2021年5月16日日曜日

七句会 第三十五回目のネット句会 自句自解をお送りします。

 

 七句会のみなさま

 

 第三十五回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、

たいへんありがとうございました。

 およせいただいたものを、作品集とともに、名前順に、ほぼそのまままとめ

てお届けします。

   今回から服部さんにもお送りします。服部さんは、慶応大学工学部、日本航

空のOBであり、ゴルフ霞光会メンバーです。

 今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。

 七句会のweb  http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。

  今後とも、よろしくお願いいたします。

  深瀬 (事務方)

 

 

1.35  ネット句会  作品集

 

(01)新井さん

 

・災いも箱根も越える紫紺の旗

・新緑のランニングシャツ軽やかに

・春風にひよっこ踊る競技場

・春風の都の社にツーシーム

・東北の真夏にうなる豪速球

・ぶりっこのバブルを引きずる令和の日

・椿姫白い帽子のそっと咲く

・大輪の椿の香る八幡宮

・パンジーの風に揺れるや春浅し

・つぼみ見てふくらむ希望春浅し

・バレンタインデー高級チョコの似合うかな

・倉敷の柳の下に踊る傘

・糸柳孫三郎のお出迎え

・五十女ノースリーブの四月馬鹿

・葉山牛食べ放題と四月馬鹿

・春の宵甘い香りの頬なでる

 

(02)小野寺さん

 

・韃靼の夏野駆けるや青き月

・光降る雪解の小径疾風 (はやて) 舞ひ

・花冷えや夜更けて窓を風が哭き

・奥津城の風哭き止みて寒椿

・海鳴りに春雷和すや鐘とほく

・春待つや白寿の母の希望の絵

・春暮れて熱きを恃み海渡る

・文やぶる眸の奥に春は過ぎ

・黒髪の匂ひ乱れて花吹雪

・花散りて青葉に沈む寺のあり

・散る桜醍醐の宵に想い馳せ

・春の月濡れにし髪の艶めきて

・生き死にを超えて仏師の能面 (おもて)

・岩に散る波濤の飛沫 (しぶき) 花筏

・ためらひて言葉呑みけり春の宵

・したためし文の墨の香木の芽時

・月冴えて菜の花の海天に尽き

・落城の今際 (いまわ) の鬨 (とき) か花吹雪

・春暁や牡丹の花芽目覚めをり

・石垣に花散りしくや鬨 (とき) の声

・初蝶は光の風に流れをり

・巣作りの雀守りて春の雨

 

(03)吉良さん

 

・花吹雪ほほえみ残し恩師逝く

・蕗の薹苦みも美味し夫婦酒

・ビル風にさえづり乗せて燕舞う

・菜の花の絨毯織りし利根堤

・石畳ミモザ敷き詰め春祝う

 

(04)桑子さん

 

・今年又近場巡りの花見かな

・カサカサと夜のしじまに蚕(こ)の咀嚼

・犀星忌ぶらり探策旧居跡

・鶯の初音背に受けティーショット

・長閑なり浜辺に戯れる親子づれ

・コロナ禍に桜見るのも命懸け

 

(05)志方さん

 

・西陽さす富士の白肌春霞

・雪洞に色香を誘う宵桜

・幼児 (おさなご) が菜の花畑まあだだよ

・渺然と白波寄せる由比ヶ浜

・今年また花大根のそぞろ道

・春光に浅緑の風漂いて

・彩雲の山の端遠く朧月

 

(06)中津川さん

 

・梅枝をまだ咲かぬかとメジロ飛び

・豆撒けず檀徒まばらに節分会

・あの彼女(ひと)も今年限りと年賀状

・「黙食」とそば屋の春は味気なし

・はくれんがピンクの中に主張せり

・絨毯のごとビルの隣に梨花の棚

・花は盛り掟破りの送別会

 

(07)橋本さん

 

・何処までも初音に乗せてティーショット

・鶯にひととき静まる花見かな

・花を愛で鶯を聞く贅の時

・囀りに陽射し明るき樹間かな

・宴無くも花を求むる人出かな

・山門の花散りゆくも大師像

・下萌えの岸水満ちて鯉の群れ

 

(08)藤原さん

 

・春暁の流れる雲に夜があける

・桜並木ゴルフショット天高し

・ぬるま湯の朧月夜にもの思う

・風光る梅に戯れるメジロかな

 

(09)宮澤さん

 

・胸元に桜吹雪の着地点

・花見酒画面相手に酔いつぶれ

・春うらら惰眠の夢は幸多し

・水面に輪池の主が春知らせ

・夜桜は淡く輝き雨霞

・夜明け前春の足音密やかに

 

(10)柳町さん

 

・桜なき入学式の不可思議さ

・桜咲き黄砂禍悲し花筏

・桜咲く早めの春や気ぜわしく

・子等の聲桜吹雪の舞う奥に

 

(11)豊さん

 

・野に舞える蝶となりたる夢を見し

・菜の花や海の青さに負けぬほど

・花筏ライトアップの夜の川

・桜散る吹き寄せられて山となり

・朧夜や昔の女(ひと)の面影が

・十年を経て静かなり春の海

・パスポート更新すませ春の旅

・また一つ空室増えてビルの春

 

(12)深瀬

 

・春浅し振鈴駆ける永平寺

・春浅し断捨離の本山に積み

・突然死うわさ身に沁む浅き春

・散り際をわれも追ひたし落ち椿

・活け椿掛け軸の虎あいまみえ

・静かさや茶釜の脇の椿かな

・垣根沿ひ椿ひっそり過疎の村

・お堀端柳に刻む動乱史

・三度笠柳なで切るわらじびと

・地蔵さま柳にうたれ知らぬ顔

・母実家柳目印訪ねけり

・やなぎ背に羽織袴の女子大生

・止まらない特例国債万愚節

・万愚節たてまえ本音見え隠れ

・ウイルスと平和条約万愚節

・春めいてクラブ磨いて誘い待つ

・訃報次ぐ恩師の授業春の夢

・春の陽に去年 (こぞ) と変わらぬコロナかな

・付箋紙にすること書いて春昼寝

・看護士の緊迫走る春深夜

・距離感を互いに気にす花見かな

・花びらの散っては埋まる地をみつめ

・餌とれぬ老ライオンの死を見る眼

・座禅して時の重みに耐えるかな

・手術台パンツ下ろされ覚悟決め

・社会性ぬぎすて身軽あの世へと

 

 

2.35  ネット句会  自句自解

 

◎ 新井さんの自句自解

 

・災いも箱根も越える紫紺の旗

 センバツで東海大相模が優勝。コロナ禍を乗り越え、神奈川へ紫紺の大優勝

旗を持って帰ってきてくれたことは、嬉しいニュースです。

 

・新緑のランニングシャツ軽やかに

 近所の大学のグラウンド近くのカフェから、陸上部の練習を見つめていまし

た。トラック上の一コマです。

 

・春風にひよっこ踊る競技場

 近所の大学のグラウンド近くのタリーズカフェから、陸上部の練習を見つめ

ていました。若々しい大学生の方たちが、ひよこの様に見え、初々しさに思わ

ず詠みました。

 

・春風の都の社にツーシーム

 田中将大投手が楽天に戻ってきたこの春、楽しみです。

 

・東北の真夏にうなる豪速球

 楽天の田中投手の活躍が、本当に楽しみです。

 

・ぶりっこのバブルを引きずる令和の日

 もう還暦近い女子社員の時代錯誤に驚きます。

 

