2020年4月19日日曜日

七句会 第三回 自由連句 作成プロセス

   七句会  第三回  自由連句  作成プロセス

01  朱け染めし雪一面に寒椿     (小野寺  20.02.17)
 雪の日の払暁、かすかに朱けた光が白い雪の原に差し始め一面に咲く寒椿の
紅い色と美しいハーモニーをなして息をのむような風景でした。

02     息のむ子らのみひらく瞳   (深瀬  20.04.12)
  脇句は、発句と同季、同場、同時であり、体言止めがよいということを意識
しました。
 「朱染めし」は「明け初めし」のようにも思いましたが、朝の空が朱に染ま
って行く様子と白雪と寒椿の紅が呼応しているのが、発句の印象的なところで
あり、納得しました。

03  風薫る父母の手に汗初土俵   (吉良  20.04.13)
  「子が息をのみ瞳を開いて」を緊張している様子ととり、5 月場所の初土俵
に立つ本人とその息子を見ている父母の緊張した様子を読みました。

04     目指せ金星座布団乱舞    (志方  20.04.15)
  コロナ感染の拡大が、社会全体に重苦しい雰囲気に包まれているようですね
。こんな時に、未来ある子供の成長を願わずにいられない両親の心情を受けて
以下の句にしてみました。
  相撲界も無観客興業の春場所が終わり、日本の文化、伝統からすると相当違
和感覚えております。こんな社会情勢の中で、初土俵を踏んだ息子さんの頑張
りが、来年の春場所には、満員御礼の中で、横綱の対戦できる番付に昇進し、
金星をあげ、コロナに打ち勝った証として、座布団乱舞の状況が観られること
を願っています。

05  髪油匂う女が月見上げ     (豊  20.04.16)
  前句の力士のびんつけ油から連想して、髪油としました。さらに、定座の月
を入れて、和服姿の日本髪の女性が窓辺に座って月を見ている、やや古風な日
本画的なイメージを詠んでみました。

06    落ちゆく雁の啼くぞ哀しき  (小野寺  20.05.08)
  五句豊さんの句、髪油匂う女が月見上げ、と定座の月を眺めて嘆息する髪の
匂いのうら若き女をイメージし秋の定座を入れて詠みました。
 平島さんの連句 (注) にインスパイアされました。
 
 (注) 平島さんの独吟連句は、下段の通りです。今後の連句のお手本にさせて
いただきたいと思います。 (深瀬)

07 笛の音の里にしみいる秋まつり  (深瀬  20.05.12)
  気持ち的にも、登場するものにも、なにかさみしい感じがありましたので、
ややにぎわいのある広々として空間に転換したつもりです。
  なにか平凡すぎる感じもありますが。

08    埋み火のごとこころ騒ぎて   (小野寺 20.05.15)
  恋の句への展開は、前句の秋のしっとりとした秋の情景を生かし詠みました。
  秋祭りの笛の音は遠い昔に置き去りにしてきた、あの日のかなわぬ想いが埋
み火となって、湧き上がっきた。そのような心情を描いてみました。

09  寅さんの風を背に受け思い秘め  (志方 20.05.16)
  寅さん映画がテレビで毎週放映され、惚れっぽい寅さんの心模様が何かもの
哀しく、だけどホッとする結末がお決まりです。
  江戸川土手を去っていく姿を詠んでみました。

10    乙女恥じらい団子頬張る    (吉良 20.05.18))
 寅さんと言えば柴又参道の団子屋のシーンが欠かせませんね。団子の美味し
さに我慢できず、憧れの彼女もムシャムシャと食べてしまった。

11  来し方を脇目もふらず明日に賭け  (小野寺 20.05.21)
  柴又の寅さんはいつも一心不乱に人の世話を焼きますが、ほのかな恋はいつ
も実らず、失敗しても陰で泣いて平気を装い、又明日を向く。我々団塊世代の
心のよりどころでしたね。

12       雲のさえぎる日の光にて     (豊 20.05.21)
 だれでも人生に夢や希望を持っていますが、思いどおりにならないことがた
くさんあります。しかし、たとえ一時は雲にさえぎられても、やがて雲は流れ
て再び日の光が差してくるのです。

13  漁火と競うがごとし夏の月     (吉良 20.05.23)
  昼間の重苦しい曇り空もすっかり晴れて、夕闇に赤々とした夏の月が海に登
る情景を読みました。

14       浜辺に二三線香花火        (深瀬 20.05.24)
  漁火と月という海と空の広大な景色がでましたので、場面を浜辺に転じまし
た。
                                   
15  夢覚めてたちまち消える面影よ   (豊 20.05.25)
 前句の線香花火から連想して「たちまち消える」の言葉が浮かびました。夢
の中に懐かしい人が出てきたのですが、覚めたとたんに消えてしまい、誰だっ
たのだろうと思い返しているのです。

16     セピア色したアルバム残る    (志方  20.05.26)
  消したくなるのか、消えてほしくないのか、心の中は割り切れない。古希過
ぎると、10代の頃のでき事、かえってほろ苦く思いだされることがあります。
押入れの奥にしまっている旧きアルバムを取り出して観ることを思い出します。

17  人絶えし苔むす寺に花の散り     (深瀬  20.05.27)
 セピア色から苔に転じました。詞付けのつもりです。

18        木洩れ陽を瀬に春出帆す     (小野寺 20.5.30)
  桜の花は既に散り青葉となった逆光の木洩れ陽の中を春は過ぎ往く。との表
現を船出していったとしました。越路吹雪のシャンソン人生は過ぎゆく、La 
vi sen  vaの哀愁のメロディが流れてゆきます。

19  霞立つ瀬戸の島影墨絵かな      (志方 20.06.01)
  春というイメージで春霞を思い浮かべました。最初は 霞立つ霞が関はいつ
晴れる  としたかったのですが、少し露骨かなと思い、30数年年前の瀬戸大
橋開通間際の橋上から眺めた早朝の瀬戸内のしまなみの薄墨色の静止画を思い
出し表現いたしました。

20       仙人詩い酒酌み交わす      (吉良  20.06.03)                                        俗世界を離れた山紫水明の地で仙人が詩を読みながら、酒宴を開いている
墨 絵の一コマです。

21 刻 (とき) を越えこの矢当たれと弓を引き  (小野寺 20.06.13)
  吉良さんの仙人の酒盛りから久米の仙人を連想し展開しようて思いましたが、
高校時代古文の先生が解説した日本語の言霊 (ことだま) について発想を変え
ました。
  源平合戦の折、屋島の戦いの舞台で海に逃れた平家軍から挑発の為に出され
た小舟に掲げられた撃ち落とせるもなら落としてみよと波間に動く日の丸の扇
を、源氏の若武者那須の与一が失敗すれば腹切る覚悟で臨んだ舞台で波打ち際
に馬で乗り込み、我を生かし賜わんと欲するなら、この矢あたれー。と放つた
鏑矢は40間75米をとび、見事扇の要を射抜き日の丸の扇は夕日の中を舞った。
この一本の矢の成功は与一の言霊に込められたものだったとまるで絵巻物を観
る思いで聞いた授業でした。
  言葉の持つ霊力を思うとあだやおろそかに言葉を発してはならないと思うよ
うになりました。長じて洋の東西を問わず人の心にはいり人を動かすものは言
葉だと思うようになりました。

22       未来明るき大吉の運          (豊 20.06.14)
  那須の与一の成功を踏まえて、おみくじで大吉を引いた幸運を詠んでみまし
た。前句と少しつきすぎているかもしれませんが。

23 憂きことも今年かぎりぞ除夜の鐘      (吉良 20.06.15)
  今年はオリンピックも中止となり、コロナウィルス感染症に世界中が苦しめ
られています。除夜の鐘の音で煩悩とともに憂い事が去ってほしいものです。
大吉が来年に正夢になるよう期待した句です。


24       南天の実を妻孫見つめ             (深瀬 20.06.16)
 年が明け、お正月の飾りの南天の赤い実を、妻と孫が綺麗だねと一緒に見つ
めている様です。南天は「難を転ずる」としてめでたいとも言われているよう
です。


25  コロナ禍で延期されたる結婚式       (豊 20.06.16)
 めでたい結婚式がコロナ禍で延期になった。しかし、延期のおかげで、その
難を転じたよりめでたい式にすることができるでしょう。
 
26        梅雨にウグイス鳴く声哀し       (志方 20.06.19)

  コロナの納まりも見えず、梅雨のうっとおしい季節です。
  先日、深大寺の植物園(水生)を4 ~5 名の駒東悪友とあやめの鑑賞を兼ね
て、昼下がりに深大寺蕎麦を肴にちょいと一杯です。大変楽しいひと時を過ご
しました。特に紫陽花の季節、様々な色彩の花ぶりになくうぐいすの鳴き声が
聞こえておりました。その鳴き声が妙に切なく聴こえ、皐月の空に相手を見つ
けられなかった鶯に、ものの哀れを感じました。
  鯉幟はウグイスにとって恋昇りで相方を見つけて,子づくりに励むころです
が、見つけられなかったオスの鶯。その鶯の心情に思いを馳せてみました。
 

27  太陽の季節はるけき古稀の夏        (深瀬 20.06.19)
 梅雨に入っても相手を見つけることのできなかった鶯から、70歳過ぎの我が
身に転じ、石原慎太郎の「太陽の季節」なんていう小説があったなと回顧して
いる様です。季節は、梅雨から夏に進展させたつもりです。

28      潮鳴りとほく漁火は哭き     (小野寺 20.06.23)
  前句の古希にして太陽の季節への回顧を下敷きに名残表、雑は少年時代の三
陸の暗い海への懐旧です。もう戻し様もない、寂しい、夏の夜の海には遥か遠
くに消え消えに漁火( いさりび) が輝いていました。
 越えてきた幾つもの波頭遥かに泣けとばかりに潮騒の記憶があり、耳殻の底
に、漁火は哭くかの如く蘇ります。

29  名残花月に白雲梔子と            (志方 20.06.27)
  先日、陽が暮れて紀尾井坂を四谷駅に向かってあるいておりました。40年
ぐらい昔、この坂の道路脇には、延々と梔子 (くちなし) の植栽が連なってお
り梅雨時の夕暮れに、何とも言えない芳しい薫りをはなっておりました。
  今はつつじばかりですが、梅雨時には珍しく、月が煌々と輝き、ゆっくり流
れる白雲を照らして、その光景が過ぎ去った日々、咲き誇る梔子の白さを思い
出させてくれました。

30       とろろ汁擦り夕餉の支度        (吉良 20.06.28)
 月の光、白い雲、くちなしの花の白から秋の味覚とろろ汁が連想されました。

31  麦秋の風頬に受け朋は逝き         (小野寺 20.07.01)
  つい4 日前ほぼ52年の歳月を北米の駐在を含め家族で共にした学生時代から
の友人の死に立ち合いました。
  吉良さんの秋の味覚から発想を得て秋の句を作ろうと思いましたが、初夏を
迎える事なく逝ってしまった友人の死を悼み、風に吹かれるようにいつも飄飄
としていた、友人の風貌より季語が違いますが、麦秋 (ばくしゅう) の明かる
い風に吹かれて荒れ野に旅立った友の颯爽とした旅立ちを見送りました。

32        空へ流れる煙ひとすじ         (豊  20.07.03)
 前の句を踏まえ、火葬場の風景になぞらえて、人生の無常感を詠んでみまし
た。大げさすぎたでしょうか。
                  
