2022年4月26日火曜日

七句会 第8 回 自由連句 おかげさまで無事、満尾することができました。

  七句会 第8 回 自由連句のみなさま

 

  第三十六句目 (名残裏  挙句 春) を、小野寺さん、ありがとうございまし

た。

 おかげさまで無事、満尾することができました。

  感想、コメント、等ありましたら、4 月30日までに事務方の方にお寄せくだ

さい。まとめてご報告したいと思います。

 

 

 初折表

01 発句  冬   身をそぎて凜とそびえり枯れ銀杏         (吉良)

02 脇   冬     冬の京都で食う茶碗蒸し             (豊)

03  第三    雑    たくあんを典座吟味す手に取りて         (深瀬)

04  四句目  雑       飽食の世に食糺 (ただ) す母        (小野寺)

05  月の座  秋    月あかりミニマリストの部屋の窓         (深瀬)

06  折端  秋       古酒酌み交わす桃源の郷            (吉良)

 

 初折裏

07 折立   秋   雁一羽列を離れてわが道を             (豊)

08 二句目 雑       山の端越えて雲に溶け行く         (志方)

09 三句目 雑   青雲の大志抱きて国を出る            (小野寺)

10 四句目 雑       心の便り深海の底                (新井)

11 五句目 雑   狐火や榎木に集い宮参り             (吉良)

12 六句目 雑       開港祭り山車担ぐ華             (新井)

13 月の座 夏   夕凪に瀬戸の水面に淡き月           (志方)

14 八句目 冬       雪山深く落ちる平家よ           (豊)

15 九句目 雑   震度6高層の孤老揺れまかせ          (深瀬)

16 十句目 雑       古都のキエフをミサイル蹂躙       (小野寺)

17 花の座 春   宅配便薔薇の甘さに和み顔             (新井)

18 折端   春       家族総出で草餅こねる             (吉良)

 

 名残表

19 折立   春   梅が枝の思い残して東風に消え          (志方)

20 二句目  雑       ギター奏でる自由の女神             (新井)

21 三句目  雑   愛犬の墓掘る孤児に戦火止む             (吉良)

22 四句目  雑       すきとおる空沈黙の街               (深瀬)

23 五句目  冬   ミサイルの降るより吹雪まだ愛し         (志方)

24 六句目  雑       古くなるほど価値高き壺            (豊)

25 七句目  雑   老妻も年輪重ね味が出る                (志方)

26 八句目  雑       娘達皆母の血を継ぎ                (小野寺)

27 九句目  雑   妊娠ができぬ男の弱さかな              (豊)

28 十句目  雑       働き蜂は蜜を集めて              (吉良)

29 月の座  秋   旅の空名月仰ぎ英気満つ                (小野寺)

30 折端   秋     芋煮転がし故郷自慢                 (新井)

 

 名残裏

31 折立   秋   初孫の微笑みあふれ盆帰省              (吉良)

32 二句目 雑       フェイスツフェイスにハイテク競う   (深瀬)

33 三句目 雑   頬叩き気合いを入れる朝鏡               (豊)

34 四句目 雑       夕陽に向かってとぼとぼ歩む         (志方)

35 花の座  春   夜桜のはらりと散って里の鐘             (深瀬)

36 挙句   春       爆音の地に花満つる日を            (小野寺)

 

 

 36の付け筋 (小野寺さん)

  夜桜と鐘の響きの春の宵から転じて、鐘の音ならず、戦乱のウクライナの人

達は炸裂したミサイルの恐怖と戦いながら、花の咲く街の復活を信じて生き延

びて欲しいと切に願います。

 

 35の付け筋 (深瀬)

  旅先の宿で夜桜が静かに散っていくのを見ていると、遠くから鐘の音が聞こ

えてきます。

 

 34の付け筋 (志方さん)

  還暦をはるか遠くに通り越して、朝に気概を奮い立たせて臨んだが夕陽に向

かって叫ぶこともなく、春愁の想いに包まれて時間の刻みをゆったりと楽しむ

、後期高齢者を迎えるこの頃です。

 

 33の付け筋 (豊さん)

 一日は朝の洗顔から始まります。鏡に映った寝起きの顔はまだぼーっとして

いるので、頬を叩いて気合いを入れ、目覚めさせるのです。

 

 32の付け筋 (深瀬)

