2022年8月9日火曜日

七句会 第9 回 自由連句 第三十六句目 (名残裏 挙句 春) を、吉良さん、ありがとうございます。無事、満尾しました。

  七句会 第9 回 自由連句のみなさま


  第三十六句目 (名残裏  挙句 春) を、吉良さん、ありがとうございます。

  6 月下旬から始めた第9 回の自由連句もみなさまのご尽力により無事、満尾

することができました。

  感想等ありましたら、8 月27日を目処にお寄せいただけたら幸いです。

  事務方  深瀬



 初折表

01 発句  春   野佛の頬濡らしけり花時雨             (小野寺)

02 脇   春    往く春惜しみ笹の衣擦れ               (志方)

03 第三  春  ウクライナ土筆の無残戦車にて          (深瀬)

04 四句目 雑    心に秘めし青麦の種                  (吉良)

05 月の座 秋  田の実り刈り取る農夫秋の月           (豊)

06 折端   秋    雁啼き帰る北辺の街                (小野寺)


 初折裏

07 折立   秋   秋茜すすきの穂波風に舞い             (志方)

08 二句目 恋    紅白の幕盃めぐる                   (深瀬)

09 三句目 恋   女生徒の声追い風に徒競走             (吉良)

10 四句目 雑     若き熱狂学徒動員                    (深瀬)

11 五句目 雑   匈奴討つ漢の兵士は国を発ち            (小野寺)

12 六句目 雑     岸壁の母昔も今も                (豊)

13 月の座 夏   浴衣着て月の大きさ語る輪の            (桜子)

14 八句目 夏     ミサイルよりは線香花火            (志方)

15 九句目 雑   健全な野党育たぬ選挙かな            (豊)

16 十句目 雑     自由気ままにワルツを踊る           (吉良)

17 花の座  春   花胸にEU加盟日本未来             (深瀬)

18 折端    春     雲雀 (ひばり) の声に風見極めよ      (小野寺)


 名残表

19 折立   春   高野山授戒の旅路桜舞ふ               (桜子)

20 二句目 雑     自然を離れ宇宙を旅す                (深瀬)

21 三句目 雑   星流る銀河の奇跡蒼き星                (小野寺)

22 四句目 雑     人の一生短きものを               (豊)

23 五句目 冬   冬の海病院船の悠々と               (桜子)

24  六句目  冬     凍てつく湖面ワカサギ釣りに           (志方)

25  七句目  雑    見つめ合う小坪漁港のランデブー         (桜子)

26  ハ句目  恋     小指からめて綾取り遊び               (吉良)

27  九句目  恋    ほろ苦きセピアのフォトが懐かしい       (志方)

28  十句目  雑     北上夜曲切なき別れ                   (小野寺)

29  月の座  秋    月の舟緋色の空を旅だてり        (吉良)

30  折端    秋     秋の燈照らすキャリアデザイン         (桜子)


    名残裏

31  折立    秋    秋色をオートクチュールに託しけり       (小野寺)

32  ニ句目  雑    すべて脱ぎ捨て裸にならむ             (豊)

33  三句目  雑    知識人真理求めて三千里                 (志方)

34  四句目  春      頼朝いざなう春ぼたん園        (桜子)

35  花の座  春  桜散るごとくに源氏滅亡し         (豊)

36  挙句  春    草の芽香る人知れぬ里         (吉良)

                                   

  36の付け筋

  人の営みとは無関係に、自然は春になると新たな命をはぐくみます。人間も

自然の一員として謙虚かつ力強く生き続けたいものです。


  35の付け筋 (豊さん)

  頼朝が幕府を開いたとき、わずか三代で源氏が滅びるとは思っていなかった

に違いありません。実朝が暗殺されずに生き続けていたとしたら、歴史はどう

なったでしょうか。


  34の付け筋 (桜子さん)

  知識を得るプロセスが思考力となる…のご発想に新しい着眼点が生まれた思

いです。そして知識を得るためには本物の一流に触れるのが大切では…、と考

えました。

  鶴岡八幡宮に実際に足を運んで、牡丹も楽しみながら重要文化財に触れる…

そんな小旅行はいかがでしょうか。


  33の付け筋 (志方さん)

  スマホやパソコンがない時代は、知識や情報鵜収集のどれほど苦労したか。

今の時代、ネットに触れれば、すぐ手に入るものは、安物の薄い下着のような

もの。知識を得るプロセスから生まれる思考が、知識の厚みにつながるのでし

ょうか?


  32の付け筋 (豊さん)

  人間おぎゃーと生まれたときは素裸です。それが、知恵がつくにつれて衣服

を着ない裸を恥ずかしがるようになります。私たちは今「知性」という衣服に

よっていろいろなものを隠してしまっているようです。既成の知識や価値に染

まった頭を一度ゼロにして、裸になって物事を考え直す必要があるのではない

でしょうか。


 31 の付け筋 (小野寺さん)

  桜子さんのキャリアデザインを受けて、パリ、オートクチュールでトップデ

ザイナーとして活躍する森永邦彦さんを思い浮かべました。彼は予備校時代に

講師から習った弁証法を検証して、成功への道を掴んだといいます。

感性の開花には緻密な計画が必要だったのです。


  30の付け筋 (桜子さん)

  緋色、旅立ち…、となると、人生のステージでは十代の若者の姿が浮かびま

した。これからの壮大な人生…。今般、たくさんの大学にキャリアデザイン学

部もあるようですが、秋の夜、論理的根拠のもと、しっかり人生計画を立てる

のもいいのではないでしょうか。 


  29の付け筋 (吉良さん)

  懐かしいセピア色、白百合の純白から情熱の緋色に転じ、人生も新しい船出

をします。


  28の付け筋 (小野寺さん)

  志方さんの小百合一筋の青春時代を受けて東北の片田舎釜石で育ったあの時

代北上夜曲の一節

  匂い優しい白百合の泣いているよなあの瞳  想いだすのは、想いだすのは 

北上河原の月の夜

  高嶺の花に憧れて見事に振られた記憶は、釜石からみて、盛岡の都会を流れ

る北上川のほろ苦い記憶とないまぜになっておりました。


  27の付け筋( 志方さん)

  カラー写真が珍しかった学生時代に撮った色褪せた写真。物忘れ著しい中に

、なぜか遠く埋もれた残像が鮮やかに浮かびました。保守反動か革新か2極の

嵐の中で、小百合一筋だったあの頃。


  26の付け筋( 吉良さん)

  見つめあっているうちに釣り糸がからまり一苦労。糸のからみをかけて、あ

やとり遊びを連想しました。


  25の付け筋( 桜子さん)

