2021年7月19日月曜日

七句会 第三十六回目のネット句会 選句の結果をご報告します。

 

 七句会のみなさま

 

 第三十六回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

今回の選句結果をご報告いたします。

 

  4 点句

(008) 紫陽花の青滴りて虹の玉            小野寺06

 

  3 点句

(003) 乱れ飛ぶほたるの飛跡星を縫ひ         深瀬 05

(036) 青葉木菟 (あおばずく) 故郷の森に祖父はをり  小野寺10

(042) ほとばしる滝の飛沫 (しぶき) に蝶は舞ひ    小野寺09

(050) 砂浜に残る足跡晩夏光             豊    01

(052) 人妻となりて別れし花明かり          小野寺02

(057) 少年は夢ふくらませ夏の雲           豊    04

(064) スカイツリー雲にとげ刺し梅雨やまず      宮澤  06

(066) 迎え火を庭で焚く父いまは亡く         深瀬 18

(071) 人生は花火とともに消えにけり         豊    05

(102) 野佛の深き瞳や夏木立             小野寺03

 

  2 点句

(002) 若鮎の炭火に香る藻の青さ           吉良  03

(007) 空蝉の余生にほのか恋手紙           宮澤  05

(011) 朝採りの有機きゅうりや無二の味        橋本  01

(013) 夏休み喧嘩ばかりし兄施設           深瀬 11

(015) 微笑まれ帰りたくない雨宿り          宮澤  03

(027) 切れ長の佛の目 (まなこ) 梅雨の寺       小野寺07

(029) 老ひ集ふ若葉に埋まるゴルフ場         深瀬 02

(035) 拡大鏡線香花火で隅田川            宮澤  04

(039) 夏雲を讃えて青き甲斐の山           小野寺04

(043) 剪定に暫しの安らぎ初夏の庭          橋本  02

(074) 紫陽花は薄紫の花暦              秋元 01

(077) 軒先の倖せの巣やツバメ来る          小野寺12

(083) メロン切る手に甘き汁母の夢          吉良  05

(086) 梔子 (くちなし) の白き雫に光る虹       小野寺08

(095) 青空に落ちるものなし原爆忌          豊    06

(096) 夕立に用を忘れて帰宅する           宮澤  02

(097) 独り居の友となりぬる冷やっこ         吉良  02

 

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、今年9 ~10月ころにご連絡したいと思っていますので、よ

ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連

絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。

 

(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の15名が参加しました。

  秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さ

ん、中津川さん、橋本さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、柳町さん、豊さ

ん、深瀬。

 

(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  8 月 9日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

  2021.07.19

      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬

 

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(001) 健診表人生秋の便りかな            新井  03

(002) 若鮎の炭火に香る藻の青さ           吉良  03

   1 中津川 

   2 秋元   

(003) 乱れ飛ぶほたるの飛跡星を縫ひ         深瀬 05

      1 新井    暗い中キラキラ光る蛍が目に浮かびました。『星』

          が素敵です。

      2 中津川  多くのほたるが舞う様が浮かびます。

      3 志方    雄大な天空のパノラマが浮かぶ

(004) 万緑に染まりし寺に不動尊           小野寺20

      1 豊      不動尊を祀っている寺はいくつかありますが、作

          者はどこの寺に行ったのでしょうか。緑の木々の葉

          のやさしさと不動尊の顔の厳しさがうまく対応して

          います。

(005) キャミソール薄着で魅せる五十女        新井  08

      1 桑子    「魅せる」という表現がステキです。まだまだ若

          い者には負けないわよという意気込みが感じられま

          す。

(006) つゆ空に芽生えし稲の田に映えり        深瀬 07

      1 柳町   

(007) 空蝉の余生にほのか恋手紙           宮澤  05

      1 平島    源氏物語の面影。老いらくの恋とかも思い出させ

          てくれました。「ほのか」が少しの暖かさ嬉しさも

          含んで恋が生きています。

   2 小野寺  空蝉の余生でも恋は恋です。ほのかが効いてます。

(008) 紫陽花の青滴りて虹の玉            小野寺06

      1 吉良    雨上がりの状況でしょうか。水滴が光に虹色に輝

          き、花の青色とコントラストを見せている美しさを

          感じました。

      2 新井    紫陽花、虹、とロマンティックで洋画の一場面の

          ようです。

      3 橋本    情景が見事に浮んできます、美しいです。

      4 秋元   

(009) 梅雨晴や足取り軽くフェアウエイ        桑子  01

(010) 庭電灯つけて影踏み懐かしく          深瀬 15

(011) 朝採りの有機きゅうりや無二の味        橋本  01

      1 新井    きゅうりのシャキッとした食感が感じられます。

      2 中津川  手塩にかけた作物はとりわけおいしいですね。

(012) カルガモの親子見守る半夏生          中津川06

      1 秋元   

(013) 夏休み喧嘩ばかりし兄施設           深瀬 11

      1 中津川  本当は仲の良い兄弟なのが伝わります。

      2 宮澤    順番だから仕方ないと思いつつ、切ない気持ちで

          す。

(014) キャンバスに滴る緑夏の雲           小野寺05

(015) 微笑まれ帰りたくない雨宿り          宮澤  03

      1 橋本    微笑んでいるのはどんな人、気になります。 そん

          な出会いに巡り会いたい。

      2 小野寺  雨宿り、微笑まれたら雨よ止むなと思いますよね。

       笑

(016) 天涯を光と翔けし岩ひばり           小野寺11

      1 志方    ダイナミックな躍動感の表現、旨いな

(017) 地球といふ岩石浮かす宇宙かな         深瀬 22

      1 豊      似たような発想の名句がいくつかありますが、作

          者の壮大なスケールの発想に共感しました。

(018) 桜色来年の私似合うかな            新井  01

(019) 草むらや雨に打たれるあまがえる        深瀬 19

      1 秋元   

(020) 万緑の深き谷間を鷺は越え           小野寺15

(021) 左腕接種安心老いの夏             中津川01

(022) コロナ禍の集団接種梅雨の空          服部  04

(023) 昼休み若葉の下のピクニック          新井  07

(024) ところてん遭遇せしは母実家          深瀬 17

      1 服部   

(025) 七夕にトラの命が後わずか           志方  03

      1 桑子    トラとは阪神タイガースの事でしょうか?そうな

          ら同感です。阪神の優勝年は1962年、64年、85年、

          2003年、5 年と20年間隔の規則性があり、次回は20

          25年早くて23年というところでしょうか。(あくま

          で小生の予想です) 