・椿姫白い帽子のそっと咲く

 ビルの中庭に椿が咲いています。雪の日には白い帽子をかぶって寒さに耐え

る姿が何とも愛らしかったです。

 

・大輪の椿の香る八幡宮

 鶴岡八幡宮に椿が咲いていました。大きい花で境内へと続く道を飾っている

ようでした。

 

・パンジーの風に揺れるや春浅し

 パンジーは春先にも元気に咲きます。寒風にさらされながら、鮮やかに咲い

ていました。

 

・つぼみ見てふくらむ希望春浅し

 枝先のつぼみが大きくなるのを見ると、今年一年への希望が湧きます。

 

・バレンタインデー高級チョコの似合うかな

 売り場で高級チョコを見つけると、高いチョコを買う人がいるのだろうかと

やや皮肉に見えてしまいます。

 

・倉敷の柳の下に踊る傘

 柳といえば、倉敷の川沿いの柳を思い出しました。踊り傘を差した女性が歩

いていました。旅の一コマです。

 

・糸柳孫三郎のお出迎え

 倉敷の柳の並ぶ川沿いの道を進んで、大原美術館へ着きます。入り口に大原

孫三郎の銅像がありました。あの頃は楽しかったです。

 

・五十女ノースリーブの四月馬鹿

 この季節、50代の女性がノースリーブを着ていました。嘘かと思いました。

 

・葉山牛食べ放題と四月馬鹿

 数年前、4 1 日にお誘いを受けました。実際に連れて行っていただいたの

は、しらす丼のお店でした。

 

・春の宵甘い香りの頬なでる

 仕事が終わって外に出たときの一コマです。 

 

 

  小野寺さんの自句自解

 

・春待つや白寿の母の希望の絵   (007) 7点句

  この度は白寿の母が描いた絵をテーマにした俳句が望外にも最高点を頂き大

変嬉しく思います。吉良さんや桑子さん治部さん他どの様な絵かとご質問あり

ましたのでご披露させて頂きます。 (20214 24日付けメールに添付。)

  小生は岩手県釜石の田舎町で育ちました。ご承知の様に東日本大震災で釜石

も壊滅的な津波被害を受けましたが、釜石市の復興委員から依頼されて、昨年

は小生が支援の絵を描きました。今年は震災から10年の節目の年として母が希

望をテーマに絵を依頼され、3 11の慰霊の式典に母の作品が絵葉書となり釜

石市長始め参列した市民に、配布されました。母は仙台在住ですが、お世話に

なった釜石の為にお役に立てた事を喜んでおります。

 

  ご参考1.桑子さんからのコメントとのやりとり

  お母様の絵にそういう経緯があるとは知りませんでした。単純に白寿になら

れても、どういう希望の絵を描かれるのだろうかと思った次第です。絵は力強

く復興に向けて皆で手を携えて頑張っていこうという想いが感じました(絵は

素人ですが)。 (桑子さん)

 

  大変ありがとうございます。大正10年生まれの母は7 人兄弟姉妹ですが母1

人が残り友人達も皆世をさりましたが、元気で絵を描いてます。震災復興支援

委員からの依頼で深い海の底から、皆で協力して希望の光を求めるというメッ

セージを込めたのだそうで桑子さんのご理解の通りです。この絵葉書が好評だ

ったので、来年の作品の依頼も頂く事になりました。 (小野寺さん)

 

  ご参考2.平島さんからのコメント

  実はこの句は小生経緯も評判も前以て存じあげておりこれに票を投じるのは

身贔屓の謂わばズルになるかもと敢えて票を投じませんでした。でも皆さんが

高い評価をされたことは鑑賞眼も高いと嬉しく思います。

  小野寺さんに送った僕の感想は釜石市もやるなあ!  100 歳になろうとされ

る老人に皆さんはまだ若いのだから希望を持って生きなさいと励まされている

みたいで元気をもらえて喜んでいる様子も目に浮かんで来ます。

  というようなものだったと記憶しています。兎も角おめでとう。

 

・ためらひて言葉呑みけり春の宵   (036) 3点句

  これだけは言おうと心に決めて逢いに来たのに言い出せないまま、言葉を呑

み込んでしまい、告白する機会を無くした己の不甲斐無さを悔いた春の宵。遠

い記憶がまざまざと蘇ります。平島さんの解説の通りです

 

・巣作りの雀守りて春の雨   (012) 2点句

  裏の家の二階戸袋に雀が巣を作り盛んに藁などを運んでおりました。雛の巣

立ちを無事迎える事を春の雨に託しました。

 

・韃靼の夏野駆けるや青き月   (024) 2点句

 11世紀壮大なモンゴル帝国を築いた開祖チンギスハーンがモンゴルゴル高原

を駆けぬける様を青い月が照らしながら追いかけてゆく、と詠んだものです。

 

・春暁や牡丹の花芽目覚めをり   (038) 2点句

 朝焼けの光に包まれた春暁、牡丹の花芽は冬の眠りから覚め開花に向けて呼

吸しているのだとハットさせられました。

 

・したためし文の墨の香木の芽時   (113)  2 点句

 正座して墨を擦り筆の手紙を書いてます。墨の香りと、ふと眼をやると窓の

外は新芽の香りがあり心が洗われるひとときです。平島さんの解釈に全く相違

ありません。

 

・花散りて青葉に沈む寺のあり   (044)  1点句

 桜の花が散り人の気配の無い寺を青葉が深々と包みこみ、静寂があたり一面

を覆っている様子を、青葉に沈む、と詠みました。吉良さんのご理解の通りで

す。

 

・黒髪の匂ひ乱れて花吹雪  (050) 1 点句

 黒髪の甘い匂いと散る桜の乱舞は遠い絵模様となり切ない悼みの記憶です。

 

・奥津城の風哭きやみて寒椿  (055) 1 点句

 訪れる人もない無縁仏の墓地にむせび泣くような風が止むと寒椿の赤い花が

人の世の無常を誘いました。

 

・光降る雪解の小径疾風 (はやて) 舞ひ  (064)  1 点句

 東北の故郷釜石の春を待つ雪解の小径に一陣の風と共に粉雪の結晶がキラキ

ラと光りながら流れてゆきました。

 

・初蝶は光の風を流れをり   (084)  1 点句

 豊さんの解釈の通りです。春先に生まれたばかりの頼りなげなうすばしろち

ようは光の風に流されておりました。

 

・春の月濡れにし髪の艶めきて   (008)  1点句

 春の宵濡れた黒髪は月の光を浴びて一層艶めいておりました。遠い記憶のし

かし鮮やかな一コマです。

 

 

◎ 吉良さんの自句自解

 

・花吹雪ほほえみ残し恩師逝く

 今年は駒東の多くの恩師の先生方の訃報をいただき、昨年の七夕会が中止に

なりお会いできず残念に思います。花吹雪で見送りたいと思い句をつくりまし

た。 

 

・蕗の薹苦みも美味し夫婦酒

 蕗の薹は日本の珍味で毎年1 回は楽しんでいます。コロナ禍、毎晩最期の晩

餐のつもりで食事をしていますが、この年になりこれからも心穏やかに過ごし

たいものです。  

 

・ビル風にさえづり乗せて燕舞う

 駿河台の20階ぐらいのビルの外壁にくぼみがあり、毎年燕が巣をつくり、空

を囀りながら飛ぶ光景が楽しめます。自然を感じることができてほっとします。

 

 

◎ 桑子さんの自句自解

 

 前回同様コロナ禍の中で、健康維持のため運動(ゴルフ)と散歩に励んでい

ます。今回もそれらに関連して詠んだものが多いです。

 

・鶯の初音背に受けティーショット

 ゴルフ日和に初音を聞いて、一緒にプレーしていた橋本さんからここで一句

と言われて作りました。(推敲してちょっと変わりましたが)

 

・長閑なり浜辺に戯れる親子づれ

 散歩の途中、間隔を開けながら遊ぶ家族連れ達がほほえましかったです。

 

・今年又近場巡りの花見かな

 散歩を兼ね3 密を避けて近所の桜の名所を巡っています。来年は遠出が出来

るかな?