  20歳の頃、友達が付き合っている人と初めて釣りに行って楽しかったという

話を嬉しそうにしてくれました。内容は、こんな感じでしたが…。


  24の付け筋( 志方さん)

  自分はやったことはないのですが、凍てつく湖面で、悠々とワカサギ釣りの

映像が浮かびました。釣果にとらわれず、防寒装備で燗酒でも楽しんでいるの

かも。


 23の付け筋 (桜子さん)

  異常気象も未来への不安をあおる一因ですが、何とか手を打たねばなりませ

ん。病院船を普及させ、海上を活用することによって地球環境を良い方向に向

けたいものです。冬の荒波をものともせずに進む病院船をながめて安心したい

です。

  余談ですが…:自句13句についてもう少しお伝えしたいのですが、興味のな

い方は以下ご放念ください。

  ◇13句でウクライナから避難してきた方々が、浴衣を着て心和んで…という

句を詠みましたが、母校上智でウクライナからの留学生に浴衣をプレゼントし

ていました。俳句では力不足で表せなかった雰囲気や光景がホームページにの

っていました。よろしければご覧ください。

  https://www.sophiakai.gr.jp/news/news/2022/2022071901.html?mn=20220722

(浴衣着て月の大きさ語る輪の)


 22の付け筋 (豊さん)

  大宇宙の悠久の歴史に比べれば、人間の百年の一生などわずかなものです。

孫たちがいまの私たちの年齢になる時まで、地球が無事に存在し続けているか

どうか不安になるこの頃です。


 21の付け筋 (小野寺さん)

  夜空の流れ星を見上げ、宇宙船から眺める青い水の星地球は46億年という壮

大な歴史の裏に様々な偶然と途方もない奇跡が重なってできた星である事に想

いを馳せます。大自然の恩寵で運行するこの星を人間の勝手な欲望で破壊する

事は断じて許されない事です。


 20の付け筋 (深瀬)

  足元には様々な混乱が渦巻いていますが、人間は他の生き物とは異なり、農

耕を行ったり、天然資源の収奪に走ったり、サイバー空間を形成したり、どん

どん自然との距離を広げています。月や火星に向かうリーダーシップとはどの

ようなものなのでしょうか。


 19の付け筋 (桜子さん)

  立派な指導者たるには…指導者たちは基本的な人間性を磨くため、また、人

の苦しみを知るため (物価高で辛いです) 、厳しい高野山の修行の旅に出ます。

山桜が風に舞う中、自分たちの成長を感じます…。よき未来につながることを

望みます。


 18の付け筋 (小野寺さん)

  ロシアのウクライナ侵攻から5ヶ月に入ろうとしてますが、世界状況は翩翻

として、全く予断を許しません。ECへの加盟が先々の安寧を担保する保証は何

処にもありません。恐らく今程 国の舵取りを誤らずにさばく事の大切さを要

求される時期はないと思います。為政者の裁量が問われます。


 17の付け筋 (深瀬)

  ワルツはヨーロッパを象徴する感じがします。EUはヨーロッパの国々の国

境の敷居を低め、通貨は統合され、行き来は自由のようです。日本を含め、世

界の国々がEUに加盟すれば、ウクライナ戦争のような悲劇か起こらないで済

むのでは、と夢想してみました。極東からEUに加盟させてほしいと申し出た

らどうなるのでしょうか。


 16の付け筋 (吉良さん)

  野党であるので、現実味のない事由気ままな政策をいつも述べる事が可能と

なる。


 15の付け筋 (豊さん)

  線香→選考。かなりのこじつけですが、選考と言えば選挙。先日の参議院選

挙は自民党が大勝しました。政権を正しく批判できず、すり寄るばかりの野党

では国会はますます貧しくなっていくことでしょう。


 14の付け筋 (志方さん)

  浴衣姿の幼子に、無粋なミサイルよりは線香花火の方が相応しい。徒に、戦

火をあおる風潮が蔓延しているこの頃、こんな時こそ政治家の英知が切に求め

られますが、はたして。。。。?


 13の付け筋 (桜子さん)

  お母さんはやむを得ず日本に避難してきます。歓迎で浴衣をプレゼントされ

、にわかに嬉しくなり、お月さまの大きさなどもおしゃべりします。第七波、

ウクライナ、凶暴な事件…気が滅入るので、ささやかでも、こういう時間に満

たされたらいいなと、願いを込めて詠んだところもあります。

◇「月」のみですと、秋の月のことのようですが、今回は平和な気持ちも表し

たいのでご容赦頂ければと思います。


 12の付け筋 (豊さん)

 先日懐かしのメロディーで「岸壁の母」を聞きました。歌にかぶさるように

、当時の帰還船の舞鶴港の映像が流れました。学徒動員の兵士にも匈奴平定の

兵士にも、それを送り出した母親がいたはずです。きっといまのロシアにも、

兵士の息子の帰還を待っている母親がいることでしょう。


 11の付け筋 (小野寺さん)

  学徒動員の前句を受けていつの時代でも 戦争に駆り立てられるのは一般の

人民でした、中国とて高祖漢の時代より辺境の匈奴平定の為郷里から兵士達を

戦場に送りだしてキルギス系騎馬民族を力で抑えてきた歴史は、今この時代に

もウイグル族弾圧となって生きております。


 10の付け筋 (深瀬)

  太平洋戦争中、神宮外苑での学徒動員の壮行会では、女子学生が駆け寄って

励ましたとのことです。


 09の付け筋 (吉良さん)

  小学校の運動会:紅白リレーで、親しい女の子の声援に背中を押されて頑張

った思い出。


 08の付け筋 (深瀬)

  あかとんぼの紅とすすきの穂の白から結婚式の風景に転じました。若さゆえ

の有頂天になっていたころが、ほろ苦く感じます。


 07の付け筋 (志方さん)

  雁が飛び往く様からイメージして、秋の代表的な風物詩を読み込んでみまし

た。


 06の付け筋 (小野寺さん)

  農夫が見上げた月明かりの中を雁が啼きながら飛んでいきます。

  人の世の喧騒を離れ、ひたすらに遥かな北の湖沼を目指すのでしょうか。


 05の付け筋 (豊さん)

  麦の収穫は夏ですが、稲の実りは秋。刈り取り作業を終えてふと空を見上げ

ると、早くも月が出ていたのです。


 04の付け筋 (吉良さん)

  発句から植物の句が続き迷いましたが、ウクライナの青麦が象徴的に思い浮

かべられます。戦火に踏みにじられても青麦の種があればいつか再び復活する

日がくることを祈ります。


 03の付け筋 (深瀬)

  ウクライナにおけるあらゆる武器を使った破壊は、不条理を超えている感じ

がします。こなれない句で、申し訳ありません。


 02の付け筋 (志方さん)