  コロナ禍の影響もあり、近年、Zoom、メタバースとか、音声SNS 、仮想空間

アプリとか、デジタル空間での人との出会いが急速に進化しているようです。

盆帰省という言葉はいつまでがんばれるのでしょうか。

 

 31の付け筋 (吉良さん)

  芋煮会で出会ったカップルが結婚し、故郷の親元に初孫を連れて帰省しまし

た。

 

 30の付け筋 (新井さん)

  この季節、親元を離れるのも一つの旅と言えるでしょう。私の部署には、地

方自治体からの研修生がたくさん来ています。元々の所属組織を親元と呼んで

いますが、皆緊張した顔で過ごしておられます。秋頃には、芋煮会でも開いて

、和気あいあいと親元のご当地自慢をしあうのが今の私の望みです。

 

 29の付け筋 (小野寺さん)

  吉良さんの前句を受けて子孫を産み育てる為の女性の地位は圧倒的で、男は

働きバチの様に女性を支えます。しかし男は又、ふらりと旅に出てひと知れず

、月や星を仰ぎみながら命の充電をはかります。所詮、男は女とは違う生き物

かもしれません。

 

 28の付け筋 (吉良さん)

  子孫を残す女王バチのために働く働き蜂は男を象徴していますね。

 

 27の付け筋 (豊さん)

  街で若い妊婦さんを見るといつも思います。出産という大事業をになって立

派だな、と。25、26の志方さん小野寺さんの付け筋に私も同感です。女性の力

はすごい。男はかないません。日本ではその認識がまだ薄いようです。

 

 26の付け筋 (小野寺さん)

  志方さんの糟糠の妻に共感です。しかし、娘達もまた妻や母になってゆくと

彼女らの母のDNA を何処か引き継ぎながらまた違う女性に脱皮してゆく様です。

しかし亭主の操縦は、見事です。世の中女性の力で廻っていると思います。

 

 25の付け筋 (志方さん)

  古さへの価値を老妻につなげました。コロナ禍で、同一空間を共有する時間

が多く、今まで気づかなかった一面が度々発見され、ある面その凄みに新鮮さ

を覚えるこの頃です。

 

 24の付け筋 (豊さん)

  前の句の「降る」に「古」を引っ掛けて、ウクライナの流れを転じました。

骨董の壺は古い時代のものほど高く評価されるようです。もちろん本物であれ

ば。

 

 23の付け筋 (志方さん)

  無差別殺戮をミサイル攻撃で繰り返すプーチンも生まれたペテルスブルグで

降り積もる雪に耐えた幼き日の感性に戻ってほしいものです。

 

 22の付け筋 (深瀬)

  ロシア軍によるウクライナへの砲撃が一日も早く終わってほしいと願います。

 

 21の付け筋 (吉良さん)

  自由の女神 (フランスから米国への寄贈) 、ギターからフランス映画「禁じ

られた遊び」 (ルネ・クレマン監督、ナスシソ・イエペスのギター曲) を連想

しました。戦争で両親を亡くした孤児が愛犬の墓を作る話がでてきます。丁度

ウクライナで戦死した市民を仲間がレンガの十字架で弔っているニュースと重

なりました。

 

 20の付け筋 (新井さん)

  「大宰府天満宮」のホームページから菅原道真様のご生涯について学び、梅

の季節にはご家族とも十分な別れをせずに京都を離れたと知り、悲しくなりま

した。アートの神様でもあった道真様…。先日メトロポリタン美術館展に行き

ました。カラバッジョの「音楽家たち」を思い出し、無邪気にギターの曲でも

お聞きになれば、道真様も慰められるのではないかと、思いつきました。

  皆様の俳句から、たくさんの新しい知識を得られて楽しいです。

 

 19の付け筋 (志方さん)

  草餅から梅が枝餅を連想し、大宰府天満宮 菅原道真とつなげました。道真

は当時としては、大変な知識人で、それが故他から疎まれ、流刑に処せられた

のですが、京への想いは深く、梅の季節に一層だったようです。インテリの不

遇はいつの世にも起こり得るのですね。土方稼業でよかったです。

 

 18の付け筋 (吉良さん)

  春のお菓子を家族でつくるなど、何気ない日常生活がとても貴重なものであ

ることは、戦火で失って初めて気が付くことなのでしょう。

 

 17の付け筋 (新井さん)