(026) 雨蛙ハシビロコウに勝ちにけり         桑子  02

(027) 切れ長の佛の目 (まなこ) 梅雨の寺       小野寺07

      1 宮澤    なぜか、若き日の山口百恵の切れ長の目の涙が連

          想されます。

      2 深瀬    言われてみると確かに仏様の眼というのは切れ長

          です。梅雨の寺との取り合わせを興味深く感じまし

          た。

(028) 船旅や太平洋は夕焼けて            豊    02

(029) 老ひ集ふ若葉に埋まるゴルフ場         深瀬 02

      1 中津川  コロナ禍でもゴルフ場は高齢者で結構混んでいる

          らしいですね。

      2 桑子    老人にとってゴルフはコロナ禍で、健康維持のた

          めのベストな屋外での運動だと思います。

(030) 草茂り捨て冷蔵庫埋もれ行く          服部  03

      1 深瀬    なにかよく見かける光景ですが、自然の営みと人

          間活動の接点のなかで、人間の身勝手な浅はかさが

          えぐりだされている感じです。

(031) 実家より新ジャガ届く梅雨間近         橋本  03

      1 宮澤    知人からの頂き物で季節を知ることがあります。

          届くことで無事を知ります。いつまでも無事に続く

          ように。

(032) 散る桜海の蒼さに染まりけり          小野寺01

(033) 庭に椅子すいか囲みし父母は亡く        深瀬 14

      1 新井    寂しさも感じますが、一方でご両親を慕うしみじ

          みとした愛情にあふれています。

(034) 遊園地跡バラの盛りの燃えるごと        中津川04

(035) 拡大鏡線香花火で隅田川            宮澤  04

      1 橋本    視点が面白いです。

      2 深瀬    浮世絵には巨視的な描写の絵がありますが、その

          逆を行った感じでおもしろいと思いました。

(036) 青葉木菟 (あおばずく) 故郷の森に祖父はをり  小野寺10

      1 柳町   

      2 志方    しみじみとした祖父への敬愛

      3 豊      亡くなった祖父が青葉木菟に姿を変えて故郷の森

          に帰ってきた。見事な発想です。

(037) 時間割隠居者用は役立たず           深瀬 26

(038) 夏来る予約画面でヨーイドン          新井  02

      1 治部    コロナ禍でのワクチン予約大変でしたよね。こん

          な感じで一日中苦戦しました。

(039) 夏雲を讃えて青き甲斐の山           小野寺04

      1 平島    青い空白い入道雲それらを讃えるかの如く緑滴る

          甲斐の山々。人間至る所に青山あり。色の配合が好

          きです。一編の絵画。

      2 治部    私も見ました。青く見える甲斐駒ヶ岳。雲と大和

          が互いに讃え合っているような迫力のある風景でし

          た。

(040) 風の中ツバメ飛び交う田植えかな        志方  04

(041) 心筋梗塞この死に方は気が重し         深瀬 23

(042) ほとばしる滝の飛沫 (しぶき) に蝶は舞ひ    小野寺09

      1 吉良    滝の作る瀑風にのり軽々と舞い上がる蝶が涼しさ

          を感じさせます。  

      2 柳町   

      3 秋元   

(043) 剪定に暫しの安らぎ初夏の庭          橋本  02

      1 服部   

      2 小野寺  夏草が生い茂る前に庭木を選定しておくのは理に

       叶っており、ホッと落ち着きますね。

(044) 何時の間に富士の雪解け消えゆきて       志方  07

(045) 布団干し梅雨の合間の勘違い          新井  05

(046) 夏ホームべんとべんとの声行き来        深瀬 16

      1 治部    懐かしい風景ですよね。子供のころの夏休みの帰

          省を思い出します。今も弁当売りってあるんですか

          ね。

(047) ひとと逢ふ闇夜を蛍流れゆき          小野寺19

      1 宮澤    道案内なのでしょうか。吉の徴だといいですね。

(048) 裾乱し走り騒ぐや浴衣の子           服部  05

(049) 変わりなく瀬戸の島並み煙雨降り        志方  02

      1 平島    コロナ騒ぎなど世に有為転変が起きているがそこ

          にある自然は昔の儘で点在する島々が降る雨に煙る

          その姿は墨絵のごとくなり。

(050) 砂浜に残る足跡晩夏光             豊    01

      1 吉良    足跡は子供足跡、あるいは恋人達の足跡色々でし

          ょうか。晩夏の人気のない海岸が切なく感じられま

          す。

      2 服部   

      3 桑子    夏が終わる寂しさを感じます。誰もいない浜辺が

          目に浮かびます。

(051) 部屋隅に琥珀に沈む梅酒あり          吉良  04

      1 服部   

(052) 人妻となりて別れし花明かり          小野寺02

      1 平島    自分が人妻となって男と別れたか、それとも彼女

          が人妻になって離れ離れになってしまった男の述懐

          か? 花明りに遠い昔をぼんやりと重ねている。忘

          れがたい人だったなあ。

      2 柳町    この句、なんかいいですねーーーー。作者を知り

          たいです。

      3 桑子    何かせつない思いがします。人妻になる前はどう

          いう間柄だったか想像をかき立てられます。

(053) 生きすぎとほたるに詫びる老ひひとり      深瀬 03

      1 平島    一人ぼっちになってもまだ未練たらしくこの世に

          生かされている己に比べて短い命の蛍がけなげに一

          生懸命おしりを光らせて精一杯生きている。ごめん

          な!変わってやりたいくらい。

(054) 紫陽花の深緑に浮ぶ灯りかな          橋本  04

(055) 梅雨空や胃カメラ検査の気の重く        服部  01

(056) おもひつきアマゾンクリック少し悔ひ      深瀬 25

(057) 少年は夢ふくらませ夏の雲           豊    04

      1 吉良    入道雲に向かい夏休みに何をしようかとワクワク

          している子供が思い浮かびます。

      2 柳町   

      3 志方    すっきりとした夏の表現が見事

(058) 冷そうめん卓に吹き寄す瀬戸の風        吉良  01

      1 中津川  このそうめんはきっと瀬戸内小豆島産ですね。

(059) 燕の子黄色の声に母還る            小野寺13

(060) 江ノ電の車窓に映る夾竹桃           志方  05

(061) 干しもののピアノ部屋埋むつゆの日々      深瀬 10

      1 橋本    便利に使われてしまう余り使われないピアノ部屋

          を想像しますが、、、

(062) 蓮の花白やピンクの愛らしさ          新井  06

(063) オリパラをやるかやめるか迷い梅雨       中津川03

      1 服部   

(064) スカイツリー雲にとげ刺し梅雨やまず      宮澤  06

      1 新井    「とげ刺し~」が面白いです。

      2 服部   

      3 深瀬    天の貯水槽に穴でもあけてしまったのか、人間の

          やりすぎをエスプリをきかせて批評しているように

          も感じました。

(065) 粽 (ちまき) 喰う孫の笑顔や風薫る       小野寺17

(066) 迎え火を庭で焚く父いまは亡く         深瀬 18

      1 桑子    今は作者が焚いているのでしょう、将来は子ども

          達が受け継いでいくのでしょうか。

      2 豊      いつも迎え火を焚いていた父が亡くなって、今年

          はその父のために迎え火を焚く作者。親子の情の交

          流がいいですね。

      3 小野寺  お盆の何気ない風景でしょうか。お勤めの様に迎

       え火を焚いた父上に限りない哀惜の想いが伝わって

       きます。

(067) 警報におののく蛍も避難かな          新井  04

(068) おもちゃかと石灯籠に乗る蛙          深瀬 20

(069) 紫陽花に居場所とらるる愛車かな        桑子  04

      1 治部    雨が降ると紫陽花の枝は横に広がり花が重くて大