33  人は去り紅葉に隠る炭の窯         (吉良 20.07.04)
  「空に流れる煙ひとすじ」から山道で出会った炭窯を思いだしました。すで
に炭を焼く人もなく、紅葉場に埋もれ美しいながらも朽ち果てようとしていま
した。

34      ニュータウンには四葉クローバ      (深瀬 20.07.05)
  都会に転じました。起伏の多い郊外型ニュータウンでは人口減少と高齢化が
進み、四葉クローバ (季語ではないつもり) マークを付けた車が目立っていま
す。もみじマークは枯葉のようだとのことで廃止されたそうです。

35  年輪を重ねて老いの花が咲き        (豊 20.07.06)
 前句の「高齢者」のイメージに「花の座」を関連付けました。

36        春の訪ないあと幾たびか        (志方 20.07.08)
  花といえば、太閤晩年の醍醐寺三宝院の壮大な花見を想起しました。この半
年後に秀吉は、遂に帰らぬ人となりました。
  昨年の5 月に、久しぶり醍醐寺三宝院の庭園の見学に参った時に桜散った後
の新緑に、秀吉の胸に何が去来したのか、老いの無常を感じました。
 

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独吟連句ポルトガル縛り「チンタディキャンタの巻」令和二年四月

      初折りの表  
01 香り立つチンタディキャンタ春今宵    春
02   ナイチンゲール鳴く音軽やか     春
03 客人が褒めるアスパラその食味      春
04   妻が急かせる歯科医の予約      雑
05 外つ国で仰ぐ名月幾たびぞ        秋の月
06   団子に代えて供ふマジパン      秋

     初折りの裏
07 落ち葉踏みファドの夕べの教会へ     秋
08   黒衣老女の哀歌切々         恋
09 ままならぬ倫ならぬ恋果てしなく     恋
10   手拍子ブラボー出るお国柄      雑
11 テージョ川渡り来る風頬に受け      雑
12   洗濯物見て下りるアルファマ     雑
13 夕月夜浴衣の金髪団扇手に        夏の月
14   炭火鰯の列に加わる         夏
15 少年使節立ち寄りし跡この辺り      雑
16   探し当てれど今修理中        雑
17 記念写真花吹雪の下皆笑顔        花
18   送辞の言葉ふと口に出て       春

    名残の表
19 リスボアは坂多き街東風吹いて      春
20   小さい虹のかかる噴水        雑
21 自由という名を冠したる大通り      雑
22   土産物屋の店主黒人         雑
23 コルクの木皮を剥がれて寒々と      冬
24   どんぐりのみを食べる黒豚      冬
25 長身の旅人誰も無口にて         雑
26   胸に秘めたる憧れの君        恋
27 流麗な筆の恋文祖父仕込み        恋
28   義父の形見は「楽分」の額      雑
29 上げ潮に望月登るアルガルベ       秋の月
30   ヴィーノヴェルデで祝う豊漁     秋

      名残の裏
31 ベレンの塔秋の夕陽に包まれて      秋
32   こんなところに種子島銃       雑
33 落日を拾いに行かんロカ岬        雑
34   親も自慢の記念スタンプ       雑
35 アーモンド桜の花と見まごうて      花
36   散るはなびらの色も形も       春

    湘風道人識

  脚注:あまり気乗りはしないのですが、初心者及びポルトガルに馴染みのな
い方の為に説明文を入れておきます。それに目障りですが下に季題配置も。 

01.チンタ:ポルトガル語で赤ワインはVHINO TINTOで明治大正の
ころまでは詩歌にはチンタと昔の発音で出て来ます。

02.ディキャンタ:古い良い(高価な)ワインを別の器に移すことですが、私
達の毎日飲んでいる安いワインはやっても味は変わりません。

03.マジパン:ハンザ同盟の都市リューベックが、元祖と名乗りを挙げていま
す。ポルトガルでもポピュラーで甘い菓子類の代表格です。

04.ファド:アマリア ロドリゲスは別格の歌手。最近ではマリザも聞かせま
す。ブラジルからの民謡風でもあり、その元には奴隷のアフリカ土着の悲しい
メロディもあるという。

05.女性の歌手にはブラバーが正しいのですが、ブラボーが飛び交います。

06.アルファマ:1755年の大地震でも岩盤のため打撃を受けず、昔の佇ま
いを残しています。洗濯物は「ポルトガルの洗濯女」の歌のとおりで至る所に
ぶら下がっています。

07.天正の少年使節の訪問先はいろいろありますが、リスボン市内にもあって
ガイドブックにも載っています。でもちょっとわかり難い所ですが。

08  リスボア:英語名リスボン。フェニキア人が付けたオリシポ(良い港)が
元。因みにポルトガルはポルタスガレ伯領(Portus Gale  穏やかな港)から
来ています。

09.リベルタ―デ大通り:フランスが革命で勝ち取った自由・平等・博愛の自
由を名前に。シャンジェリジェ通りがお手本とか。日本語のみですがリスボン
に来られた人には判ると思います。

10.黒人:植民地にはアンゴラ・モザンビークがあり最大最古はブラジル。大
半が出稼ぎの労働者ですが、お金を儲けた成功組もいます。

11.コルク:一度皮を剥ぐと北の地方では9 年、南でも7 年は待たねばなりま
せん。昔は世界の60%のシェアを持つ輸出アイテムでもありました。

12.黒豚:スペインのイベリコ豚と同じです。ハムは美味。

13.「楽分」:分を楽しめ。上を見て羨ましがったり、下を見て偉そうにする
な!穏やかな分相応の日常の暮らしをと。東大寺館長清水公照筆。私事。

14.アルガルベ:アラビア語で西の果ての国。イスラムがここらを征服した時
の名残り。女子サッカーのアルガルベ杯の会場は家から車で10分足らずで行け
ます。なでしこジャパンは最後独逸に負け準優勝でしたが応援に行きました。
ここの海岸線は遠浅で、大型貨物船が接岸出来る港は無く、工業に代わりゴル
フ場と別荘地が開発され、ヨーロッパの避寒の地として今はこれ等が大きな収
入源となっています。

15.豊漁:大西洋に面した港町も沢山ありTAVIRAにはマグロ博物館があります
。輸出先は日本でした。OLHAO には日葡合弁のマグロの畜養会社もあります。
これは余談:QUARTEIRA という漁港は車で5 分もかからず魚市場の人達とは顔
見知りで女房は漁師からクレディットででも買えるのが自慢です。タコイカア
ンコウサバイワシアジタイスズキボラエビカニなど日本人に馴染みのものが豊
富です。

16.VHINO VERDE (緑酒)は北の地方のブドウでとれる発砲酒です。出たばか
りのが新酒として人気があります。第一高等学校寮歌の緑酒は違うと思います
がこれだとロマンが感じられます。

17.ベレンの塔:大航海時代の船乗りがこれが見えるとああ故郷に戻ったと思
えたとか。地下には牢屋もあって、見たほど優雅でなないのですが・・・・

18. 種子島銃:火縄銃を改良して元のものよりも立派なものをすぐに作り、半
世紀もたたぬ内に、もう大きな輸出品となっていたとか。ジェロニモス修道院
に隣接する海洋博物館に陳列されており、ああこれがあの有名な鉄砲かと感慨
深いものがありました。

19.落日を拾いに行かん海の果て 檀一雄の碑が有名です。パクリです。

20.ロカ岬:ユーラシア大陸の最西端:観光客用に大きな記念のスタンプを押
して売り出し市の大きな収入源となっているそうです。その昔両親が訪れて子
供達に行ったら是非もらって来いと進めるとか。日本人では我々の親の年代は
海外旅行も裕福でないと中々行けなかった。

21.アーモンド:もう一月には花が開きます。実は薬として昔から効用がある
と言われ、今でも農家は生産に注力しています。焙ればワインのおつまみにも
最適。


            脚注補遺 2020.05.11

・ナイチンゲール :西洋ウグイスとも。小夜鳴き鳥。人名のナイチンゲール
方が馴染みがあると思います。英国の首相ボリス ジョンソン氏がコロナに罹
り入院治療されのがナイチンゲール セント トーマス病院で、ここでなかっ
たら助からなかったかもとも言われています。

・アスパラ :ポルトガル産は細く野生に近いので輸入物よりは少し硬く茹で
加減が微妙に難しいこともあります。これが判るのはまあ食通です。

・幾年ぞ:小生1992年に日本を出てアフリカ11年、定年退職した2003年に半年
間11月末まで日本に暮らした後、ポルトガルに流れ着いてずっと住んでいます。
まだ旅の途次という感じです。やはり故郷は日本ですから。

・哀歌切々:ポルトガル人はこの歌はサウダーデだ、とよく使い、これは「孤
愁」等とも翻訳されています。新田次郎・藤原正彦と親子でモラエスの伝記を
執筆され本の題名がこれになっています。失って取り戻せない大事なものを思
う心とか、失恋したが憎めないあいつとか、怨歌との訳もあり。

・少年使節:天正少年使節の本としては比較的あたらしいものとして若菜みど
り著「クアトロ・ラガッツィ」集英社があります。550頁の大作で読みごた
えのある傑作です。

・送辞の言葉:小学校5 年生の時に「花笑い鳥歌ううららかな春が訪れて参り
ましたこの時に当たり六年生の皆さまは無事六か年の学業を終えられ・・」と
読んだ言葉が何故か突然出てきたものです。 

・筆の恋文:小野寺さんをイメージ。祖父文之進さんから子供のころにお習字
を厳しく指導され、今でも巻紙に書けるほどかなりの腕前と聞いています。

・アルガルベ :随筆的案内書「ポルトガル物語ー漁師町の春夏秋冬ー」青目
海著ポルトガルと日本との合弁のマグロ畜養会社で働くご主人との20年以上に
わたるここでの生活が女性の目で活写されています。
 九州にある出版社名は書肆侃々房。OLHAO には今は外人が急に増えてフラン
ス語イタリア語が、市場で飛び交っています。

・落日の句碑  :檀一雄が住んだSANTA  CRUZに碑があります。そこの隣町
で高倉健主演の「昔男ありき」というドキュメンタリー映画を見に行ったです
が、大西洋からの風が吹き荒れてる寂れた街でした。

・湘風道人  :生意気にも号を持っています。其の昔高校時代の恩師達と小
学校中学校・高校まで一緒の友人と四人で連句を始めて合計で二十数巻歌仙を
巻きました。瀟湘湖南の地茅ケ崎に居を卜する風狂の道を極めんとする仙人を
目指すという欲張った号なのです。今では小生一人が何とかまだ頑張っている
という状況です。








2020年4月15日水曜日

七句会 第3 回 自由連句 式目 (ご参考) 20年05月25日現在

  七句会  第3 回  自由連句  式目 (ご参考)
  七句会の第3 回目の自由連句の参考としての式目は、以下の通りです。
  実際は、各自の適宜のご理解によるものとします。
  よろしくお願いします。
  深瀬