  小野寺様の作品に人の荒んだ心を感じました。そのような気持ちを和ませる

ものは…と、考え、単純ですが、万人にとって『花』ではないかと思いました。

引っ越した新居で片付けに追われているときに、お祝いの薔薇の花束を受け

取りました。宅配便を開けたとき、理屈抜きにリラックスするのを感じました。

(薔薇は初夏の季語なので気になりますが、受け取ったのは3月ですのでご

容赦頂ければ…)

 

 16の付け筋 (小野寺さん)

  深瀬さんの都内のマンション地震の揺れからロシアの突然の侵攻で市民のマ

ンションをミサイルで攻撃されたウクライナの恐怖を詠みました。

  一人の独裁者の思惑で安寧の隣国の主権を葬りさるやり方はナチスのゲルマ

ン民族の優位を掲げてユダヤ人を掃討したヒトラーに変わりません。歴史は繰

り返します。レーニンやスターリンの過酷な殺戮の歴史を背負っているのだと

思います。これは対岸の火事ではありません。台湾有事があれば、この国にも

起こりうる事です。今こそ為政者の資質と見識が問われます。

 

 15の付け筋 (深瀬)

  落人から、現代の超高層マンションに一人暮らしの老人に転じました。最近

は免震装置によってあまり揺れないのでしょうか。

 

 14の付け筋 (豊さん)

  N H Kの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が注目されているようです。瀬戸内海

壇ノ浦で平家は滅びました。生き残った人々は落人となって各地へ逃れます。

雪山を越えて。

 

 13の付け筋 (志方さん)

  横浜開港の千年前に、瀬戸内海は海運の要所であり、下津井港も当時は相当

賑わっていたのですが、瀬戸大橋建設の頃は寂れた漁港で、当時の面影はない

のですが、背後に控える鷲羽山から、黄昏の瀬戸の夕凪と鏡面のような水面に

映る朧月は千年の時空を超えて、変わらぬ情景を偲べるものとおもいを巡らし

詠んでみました。

 

 12の付け筋 (新井さん)

  吉良様の句の浮世絵を拝見しました。王子での名物のようで、ゴッホを彷彿

とさせる幻想的な浮世絵でした。浮世絵といえば横浜浮世絵の粋のいい鮮やか

さが思い浮かびます。開港祭りで、女性たちが横浜浮世絵に出てくるような原

色の衣装をまとって、喜びの掛け声をかける光景を描きました。

 

  注。これだと思います。深瀬

  歌川広重 –王子装束ゑの木大晦日の狐火(廣重名所江戸百景新印刷)

  https://600dpi.net/utagawa-hiroshige-0002612/

 

 11の付け筋 (吉良さん)

  深海は発光動物が生息する暗黒の世界です。その様は「その昔、狐が大みそ

かに榎木の下に集い、狐火をともしながら稲荷神社に詣でた」との広重の浮世

絵を彷彿とさせます。

 

 10の付け筋 (新井さん)

  小野寺さんの句に若者を応援するすがすがしさや力強さを感じ取りました。

  自分の経験ですが、20代の時にモスクワに研修に行った友達に応援の手紙を

送ったんです。帰国後に「二通送ったと書いてあったけど一通はどこかにいっ

た」と言われました。全然わからない政情不安さを感じ、せっかく書いた手紙

が風に乗ってどこかへ行ってしまったイメージを抱きました…。

 

 09の付け筋 (小野寺さん)

  志方さんの漂泊の旅人の心情に接して共感する事大ですが、最近厳しい世界

情勢の中でこれから、ウクライナ方面の任地に赴く若者の初めての駐在にでる

心意気を感じ、まだまだ日本の若者も捨てたものではないと、応援する気持ち

になりました。我々もそうでしたから。。

 

 08の付け筋 (志方さん)

  我が道を行く漂泊の旅人といえば、寅さんと山頭火ですかね。風に聞いて、

あてもなく彷徨う自由人、そんな映像を思い浮かべました。

 

 07の付け筋 (豊さん)

 人間の暮らしの句が続いたので、場面を変えてみました。雁は整然と列をな

して群れて飛んできますが、中には孤立を恐れず群れから離れて飛びたいと思

う自立志向、 自由志向の雁もいることでしょう。人間社会でもそれは同じです。

 

 06の付け筋 (吉良さん)

  月明りの窓辺で、酒好きなミニマリストは物に囚われない自由な仙人のよう

な生活を夢みています。

 