          変です。狭くなっている駐車場の様子が見えます。

(070) 梅雨さ中マスクは苦しコロナかな        志方  01

(071) 人生は花火とともに消えにけり         豊    05

      1 新井    そういえばそうだ、と思い知らされました。

      2 治部    花火は本来華やかな夏の風物詩です。人生を消す

          ものではありません。花火とともに燃えにけりと行

          きましょうよ。

      3 深瀬    最近、こういう状況が身近にわかる心境になって

          きた感じがしています。

(072) つゆの窓頬杖をつく少女かな          深瀬 08

(073) 霧の海郭公 (かっこう) が哭き陽は昏れぬ    小野寺21

      1 志方    黄昏の情景が、音の響きに合わせて上手い表現

(074) 紫陽花は薄紫の花暦              秋元 01

      1 平島    パッとみると漢字の紫と花が二つ飛び込んでくる。

          声に出して読んでみると全然違う。花暦で決まりで

          す。言葉遊びとして秀逸です。

      2 柳町   

(075) 残り時間どうたのしむか日々自問        深瀬 21

(076) 木曽川の風薫り来て山法師           中津川05

      1 小野寺  木曽川の風が香り山法師の白い花が初夏の柔らか

       な光を感じさせます。

(077) 軒先の倖せの巣やツバメ来る          小野寺12

      1 志方    幼いころは本当に夏の風物詩だった

      2 豊      「倖せの巣」という表現に、小動物と家族への作

          者の愛情が感じられます。

(078) ダンゴバチ来て安堵する庭野菜         橋本  05

      1 桑子    ハチは来ないとちょっと不安、「安堵する」とい

          う表現がステキです。

(079) 寝てばかり隠居生活どこ向かふ         深瀬 27

(080) ラフの中打つの待ってと青蛙          宮澤  01

      1 小野寺  与謝蕪村の様な、俳諧に洒脱なユーモアを感じら

       れてほのぼのとしますね。

(080) 1 橋本    青蛙の居る健全なゴルフ場、打てないですよね。

(081) 鳴るラインワクチン接種の報告会        中津川07

      1 橋本    お先打ちました、副反応は如何なのと素早く情報

          が行き交う世の中。

(082) つゆ空に一羽のからす重く飛び         深瀬 06

(083) メロン切る手に甘き汁母の夢          吉良  05

      1 宮澤    母のやさしさ、甘さを思い出します。でもメロン

          とは裕福だったのですね。我が家はスイカでした。

      2 小野寺  メロンを切る手に残る甘い汁は懐かしく優しかっ

       た母上の記憶でしょうか。

(084) 人生は一度限りといま悟り           深瀬 24

(085) 更衣(衣替え)眩く見えるセーラー服      志方  06

(086) 梔子 (くちなし) の白き雫に光る虹       小野寺08

      1 宮澤    雫に虹が閉じ込められてトパーズの輝きを放って

          いる。「クチナシの花」のようなお前にトパーズは

          似合っている。

      2 秋元   

(087) ライオンも木陰に休む夏日かな         豊    03

(088) 夏野行く駿馬は青き風を追い          小野寺14

      1 吉良    青き風によりさわやかさを感じさせられます。

(089) 夏休み湘南電車に海の青            深瀬 13

      1 新井    夏の良さが全面に表れています。

(090) 湯上りに浴衣着流しみだれ髪          小野寺18

      1 平島   ちょっとお年寄りなら与謝野晶子を思い浮かべま

          す。江戸の画家なら曽我蕭白か。男の官能をくすぐ

          られる句立てです。若い世代なら美空ひばり、星野

          哲郎、船村徹かな?

       コロナ禍の句 2句                                    

(091) 後手後手と自粛に疲れ人流る          橋本  06

(092) 結局はワクチン頼みとなりにけり        橋本  07

(093) 孫たちのやっと引き揚げ夏終わる        服部  02

      1 吉良    孫がいよいよ帰るときになり、ほっとする気持ち

          と悲しい気持ちが良く描かれています。

(094) ふきつのる梅雨の雨かぜ老ひの窓        深瀬 09

      1 柳町   

(095) 青空に落ちるものなし原爆忌          豊    06

      1 吉良    原爆の投下された夏の日の暑さが「青空に落ちる

          ものなし」でうまく表現されています。

      2 深瀬     「落ちるものなし」という表現が人間の行いの

           罪深さを切り取っている感じがします。

(096) 夕立に用を忘れて帰宅する           宮澤  02

      1 中津川  私も物忘れ増えて一つやるともう一つをよく忘れ

          ます。

      2 服部   

(097) 独り居の友となりぬる冷やっこ         吉良  02

      1 橋本    私も同類、夏は何はなくとも冷や奴、 手軽で美味

          しい。

      2 深瀬    冷や奴は、歳とともに身近な食べ物になって迫っ

          て来る感じです。

(098) 戦死者のいのちほたるに重ねけり        深瀬 04

      1 豊      戦死者の魂がホタルとなって帰ってきた。戦争の

          不幸な記憶はいつまでも忘れてはいけません。

(099) ミズスマシ水面に逝きし友の顔         中津川02

(100) 草笛や憂いのしらべ峠道            小野寺16

(101) 夏休み始め終わりの浮ひた腰          深瀬 12

(102) 野佛の深き瞳や夏木立             小野寺03

      1 柳町   

      2 秋元   

      3 志方    なら柳生街道の佇んでいたお地蔵様を想起しまし

          た。

(103) 六月や塩屋の空にフェニックス         桑子  03

(104) 温暖化先行き想ふ子供の日           深瀬 01

 

 

----------

 

付録  ご参考。選句とともにお寄せいただいてコメントをご紹介し

ます。

 

・新井さん

  色々な方とお話したようで、楽しいひと時を過ごせました。

・中津川さん

  今週は珍しく週中に所用があり早めに選句をお送りします。都内

では飲めないので名古屋の友人と川崎で飲むことになりました。

・宮澤さん

  梅雨空にうんざりしているところに、またもや、緊急事態宣言。

猛暑も間近と思われます。いいことは大谷君の活躍くらいです。

 本日は休みですが、まだ、週3 日程度出勤しています。勤務場所

が晴海で選手村に近く、人の動きが増えています。ワクチンは2 回

打ちましたが、バブルがはじけるのではと、落ち着かない感じです。

・橋本さん

 コロナの感染拡大、残念ながら止まりませんね。政府の対策がこ

れまで有効に機能していないので、信用されなくなっているのが問

題かなと思います。

・秋元さん

  素人なりにvisualな句を選びました。

 

2021年6月7日月曜日

七句会 第6 回 自由連句プロセス

 七句会 第6 回 自由連句プロセス


 初折表

01 発句  春   春待つや白寿の母の希望の絵        (小野寺) 

02 脇   春     人の和紡ぎ風光る街           (吉良) 

03  第三    春    ランドセル小一の子ら重たげに       (深瀬) 

04  四句目  雑        紫陽花咲ける歩道 (みち) を駆け抜け (志方) 

05  月の座  秋    秋の月手毬に遊ぶかぐや姫               (豊) 

06  折端    秋        天上の雁刻 (とき) を超え哭く       (小野寺) 


 初折裏

07  折立    秋    天城行く野菊かそけし旅役者             (吉良) 

08  二句目  恋        ワイン傾けポルトガルの夜           (深瀬) 

09  三句目  恋    赤提灯寂しく灯り酒恋し              (志方) 

10  四句目  雑        逡巡もあり元の木阿弥              (深瀬) 

11  五句目  雑   梔子 (くちなし) の白滴るや虹の珠 (たま)(小野寺) 

12  六句目  雑     ゴルフボールを犬が咥えて          (豊) 

13  月の座  夏    夏休み月面旅行曾孫らは                (深瀬) 

