七句会のみなさま
第三十四回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(099) ふつふつと牡蠣鍋を待つ箸二膳 宮澤
4 点句
(010) 白菊を一輪供え別れかな 豊
(020) 老いらくの思いかみしめ落ち葉踏む 宮澤
(024) 三密を逃れてゴルフ天高し 橋本
(042) 役目終へ風に舞ひ散る落ち葉かな 深瀬
3 点句
(015) 浪の音恋せし夜の冬銀河 小野寺
(078) ふるさとは港の汽笛夜泣き蕎麦 小野寺
2 点句
(005) 潮の香や海底 (うなぞこ) の夢秋の空 深瀬
(008) 月冴えて墨の匂ひに筆を執り 小野寺
(016) 冠雪に薄紅染める朝の富士 志方
(017) 憂国忌白手はち巻きなにを問ひ 深瀬
(019) 良き人の逝きし一年除夜の鐘 豊
(032) 北斗星無窮の闇に傾きて 小野寺
(038) 故郷の夜汽車の汽笛冬近し 小野寺
(041) 都庁までくっきり高尾の紅き秋 治部
(043) 秋高く鳶の眼 (まなこ) は尾根を追い 小野寺
(045) ただ死ぬを待つ身のときの重さかな 深瀬
(047) 七十路に「君といつまでも」聞きひたり 深瀬
(062) 月光を浴びて薄 (すすき) は銀の海 小野寺
(065) 朋去りぬ虫哭き送る独り酒 小野寺
(073) 吐く息や初霜の朝窓曇る 豊
(074) 一輪の白ばら冴えて月夜かな 橋本
(076) 今年また同じ紅葉の花舞台 志方
(082) 小夜時雨京の町屋に灯が燈り 小野寺
(084) 紅葉舞う散りゆく生命
(いのち) 煌めきて 小野寺
(085) 柿干せる母の手細し今は亡き 吉良
(087) 墓碑朽ちて無縁仏に曼珠沙華 小野寺
(090) 郷に入り吾もしてみむと吊るし柿 治部
(095) 古都暮れて路地裏深く紅葉 (もみじ) 踏み 小野寺
(097) 冬晴にタワークレーン富士摘まむ 桑子
(104) 憂国忌激情したたる若気かな 新井
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、来年3 ~4 月ころにご連絡したいと思っていますので、よ
ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連
絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の14名が参加しました。
秋岡さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さ
ん、中津川さん、橋本さん、平島さん、福田さん、藤原さん、宮澤さん、森杜
瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
初参加の、福田さんはゴルフ霞光会メンバー、平島さんは七句会自由連句の
ご指導をしていただいています。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては来年1 月16日とし、事務方にメールでい
ただき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
2020.12.27
代表 橋口侯之介
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
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(001) 夕霧が古都の紅葉 (もみじ) も濡らしけり 小野寺07
1 志方 古都の情景が、夕霧を誘っているようです。
(002) トナカイの鈴の音遠き聖夜かな 豊 05
1 新井 今年のコロナ禍のステイホームクリスマスの
心情をよく表しておられます。
(003) 濡れ落ち葉拾い集めて我を知る 宮澤 05
(004) 紅梅は泪をたたえ君誘う 杜瑯 02
(005) 潮の香や海底 (うなぞこ) の夢秋の空 深瀬 09
1 杜瑯
2 宮澤
(006) 雨後の蹊雫の出会う十三夜 治部 05
