2020年9月1日火曜日
七句会 第三十三回目のネット句会 選句のご依頼です。
七句会の皆様
コロナ禍とともにきびしい暑さの続く毎日ですが、みなさまお元気に
お過ごしのことと思います。
七句会としての第三十三回目のネット句会となりますが、今回、下記
109 句の投句がありました。
つきましては、次の要領で、選句をしていただきたく、よろしくお願
いいたします。
- 下記は、今回、投句していただいた全ての句を、作者を伏せ、兼題別
に、ランダムに列挙したものです。表記は、投句されたそのものです。
詞書きがあり、複数の句があるものは、まとめて並べてあります。兼題
句、自由題句、無季語句、川柳的な句、作者の特定が可能な句、等々、
なんでもありとしています。分類については、作者の意図と異なるかも
しれませんが、ご了承のほどお願いいたします。
- このなかから、共感する俳句を、最大7 句選び、9 月 6日 (日) まで
に、下記へメールで返信してください。番号表記でも構いません。その
際、選んだ理由を一言、付け加えていただくとなお結構です。全体への
コメントでも結構です。
hfukase@k03.itscom.net (事務方 深瀬)
- 蛇足ですが、選句にあたり、自作を選ぶのはご遠慮ください。
- 9 月上旬には、選句の結果をまとめ、皆さまにご報告する予定です。
今回の投句者は、秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子
さん、志方さん、治部さん、中津川さん、橋本さん、宮澤さん、豊さん、
深瀬 (以上12名) です。
初参加の新井さんは、上智大学社会福祉科OGで、今現在、国交省でお
仕事をされています。三四郎句会 (上智大学柔道部OB、日経新聞社OBを
中心とした句会) にも所属されています。
七回生の石田肇さん (元群馬大学教育学部教授 東洋史) から、先月
下旬、下記のご連絡をいただきました。
「いつも投句の案内多謝。
小生、何もしないものの、楽しく皆様の句を読んでいます。
関係の皆様によろしく。」
投句をしていただいた際、その句を詠んだ背景、等の説明が付された
いることがありますが、今回から、複数の句のまとまりの根拠を示す場
合などの必須と思われる場合除き、選句表では省略させていただくこと
にします。それらは、選句後の作品集、自句自解に掲載します。よろし
くお願いします。
これまでの選句結果は、下記のURL から参照可能です。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
以上、よろしくお願いいたします。
送付不要な場合、ご面倒ですがご一報下さい。以後、送付しないよう
にします。
七句会 2020.08.25
代表 橋口侯之介
顧問 豊 宣光
事務 深瀬久敬
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1.兼題 夏
(001) 夏が行くコロナと豪雨の跡残し
(002) 残像の花火まぶたに夏開き
(003) 気がつけば夏草しげる空き地かな
(004) 夏山の見守る童子の墓掃除
(005) 夏山の鉄鎖をたぐる修験道
(006) 夏場所や枡一人づつの拍手かな
(007) 首垂れし倉庫のロボット晩夏の陽
(008) 黒雲に稲妻走り夏来たる
(009) 年寄りにGOTO冥土令和の夏
(010) 夏定番帰郷ついでの伊勢参り
(011) 夏山のヌード写真の陰深く
(012) 秋霖や相合傘に誘われし
(013) 夏山の満天の星時止まる
(014) 夏の月原一面を霜に染め
(015) 秋暑し野良猫すずむ車影
(016) 夏山の小屋の夜に聴くシンフォニア
(017) 夏の月灼熱色に染まりあげ
(018) 夏山のジャンボ残骸35年
(019) 多摩川のかなたに輝く夏の富士
(020) 霧流れ晩夏を送る蒼き空
(021) 夏山の登山の列や雲に消え
(022) 奥州は夏野の駿馬雲速し
(023) 波の音潮のかほりや遠き夏
(024) 眼球の小さな痛み晩夏光
(025) 湯けむりの香りゆらめく夏山よ
(026) ワンゲルの夏山縦走セピア色
2.雑詠、無季語
(027) 蕎麦待たせ急ぐや奥の院緑
(028) 流れゆく信濃の道にそばの花
(029) 細き脛いつのまにかと老ひ覚る
(030) ひぐらしに魂還帰 (かえ) る杉木立
(031) 梅雨出水すべて球磨へと川辺川
(032) 梅雨明けのとなりの部屋に孫の声
(033) ジージーと蝉か耳鳴り惑う吾れ
(034) 笛の音に埋み火のごと心揺れ
初めての糸蜻蛉を2句。庭の菜園の散水時、 か細き
物飛ぶ。3cm にも満たない色美しい蜻蛉、 初めて見て
感動。 アジアイトトンボらしい。