14 八句目  夏    昼寝邪魔され兎困惑         (吉良) 

15 九句目  雑  目覚めれば亀を追い越し勝ちにけり    (豊) 

16 十句目  雑      想定外に感染症か                (志方) 

17 花の座  春    振り返るコロナオリパラ花おなじ       (深瀬) 

18  折端    春        花衣着て往時偲ぶや                (小野寺) 


 名残表

19  折立    春    桜貝波打ち際の宝物                     (新井) 

20  二句目  雑        知の巨人逝く立花隆               (深瀬) 

21  三句目  雑    モナリザに秘めたる生命 (いのち) ダビンチ碑 (小野寺) 

22  四句目  雑    奄美・沖縄世界遺産に        (豊) 

23  五句目 冬    ウポポイにアイヌの誇り冬銀河      (新井) 

24  六句目 冬        新巻焼いて手抜きの夕餉        (吉良) 

25  七句目  雑    シェフの技画面に向けて肉炒め        (新井) 

26  八句目  恋        独酒の盃に飲みとも恋し         (志方) 

27 九句目 恋  微睡めば亡き夫人 (ひと) 香おるバラの園 (吉良) 

28 十句目 雑      合歓の花影月あかり降る            (小野寺) 

29 月の座  秋  十六夜に花火にはしゃぐ孫浴衣         (志方) 

30 折端    秋      祝杯挙げる二刀流秋                (新井) 


 名残裏

31 折立    秋  五輪書の皆伝待つや鰯雲         (小野寺) 

32  二句目  雑    金メダルにも嬉しさはなし      (豊) 

33  三句目  雑  時を越えファラオの棺光輝満つ      (吉良) 

34  四句目  雑     インディ・ジョーンズむち打ち現る   (新井) 

35  花の座  春  古代人眠る遺跡の花吹雪         (豊) 

36  挙句   春    諸行無常と西行偲ぶ         (志方) 



  ご参考  詠み手による付け筋


 初折表

01 発句  自句自解: 大正10年生まれの母は7 人兄弟姉妹ですが

母1 人が残り友人達も皆世をさりましたが、元気で絵を描いてます。

震災復興支援委員からの依頼で深い海の底から、皆で協力して希望

の光を求めるというメッセージを込めたのだそうで桑子さんのご理

解の通りです。この絵葉書が好評だったので、来年の作品の依頼も

頂く事になりました。


02 脇   希望の絵が人々の心をつなぎ、復興を願い街作りに励

む様子を読みました。 (21.06.07  吉良さん) 


03  第三    特に必要ないとは思いますが、同じマンションに住む

男の孫が4 月から小学校に通っています。体より大きいランドセル

を、最近は水筒とか入れるせいかかなり重たそうです。マンション

の横の坂を朝、ぞろそろと小学生が登校していきます。未来はこの

子らにかかっていると感じます。孫の通う小学校に私、息子と三代

通うことになりました。 (21.06.08  深瀬) 


04  四句目  コロナでこのところ、自転車移動が多いのですが、確

かに重いリックを背に何人かの一年生が、紫陽花の咲き並ぶ歩道を

駆け回っている姿は、無邪気そのものです。学校の束縛から解放さ

れ、そのエネルギーを目一杯発揮できるのは、後僅かかもしれませ

んが。 (21.06.10  志方さん) 


05  月の座 紫陽花の花は手毬の形をしています。秋の満月を手毬

に見立てました。そして、月と言えばかぐや姫。手毬で遊ぶ少女の

姿を思い浮かべました。 (21.06.11  豊さん) 


06  折端  かぐや姫はご承知の様にこの世で並ぶものもない絶世の

美女に育ちますが、老夫婦や帝の備え虚しく天上の人となります。

名月に翔び発つ雁は時空を超えてこの世との別れを惜しむかぐや姫

の慟哭でしょうか。

  投句遅れてすみません。一昨日一回目のワクチン打ちましたがそ

の晩8度近い発熱があり、腕も上がらず驚きましたが、今は落ち着

いてきました。友人から発熱は身体が若い証拠だと励まされ (笑) 

養生しました。皆さんもご注意を。 (21.06.15  小野寺さん) 


 初折裏

07  折立  渡り鳥の雁と同様旅を渡りあるく旅芸人。伊豆の踊子を

イメージしました。 (21.06.16  吉良さん) 


08  二句目  二人の出会いは時空を超え、しみじみ(?) と過ごして

います。 (21.06.17  深瀬) 


09  三句目  コロナ感染拡大の影響で、何気ない日常が厳しく制限

され、多分戦時下に近い雰囲気が漂っている。居酒屋も、日常から

消えて、あのムードが懐かしく、また恋しい昨今です。 (21.06.18

  志方さん) 

  

10  四句目  コロナ後の世界がどうなるのか、気になります。前と

全く同じようにはならないような気もしますが。 (21.06.18  深瀬) 


11  五句目  世の中コロナの喧騒の中、雨に濡れて咲く梔子の白い

花は甘い匂いと共に、走りゆく自分に、ひと時のゆとりの心を教え

てくれます。 (21.06.22  小野寺さん) 


12  六句目  白い珠=ゴルフボール。遠くに飛ばしたゴルフボール

を犬が追いかけて、咥えてもどってきます。主人と犬の微笑ましい

光景です。 (21.06.22  豊さん) 


13  月の座 ゴルフボールと犬のように、月との間にはシャトル便

が飛び交う時代が来るような予感がします。 (21.06.23  深瀬) 


14  八句目  月面旅行が盛んになったら、月のウサギもおちおち昼

寝もできず困る事でしょう。 (21.06.23  吉良さん) 


15  九句目  ウサギとカメのイソップ寓話があります。かけっこの

勝負をしたのに途中で眠ってしまったために、ウサギが負けました。

すぐに目を覚ましていたならば、きっとウサギが勝っていたでしょ

う。 (21.06.23  豊さん) 


16  十句目  カメとウサギのかけっこ、カメが勝つのは想定外だけ

どこの文言の氾濫は目に余ります。コロナ感染拡大と想定外感染症

とオッツカッツですね。 (21.06.29  志方さん) 


17 花の座  コロナワクチン接種も充分行き渡らないなか、オリパ

ラは決行されるようです。来年の桜のころ、同じ桜を見ているとは

思いますが、わたしたちはどのような気持ちでいるのか気になりま

す。 (21.06.30  深瀬) 


18  折端    前句のオリパラを受け、花見小袖の晴れ着を着た春の

日、混乱の極みの中を慣行した往時の興行を静かに思いだす日の来

らん事を希うばかりです。 (21.07.01  小野寺さん) 


 名残表

19  折立    花衣と言えばピンク。ピンクと言えば桜貝…桜貝のア

クセサリーはたくさん販売されていますが、まるで海から現れた宝

石のようです。 (21.07.03  新井さん) 


20 二句目 アイザック・ニュートンの名言「私は、海辺で遊んで

いる少年のようである。ときおり、普通のものよりもなめらかな小

石やかわいい貝殻を見つけて夢中になっている。真理の大海は、す

べてが未発見のまま、目の前に広がっているというのに。(I was l

ike a boy playing on the sea-shore, and diverting myself now

 and then finding a smoother pebble or a prettier shell than

 ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscove

red before me.) 」を想いだしました。そして、最近、立花隆氏が

亡くなったことに思いを寄せました。 (21.07.04  深瀬) 