 

・カサカサと夜のしじまに蚕(こ)の咀嚼

 NHK大河ドラマ「 青天を衝け」を見ていて、昔小学生の時亡父の実家に泊

まりに行った時のことを思い出しました。屋根裏の蚕棚がうるさくなかなか眠

れなかったのを覚えています。

 

・犀星忌ぶらり探策旧居跡

 室生犀星は田端近辺を5 回も転居したそうです。散歩がてらその跡を巡りま

した。

 

 

◎ 中津川さんの感想、自句自解

 

 4月の投句は春で全体に明るく暖かい句が多い様で楽しく拝見しました。

 

  私の句では4点を頂いた

・あの彼女(ひと)も今年限りと年賀状

  新年(2月初旬)に作っていたいくつかの句の中から出してみました。多分

春の句が多いと思ったので、多少目立つかなと思っていました。

 

  その他ではできるだけ " ()"以外を題として、梅、木蓮、梨花で作った

ものを提出しました。次の3です。

・梅枝をまだ咲かぬかとメジロ飛び

・絨毯のごとビルの隣に梨花の棚

・はくれんがピンクの中に主張せり

  表現力が今一つ足りない様です。

 

 

  豊さんの感想、自句自解

 

  最高点句は私もいい句だと思いましたが、きっと何点か入るに違いないと思

ったので、あえて選びませんでした。それが7 点。これまでの選句でも最高で

はないでしょうか。皆さんの鑑賞眼に改めて感心させられました。

 

 さて、私の一句です。

・桜散る吹き寄せられて山となり

 これは、「花吹雪吹き寄せられて積もりけり」としたほうがよかったと反省

しました。

・花筏ライトアップの夜の川

 川岸の桜並木がライトアップされた景色を詠んだつもりだったのですが、う

まく伝わらなかったようです。弘前城のお堀の夜の桜の花筏を思い浮かべてい

ただけるとありがたいです。

 

 

◎ 深瀬の自句自解

 

・春浅し振鈴駆ける永平寺

  まだ残雪も多い早朝、起床を告げる鈴を振って、長い廊下を走っていく僧の

様子です。

 

・春浅し断捨離の本山に積み

  もう読まないだろうと思う本を本棚から取り出し積み重ねました。一応、ス

マホで背表紙を写真に撮りました。

 

・突然死うわさ身に沁む浅き春

  最近は、人の死の聞いてもひとごととは思えなくなりました。

 

・散り際をわれも追ひたし落ち椿

  椿は散るとき、花ごと落ちるそうです。

 

・活け椿掛け軸の虎あいまみえ

  床の間に飾ってある花瓶の椿と掛け軸に描かれた虎の取り合わせを想像して

みました。

 

・静かさや茶釜の脇の椿かな

  茶道をたしなむ訳ではありませんが、静かな茶室に思いを寄せてみました。

 

・垣根沿ひ椿ひっそり過疎の村

  過疎化した村里の生け垣に咲く椿を想像してみました。

 

・お堀端柳に刻む動乱史

  国会図書館から桜田門、第一生命ビルなどを見ながら有楽町まで歩きました

。堀端の新緑の柳がきれいでした。

 

・三度笠柳なで切るわらじびと

  柳田國男はわらじの履き心地を愛したそうです。その気持ちをヒントに詠み

ました。

 

・地蔵さま柳にうたれ知らぬ顔

  お地蔵様の超然した様子に思いを寄せてみました。

 

・母実家柳目印訪ねけり

  母の実家は秋田県横堀 (現湯沢市。小野小町の出生地。) ですが、入り口の

横に大きな柳の木があります。

 

・やなぎ背に羽織袴の女子大生

  やなぎの緑と羽織袴の色彩的コントラストを詠みたいと思いました。

 

・止まらない特例国債万愚節

  毎年のように法律違反の赤字国債を発行し続けるということにはやはり強い

違和感を覚えます。

 

・万愚節たてまえ本音見え隠れ

  エイプリルフールの嘘にも、本音と建前が入り交じっている感じがします。

 

・ウイルスと平和条約万愚節

  新型コロナウイルスの変異とmRNAワクチンの開発のせめぎ合いはどうなるの

でしょうか。

 

・春めいてクラブ磨いて誘い待つ

  ゴルフは、やはり春になってから始めたいと思います。

 

・訃報次ぐ恩師の授業春の夢

  今まで毎年の同窓会に参加されていた恩師の訃報が相次いでいます。遅沢先

生のお墓がわたしと同じ五百羅漢寺の2 階でした。

 

・春の陽に去年 (こぞ) と変わらぬコロナかな

  コロナウイルスとの戦いを見くびったようです。ワクチン接種で鎮静化する

ことを祈るばかりですが。

 

・付箋紙にすること書いて春昼寝

  することリストの管理に妙手はなかなか見つかりません。付箋紙のうまい活

用法があれば知りたいと思っています。

 

・看護士の緊迫走る春深夜

  双牛舎という句会のweb 「わたしの俳句館」に、ガンを患う作者による「短

夜やナースしずかに来ては去り」、「冴ゆる夜のかくもしづかに妻とゐて」と

いう句が掲載されています。すごいなと思い、少しまねしてみました。

 

・距離感を互いに気にす花見かな

  今年も目黒川の花見に出かけましたが、ここでもソーシャルディスタンスで

した。

 

・花びらの散っては埋まる地をみつめ

  散ってくる花びらが次から次に地面を覆っていく様です。

 

・餌とれぬ老ライオンの死を見る眼

  老いて獲物を捕れなくなったライオンに、餌を与えてくれる仲間はいないよ

うです。この方が自然かもしれません。

 

・座禅して時の重みに耐えるかな

  腰のしたに厚い敷物を置いて座るとかなり長時間、平気で座れます。

 

・手術台パンツ下ろされ覚悟決め

  病室から手術室まで車椅子で移動され、手術室の看護婦さんによって衣類を

脱がされました。

 

・社会性ぬぎすて身軽あの世へと

  あの世に旅立つときも、次第に身近に感ずるようになりました。

 

 

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2021年4月23日金曜日

七句会 第三十五回目のネット句会 選句結果をご報告します。

 

 七句会のみなさま

 

 第三十五回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

今回の選句結果をご報告いたします。

 

  7 点句

(007) 春待つや白寿の母の希望の絵           小野寺

 

  5 点句

(067) 蕗の薹苦みも美味し夫婦酒            吉良

 

  4 点句

(006) 散り際をわれも追ひたし落ち椿          深瀬

(062) あの彼女(ひと)も今年限りと年賀状       中津川

 

  3 点句

(028) 春浅し振鈴駆ける永平寺             深瀬

(029) 十年を経て静かなり春の海            豊

(036) ためらひて言葉呑みけり春の宵          小野寺

(081) 付箋紙にすること書いて春昼寝          深瀬

(088) ぬるま湯の朧月夜にもの思う           藤原

(094) 花吹雪ほほえみ残し恩師逝く           吉良

 