 05の付け筋 (深瀬)

  身辺整理とか断捨離とか気になっていますが、ミニマリスト (衣食住につい

て必要最小限の物で生活をするライフスタイルを実践している人) の生活にや

や憧れたりしています。

 

 04の付け筋 (小野寺さん)

  深瀬さんの典座のたくわん吟味から昨今の世の中グルメ騒ぎの風潮の中で玄

米と梅干し荒巻シャケの質素な食事の積み重ねで来たる3.11の故郷鎮魂の為に

絵を描く100 歳の母は、飽食の世の中を独りで糺す姿勢もあるような気がしま

す。

 

 03の付け筋 (深瀬)

  典座 (てんぞ。禅寺の料理を担当する僧侶) が、定番のたくあんの味を吟味

している様子を詠みました。

   "第三は、発句、脇句と詠み継がれた挨拶の歌が終了し、本格的な歌遊びに

入って行くきっかけとなる句" ですが、はたして適当でしょうか。

  http://haiku-shin.blogspot.com/2014/09/blog-post_26.html

 

 02の付け筋 (豊さん)

 発句の銀杏と冬の季節を織り込みました。京料理では茶碗蒸しが出てきます。

茶碗蒸しの具とし忘れてはならないのがぎんなん。ご存じ、銀杏の実です。

 

 深瀬 (事務方)

 

 

・補足 適宜、下記を参照いただければ幸いです。

 七句会第8 回自由連句の要領

  http://nanaku-haiku.blogspot.com/2022/02/8.html

 

七句会 第三十九回目のネット句会 選句結果のご報告です。

 七句会のみなさま

 

 第三十九回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

今回の選句結果をご報告いたします。

 

  6 点句

(012) 野佛の頬濡らしけり花時雨         小野寺11

(054) 山城を訪ふひともなく花吹雪        小野寺03

 

  4 点句

(021) 長閑 (のどか) さや深き睡魔の老いの午後  深瀬  17

(071) 活け花や駅舎の隅に春ともす        深瀬  16

 

  3 点句

(023) 悲きや戦 (いくさ) なる地へ鳥帰る     吉良  04

(031) 春寒や背中丸めて夫婦坂          吉良  02

(039) することののたりのたりの老いの春     深瀬  15

(091) 谷川の瀬音ゆたかに山桜          小野寺02

(094) 一合が眠り薬と春の宵           服部  01

(097) 葉桜の湖 (うみ) の向こうに風ひかり    小野寺06

 

  2 点句

(003) 散り桜日ごと少なく春は往く        志方  01

(010) 雲雀飛ぶ石陰寄れば巣に命         橋本  07

(025) 黄たんぽぽ野原いっぱい広き空       深瀬  10

(045) 風が哭く古城の堀に花筏          小野寺10

(051) 今年また初音嬉しやゴルフ場        橋本  03

(059) 墨擦れば花冷えの木々薫りけり       小野寺08

(074) 春霞岩木の山に鶴が舞う          柳町  01

(075) 夜桜や想い断ち切る風の音         小野寺07

(076) 藍染の槽の温みや春浅し          服部  02

(078) 潮鳴りの煌く沖をごめ (海猫) 渡り     小野寺13

(080) 隅田川上り下りの花筏           桑子  04

(083) 鐘の音に和して舞ひ翔ぶ春疾風 (はやて)   小野寺21

(086) 日の丸や芦野の園に桜舞う         柳町  01

(090) 雨二日緑一気に春の庭           橋本  08

(097) 葉桜の湖 (うみ) の向こうに風ひかり    小野寺06

 

 

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、今年6 月~7 月ころにご連絡したいと思っていますので、

よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら

、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 

 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。

 

(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の14名が参加しました。

  秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、中津川

さん、橋本さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、柳町さん、豊さん、深瀬。

 

(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  5 月 9日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。

 

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

  2022.04.25

 

      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬

 

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(001) 水温む水辺の草の水水し          橋本  02