21  三句目  パリ, ルーブルのモナリザを三度見ましたがその度に

不思議な感銘を受けました。知の巨人というのは15世紀ルネッサン

スに奇跡の様に現れた、レオナルド、ダビンチを言うのだと思いま

す。

  絵画のみならず様々な分野に天才的な力量を発揮したダビンチで

すが、死ぬまで離さなかったモナリザは女性に興味を示さなかった

ダビンチにとり母への回帰の様に永遠を生きている様な衝撃を覚え

ました。 (21.07.11  小野寺さん) 


22  四句目  先日、奄美と沖縄の自然が世界遺産に登録される可能

性があるという報道がありました。ダヴィンチのモナリザも人類に

とっての貴重な歴史遺産です。 (21.07.11  豊さん) 


23  五句目  北海道に民族共生施設が出来ました。存続危機と言わ

れるアイヌ文化が冬の銀河に照らされて、地道に厳かに引き継がれ

ますように…、との思いです。 (21.07.11  新井さん) 


24  六句目  アイヌの里北海道の名物新巻きサケがあれば他は何も

なくても立派な夕食なのです。 (21.07.12  吉良さん) 


25  七句目  美味しい夕食をつくるために、時々オンライン料理教

室を受講しています。飲食店は厳しいと言われていますが、中には

このご時世に新たに挑戦、オンライン料理教室の先生もするシェフ

がいます。 (21.07.17  新井さん) 


26  八句目  酒を酌み交わす楽しみもなく、唯黙々と飲むばかりの

味気無さどんな時にも、付き合ってくれた飲み友達の3 回忌。今年

は墓参りが叶うかな。 (21.07.18  志方さん) 


27  九句目  独り酒に酔いがまわり、「まどろみの中に、昔あこが

れたすでに亡き夫人がバラ園に香り輝いて浮かんできた。」 シャ

ンソンの1 小節のような作り話。 (21.07.19  吉良さん) 


28  十句目  前句の亡き夫人の薔薇の赤い花の思い出より夜に赤い

花をつける合歓の花が月明かりに浮かびあがる幻想的風景を発想し

ました。 (21.07.25  小野寺さん) 


29  月の座  コロナ禍で、外遊びも儘ならないなかで、家の前の露

地で、線香花火に興じる孫の浴衣姿に、なんとなく癒される光景。

  月の明かりは決して自ら発するものではないですが、太陽の光を

こんなに幽玄な色彩に変えて、人の心にしみます。 (21.07.27  志

方さん) 


30  折端    コロナ禍がまだまだ続くと思うと気が重いですが、秋

には大谷翔平君がタイトルを取って、通訳の水原さんと祝杯を挙げ

る…、その喜ぶ姿を見て、人々は癒され、活気づくことでしょう。

 (21.07.29  新井さん) 


 名残裏

31  折立    前句をうけて。二刀流といえば数々の逸話を残した伝

説の剣豪宮本武蔵が想起されます。彼が残した五輪書の極意の免許

皆伝をコロナ感染の暗い世相を払いのけてアメリカ否世界に通用す

るような大谷選手が引き受けてくれる事を秋の爽やかな鰯雲に託し

たいと願います。 (21.08.02  小野寺さん) 


32  二句目  コロナ患者が急増している中での東京五輪。日本は過

去最多の金メダルだと騒いでいますが、何がめでたいのでしょうか。

今すぐ中止すべきだと私は思っています。 (21.08.02  豊さん) 


33  三句目  ツタンカーメンの黄金の棺が数千年の後に人々に感動

をもたらしています。東京オリンピック開催に賛否両論ありますが、

評価は今後の歴史が明らかにしてくれるでしょう。

 (21.08.04  吉良さん) 


34  四句目  秘宝を守るのはインディ。正義の味方であるインディ

ジョーンズがテーマ曲に乗って現れれば、どんな難もムチでけちら

し、排除してくれるのでは…と期待します。 (21.08.05  新井さん) 


35  花の座  インディアナ・ジョーンズは考古学者でした。日本に

も古墳がたくさん残っています。地下に眠る古代人を偲んで、桜の

花びらが風に舞っているのです。 (21.08.06  豊さん) 


36  挙句    暑いですね、本当に。益々、コロナに勢い、台風等、

人間社会への警告が続きます。時々、覗いていた上品な焼き鳥屋で、

昼飯を取ろうと入店したのですが、中で見かけた吉祥寺マダムが、

なんと一杯冷や酒を旨そうにのんでおられました。店員さんに聞く

と、ワクチン接種された方のには、そっと出しているとのこと。思

わず、津軽の銘酒『豊盃』をたのみ、久しぶりに陶然とした気分の

ランチとなりました。 (後で山の神にこってり絞られましたが。。

。。。) 

  その時西行の有名な和歌が思い浮かび、それを名残裏 花の座 

春によんでみました。

  花吹雪といえば、西行の辞世の歌、最後の平安武士の思いが脈々

と、この締りのない社会に対し、何かを訴えているようです。

 (21.08.08  志方さん) 


第6 回目の七句会自由連句を下記要領にて行いたいと思います。

 

七句会自由連句のみなさま

 

  いつもたいへんお世話になり、ありがとうございます。

  事務方の怠慢でやや遅延してしまいましたが、第6 回目の七句会自由連句を

下記要領にて行いたいと思います。よろしくお願いします。

 

・参加者 新井さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、豊さん、深瀬(6名)

 

・発句  春待つや白寿の母の希望の絵

 

・座     

 

    初折表六句

01 発句   春   小野寺

02 脇    春   吉良

03 第三   春   深瀬

04 四句目  雑   志方

05 月の座  秋   豊

06 折端   秋   小野寺

 

 初折裏十二句

07 折立   秋   吉良

08 二句目  恋   新井 ->  深瀬

09 三句目  恋   志方

10 四句目  雑   深瀬

11 五句目  雑   小野寺

12 六句目  雑   豊

13 月の座  夏   新井 ->  深瀬

14 八句目  夏   吉良

15 九句目  雑   豊

16 十句目  雑   志方

17 花の座  春   深瀬

18 折端   春   小野寺

 

 名残表十二句

19 折立   春   新井

20 二句目  雑   深瀬

21 三句目  雑   小野寺

22 四句目  雑   豊

23 五句目  冬   新井

24 六句目  冬   吉良

25 七句目  雑   新井

26 八句目  恋   志方

27 九句目  恋   吉良

28 十句目  雑   小野寺

29 月の座  秋   志方

30 折端   秋   深瀬 ->  新井

 

 名残裏六句

31 折立   秋   小野寺

32 二句目  雑   豊

33 三句目  雑   吉良

34 四句目  雑   新井

35 花の座  春   豊

36 挙句   春   志方                      

・式目  特に前回と変わりません。同じ語句の使用は避ける、付合において

場面の繰り返しや後戻りはしない、付合の背景の補足コメント (付け筋) を簡

単に付記する、といった程度です。

 

・順番ですが、前回の、小野寺さんと豊さん、吉良さんと志方さん、新井さん

と深瀬を、入れ替えました。また、新井さんから、「当方、働きすぎ?のせい

か湿疹が広がり、医師に安静を勧められています。自由連句のほうは、6月の

1か月をめどにお休み、7月あたりから参加をお願いできないでしょうか。ご

検討頂けると助かります。」とのご連絡があり、これを踏まえ、とりあえず、

8 句目と13句目は、深瀬が詠み、30句目は新井さんに詠んでいただくものとし

ました。

 