  花時雨は初夏への端境期なので、3 月に地表に顔だした筍が、アッという間

に空に伸び一陣の風にゆれ、幽かな衣擦れの音に、季節の変わり目の色香をよ

んでみました。


 01発句自解 (小野寺さん)

  京都嵯峨野の野佛は春の花時雨に濡れそぼち、まるでこの世の不条理を一身

に抱え込み涙を流しておられるように感じたのです。


 深瀬 (事務方)



・補足 適宜、下記を参照いただければ幸いです。

 七句会第9 回自由連句の要領

  http://nanaku-haiku.blogspot.com/2022/06/9-220623.html


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2022年7月24日日曜日

七句会 第四十回目のネット句会 選句結果のご報告です。

  七句会のみなさま

 

 第四十回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。

今回の選句結果をご報告いたします。

 

 

  7 点句

(050) ペダル漕ぐたわわな胸に汗光る        宮澤  04

 

  4 点句

(004) 真っすぐで真っすぐでない田植え苗      服部  02

 

  3 点句

(002) 太鼓橋父とうなぎの在りし日や        深瀬  04

(060) 燃え立つる赤きカンナの池に映へ       深瀬  12

(080) 羨まし百足虫百歩で一万歩          宮澤  03

 

  2 点句

(009) 夏山の城址の空に雲ひとつ          深瀬  02

(011) 島陰を白き帆滑り潮の音           小野寺08

(013) 浮世絵の美人が涼む隅田川          豊    05

(017) 夏銀河天廻りゆき櫂の音           小野寺21

(028) 夏蝶は無縁の墓に羽やすめ          小野寺11

(032) 水羊羹するりと喉を通りけり         豊    02

(033) 菖蒲湯のほのかに匂ふ洗い髪         小野寺13

(043) 土用波ほのかな思ひ押し流し         深瀬  10

(045) 虫咥え薄暮一閃夏ツバメ           小野寺12

(047) 木洩れ日に香り浮かべる蓮の花        吉良  01

(064) 夏の海夕日の中の帰り船           豊    07

(065) 我が夢は百年経ちて蓮と咲く         杜瑯  01

(075) 朝靄に溶け行く鷺のなお白し         吉良  02

(081) 新緑のエージシュートは想定外        服部  03

(082) 郭公の木霊かえすや燧岳           小野寺06

(087) 紫陽花の青の孤独や雨強し          豊    03

(093) 夏の陽に覚悟あらたむ死出の旅        深瀬  08

 

 

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前

とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。

  次回については、今年9 月~10月ころにご連絡したいと思っていますので、

よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご

連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 

 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。

 

(1) 選句参加者

 今回の選句には、下記の13名が参加しました。

  新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、中津川さん、橋本

さん、服部さん、平島さん、宮澤さん、柳町さん、豊さん、深瀬。

 

(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について

  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので

はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り

たいと思います。一応、期限としては  8 月13日とし、事務方にメールでいた

だき、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

(3) 宮澤さんのご紹介

  今回7 点句になった(050) の作者、宮澤さんについて簡単にご紹介します。

  白金小学校、高松中学、九段高校、東工大を経て、IHI に勤務されました。

霞光会 (会長長谷川さん、副会長橋本さん) メンバー、白金台一丁目町会長、

白金散歩の会会長など、ご多忙の毎日をお過ごしです。先日、 "俳句脳" の鍛

え方、夢枕貘・夏井いつき、文芸春秋2022年8 月、のご紹介がありました。

 

  2022.07.24

 

      代表   橋口侯之介

      顧問  豊  宣光

      事務方 深瀬久敬

 

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(001) 夏の宵森の匂ひの髪を梳き          小野寺15