  2 点句

(002) 春めいてクラブ磨いて誘い待つ          深瀬

(010) 鶯にひととき静まる花見かな           橋本

(012) 巣作りの雀守りて春の雨             小野寺

(014) 静かさや茶釜の脇の椿かな            深瀬

(016) 梅枝をまだ咲かぬかとメジロ飛び         中津川

(019) 鶯の初音背に受けティーショット         桑子

(024) 韃靼の夏野駆けるや青き月            小野寺

(025) 幼児 (おさなご) が菜の花畑まあだだよ      志方

(030) 夜桜は淡く輝き雨霞               宮澤

(031) 花を愛で鶯を聞く贅の時             橋本

(038) 春暁や牡丹の花芽目覚めをり           小野寺

(045) 手術台パンツ下ろされ覚悟決め          深瀬

(079) 訃報次ぐ恩師の授業春の夢            深瀬

(113) したためし文の墨の香木の芽時          小野寺

(118) 囀りに陽射し明るき樹間かな           橋本

 

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、今年6 7 月ころにご連絡したいと思っていますので、よ

ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連

絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。

 

(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の14名が参加しました。

  新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さん、中津川

さん、橋本さん、平島さん、藤原さん、宮澤さん、柳町さん、豊さん、深瀬。

 

(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  5 14日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

  2021.04.23

      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬

 

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(001) 葉山牛食べ放題と四月馬鹿            新井 0115

(002) 春めいてクラブ磨いて誘い待つ          深瀬  1216

      1 新井    ウキウキした感じが伝わってきます。

      2 吉良    ようやく冬が終わり、ゴルフシーズンを迎えるゴルフ

           愛好家の気持ちが良く表現されています。

(003) 石垣に花散りしくや鬨 (とき) の声        小野寺0220

(004) 花見酒画面相手に酔いつぶれ           宮澤  0902

(005) パスポート更新すませ春の旅           豊    1107

(006) 散り際をわれも追ひたし落ち椿          深瀬  1204

      1 桑子    ピンピンコロリと理解しました。同感です。

      2 中津川

      3 柳町

   4 小野寺  実際に死に直面したらわかりませんが限りある命が終

       わる時は椿の花の様に端然と逝きたいものです。

(007) 春待つや白寿の母の希望の絵           小野寺0206

      1 新井    心が温まる作品です。

      2 吉良   待ちわびた春の花を、白寿の母親ご自身が絵に描かれ

           るエネルギーが皆に希望を与えると解釈しました。素晴

           らしいことです。

      3 桑子    希望の絵とはどういう絵でしょうか?興味をそそりま

           す。

      4 治部    お母様の絵拝見したことありますよ。お元気で何より

           です。

      5 中津川

      6 橋本

      7 深瀬    説得力に溢れている感じがしました。

(008) 菜の花や海の青さに負けぬほど          豊    1102

      1 志方

(009) コロナ禍に桜見るのも命懸け           桑子  0406

(010) 鶯にひととき静まる花見かな           橋本  0702

      1 吉良   鶯の声は都会では珍しいものとなりましたが、花見の

           客が一瞬静寂に鳴き声に聞き入っている様子が感じられ

           ます。

      2 志方 

(011) 万愚節たてまえ本音見え隠れ           深瀬  1214

(012) 巣作りの雀守りて春の雨             小野寺0222

      1 橋本

      2       軒先に雀の巣ができているのを見つけた。卵を生み雛

           が生まれるまで、どうか無事であってほしい。そんな作

           者のやさしい気持ちが出ています。

(013) 山門の花散りゆくも大師像            橋本  0706

(014) 静かさや茶釜の脇の椿かな            深瀬  1206

      1 中津川

      2 藤原

(015) 大輪の椿の香る八幡宮              新井 0108

(016) 梅枝をまだ咲かぬかとメジロ飛び         中津川0601

      1 橋本

      2 宮澤    枝から枝を飛び回るメジロの目は大きく、いつもキョ

           ロキョロ何かを探している。そうか、梅の咲くのを待っ

           ているのか?