      1 桑子    水づくしがテンポよくステキです

(002) 図書館の深き静けさ辞書の列        深瀬  19

(003) 散り桜日ごと少なく春は往く        志方  01

      1 宮澤    今年は桜の後に夏が来たり冬が来たりと目まぐるしい

           変化でしたが、とにかくあっという間に桜が散り、春は

           往きました。

      2 柳町

(004) 青信号歩道を飛んで揚羽蝶         豊  03

(005) 卒業もメールでつなぐゆるい縁       新井  02

      1 服部

(006) 妄想に生きる狂人露亡霊          秋元  04

(007) さくら咲く三途の川の遠見かな       深瀬  05

      1 小野寺  満開の桜を三途の川を渡る日の見納めかと遠目に見る

              感覚は共感です。

(008) 夜桜の梢の闇に人の声           小野寺20

(009) プーチンとともに未来の地獄絵図      志方  05

      1 新井    全く同感です。今の世相をよく表しておられます。

(010) 雲雀飛ぶ石陰寄れば巣に命         橋本  07

      1 秋元

      2 深瀬    巣のなかの生まれたての雛の生命力がリアルに伝わっ

              てきます。

(011) 三渓園はずむおしゃべり梅見酒       新井  01

(012) 野佛の頬濡らしけり花時雨         小野寺11

      1 秋元

      2 吉良    美しい春の日本の原風景を感じます

      3 志方    お地蔵さんの姿が、だんだん少なくなって、世の中全

              体がのんびり感が失せている。

      4 平島    お地蔵さんも世の中の非情に涙流して居られるみたい。

              花時雨が効いています。

      5 宮澤    野仏はいつも微笑んでいるようです。うれし涙が頬を

              伝う姿に時雨よありがとうと合掌。

      6 豊      今回の選句でイチオシの句です。「花時雨」という季

              語を見つけたのがお見事。野仏に結びつけたイメージも

              いいですね。

(013) ボテンティア登録記念梅の花        深瀬  11

      1 新井    ほのかな喜びの光が感じられます。

(014) 朧月すれ違う人あやしげに         豊  05

(015) 自由死守決意の闘いウクライナ       橋本  10

(016) 入社式制服の折り目ぎこちなく       服部  04

      1 吉良    初々しい若者に、将来の活躍を期待してエールを送っ

              ているよう読めました。

(017) 花園も色も多彩に華やいで         志方  03

(018) 核を背に狂気の侵攻世界闇         橋本  11

      1 豊      ロシアのウクライナ侵攻についての句がいくつかあり

              ましたが、その中でこの句が一番俳句的でした。

(019) 核威嚇歴史に残る大汚点          秋元  05

(020) ホオジロの渡る枝々新芽吹き        小野寺19

      1 志方    春の躍動感があふれています。

(021) 長閑 (のどか) さや深き睡魔の老いの午後  深瀬  17

      1 秋元

      2 吉良    自分の現状そのものです

      3 中津川  老化は怖いです。椅子に座ってテレビを観ているとい

              つの間にか眼が閉じています。

      4 宮澤    朝方に一日の計画を立てるが、午後までグズグズして、

              急ぐ用でも無いしと日延べを決め込むと、睡魔が襲いま

              す。

       ソビエトのウクライナ侵攻の早期の解決を願

      って。(3句)