(1) 進め方
・歌仙形式36句を下記の順番で詠む。 (敬称略)
 表六句     1 小野寺2 深瀬  3 吉良  4 志方  5 豊    6 小野寺
 裏十二句     7 深瀬  8 小野寺9 志方  10吉良  11小野寺12豊
         13吉良 14深瀬 15豊   16志方 17深瀬 18小野寺
 名残の表十二句 19志方 20吉良 21小野寺22豊   23吉良 24深瀬
         25豊   26志方 27深瀬 28小野寺29志方 30吉良
 名残の裏六句  31小野寺32豊   33吉良 34深瀬 35豊   36志方
 注。表六句の最後は、発句を詠んだ小野寺さんにお願いします。
・定座、季節
 表六句     1 春    2 春    3 春    4 雑    5 月    6 秋
 裏十二句     7 秋    8 恋    9 恋    10雑    11雑    12雑
         13夏月 14夏   15雑    16雑    17花   18春
 名残の表十二句 19春    20雑    21雑    22雑    23冬   24冬
         25雑    26恋   27恋   28雑    29月   30秋
 名残の裏六句  31秋    32雑    33雑    34雑    35花   36春
・発句は、前回の句会で選句の多かった小野寺さんの下記の句です。
  朱染めし雪一面に寒椿  
・心がける点としては、①2 ~3 日を目処に詠み、1 週間以上かかる場合には
みなさんに連絡する。②次にあげる式目をある程度参考にして、各自、自由に
詠む。③前句をどのように踏まえ、どのように転じたか、できればコメントを
加える (必須ではない) 。

(2) 式目 (ご参考。吉良さんのまとめを踏まえました。)
・脇句は、発句に寄り添い援助する内容の句で、季節も同じ内容とする。
・第三は、前句から出来るだけ違った発想で読む (転ずる) 。
・句を作るときは打越し (前の前の句) から出来るだけ転ずる。
・五七五、七七のいずれもそれ自身で単独で意味として完結している。前句が
なければ理解できないのは良くない。
・原則として同じ言葉は繰り返し使わない。同字は三句去り。
・付合は、下記の三通りとし、前句を受けながらも打越以前からは離れた句を
作る。
 ①詞付け:前句の言葉から連想される言葉で付ける。
 ②心付け:意味 (内容) で付ける。前句 (原因) =付け句 (結果) 。
 ③匂い付け:前句の雰囲気をもとに付ける。
・打越、前句、付句の内容、発想が続く三句がらみは避ける。
・観音開きと言われる、打越の句と似た内容になっている、又は、打越と前句
の付け、前句と付句の付けの発想が同じような内容になっていることは避ける。
・定座として、5,13,29 句目は月、17,35 句目は花 (、8,26句目は恋) 。「引
き上げる」、「こぼす」もある。
・春と秋の句は3 ~5 句、夏と冬は1 ~3 句、恋は2 ~5 句、続ける。同じ季
節の間は5 句以上あける。

・ご参考    歌仙の巻き方は、初折表、初折裏、名残表、名残裏と下記のよう
に進行しますが、平島さんから、この辺は漢詩の模倣であり、起承転結の展開
を目論んでいるとも言われるとの助言がありました。よろしくお願いします。
 起承転結や序破急など、全体の流れを意識するのは、かなり高度な技術が必
要な感じがしています。
01 初折表  発句   春     19 名残表  折立   春
02     脇    春     20     二句目  雑
03     第三   春     21     三句目  雑
04     四句目  雑     22     四句目  雑
05     月の座  月     23     五句目  冬
06     折端   秋     24     六句目  冬
                 25     七句目  雑
07 初折裏  折立   秋     26     八句目  恋
08     二句目  恋     27     九句目  恋
09     三句目  恋     28     十句目  雑
10     四句目  雑     29     月の座  月
11     五句目  雑     30     折端   秋
12     六句目  雑     
13     月の座  夏月    31 名残裏  折立   秋
14     八句目  夏     32     二句目  雑
15     九句目  雑     33     三句目  雑
16     十句目  雑     34     四句目  雑
17     花の座  花     35     花の座  花
18     折端   春     36     挙句   春

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  ご参考
・日本連句協会  連句とは
  https://renku-kyokai.net/renku/
・古典解釈シリーズ
  湯沢賢之助著、文法全解  芭蕉名句、旺文社、昭和43年1 月初版
 連句編  1.猿蓑  市中の巻 P,103 ~119
  http://nanaku-haiku.blogspot.com/2020/04/431-1.html

2020年4月12日日曜日

  古典解釈シリーズ
  湯沢賢之助著、文法全解  芭蕉名句、旺文社、昭和43年1 月初版
 連句編  1.猿蓑  市中の巻 P,103 ~119

  猿蓑読解 (前半のみ)
  芭蕉七部集の五番目。元禄三年四月ころから約一年かけてできた。
①連句
  初表 (表六句)
01 市中 (いちなか) は物のにほひや夏の月 凡兆(夏の月・夏)
02  あつしあつしと門 (かど) 々の声 芭蕉(あつし・夏)
03  二番草取りも果さず穂に出でて 去来(二番草・夏)
04  灰うちたたくうるめ一枚 凡兆(雑)
05  この筋は銀も見しらず不自由さよ 芭蕉(雑)
06  たゞとひゃうしに長き脇指 去来(雑)
  初裏 (ここから二の折の表半分までは変わった句も変化もつけてよい。)
07  草村に蛙 (かはず) こはがる夕まぐれ 凡兆(蛙・春)
08  蕗 (ふき) の芽とりに行燈 (あんど) ゆり消す 芭蕉(蕗の芽・春)
09  道心のおこりは花のつぼむ時 去来(花・春)
10  能登の七尾の冬は住みうき 凡兆(冬・冬)
11 魚の骨しはぶるまでの老いを見て 芭蕉(雑)
12 待人 (まちびと) 入れし小御門 (こみかど) の鎰 (かぎ)  去来(雑・恋)
13 立ちかかり屏風を倒す女子 (をなご) ども 凡兆(雑)
14 湯殿は竹の簀子 (すのこ) わびしき 芭蕉(雑)
15 茴香 (うゐきやう) の実を吹き落とす夕嵐 去来(茴香の実・秋)
16  僧ややさむく寺にかへるか 凡兆(ややさむ・秋)
17  さる引の猿と世を経る秋の月 芭蕉(秋の月・秋)
18  年に一斗の地子 (ぢし) はかるなり 去来(雑)
  名残ノ表
19  五六本生木つけたる潴 (みずたまり)  凡兆(雑)
20  足袋ふみよごす黒ぼこの道 芭蕉(雑)
21  追っ立てて早き御馬の刀持 去来(雑)
22 でっちが荷 (にな) ふ水こぼしたり 凡兆(雑)
23 戸障子もむしろがこひの売屋敷 芭蕉(雑)
24 てんじゃうまもりいつか色づく  去来(てんじゃうまもり・秋)
25 こそこと草鞋を作る月夜ざし 凡兆(月・秋)
26  蚤をふるひに起きし初秋 芭蕉(初秋・秋)
27  そのままにころび落ちたる升落し 去来(雑)
28  ゆがみて蓋のあはぬ半櫃 (びつ)  凡兆(雑)
29  草庵にしばらく居ては打ちやぶり 芭蕉(雑)
30  いのち嬉しき撰集の沙汰 去来(雑)
  名残ノ裏
31  さまざまに品かはりたる恋をして 凡兆(雑・恋)
32  浮世の果は皆小町なり 芭蕉(雑)
33  なに故ぞ粥すするにも涙ぐみ 去来(雑)
34  御留守となれば広き板敷  凡兆(雑)
35  手のひらに虱這はする花のかげ 芭蕉(花・春)
36  かすみ動かぬ昼のねむたさ 去来(かすみ・春)


②通釈・付合
01通釈  昼間の暑さはないが、物のにおいがたちこめ、涼しそうな月がでてい
る。
02付合  暑さに耐えきれず、夕涼みをしている人々の情景に。
  脇句は発句によく応じて詠む。体言止めが原則。
03付合  農家に転じ例年にない暑さのため稲の生育が早いという会話に。
  第三句目は大きく情景を転ずる。「て、に、にて、らん」止め。
04通釈  炉端で焼いているうるめ (ひもの) 鰯。
  付合  農繁期の農家の食事の様子に。
  四句目からは平句となり軽く受けてよい。
05付合  粗末な食事から山国の風景に。村人は銀貨をしらないので旅行者がな
げいている。03、04が農家の風景なので、片田舎に来た都会の人を登場させ変
化させた。
  月の定座だが発句にあるので詠んでいない。
06付合  前句の人を突拍子もなく長い脇差しをさした博徒とした。  
  脇差は武士以外でも一本させた。長脇差は町奴、博徒の異称。
07通釈  長い脇差しをさしているが臆病な奴なのだ。
08付合  蛙をこわがる人を若い女性とみ、日暮れころにこわがった拍子に行燈
を消してしまった。
09付合  蕗の芽をとりに出た女性を僧庵の尼とみ、ぱっと消えた行燈のように
世の無常を悟って発心したのは若い時のことだ。
  花の座。花の定座は前へ引き上げることはできる。
10付合  前句をある僧侶の物語りとみ、かつて住んだ七尾の寒さを振り返る。
  月の十日間は能登で修行した「撰集抄」にある見仏上人を想定している。
11付合  前句をさびしい漁村とみ、そこに老いをむさぼる人物がいるとした。
  前句の衰退の余情から衰老と移った。
  例外的に、春から冬に転じた。
12通釈  門番が通ってきた恋人を入れた。
  付合  前句の老人を「源氏物語」の「末摘花」の巻の門守りの翁というよう
に連想した。俤 (おもかげ) 付。
13通釈  さびれた屋敷内に招き入れられた待人をみようとする女中たちのはし
たない行動を詠んだ。恋の句。
14付合  前句の屏風を湯殿の囲いとみ、前句の御殿の世界を場末の旅宿に転換
した。
  前句の浮き立ったところを巧妙に抑えた。
15付合  湯殿の近くの茴香の実が秋の夕風にこぼれ散るわびしい風景。
  これまでは人間世界の人事を詠んできたが、ここでは景色を詠んでいる。
16付合  前句の蕭条たる気分をみ、その夕景に僧衣をひるがえしとぼとぼ歩く
僧侶をみた。
17付合  前句とは独立した句。二句あわせて世相を述べた。前から秋の句が三
つ出たので月を出した。
18付合  猿回しの貧しい生活でも一年の一斗の年貢は納めて正直に生きている
のだ。










2020年3月28日土曜日

七句会 第三十一回目のネット句会 作品集、自句自解です。

 七句会のみなさま
 第三十一回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
 およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けします。
今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
  今回から、はじめに投句者毎の作品をまとめた作品集を追加しました。
 七句会のweb  http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。
  今後とも、よろしくお願いいたします。
  深瀬 (事務方)
 追記
  第三回目の自由連句 (少し式目を加えようと思っています。) を、4 月前半
を目処に、前回と同じ、小野寺さん、吉良さん、志方さん、豊さん、深瀬の5
名で行う予定です。これからの参加も可能ですので、ご希望の方がおられまし
たら、ご連絡方、よろしくお願いします。