1 中津川 雨上がりで月も美しいのでしょう。
(007) GoToはコロナ微笑む処方箋 橋本 06
1 福田
(008) 月冴えて墨の匂ひに筆を執り 小野寺19
1 豊 冴えた月を見て詩心がわき、墨と筆で紙(で
きれば和紙がいい)に一句したためた。そんな
優雅な情景が浮かんできます。
2 藤原
(009) 風に問うコロナの行くへ秋茜 志方 01
1 橋本 応えない風に問うしかありませんか。
(010) 白菊を一輪供え別れかな 豊 03
1 杜瑯
2 中津川 最近立て続けに友人、後輩が無くなりこの句
が胸にきました。
3 平島 単純にスッキリとさようなら。
4 新井 最近親せきで不幸があり、心の真ん中に響き
ました。
(011) 洋館の銀杏のマントはんなりと 新井 08
(012) 宅配のオリーブの実や風光る 吉良 03
「きんぎょそうの種って、怖いね!」と孫に言われ
しみじみ見ました。本当にドクロでした
(013) 金魚草ドクロ顔の種哀し 柳町 01
(014) 老ひ深むこころやすらぐ残暑かな 深瀬 13
(015) 浪の音恋せし夜の冬銀河 小野寺17
1 杜瑯
2 吉良 心のときめきのない年寄りに、新しい出会い
をあこがれさせる句です。
3 橋本 ロマンチックを有り難うございます。
(016) 冠雪に薄紅染める朝の富士 志方 05
1 橋本 写真を見ているようなきれいな句です。
2 藤原
(017) 憂国忌白手はち巻きなにを問ひ 深瀬 03
1 柳町
2 桑子 もう50年になり記憶も薄らいでいるが、白手
はち巻きの映像だけは覚えています。
(018) 天満宮合格祈る神無月 中津川06
(019) 良き人の逝きし一年除夜の鐘 豊 07
1 吉良 除夜の鐘を聞きながら親しかった故人をふり
かえり、新しい日を迎える夜、前向きに生きよ
うとする自分の気持ちを詠んだものでしょうか。
2 治部 ♬いいやつばかりが先に逝く、どうでもいい
のが残される。歌にある通り、毎年の事なので
すが除夜の鐘をきくと突き刺さりますね。
(020) 老いらくの思いかみしめ落ち葉踏む 宮澤 02
1 杜瑯
2 吉良 老いた自分と落ち葉を重ねたように見えます。
3 治部 この風景、イヤですね。
4 小野寺 落ち葉踏みしめながら思いを馳せるのは過ぎ
て行った老いらくの恋でしょうか。
(021) 散る銀杏黒き枝えだ天に透き 小野寺22
1 平島 衣を脱ぎ捨て裸で堂々と立つ姿。
(022) 新酒飲み鍋を囲むや家族愛 新井 02
(023) 梟は夜のしじまを偲び啼き 小野寺13
(024) 三密を逃れてゴルフ天高し 橋本 05
1 福田 このコロナ禍の中で唯一のストレス解消です。
2 桑子 同じような考えの人が多いらしくゴルフ場が
混んでいます。
3 新井 解放感が表れていて“ナーイスショット!”
と声をかけたくなります。
4 藤原
(025) すすき原泡立ち草が天下取り 中津川01
(026) 棘隠すバラの花園古女房 志方 02
1 中津川 バラの棘も女房の棘もさされると痛そうです。
(027) ひぐらしや子守の少女空見上げ 深瀬 15
1 橋本 子守の少女、幼き日々の頃の情景かと想像し
選びました。
(028) 鎌切りに食われし雄の覚悟観る 小野寺03
(029) 球打てばファーを聞くなり秋の空 桑子 01
1 福田
(030) 熱燗も独酌続く胡麻和えと 志方 07
(031) 半袖にダウンベストの小春日や 中津川07
1 深瀬 半袖にダウンベストの服装に、とても都会的
でおしゃれな雰囲気を感じました。
(032) 北斗星無窮の闇に傾きて 小野寺12
1 柳町
2 宮澤
(033) 秋の陽に大島望む城ヶ崎 深瀬 23
1 志方 最近、鎌倉の天園の頂から相模灘の向こうに
三原山がくっきりと見え、何か感動しました。
(034) 小春日やベンチに並ぶ老夫婦 豊 02
1 秋岡 高齢化社会となっていますが、老夫婦のこの
様な姿は何かほっとします。
(035) 散り急ぐ紅きもみじに吾重ね 杜瑯 03
1 小野寺 はらはらと散り落ちる紅いもみじをやがてこ
の世を去る自分の存在に重ねたのでしょうか。