  なにか、お気づきの点などありましたら、対応したいと思いますので、ご連

絡方、よろしくお願いします。

 

  深瀬 (事務方)

2021年5月16日日曜日

七句会 第三十五回目のネット句会 自句自解をお送りします。

 

 七句会のみなさま

 

 第三十五回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、

たいへんありがとうございました。

 およせいただいたものを、作品集とともに、名前順に、ほぼそのまままとめ

てお届けします。

   今回から服部さんにもお送りします。服部さんは、慶応大学工学部、日本航

空のOBであり、ゴルフ霞光会メンバーです。

 今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。

 七句会のweb  http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。

  今後とも、よろしくお願いいたします。

  深瀬 (事務方)

 

 

1.第35回  ネット句会  作品集

 

(01)新井さん

 

・災いも箱根も越える紫紺の旗

・新緑のランニングシャツ軽やかに

・春風にひよっこ踊る競技場

・春風の都の社にツーシーム

・東北の真夏にうなる豪速球

・ぶりっこのバブルを引きずる令和の日

・椿姫白い帽子のそっと咲く

・大輪の椿の香る八幡宮

・パンジーの風に揺れるや春浅し

・つぼみ見てふくらむ希望春浅し

・バレンタインデー高級チョコの似合うかな

・倉敷の柳の下に踊る傘

・糸柳孫三郎のお出迎え

・五十女ノースリーブの四月馬鹿

・葉山牛食べ放題と四月馬鹿

・春の宵甘い香りの頬なでる

 

(02)小野寺さん

 

・韃靼の夏野駆けるや青き月

・光降る雪解の小径疾風 (はやて) 舞ひ

・花冷えや夜更けて窓を風が哭き

・奥津城の風哭き止みて寒椿

・海鳴りに春雷和すや鐘とほく

・春待つや白寿の母の希望の絵

・春暮れて熱きを恃み海渡る

・文やぶる眸の奥に春は過ぎ

・黒髪の匂ひ乱れて花吹雪

・花散りて青葉に沈む寺のあり

・散る桜醍醐の宵に想い馳せ

・春の月濡れにし髪の艶めきて

・生き死にを超えて仏師の能面 (おもて)

・岩に散る波濤の飛沫 (しぶき) 花筏

・ためらひて言葉呑みけり春の宵

・したためし文の墨の香木の芽時

・月冴えて菜の花の海天に尽き

・落城の今際 (いまわ) の鬨 (とき) か花吹雪

・春暁や牡丹の花芽目覚めをり

・石垣に花散りしくや鬨 (とき) の声

・初蝶は光の風に流れをり

・巣作りの雀守りて春の雨

 

(03)吉良さん

 

・花吹雪ほほえみ残し恩師逝く

・蕗の薹苦みも美味し夫婦酒

・ビル風にさえづり乗せて燕舞う

・菜の花の絨毯織りし利根堤

・石畳ミモザ敷き詰め春祝う

 

(04)桑子さん

 

・今年又近場巡りの花見かな

・カサカサと夜のしじまに蚕(こ)の咀嚼

・犀星忌ぶらり探策旧居跡

・鶯の初音背に受けティーショット

・長閑なり浜辺に戯れる親子づれ

・コロナ禍に桜見るのも命懸け

 

(05)志方さん

 

・西陽さす富士の白肌春霞

・雪洞に色香を誘う宵桜

・幼児 (おさなご) が菜の花畑まあだだよ

・渺然と白波寄せる由比ヶ浜

・今年また花大根のそぞろ道

・春光に浅緑の風漂いて

・彩雲の山の端遠く朧月

 

(06)中津川さん

 

・梅枝をまだ咲かぬかとメジロ飛び

・豆撒けず檀徒まばらに節分会

・あの彼女(ひと)も今年限りと年賀状

・「黙食」とそば屋の春は味気なし

・はくれんがピンクの中に主張せり

・絨毯のごとビルの隣に梨花の棚

・花は盛り掟破りの送別会

 

(07)橋本さん

 

・何処までも初音に乗せてティーショット

・鶯にひととき静まる花見かな

・花を愛で鶯を聞く贅の時

・囀りに陽射し明るき樹間かな

・宴無くも花を求むる人出かな

・山門の花散りゆくも大師像

・下萌えの岸水満ちて鯉の群れ

 

(08)藤原さん

 

・春暁の流れる雲に夜があける

・桜並木ゴルフショット天高し

・ぬるま湯の朧月夜にもの思う

・風光る梅に戯れるメジロかな

 

(09)宮澤さん

 

・胸元に桜吹雪の着地点

・花見酒画面相手に酔いつぶれ

・春うらら惰眠の夢は幸多し

・水面に輪池の主が春知らせ

・夜桜は淡く輝き雨霞

・夜明け前春の足音密やかに

 

(10)柳町さん

 

・桜なき入学式の不可思議さ

・桜咲き黄砂禍悲し花筏

・桜咲く早めの春や気ぜわしく

・子等の聲桜吹雪の舞う奥に

 

(11)豊さん

 

・野に舞える蝶となりたる夢を見し

・菜の花や海の青さに負けぬほど

・花筏ライトアップの夜の川

・桜散る吹き寄せられて山となり

・朧夜や昔の女(ひと)の面影が

・十年を経て静かなり春の海

・パスポート更新すませ春の旅

・また一つ空室増えてビルの春

 

(12)深瀬

 

・春浅し振鈴駆ける永平寺

・春浅し断捨離の本山に積み

・突然死うわさ身に沁む浅き春

・散り際をわれも追ひたし落ち椿

・活け椿掛け軸の虎あいまみえ

・静かさや茶釜の脇の椿かな

・垣根沿ひ椿ひっそり過疎の村

・お堀端柳に刻む動乱史

・三度笠柳なで切るわらじびと

・地蔵さま柳にうたれ知らぬ顔

・母実家柳目印訪ねけり

・やなぎ背に羽織袴の女子大生

・止まらない特例国債万愚節

・万愚節たてまえ本音見え隠れ

・ウイルスと平和条約万愚節

・春めいてクラブ磨いて誘い待つ

・訃報次ぐ恩師の授業春の夢

・春の陽に去年 (こぞ) と変わらぬコロナかな

・付箋紙にすること書いて春昼寝

・看護士の緊迫走る春深夜

・距離感を互いに気にす花見かな

・花びらの散っては埋まる地をみつめ

・餌とれぬ老ライオンの死を見る眼

・座禅して時の重みに耐えるかな

・手術台パンツ下ろされ覚悟決め

・社会性ぬぎすて身軽あの世へと

 

 

2.第35回  ネット句会  自句自解

 

◎ 新井さんの自句自解

 

・災いも箱根も越える紫紺の旗

 センバツで東海大相模が優勝。コロナ禍を乗り越え、神奈川へ紫紺の大優勝

旗を持って帰ってきてくれたことは、嬉しいニュースです。

 

・新緑のランニングシャツ軽やかに

 近所の大学のグラウンド近くのカフェから、陸上部の練習を見つめていまし

た。トラック上の一コマです。

 