(017) 地蔵さま柳にうたれ知らぬ顔           深瀬  1210

      1 志方 

(018) 海鳴りに春雷和すや鐘とほく           小野寺0205

(019) 鶯の初音背に受けティーショット         桑子  0404

      1 深瀬    冬の寒さが和らぎ、ゴルフシーズン到来の雰囲気を実

           感します。

      2 小野寺  鶯の初音聞きながらのドライバーショットは心晴れて

       爽快でしょう。

(020) 散る桜醍醐の宵に想い馳せ            小野寺0211

(021) 距離感を互いに気にす花見かな          深瀬  1221

(022) 子等の聲桜吹雪の舞う奥に            柳町  1004

      1 宮澤    宴会が禁止された花見では、子供の声がいつもに増し

           て聞こえてくる。大人はこれで満足するしかなさそうで

           す。

(023) 春の陽に去年 (こぞ) と変わらぬコロナかな    深瀬  1218

(024) 韃靼の夏野駆けるや青き月            小野寺0201

      1 柳町

      2       モンゴルの英雄チンギスハンを詠んだものですね。「

           青き月」がうまく効いています。

(025) 幼児 (おさなご) が菜の花畑まあだだよ      志方  0503

      1 吉良   菜の花畑でかくれんぼをしている可愛らしい句です。

      2 平島    週刊新潮の表紙の絵 とか サトー ハチローの詩の

           世界。郷愁を誘います。童心も蘇ります。

(026) 新緑のランニングシャツ軽やかに         新井 0102

(027) 石畳ミモザ敷き詰め春祝う            吉良  0305

(028) 春浅し振鈴駆ける永平寺             深瀬  1201

      1 平島    春とはいえまだ寒い北国の凛とした空気を振るわせ済

           んだ音で鈴を鳴らせて階段を駆け上がる若い修行僧。日

           本の禅宗美。

      2 藤原

      3 小野寺  春まだ浅い永平寺の境内の石段を駆け抜ける鈴の音が

       晴れやかに聞こえる気配ですね。

(029) 十年を経て静かなり春の海            豊    1106

      1 桑子   

      2 治部   震災から10年。うそのように静かな海が見えてきます。

      3 中津川

(030) 夜桜は淡く輝き雨霞               宮澤  0905

      1 新井    美しい光景が浮かびます。

      2 小野寺  暖かい春雨の中にふわりと浮かぶ夜桜はコロナの時代

       しみじみとした感慨を誘います。

(031) 花を愛で鶯を聞く贅の時             橋本  0703

      1 藤原

      2 宮澤    いいですね。花を見て、鶯聞いて幸せが満たされたら、

           後は酒となれば贅の極みですが、家飲みで我慢しましょ

           う。

(032) 春暮れて熱きを恃み海渡る            小野寺0207

(033) バレンタインデー高級チョコの似合うかな     新井 0111

(034) 「黙食」とそば屋の春は味気なし         中津川0604

      1 橋本

(035) 春暁の流れる雲に夜があける           藤原  0801

(036) ためらひて言葉呑みけり春の宵          小野寺0215

      1 治部   何を言おうとしたのかがとても気になります。

      2 平島    これだけは言おうと思って来たのに何故か言えずつい

           呑み込んでしまい、またしてもチャンスを捉えらえなか

           ったもどかしい悔しい暖かい春の宵 

      3 深瀬    なにをためらったのか、いろいろ想像を膨らまされま

           した。

(037) 止まらない特例国債万愚節            深瀬  1213

(038) 春暁や牡丹の花芽目覚めをり           小野寺0219

      1 新井    春の訪れ第一歩、はっとしたような感じを受けます。

      2 中津川

(039) 春光に浅緑の風漂いて              志方  0506

      1 藤原

(040) 長閑なり浜辺に戯れる親子づれ          桑子  0405

      1 柳町

(041) 垣根沿ひ椿ひっそり過疎の村           深瀬  1207

(042) 東北の真夏にうなる豪速球            新井 0105

(043) 胸元に桜吹雪の着地点              宮澤  0901

(044) 花散りて青葉に沈む寺のあり           小野寺0210

      1 吉良   桜が散りはて、人のいない静寂さを取り戻した寺の様

           子を「青葉に沈む寺」とピッタリ表現した良い句です。

(045) 手術台パンツ下ろされ覚悟決め          深瀬  1225

      1 新井    ものすごくリアルに伝わってきます。

      2 桑子    まな板の鯉ですね、面白いです。

(046) 野に舞える蝶となりたる夢を見し         豊    1101

      1 小野寺  蝶になって野原を舞う夢は心が軽くなるような想いへ

       の憧れでしょうか。

(047) パンジーの風に揺れるや春浅し          新井 0109

(048) 夜明け前春の足音密やかに            宮澤  0906

(049) 花びらの散っては埋まる地をみつめ        深瀬  1222

(050) 黒髪の匂ひ乱れて花吹雪             小野寺0209

      1 吉良   色っぽい句ですね。

(051) 下萌えの岸水満ちて鯉の群れ           橋本  0707

      1 桑子   

(052) 倉敷の柳の下に踊る傘              新井 0112

(053) ウイルスと平和条約万愚節            深瀬  1215

(054) 桜散る吹き寄せられて山となり          豊    1104

(055) 奥津城の風哭き止みて寒椿            小野寺0204

      1 柳町

(056) 糸柳孫三郎のお出迎え              新井 0113

(057) 今年又近場巡りの花見かな            桑子  0401

      1 平島    コロナで身動きの取れない最近の日々。それでも桜は

           咲き自然の営みは淀みなく続いて行く。毎年同じなのに

           それも身近に今年は何か違うものが見えて嬉しい。

(058) 菜の花の絨毯織りし利根堤            吉良  0304

      1 志方 

(059) 災いも箱根も越える紫紺の旗           新井  0101

(060) 水面に輪池の主が春知らせ            宮澤  0904

(061) 桜咲く早めの春や気ぜわしく           柳町  1003

(062) あの彼女(ひと)も今年限りと年賀状       中津川0603

      1 桑子    欠礼の挨拶が続く中、特に数少ない?女友達からはシ

           ョックが大きいです。

      2 志方 

      3 深瀬    小学校か大学かの同級生か。老いの心境の吐露だと同

           感します。

      4 小野寺  続いて来た年賀状も今年限りとする彼女には人に言え

       ない未練でもあったのでしょうか。

(063) 春の宵甘い香りの頬なでる            新井 0116

(063) 1 宮澤    春は、花鳥の見聞で、感じられることが多いと思って

           いましたが、香りという臭覚だけでなく、肌の触覚でも

           感じられるとは羨ましいです。

(064) 光降る雪解の小径疾風 (はやて) 舞ひ       小野寺0202

      1 志方 

(065) 春浅し断捨離の本山に積み            深瀬  1202

(066) 桜並木ゴルフショット天高し           藤原  0802

(067) 蕗の薹苦みも美味し夫婦酒            吉良  0302

      1 志方 

      2 橋本

      3 平島    長年連れ添ってお互い酸いも甘いも味わい尽くし蕗の

           苦みも美味しいなあと酌み交わす酒の旨さよ。お互いの

           思いやりがほんのりと出て人生も良いなあ!