(022) 硝煙の消えることなし草芽吹く       吉良  03

      1 小野寺  ウクライナの惨劇は他人事ではありません。失われた

              平和の戦乱をよそに自然の草木は芽吹いてゆきます。

(023) 悲きや戦 (いくさ) なる地へ鳥帰る     吉良  04

      1 桑子    鳥には国境も戦争も関わりないですよね。

      2 中津川  渡り鳥も戦火に巻き込まれるのだろうか。一刻も早く

              停戦を。

      3 橋本    なんとか無事戻って来いよと祈るばかり。

(024) 戦 (いくさ) 止み青麦そよぐ静けさや    吉良  05

(025) 黄たんぽぽ野原いっぱい広き空       深瀬  10

      1 新井    広い公園のダイナミックだ光景が目に浮かびました。

      2 吉良    タンポポの黄色と空の青色の対比が美しい。ウクライ

              ナの国旗をイメージしたものでしょうか。

(026) 平和ボケ忘れてならぬ日本人        秋元  02

(027) 蹂躙のウクライナには春遠し        服部  05

(028) 露消えてロビンさえずる春の宇宙 (そら)   桑子  03

      1 宮澤    露 (つゆ)はロシアの露。日が昇り、朝露消えて平和

              に満ちた空を囀るのはツグミでなくロビンなのは欧州の

              空だからなのでしょう。

(029) この浜も外国産かと潮干狩り        中津川04

      1 橋本    味より値段、量ですか。美味しければ、食べたいとき

              は少々高くても国産を買いたいが。

(030) 鯉幟 (のぼり) 川には鯉の恋上り      橋本  13

(031) 春寒や背中丸めて夫婦坂          吉良  02

      1 秋元

      2 平島    厳しい冬の時代を夫婦で苦労しながら歳を取り耐えて

           来たが未だ寒いとはいえこうやってお互いにまた巡り来

           る春を迎えられることは嬉しいね。

      3 豊      おそらく、長い間仲睦まじく付き添ってきた老夫婦な

              のでしょう。「背中丸めて夫婦坂」にその感じがよく出

              ています。

(032) ごまかせる瀬戸際を行く老いの春      深瀬  14

(033) 由比ガ浜水平線はどこまでも        志方  07

      1 新井    鎌倉へ行きたいので、その風景に出会えてうれしかっ

              たです

(034) 桜花ほのかに遷 (うつ) し緑酒注ぐ     小野寺04

(035) 手術後の目を襲うかと春の塵        中津川06

(036) 校門の並ぶ笑顔に桜舞う          深瀬  04

(037) 長閑さや散歩道にも眠気有り        橋本  01

      1 桑子    小生もボーっと半分寝ながら散歩しています。

(038) 吹き入りし落花に佛息を止め        小野寺12

      1 吉良    佛像が生きているように表現され面白く思いました。

(039) することののたりのたりの老いの春     深瀬  15

      1 服部

      2 宮澤    何をするにも、のたりのたりになりました。それでも

              転ばずに、春を愛でる日々が大切です。

      3 柳町

(040) 水温み朱き石楠花生き生きと        志方  02

(041) 侵攻を咎めぬ国の不自由度         橋本  12

      1 深瀬    上海のゼロコロナ政策の行き過ぎからは強権政治の怖

              さを感じます。

(042) 香満る本尊囲むつるし雛          中津川03

(043) ウクライナ実りの大地春はいつ       橋本  09

(044) たんぽぽのミニマリストの窓飾り      深瀬  09

      1 吉良    ミニマリストの生活にもやはり潤いは必要なのでしょ

              う。

(045) 風が哭く古城の堀に花筏          小野寺10

      1 秋元

      2 柳町

(046) 満開の桜にこころ狂わされ         豊  06

(047) 川うららゴミ取り船の千鳥足        桑子  01

(048) 解きおろす緞子の帯に花落ちて       小野寺14

(049) 山門に雲水送るさくらかな         深瀬  03

      1中津川  関東では見ることが無い光景ですが、京都辺りのお寺

              でしょうか

(050) 山歩くジビエ料理に雪の果         中津川05

(051) 今年また初音嬉しやゴルフ場        橋本  03

      1 桑子    又1年元気でプレーできる喜びが目に浮かびます。

      2 深瀬    ゴルフをたのしむ人のほっとした気持ちが素直に伝わ

              ってきます。

(052) 引っ越しで人の情けの身に沁みけり     新井  03

(053) 満帆の笑顔と緊張入学日          深瀬  07

      1 橋本   

(054) 山城を訪ふひともなく花吹雪        小野寺03

      1 秋元

      2 桑子   

      3 中津川  旧街道を歩いていると小高い山城が結構あります。句

              を詠んでいる風景がめに浮びます。

      4 橋本   

      5 服部

      6 豊      山奥の城跡に人知れずひっそりと咲く桜。城郭の一部

              が残っていて、そこに花吹雪が舞う。情景が浮かびます。

(055) 鳩のごと白木蓮 (はくれん) に停戦祈る   中津川02

(056) 寒暖の大差に竦む老いの春         橋本  04

(057) おぼろ月蛙のこだま帰省の夜        小野寺17

      1 橋本    月夜の田圃で鳴き交わす蛙たち、懐かしく昔の田舎を

              思い出します。季重なりですが。

(058) 入学の孫に手をふる坂の上         深瀬  06