1.第31回  ネット句会  作品集
○秋元さん
・花粉舞ウィルス防止マスクかけ
・数日の寒さ忘れて春来たり
・春節の傍迷惑なウィルス禍
・某国は自由世界に高リスク
・WHO は誰忖度だけで役目無し
・体制が招いた惨禍後が無し
・意味のない辻説法は意味不明
○小野寺さん
・凛と咲く冬薔薇愛でし孫の声
・除夜の鐘古都にて偲ぶ首里の海
・凍て土に耐えて牡丹の芽は紅し
・霜柱割りて水仙朝陽浴び
・雪解けの光集めて福寿草
・海恋し潮鳴りとほく風が哭き
・百舌鳥 (もず) 啼きて夜の静寂 (しじま) を渡りけり
・山雪解 (やまゆきげ) 轟音となり瀑布落つ
・朱染めし雪一面に寒椿
・ウミネコが消えぎえに啼き波吹雪
・新雪を踏む音軋み夜明け前
・春の雪夢から覚めて雨の音
・冬薔薇を愛でし人往き陽がのぼる
・我が朋は浄土に旅す雪の朝
・残月の凍れる峰を雁が翔び
・熱燗に湯豆腐たぎり夜は更けぬ
・慟哭の海鎮魂の小雪舞ひ
・潮鳴りや銀河落ち行く冬の海
・枯れ芒銀の穂波に風光り
・凍て蝶の痛みし翅に薄日差し
・海哭きて復興の鐘雪時雨 (ゆきしぐれ)
○吉良さん
  年の瀬の下関・門司旅行で舟島(巌流島)、壇ノ浦を訪れた時の句です。
・舟島に小次郎惑う冬の浜
・みぞれ降る門司港なごむ焼きカレー
・戦(いくさ)はて安徳碑にも冬日差す
・夕されば渦潮寒し壇ノ浦
・冬空に瀬戸の波頭いきり立つ
○桑子さん
・暖冬や天気図梅雨と見間違え
・松過ぎて鳩が一羽の八幡様
・令和の空仰ぐオリオンいまいずこ
○志方さん
 幼いころ霜柱を踏みしめていた日々が、冬の風物詩だったのですが。。。?
・カサカサと今年はいまだ霜柱
・暖冬にいのち儚し梅花舞う
 酒の旨さは飲み仲間次第です。かけがいのない飲み朋が逝って半年しみじみ
・宙仰ぎ酒盃を交わす朋はなく
 老いの頑張り、自らを鼓舞
・木枯らしに揺れる梢の老い桜
 武蔵野の雑木林の冬の風景
・冬木立梢の先の雲の峰
 わが命、そこまで持つか、永らえよう
・孫8才 (やっつ) 盃かわす日は遥か
 この控えめな香、どんな香水より好ましい
・沈丁花仄かな香りの沈丁花
○治部さん
・寒紅梅別れ惜しみて家移る
・部屋干しで曇る眼鏡の寒さかな
・冬晴れの風に洗濯物回る
・断つ捨つる難きは離る片時雨
・寒雀電線地中化とまどって 
・句会より酒会がよろし松のうち
○中津川さん
 お年玉年賀はがきが一枚しか当たりませんでした。
・ただ一枚切手シートや減る賀状
・恐怖なり冬眠遅れて歩く熊
・意味が無し蝋梅の丘マスク顔
 にわかファン増加のラグビー場
・人の波ダウンコートと楕円球
・格闘技紅白見ずして年惜しむ
 中山道美濃路を歩いて(2句)
・実の赤さ葉落ち柿木やカラス鳴く
・彼尾花往時を想い関ケ原
○橋本さん
(庭の山茶花を2 句)
・山茶花にメジロヒヨドリ分かち合ふ
・遅咲きの山茶花庭の灯 (あかり) なり
・節分や春風爽やか生気満つ
・菜園に初霜柱咲く如し
・北風の雨戸の音に籠りたり
(政治の現状を川柳2 句)
・炎鵬の如き攻め技野党なく
・バラマキと隠蔽口先明日暗し
○宮澤さん
 還暦を過ぎて10数年、再び小学校高学年になり、宿題の締切に悩まされてい
る感じです。最初の句は、いつもの投句遅れを反省?しての句とご理解くださ
い。
・締切だ 逃げる2 月に 追いつけず
・冬何処(いずこ) 池面(いけも) ゆらゆら 朝日映え
・木枯らしに ボールは何処(いずこ) 枯れ葉舞う
・寒き朝 膨らむ花芽 希望(ゆめ)を抱き
・独り身や 冷たき水で 髭を剃り
○豊さん
・雪見酒ぶり大根はまだ煮えず
・荒海を静かに照らす冬の月
・人混みにひときわ高き冬帽子
・氷上に白鳥の舞女子フィギュア
・冬空の青の広さや富士の山
・雪原に残る足あと情死行
○柳町さん
・しもやけの両手を擦る寒椿
 先日、念願のマルタ騎士団の本拠地を訪問する機会を得た。その時の気持ち
を詠みました
・寄せ返るマルタの波に願い懸け
 地元で交通指導員をしており、朝の小学生登校時に「おはよう!」の元気な
声に自分も励まされているように感じています
・おはようの声も凍る朝登校
○深瀬
・凍鶴の老ひに耐えるか目にひかり
・凍鶴の行灯のごと並びおり
・凍鶴やたまごのごとく宙に浮き
・時止まり凍鶴の背に青き空
・初霞居合の刃先陽を射てり
・初霞古都の梵鐘遠く聞き
・列をなす白木の遺骨朝霞
・早春の東京タワー師なつかし
・金星の侵略者ごと冬の宵
・たれこめし雲や吸い込む冬の鐘
・なまりいろ田圃 (たんぼ) を覆ふ冬の雲
・冬の陽の梢 (こずえ) に遊ぶすずめかな
・冬夕陽遠き山並み蒼深く
・銀座へ歩 (ほ) 日本橋から冬陽受け
・冬の朝西にくっきり小 (ち) さき富士
・冬空のカンヴァスに立つ欅 (けやき) かな
・静かさや無人ホームに冬の風
・夕食を部屋で待つ身の寒さかな
・花粉症アタック激化温暖化
・脛に粉クリーム塗りし老いの冬
・妻げんき寒 (さむ) 部屋ひとり安堵感
・安倍担き日本品格地に堕ちる
・不確実深めるこの世なに頼る
・戦死者の歴史に消さず美と無残
・知性とはなにか問ひたし今の世に
・動かぬなら動くまで待とうわがあたま
・なにもせず冬日暮れゆく老ひ土曜

2.第31回  ネット句会  自句自解
◎小野寺さん
 大変多忙な中で慌ただしく投句もぎりぎり推敲なしの提出でしたが9 点も皆
さまに選句して頂きましたことを感謝いたします。 
 世の中 コロナウイルス一色に大変な様相を呈してきました。たまたまスペ
イン、スイス、イタリー、シンガポールなどにおります仕事の友人達よりは特
に欧州は医療が破綻しており生き死にの深刻な事態となっており皆さまに置か
れても決して侮らず自衛、ご自愛に務めてください。
 七夕会も延期するようですが賢明な判断だと思います。七句会各位の皆様の
ご健康を祈ります。
・朱け染めし雪一面に寒椿  076 4 点句 
 雪の日の払暁 かすかに朱けた光が白い雪の原に差し始め一面に咲く寒椿の
紅い色と美しいハーモニーをなして息をのむような風景でした。
・枯れ芒銀の穂波に風光り  080 4 点句 
 秋深い初冬の荒涼とした峠路、枯れた芒の群落は逆光の中で銀色の穂波とな
って風に光り、静かに刻の流れる音を聞き惚れる想いでした。
・潮鳴りや銀河落ち行く冬の海  027 3 点句 
 故郷の三陸海岸の冬の海です。潮騒の暗い海の向こうに荘厳な真冬の銀河が
静かにゆっくりと流れ落ちてゆく様は悠久の自然の確かな時の移ろいを思いま
す。
・霜柱割りて水仙朝陽浴び  030 3 点句 
 霜柱を押し除けて黒い土に中から出てきた水仙の新芽は力強く朝陽に輝き、
春の息吹を感じさせました。
・凍て蝶の傷みし翅に薄日差し  056 3 点句 
 冬の日の戸袋の脇にうずくまりひっそりと息をつく蝶の傷ついて破れた翅は
厳しい自然を生き抜いた証しでもあり、最後の時に陽の光が当たり優しく生命
を見守っているようでもありました。
・凜と咲く冬薔薇愛でし孫の声  19 2点句 
 冬枯れの庭の片隅に健気に大輪の紅い薔薇が咲きました。偶々来ていた孫娘
がわーっ綺麗。と感嘆の声をあげ、いつの間にか大きくなった孫娘の成長を感
じた事でした。
・残月の凍れる峰を雁が翔び  038  2 点句 
 凍てつく様な白い月が煌煌と中天に輝く中暗い山々の峰を雁が連なって飛翔
する様は一幅の墨絵を観るようでもありました。
・ウミネコが消えぎえに啼き波吹雪  049  2点句 
 荒れた厳冬の海の波頭に粉雪が舞いウミネコの声は吹雪の嵐にに吹かれて消
えぎえに流されてゆきました。遠い三陸海岸の元風景です。
・海哭きて復興の鐘雪時雨(ゆきしぐれ)  054 2点句 
 先の東日本大震災で津波により被害甚大だった釜石は津波で命を失った人々
をの鎮魂と復興を祈願して新たに鐘楼が建造されました。あの日と同じように
海は哭き鎮魂の鐘に雪が舞います。
 このたび釜石復興委員の方から依頼を受け震災鎮魂の祈りを込めて絵を寄贈
しました。作品は絵葉書になり3.11のセレモニーに鐘を突き参列した釜石の副
市長始め沢山の市民に配られ賛同を頂きました。育った故郷釜石に少しでもお
役に立てたことを感謝しております。 (ご参考までに添付します。)

◎桑子さんの自句自解
・暖冬や天気図梅雨と見間違え 
 今年の冬の暖かさはハンパでなく、天気図を見たとき停滞前線が出来ていて
、まさに梅雨時と同じだと感じました。
・令和の空仰ぐオリオンいまいずこ
 昭和の時代、会社帰りで冬空を見上げたとき冬の代表オリオン座はすぐに見
つかったが、令和の現在街明かりでほとんど星が見えない。
 オリオン座もどこかなと、ちょっと残念な気持ちを読みました。
・松過ぎて鳩が一羽の八幡様
 いつもは静かな近所の八幡様(氏神様)だが、新年は参拝客で混んでいる。
 しかし一週間も経つとまた元の静けさを取り戻しており、たまたま鳩が1~
2羽遊んでいた?その情景を詠みました。

◎宮澤さんの自句自解
 コロナ騒ぎと年度末に加え、派遣業には同一労働同一賃金による法改正の4
月1 日施行も重なり、頭髪の伸びる余裕がない日々で、すいません正直失念し
ておりました。いつもご迷惑おかけします。
 と、暇がないといいながら、本日散歩の足を目黒川の桜見物まで延ばしまし
た。ガーデンプレースから茶屋坂を下っている途中で目黒の清掃工場が建て替
え中で姿を消していることに初めて気づきました。
 さて、自句自解ですが、自分では033 、025 、087 、043 という順で、気を
入れたつもりですが、それぞれ0点句、1 点句、2 点句、3 点句となっており
、評価いただいた句と、気の入れた句の順が逆になってしまいました。
・木枯らしにボールは何処 (いずこ) 枯れ葉舞う   (043)
 強風下のゴルフ、風が気になり落ち着かないままティーショット、落ち葉の
舞い散る空間目掛け、へぼボールは飛んでいるはず。ナイスショットかOBかも
分からない、いくらやっても進歩しない我が腕前にボールがさまよっている様
子です。
・独り身や冷たき水で髭を剃り  (087)
 これもゴルフへ行くので独り早朝に起き、湯沸かしの性能が悪く水の温度が
上がらぬまませわしなく髭を剃る様です。そんなわびしければ、行くのをやめ
たらといわれそうです。
・冬何処 (いずこ) 池面 (いけも) ゆらゆら朝日映え  (025)
 小さな池に薄い氷がはる寒い朝が、東京でも何日かはあったはずが、今年は
、さっぱり。いつまでも池の水は凍らず、今日も池はゆらゆら揺れて朝日が反
射しています。川面という言葉ありますが、池面(いけも)という言葉はない
ようです。
・寒き朝膨らむ花芽希望 (ゆめ) を抱き  (033)
 我家のこぶしの花芽が膨らむのを楽しみにしていました。これまで、大量の
秋の落ち葉をきらい、花芽まで伐採していたことに気付き、昨年から、花芽を
残すようにしました。希望(ゆめ)を早春の開花に託しての句です。今満開で
すが、コロナで希望(ゆめ)が萎えています。