      4 深瀬    長年連れ添った夫婦愛をしみじみ感じます。

      5       蕗の薹のお浸しをつまみにして、なかむつまじく酒を

           酌み交わしている夫婦。平和な風景が目に浮かびます。

(068) 絨毯のごとビルの隣に梨花の棚          中津川0606

(069) 春風の都の社にツーシーム            新井 0104

(070) 生き死にを超えて仏師の能面 (おもて)       小野寺0213

(071) 桜なき入学式の不可思議さ            柳町  1001

(072) 三度笠柳なで切るわらじびと           深瀬  1209

(073) 朧夜や昔の女(ひと)の面影が          豊    1105

      1 小野寺  春の朧月夜、ふと心をよぎるのはあの人との切ない別

       れだったのでしょうか。

(074) 今年また花大根のそぞろ道            志方  0505

      1       散歩の途中で、ふと道端に花大根の花が咲いているの

           を見つけた。そういえば、去年も同じ所に咲いていたっ

           け。「そぞろ道」がうまいですね。

(075) 月冴えて菜の花の海天に尽き           小野寺0217

(076) 座禅して時の重みに耐えるかな          深瀬  1224

(077) 彩雲の山の端遠く朧月              志方  0507

(078) 椿姫白い帽子のそっと咲く            新井 0107

(079) 訃報次ぐ恩師の授業春の夢            深瀬  1217

      1 治部   今年は二人の恩師が相次いで旅立ちました。

      2 柳町

(080) 花筏ライトアップの夜の川            豊    1103

(081) 付箋紙にすること書いて春昼寝          深瀬  1219

      1 新井    覚えると役に立つ、実践的な句です。たくさんの方に

           ご紹介したいです。

      2 中津川

      3 宮澤    今日はこれをしようと決めて安心、一休み。目覚めて、

           付箋紙がどこかへいってしまい、明日の予定を書いても

           う一休み。

(082) 宴無くも花を求むる人出かな           橋本  0705

(083) 花は盛り掟破りの送別会             中津川0607

(084) 初蝶は光の風に流れをり             小野寺0221

      1       春らしい明るい風景が詠み込まれていて、いい句だと

           思います。「光の風に流れをり」が、蝶の飛んでいる様

           子をきれいに表現しています。

(085) 雪洞に色香を誘う宵桜              志方  0502

(086) やなぎ背に羽織袴の女子大生           深瀬  1212

(087) 春の月濡れにし髪の艶めきて           小野寺0212

      1 藤原

(088) ぬるま湯の朧月夜にもの思う           藤原  0803

      1 橋本

      2 平島    ぬるい湯にのんびりと足を伸ばし見上げる月はおぼろ

           に霞んでいる。何を思うのかなあ!ぼんやりと はっき

           りしない!  それがいろいろと思いの内容の想像を巡ら

           せてくれます。

      3 柳町

(089) つぼみ見てふくらむ希望春浅し          新井 0110

      1 藤原

(090) 社会性ぬぎすて身軽あの世へと          深瀬  1226

(091) カサカサと夜のしじまに蚕(こ)の咀嚼      桑子  0402

      1       いまや、蚕を飼っていた農家があったことなどすっか

           り忘れられています。昔の人の苦しい生活が思い出され

           ます。

(092) 豆撒けず檀徒まばらに節分会           中津川0602

(093) 活け椿掛け軸の虎あいまみえ           深瀬  1205

      1 吉良   茶室の掛け軸の虎が生きているようにツバキを見てい

           る発想が面白く感じました。

(094) 花吹雪ほほえみ残し恩師逝く           吉良  0301

      1 橋本

      2 深瀬    「ほほえみ残し」に恩師の人柄を感じます。

      3 藤原

(095) 餌とれぬ老ライオンの死を見る眼         深瀬  1223

(096) 桜咲き黄砂禍悲し花筏              柳町  1002

(097) 春うらら惰眠の夢は幸多し            宮澤  0903

(098) 文やぶる眸の奥に春は過ぎ            小野寺0208

(099) はくれんがピンクの中に主張せり         中津川0605

(100) 岩に散る波濤の飛沫 (しぶき) 花筏        小野寺0214

(101) 風光る梅に戯れるメジロかな           藤原  0804

(102) ビル風にさえづり乗せて燕舞う          吉良  0303

      1 新井    都会でたくましく、生き生きと生きる燕たちの様子が

           目に浮かびます。

(103) ぶりっこのバブルを引きずる令和の日       新井 0106

(104) お堀端柳に刻む動乱史              深瀬  1208

(105) 落城の今際 (いまわ) の鬨 (とき) か花吹雪    小野寺0218

(106) 何処までも初音に乗せてティーショット      橋本  0701

      1 桑子    ナイスショットの光景が目に浮かびます。

(107) 犀星忌ぶらり探策旧居跡             桑子  0403

      1 深瀬    「ふるさとは遠きにありて思ふもの/ そして悲しくう

           たふもの」の金沢出身室生犀星の旧居とは、文学的雰囲

           気に引き込まれます。

(108) 西陽さす富士の白肌春霞             志方  0501

(109) 五十女ノースリーブの四月馬鹿          新井 0114

(110) 突然死うわさ身に沁む浅き春           深瀬  1203

      1 柳町

(111) 渺然と白波寄せる由比ヶ浜            志方  0504

(112) 看護士の緊迫走る春深夜             深瀬  1220

(113) したためし文の墨の香木の芽時          小野寺0216

      1 治部   墨の香と山椒の香なんと香しき一時か

      2 平島    心を込めて書いた筆の手紙。正座して墨をすりその香

           りと同時に感じる木の芽の香りやら成長の兆しなど自然

           は更に奥深いなあ。

(114) 母実家柳目印訪ねけり              深瀬  1211

(115) また一つ空室増えてビルの春           豊    1108

      1 治部   不動産経営の大変な春ですね。

(116) 春風にひよっこ踊る競技場            新井 0103

(117) 花冷えや夜更けて窓を風が哭き          小野寺0203

(118) 囀りに陽射し明るき樹間かな           橋本  0704

      1 中津川

      2 宮澤    葉の影の風で動く様が、姿は見えない鳥の囀りと同期

           しているようような気がします。

 

 

  追記

  選句をお寄せいただいたときの、コメントをご紹介しておきます。

 

・新井さん

  お陰様で、大変楽しくすべての句を読ませていただきました。

  日常の一コマから、文学的に格調高いとかんじるものまであり、楽しいです

ね。

  皆さんのお心を生き生きと映し出す素晴らしい作品ばかりでした。

 

・橋本さん

  松山がマスターズで優勝し、日本人もメジャーで勝てることを示してくれま

した。一ゴルフ愛好者としても喜ばしい限りです。

  コロナ禍は未だ未だ気が抜けませんね、ワクチン接種まで何とか乗切たい。

  以下選句しましたので、ご連絡致します。

  春の句で、ほんわかとしたユーモアのある物憂い等を詠ん

だ句を選びました。

 

・宮澤さん

  気持ちの良い季節になってきましたが、コロナのおかげで今一つすっきりし

ない日々が続きます。いかがお過ごしですか。

  白金台一丁目前町会長が昨年末亡くなり、高齢化による後継者不足で小生に

お鉢が待ってきました。4 10日に新会長に選出され、想定以上の手続きで忙

しくバタバタしています。

 それでも、そこそこ元気で過ごしています。

 

・柳町さん

  コロナウィルスも新型となりなかなか収束の気配がありませんね!!  そん

な訳でしばらくは静かにして居ましょう。

  PS: 先日、風呂で倒れ、家内が慌てて救急車を呼ぶ騒ぎを起こしました。暑

い風呂で「湯あたり」を起こしたようです。お互い体に注意しましょう。

 

 

2021年2月16日火曜日

七句会 第5 回 自由連句プロセス

  七句会 第5 回 自由連句プロセス


 初折表

01 発句  秋   白菊を一輪供え別れかな           (豊) 

02 脇   月     酒盃に映る下弦の月も              (志方) 

03  第三    秋     秋の空希望の灯り照らすらん        (新井)  

04  四句目  雑             駿馬疾駆せん草原の夢                    (吉良) 

05  月の座 夏  韃靼の夏野翔けるや蒼き月                    (小野寺) 

06  折端  夏       蛍となりし義経あわれ                  (豊) 


 初折裏

07  折立   雑   屋島にはうどんに欠かせぬネギ生姜          (志方) 

08  二句目  恋             肩寄せ聞いた「青春時代」              (深瀬) 

09  三句目  恋     カキツバタ笑み忘れしや君と老ゆ             (吉良) 

10 四句目  雑        早朝のさざ波青く今井浜                      (新井) 

11  五句目  雑    母として初めての子を抱く笑顔                 (豊) 

12 六句目  雑       夭夭たる子華燭の日待つ                      (小野寺) 

13  月の座  冬月   家出してひとり見上げし冬の月                (深瀬) 

14  八句目  冬             孫の靴跡霜柱踏み                         (志方) 

15  九句目  雑      光降る雪解の小径疾風 (はやて) 舞ひ       (小野寺) 

16  十句目  雑          大河をたどり黄金郷へ                   (吉良) 

17  花の座  花       としまえん回転木馬の華は散り                (新井) 

18  折端    春                一年生は胸膨らませ                       (豊) 


  名残表

19  折立    春       春陽うけ修羅場くぐりし過去想ふ           (深瀬) 

20  二句目  雑             つくしの頭目じりが下がり              (新井) 

21  三句目  雑      雲に乗り幸せ探す旅に出る                  (豊) 

22  四句目  雑            春雷和すや鎮魂の鐘                   (小野寺) 

23 五句目 夏  東北のマウンドに立つメジャー球         (新井) 

24  六句目  夏                 六甲おろしよ七夕飾れ                 (志方) 

25  七句目  雑        琵琶の音の諸行無常もコロナ禍に         (深瀬) 

26  八句目  恋                 一人寂しく「枯れ葉」を歌う      (吉良) 

27 九句目  恋      寒い朝思い続けて半世紀                    (志方) 

28  十句目  雑                 オペラ座へ行くフランス旅行      (豊)   

29  月の座  月    天空に恋路映せる月あかり                 (吉良) 

30 折端  秋           相撲部屋にて別れの秋に             (新井) 


  名残裏

31  折立    秋      丸型の七輪にのせ秋刀魚焼く                (豊)  

32  二句目  雑           ニシン御殿の大漁いずこ              (小野寺) 

33  三句目  雑   老い桜切り株哀し池影なく                (志方) 

34  四句目  雑              アクリル板に世相行き交う           (深瀬) 

35 花の座  花   感染の鬱吹き飛ばせ散る桜                (小野寺) 

36  挙句  春           川みず温み命はぐくむ                (吉良) 




  ご参考  詠み手による付け筋


01 発句  駒東の同級生をはじめ、有名無名に限らず、コロナに感染して亡

     くなった人が出た一年でした。その人たちへの追悼の思いを込めま

     した。 (豊さん。20.11.25) 

