2025年10月28日火曜日

七句会 第五十三回目のネット句会 選句のご依頼です。

 七句会の皆様

 

  急速に秋の気配が強まっていますが、みなさまお元気にお過ごしのこ

とと思います。

  七句会としての第五十三回目のネット句会となりますが、今回、下記

123 句の投句がありました。

  つきましては、次の要領で、選句をしていただきたく、よろしくお願

いいたします。

 

- 下記は、今回、投句していただいた全ての句を、作者を伏せ、兼題別

に、ランダムに列挙したものです。表記は、投句されたそのものです。

詞書きがあり、複数の句があるものは、まとめて並べてあります。兼題

句、自由題句、無季語句、川柳的な句、作者の特定が可能な句、等々、

なんでもありとしています。分類については、作者の意図と異なるかも

しれませんが、ご了承のほどお願いいたします。 (今回も分類を省略さ

せていただきました。)

- このなかから、共感する俳句を、最大7 句選び、1114 () まで

に、下記へメールで返信してください。番号表記でも構いません。その

際、選んだ理由を一言、付け加えていただくとなお結構です。全体への

コメントでも結構です。

    hfukase@k03.itscom.net  (事務方  深瀬)

- 蛇足ですが、選句にあたり、自作を選ぶのはご遠慮ください。

- 3 月中旬には、選句の結果をまとめ、皆さまにご報告する予定です。

 

  今回の投句者は、秋元さん、新井さん、小野寺さん、河村さん、

吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さん、中津川さん、橋本さん、

服部さん、豊さん、深瀬 (以上13) です。

 

 これまでの選句結果は、下記のURL から参照可能です。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

 以上、よろしくお願いいたします。

 

  送付不要な場合、ご面倒ですがご一報下さい。以後、送付しないよう

にします。

 

        七句会 2025.10.28

          代表  橋口侯之介

     顧問    宣光

          事務  深瀬久敬

   

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   1. 全て (兼題、季語の有無など無関係)

 

(001) 初時雨牡丹は紅く花芽吹き

(002) 雲の峰見る間に崩れ空は凪

(003) 盆栽の景色に小さき秋の見え

(004) 時ながれ老ひの背中に秋の風

(005) 秋祭りビルを呑み込む囃子声

(006) 墓参り今年も咲いた彼岸花

(007) 天網を超えて遥かに流れ星

(008) 流れ星光飲み込む都市の渦

(009) 新米や高値続いてパスタ買い

(010) ご褒美はお頭付きのさんまかな

(011) 水澄むもわが身に沈む重き澱

(012) ママ残業カレー煮て待つお月さま

(013) スポーツの秋に野球はオフとなり

(014) 投げ売りの育ち過ぎたる梨甘し

(015) 秋の夜やしみじみと聴くノクターン

(016) 柚匂ふ母の描きし黄金色

(017) 漂泊の宿の出迎へ鳳仙花

(018) 喜多方で至福のラーメン煮干だし

(019) 秋雨に足取り重く4 (フォー) パット

(020) 燈二つ切れし日友の急逝す

(021) 彼岸花朱華の空と競い合い

(022) 振り返る道の長さや曼殊沙華

(023) まだかまだ擂り棒せかすとろろ汁

(024) 昏ながら山裾照らす夕紅葉

(025) 山車ひく子少子化の波しみじみと

(026) 米櫃を満たせぬ世相秋寒し

(027) デッサンの筆圧強し秋灯下

(028) 三日月にお供えかなと彼岸花

(029) 煙り立つ七輪瞼に秋刀魚買う

(030) ガザの民悲しみ深き夜寒かな

(031) 月揺れて露天に浸かる独り旅

     (大陸四景)