◎豊さんの自句自解
・荒海を静かに照らす冬の月
 治部さんのご指摘のとおり、「照らす」はあまりにも月並みな表現でした。
「荒海や天に静かな冬の月」とでもすれば、少しはよくなったかもしれません。
・人混みにひときわ高き冬帽子
 「ひときわ」としたので、かなり背の高い人と思われてしまったのでしょう
。冬帽子のとがった先が人よりも頭一つ飛び出している、という情景を詠んだ
つもりでした。そのためには「ひときわ」はふさわしくない言葉でした。
・雪原に残る足あと情死行
 雪に埋もれて死ぬのは、きれいな死体になると言われているようです。許さ
れぬ恋を世間に糾弾されて、心中を選んだ二人。究極の愛のかたちです。失楽
園でも天城越えでもかまいません、自由に妄想してください。
・冬空の青の広さや富士の山
 冬の快晴の日、真っ青な空を背景に雪をかぶった富士山がベランダから見え
ました。空の青と富士の雪、そのみごとな調和にしばし見とれました。

◎深瀬の自句自解
・凍鶴の老ひに耐えるか目にひかり
 老化に伴い、なにか動きが鈍くなり、眼だけがさみしげになにかを見つめて
いる様を詠んでみました。
・凍鶴の行灯のごと並びおり
・凍鶴やたまごのごとく宙に浮き
  頭を羽のなかに埋め、片足でじっとたっている様子を行灯や宙に浮いた卵に
なぞらえてみました。
・時止まり凍鶴の背に青き空
  凍鶴のじっとした不動の姿勢が置物のように青空のもとにたたずんでいる様
を詠んでみました。
・初霞居合の刃先陽を射てり
  朝日の射す寒稽古のような場の緊迫感を表現してみたいと思いました。
・初霞古都の梵鐘遠く聞き
  周囲を初霞で包まれた朝方の古都で遠くの梵鐘の音が響いてくる様です。
・列をなす白木の遺骨朝霞
  日中戦争のころ、大陸で戦死した兵士の遺骨が白い布で包まれた骨箱に納め
られ、帰還した兵士の首にかけられ続々と戻ってきた様子を思いました。
 
・早春の東京タワー師なつかし
  小学校のころ、家庭教師の先生と春先に東京タワーに行ったときの写真が残
っています。
・金星の侵略者ごと冬の宵
  まだ夕方のころ、西の空に赤っぽく大きく輝く金星から、なにか宇宙大戦争
の始まりを感じさせられました。
・たれこめし雲や吸い込む冬の鐘
・なまりいろ田圃 (たんぼ) を覆ふ冬の雲
  東北地方に入っていくと空はだんだん鉛色の雲におおわれていきます。稲刈
りの終わった田圃もなにか役割を終わり、眠りに就く感じがします。
・冬の陽の梢 (こずえ) に遊ぶすずめかな
  ときどき暖かそうな梢のなかからうるさいほどのすずめのさえずりを聞くこ
とがあります。
・冬夕陽遠き山並み蒼深く
 かつて木造の家に住んでいたとき、夕方、寒さに閉口しながら、西方に蒼み
がかった富士山や丹沢連山を眺めていました。
     
・銀座へ歩 (ほ) 日本橋から冬陽受け
  午後2 時ころ、日本橋で仕事が終わり、銀座の方に歩いていくと真っ正面か
ら太陽の陽を浴びます。あたりすぎるとシミになる感じです。
・冬空のカンヴァスに立つ欅 (けやき) かな
  自宅の近くに欅の巨木があります。太い幹にこまかい枝を空一杯にひろげる
様子はなにか象徴的な印象を受けます。
・冬の朝西にくっきり小 (ち) さき富士
 冬の朝、自宅からでもかなりはっきり富士山が見えます。富士山は不思議な
存在のような気がします。
・静かさや無人ホームに冬の風
  郊外のローカル駅の様子を思いました。
・夕食を部屋で待つ身の寒さかな
  夕方、自分の部屋で、夕食の時間を待っているときの心境です。夕食を家内
から呼ばれるのを待っていればよいという立場もありがたく感じます。
・花粉症アタック激化温暖化
  今年は、突然、頭もしびれてしまうような花粉症に襲われましたが、翌日、
クリニックに飛び込み、最新の薬を処方してもらったら嘘のように消えました。
・脛に粉クリーム塗りし老いの冬
  冬になると乾燥のせいで、脚全体が粉をふき痒くなります。老いをかみしめ
ながら寝る前に保湿クリームを塗っています。
・妻げんき寒 (さむ) 部屋ひとり安堵感
  家内は、毎週、ストレッチや水泳で活動的です。加速化する老化現象を噛み
しめながら、少しほっとした気持ちになることがあります。
・安倍担き日本品格地に堕ちる
  先日、テンミニッツTVというのを登録してみていたら、元外交官の岡崎久彦
氏が、安倍首相のことを激賞していました。岡崎氏は白金小学校OBでした。
  やっかみかもしれませんが。
・不確実深めるこの世なに頼る
  現代金融理論とか、新型コロナとか、米中対立とか、ポピュリズムの蔓延と
か、不気味な感じです。どう身を守るか迷います。
・戦死者の歴史に消さず美と無残
  犠牲になってくれた戦死者を美化する気持ちは理解できますが、本人は悲惨
な状況のなかで、なんでオレがという気持ちで死んだのかもしれません。
・知性とはなにか問ひたし今の世に
  文明や文化の発展の根底には、ある種の知性が働いていると思います。科学
技術の進歩だけで大丈夫なのか、やや不安です。
・動かぬなら動くまで待とうわがあたま
  最近、なにもする気力がでない時間が増えている感じです。焦っても仕方な
いという心境です。
・なにもせず冬日暮れゆく老ひ土曜
  土曜日の夕方、今日はなにをしたかなという気持ちになることがあります。
  ----

2020年3月24日火曜日

第2 回、七句会自由連句の結果についての補足です。

  第2 回、七句会自由連句の結果についての補足です。
1.第2 回、自由連句についての参加者のコメント
(1) 深瀬コメント
  連句の流れについてのレビュー
  沖縄の首里城が、漏電事故が原因なのか、消失してしまった。焼け跡近くに
は真っ赤な曼珠沙華が咲いている。
 城を取り囲んでいた白い城壁も主を失い、再建を待っているようだ。
  一方で、辺野古の方では軍事基地の造成のための大規模工事が進んでいる。
  自然破壊がいろいろな場所で進むが、またいつか自然に戻ることだろう。
  昨夜は、京都の除夜の鐘を聞き、沖縄の歴史を忍んだりしたが、家族と過ご
したせいか気がゆるみ、今日は二日酔いになってしまった。
  寒さに耐える鶴が、じっと青空のもとにたたずんでいる。
  いつか夜になり、風がでてきて、梢には月影が見える。
  もう春が近い。蕗の薹がそろそろ芽をだそうと身構えている。
  厳しい寒さに耐えてきた牡丹にも紅い芽が見え始めた。
  道端には、真新しいランドセルを背負った少女が入学を待ちわびている。
  この少女もグローバル化社会に巣立つのもそう先のことではないだろう。
  凧をあげている孫は、風をよめないせいかまだうまくいかないようだ。
  それを見ていた老婆が昔を懐かしむように微笑んでいる。
  庭先に咲いた冬薔薇の美しさに驚いた孫娘の声が聞こえてきた。
  あの娘 (こ) も、嫁いでいくのはそう遠くはないだろう。
  寒さのなかで時間の流れも遅いが、桜が咲くのももうすぐだ。
  かつての自分も、花吹雪のような華やいだ気持ちで人生と向き合っていた。
  青春を謳歌していたころは、いろいろ苦労もあったが、凌いできた。
  少し落ち着いた今、白い雲が空一杯に広がっているのがうつくしい。
  冬空に枝だけになった欅がまっすぐに立っている。
  病院の窓から見たすくっと立っていた欅の姿にはなにか励まされた。
 寒さは少しずつゆるみ、霜柱の間から水仙が朝日を浴びている。
  そういえば水仙の故郷は遠く離れた気候温暖なギリシャだ。
 植物園では睡蓮も咲いていた。モネの絵画も印象的だが、その睡蓮の花の短
命さも身近に感ずる。
  老境になると、花の命のはかなさとかにこころ打たれるが、禅の無心の世界
にあそぶのもありそうだ。
  全体としてみると、わたしたちも70歳を過ぎ、老境を身近に感じていますが
、花とか孫とかに思いを寄せながら、若かりし過去から今現在に至るまでの、
それぞれの貴重な体験を踏まえて、各自の心境の一端が語られているように思
い、興味深く感じました。
(2) 豊さんのコメント
  深瀬さんの連句のレビューについて。発句から最後の句までを一つの世界と
してまとめて理解しようとするのは、はたしていいことなのでしょうか。私に
は、無理して関係づけているように思えました。
 もし、連句が完結したときにそこに全体として何かの世界が表現されている
必要があるとしたら、句の付け方にある程度制限をつけなければいけないでし
ょう。句はそれぞれ独立してつけられているはずなので、全体としてまとまっ
ていなくてもかまわないと思いますが、いかがでしょうか。
 レビューのあとの深瀬さんの感想は、私も同感です。
 深瀬注。この点について、わたしとしては、理系出身のこともあり、各句の
展開を補注も参照しながら、その連関の因果関係を多少論理的に理解したいと
いう作用が働いたものと思います。本人としては、そう無理してこじつけたと
いう意識はないのですが、全体としての感想はかなり一致している感じなので
、これはこれでよいかという印象です。
2.平島さんからのコメントて
(1) 2020年2 月18日付け
深瀬さん
連衆の皆様
満尾おめでとうございます。
自由連句ということなので小生の意見感想が当てはまるのかどうかはわかりま
せんがその昔蕉風連句をお手本に二十数本連句を巻いた経験から見た見立てを
披露させていただきます。
付けはその昔俳諧の連歌のころからの掛け合いから生じたものと言われいわば
問答です。古代の文学や神事のなかにあるものを「もどき」でもって茶化した
り、愚弄したり、滑稽でもって人を笑わせ楽しませ慰めることを狙っていまし
た。
更に音楽や漢詩にある転じ・転調も取り入れられ変化特に前へ前へが良いとさ
れ後戻りは嫌われました。
付けには付心(付けの手法・態度)があり三法有心付け(有心・向付・起情)
会釈(あしらい)(会釈・拍子・色立て)遁句〈遁句)付け所としまして八体
(其人・其場・時節・時分・天相・時宜・観想・面影)  各務支考の七名・八
体説が指導書・指南書として大いに参考にされました。
全体をざっと見た感想と致しましては人情句や天相・草木が比較的多く登場し
一生懸命作られて居られるのですが発想が似通っているなあと言うことがあり
ます。育ちや年恰好今まで生きて来た人経験にかなり共通点があるのだなあ・
・・・?
それに色が一杯出て来ます。白・赤・青・紅意味は違うので一概には言えませ
んが単調になってしまいます。
人情句では思いや想い夢などが繰り返して出てきます。
初めての人は良いとしても後半になっても同じというのはやはり真似みたいに
なり別の発想の方が連句全体が豊かになります。
観音開き・
13に孫14をはさんで15の小野寺さんの句に孫が出て来ますこれは観音開きと
言って同字で発想も似通ってしまうので避けた方が良いことになっています。
ついでにもうし上げますと13の志方さんの句に風があり08で風鳴くと同一人
物が同じ言葉を使うのは離れているから構わないようなものの全体でせいぜい
一人7 句程度ですから同字重用は避けられた方が良いと思う次第です。
それに補注の件ですがやはりこの説明にとらわれて発想が飛ばなくなってしま
っているのではないでしょうか。五七五・または七七の少ない言葉から裏にあ
る作者の云いたいこと言外のニュアンスを読み取って、匂いとか響とか面影か
ら連想を膨らませるとまた違った展開が期待できると思います。ここがまた力
量を発揮できるところでもあります。俳句と違って季語の無い雑の句を入れら
れますので想いきり転じる可能性がありここで滑稽や笑いを取り入れられると
面白くなります。
所詮遊びですから楽しく愉快に遠慮なく好きな仲間と言いたいことを存分に言
い合って終わってみたら苦しいこともあったが、面白かった楽しかったなあと
お互いに思いあえるような作品が出来上がると本当に嬉しいものです。
年寄のたわごとで済みません。
妄言多謝
平島道彦拝
(2) 2020年3 月12日付け
  全く余談になりますが今年年末年始イタリアを旅しました。ミラノからボロ
ーニアに向かう汽車の中でマフィアの本を読んでいました。
  その昔船でシチリアからアメリカに渡った人たちが上陸前に最初に目にした
のは自由の女神像だったと思います。さあこれから一旗揚げようと一獲千金を
夢見て仕事を始めたことと想像します。
  だが事志と違って何事も上手く行かず、ついには最底辺の仕事にもあぶれて
暗黒街に身を投じざるを得ない人も多々出て来ています。
  自由の国アメリカでは自分の身は自分で守らねばならず銃を持ち最悪は人を
殺すこともやむを得ない国だと思います。自由にはやは相応の責任が伴って初
めて自由を謳歌出来るのかなとも。
  自由の女神像はフランスからの贈り物みたいですが、自由・平等・博愛を掲
げて革命を起こしたフランスですが、先日ゴルフをしたフランス人が言ったこ
とは「パリは昔のパリではないアラブとアフリカばかりだ。だから家を売って
ポルトガルに引っ越してきた」と。
  EUで移民問題が大きくなって来ていますが、これはこれからずっと続くで
しょう。中近東・アフリカには自由が無くヨーロッパのどこかに移りたいとい
う人たちが船で陸路で毎日ものすごく大勢の人が動いて居り皆が難民です。
  何でこんな話になるのかというと深瀬さんの自由連句からこの自由とは何だ
ろうとふと思い連想が広がってヨーロッパの歴史や地政学にまで思いが及んで
行ってしまいました。
  それからついでにもうひとつ。先日オランダ人夫妻を食事にお招きして聞い
た話。昨年ご夫妻は日本へ旅し東北は青森の恐山まで行かれたとか。ご主人は
語学の天才みたいな人で10年掛けてモンティ―ニュの随想録をオランダ語に訳
し、唐詩・漢詩も訳し、日本は何故東北かと言うと芭蕉の奥の細道を辿りたか
ったと。俳句も世界的です。