   1 中津川

(002) 太鼓橋父とうなぎの在りし日や        深瀬  04

   1 吉良    太鼓橋で父親とウナギを食べた思い出でしょうか。

       「在りし日や」の表現が印象的です。

   2 橋本    父と渡り、ウナギも捕った (食べた?) 川の思い

       出の太鼓橋。

   3 小野寺  太鼓橋にくると父上と一緒に食べた鰻が思いださ

       れるのでしょう。切ない思い出です。

(003) 炎天や笠をかぶらぬ石地蔵          豊    01

(004) 真っすぐで真っすぐでない田植え苗      服部  02

   1 桑子    最近は機械で植えていると思うのですが機械でも

       ずれるのでしょう。のどかな田園風景が目に浮かび

       ます。

   2 中津川

   3 橋本    大きく見ると真っ直ぐに揃い、近くで見ると不揃

       いですよね。

   4 平島    少しくらい歪んでもいいじゃないか。捻くれ者の

       僻みかも。世の中こんなものよ。

(005) 燕の子みんなの秘密巣立つまで        宮澤  07

      1 小野寺  燕の雛が巣立つまでそっと見守ろうという優しさ

          が伝わってきます。

(006) 夏山に六根清浄声の行く           深瀬  01

(007) 好天日木陰に集うテントかな         桑子  01

(008) 三年 (みとせ) ぶりビアガーデンの一気飲み  中津川05

   1 桜子    はじけるような喜びが伝わってきます。

(009) 夏山の城址の空に雲ひとつ          深瀬  02

   1 志方    天空の蒼いキャンパスに描く城址と白雲が浮かぶ

       見事な構図だと思います。

   2 柳町 

(010) 新緑と瀬音に埋もる四万の宿         橋本  02

(011) 島陰を白き帆滑り潮の音           小野寺08

   1 橋本    一幅の絵のように爽やかです。

   2 平島    シマかげをシロキ帆スベリ、シオの音サ行の音の

       繰り返しが心地良い。

(012) 夕霞田植えの後に蛙鳴き           志方  04

(013) 浮世絵の美人が涼む隅田川          豊    05

   1 桜子    風情のある、美しい浮世絵が目に浮かびました。

   2 橋本    近くに住まいがあれば見ることも出来ますが、羨

       ましい。

(014) 夏巡る幾億年の今に居て           深瀬  19

(015) 白南風や松の木狙い一番ティー        吉良  04

   1 桑子    さあ今日もやるぞという闘志を感じます。

(016) 空調音深夜に停まり退社急く         深瀬  09

   1 桜子    よくわかります。

(017) 夏銀河天廻りゆき櫂の音           小野寺21

   1 吉良    天の川を船で漕ぎ行くロマンティックな句だと思

       いました。

   2 中津川

(018) 翡翠や水面の飛沫に色映し          宮澤  05

   1 豊      翡翠は鮮やかな色をしています。それが夏の水飛

       沫に映っているのです。翡翠の動きが見えるようで

       す。

(019) 夏の陽にはしゃぐ孫らのいのちかな      深瀬  06

     湯畑で有名な草津温泉で草津音頭を聴きなが

   らーーーーー

(020) 湯煙の草津音頭に胸躍る           柳町  02

   1 深瀬    懐かしいダイナミックな光景が目に迫ります。

(021) 玄関に映る守宮や今日二匹          桑子  04

      1 小野寺  玄関の灯りに集まる虫を取ろうと守宮が来てます。

          おや今日は二匹もいる。さりげない描写が日常に生

          きてます。

(022) 木漏れ陽に滝の風来て夏木立         小野寺02

     白樺の枝越しに見える浅間山の噴煙に、涼し

   い軽井沢にも夏が来たな~と感じました。

(023) 白樺の浅間の煙や夏来る           柳町  01

      1 小野寺  白樺の向こうに見える浅間山の噴煙はまさに夏の

          鼓動ですね。

(024) 人の世に誠意と笑ひ満つる日は        深瀬  20

(025) 夕食はヤモリと一緒ガラス窓         服部  05

(026) 猛暑日や守れぬ公約言い放つ         中津川06

   1 服部   

(027) ウクライナ水漬く屍に草生す屍        深瀬  21

(028) 夏蝶は無縁の墓に羽やすめ          小野寺11

   1 吉良    無縁仏の墓と生きている蝶の対比が新鮮に感じま

       した。

   2 豊      今回の中で一番の句だと思いました。蝶は墓の下

       の死者の魂なのかもしれません。「羽やすめ」が効

       果的です。

(029) 新緑に風に染まりてまた一杯         志方  07

(030) 野反湖に老鶯競い風渡る           橋本  04

(031) 湿原の林間学校朝の風            深瀬  15

(032) 水羊羹するりと喉を通りけり         豊    02

   1 桑子    気持ちのいい句だと思います。年を取るとむせて

       なかなかうまくのどを通らない、羨ましいです。

   2 服部   

(033) 菖蒲湯のほのかに匂ふ洗い髪         小野寺13

   1 桑子    どういう情勢なのか気になります。すれ違った女

       性の髪が匂ったのか、はたまた逢瀬の君の香りなの

       か、菖蒲と勝負をかけていると思うので後のほうで

       すか。

   2 服部   

(034) 父母遺影うなどん供えお線香         深瀬  03

(035) 紫陽花の朽ちてアヤメの花祭り        志方  02

(036) 遥かなる夏期講習や今は孫          吉良  05

   1 深瀬    私たち団塊の世代が小学生のころの景色でもあり

       ました。

(037) ゆるやかにホタル飛びきて人と逢う      小野寺05

(038) 客を釣る鰻ののぼり印旛沼          服部  01

(039) 奥座敷うかぶ麻蚊帳薄明かり         深瀬  13

(040) 行水だ火の玉浸かる水平線          宮澤  06

   1 橋本    大きな句、豪快です!!