(035) 茄子の葉に何処から生れし糸蜻蛉
(036) 糸蜻蛉その小ささ美しさ
(037) 星の夜半 (よわ) 生まれし蝉のうすみどり
(038) 梅雨明けて二週間後の夕涼み
(039) 数独や頭へクーラー家ごもり
(040) 豊満の裸身ゆさぶるカーニバル
(041) 梅雨明けた一斉唱歌で蝉知らせ
(042) 海恋し漁火 (いさりび) は哭き波の音
(043) 白南風や川面に揺らぐ海猫(ごめ)の群れ
(044) 里山を歩き懐古の水車
(045) 大川の川面の揺らぎ蝉の声
(046) 夕立がゲリラ豪雨に追いやられ
(047) 花筏木漏れ陽を背に春ながれ
(048) 三密を盥のうなぎ気にもせず
(049) 冷奴醤油無くして素の旨み
(050) 鎮魂の読経に和すや蝉時雨
(051) 巣ごもりにすっかり慣れて涼新た
(052) いつまでも人とはなにか問ひつづけ
(053) コロナ禍に雨雨雨雨天仰ぐ
(054) 大きさと色競うがごと百日紅
(055) 冷奴もめんのつやに癒されて
(056) 草いきれ鬨の声聴く衣川
(057) なって知る他人の苦への鈍感さ
(058) 熟れし桃コロナも好物ミツ三っつ
(059) 孫登山ロープウエイで先廻り
(060) 梅花藻の清水とたわむる山の宿
(061) 家籠り祭りもなしで日は巡り
(062) 目録のできしときには興味失せ
(063) 一陣の風興りきて峠越え
(064) 赤々と炎暑に凛と百日紅
(065) 太鼓腹ゆかたはみ出す父はるか
(066) 風蒼し墨のかほりに筆を置く
(067) 傘マーク続き紫陽花心地よし
(068) 朝ゲーム記録更新やめられず
(069) 帰り道夕飯うなぎ極楽道
(070) コスモスや修学旅行の大伽藍
(071) 足早に人波駅へ土用かな
(072) みじか夜に匂い残して百合の花
(073) 見飽きてもつい手にしてるスマホかな
(074) 白蓮や頭もたげて朝ひかる
(075) 経響き先祖迎えるメロンの香
(076) コロナ禍が廻り続ける走馬燈
(077) 麦秋の風頬に受け朋は逝き
(078) 栂ノ尾の山路登りて涼に触れ
(079) 蝉時雨風に揺られて小波立つ
(080) 無意識に時の流れるありがたさ
(081) 群青の海の岬に合歓の花
(082) 新緑や木漏れ日水面に万華鏡
(083) 夕凪に水面に映る朱華の雲
(084) 聞こえしは機械音ばかり残暑かな
(085) 雷雲は峰の谷間に風興 (おこ) し
(086) 自粛期間小銭が貯まりうな重を
(087) 冷蔵庫いっしょにいたね二十年
(088) 墨摺ればひぐらし啼きて風の音
(089) 水を撒くホースの虹に蜻蛉寄り
(090) うな重を受け取る手のひら幸満ちる
(091) 人類のひかりと闇の走馬灯
(092) 空に向くすがしき白のムクゲかな
(093) 角曲がり西日の中に母が待つ
(094) 屋形船客声静かに川下る
(095) 谷の闇蛍の乱舞黄泉 (よみ) に棲む
(096) 炎暑日に腰痛かかえ長き道
(097) 炎天に陽のにほひしてカンナ咲く
(098) 長崎も心こもらぬ誓いの辞
(099) つばくらめ (燕) 餌求め啼く雨の軒 (のき)
(100) UFCラウンドガール手を振って
(101) 弁当の宅配首に扇風機
(102) 朝顔や夕立ち過ぎて軒すだれ
(103) 盆明けて寂しき河原風立ちぬ
(104) つばくろ (燕) の囀り高く梅雨払う
(105) 生きている起伏のときをいくたびか
(106) 初老吹く尺八若葉の風に乗り
(107) 梅雨茸帰国れぬ選手に友の居て
(108) 幼きが敬老の日の慰問かな
(109) 碧き翅生命 (いのち) の限り蝉生まれ
注。余計かもしれませんが、やや難解と思われることばについて、ご参
考までに付します。
・梅花藻 バイカモ キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草の水草。夏の
季語。
・白蓮 はくれん 季語晩夏。
・白南風 しらはえ、しろはえ、しろばえ 梅雨が終わり空が明るくな
った頃、南東方面から吹いてくる夏の季節風。暗い梅雨空に吹く南風を
黒南風というのに対して、梅雨明けの明るい空に吹く風を白南風という。
・朱華 はねず 黄色がかった薄い赤色のことです。『万葉集』にもそ
の名が見られる由緒ある伝統色で、他に『波泥孺』『唐棣花』『棠棣』
『翼酢』などの字が当てられることもありました。
・百日紅 サルスベリ 夏。
・栂ノ尾 とがのお 京都市右京区梅ケ畑栂尾町周辺。
・梅雨茸 つゆだけ 仲夏。
・秋霖 しゅうりん 初秋のころのながあめ。
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