・春風にひよっこ踊る競技場

 近所の大学のグラウンド近くのタリーズカフェから、陸上部の練習を見つめ

ていました。若々しい大学生の方たちが、ひよこの様に見え、初々しさに思わ

ず詠みました。

 

・春風の都の社にツーシーム

 田中将大投手が楽天に戻ってきたこの春、楽しみです。

 

・東北の真夏にうなる豪速球

 楽天の田中投手の活躍が、本当に楽しみです。

 

・ぶりっこのバブルを引きずる令和の日

 もう還暦近い女子社員の時代錯誤に驚きます。

 

・椿姫白い帽子のそっと咲く

 ビルの中庭に椿が咲いています。雪の日には白い帽子をかぶって寒さに耐え

る姿が何とも愛らしかったです。

 

・大輪の椿の香る八幡宮

 鶴岡八幡宮に椿が咲いていました。大きい花で境内へと続く道を飾っている

ようでした。

 

・パンジーの風に揺れるや春浅し

 パンジーは春先にも元気に咲きます。寒風にさらされながら、鮮やかに咲い

ていました。

 

・つぼみ見てふくらむ希望春浅し

 枝先のつぼみが大きくなるのを見ると、今年一年への希望が湧きます。

 

・バレンタインデー高級チョコの似合うかな

 売り場で高級チョコを見つけると、高いチョコを買う人がいるのだろうかと

やや皮肉に見えてしまいます。

 

・倉敷の柳の下に踊る傘

 柳といえば、倉敷の川沿いの柳を思い出しました。踊り傘を差した女性が歩

いていました。旅の一コマです。

 

・糸柳孫三郎のお出迎え

 倉敷の柳の並ぶ川沿いの道を進んで、大原美術館へ着きます。入り口に大原

孫三郎の銅像がありました。あの頃は楽しかったです。

 

・五十女ノースリーブの四月馬鹿

 この季節、50代の女性がノースリーブを着ていました。嘘かと思いました。

 

・葉山牛食べ放題と四月馬鹿

 数年前、4 月1 日にお誘いを受けました。実際に連れて行っていただいたの

は、しらす丼のお店でした。

 

・春の宵甘い香りの頬なでる

 仕事が終わって外に出たときの一コマです。 

 

 

◎  小野寺さんの自句自解

 

・春待つや白寿の母の希望の絵   (007) 7点句

  この度は白寿の母が描いた絵をテーマにした俳句が望外にも最高点を頂き大

変嬉しく思います。吉良さんや桑子さん治部さん他どの様な絵かとご質問あり

ましたのでご披露させて頂きます。 (2021年4 月24日付けメールに添付。)

  小生は岩手県釜石の田舎町で育ちました。ご承知の様に東日本大震災で釜石

も壊滅的な津波被害を受けましたが、釜石市の復興委員から依頼されて、昨年

は小生が支援の絵を描きました。今年は震災から10年の節目の年として母が希

望をテーマに絵を依頼され、3 、11の慰霊の式典に母の作品が絵葉書となり釜

石市長始め参列した市民に、配布されました。母は仙台在住ですが、お世話に

なった釜石の為にお役に立てた事を喜んでおります。

 

  ご参考1.桑子さんからのコメントとのやりとり

  お母様の絵にそういう経緯があるとは知りませんでした。単純に白寿になら

れても、どういう希望の絵を描かれるのだろうかと思った次第です。絵は力強

く復興に向けて皆で手を携えて頑張っていこうという想いが感じました(絵は

素人ですが)。 (桑子さん)

 

  大変ありがとうございます。大正10年生まれの母は7 人兄弟姉妹ですが母1

人が残り友人達も皆世をさりましたが、元気で絵を描いてます。震災復興支援

委員からの依頼で深い海の底から、皆で協力して希望の光を求めるというメッ

セージを込めたのだそうで桑子さんのご理解の通りです。この絵葉書が好評だ

ったので、来年の作品の依頼も頂く事になりました。 (小野寺さん)

 

  ご参考2.平島さんからのコメント

  実はこの句は小生経緯も評判も前以て存じあげておりこれに票を投じるのは

身贔屓の謂わばズルになるかもと敢えて票を投じませんでした。でも皆さんが

高い評価をされたことは鑑賞眼も高いと嬉しく思います。

  小野寺さんに送った僕の感想は釜石市もやるなあ!  100 歳になろうとされ

る老人に皆さんはまだ若いのだから希望を持って生きなさいと励まされている

みたいで元気をもらえて喜んでいる様子も目に浮かんで来ます。

  というようなものだったと記憶しています。兎も角おめでとう。

 

・ためらひて言葉呑みけり春の宵   (036) 3点句

  これだけは言おうと心に決めて逢いに来たのに言い出せないまま、言葉を呑

み込んでしまい、告白する機会を無くした己の不甲斐無さを悔いた春の宵。遠

い記憶がまざまざと蘇ります。平島さんの解説の通りです

 

・巣作りの雀守りて春の雨   (012) 2点句

  裏の家の二階戸袋に雀が巣を作り盛んに藁などを運んでおりました。雛の巣

立ちを無事迎える事を春の雨に託しました。

 

・韃靼の夏野駆けるや青き月   (024) 2点句

 11世紀壮大なモンゴル帝国を築いた開祖チンギスハーンがモンゴルゴル高原

を駆けぬける様を青い月が照らしながら追いかけてゆく、と詠んだものです。

 

・春暁や牡丹の花芽目覚めをり   (038) 2点句

 朝焼けの光に包まれた春暁、牡丹の花芽は冬の眠りから覚め開花に向けて呼

吸しているのだとハットさせられました。

 

・したためし文の墨の香木の芽時   (113)  2 点句

 正座して墨を擦り筆の手紙を書いてます。墨の香りと、ふと眼をやると窓の

外は新芽の香りがあり心が洗われるひとときです。平島さんの解釈に全く相違

ありません。

 

・花散りて青葉に沈む寺のあり   (044)  1点句

 桜の花が散り人の気配の無い寺を青葉が深々と包みこみ、静寂があたり一面

を覆っている様子を、青葉に沈む、と詠みました。吉良さんのご理解の通りで

す。

 

・黒髪の匂ひ乱れて花吹雪  (050) 1 点句

 黒髪の甘い匂いと散る桜の乱舞は遠い絵模様となり切ない悼みの記憶です。

 

・奥津城の風哭きやみて寒椿  (055) 1 点句

 訪れる人もない無縁仏の墓地にむせび泣くような風が止むと寒椿の赤い花が

人の世の無常を誘いました。

 

・光降る雪解の小径疾風 (はやて) 舞ひ  (064)  1 点句

 東北の故郷釜石の春を待つ雪解の小径に一陣の風と共に粉雪の結晶がキラキ

ラと光りながら流れてゆきました。

 

・初蝶は光の風を流れをり   (084)  1 点句

 豊さんの解釈の通りです。春先に生まれたばかりの頼りなげなうすばしろち

ようは光の風に流されておりました。

 

・春の月濡れにし髪の艶めきて   (008)  1点句

 春の宵濡れた黒髪は月の光を浴びて一層艶めいておりました。遠い記憶のし

かし鮮やかな一コマです。

 

 

◎ 吉良さんの自句自解

 

・花吹雪ほほえみ残し恩師逝く

 今年は駒東の多くの恩師の先生方の訃報をいただき、昨年の七夕会が中止に

なりお会いできず残念に思います。花吹雪で見送りたいと思い句をつくりまし

た。 

 