散り急ぐが効いてます。
(036) 秋雨や川面に隈無く輪の並ぶ 橋本 01
1 宮澤
(037) あるじ待つあくまで白きとろろ汁 吉良 01
(038) 故郷の夜汽車の汽笛冬近し 小野寺18
1 豊 冬が近いことを感じ、北国の故郷を思い出し
ている都会生活者でしょうか。「夜汽車の汽笛」
に昭和の懐かしさがあります。
2 治部 嘗ての交通事情が想い出されますね。冬近し
で澄んだ汽笛の音を感じます。
(039) ひぐらしや山河にこだま瑞穂国 深瀬 14
(040) 秋の空風を飲み込み芝生触れ 新井 05
(041) 都庁までくっきり高尾の紅き秋 治部 04
1 豊 私も高尾山へは何度も行ったことがあります。
山の中腹あたりから、天気が良ければ都庁を見
ることができます。高尾の紅葉の風景を切り取
った一句ですね。
2 桑子 都庁までくっきり高尾の紅き秋。
(042) 役目終へ風に舞ひ散る落ち葉かな 深瀬 18
1 治部 舞う落ち葉に歴戦の勇士が戦列を退く様が・
・やっぱり寂しいです。
2 秋岡 枯れ葉の様を詠んだものでしょうが、サラリ
ーマン人生を感じさせますね。作者の意図はこ
ちらでしょうね。
3 桑子 役目終へという表現がステキです。
4 志方 老いは誰にも避けられない自然の摂理、落ち
葉は土に還る。
(043) 秋高く鳶の眼 (まなこ) は尾根を追い 小野寺01
1 深瀬 少し違いますが、歌川広重の浮世絵・名所江
戸百景に「深川洲崎十万坪」というのがありま
す。画面上側に大きく描かれた鷲が、空の上か
ら深川、筑波山(?) などを見下ろしている風景
ですが、それに近い広々とした感じを受けまし
た。
2 志方 昔はとびが、カラス以上にそらをまっていま
したが、今は眼にする事がなくなりました。
(044) 刈田道活きているごと立つ案山子 中津川02
(045) ただ死ぬを待つ身のときの重さかな 深瀬 04
1 豊 老いの心境をストレートに表現していますね。
俳句としては直情すぎるかもしれませんが、最
近は私もこの作者と同じ心境になりつつありま
す。「ときの重さ」が見事です。
2 橋本 その場面になった人しか詠めない心境の表現
ですね。
(046) 冬木立掃きたる空の青深し 豊 04
1 小野寺 晴れた日の冬木立の落ち葉掃き、ふと見上げ
た空は深い青だという気持ちの爽やかさが伝わ
ります。
(047) 七十路に「君といつまでも」聞きひたり 深瀬 17
1 桑子 いい歌ですね、時々CDで聞いています。
2 新井 なぜだかほのぼのとした温かい余韻が残る一
句です。
(048) 畦みちに直立不動の彼岸花 志方 06
1 中津川 稲刈りが終わった田んぼの畦に赤い花が目に
浮かびます。
(049) 破れ寺の紅葉 (もみじ) 踏む音風に消え 小野寺04
1 志方 寅さんの古びた鞄と雪駄をおもいだします。
(050) 色付く葉残し剪定秋惜しむ 橋本 03
1 深瀬 紅葉を残しながら剪定をし、秋の深まりをし
みじみ感じている落ち着いた雰囲気です。
(051) 太極拳モザイクかかる残暑かな 深瀬 12
(052) 栗飯の甘い匂ひに孫はしゃぎ 小野寺14
(053) 新酒呑みタイムトラベル古老団 深瀬 07
(054) 木枯らしや塵もコロナも知らぬまま 治部 07
(055) 冬来たる富士山頂の薄化粧 豊 01
1 治部 例年だとこれが初冬の風景なのですが、今年
の富士はなかなか冠雪しません。これも異常気
象なのでしょうか。
(056) 落栗を踏んで登るや木曽の路 中津川05
(057) 河豚ちりや孫と同じ身摘まみけり 吉良 05
1 秋岡 ほのぼのとして思わず笑みがこぼれます。
(058) 雲速し朋逝きし日に野分荒れ 小野寺08
(059) 来し方の岐路振り返る残暑かな 深瀬 10
1 柳町
(060) 散髪し襟元抜ける冬の風 宮澤 03
(061) 病む友を励ます文や暮れの秋 治部 01
1 秋岡 最近は文で病床の友を励ます情景が浮かびに
くくなってきましたが、大切な友にはメール等
でなく文で見舞うものでしょうか。”秋の暮れ”
でなく”暮れの秋”にひとひねり?
