2017年5月19日金曜日

七句会 第二十回 ネット句会 七句回交差点 第01号

 七句会                               
 第二十回ネック句会参加各位                     
                                   
 第二十回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、た
いへんありがとうございました。                    
 はじめてのことでもあり、およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのま
ままとめてお届けすることにします。今後のやり方に、ご意見、等ありました
ら、よろしくお願いします。                      
 メールでお届けするのは、投句または選句に参加された方に限りました。 
 七句会のweb  http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ には、掲載したいと思っ
ています。                              
                                   
  中津川さんのご提案により、当報告名を「七句会交差点」としてお届けする
ことにしました。                           
  ご参考として、作品集として、投句を作者毎にまとめたものも添付しました。                                  
 お届けするのが、やや遅くなり、申し訳ありません。          
  今後とも、よろしくお願いいたします。                
  深瀬 (事務方)                            
                                   
                                   
                                   
○秋岡稔                               
                                   
 小生思わぬ6点句を頂き驚いています。                
 当句は、家の裏に大きな公園があり犬を連れてよく散歩をしますが、春にな
ると急に木々が芽生え、草が育ち始めますがそんな時にスーと出てきた句です。                                  
 実際は名前もあるのでしょうが、可憐な小さな花を咲かせている名前の知ら
ない草が結構あるんですね。                      
 6名の方に共感して頂きよかったです。                
                                   
 2点句で熊本に行ったときの句が2句共感して頂きました。       
 娘が熊本におり、4月に家内と小旅行をした時につくったものです。   
 熊本城の悲惨な状況をどう伝えるのがいいのかちょっと考えましたが、その
ままの風景でした。                          
                                   
 ”春雨や小さき傘にふたりして”は、家内の小さな傘に入って春雨に濡れた
ときの句ですが、色んなことが想像が出来る句(若者から老夫婦まで)になっ
たなあと思った句です。                        
                                   
 黄水仙の句は、水仙の花が本当に笑い顔で自分に微笑んでくれているように
見えたのを自然詠んだものです。                    
 じっくり自然を見ていると色々楽しい風景があるものだと思いました。  
                                   
 ”十八の苦き思いでサクラチル”はこのカタカナの電文の”サクラチル”に
苦さが思い出となって出てくるもので、お一人でも共感して頂ける方がおられ
てよかったです。                           
                                   
 私は、”あたたかさ歩幅も広く上着とり”と”春眠の妻起きたるを遠く聞き
”の2句が春のこの時期の日常を詠んだ句として特に共感しました。    
                                   
                                   
○小野寺健                              
                                   
 5点句                               
 春雷を聞きにし故郷の 駅とほく。                  
                                   
 父の仕事の関係で生まれは九州の八幡ですが育ったのは岩手の釜石 三陸の
田舎町です。                             
 故郷は 二つありますが物心ついてからの町が記憶の原点です。中学で東京
に出るとき丁度春先で俄かに駅舎が暗くなり遠く稲光を観た記憶が下敷きにあ
ります。今横浜で観る春雷は一瞬で、この記憶の時の自分、不安を抱えながら
昏い駅舎でみた稲妻の光景となって鮮明に蘇ります。           
                                   
 4点句                               
 1)漆黒の闇鎮まれり 白牡丹                     
 画を描くので画材として牡丹を育てております。紅色の牡丹よりも白牡丹は
迫力があります。真夜中に 暗闇を圧倒して 白く咲く牡丹は暗闇を睥睨し 
生きている命の力を感じさせてくれます。                
                                   
 2)あぜ道を ゆきし人あり 蓮華草                  
 あぜ道に所せましと咲く 蓮華草ですが一部分轍の跡とともに踏みしだかれ
ていて この畦道を朝もっと早い時間に 人が歩いてとおったのだ、とわかり
ます。少年の頃の田舎のあぜ道の鮮やかな蓮華草の記憶です。       
                                   