(041) 夏蝶は生まれて滝の風に乗り         小野寺09

(042) 空梅雨に身を置く木々のたくましさ      宮澤  01

   1 桜子    最後の「たくましさ」に力強さを感じました。

(043) 土用波ほのかな思ひ押し流し         深瀬  10

   1 吉良    ほのかな思いは恋の思い出でしょうか。シャンソ

       ン「枯れ葉」の歌詞「波は愛し合った恋人の足跡さ

       え消してゆく」を思い出します。

   2 豊      ひと夏のつかの間の恋を土用波が押し流してしま

       ったのです。甘く苦い思い出です。

(044) 満満と八ッ場のダムや何思う         橋本  03

(045) 虫咥え薄暮一閃夏ツバメ           小野寺12

   1 志方    燕の速い動きがうまく表現。

   2 服部   

(046) 夏草の空き地をおおふ異空間         深瀬  18

   1 豊      夏草が伸び放題の空き地。そこはまさに異空間の

       趣です。

(047) 木洩れ日に香り浮かべる蓮の花        吉良  01

   1 平島    泥の中から素直に伸びた清らかな花とその香りが

       木洩れ日に揺れて居る一幅の絵画。

   2 柳町 

(048) 黒潮の岬うずめて月見草           小野寺20

   1 平島    沖を流れる黒潮、近くの岬に目をやれば一面の月

       見草。黄色が眼に浮かびます。

(049) 梅雨明けの電力逼迫恐ろしや         服部  04

(050) ペダル漕ぐたわわな胸に汗光る        宮澤  04

   1 桑子    遅刻しそうで急いでいるセーラー服姿(夏服)の

       女学生を想像しちゃいます。連想して「青い山脈」

       を思い出しました。

   2 志方    不謹慎ながら、まさにチラリズムの極致。

   3 中津川

   4 服部   

   5 柳町 

   6 豊      「たわわな胸」だから、ペダルを漕いでいるのは

       若い女性なのでしょう。女性は作者本人ではなく、

       「たわわな胸」の薄着の女性を見て喜んでいる男性

       作者ですね。

   7 深瀬    「たわわな胸」の質感に圧倒されます。

(051) すだれ越し涼風ぬける廊下かな        志方  06

(052) 濁浪を稲妻走り驟雨打つ           小野寺16

(053) かき氷銀座の路地に人の列          深瀬  16

(054) 未だ青いほころび悲鳴の地球号        橋本  05

   1 深瀬    ウクライナ戦争の状況がYouTube で見れますが、

           こんなことをしている場合なのかとあきれてしまい

       そうです。

(055) 鮎掛かる叫びてはしゃぐ祖父笑顔       小野寺18

(056) 急坂をカモシカ走る夏木立          中津川02

(057) 霧雨のしじまに啼くや閑古鳥         小野寺04

(058) 紫陽花や雨無き日々に頼りなげ        宮澤  02

   1 中津川

(059) 捕虫網持つ子は何を追いかける        豊    04

(060) 燃え立つる赤きカンナの池に映へ       深瀬  12

   1 橋本    「燃え立つる」が上手い表現だと思います。

   2 柳町 

      3 小野寺  まるで燃え立つ様な赤いカンナが静かに池に映え

          て暑い夏の風物詩ですね

(061) 夕涼み浴衣乱して孫はしゃぐ         志方  01

   1 桜子    幼いお孫さんの無邪気な様子がいいなと思いまし

       た。

(062) つゆ草を滑りて蛍飛びたてり         小野寺07

   1 志方    こんな光景、昔は当たり前だったのに。

(063) ふとよぎるこれが最期のうなぎかな      深瀬  05

(064) 夏の海夕日の中の帰り船           豊    07

   1 吉良    夕日に照らされキラキラ輝く海に、帰りを急ぐ船

       の群れの景色が目の前に見えます。

   2 深瀬    絵葉書にでも見るようなこころの底の風景です。

(065) 我が夢は百年経ちて蓮と咲く         杜瑯  01

   1 志方    実感ですね。

   2 柳町 

(066) 老ひの身の夏の陰影うすれゆき        深瀬  07

   1 吉良    年とともに段々とすべてに執着心がなくなり、時

       に流されそうになる気分でしょうか。

(067) 緑陰に染まりて吾子は歩みだし        小野寺01

(068) 剪定に緑の日影夏迎ふ            橋本  01

   1 豊      葉の生い茂った木は夏は暑苦しい。そこで剪定を

       して、涼しい夏を迎えるのです。

(069) 湿気満つ突然目覚む夏至の夜や        中津川03

   1 桜子    私も経験しました。うちだけかと思ったので、安

       心しました。

(070) 池ポチャが三連発や梅雨曇          桑子  03

   1 深瀬    ゴルフ好きの人の気持ちが鮮やかだと思います。

(071) 枝豆を孫と競いて八分負け          志方  03

(072) 脱ロシア持たざる国の未来賭け        橋本  06

(073) 万緑を影移り行き雲走る           小野寺10

   1 吉良    風にのり雲が走っている様子をうまく捉えている

       と思います。

(074) 蝉時雨森の静けさ深き淵           深瀬  14

(075) 朝靄に溶け行く鷺のなお白し         吉良  02

   1 中津川

   2 服部   

(076) くちなしのはかなき香り風に消え       志方  05

   1 桜子    繊細かつダンディーな一句です。

     鬼押し出しから見る浅間山が、江戸時代の噴

   火の跡を木々が覆って少しずつ緑になっていく

   なーっと感じます。

(077) 新緑や燃え立つ木々の浅間山         柳町  03

(078) 浜木綿や沖には紺の潮流れ          小野寺17

   1 平島    これは近くから遠くに目をやって見えた紺色の海

       の流れ。浜木綿との対が好きです。

(079) 夏休み神保町の喫茶店            深瀬  11

   1 中津川

(080) 羨まし百足虫百歩で一万歩          宮澤  03

   1 桑子    確かに一日8000歩を目標としている小生にも

       羨ましい限りです。

   2 橋本    数字を上手く配して面白いです。

   3 服部   

(081) 新緑のエージシュートは想定外        服部  03

   1 桑子    おめでとうございます。スコアが気になります。

   2 深瀬    えっ、誰だろ? なんて思いましたが、すぐ分かり

       ました。

(082) 郭公の木霊かえすや燧岳           小野寺06

   1 志方    静寂の中に自然の囁き?

   2 平島    Kakkouno Kodama kaesu カ行の音が良いなあ。で

       もヒウチダケで決まり。漢字で締まりました。

(083) 階上の孫の叫びに妻笑ひ           深瀬  22

(084) 仕切り無し乾杯ビールの友の顔        中津川01

(085) 侵略し解放と言ふああ非情          橋本  07

(086) 鮎走る深き水底陽の匂ひ           小野寺19

   1 平島    元気そうな鮎。こんな鮎食べてみたいなあ。些か

       理不尽な読み方かな。

(087) 紫陽花の青の孤独や雨強し          豊    03

   1 柳町 

      2 小野寺  紫陽花が強い雨の中で静かに咲いている。紫陽花

          の花の青に孤独を感じる作者の感性が光ります。

(088) 昼寝して待つは4度目の接種券        中津川04

(089) 独り居の昼の冷酒に笑みこぼれ        吉良  03

(090) 夏至の日ものんべんだらり日が暮れる     桑子  02

   1 志方    脱力感の表現が秀逸。

(091) 燕の子口開け騒ぐ雨の軒           小野寺14

(092) 庭いじり何はともあれ次ビール        桑子  05

(093) 夏の陽に覚悟あらたむ死出の旅        深瀬  08

   1 豊      夏の陽には烈しさがあります。それに打ち勝つた

       めにはあらたな覚悟が必要なのです。死を恐れぬ作

       者の意思が感じられます。

      2 小野寺  照りつける夏の強い陽射しの中でいつかはこの命

          も尽きる日は来ると覚悟を決める作者の心情に同感

          です。生きると言う事は常に死と隣り合わせですよ

          ね。

(094) 向日葵の大きいのちが燃えており       豊    06

(095) 望郷の森に啼きをり青葉木菟 (あおばずく)   小野寺03

   1 柳町 

(096) 夏の雲声を掛けたきその姿          深瀬  17

(097) 着飾って散歩の犬はバギー乗る        中津川07

 

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  補足

  選句者の選句におけるコメントを僣越ですが、ご参考までにご紹

介します。

 

・桜子さん (新井さん)

  皆さんレベルが高いですね。情緒あふれる句が多かったです。気

分転換になりました。

 

・小野寺さん

 短い間に二人大事な友人の死に立会いました。もっともっと生き

たかったであろう命とどうやって、最後の日を迎えたかを思うとい

たたまれない焦燥に襲われました。おろそかに日を過ごせないな、

と思います。

 

・志方さん

  だんだんレベルが高くなっているので、選ぶのに苦労しました。

 

・中津川さん

  選句理由は割愛です申し訳ありません。

 

・橋本さん

  不安定な夏の天気が続いて、体調管理に気を遣います。今年は庭

の菜園の実りの方も余り芳しくありません。

 

・平島さん

  ポルトガルに戻って3 日目に発熱、知り合いに検査キットを貰い

テスト結果、陽性が判明約1 週間悪い二日酔いみたいに頭がボーッ

として何事もやりたく無い状態でした。やっとコロナから解放され

て選句に取りかかりました。女房殿は何事も無く陰性です。

  日本の猛暑は異常ですね。ここヨーロッパも悲鳴をあげています。

家は冬向きですから。

 

・柳町さん

 暑いですね! コロナの収束が見えず、このままではGO TO なん

て夢の又夢になりそうですね。10月の温泉、どうなることやら???

