2017年5月7日日曜日

第二十回 七句会 ネット句会の選句結果のご報告です。

 七句会のみなさま
 第二十回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
  6 点句
(033) 野に出でて名もなき草に見入る春        秋岡
  5 点句
(013) 春雷を聞きし故郷の 駅とほく         小野寺
  4 点句
(044) あたたかさ 歩幅も広く 上着とり       中津川
(061) 漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹          小野寺
(064) 散歩道 川面の風が 春を告げ         宮澤
(068) 畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草   小野寺
(094) 古希迎え 消したい記憶 まだうずく      志方
  3 点句
(007) 窓開けて春風うたた寝足炬燵          橋本
(017) 菜の花の 岬遥かに 海の青          小野寺
(045) やはらかにひかり湛へし春の雲         深瀬
(054) 石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ  小野寺
(055) 春眠の妻起きたるを遠く聞き          深瀬
  2 点句
(008) ひかり降る 深山の里に 桜舞う        小野寺
(011) 雨桜相撲甚句の夜の宴             深瀬
(016) レンギョウの桜に負けじと黄に染まる      橋本
(018) 桜見て生きてる意味をふと思ひ         深瀬
(025) 水ぬるみ 花大根に 白き鷺          志方
(029) 満を持す冷たき風の木の芽かな         深瀬
(032) 喜びが弾ける親子桜咲く            橋本
(040) 海風を 孕みて 浪に桜散る          小野寺
(046) 時めぐり 山々緑に 衣替え          藤原
(050) 困難に 今こそ笑みで 花明けり        森杜瑯
(052) 花咲けど無残なるかな天守閣          秋岡
(072) 火の国や城崩れ落ち花風吹           秋岡
(081) 深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻    小野寺
(088) 抱いた子の目にどんよりと春の雨        治部
(102) 肩車 遠くに見入る 幼き日          吉良
  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
  次回については、7 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連絡を
いただきたく、よろしくお願いいたします。
 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
 今回の選句には、下記の15名が参加しました。
  秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、齋藤宏文さん、志
方さん、治部さん、中津川さん、野澤さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん
、豊さん、深瀬。
 齋藤宏文さんは、初参加です。東京工業大学  国際教育推進機構  特任准教
授  博士 (学術) でおられます。科学史、ロシア語を教えられるとともに、柔
道にも励んでおられます。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては5 月17日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
  これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
  2017.05.07
      代表   橋口侯之介 (休会中)
      顧問  豊  宣光
      事務方 深瀬久敬


   1.兼題  春 (春の生活感)
(001) 大都会 屋上集う 春の園           吉良04
(002) 白ワイン 顔も心も 桜色           宮澤03
1 治部
(003) 球児らの悲喜交々と春はゆく          治部03
1 吉良    選抜高校野球は今や春の風物詩とな
 って国民を楽しませてくれます。
(004) 夕去りて 白き牡丹の 眠りをり。       小野寺03
(005) 銀盤の花も散るなり清々し           秋元04
1 治部
(006) 春霞 思い出枕に さゆり消え         志方04
(007) 窓開けて春風うたた寝足炬燵          橋本01
1 秋元
2 齋藤宏 
3 深瀬    火の入っていない(?) 足炬燵でのう
 たた寝というのんびり感が、ひどくなつかし
 く感じられました。
(008) ひかり降る 深山の里に 桜舞う        小野寺02
1 吉良    桜の花びらが光の中で舞い散る様子
 が美しく描かれています。