(062) 月光を浴びて薄 (すすき) は銀の海 小野寺10
1 秋岡 情景がまざまざと浮かんできます。素直に淋
しくもあり美しくもあり。
2 宮澤
(063) 紫が天下取りたる秋の庭 桑子 03
(064) 不理解の極みに至る憂国忌 新井 04
1 福田
(065) 朋去りぬ虫哭き送る独り酒 小野寺05
1 平島 いい奴だったなあ しみじみと奴を偲んで。
2 志方 飲みともが去ってしまった寂しさが表現され
ている。
(066) 落ち葉ごとひそり消えたし老ひの朝 深瀬 21
(067) 民宿の香るどぶろく焼きイワナ 中津川03
(068) 温暖化百鬼夜行の野分かな 深瀬 06
1 橋本 温暖化でますます嵐(台風、 ハリケーン、 サ
イクロン等)は凶暴化しているようです。
(069) 友の顔浮かべて癒す新酒かな 新井 01
(070) 晩秋の夕暮れ澄みて富士の峰 橋本 04
A さんの復帰を祝って一句、
(071) 柿紅葉 (かきもみじ) 陽に照り映えて朋還る 小野寺23
1 宮澤
(072) 文化祭笑み笑みあふれ友家族 新井 07
(073) 吐く息や初霜の朝窓曇る 豊 06
1 深瀬 子供のころの懐かしい経験を思い浮かべまし
た。そこに絵を描いたりして遊んでいました。
2 藤原
(074) 一輪の白ばら冴えて月夜かな 橋本 02
1 新井 白いバラが月明かりに照らされて美しく輝く
…絵画のような作品です。
2 小野寺 真冬の庭に咲く白薔薇は月光の下で淡い光を
浴びて輝きを増した事でしょう。
(075) 死の形さまざまと問ふ憂国忌 深瀬 01
1 小野寺 あの当時全共闘との討論会の翌年三島由紀夫
の自決は衝撃でした。今なお日本は尖閣諸島始
め国防の重要性を問われています。
(076) 今年また同じ紅葉の花舞台 志方 04
1 豊 春の桜と同じように、今年もまた紅葉の美し
い季節が巡ってきた。自然の移り変わりに思い
を寄せている作者の詩情が伝わってきます。
2 平島 年々歳々花相似たり 年々歳々人同じからず。
(077) 小春日や木漏れ日まぶし散歩道 桑子 04
(078) ふるさとは港の汽笛夜泣き蕎麦 小野寺21
1 吉良 演歌の場面を彷彿とさせる懐かしい情景が目
に浮かぶ句です。
2 深瀬 汽笛と夜泣き蕎麦の取り合わせに独自の世界
を感じます。
3 平島 北国の思い出、視覚聴覚味覚で。
(079) 初登山新蕎麦すする麓茶屋 吉良 02
(079) 1 中津川
(080) 濡れ落ち葉朝陽に燃えるきよらかさ 深瀬 20
(081) 霜降や日々の河原の草々も 治部 02
(082) 小夜時雨京の町屋に灯が燈り 小野寺02
1 秋岡 冬の京都の町の風情がしみじみ伝わってきま
す。
2 藤原
(083) 仏壇の新酒に割れる父母遺影 深瀬 08
(084) 紅葉舞う散りゆく生命
(いのち) 煌めきて 小野寺15
1 杜瑯
2 柳町
(085) 柿干せる母の手細し今は亡き 吉良 04
1 深瀬 あまり若いころではないようですが、母上の
イメージが鮮明に切り取られている感じです。
2 小野寺 干し柿をほしていた母上への郷愁が細き手に
の言葉に詠み込まれてます。
(086) 紅葉は命の光照り返し 杜瑯 01
1 橋本 生命の最後の輝き、一生の生き様の反映かと
捉えましたが、違いますか。
(087) 墓碑朽ちて無縁仏に曼珠沙華 小野寺09
1 深瀬 朽ちた墓標と曼珠沙華の取り合わせに絵画的
な鮮明さを感じます。
2 宮澤
(088) 生きている疑問すらなき時もあり 深瀬 05
(089) 実りたる街の畑に猪