3.自由連句に関しての掲載URL
  七句会第2 回自由連句結果
  http://nanaku-haiku.blogspot.com/2020/03/2.html
 七句会自由連句第一回 2019 年7 月9 日~9 月30日
  http://nanaku-haiku.blogspot.com/2019/10/201979930.html

  深瀬 (事務方)

2020年3月3日火曜日

七句会 第三十一回目のネット句会 選句結果をご報告します。

 七句会のみなさま
 第三十一回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
4 点句
(006)  冬空のカンヴァスに立つ欅 (けやき) かな     深瀬
(076)  朱染めし雪一面に寒椿              小野寺
(080)  枯れ芒銀の穂波に風光り             小野寺
3 点句
(005)  荒海を静かに照らす冬の月            豊
(010)  人混みにひときわ高き冬帽子           豊
(026)  冬の陽の梢 (こずえ) に遊ぶすずめかな      深瀬
(027)  潮鳴りや銀河落ち行く冬の海           小野寺
(030)  霜柱割りて水仙朝陽浴び             小野寺
(043)  木枯らしにボールは何処 (いずこ) 枯れ葉舞う   宮澤
(044)  雪原に残る足あと情死行             豊
(056)  凍て蝶の痛みし翅に薄日差し           小野寺
(096)  宙仰ぎ酒盃を交わす朋はなく           志方
2 点句
(007)  暖冬にいのち儚し梅花舞う            志方
(012)  冬空の青の広さや富士の山            豊
(016)  夕されば渦潮寒し壇ノ浦             吉良
(019)  凛と咲く冬薔薇愛でし孫の声           小野寺
(020)  なにもせず冬日暮れゆく老ひ土曜         深瀬
(029)  木枯らしに揺れる梢の老い桜           志方
(038)  残月の凍れる峰を雁が翔び            小野寺
(039)  菜園に初霜柱咲く如し              橋本
(049)  ウミネコが消えぎえに啼き波吹雪         小野寺
(054)  海哭きて復興の鐘雪時雨 (ゆきしぐれ)       小野寺
(067)  寒紅梅別れ惜しみて家移る            治部
(077)  初霞居合の刃先陽を射てり            深瀬
(086)  妻げんき寒 (さむ) 部屋ひとり安堵感       深瀬
(087)  独り身や冷たき水で髭を剃り           宮澤
  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
  次回については、4 月中旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連絡を
いただきたく、よろしくお願いいたします。
 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
 今回の選句には、下記の14名が参加しました。
  秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さ
ん、中津川さん、橋本さん、藤原さん、宮澤さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては3 月21日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
  句会の後の勉強会等については、みなさまのご意見をお聞きしながら、適宜
、行っていきたいと思っています。よろしくお願いします。
(3) 自由連句について
  第2 回の自由連句は、2 月中旬に満尾し、現在、次回に向けて、反省点等を
調整しています。3 月下旬ころから、第3 回を行いたいと思っています。参加
されたい方は、是非、ご連絡ください。よろしくお願いします。
  第2 回の自由連句の結果は、下記URL から参照可能です。
  https://nanaku-haiku.blogspot.com/
  2020.03.03
      代表   橋口侯之介 (休会中)
      顧問  豊  宣光
      事務方 深瀬久敬
----------------------------------------------------------------------
                                   