2 志方    命の息吹きが簡潔に表現されていま
 す。
(009) ぼんぼりに 夜空に映える 桜花        藤原01
1 小幡
(010) 涙目に  くしゃみ鼻水  春一番         野澤02
1 藤原
(011) 雨桜相撲甚句の夜の宴             深瀬11
1 中津川
2 小野寺  雨の夜桜相撲甚句の宴がしみじみと
 味わい深い。
(012) 春の雨汚染土残し流れけり           豊02
1 橋本    福島原発汚染、幸い一部の弱い春の
 雨で済みましたが、、、
(013) 春雷を聞きし故郷の 駅とほく         小野寺10
1 森
2 豊      故郷で聞いた春雷がよほど印象深か
 ったのでしょう。いまは同じ春雷を遠く離れ
 た場所で聞いている、という感慨でしょうか。
3 中津川
4 野澤    東京生まれの東京育ちにとって「故
 郷」は羨ましい響きがする言葉です。
5 齋藤宏 
(014) 息子らの 人生道に 春とどけ         森杜瑯01
(015) 演奏会母校のさくらスウィングす        治部04
(016) レンギョウの桜に負けじと黄に染まる      橋本03
1 吉良    レンギョウが「負けじ」と咲いてい
 る様子が面白いと思います。
2 秋岡    春は桜のピンク色が主役ですが、結
 構レンギョウ等の黄色も目につきます。
(017) 菜の花の 岬遥かに 海の青          小野寺15
1 志方    色彩の鮮やかさが素晴らしい
2 豊      菜の花の咲いている岬の向こうに青
 い海が見える。菜の花の黄色と海の青色の美
 しい取り合わせです。
3 深瀬    菜の花の黄色と海の青色の対比に絵
 画的なインパクトを感じました。
(018) 桜見て生きてる意味をふと思ひ         深瀬03
1 藤原
2 宮澤    潔くない人生を、毎年酒を飲みなが
 ら反省しています。
(019) 薄霞 山の彩り 雉の声            宮澤02
1 小野寺  薄霞の春の彩を切り裂く雉の声が深
 い余韻として耳に残る。
(020) 黄水仙花壇の中の笑い顔            秋岡06
1 豊      黄水仙が花壇の中で笑っているので
 しょうか。それとも、黄水仙が群がって咲い
 ている花壇を眺めている人の笑顔なのでしょ
 うか。
(021) 暮れてなほ 花新しき 白椿          小野寺20
1 齋藤宏 
(022) 春雷に  孫の手をとり  へそ押さえ       野澤03
(023) 店先に春見つけたり菜の花や          秋元01
(024) 花吹雪ゴジラの眼にも涙かな          深瀬16
(025) 水ぬるみ 花大根に 白き鷺          志方01
1 秋元
2 小野寺  紫の大根の花と白鷺の対比が春の佇
 まいを引き立てる。
(026) 春眠のさめて脳内ほの白し           豊01
(027) 葉ざくらに半袖プレイ大厚木          深瀬18
(028) 花銀杏 けぶりて哀し 夜の雨         小野寺12
(029) 満を持す冷たき風の木の芽かな         深瀬08
1 森
2 中津川
(030) 花散らし 夜来の雨に うぐいすが       志方07
(031) 花筏 泣けとばかりに 春流る。        小野寺06
1 秋元
(032) 喜びが弾ける親子桜咲く            橋本04
1 吉良    入学式の日でしょうか、喜びが伝わ
 ります。
2 治部
(033) 野に出でて名もなき草に見入る春        秋岡03
1 橋本
2 藤原
3 野澤    自然を満喫する姿が目に浮かびます。
4 齋藤宏 
5 深瀬    今頃は、街路を歩いていても以外に
 いろいろな草が生えていることに驚きます。
 名もなき草に見入る気持ちのゆとり(?) に共
 感しました。
6 小幡
(034) 新緑に 残り桜は 何想う           志方06
1 野澤    今年は満開時に待ちくたびれたとば
 かりに葉が出て,例年にない光景でした。
(035) たがために桜咲き散る問ひにけり        深瀬12
(036) 薔薇の芽の 紅きを洗ふ 雨降りぬ       小野寺21
(037) 君子蘭 花芽スクスク 春を告ぐ        吉良03
1 治部
(038) 残雪に 陽ざし残して 影法師         志方02
(039) 弾む春 古希と遊ぶ 孫娘           小幡02
(040) 海風を 孕みて 浪に桜散る          小野寺16
1 吉良    海岸の桜の様子が美しく描かれてい
 ます。
2 深瀬    断崖のような海岸に咲いている桜の
 花びらが波に散っているのだと思います。北
 斎の浮世絵をみるような異次元的世界を感じ
 ました。
     奈良吉野です
(041) 花吹雪 サクラに溺れる 吉野山        小幡03
1 志方    中三の修学旅行の時の吉野郷の絶景
 をおもいだしました。
(042) 満開の梢のメジロ蜜を追う           秋元03
(043) 菜の花や 群青の海 霞みおり。        小野寺14
1 吉良    春の景色を描いたキャンバスが目の
 前に浮かびあがります。
(044) あたたかさ 歩幅も広く 上着とり       中津川03