(059) 墨擦れば花冷えの木々薫りけり       小野寺08

      1 志方    墨の香りに癒される花冷え。

      2 柳町

(060) 囀りの車途切れて響く空          橋本  05

(061) 陽当たりの良き場所ほどの梅早し      服部  03

(062) 国連は機能不全の5P           秋元  06

(063) 音もなく渓流下る花筏           小野寺18

(064) 入学式たぎる若さに老い深む        深瀬  08

(065) 新しい本立て飾るあれこれと        新井  04

(066) 峠道うしろ髪ひく花の雨          小野寺05

(067) 堀端の桜並木に夕陽映え          深瀬  01

(068) みちのくのこれから魅せる山桜       志方  06

(069) 100号の桜絵並ぶ美術展         豊  04

(070) 満開の花観ることもなく朋は逝き      小野寺15

      1 柳町

(071) 活け花や駅舎の隅に春ともす        深瀬  16

      1 中津川  地方の小さな駅だろうか。気遣いが暖かいですね。春

             ともすという表現がいいですね。

      2 橋本   

      3 平島    ローカル線のあまりひと気のない駅。誰がいけたのか

           わらないけど少しでも人のこころにも暖かい灯がともれ

           ばとのこころ使いが嬉しいなあ。

      4 豊      おそらく田舎の駅でしょうね。都会の駅ではこうはい

              かないでしょう。心優しい駅員さんが、いつも駅を利用

              してくれているなじみのお客さんに感謝のサービスをし

              ているのです。いい句です。

(072) 卒業子正門前のファッションショー     桑子  02

      1 服部

(073) 忍び寄る悪の枢軸焦眉の急         秋元  03

        桜の時期に、青森県五所川原市にある「鶴の

      舞橋」を見た時の情景です。

(074) 春霞岩木の山に鶴が舞う          柳町  01

      1 志方    岩木山を拝んだことがないので、昇天する前におとず

              れたくなりました。

      2 小野寺  春霞の岩木山を遠景として、鶴が舞う一幅の絵巻を観

              る思いです。

(075) 夜桜や想い断ち切る風の音         小野寺07

      1 新井    何の想いを断ち切ったのだろうか…と気になる一句で

              す。

      2 橋本    想いとは何でしょう、花びらを散らすように風の音で

              断ち切れた?

(076) 藍染の槽の温みや春浅し          服部  02

      1 吉良    藍染をつけた槽もようやく温みはじめ、作業者の春を

              感じる気持ちがでています。

      2 平島    青は藍より出で藍よりあおし。氷は水より出でて水よ

           り寒し。槽の温みを見咎めたところが好きです。未だ春

           は浅く冷たくて寒いけど。

(077) エルグレコ神秘の紅に鳥肌立ち       新井  05

(078) 潮鳴りの煌く沖をごめ (海猫) 渡り     小野寺13

      1 桑子

      2 平島    石狩挽歌 なかにし礼 北の海 満洲  その向こうは

           ロシア プーチンのバカ野郎!

(079) 蕾咲く春の日差しに陰深く         秋元  01

(080) 隅田川上り下りの花筏           桑子  04

      1 豊      滝廉太郎作曲の童謡「花」。隅田川をのぼりくだりす

              るのは船人ではなく桜の花筏なのです。

      2 小野寺  隅田川の流れに風まかせに漂う花筏、春の物憂さに漂

              わせているのは他ならぬ我が身でしょうか。

(081) 紀元節ビッグバンの日分かるなら      深瀬  12

(082) 春昼や縁側の猫あくびする         豊  02

      1 深瀬    こういう風景はおだやかな日々の記憶の底にある感じ

              がします。

(083) 鐘の音に和して舞ひ翔ぶ春疾風 (はやて)   小野寺21

      1 服部

      2 柳町

(084) 寂しさも酒杯に浮かびもう二年       志方  04

(085) コロナ禍に花粉禍ロシア禍人新世      深瀬  18

        桜のトンネルで有名な、津軽鉄道の「芦野公

      園駅」に、私が現役時代に関係したT-2 型ジェ

      ット練習機 (自衛隊で用途廃止となった) が展

      示されています。この航空機の日の丸がとても

      輝いていた情景を詠んでみました。

(086) 日の丸や芦野の園に桜舞う         柳町  01

      1 中津川  作者の飛行機好きが想像できます。

      2 豊      前書きの文を読んでイメージがわきました。T-2 型ジ

              ェット機の側面と翼には確かに大きな日の丸があります

              ね。そこに桜の花びらが舞っている。軍歌の「同期の桜」

              を思い出しました。

(087) 雲翳り畔一面の蓮華草           小野寺09

      1 志方    古希過ぎてなぜか幼き日々の情景をおもいだします。

      2 中津川  米作り前の田んぼの景色。なつかしい感じがしました。

(088) 深き空白木蓮 (はくれん) 光るビルの街   吉良  01

(089) 燕の巣主は来ぬかと今日も見る       中津川07

      1 深瀬    燕は住宅地のなかの意外な場所に巣を作ります。作者

              の気持ちが分かります。

(090) 雨二日緑一気に春の庭           橋本  08

      1 平島    寒さも含んだ雨が二日も続き嫌だったがふと庭を見れ

           ばもうみどり一面。「緑一気に」が時間空間を捉えて上

           手い!