02 脇   コロナ下で、墓参もままならぬ酒好きの朋に、捧げた一杯を繋い

     でみました。 (志方さん。21.02.16) 

03  第三     秋になれば、ワクチンの効果も表れ、今よりずっと安心で経済も

                活発化しているのではないか…、という期待です。

                   …、本心としましては、ちょっと幼いですが、まあいつも幼いと

                 思います。それから、ちょっと「悼む」感じの句が続いていたので、

                 急に明るくすると不謹慎かと思ったのですが、そういう気を回す必要

                 はなさそうですね。 (新井さん。21.02.18)

                (はじめにいただいた句が、亡くなった人を偲ぶような感じでしたので、

                僣越ですが、わたしから少しコメントしました。深瀬) 

04  四句目    雲一つない澄んだ秋空は果てしない草原を想像させます。漢文の

     清田先生、河村先生の授業で男のロマンを掻き立てるこんな話を聞いた

     ように思います。 (吉良さん。21.02.19)

05  月の座     やはり、川村先生の漢文の授業を思い出しております。モンゴル

              大高原を疾駆して東西に大帝国を築いた元民族の興亡の歴史を眺めた蒼い

              月に思いを馳せます。   (小野寺さん。21.02.20)

06  折端    蒼き狼チンギスハーンは源義経ではないかという伝説があります。

               表六句には人名を詠んではいけないという式目があるようですが、

               前句までの流れに関連させてあえて入れてみました。 (豊さん。21.02.20)


 初折裏

07  折立     瀬戸内は源平の戦跡が、観光名所として八百年の時空を超え、当

              時を偲んで変わらぬ輝きを放っております。現在は、讃岐うどんの

              名店があり、本四架橋工事時代によく通いました。源平といえば主役は

              義経、讃岐うどんといえば釜揚げに、ネギと生姜。うどんの発生は、

              空海が唐から持ち込んだものとされており、西域を通してローマにも伝

              わり、パスタになったようです。あの白いうどんが、日本、中国、西欧

             と繋がっていることに、何かしら壮大なロマンを感じます。転換が自由

             過ぎますかね? 志方より(今日は禁酒日です) (志方さん。21.02.20)

08  二句目   前句が、視覚、味覚、嗅覚という感じですので、触覚と聴覚にしました。

      「青春時代」は森田公一とトップギャランの1976年ころのヒットです。70歳を過

      ぎた今聞いてもかなり新鮮な感じがします。歌詞概要は「卒業までの 半年で

        答を出すと言うけれど  二人が暮らした年月 (としつき) を  何で計ればい

      いのだろう  青春時代が夢なんて  あとからほのぼの想うもの  青春時代の真

      ん中は  道に迷っているばかり。二人はもはや 美しい  季節を生きてしまっ

      たか  あなたは少女の時を過ぎ  愛を悲しむ女 (ひと) になる  青春時代が夢

      なんて  あとからほのぼの想うもの  青春時代の真ん中は  胸に刺 (とげ) さ

      すことばかり。」  (深瀬。21.02.21)

09  三句目 青春時代とは真逆の老人の恋。認知症になり顔の表情が乏しくなっ

    てもなお、昔の思い出を懐かしんでいる老人。カキツバタは幸せの花言葉で、

    高校の古文で習った在原業平の和歌で覚えています。もともと恋は苦手で

    難しいテーマ。  (吉良さん。21.02.22)

10 四句目 カキツバタの青さを思い浮かべたときに、20年程前に行った今井浜

    での海の青さを思い出しました。   (新井さん。21.02.23)

11  五句目   「青春時代」「君」「旅の思い出」と続いたので、恋人同士で旅を

    した二人が結婚して子供が生まれた喜びを詠んでみました。   (豊さん。21.02.23)

12 六句目    中国最古の詩集 詩経の中にある漢詩 桃夭 (とうようの一節 

       桃の夭夭たる  芍芍たる其の華  之の子 ゆき帰がば (この子ゆき嫁がば)

    其の室家に宜しからん。

      桃の木の若々しく華やぎの花のような娘が嫁に行けば、きっと嫁ぎ先で幸せ

    に行くでしょう。と娘の結婚の喜びの詩で漢文の河村先生の授業のくだりでし

    た。

      二句青春時代から五句で子供の誕生がありその娘がやがて華やかに成長して、

    嫁いでゆく喜びを詠いました。   (小野寺さん。21.02.27)

13  月の座    家族とはいろいろあるなかで、成長していくもののように

    感じます。死ぬときはどうなるのか、少し気になります。 (深瀬。21.02.27)

14  八句目 冬の陽ざしが和らいだ朝、孫二人を連れて朝の散歩時、落ち葉が敷き詰めら

    れた道での霜柱。サクサクという音が珍しいのが、二人ではしゃいで足跡を大

    地に刻んでおりました。自然環境が比較的保存されている散策路で、幼き日の

    孫とのふれあいでした。 (志方さん。21.03.01)

15  九句目   志方さんの霜柱を孫達と踏んだ句を受けて、厳しい冬場が過ぎた雪解け

    水流れる岩手釜石の小道を祖父に手を引かれて歩いた祖父の手の温もりの風景を思

    い出します。  (小野寺さん。21.03.04)

16  十句目   雪に反射した光はまるで黄金のような輝きを連想させます。スペインの

    大航海時代、アマゾンの奥地に黄金郷 (エル・ドラード) があるとの伝説がヨーロ

    ッパに広まり、アンデスの雪解け水をたたえたアマゾン川を辿り、多くの探検

      家が命を亡くしたと言われています。  (吉良さん。21.03.05)

17  花の座   エルドラドといえば、閉園したとしまえんの回転木馬「カルーセル

  エルドラド」を思い描きました。このご時世、回転木馬の夢のような華やぎも

      散ってしまったようです。    (新井さん。21.03.07)

     『としまえん』カルーセルエルドラド、最終運転を終了 解体しメンテナン

      スへ  (ORICON NEWS) 

      https://www.oricon.co.jp/news/2170643/full/ 

 注。「花」と「華」はやや異なりますが、事務方の依頼時の手違いもあり、

よろしくお願いします。 (深瀬) 

18  折端     としまえんは子供たちにとって楽しい遊園地でした。閉園は、一種の

     卒業だと言えるでしょう。卒業の後は新入学です。小学、中学、高校、大学、

     一年生は皆新しい経験に胸を膨らませています。     (豊さん。21.03.07)


  名残表

19  折立     時間は一気に飛んで老境に入り、春の庭先などで、過去に数々の

        修羅場をくぐり抜けてきた体験を想い起こし、感慨にふけっている様を

          詠みました。   (深瀬 。21.03.08)

20  二句目     過去の想い出として、子供の時、近所の空き地で三月に出始めたつ

           くしを見つけるのが楽しみでした。新しい季節を思ってうきうきして微笑

          みが浮かんだのです。また幼くてすみません。   (新井さん 。21.03.13)

21  三句目      幸せな気分になると目じりが下がります。つくしは野に生えるので、

           それと反対に対応させて、空の雲を入れました。ここまでの句の流れを転換

             させたつもりです。   (豊さん 。21.03.13)