1 秋岡    春になって暖かくなり気持ちも浮き
 浮きする様が出ていていいですね。
2 橋本
3 藤原
4 宮澤    いいですね春は。でも毎年歩幅がせ
 まくなってきているようです。
(045) やはらかにひかり湛へし春の雲         深瀬07
1 豊      春の季節感がよく出ています。俳句
 らしくうまくまとまっています。
2 中津川
3 小野寺  春の雲が光たたえるとしたところに
 風情を感じる。
(046) 時めぐり 山々緑に 衣替え          藤原03
1 野澤    季節の変わり目が実感できます。
2 深瀬    時めぐりという表現に共感しました。
 背後に、自身も含む、年年歳歳人同じからず
 の心情もあるように思いました。
(047) 楓萌え 娘の門出 風薫る           小野寺09
1 森
(048) いく億年くり返すかな木の芽吹き        深瀬09
(049) 芍薬の 芽に朝露の ひかりおり。       小野寺13
1 中津川
(050) 困難に 今こそ笑みで 花明けり        森杜瑯02     
1 橋本    花明けりが一寸解釈に迷いますが
2 藤原
(051) 満開の花に群れ飛ぶ小鳥たち          秋元02
(052) 花咲けど無残なるかな天守閣          秋岡01
1 秋元
2 小幡
(053) 桜散る天皇のため虚実あり           深瀬13
(054) 石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ  小野寺08
1 森
2 治部
3 齋藤宏 
(055) 春眠の妻起きたるを遠く聞き          深瀬01
1 秋岡    まさに我が家の状況と同じで、うつ
 らうつらしている間にまた一眠りしてしまい
 ます。
2 橋本
3 藤原
     3月初旬に箱根を歩いて越えました。(2つ) 
(056) 襟すぼめ 箱根路の春 氷点下         中津川01
(057) 湖(みず)ぬるむ 駅伝ゴール 海賊船     中津川02
(058) 葉桜の 影携えて 月のぼる。         小野寺18
(059) モコモコと わきたつ新芽 命の息吹      藤原05
(060) 満開の桜スマホにとどめけり          深瀬10
(061) 漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹          小野寺17
1 森
2 吉良    黒と白の対比が面白い俳句です。
3 齋藤宏 
4 宮澤    真っ暗って、本当に何かぼんやり浮
 かんでくるんです。
(062) しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木        深瀬19
(063) 花吹雪 泣いて故郷をいでにけり。       小野寺01
1 森
(064) 散歩道 川面の風が 春を告げ         宮澤01
1 志方
2 野澤    頬に触れる風の温暖で季節の移り変
 わりを感じます。
3 深瀬    川面の風に春を感ずるということに、
 身近で新鮮な実感を踏まえた共感を覚えまし
 た。
4 小幡
(065) 春雨や小さき傘にふたりして          秋岡05
1 宮澤    恋成就小さき傘にありがとう
(066) 菖蒲畑 命こめ幾有余年 あるじ (主) 待つ   藤原04
(067) 入園式色づく母子のほっぺかな         治部02
1 橋本
(068) 畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草   小野寺11
1 治部
2 志方
3 豊      乾燥した春の田んぼに蓮華が咲いて
 いる。畦道を行く人は、やがてその田んぼで
 田植をする人なのかもしれません。
4 秋元
(069) 花びらの舞い散る景色今年また         深瀬15
1 野澤    毎年の変わらぬ光景に今の平穏無事
 が感じられる。
(070) 春時雨 湧き水甘し 柿田川          中津川04
1 小野寺  柿田川の湧水が春雨の中に甘いと踏
 み込んだ情景が面白い
(071) 春暁や 牡丹の葉裏 ひかり満つ        小野寺05
1 秋元
(072) 火の国や城崩れ落ち花風吹           秋岡02
1 深瀬    地震の被害にあった熊本城に桜の花
 びらが舞っている風景は、やや悲しいですが、
 それを現実として受け入れる気持ちも大切だ
 ろうと思いました。
2 小野寺  熊本の震災に想いを馳せ花吹雪が深
 い感慨を誘う。
(073) 春の陽に保育園児らそぞろ行き         深瀬02
     連チャンで花見をしてきて以下3 句
(074) 目黒川かわもも見よと花筏           治部05
1 秋岡    東京在住の時代に支流の善福寺川に
 桜の花びらが川面一面に散りばめられて美し
 く光っていたのを思い出しました。
(075) グローバルな言葉の集い花蓆          治部06
1 中津川
(076) 集いらの見上ぐる高き山桜           治部07
(077) 早暁の 雨にけぶりて 白椿          小野寺22
(078) 春うらら 犬もうたたね 無心かな       藤原02
(079) 羽田沖機影まばゆき春の空           深瀬05