(032) 枯葉舞うハーレムノクタン二番街

(033) Ennui(気怠さ) を纏いセーヌは秋暮色

(034) 秋夕陽トブカブ宮を赤黒に

(035) 紅楊 (タマリスク) の影延びて敦煌は秋

(036) 澄む水はゆるやかに消ゆ大都会

(037) 七輪で秋刀魚焼きたし空焦がし

(038) 廃屋の庭の鶏頭賑わしく

(039) 金色に染まる畑の稲穂波

(040) 女蟷螂雄組み敷きて生命 (いのち) 継ぐ

(041) 連立や定数削減うそ寒し

(042) 足早に紅黄駆け降る甲斐信濃

(043) 秋祭り都会の隅にほそぼそと

(044) 期待して寿司ネタ見るも秋刀魚なく

(045) 信濃路の祭り囃子や秋の声

(046) 紅葉酔う永観堂の逢瀬かな

(047) 寒椿枯野の裾に色を添え

(048) 故郷や秋刀魚煙れる路地の裏

(049) 病室の窓に久しき鰯雲

(050) 生きてれば父百歳の墓参り

(051) 畑中の風に抱かれる彼岸花

(052) 羽音たて澄む川翔ぶや鬼ヤンマ

(053) 風そよぎじゃれ親しみぬ鶏頭花

(054) 秋暑し孫に叱られ親子酒

(055) ロンドンは満員御礼のSUMO

(056) 群がりて空中遊泳赤とんぼ

(057) 釣り人の背中照らして水澄めり

(058) 落ち鮎を父と喰らひし簗の暮れ

(059) 飛鳥路をたどれば愛し彼岸花

(060) 秋刀魚焼く少しを猫におすそ分け

(061) 草の花わが身省み応援歌

(062) 夕紅葉鞍馬の山に鬼となり

(063) 待ちわびし甘き香寄せる稲の波

(064) 面接でさんまが好きとさすが兄

(065) 秋刀魚焼く一人一匹皿の上

(066) 無月なり弱法師 (よろぼし) のごと立ち竦む

(067) 木犀の香り残して別れけり

(068) 焼きさんま骨だけ残しこども卒

(069) 夕餉何秋刀魚ですよと妻答う

(070) 重陽の節句と陽気は離れおり

(071) 秋日入る教会めぐる癒し旅

(072) 祇王寺に亡き人偲ぶ曼珠沙華

(073) 懐かしや夕食に並ぶああ秋刀魚

(074) 月光に浸たりて過去を流しけり

(075) 阿波踊りパリに沸き立つジャポニズム

(076) 手踊りの乙女きりりと秋祭

(077) 稲光り家揺れるごとゲリラ雨

(078) やっとこさ秋の気配だ待ってたよ

(079) 喜寿すぎて何故か目につく彼岸花

(080) 妻遺すメモを片手に秋刀魚焼く

(081) へばりつく赤ひ太陽原爆忌

(082) 女の子秋刀魚祭りではしゃぐ夕

(083) 友と来て鍋を囲んできりたんぽ

(084) 濡れ芝に光の宝石朝の庭

(085) 喜寿二人昼飲み終えて鰯雲

(086) 白雲と水面に映る彼岸花

(087) 落人の心となりて枯野描く

(088) 江戸前のボラ悠々と野田の川

(089) 炭坑節耳に焼きつく秋祭り

(090) 閑居して新酒行脚の独り飯

(091) 旅先の無人駅舎に虫の声

(092) 初紅葉頬の涙にことば呑み

(093) 秋祭り夜見世ソースの切なさも

(094) 諸手あげ脚軽やかに阿波踊り

(095) 手あふるる梨の重さよ老いの皺

(096) 主人 (あるじ) 亡き庭の陽だまり草の花

(097) お墓には曼殊沙華が良く馴染み

(098) 車窓ごし追いかけて来る能登の月

(099) 晴天に飛び出し戻り秋衣

(100) 水澄みて沈む木立に日の光

(101) 澄む水に心の澱 (おり) を見透かされ

(102) 秋進む庭の木の実の色づいて

(103) 秋祭江戸っ子には似合わねえ

(104) ベランダにはにかみ舞える秋の蝶

(105) 青空や透き通る秋野に山に

(106) 過疎の村孤老見守る流れ星

(107) 人知れずベランダ萌ゆる草の花

(108) 泣く我に風にまかれて秋の蝶

(109) 母と子の秋刀魚ほおばるほお丸く

(110) 秋深し女性宰相船出かな

(111) 風止みて祖父の墓標に木の実落ち

(112) 愛息の帰省を待つや落花生

(113) 赤煉瓦海風載せて秋刀魚焼き

(114) 自然美の圧倒的な鱗雲

(115) 都市田舎こんなに違ふ夏夜空

(116) 秋の灯を消せば満天星廻り

(117) 店先や今年はうまし秋刀魚の目

(118) 車窓より寄せ来る波に野分かな

(119) 渓流に立ち舞う紅葉秋の風

(120) 星ひとつ削りし命流れ逝き

(121) 山車を引く子らの法被や秋祭

(122) 天めざし虚空掴める蔦の蔓

(123) 八月もなかばを過ぎて肩で息

 