 3点句                               
 1)石楠花や 束ねし髪の風に揺れ                   
 学生時代 一緒に山歩きしながら 峠道を登り切った時薄紅の石楠花が見事
な花をつけていてふと振り向くと 一陣の風が吹き、束ねられたみどりの黒髪
が 風にゆれてそれをかき上げた白い指先が美しかった。         
 どれ程自分が駆け寄ってかき上げたいとおもったことか、、、      
 そういう時代がありました。今年咲いてくれた庭の石楠花からの記憶のひと
こまです。                              
                                   
 2)菜の花の 岬遥かに 海の青                    
 三陸のリアス海岸の断崖の前に遅い春を謳歌するように見事な菜の花畑がひ
ろがり、その向こうに かすみながらも群青の蒼い海が見え隠れする、異次元
の絵のような光景でした。                       
 春の頃は 東北の海は寒々として菜の花の黄色が一層記憶の網膜をうづめ尽
くしました。                             
                                   
 2 点句                               
 1)ひかり降る 深山の里にさくら舞う                 
 散る桜の花は滅びゆくものの象徴のようでもありますが自分は生命の輝きを
感じます。                              
 山深い里に散るさくらは さながら光の化身のようでひかりを感じさせる 
自然の力強さを感じました。                      
                                   
 2)海風を 孕みて 浪に桜散る                    
 三陸のリアス海岸の断崖に咲く桜が怒涛の飛沫に光のように溶け合って散っ
てゆく様を 少年時代の心象風景としてもっております。 この感覚は寂寥で
はなく ダイナミックな強い自然の営みであり、海風を孕むとした表現は そ
の思いからです。                           
                                   
 3)深山を夜風 渡りて 山桜                     
 山桜は山奥に人しれずひっそりと咲いており花は皆そうですが 誰の為でも
なく、じっと咲いております。                     
 学生時代によくいった京の鞍馬の山奥に咲く山桜の光景です。光があるわけ
でもないのに 静かに咲いている桜には圧倒されるものがありました。   
                                   
                                   
 投句した俳句は自分の手を離れた作品ですから後はそれを共感する人が作者
の意図とは別に 自由に選句しますら選ぶか選ばないかは その人の感性によ
ります。                               
                                   
 しかし不思議と自分の感覚や想いが込められたものを幾人かの方が選んでく
ださるのは 大変嬉しくもあり俳句の面白さでもあります。        
                                   
 感動を言葉にして普遍性をもたせるという作業は間違いなく普段からものを
観る目を養いますし、日本語の美しさを学べることはありがたいとおもいます。                                  
                                   
                                   
○治部和隆                              
                                   
 作句情況                              
 電車の中で若いお父さんが子供を抱いています。子供はぼんやりと外を見て
います。                               
 春なのに雨が降っていてなんだかつまらなそうです。          
 抱いた子の目にどんよりと春の雨                   
                                   
 きれいな服を着たお母さんと女の子。そうか今日は入園式なんだ。嬉しそう
な二人のほほが桜色に見えました。                   
 入園式色づく母子のほっぺかな                    
                                   
 目黒川にお花見に行ったのですが、平日なのにものすごい人出でした。桜も
八分咲きで見頃です。すでに散り始めているところもあり、川面を見ると綺麗
に花筏ができていました。なんだかこっちも見てよと言っているようです。 
 目黒川川面も見よと花筏                       
                                   
                                   
○中津川公一                             
                                   
 今回私の句が4点句になるなんて初めてびっくりでした。        
 作った状況を下記します。                      
                                   
 あたたかさ 歩幅も広く 上着とり                  
 私は月1回東海道を歩いています。3月に小田原から三島まで32キロを一
泊で歩きましたが、雨も降りガタガタ震えながら歩きました。       
 翌月4月初めは三島から沼津まで歩きましたが同じ雨でも暖かく上着を脱い
で歩きました。                            
 「春」という兼題で桜や春の花あるいは鳥の声など生き物の句が多くなるの
で何とか生き物でない季語を使って作ってみたいと思いこの句となりました。
 投句した中では自分でも気に入っていて、大変うれしく思いました。   
                                   