・蕗の薹苦みも美味し夫婦酒

 蕗の薹は日本の珍味で毎年1 回は楽しんでいます。コロナ禍、毎晩最期の晩

餐のつもりで食事をしていますが、この年になりこれからも心穏やかに過ごし

たいものです。  

 

・ビル風にさえづり乗せて燕舞う

 駿河台の20階ぐらいのビルの外壁にくぼみがあり、毎年燕が巣をつくり、空

を囀りながら飛ぶ光景が楽しめます。自然を感じることができてほっとします。

 

 

◎ 桑子さんの自句自解

 

 前回同様コロナ禍の中で、健康維持のため運動(ゴルフ)と散歩に励んでい

ます。今回もそれらに関連して詠んだものが多いです。

 

・鶯の初音背に受けティーショット

 ゴルフ日和に初音を聞いて、一緒にプレーしていた橋本さんからここで一句

と言われて作りました。(推敲してちょっと変わりましたが)

 

・長閑なり浜辺に戯れる親子づれ

 散歩の途中、間隔を開けながら遊ぶ家族連れ達がほほえましかったです。

 

・今年又近場巡りの花見かな

 散歩を兼ね3 密を避けて近所の桜の名所を巡っています。来年は遠出が出来

るかな?

 

・カサカサと夜のしじまに蚕(こ)の咀嚼

 NHK大河ドラマ「 青天を衝け」を見ていて、昔小学生の時亡父の実家に泊

まりに行った時のことを思い出しました。屋根裏の蚕棚がうるさくなかなか眠

れなかったのを覚えています。

 

・犀星忌ぶらり探策旧居跡

 室生犀星は田端近辺を5 回も転居したそうです。散歩がてらその跡を巡りま

した。

 

 

◎ 中津川さんの感想、自句自解

 

 4月の投句は春で全体に明るく暖かい句が多い様で楽しく拝見しました。

 

  私の句では4点を頂いた

・あの彼女(ひと)も今年限りと年賀状

  新年(2月初旬)に作っていたいくつかの句の中から出してみました。多分

春の句が多いと思ったので、多少目立つかなと思っていました。

 

  その他ではできるだけ "桜 (花)"以外を題として、梅、木蓮、梨花で作った

ものを提出しました。次の3です。

・梅枝をまだ咲かぬかとメジロ飛び

・絨毯のごとビルの隣に梨花の棚

・はくれんがピンクの中に主張せり

  表現力が今一つ足りない様です。

 

 

◎  豊さんの感想、自句自解

 

  最高点句は私もいい句だと思いましたが、きっと何点か入るに違いないと思

ったので、あえて選びませんでした。それが7 点。これまでの選句でも最高で

はないでしょうか。皆さんの鑑賞眼に改めて感心させられました。

 

 さて、私の一句です。

・桜散る吹き寄せられて山となり

 これは、「花吹雪吹き寄せられて積もりけり」としたほうがよかったと反省

しました。

・花筏ライトアップの夜の川

 川岸の桜並木がライトアップされた景色を詠んだつもりだったのですが、う

まく伝わらなかったようです。弘前城のお堀の夜の桜の花筏を思い浮かべてい

ただけるとありがたいです。

 

 

◎ 深瀬の自句自解

 

・春浅し振鈴駆ける永平寺

  まだ残雪も多い早朝、起床を告げる鈴を振って、長い廊下を走っていく僧の

様子です。

 

・春浅し断捨離の本山に積み

  もう読まないだろうと思う本を本棚から取り出し積み重ねました。一応、ス

マホで背表紙を写真に撮りました。

 

・突然死うわさ身に沁む浅き春

  最近は、人の死の聞いてもひとごととは思えなくなりました。

 

・散り際をわれも追ひたし落ち椿

  椿は散るとき、花ごと落ちるそうです。

 

・活け椿掛け軸の虎あいまみえ

  床の間に飾ってある花瓶の椿と掛け軸に描かれた虎の取り合わせを想像して

みました。

 

・静かさや茶釜の脇の椿かな

  茶道をたしなむ訳ではありませんが、静かな茶室に思いを寄せてみました。

 

・垣根沿ひ椿ひっそり過疎の村

  過疎化した村里の生け垣に咲く椿を想像してみました。

 

・お堀端柳に刻む動乱史

  国会図書館から桜田門、第一生命ビルなどを見ながら有楽町まで歩きました

。堀端の新緑の柳がきれいでした。

 

・三度笠柳なで切るわらじびと

  柳田國男はわらじの履き心地を愛したそうです。その気持ちをヒントに詠み

ました。

 

・地蔵さま柳にうたれ知らぬ顔

  お地蔵様の超然した様子に思いを寄せてみました。

 

・母実家柳目印訪ねけり

  母の実家は秋田県横堀 (現湯沢市。小野小町の出生地。) ですが、入り口の

横に大きな柳の木があります。

 

・やなぎ背に羽織袴の女子大生

  やなぎの緑と羽織袴の色彩的コントラストを詠みたいと思いました。

 

・止まらない特例国債万愚節

  毎年のように法律違反の赤字国債を発行し続けるということにはやはり強い

違和感を覚えます。

 

・万愚節たてまえ本音見え隠れ

  エイプリルフールの嘘にも、本音と建前が入り交じっている感じがします。

 

・ウイルスと平和条約万愚節

  新型コロナウイルスの変異とmRNAワクチンの開発のせめぎ合いはどうなるの

でしょうか。

 

・春めいてクラブ磨いて誘い待つ

  ゴルフは、やはり春になってから始めたいと思います。

 

・訃報次ぐ恩師の授業春の夢

  今まで毎年の同窓会に参加されていた恩師の訃報が相次いでいます。遅沢先

生のお墓がわたしと同じ五百羅漢寺の2 階でした。

 

・春の陽に去年 (こぞ) と変わらぬコロナかな

  コロナウイルスとの戦いを見くびったようです。ワクチン接種で鎮静化する

ことを祈るばかりですが。

 

・付箋紙にすること書いて春昼寝

  することリストの管理に妙手はなかなか見つかりません。付箋紙のうまい活

用法があれば知りたいと思っています。

 

・看護士の緊迫走る春深夜

  双牛舎という句会のweb 「わたしの俳句館」に、ガンを患う作者による「短

夜やナースしずかに来ては去り」、「冴ゆる夜のかくもしづかに妻とゐて」と

いう句が掲載されています。すごいなと思い、少しまねしてみました。

 

・距離感を互いに気にす花見かな

  今年も目黒川の花見に出かけましたが、ここでもソーシャルディスタンスで

した。

 

・花びらの散っては埋まる地をみつめ

  散ってくる花びらが次から次に地面を覆っていく様です。

 

・餌とれぬ老ライオンの死を見る眼

  老いて獲物を捕れなくなったライオンに、餌を与えてくれる仲間はいないよ

うです。この方が自然かもしれません。

 

・座禅して時の重みに耐えるかな

  腰のしたに厚い敷物を置いて座るとかなり長時間、平気で座れます。

 

・手術台パンツ下ろされ覚悟決め

  病室から手術室まで車椅子で移動され、手術室の看護婦さんによって衣類を

脱がされました。

 

・社会性ぬぎすて身軽あの世へと

  あの世に旅立つときも、次第に身近に感ずるようになりました。

 

 

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