 

・豊さん

 今回は力作揃いで迷いました。

 

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2022年7月5日火曜日

七句会 第四十回目のネット句会 選句のご依頼です。

  七句会の皆様

 

  酷暑、コロナ禍、ウクライナ戦争など、気掛かりが絶えませんが、み

なさまお元気にお過ごしのことと思います。

  七句会としての第四十回目のネット句会となりますが、今回、下記97

句の投句がありました。

  つきましては、次の要領で、選句をしていただきたく、よろしくお願

いいたします。

 

- 下記は、今回、投句していただいた全ての句を、作者を伏せ、兼題別

に、ランダムに列挙したものです。表記は、投句されたそのものです。

詞書きがあり、複数の句があるものは、まとめて並べてあります。兼題

句、自由題句、無季語句、川柳的な句、作者の特定が可能な句、等々、

なんでもありとしています。分類については、作者の意図と異なるかも

しれませんが、ご了承のほどお願いいたします。 (今回も分類を省略さ

せていただきました。)

- このなかから、共感する俳句を、最大7 句選び、07月23日 (土) まで

に、下記へメールで返信してください。番号表記でも構いません。その

際、選んだ理由を一言、付け加えていただくとなお結構です。全体への

コメントでも結構です。

    hfukase@k03.itscom.net  (事務方  深瀬)

- 蛇足ですが、選句にあたり、自作を選ぶのはご遠慮ください。

- 7 月下旬には、選句の結果をまとめ、皆さまにご報告する予定です。

 

  今回の投句者は、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、中津

川さん、橋本さん、服部さん、宮澤さん、森さん、柳町さん、豊さん、

深瀬 (以上12名) です。

 

 これまでの選句結果は、下記のURL から参照可能です。

 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/

 

 以上、よろしくお願いいたします。

 

  送付不要な場合、ご面倒ですがご一報下さい。以後、送付しないよう

にします。

 

        七句会 2022.07.04

          代表  橋口侯之介

     顧問  豊  宣光

          事務  深瀬久敬

   

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   1. 全て (兼題、季語の有無など無関係)

 

(001) 夏の宵森の匂ひの髪を梳き

(002) 太鼓橋父とうなぎの在りし日や

(003) 炎天や笠をかぶらぬ石地蔵

(004) 真っすぐで真っすぐでない田植え苗

(005) 燕の子みんなの秘密巣立つまで

(006) 夏山に六根清浄声の行く

(007) 好天日木陰に集うテントかな

(008) 三年 (みとせ) ぶりビアガーデンの一気飲み

(009) 夏山の城址の空に雲ひとつ

(010) 新緑と瀬音に埋もる四万の宿

(011) 島陰を白き帆滑り潮の音

(012) 夕霞田植えの後に蛙鳴き

(013) 浮世絵の美人が涼む隅田川

(014) 夏巡る幾億年の今に居て

(015) 白南風や松の木狙い一番ティー

(016) 空調音深夜に停まり退社急く

(017) 夏銀河天廻りゆき櫂の音

(018) 翡翠や水面の飛沫に色映し

(019) 夏の陽にはしゃぐ孫らのいのちかな

     湯畑で有名な草津温泉で草津音頭を聴きなが

      らーーーーー

(020) 湯煙の草津音頭に胸躍る

(021) 玄関に映る守宮や今日二匹

(022) 木漏れ陽に滝の風来て夏木立

        白樺の枝越しに見える浅間山の噴煙に、涼し

      い軽井沢にも夏が来たな~と感じました。

(023) 白樺の浅間の煙や夏来る

(024) 人の世に誠意と笑ひ満つる日は

(025) 夕食はヤモリと一緒ガラス窓

(026) 猛暑日や守れぬ公約言い放つ

(027) ウクライナ水漬く屍に草生す屍

(028) 夏蝶は無縁の墓に羽やすめ

(029) 新緑に風に染まりてまた一杯

(030) 野反湖に老鶯競い風渡る

(031) 湿原の林間学校朝の風

(032) 水羊羹するりと喉を通りけり

(033) 菖蒲湯のほのかに匂ふ洗い髪

(034) 父母遺影うなどん供えお線香

(035) 紫陽花の朽ちてアヤメの花祭り

(036) 遥かなる夏期講習や今は孫

(037) ゆるやかにホタル飛びきて人と逢う

(038) 客を釣る鰻ののぼり印旛沼

(039) 奥座敷うかぶ麻蚊帳薄明かり

(040) 行水だ火の玉浸かる水平線

(041) 夏蝶は生まれて滝の風に乗り

(042) 空梅雨に身を置く木々のたくましさ

(043) 土用波ほのかな思ひ押し流し

(044) 満満と八ッ場のダムや何思う

(045) 虫咥え薄暮一閃夏ツバメ

(046) 夏草の空き地をおおふ異空間

(047) 木洩れ日に香り浮かべる蓮の花

(048) 黒潮の岬うずめて月見草

(049) 梅雨明けの電力逼迫恐ろしや

(050) ペダル漕ぐたわわな胸に汗光る

(051) すだれ越し涼風ぬける廊下かな

(052) 濁浪を稲妻走り驟雨打つ

(053) かき氷銀座の路地に人の列

(054) 未だ青いほころび悲鳴の地球号

(055) 鮎掛かる叫びてはしゃぐ祖父笑顔

(056) 急坂をカモシカ走る夏木立

(057) 霧雨のしじまに啼くや閑古鳥

(058) 紫陽花や雨無き日々に頼りなげ

(059) 捕虫網持つ子は何を追いかける

(060) 燃え立つる赤きカンナの池に映へ

(061) 夕涼み浴衣乱して孫はしゃぐ

(062) つゆ草を滑りて蛍飛びたてり

(063) ふとよぎるこれが最期のうなぎかな

(064) 夏の海夕日の中の帰り船

(065) 我が夢は百年経ちて蓮と咲く

(066) 老ひの身の夏の陰影うすれゆき

(067) 緑陰に染まりて吾子は歩みだし

(068) 剪定に緑の日影夏迎ふ

(069) 湿気満つ突然目覚む夏至の夜や

(070) 池ポチャが三連発や梅雨曇

(071) 枝豆を孫と競いて八分負け

(072) 脱ロシア持たざる国の未来賭け

(073) 万緑を影移り行き雲走る

(074) 蝉時雨森の静けさ深き淵

(075) 朝靄に溶け行く鷺のなお白し

(076) くちなしのはかなき香り風に消え

        鬼押し出しから見る浅間山が、江戸時代の噴

      火の跡を木々が覆って少しずつ緑になっていく

      なーっと感じます。

(077) 新緑や燃え立つ木々の浅間山

(078) 浜木綿や沖には紺の潮流れ

(079) 夏休み神保町の喫茶店

(080) 羨まし百足虫百歩で一万歩

(081) 新緑のエージシュートは想定外

(082) 郭公の木霊かえすや燧岳

(083) 階上の孫の叫びに妻笑ひ

(084) 仕切り無し乾杯ビールの友の顔

(085) 侵略し解放と言ふああ非情

(086) 鮎走る深き水底陽の匂ひ

(087) 紫陽花の青の孤独や雨強し

(088) 昼寝して待つは4度目の接種券

(089) 独り居の昼の冷酒に笑みこぼれ

(090) 夏至の日ものんべんだらり日が暮れる

(091) 燕の子口開け騒ぐ雨の軒

(092) 庭いじり何はともあれ次ビール

(093) 夏の陽に覚悟あらたむ死出の旅

(094) 向日葵の大きいのちが燃えており

(095) 望郷の森に啼きをり青葉木菟 (あおばずく)

