定です。

 

  今回の投句者は、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方

さん、中津川さん、橋本さん、服部さん、柳町さん、豊さん、深瀬 (

11) です。

 

 これまでの選句結果は、下記のURL から参照可能です。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

 以上、よろしくお願いいたします。

 

  送付不要な場合、ご面倒ですがご一報下さい。以後、送付しないよう

にします。

 

        七句会 2024.05.01

          代表  橋口侯之介

     顧問    宣光

          事務  深瀬久敬

   

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   1. 全て (兼題、季語の有無など無関係)

 

(001) 花残月光かすめて鳥還る

(002) すれ違い胸元まぶし春の服

(003) 咲き誇る花のこころに謎宇宙

(004) 鵜を逃る小魚白鷺頂戴す

(005) 紅麹キックバックもAB遺産

(006) なごり雪杖つく友に肩を貸し

(007) 春とてもロシアを覆うマゾヒズム

(008) 花筏かき分けながら舟が行く

(009) 標準木満開近し減る人出

(010) 夜桜や梢は深き闇に消え

(011) 花疲れ優先席の狸寝入り

(012) 霞みゆく川面のかなたに雉がなく

(013) 新入生正門くぐり一歩一歩

(014) 満州の戦火越え来し父の春

(015) 初音在り師匠の音にはほど遠く

(016) 春眠と午睡重なる老いの日々

(017) 生きてあれ木々朝霧に木の芽吹き

(018) 花のした牛丼ひろげ紅生姜

(019) 学園の桜吹雪や衿白し

(020) さえずりや朝の気配の宅急便

(021) 初夏を行く髭にハットのダンディズム

(022) ぷかりぷかり浮き雲連れて春来る

(023) 春一番山轟かす風の音

(024) タテ社会他者のこころに土足入り

(025) 廃村の瀬音ゆたかに山桜

(026) 躑躅満つ迷路のごとき寺の庭

(027) 歳重ね去年より早し春一番

(028) 春雨や眼鏡に残るミスショット

(029) 露天風呂花散る夜の静けさや

(030) 竹の秋炊き込みご飯の準備かな

(031) 異星人歩道橋から花めでる

(032) 菜の花が朧月夜に薄化粧

(033) 若芝のゴルフ楽しや息子らと

(034) ああ旨しわが養老の花見酒

(035) 新境地老いのもがきか竹の秋

      同期会、早世した友人を思い出

(036) 春の宴中心避けたい記念写真

(037) 花月夜凪の湖面を櫂の音

(038) 若き女医怒れば般若に様変わり

(039) 風に乗せ桜連れ去り初燕

(040) 喜寿の声花見マンネリ認知症

(041) 春雷の昏き光を朋渡り

(042) 花冷えや亡き先生を偲ぶ会

(043) 寒明けて語らう友も酒量減り

(044) 新入生母の着物の袖つかむ

(045) 筍の飯炊くかほり足止めて

        先日、草津温泉に行きましたので、その時の感じを詠んでみ

      ました。雪の大谷には負けますが、渋峠付近に雪の壁がある。

      温度が上がり雪が解けて夢幻惑煙状になり------(2)

(046) 雪壁が作る煙や春一番

(047) 夢幻なり遠目に消える雪煙

(048) 春眠と惰眠の間往き戻り

(049) 両国の散歩葉ざくら江戸情緒

(050) 花散らし早緑のなか風に舞い

(051) 春暮れて月光に触れ眠りけり

(052) 能登の塩伝統の味日本一

(053) 苺花やがて香りの粒となり

(054) 初夏の白き素足や女高生

(055) けじめなき老いの春眠やるせなく

(056) 月白く花散る宵を舟は航き

(057) 冬旅や富士隠す雲にくにくし

(058) こどもの日子になに学ぶ対話会

(059) 浅川の流れを覆う櫻花

      ゴルフ場の行き帰りに通る利根川の岸辺の風景 (4 )

(060) 菜の花や織りなす波に遊ぶ吾子

(061) 微睡 (まどろみ) の眼窩に満ちる菜花かな

(062) 黄金なる利根の菜花や空を断つ

(063) 畔温み鷺舞い降りし春の風

(064) 春蘭を愛でし人逝き空の青

(065) 新緑に孫の笑顔の夢二度寝

(066) 絵画展大小の春並びおり

   気候変動 (温暖化) (2句)

(067) 3 月がつひに夏日となりにけり

(068) 気候変動人を桜を振り回す

(069) 神田川散りし集まり花いかだ

(070) 湯上がりの肌にひとひら花の白

(071) 輪島塗海を渡れる世界一

(072) 気が付けば逃げ水追いて喜寿となり

(073) 溌剌の新入社員走馬灯

(074) 入学の朝は桜と決めていた

      毎年飽きずに同じ苗を

(075) トマト茄子苗は今年も同じもの

(076) たんぽぽや錆の色濃き廃線路

(077) ぞろぞろと目黒の土手の花疲れ

(078) みほとけの頸傾むきて春惜しむ

(079) 座を仕切る豊満の笑み姥桜

(080) 夜桜のピンクのマシュマロふんわりと

(081) 名も知らぬ雛も歴史を背負いたり

(082) 弾む声無口な孫に桜咲く

(083) マリウポリ残虐ロシアに眼を背く

(084) 数独の睡魔に負けし春の昼

(085) 父の墓碑風が手向けし花吹雪

(086) 花盛る歌碑をたどりて人偲ぶ

(087) 空覆う花の老木銀河ごと

(088) 鎮魂の読経のしじま花吹雪

(089) 新入りの兵は戻らず母涙

(090) 春愁の薄陽が照らす孫の頬

(091) 竹の秋主役を地下にゆずりましょう

(092) 花明かり別れし人を隠しけり

(093) 認知症新入生の胸騒ぎ

(094) 三年後何人残る入社式

(095) 夜桜は蒼き夜空に散りしきり

(096) 窓越しに芽吹き楽しむ日永かな

(097) 死者並ぶガザウクライナ春陽受け

(098) 花透いて我が来し方に悔いなきや

(099) あぁ桜なんと気まぐれ雨に咲く

(100) 余命聞き向き合う花に改まり

(101) 宵闇に漁火 (いさりび) 遠く春の雨

(102) せせらぎの新緑のなか老い桜

(103) 老妻の手とり退院花吹雪

(104) 舞い散りて残り桜の儚さが

(105) 花冷えの古城の松に風は哭き

(106) 歓迎会牛しゃぶしゃぶで囲む鍋

(107) 春眠や海越え届くホームラン

(108) 雪解けの瀬音流るる落ち椿

(109) 春迎え老いのグッズの二つ三つ

(110) 満開だエージシュートだ桜咲く

(111) 春浅し小川に跳ねる光かな

(112) 江戸人も愛でし桜の隅田川

(113) 温暖化桜満開夏日かな

(114) 星の畔 (あぜ) (かわず) の歌の大合唱

(115) 囲碁手談義理人情と真逆行く

 

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