                                   
○深瀬久敬                              
                                   
・春眠の妻起きたるを遠く聞き                     
・春の陽に保育園児らそぞろ行き                    
  冬の厳しさが弛んでいく春の気配は、齢とともにありがたく感じます。  
                                   
・桜見て生きてる意味をふと思ひ                    
・桜見る今年のわれの違い問ひ                     
・たがために桜咲き散る問ひにけり                   
・花びらの舞い散る景色今年また                    
・満開の桜スマホにとどめけり                     
 咲きだしてから散るまでのほんの僅かな期間の桜の移り変わりに、齢ととも
にやや焦らされる気持ちです。                     
                                   
・花吹雪ゴジラの眼にも涙かな                     
  二物衝撃の句を作ってみよう、と思ったのですが。           
                                   
・桜散る天皇のため虚実あり                      
  この人のためなら死んでも悔いはないとか、そういう心情に憧れもしますが
、むずかしいところだと思います。                   
                                   
・羽田沖機影まばゆき春の空                      
 羽田沖の離着陸する機体を見に、20代のころ、羽田の野原に自転車でよくで
かけました。                             
・遠き日の御殿場合宿春の空                      
 大学1 年の終わりの春休み、柔道部の御殿場合宿がありました。ようやく大
学生活にもなれ、印象に残る合宿でした。                
                                   
・やはらかにひかり湛へし春の雲                    
 あまり深く考えないで作りましたが、別の句会の宗匠から評価していただけ
、また豊さんの選もあり、うれしく感じました。             
                                   
・満を持す冷たき風の木の芽かな                    
・いく億年くり返すかな木の芽吹き                   
 地球上に植物という生命が誕生し、繁栄し続けていることがすごいと思いま
す。                                 
                                   
・雨桜相撲甚句の夜の宴                        
 4月、伊豆の韮山高校で行われた社会人柔道倶楽部の一泊合宿に参加しまし
た。その宴席で、建築会社や信託銀行の人の披露する相撲甚句は、拍子木も入
った本格的なもので、巡業の歌詞とか、感銘を受けました。        
                                   
・駒東の正門想ひ春一句                        
  遅沢先生や大熊先生の車が駐車していました。             
                                   
・エレ内の鏡に頭頂目をそむけ                     
  エレベータの天井につけられた鏡は、頭頂部をよく映します。      
                                   
・葉ざくらに半袖プレイ大厚木                     
・しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木                   
 4月の下旬、大厚木CCに行きましたが、その1 ヶ月前のクリアビューGCは凍
える寒さでした。                           
                                   
                                   
○宮澤猛                               
                                   
 始めて4 点句に選ばれたら、その自句自解をということで、戸惑っておりま
す。                                 
《064 》の自句自解としては下記の通りです。              
 川は、切通しと同様に風の通り道になっており、気温、湿度、香りという季
節の雰囲気の変化を運んできます。初春のまだ寒い時でも、ほんの少しの温度
・湿度差と枕丁花等の香りが運ばれて、目に肌に鼻に「もうすぐ春ですよ」と
いう知らせを散歩の途中の目黒川を歩いても教えてくれます。       
 という感じです。                          
                                   
                                   
○豊宣光                               
                                   
 今回の選句結果の感想を送ります。                  
                                   
・最高点句「(033) 野に出でて名もなき草に見入る春」について      
 6人の方が選んでおられるのは、表現されているイメージと作者の心情がわ
かりやすかったからだと思います。もちろん、それはそれですばらしいのです
が、私が選ばなかった理由は最後の「春」という言葉の置き方にやや不満があ
ったからです。このままだと漠然としていて、作者にとってどういう春だった
のかということが伝わってきません。それが表現されていると、なおよかった
のではないでしょうか。                        
 そこで、作者の心情を私なりに解釈して次のように改作してみました。「春
の野にふと見つけたり名無し草」。あくまでも一例です。秋岡さん、すみませ
ん。                                 
                                   