      2 小野寺  雨が丸二日降り続くと庭は一気に緑で埋まり春の盛り

              です。驚きの命です。

(091) 谷川の瀬音ゆたかに山桜          小野寺02

      1 秋元

      2 新井    旅行に行きたくなる風景です。

      3 志方    谷川の瀬音と山桜が見事に共存いている。

(092) 稚魚泳ぐ春の小川の光かな         豊  01

(093) 花びらの街路に散って季節ゆく       深瀬  02

(094) 一合が眠り薬と春の宵           服部  01

      1 桑子    晩酌の1合位が健康にも良い量共感します。

      (ご飯の1合ではないですよね 満腹で眠くなる?)

      2 深瀬    わたしもワインとかウイスキーとか試みますが夜中の

              トイレ回数が増えたりします。

      3 小野寺  春の宵一合の緑酒が最高の睡眠薬となりますね。

(095) 鐘の音に心弾みて春の雨          小野寺01

(096) 遅き日や19番はパー5 (ファイブ)     桑子  05

      1 深瀬    暖かくなりアフターゴルフをゆっくりたのしむという

              ことですね。

(097) 葉桜の湖 (うみ) の向こうに風ひかり    小野寺06

      1 新井    絵葉書の一コマのようなとても美しい風景です。

      2 志方    葉桜の鮮やかな早緑の木々と風が浮かびます。

      3 柳町

(098) 紀元節アイデンティティーの底問われ    深瀬  13

      1 服部

(099) 花の香を肴に一人ビールかな        橋本  06

      1 平島    サキイカとかせんべいとかでは無く花の香を肴と言う

           のが風流ごころで, また誰とも蔓まずひとりしみじみ味

           わって飲むビールの旨さは歳を重ねた人のみがわかるも

           のだねえ!

(100) 花見せんとカルガモ親子列を成し      中津川01

(101) 夕餉待つ母の得意の木の芽和え       小野寺16

(102) 母からの十三回忌の便りかな        深瀬  20

      1 小野寺  コロナでしばらく会いに行く事も出来なかった母上か

              らの父の十三回忌の知らせでしょうか。光陰矢のごとし

              です。

 

 

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                                    補足

 

 選句者の選句におけるコメントを僣越ですがご参考までにご紹介します。

 

・新井さん

  気温差が激しいですね。102 件、拝読し、気分転換になりました。ありがと

うございました。今回は、春のせいか美しい風景が多かったですね。

 

・中津川さん

  私の身近にもコロナ陽性が結構増えてきました。特に若い人たちがかかって

います。ワクチン3回接種しても不安になりますね。

 

・橋本さん

  5 月からはゴルフに復帰されるとのこと、体調と相談しながら緑のコースを

楽しんで、気分転換になると良いですね。私も、毎回の参加とスコアのアップ

は難しい状況ですが、体調維持と仲間との会話を楽しむために続けています。

  ウクライナの人々の惨状をTV等で見る度に胸が痛みます、一刻も早い平和の

日々が待たれます。

 

・平島さん

  今回も選句にだけ参加させていただきます。良いなあと思われる句が沢山あ

るのですが七句ということなので独断と偏見混じりですが下記をお届けします。

皆さんの選句が楽しみです。

 

・宮澤さん

  このところなにやら落ち着かない日々で、投句もさぼり失礼しました。先日

のリメンバー311 ゴルフには参加しましたが、あまり連絡しないと、忘れ去ら

れてしまいそうなので、取り急ぎ、下記5 句選句しました。

  ところで、恵比寿ガーデンプレースも三越が無くなり明治屋に、ビヤステー

ションがブルーノートに衣替えとか。コロナ後の水飲み場を探す身にとっては

迷惑なことです。

 

・柳町さん

  早速ですが、選句したので送ります。皆さん上手なので、7 句選ぶのは大変

です。

 

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