 1.兼題  冬
(001)  恐怖なり冬眠遅れて歩く熊            中津川
(002)  金星の侵略者ごと冬の宵             深瀬
(003)  冬薔薇を愛でし人往き陽がのぼる         小野寺
(004)  冬の朝西にくっきり小 (ち) さき富士       深瀬
(005)  荒海を静かに照らす冬の月            豊
1 吉良
2 藤原
3 治部    荒れている海と冬の月の取り合わせがいいと思
  います。照らすが別の表現になればもっといいと思いま
  す。荒海や・・・静かな冬の月では?
(006)  冬空のカンヴァスに立つ欅 (けやき) かな     深瀬
1 吉良
2 中津川
3 秋元
4 小野寺  寒さの中で凛として冬空に立つ欅の幹と枝えだ
  は、冬の風物詩です。空のカンバスが良いですね。
(007)  暖冬にいのち儚し梅花舞う            志方
1 柳町
2 橋本   この冬は異常なる暖冬で終わるのか。
(008)  銀座へ歩 (ほ) 日本橋から冬陽受け        深瀬
(009)  冬晴れの風に洗濯物回る             治部
1 豊      何でもないような風景を何でもなく詠んだとこ
 ろがいいですね。
(010)  人混みにひときわ高き冬帽子           豊
1 宮澤
2 桑子    頭一つでているのは目立つもの、目に浮かびま
 す。
3 秋元
(011)  たれこめし雲や吸い込む冬の鐘          深瀬
1 志方    冬の情感と量感が上手き表現されているなと感
 じました。
(012)  冬空の青の広さや富士の山            豊
1 秋岡    冬はどうしても暗い句が多くなりがちですが、
 青空を背に白い雪をかぶった富士の山はやっぱり絵(句)
 になります。
2 宮澤
      年の瀬の下関・門司旅行で舟島(巌流島)、壇ノ浦を
     訪れた時の句です。 (5 句)
(013)  舟島に小次郎惑う冬の浜             吉良
1 深瀬    かつて映画で見た武蔵、小次郎の巌流島の決闘
 の場面をあざやかに思い出させられました。朝日を背に
 海から登場する武蔵に「小次郎惑う」が効いている感じ
 です。
(014)  みぞれ降る門司港なごむ焼きカレー        吉良
(015)  戦(いくさ)はて安徳碑にも冬日差す       吉良
(016)  夕されば渦潮寒し壇ノ浦             吉良
1 豊      平家が滅んだ壇ノ浦の戦いを偲ばせる哀れさを
 感じさせます。
2 小野寺  平家一門最後の時を前に、夕刻の渦潮は、一門
  の無念を呑みこんで、一抹の寂寥が漂います。
(017)  冬空に瀬戸の波頭いきり立つ           吉良
1 中津川
(018)  なまりいろ田圃 (たんぼ) を覆ふ冬の雲      深瀬
(019)  凛と咲く冬薔薇愛でし孫の声           小野寺
1 吉良
2 深瀬    ついこの間まで体は多少大きくなってもまだ子
 どもだと思っていた孫の、こころの成長に、はっと気づ
 かされた瞬間がよく表現されていると思いました。
(020)  なにもせず冬日暮れゆく老ひ土曜         深瀬
1 志方    老ひの虚無感と諦観ですね
2 宮澤
(021)  暖冬や天気図梅雨と見間違え           桑子
1 深瀬    天気図の見方はあまりよく分かりませんが、地
 球温暖化もここまで進んでいるのかと衝撃を受けました。
(022)  静かさや無人ホームに冬の風           深瀬
      武蔵野の雑木林の冬の風景
(023)  冬木立梢の先の雲の峰              志方
(024)  冬夕陽遠き山並み蒼深く             深瀬
1 宮澤
(025)  冬何処 (いずこ) 池面 (いけも) ゆらゆら朝日映え 宮澤
1 橋本   この冬は異常なる暖冬で終わるのか。
(026)  冬の陽の梢 (こずえ) に遊ぶすずめかな      深瀬
1 吉良
2 秋岡    犬の散歩時に枯れ枝に遊ぶスズメをよく見かけ
  ますが、冬の代表的な風景の一つですね。
3 桑子    すずめがちゅんちゅんと飛び交っている、音が
 聞こえそうなその光景が目に浮かびます。
(027)  潮鳴りや銀河落ち行く冬の海           小野寺
1 橋本   冬の海の情景が浮んできます。
2 宮澤
3 藤原
(028)  脛に粉クリーム塗りし老いの冬          深瀬
1 中津川
 2.雑詠 (季語あり)
      老いの頑張り、自らを鼓舞
(029)  木枯らしに揺れる梢の老い桜           志方
1 柳町
2 小野寺  木枯しに揺れる梢は春を待つ老桜の耐え忍ぶ力
でしょうか。
(030)  霜柱割りて水仙朝陽浴び             小野寺
1 吉良
2 豊      霜と水仙、季語が重なっていますが、水仙の花
 の魅力がよく出ていると思います
3 秋元
(031)  時止まり凍鶴の背に青き空            深瀬
1 豊      時間が止まったように凍鶴がじっと立って動か
 ない。その背後に青空が広がっている。日本画の絵のよ
 うです。
(032)  春節の傍迷惑なウィルス禍            秋元
1 橋本   春節過ぎても中国発新型コロナウイルス拡散中
 ですね、治まって欲しい
(033)  寒き朝膨らむ花芽希望 (ゆめ) を抱き       宮澤
(034)  初霞古都の梵鐘遠く聞き             深瀬
1 小野寺  古都の梵鐘のかすかな音は初霞の淡い風景画を
  観る様です、
(035)  寒雀電線地中化とまどって            治部
(036)  しもやけの両手を擦る寒椿            柳町
(037)  花粉症アタック激化温暖化            深瀬
(038)  残月の凍れる峰を雁が翔び            小野寺
1 志方    冬の山水画が浮かびます
2 柳町
(039)  菜園に初霜柱咲く如し              橋本
1 吉良
2 中津川
      この控えめな香、どんな香水より好ましい
(040)  沈丁花仄かな香りの沈丁花            志方
(041)  凍鶴の老ひに耐えるか目にひかり         深瀬
1 宮澤
(042)  熱燗に湯豆腐たぎり夜は更けぬ          小野寺
1 秋元
(043)  木枯らしにボールは何処 (いずこ) 枯れ葉舞う   宮澤
1 桑子    ゴルフでしょうか?冬はいいスコアは出ません
 ね。
2 深瀬    少し状況が違うかもしれませんが、ラフの枯れ
 葉の積もったなかにボールが入るとかなりお手上げ的な
 気持ちになります。
3 治部    この作者は前回の句会でボールが視野の外へ行
  った方でしょうか。この作品は何処と言いながら具体的
  でいいと思います。枯れ葉舞うですからOBでしょう。木
  枯らしには、木枯らしやの方がいいと思います。
(044)  雪原に残る足あと情死行             豊
1 柳町
2 治部    雪原に残る足跡を見て情死行とは発想を飛ばし
  ましたね。恐れ入ります。失楽園のラストシーンを連想
  しますね。俳句はいいけどダメですよ。
3 小野寺  普通は俳句にするには忍びない情念の恋の道行
  きを、よく頑張り作られました。天城越えの世界でしょ
  うか。
(045)  句会より酒会がよろし松のうち          治部
1 秋岡    よくわかります。
(046)  慟哭の海鎮魂の小雪舞ひ             小野寺
      中山道美濃路を歩いて (2 句)
(047)  実の赤さ葉落ち柿木やカラス鳴く         中津川
(048)  彼尾花往時を想い関ケ原             中津川
(049)  ウミネコが消えぎえに啼き波吹雪         小野寺
1 橋本   冬の海の情景が浮   んできます。
2 宮澤
      幼いころ霜柱を踏みしめていた日々が、冬の風物詩だ
    っ たのですが。。。。?
(050)  カサカサと今年はいまだ霜柱           志方
1 桑子    ここ数年霜柱にはご無沙汰していますが、霜柱
 を踏むのは気持ちがいいです。カサカサという音の表現
 がすてきです。
(051)  列をなす白木の遺骨朝霞             深瀬
(052)  意味が無し蝋梅の丘マスク顔           中津川
(053)  数日の寒さ忘れて春来たり            秋元
(054)  海哭きて復興の鐘雪時雨 (ゆきしぐれ)       小野寺
1 柳町
2 豊      「海哭きて」がとても効果的です。復興の鐘と
 雪降る海の取り合わせが冬の風景を伝えてきます。
(055)  北風の雨戸の音に籠りたり            橋本
(056)  凍て蝶の痛みし翅に薄日差し           小野寺
1 桑子
2 秋元
3 治部    季節に取り残された蝶のじっとしている様子が
  見事です。
      庭の山茶花を2 句
(057)  山茶花にメジロヒヨドリ分かち合ふ        橋本
1 藤原
(058)  遅咲きの山茶花庭の灯 (あかり) なり       橋本
1 中津川
(059)  雪解けの光集めて福寿草             小野寺
1 深瀬    雪のとけた隙間の地面から小さく顔を出す黄色
 の福寿草は、冬の終わりを真っ先に教えてくれる感じが
 します。「花は花弁を使って日光を花の中心に集め、そ
 の熱で虫を誘引している。」というネットの説明を読み、
 さらに納得しました。
      地元で交通指導員をしており、朝の小学生登校時に「
     おはよう!」の元気な声に自分も励まされているように
     感じています。
(060)  おはようの声も凍る朝登校            柳町
(061)  我が朋は浄土に旅す雪の朝            小野寺
1 豊      亡くなった友人を惜しむ気持ちが伝わってきま
 す。
(062)  氷上に白鳥の舞女子フィギュア          豊
(063)  節分や春風爽やか生気満つ            橋本
(064)  新雪を踏む音軋み夜明け前            小野寺
(065)  凍鶴の行灯のごと並びおり            深瀬
1 治部    たくさんの鶴が首をすくめて並んでいる様子が
  よくわかります。行燈のようなのは夜なのでしょうか。
  寒さが伝わってきます。
(066)  山雪解 (やまゆきげ) 轟音となり瀑布落つ     小野寺
1 秋岡    冬の厳しさがひしひし伝わってきます。
(067)  寒紅梅別れ惜しみて家移る            治部
1 中津川
2 桑子  引っ越しでしょうか?長年育てた庭木、名残惜
 しいですね。家移るという表現がいいと思います。
(068)  夕食を部屋で待つ身の寒さかな          深瀬
(069)  百舌鳥 (もず) 啼きて夜の静寂 (しじま) を渡りけり小野寺
1 志方    百舌鳥の鋭い鳴き声が響きいてきます。
     還暦を過ぎて10数年、再び小学校高学年になり、宿題
    の締切に悩まされている感じです。いつもの投句遅れを
    反省?しての句とご理解ください。
(070)  締切だ逃げる2月に追いつけず          宮澤
(071)  除夜の鐘古都にて偲ぶ首里の海          小野寺
(072)  令和の空仰ぐオリオンいまいずこ         桑子
(073)  部屋干しで曇る眼鏡の寒さかな          治部
      にわかファン増加のラグビー場 (2 句)
(074)  人の波ダウンコートと楕円球           中津川
(075)  格闘技紅白見ずして年惜しむ           中津川
(076)  朱染めし雪一面に寒椿              小野寺
1 吉良
2 秋元
3 藤原
4 治部    椿が満開の様子が見えます。朱染めた椿と真っ
  白な雪との対比がとても良いと思います。
(077)  初霞居合の刃先陽を射てり            深瀬
1 中津川
2 小野寺  キラリと光る居合の刃先が陽を射るとは鋭い表
  現でテンポが良いと思います。
(078)  海恋し潮鳴りとほく風が哭き           小野寺
(079)  雪見酒ぶり大根はまだ煮えず           豊
(080)  枯れ芒銀の穂波に風光り             小野寺
1 志方    きらきら感が風光りにつきます。
2 柳町
3 宮澤
4 秋元
(081)  花粉舞ウィルス防止マスクかけ          秋元
(082)  早春の東京タワー師なつかし           深瀬
(083)  断つ捨つる難きは離る片時雨           治部
      お年玉年賀はがきが一枚しか当たりませんでした。
(084)  ただ一枚切手シートや減る賀状          中津川
1 桑子  亡くなったり、終活で年賀状を辞める人が増え
 ています。寂しい限りです。ちなみに私は二枚当たりま
 した。
(085)  凍て土に耐えて牡丹の芽は紅し          小野寺
1 秋岡    もう春の訪れがそこまで来ているのですね。
(086)  妻げんき寒 (さむ) 部屋ひとり安堵感       深瀬
1 橋本  頼りになる妻がいつまでも元気が一番でしょう
2 小野寺  糟糠の妻は元気でいい、自分は寒い部屋でひと
  りだが、安堵の気持ちだとは、いいえて妙です。愛妻家
  だがしっかり距離があって良い関係なのでしょう。楽し
  い句です。
(087)  独り身や冷たき水で髭を剃り           宮澤
1 秋岡    寂しい句ですが、いい句だと思いました
2 治部    やむを得ない独身の寂しさがよく出ていると思
  います。お察しします。
(088)  春の雪夢から覚めて雨の音            小野寺
(089)  松過ぎて鳩が一羽の八幡様            桑子
(090)  凍鶴やたまごのごとく宙に浮き          深瀬
 3.雑詠 (季語なし)
      政治の現状を川柳 (2 句)
(091)  炎鵬の如き攻め技野党なく            橋本
1 秋岡    確かに国会中継を聞いているとワンパターンの
 質問が多く、いつも簡単にかわされている感じで歯がゆ
 い限りです。
(092)  バラマキと隠蔽口先明日暗し           橋本
1 深瀬    今の政治は、お友達グループの強権的隠蔽体質
 が強く、官僚も萎縮し忖度に走っている感じがします。
 現代貨幣理論の手本ともてはやされたりし、若い人の支
 持は高いようです。この先どうなるのかいろいろ考えさ
 せられます。
(093)  安倍担き日本品格地に堕ちる           深瀬
1 志方    この人物は何なんだろう?コロナ対策以上にア
  ベのウィルス退治がさきですね。
(094)  WHOは誰忖度だけで役目無し          秋元
(095)  不確実深めるこの世なに頼る           深瀬
      酒の旨さは飲み仲間次第です。かけがいのない飲み朋
     が逝って半年しみじみ
(096)  宙仰ぎ酒盃を交わす朋はなく           志方
1 柳町
2 橋本  亡き友とはいろんな酒を飲み合った、思い出し
 飲む酒の味は、、、
3 深瀬    いつも気軽になんでも言い合っていた飲み友達
 に先立たれるというのはつらいと思います。年賀状のこ
 ともありましたが、私たちも少しずつ後退していく立場
 になったのだとつくづく思います。覚悟が求められてい
 る感じです。
(097)  某国は自由世界に高リスク            秋元
(098)  戦死者の歴史に消さず美と無残          深瀬
(099)  意味のない辻説法は意味不明           秋元
      先日、念願のマルタ騎士団の本拠地を訪問する機会を
     得た。その時の気持ちを詠みました。
(100)  寄せ返るマルタの波に願い懸け          柳町
      わが命、そこまで持つか、永らえよう
(101)  孫8才 (やっつ) 盃かわす日は遥か        志方
(102)  動かぬなら動くまで待とうわがあたま       深瀬
(103)  体制が招いた惨禍後が無し            秋元
(104)  知性とはなにか問ひたし今の世に         深瀬
1 志方    無恥と無知彼に問うても詮無いですね。
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七句会 第2回 自由連句 結果