・自句自解「(107) 永遠の熱き魂春の画家」               
 「春の画家」とはどういうことなのか、わかりにくかったかもしれません。
「草間彌生展に寄せて」と前書きがあったら、わかっていただけたことでしょ
う。4月のはじめ、草間彌生展を見にいこうとしたのですが、入場券を買うの
に長蛇の列で、これでは中に入ってもゆっくり見られないだろうと思い、引き
返してきました。もちろん実物を見るのが一番いいのですが、草間彌生の作品
は雑誌やテレビで見ていたので、どういうものかはだいたい知っていました。
今回の展覧会のタイトルは「わが永遠の魂」。その熱い芸術家魂に敬意を表し
て詠んだ句です。                           
 「草間彌生」の文字を入れようとしたのですが、字数が多いのと季語が入れ
られなかったので、こういう形になりました。              
                                   
 以上、長くなってしましました。他の人がどれだけ感想や自句自解を書いて
くれるのかわかりませんが、それを全部WEBにのせるとなると、かなり大変
な作業になるのではないでしょうか。うまく処理する方法を考えたほうがいい
かもしれません。私としては、少なくとも高点句(6点、5点、4点)の人の
自句自解は読みたいのですが。                     
 よろしくお願いします。                       
                                   
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 第二十回  ネット句会  作品集                    
                                   
  秋岡稔                               
・花咲けど無残なるかな天守閣                     
・火の国や城崩れ落ち花風吹                      
・野に出でて名もなき草に見入る春                   
・春の夢うつらうつらと朝寝坊                     
・春雨や小さき傘にふたりして                     
・黄水仙花壇の中の笑い顔                       
・十八の苦き思い出サクラチル                     
                                   
  秋元正宏                              
・店先に春見つけたり菜の花や                     
・満開の花に群れ飛ぶ小鳥たち                     
・満開の梢のメジロ蜜を追う                      
・銀盤の花も散るなり清々し                      
・防災に人集まりて和をつくる                     
                                   
  小野寺健                              
・花吹雪 泣いて故郷をいでにけり。                  
・ひかり降る 深山の里に 桜舞う                   
・夕去りて 白き牡丹の 眠りをり。                  
・薄紅の 牡丹おぼろに 古都は暮れ                  
・春暁や 牡丹の葉裏 ひかり満つ                   
・花筏 泣けとばかりに 春流る。                   
・生命 (いのち) 燃ゆ 古城の堀に 花筏 (いかだ)            
・石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ             
・楓萌え 娘の門出 風薫る                      
・春雷を聞きし故郷の 駅とほく                    
・畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草              
・花銀杏 けぶりて哀し 夜の雨                    
・芍薬の 芽に朝露の ひかりおり。                  
・菜の花や 群青の海 霞みおり。                   
・菜の花の 岬遥かに 海の青                     
・海風を 孕みて 浪に桜散る                     
・漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹                     
・葉桜の 影携えて 月のぼる。                    
・深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻               
・暮れてなほ 花新しき 白椿                     
・薔薇の芽の 紅きを洗ふ 雨降りぬ                  
・早暁の 雨にけぶりて 白椿                     
                                   
  小幡敏雄                              
 京都銀閣寺の東山です                        
・樹の中に ウグイスが鳴く 東山                   
・弾む春 古希と遊ぶ 孫娘                      
 奈良吉野です                            
・花吹雪 サクラに溺れる 吉野山                   
                                   
  吉良有二                              
・春を待つ 窓辺に歌う すずめ2 羽                  
・花満ちて フェアウェー芽吹き 春ゴルフ               
・君子蘭 花芽スクスク 春を告ぐ                   
・大都会 屋上集う 春の園                      
・肩車 遠くに見入る 幼き日                     
・成人に タバコくゆらせ 顔染める                  
                                   