1 豊      飛行機と春の空。「羽田沖」という
 場所の特定が印象を強くしました。
(080) 鶯の 音色いまいち 春はまだ         宮澤04
(081) 深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻    小野寺19
1 中津川
2 秋元
(082) 花満ちて フェアウェー芽吹き 春ゴルフ    吉良02
     京都銀閣寺の東山です
(083) 樹の中に ウグイスが鳴く 東山        小幡01
     真新しいスーツ姿で親子が入学式
(084) 入学式へ スーツ新調 そろい踏み       中津川05
(085) 生命 (いのち) 燃ゆ 古城の堀に 花筏 (いかだ) 小野寺07
1 治部
(086) 満開を待てぬと出る葉  寒し春         野澤01
(087) 山桜 優しさ同じ 今年また          志方03
(088) 抱いた子の目にどんよりと春の雨        治部01
1 藤原
2 小野寺  孫の眼に映る春雨でしょうか。抱い
 た子の眼を通して作者の眼の温もりが伝わり
 ます。
(089) 春を待つ 窓辺に歌う すずめ2 羽       吉良01
(090) 春の夢うつらうつらと朝寝坊          秋岡04
1 小幡
(091) 桜見る今年のわれの違い問ひ          深瀬04
(092) 薄紅の 牡丹おぼろに 古都は暮れ       小野寺04
1 志方    いいですね、古都 (京都? ) の甍の
 先の夕暮れは

     2.兼題  思い出、記憶
(093) 遠き日の御殿場合宿春の空           深瀬06
(094) 古希迎え 消したい記憶 まだうずく      志方05
1 秋岡    やはり誰でも人間長く生きていると
 消したい記憶はあるものなんですね。
2 橋本
3 宮澤    ほんとに未だ半世紀もタイムスリッ
 プした夢を見るのです。
4 小幡
(095) 麦畑思い出遠く風渡る             橋本02
(096) 十八の苦き思い出サクラチル          秋岡07
1 野澤    思い出の中で一番共感できる句。
(097) 成人に タバコくゆらせ 顔染める       吉良06
(098) 一〇代の恋の苦さやチューリップ        豊03
(099) 夢うつつ 入試の苦労で 若返り        宮澤05
     彼岸に寺にまいり抹茶の接待を受けました
(100) 草餅におい 父母思う 墓まいり        中津川06
(101) 老害の言い訳ばかり「記憶なし」        豊04
1 齋藤宏 
(102) 肩車 遠くに見入る 幼き日          吉良05
1 志方    幼児にとって肩車は視界が格段に広
 がった記憶があります。
2 小幡
(103) 駒東の正門想ひ春一句             深瀬14
(104) 積上げし宮崎の思い出ゴルフ好き        橋本05
     
   3.自由題
(105) 碁敵と対局終へて桜餅             豊06
1 秋岡    昨日の敵は今日の友、桜餅が何とも
 美味しそうですね。
(106) エレ内の鏡に頭頂目をそむけ          深瀬17
(107) 永遠の熱き魂春の画家             豊05
(108) 防災に人集まりて和をつくる          秋元05
1 豊      無季の句ですが、雰囲気がよく出て
 います。「和をつくる」がいいですね。

 付記
 選句とともにお寄せいただいたコメントを、ご参考までに貼付します。
・志方さん
 全体にはるの息吹きや生命力あふれる句が多いと感じました。
・中津川さん
 兼題 春はやはり数が多いですね。逆に思い出(記憶)は季語
と結びつきにくいのでしょうか。
・小幡さん
 今回選句基準は 詠んで目に浮かぶ句を選びました。 
・小野寺さん
  今回も 自分の俳句は 投句にあたり、推敲の時間が全くなく
春の花を中心に 心に浮かず心象風景として一気に詠み込んだも
のですが推敲しないほうが 言葉の感覚が 鋭敏に残るような気
がします。
 絵画の創作は試行錯誤の連続で自分の構築した画像を思い切り
壊す勇気が必要ですが、俳句の世界は 普段からの風景や花に対
する感動の情景をどうやって 心象風景として 一瞬のうちに 
結実させるかという 繰り返しのような気もします。
 朝焼けの花や 生命の躍動としての夕闇の白い椿や牡丹など 
息をのむほどの感動を どうやって言葉にするか、できるか と
いうことの訓練でもあるような気がします。
 この世に生きるものすべての人に平等に死はやってきます。春
の移ろいは いつも西行のこの歌が下敷きになっております。
 願はくば 花のしたにて 春死なん、
 その望月の きさらぎの頃
 櫻の花の下で満月の頃 死んでゆきたいという西行の死生観は
そのまま日本人の心の風景でもあるやもしれません。特にこの歌
は 西行がみちのくの旅の途中で詠まれたもので自分が去ってき
た東北の釜石の景色とも重なります。
 句会のおかげで 俳句を通して 日本語の言葉の結実を修練で
き 和歌や 俳句集を身近なものに感じられることを感謝してお
ります。
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