(しし) 出でる 中津川04
1 福田 故郷の田舎を思い出します。最近猿も出たと
いう話です。
(090) 郷に入り吾もしてみむと吊るし柿 治部 06
1 吉良 田舎に転居して地元の慣習を楽しんでいる様
が浮かびます。
2 桑子
(091) ひぐらしや遠き夕陽を呼び起こし 深瀬 16
1 小野寺 かなかなと啼くひぐらしの声が昔日の寂しく
も儚い日々を思い起こさせたのでしょう か。
(092) 天高く筑波と富士がにらめっこ 桑子 02
1 秋岡 秋の澄み切った大きな大きな天空が見えてき
ます。”筑波と富士がにらめっこ”はいいです
ね。
(093) 城ヶ崎岩にくだける秋の波 深瀬 22
1 新井 荒々しい波しぶきが岩に砕けて、夕日に照ら
される風景が目に浮かび、波音が聞こえてきま
した。
(094) 秋惜しむ何はなくとも茸鍋 治部 03
(095) 古都暮れて路地裏深く紅葉 (もみじ) 踏み 小野寺11
1 柳町
2 平島 京の下町を旅人がひとり凄然と。
(096) 赤緑過ぎゆく小道爽やかに 新井 06
(097) 冬晴にタワークレーン富士摘まむ 桑子 05
1 吉良 「クレーンが富士山をつまむ」面白い発想で
す。
2 中津川 俳句でうまく遠近法を表現しています
(098) 幽谷の村流れゆく霧の音 小野寺06
(099) ふつふつと牡蠣鍋を待つ箸二膳 宮澤 04
1 吉良 「ふつふつ」という擬音語は鍋の煮える状況
にぴったり。鍋の出来上がるのを今か今かと待
つ夫婦を「箸二膳」で表現され、ユーモアを感
じさせます。
2 豊 牡蠣鍋がふつふつと煮立ってきて、そろそろ
食べごろ。食欲がわいてきます。夫婦でしょう
か、恋人同士でしょうか、顔を見合わせながら
語り合っている。「箸二膳」がいいですね。
3 治部 箸二膳は仲の良さ、ふつふつは温かくて旨そ
うな、いい景色です。
4 桑子 夫婦二人での夕食の光景が目に浮かびます。
5 平島 二膳とは誰と誰?想像が膨らむところが好き
です。
(100) 金閣寺夕陽に浮かぶ憂国忌 深瀬 02
1 柳町
(101) 流星群願いをこめて祈る空 柳町 02
1 藤原
(102) 星冴ゆる沖の漁火窓に揺れ 小野寺16
1 志方 海辺の旅の宿から味わえた光景、いいですね。
(103) 懐かしやコロナ不在の去年の冬 宮澤 01
1 新井 全く同感です
(104) 憂国忌激情したたる若気かな 新井 03
1 柳町
2 治部 激情したたる若気なのですかね。憂国忌は賛
否あるでしょうが季語ですよね。
(105) 頭上飛ぶ残暑の機影重たげに 深瀬 11
1 中津川 航路が変わって爆音の飛行機が増えました。
(106) 木漏れ陽と風にゆられて梢かな 志方 03
(107) 雁の声波浪の岬風に消え 小野寺20
(108) ひとひねり蛇口から水手で受ける 深瀬 19
補足
選句にあたってお寄せいただいたコメントをご紹介します。
- 福田さん
なんとなく共感できる次の5句を選んでみました。
- 柳町さん
今年は三島由紀夫がこの世を去って50年とか。NHK でも特集が組まれ
ていましたね。「憂国忌」を入れ込んだ句に共感を覚えるのは年をとっ
たという事でしょうか??
- 秋岡さん
コロナは神戸も東京ほどではありませんが高止まりしており鬱陶しい
毎日ですが小生は元気にやっております。
- 中津川さん
私も12月9日に大腸ポリープを4個取り一泊入院して、2週間禁運
動、禁酒で過ごしました。幸い良性で良かったです。
- 宮澤さん
コロナで明け暮れた1 年でした。密でない景色の句が目に留まったよ
うです。