  志方洋介                              
・水ぬるみ 花大根に 白き鷺                     
・残雪に 陽ざし残して 影法師                    
・山桜 優しさ同じ 今年また                     
・春霞 思い出枕に さゆり消え                    
・古希迎え 消したい記憶 まだうずく                 
・新緑に 残り桜は 何想う                      
・花散らし 夜来の雨に うぐいすが                  
                                   
 治部和隆                              
・抱いた子の目にどんよりと春の雨                   
・入園式色づく母子のほっぺかな                    
・球児らの悲喜交々と春はゆく                     
・演奏会母校のさくらスウィングす                   
 連チャンで花見をしてきて以上3 句                  
・目黒川かわもも見よと花筏                      
・グローバルな言葉の集い花蓆                     
・集いらの見上ぐる高き山桜                      
                                   
  中津川公一                             
 3月初旬に箱根を歩いて越えました。(2つ)             
・襟すぼめ 箱根路の春 氷点下                    
・湖(みず)ぬるむ 駅伝ゴール 海賊船                
・あたたかさ 歩幅も広く 上着とり                  
・春時雨 湧き水甘し 柿田川                     
 真新しいスーツ姿で親子が入学式                   
・入学式へ スーツ新調 そろい踏み                  
 彼岸に寺にまいり抹茶の接待を受けました               
・草餅におい 父母思う 墓まいり                   
                                   
  野澤宗平                              
・満開を待てぬと出る葉  寒し春                    
・涙目に  くしゃみ鼻水  春一番                    
・春雷に  孫の手をとり  へそ押さえ                  
                                   
  橋本直行                              
・窓開けて春風うたた寝足炬燵                     
・麦畑思い出遠く風渡る                        
・レンギョウの桜に負けじと黄に染まる                 
・喜びが弾ける親子桜咲く                       
・積上げし宮崎の思い出ゴルフ好き                   
                                   
  深瀬久敬                              
・春眠の妻起きたるを遠く聞き                     
・春の陽に保育園児らそぞろ行き                    
・桜見て生きてる意味をふと思ひ                    
・桜見る今年のわれの違い問ひ                     
・羽田沖機影まばゆき春の空                      
・遠き日の御殿場合宿春の空                      
・やはらかにひかり湛へし春の雲                    
・満を持す冷たき風の木の芽かな                    
・いく億年くり返すかな木の芽吹き                   
・満開の桜スマホにとどめけり                     
・雨桜相撲甚句の夜の宴                        
・たがために桜咲き散る問ひにけり                   
・桜散る天皇のため虚実あり                      
・駒東の正門想ひ春一句                        
・花びらの舞い散る景色今年また                    
・花吹雪ゴジラの眼にも涙かな                     
・エレ内の鏡に頭頂目をそむけ                     
・葉ざくらに半袖プレイ大厚木                     
・しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木                   
                                   
  藤原徹                               
・ぼんぼりに 夜空に映える 桜花                   
・春うらら 犬もうたたね 無心かな                  
・時めぐり 山々緑に 衣替え                     
・菖蒲畑 命こめ幾有余年 あるじ (主) 待つ              
・モコモコと わきたつ新芽 命の息吹                 
                                   
  宮澤猛                               
・散歩道 川面の風が 春を告げ                    
・薄霞 山の彩り 雉の声                       
・白ワイン 顔も心も 桜色                      
・鶯の 音色いまいち 春はまだ                    
・夢うつつ 入試の苦労で 若返り                   
                                   
 森杜瑯                               
・息子らの 人生道に 春とどけ                    
・困難に 今こそ笑みで 花明けり                   
                                   
  豊宣光                               
・春眠のさめて脳内ほの白し                      
・春の雨汚染土残し流れけり                      
・一〇代の恋の苦さやチューリップ                   
・老害の言い訳ばかり「記憶なし」                   
・永遠の熱き魂春の画家                        
・碁敵と対局終へて桜餅                        
                                   
                                   
                                   
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