(096) 夏の雲声を掛けたきその姿

(097) 着飾って散歩の犬はバギー乗る

 

 

  ----------

 

  追記1.  僣越ですが、投句時にいただいたみなさまからのコメントをご紹介

します。

 

・小野寺さん

 異常熱帯夜、コロナの災禍、ウクライナの惨禍と不安定な日々が続きますが

、スティーブ・ジョブズの最後の言葉を噛み締めながら今生きて動ける幸せを

大切にしたいと思う今日この頃です。

 

・中津川さん

  暑いですね。コロナもまた増えてきて七夕会を秋に実施しようかと検討をす

るのですが心配です。

 七句会投句です。今回は川柳みたいなものも入れました。

 

・橋本さん

 6/29は、霞光会のゴルフで想定外の猛暑の中、木陰を渡り歩きつつ何と

か無事?ホールアウト出来ました。河川敷の日陰の少ないゴルフ場では途中で

リタイアしていたかもしれません。6 月下旬でこの猛暑は、やはり異常ですね。

 さて、今回は以下7 句投句致します。1 泊での群馬の四万温泉への寄り道ド

ライブ旅行で3 句、やはりロシアによるウクライナ侵攻で2 句を詠みました。

 

・柳町さん

 暑いですね!!! 先日の夜、あまりにも寝苦しくA/CをONにして寝た

ところ、暑くて寝覚めました。何と、A/Cがうごいてないですか!!!!?

??? 先週の土曜日にY AMADA電器の開店に合わせて購入し、やっと先

ほど(29日)取付がおわり、今夜からぐっすり眠れそうです(とほほっっー

ーーー) 早く、秋にならないかなあ――

  先週、地域割を使って軽井沢、草津、浅間方面にいきまして、その時のこと

をいじってみました。

 

 

  追記2.  駒東OBのみなさま

  昨年の春ころから、現役駒東生とその保護者、および、駒東OBの定期的な交

流の場としての駒カフェが毎月開催されています。スタッフは、駒東の前校長

平野先生、そして、私たち7 回生の黒岩さん (前スクールカウンセラー) 、中

村さん (元日本史教諭) 、角本さん、眞木さん、私です。前回から、若い世代

のOBも参加してくれるようになりました。

  最近、駒東のHPのトップページに駒カフェのバナーが作られ、その紹介や報

告書が閲覧できるようになりました。関心がありましたら、参照してみてくだ

さい。

  https://www.komabajh.toho-u.ac.jp/index.html

 

2022年6月23日木曜日

第9 回目の七句会自由連句実施要領 22.06.23

  七句会自由連句のみなさま

  いつもたいへんお世話になり、ありがとうございます。

  コロナ禍やウクライナ戦争の影響など、世間はやや落ち着きませんが、第9 

回目の七句会自由連句を下記要領にて行いたいと思います。よろしくお願いし

ます。

  志方さん、二句目をよろしくお願いします。


・参加者 新井さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、豊さん、深瀬(6名) 