  小野寺さん、吉良さん、志方さん、豊さん
CC  平島さん、桑子さん、中津川さん、柳町さん
  七句会  第2 回  自由連句
 昨年12月下旬にはじめた第2 回自由連句は、独自ルールですが、26句目をも
ち満尾を迎えることができました。たいへんありがとうございました。
  1 句あたり約 2.4日 (=62 日/26 句) のペースでした。
  次回の参考に資することを目的に、感想、批判、反省、等、なんでも結構で
すので、3 月1 日を目処にお送りいただけると幸いです。
  よろしくお願いします。
 深瀬
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01  沖縄のこころ焼けたり曼珠沙華             (豊)
02      くねる白壁主 (しゅ) 待ちたたずむ     (深瀬)
03  白砂と珊瑚哀しみ土砂が降る          (志方)
04   赤道線に陽はまた昇る         (吉良)
05 除夜の鐘古都にて偲ぶ首里の海       (小野寺)
06      屠蘇を飲み過ぎ二日酔いして     (豊)
07  時止まり凍鶴の背に青き空                (深瀬)
08      風鳴く梢月影淡し          (志方)
09 蕗の薹夢より醒めよ土跳ねよ        (吉良)
10   凍て土に耐え牡丹の芽紅し       (小野寺)
11 ランドセル背負いて少女春を待つ     (豊)
12      夢ふくらましいつか世界へ        (深瀬)
13  凧あげて孫のくやしさ風まかせ      (志方)
14    枯れ葉踏みしめ老婆微笑む       (吉良)
15  凛と咲く冬薔薇愛 (めで) し孫の声     (小野寺)
16      嫁ぐすがたに想ひ馳せらし        (深瀬)
17 いざ待たん桜の花の咲くまでは      (豊)
18      桜吹雪に夢追いし日よ         (小野寺)
19  汗水漬 (あせみずく) めざす嶺や山青し   (吉良)
20      見はるかす雲白さも白し       (志方)
21  冬空のカンヴァスに立つ欅 (けやき) かな  (深瀬)
22   闘病の身に勇気もらいて       (豊)
23 霜柱割りて水仙朝陽浴び          (小野寺)
24      ギリシャの空に思いを馳せる      (吉良)
25  睡蓮の儚き命モネの絵に         (志方)
26   無の心知る禅寺の庭         (豊)

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 七句会  第2 回  自由連句 補注
・01補注 (豊)     19年11月14日
  沖縄の歴史と文化には以前から関心を持っていました。辺野古埋め立てと首
里城の焼失、沖縄県 民の続く受難に深く同情します。
 まさか最高点になるとは思っていませんでしたが、皆さん沖縄に想いがある
ことを知ってうれしく思いました。
・02補注 (深瀬)    19年12月18日
 首里城の城壁は白い琉球石灰岩で作られ、地形に合わせてゆるやかなカーブ
を描いています。首里城が再建されるまで、この城壁がじっとその完成を見守
るのではないか、という気持ちです。
・03補注 (志方)    19年12月21日
  かって沖縄を訪れた時の、辺野古の海の美しさがおもいだされます。碧い空
と純白の雲が天地返しのように映っていた辺野古の海。戦禍に失われた命、夥
しい慰霊の鎮魂を踏みにじって恥じない土砂埋め。それでも美しい国をと唱え
る鉄面皮。桜を汚して恥じない誰かのおつむには響くはずもないか。
・04補注 (吉良)    19年12月24日
  自然の破壊は人間の業とも言えます。以前船で赤道線を越えた経験がありま
すが、広い海の自浄力に期待したいものです。
・05補注 (小野寺)   20年01月01日
  京都の年の瀬は秀吉とねねの縁の寺高台寺で除夜の鐘を聴きました。僧侶達
の般若心経の読経を聴きながら、打たれる除夜の鐘は悠久の時を超えて心に響
きました。
  今こうして京都の地で鐘を聴く平和は太平洋戦争で日本の防波堤となり、失
われた幾多の英霊と市民達の犠牲の上にあり、沖縄の海を忘れてはならない事
と思いを馳せました。
・06補注 (豊)     20年01月06日
  5句までの流れを変えて詠んでみました。実際は屠蘇で二日酔いをすること
はないと思いますが、そこは一つのユーモアとして理解してください。
・07補注 (深瀬)    20年01月06日
  凍鶴 (いてづる) は、鶴が厳寒に耐えるため、微動だにせず、一本脚で立ち
、頭を翼のなかに埋め込んでいる様です。こうすることで体温の喪失を少しで
も防ぎます。そうしたじっとしている鶴の群の向こう側に、青い冬空が広がっ
ている様を詠みました。朝とか昼間に、こうした光景が見られるか、やや疑問
もありますが想像です。
  前句の七七は、前々句の大晦日からお正月への単純な時間的推移を示したも
のと捉え、お屠蘇気分からの転換を指向してみました。
・08補注 (志方)    20年01月09日
  凍てつく冬の静止画のような情景が浮かび素晴らしい上句で、何を繋げるか
まよいました。
  青天の中に、葉を落としきった枝(冬木立)が風に揺れ、その先に白く淡い
月影がぼんやりと映っている様が、静の中に動きとまた滲んだような情景を対
比させてみました。
・09補注 (吉良)    20年01月10日
 凍てつく雪原の下にも生命の活動が始まっています。蕗の薹が芽吹き土から
顔を出す春が早く来てほしい気持ちを読みました。
・10補注 (小野寺)   20年01月14日
  冬枯れの殺風景な庭のなかで枯れ木の様に黒く立つ牡丹の幹に厳しい寒さを
ものともせずにひときわ赤くて硬い花芽が幾つも付いておりました。毎年4 月
末に満開となる牡丹の華の、自然の運行の確かさを感じました。
・11補注 (豊)     20年01月14日
  前句の牡丹の紅い芽を、新一年生になる少女と見立ててみました。また、前
々句からの植物の流れを変えて、人間の描写にしました。買ってもらったピカ
ピカのランドセルを背負って、早く学校に行きたいなと希望あふれる春を待っ
ている少女です。
・12補注 (深瀬)    20年01月16日
  今は肩幅よりランドセルの方が大きい少女も、どんどん成長し、いずれは社
会人として世界に羽ばたくときがくるだろうという期待を込めました。
・13補注 (志方)    20年01月20日
  13日の成人の日、娘の家の前の広場で、どんど焼きががその付近の町内会の
皆様の主催でおこなわれていました。
 多分60年ぶりに見る光景で、懐かしく幼き頃の楽しみと思い出しました。
 広い野原で、孫たちが近所の友達と凧揚げをはじめましたが、あいにく風を
読めなくで、悪戦苦闘の中真剣に取り組むさまに感動しました。
 『おじいちゃん、風を止む方法を教えてほしい』といわれて、『耳を澄まし
て風に聞いてごらん』苦し紛れにと答えました。
 こうした自然現象を肌で感じるようになったかと、孫の成長を実感した嬉し
さを表現してみました。
 風が止んだら、凧が上がらないことを気が付いて欲しいけど
・14補注 (吉良)    20年01月22日
 風で散った枯れ葉の積もった公園の林から、子供たちの凧あげを見ていた老
婆が楽しそうに微笑んでいる様子をよみました。
・15補注 (小野寺)   20年01月24日
  冬枯れの殺風景な庭に薔薇が一輪見事な真紅の花をつけておりました。背筋
を正す様な凛とした佇まいでした。たまたま来ていた孫娘がわーっ綺麗!と感
嘆の声を上げました。小学生ながら少女になってきた孫娘の冬薔薇に感動する
声に、孫娘の成長を感じ詠んでみました。
・16補注 (深瀬)    20年01月26日
  特に説明は不要と思いますが、孫の結婚式に出席できるようにがんばりたい
という気持ちも踏まえました。
  私のところは、5 歳と2 歳の男子ですが、相当な努力が必要な感じです。
・17補注 (豊)         20年01月28日
 前句につなげて、嫁ぐ日を桜が咲く日になぞらえました。皆さん、桜にはさ
まざまな思いを託していることでしょう。まだ1月、いまは苦しくても哀しく
ても、桜が咲くまでの辛抱です。
・18補注 (小野寺)     20年01月31日
  前句を引き継いで若い頃、春爛漫の桜が舞い散る日には先々の人生の夢を思
い描き船出の希望に満ちた日がありました。古希の坂道を越えてきた今幾人も
の友人達の死や、沢山の挫折にも出会い、西行の句 願わくは花の下にて春死
なんその望月の如月の頃の様に満開の桜と満月の日に、自分も逝きたいものだ
と思う反面桜吹雪に見た、夢に向かう自分を思いだし、いろいろな事に挑戦す
る気持ちを鼓舞しようとも思いこの句を詠みました。
・19補注 (吉良)       20年02月03日
  前句から、若い頃にはやった「青い山脈」が連想され読みました。高い目標
を目指して汗を流す若さが懐かく思いだされます。
・20補注 (志方)       20年02月03日
  鎌倉のハイキングコースの一つで、天園コースがありますが、何年かに一度
歩きます。円覚寺裏からけっこうきつい山道ですが、登り切った後に相模灘が
一望できます。
 山青きを受けて、水平線上に浮かぶ雲の白さを目にした感激を素直に表現し
てみました。
・21補注 (深瀬)       20年02月05日
  これまで、少女、孫、老婆なども登場しますが、基本的には、自らの挑戦者
としての体験を踏まえ、そうしたなかで出会った風景に想いをよせているよう
に感じました。
  欅 (けやき) は幹が太く、細かいたくさんの枝を伸ばし、比較的独立して立
っているように思います。子どものころは近くの古い大きなお屋敷の跡地に幾
本かありましたし、今でも駅までの途中に何本かの大きな欅があります。冬の
青空や曇り空に細かい枝をたくさん伸ばした欅の大木をみると、なにか絵画を
みるような幻想的郷愁的な想いにさせられます。
・22補注 (豊)         20年02月06日
  葉を落として直立する冬の欅は凜々しさを感じさせます。闘病中の人が病室
の窓から冬空に立つ欅を見て、「ああ、自分もがんばらなくてはいけないな」
と勇気を与えられた気持ちを付けてみました。
・23補注 (小野寺)     20年02月12日
  深瀬さんの欅の木から、昔国分寺に住んでいた頃府中の欅並木が有名で新緑
もさることながら自分も冬の欅の風景が好きで、この大自然を身近に置きたい
と欅の盆栽を随分作りました。冬の空に屹立する大木も雄々しさを感じますが
、固く閉じた霜柱をかき分け朝陽に向かう水仙の可憐な白い花にも欅に負けず
劣らず自然の強さを感じました。
・24補注 (吉良)       20年02月13日
  水仙はギリシャ神話では青年ナルキッソスが呪いにかけられ生まれたといわ
れ、原産地は地中海沿岸です。日本の冬の寒さに耐え太陽を浴びて咲き誇って
も、故郷の暖かい空を思いを馳せていることでしょう。
・25補注 (志方)       20年02月14日
  先日神代植物園に行き、越前水仙が可憐い咲き誇っておりましたが。園内の
池にに睡蓮が2株ほど桃色と白の花が顔を出しておりました。睡蓮の花の命は
短くて、3日程との説明書きがあり。モネの睡蓮の絵の印象が強かったので、
そのはかなさに、思わず感じいった次第です。そんな思いを読んでみました。
・26補注 (豊)         20年02月17日
 「ギリシャ」「モネ」と西洋の思考が続いたので、本当の哲学は東洋にある
と思い、句を付けました。
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