 

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  選句表作成者注。

 

・注1.「弱法師」の読み方は「よろぼし」または「よろぼうし」です。よろぼし

: 一般的な読み方で、能の演目名として使われることが多いです。よろぼうし:

「よろよろ歩く法師」という意味合いで、こちらも使われます。能の演目名とし

ても使われることがあります。

 

・注2.秋暮 しゅうぼ

 

・注3.トプカプ宮殿(土: Topkapı Sarayı、「大砲の門宮殿」の意)は、15世紀

中頃から19世紀中頃までオスマン帝国の君主が居住した宮殿。トルコ共和国イス

タンブール旧市街のある半島の先端部分、三方をボスポラス海峡とマルマラ海、

金角湾に囲まれた丘に位置する。

 

・注4.タマリスク

ギョリュウ(御柳、学名:Tamarix chinensis )はギョリュウ科の落葉小高木。

モンゴルから中国北部にかけての乾燥地域が原産地で、日本には江戸時代中期に

伝わった。

名称  ギョリュウ属の学名はタマリクス(Tamarix )であるが、日本では英語名

のタマリスク(Tamarisk)でも呼ばれる。和名では別名としてサツキギョリュウ

が挙げられる。中国名(漢名)は檉柳(ていりゅう)で、一年に数度花が咲くこ

とから三春柳の名もある。ほかに、紅柳などの別名もある。

特徴  ギョリュウ属は、地中海周辺からアジアにかけての乾燥地帯に分布する。

ギョリュウ属の種はたがいに似ているために分類は困難とされるが、75種ほどに

分かれている。水湿地でよく育つ種であるが、乾燥地でも育ち、塩分や寒さにも

強い。

葉は小さい鱗片状で針葉樹のように見える。春と秋に枝先に桃色の1mm ほどの小

さい花をたくさん咲かせる。果実は長さ数mmの蒴果で、種子は細かく房状の毛が

生え風で飛ぶ。砂漠など乾燥地でも根を長く伸ばして水分を強く吸収する。

 

・注5.「蔦(つた)」と「蔓(つる)」は似ていますが、意味が異なります。「

蔦」はブドウ科ツタ属の特定の植物の名称(ナツヅタなど)を指し、「蔓」は茎

が長く伸びて巻きつく植物全般の総称です。両者はどちらも「つる植物」という

点で共通しており、言葉の使い分けは文脈によります。

蔦(ツタ)

意味: ブドウ科ツタ属の総称で、特定のつる植物を指します。

特徴: 付着根(ふちゃくこん)を壁や岩に貼りつけて「伝って」伸びるのが特徴

です。

: ナツヅタ、冬蔦(フユヅタ、キヅタ)など。

蔓(ツル)

意味: 茎が細長く伸び、地面をはったり、他の物に巻きついたりして伸びる植物

の総称です。

特徴: 巻きつくための「蔓(つる)」という、植物の茎の形態を指します。

: 葛(くず)、つる草など。

 

6.「擂粉木」の読み方は「すりこぎ」です。

 

7.「朱華」の読み方は「はねず」です。一般的には薄い赤色を指す伝統色とし

て使われ、『万葉集』にも登場します。また、人名の場合は「しゅか」「あやか

」と読むこともあります。

 

8.「紅黄(こうこう)」は、赤と黄色を合わせた色を指し、赤みがかった黄色

(紅鬱金)や、赤と黄色が混じり合った色(黄紅蓮)など、文脈によってさまざ

まな色やものを指します。また、「紅黄」は植物の「紅黄草」や、遊戯王カード

の「ゼクトライク-紅黄」、そして**日本画用絵の具の「黄紅」**という固有名

詞としても使われます。

 

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