22  四句目     豊さんの雲に乗りの展開を受けて  

             昨日は関東から東北にかけて春の雷雨が激しく轟きました。おりしも、

           あの大震災から10年の歳月がながれて故郷釜石では3.11の大震災復興

            支援の梵鐘が希望への願いを込めて、市民により打ち鳴らされました。

            激しく走る雷光の轟きは、鐘の音と唱和して新しい再生の未来に向けての

            号砲の様でもありました。    (小野寺さん 。21.03.14)

23 五句目   プロ野球、この夏はヤンキース帰りの田中投手の投球が楽しみです。

             東北も活気づいて皆さんが元気になると思います。再生への応援をこめ

             ました。   (新井さん 。21.03.14)

24  六句目    田中投手は甲子園や仙台に育てられたとおもっております。

        例年、わが阪神タイガースは、春先好調でも、フアンとしてはせめて、

        鯉幟が泳ぐまで、紫陽花が散るまでと儚い望みをたくしておりましたが、

         今年は陸奥の七夕(8までは楽しませてくれるかなと、控えめな願望

         をいだいています。 

         (本当はぶっちぎりの優勝を確信していますが、せめてコロナウィルス

         巨人とだけは退治して欲しい。)      (志方さん 。21.03.15)

25  七句目     野球の応援のにぎやかさと頑張ってもうまくいかないことも

           あることを対比してみました。ややネガティブな見方かもしれません

            が、いろいろな変化に柔軟に対応できることが大切ではないかと

            感じています。   (深瀬。21.03.15)

26  八句目    コロナ禍で仲間とカラオケにも行けない独身の男性が、有名

          なシャンソン「枯れ葉」 (ジョゼフ・コズマ作曲、ジャック・プレ

          ベール歌詞:「愛し合った二人の砂の足跡も、とどまることなく波

          間に消えてゆく」)を歌います。方丈記「ゆく河の水は絶えず

          して・・・」に通ずる心境でしょうか。    (吉良さん 。21.03.16)

27 九句目 さゆりストを自称して、はや半世紀を上回り、二人でいれば

        暖かくなるフレーズ。青春は遠く過ぎ去りましたが、心に残る歌謡

         曲です。   (志方さん 。21.03.26)

28  十句目     「枯れ葉」「寒い朝」と歌が続いたので、オペラを連想

      しました。さらに、句の視野を世界に広げてみました。

          20年ほど前パリに旅行したことがあります。その時はオペラ座の

        中には入らず外から建物を見ただけでしたが。  (豊さん 。21.03.26)

29  月の座     オペラ座の天井にはシャガールのほんのりとした恋人の絵

         が描かれています。月明りが二人の行くてを照らし、行く末を祝って

          いる様子を描きました。    (吉良さん 。21.03.28) 

30 折端    パリでのシャガールが描いた恋人…ということで、アナウン

      サーの河野景子さんを思い浮かべました。フジテレビの社員時代にパリ

      に駐在し、貴乃花と結婚して相撲部屋の女将になったものの、二年前程

       秋に離婚されていました。

          一人の人生を語るには無理があるかと思いましたが…。思いつくま

      まの楽しみで詠みました。河野さんは最近、「コトバノケイコ」という

      本を出版なされていて、ちらっと立ち読みしましたが、アナウンサー時代

      に会得した、腹式呼吸や発声について書かれていて、おもしろかった

     です。    (新井さん 。21.03.28) 


  名残裏

31  折立     相撲の土俵は丸くなっています。「あはれ秋風よ 情あらば伝へ

       てよ…」佐藤春夫の有名な詩「秋刀魚の歌」の書き出しです。焼き秋刀魚

        を見ると、いつもこの詩を思い出します。    (豊さん 。21.03.28) 

32  二句目   豊さんの秋刀魚の句から近年は海流の異変や近隣諸国の乱獲により

     秋刀魚の取れ高が減ってきてます。満州から引き上げて来たなかにし礼に

      とっても、ひと頃隆盛を極めた、ニシン漁の失敗の苦悩から石狩挽歌の

      名曲が生まれました。北原ミレイの哀調の調べです。 

                                                           (小野寺さん 。21.04.03) 

33  三句目   栄枯盛衰世の常なれど、何故かものの哀れを誘う。井之頭

     公園の池に、例年その水面を飾っていた老い桜、今年の花見に姿なく。

      新しい切り株だけが、その老木の痕跡。  (志方さん 。21.04.05)

34  四句目   コロナ感染予防のためいたるところにアクリル板の仕切り

    がおかれています。これまでにはありえなかったような世相が写し出

     されているような感じがします。    (深瀬。21.04.06)

35 花の座   世の中感染の恐れ一色で、春の日差しが眩しい。昨今外出

     もままならない世相ですが怖いのは感染そのものもさる事ながら人の

     心に忍び寄る鬱屈した感情です。散りゆく桜に、日本人としてのもの

     の哀れを喚起し舞い散る花びらに人の心に宿る鬱を連れ去って欲しい

     という願いを込めて、この句を創りました。  (小野寺さん 。21.04.11) 

36  挙句  コロナ禍、世の中がどんなに混乱しても春になると生命の

     営みが始まります。我々も耐えて努力すればいつか春が訪れることを

      信じたいものです。

   発句で人の死について詠まれており、挙句には生命の誕生を読み

     ました。   (吉良さん 。21.04.12) 


七句会 第5 回自由連句の要領

  七句会  第5 回自由連句の要領


  第5 回目の自由連句を、豊さんとご相談し、下記の要領ではじめたいと思い

ます。


・参加者 新井さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、豊さん、深瀬(6名) 

 

・発句  白菊を一輪供え別れかな

  前回句会 (第34回) の豊さんの句です。

  駒東の同級生をはじめ、有名無名に限らず、コロナに感染して亡くなった人

が出た一年でした。その人たちへの追悼の思いを込めました。


・座      各座の季節、等は前回と同じです。ネット連句では、満尾まで1 ~

2 ケ月の月日がかかりますので、伝統形式にこだわらないものとしました。各

座の詠み手は、多少入れ替えました。



座 ------ 初折表六句

     01 発句   秋   豊

     02 脇    月  志方

     03 第三   秋  新井

     04 四句目  雑  吉良

     05 月の座  夏  小野寺

     06 折端   夏  豊


      初折裏十二句

     07 折立   雑  志方

     08 二句目  恋  深瀬

     09 三句目  恋  吉良

     10 四句目  雑  新井

     11 五句目  雑  豊

     12 六句目  雑  小野寺

     13 月の座  冬月 深瀬

     14 八句目  冬  志方

     15 九句目  雑  小野寺

     16 十句目  雑  吉良

     17 花の座  花  新井

     18 折端   春  豊


      名残表十二句

     19 折立   春  深瀬

     20 二句目  雑  新井

     21 三句目  雑  豊

     22 四句目  雑  小野寺

     23 五句目  夏  新井

     24 六句目  夏  志方

     25 七句目  雑  深瀬

     26 八句目  恋  吉良

     27 九句目  恋  志方

     28 十句目  雑  豊

     29 月の座  月  吉良

     30 折端   秋  新井


      名残裏六句

     31 折立   秋  豊

     32 二句目  雑  小野寺

     33 三句目  雑  志方

     34 四句目  雑  深瀬

     35 花の座  花  小野寺

     36 挙句   春  吉良


・式目  特に前回と変わりません。同じ語句の使用は避ける、付合において

場面の繰り返しや後戻りはしない、付合の背景の補足コメントを簡単に付記す

る、といった程度です。


  なにか、お気づきの点などありましたら、対応したいと思いますので、ご連

絡方、よろしくお願いします。


  深瀬 (事務方)