  注。新井さんは、「今回は、できましたら7 月半ば以降からお願いしたいで

す。最近、肩こりが重症化し、リハビリに通っています。パソコンを見るのも

日曜一回がやっと…。職場のパソコンが小さくなったのが原因で、モニターを

買おうと思っているところです。」とのことです。8 句目のときは、事前にご

確認し、適宜、交代するなりしたいと思います。


・発句  野佛の頬濡らしけり花時雨   小野寺さん

   選句者および作者のコメント

   選者コメント

      1 秋元

      2 吉良    美しい春の日本の原風景を感じます

      3 志方    お地蔵さんの姿が、だんだん少なくなって、世の中全

              体がのんびり感が失せている。

      4 平島    お地蔵さんも世の中の非情に涙流して居られるみたい。

              花時雨が効いています。

      5 宮澤    野仏はいつも微笑んでいるようです。うれし涙が頬を

              伝う姿に時雨よありがとうと合掌。

      6 豊      今回の選句でイチオシの句です。「花時雨」という季

              語を見つけたのがお見事。野仏に結びつけたイメージも

              いいですね。

   作者コメント

      京都嵯峨野の野佛は春の花時雨に濡れそぼち、まるでこの世の不条理を

    一身に抱え込み涙を流しておられるように感じたのです。


・座

  初折表六句

01 発句   春    小野寺

02 脇    春    志方

03 第三   春      深瀬

04 四句目  雑 無季 吉良

05 月の座  秋    豊

06 折端   秋    小野寺

 初折裏十二句

07 折立   秋    志方

08 二句目  恋 無季 新井

09 三句目  恋 無季 吉良

10 四句目  雑 無季 深瀬

11 五句目  雑 無季 小野寺

12 六句目  雑 無季 豊

13 月の座  夏    新井

14 八句目  夏    志方

15 九句目  雑 無季 豊

16 十句目  雑 無季 吉良

17 花の座  春    深瀬

18 折端   春    小野寺

 名残表十二句

19 折立   春    新井

20 二句目  雑 無季 深瀬

21 三句目  雑 無季 小野寺

22 四句目  雑 無季 豊

23 五句目  冬    新井

24 六句目  冬      志方

25 七句目  雑 無季 新井

26 八句目  恋 無季 吉良

27 九句目  恋 無季 志方

28 十句目  雑 無季 小野寺

29 月の座  秋    吉良

30 折端   秋    深瀬

 名残裏六句

31 折立   秋    小野寺

32 二句目  雑 無季 豊

33 三句目  雑 無季 志方

34 四句目  雑か春  新井

35 花の座  春    豊

36 挙句   春    吉良


・式目  特に前回と変わりません。同じ語句の使用は避ける、付合において

場面の繰り返しや後戻りはしない、付合の背景の補足コメント (付け筋) を簡

単に付記する、といった程度です。

  若干追加しますが、月、花の座については遵守する、固有名詞の使用はバラ

ンスを考慮する、雅的な雰囲気は少し避ける、などです。恋の座は復活しまし

た。また、表六句が序、裏~名残表が破、名残裏が急、あるいは、表六句が起

、裏が承、名残表が転、名残裏が結といっためりはりを意識したいと思います

。

  補足

  各座を詠む上での備考です。

  下記より転記。

  http://www.local.co.jp/renku/4.html 


  初折表六句

01 発句    や、けり、かな、などの切れ字を用いるのが好まし

       い、とされる。

02 脇     発句に密着し同季同場同時で補完。

03 第三    前句から転じて、て、に、にて、らん、もなし、の

              留字で留める。

04 四句目   軽くサラリとつける。

05 月の座   発句が秋の月の句の時は無季の句をつける。

06 折端    軽くテンポのいい句をつける。

 初折裏十二句

07 折立    恋の句はまだ早い。

08 二句目   独自の発想でバンバン行く。

09 三句目   恋句はこのあたりからだすのがよいともいわれる。

10 四句目   恋句は二句続ける。

11 五句目   独自の発想でバンバン行く。

12 六句目   同上。

13 月の座   句の流れで月の句はもっと後でもよい。

14 八句目   月の句の次は季節に準ずる。

15 九句目   独自の発想でバンバン行く。

16 十句目   花の句の前は植物を詠まないようにする。

17 花の座   花の句の定座、花とは桜のこと。但し発句が桜の時

       は梅を詠んでもいい。

18 折端    春の季語を入れて独自の発想でバンバン行く。

 名残表十二句

19 折立    春の季語を入れて独自の発想でバンバン行く。

20 二句目   独自の発想でバンバン行く。

21 三句目   同上。

22 四句目   同上。

23 五句目   このあたりで季節を詠む。

24 六句目   季節は二句続いたほうが好ましい。

25 七句目   独自の発想でバンバン行く。濃厚な恋句を二句続き

       で盛り込むとよい。

26 八句目   同上。

27 九句目   同上。

28 十句目   同上。

29 月の座   以前に詠まれた月の句と同趣同景にならぬようにす

       る。

30 折端    以前に詠まれた秋の句と同趣同景にならぬようにす

              る。

 名残裏六句

31 折立    ここからは考え込まないで軽く穏やかな句をテンポ

       よく詠む。

32 二句目   テンポよく穏やかに詠む。

33 三句目   同上。

34 四句目   同上。

35 花の座   以前に詠まれた花の句と同趣同景にならぬようにす

       る。

36 挙句    穏やかにおわる。


2022年5月12日木曜日

七句会 第三十九回目のネット句会 感想、自句自解のご報告です。

  七句会のみなさま

 

 第三十九回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、

たいへんありがとうございました。

 およせいただいたものを、作品集とともに、名前順に、ほぼそのまままとめ

てお届けします。

 

 今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。

 七句会のweb  http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。

  今後とも、よろしくお願いいたします。

  深瀬 (事務方)

 

 

1.第39回  ネット句会  作品集

 

(01) 秋元さん

・蕾咲く春の日差しに陰深く

・平和ボケ忘れてならぬ日本人

・忍び寄る悪の枢軸焦眉の急

・妄想に生きる狂人露亡霊

・核威嚇歴史に残る大汚点

・国連は機能不全の5P

 

(02) 新井さん

・三渓園はずむおしゃべり梅見酒

・卒業もメールでつなぐゆるい縁

・引っ越しで人の情けの身に沁みけり

・新しい本立て飾るあれこれと

・エルグレコ神秘の紅に鳥肌立ち

 

(03) 小野寺さん

・鐘の音に心弾みて春の雨

・谷川の瀬音ゆたかに山桜

・山城を訪ふひともなく花吹雪

・桜花ほのかに遷 (うつ) し緑酒注ぐ

・峠道うしろ髪ひく花の雨

・葉桜の湖 (うみ) の向こうに風ひかり

・夜桜や想い断ち切る風の音

・墨擦れば花冷えの木々薫りけり

・雲翳り畔一面の蓮華草

・風が哭く古城の堀に花筏

・野佛の頬濡らしけり花時雨

・吹き入りし落花に佛息を止め

・潮鳴りの煌く沖をごめ (海猫) 渡り

・解きおろす緞子の帯に花落ちて

・満開の花観ることもなく朋は逝き

・夕餉待つ母の得意の木の芽和え

・おぼろ月蛙のこだま帰省の夜

・音もなく渓流下る花筏

・ホオジロの渡る枝々新芽吹き

・夜桜の梢の闇に人の声

・鐘の音に和して舞ひ翔ぶ春疾風 (はやて)

 

(04) 吉良さん

・深き空白木蓮(はくれん)光るビルの街

・春寒や背中丸めて夫婦坂

 ソビエトのウクライナ侵攻の早期の解決を願

って。

・硝煙の消えることなし草芽吹く

・悲きや戦 (いくさ) なる地へ鳥帰る

・戦 (いくさ) 止み青麦そよぐ静けさや

 

(05) 桑子さん

・川うららゴミ取り船の千鳥足

・卒業子正門前のファッションショー

・露消えてロビンさえずる春の宇宙 (そら)

・隅田川上り下りの花筏

・遅き日や19番はパー5 (ファイブ)

 

(06) 志方さん

・散り桜日ごと少なく春は往く

・水温み朱き石楠花生き生きと

・花園も色も多彩に華やいで

・寂しさも酒杯に浮かびもう二年

・プーチンとともに未来の地獄絵図

・みちのくのこれから魅せる山桜

・由比ガ浜水平線はどこまでも

 

(07) 中津川さん

・花見せんとカルガモ親子列を成し

・鳩のごと白木蓮 (はくれん) に停戦祈る

・香満る本尊囲むつるし雛

・この浜も外国産かと潮干狩り

・山歩くジビエ料理に雪の果

・手術後の目を襲うかと春の塵

・燕の巣主は来ぬかと今日も見る

 

(08) 橋本さん

・長閑さや散歩道にも眠気有り

・水温む水辺の草の水水し

・今年また初音嬉しやゴルフ場

・寒暖の大差に竦む老いの春

・囀りの車途切れて響く空

・花の香を肴に一人ビールかな

・雲雀飛ぶ石陰寄れば巣に命

・雨二日緑一気に春の庭

・ウクライナ実りの大地春はいつ

・自由死守決意の闘いウクライナ

・核を背に狂気の侵攻世界闇

・侵攻を咎めぬ国の不自由度

・鯉幟 (のぼり) 川には鯉の恋上り

 

(09) 服部さん

・一合が眠り薬と春の宵

・藍染の槽の温みや春浅し

・陽当たりの良き場所ほどの梅早し

・入社式制服の折り目ぎこちなく

・蹂躙のウクライナには春遠し

 

(10) 柳町さん

  桜の時期に、青森県五所川原市にある「鶴の

舞橋」を見た時の情景です。

・春霞岩木の山に鶴が舞う

  桜のトンネルで有名な、津軽鉄道の「芦野公

園駅」に、私が現役時代に関係したT-2 型ジェ

ット練習機 (自衛隊で用途廃止となった) が展

示されています。この航空機の日の丸がとても

輝いていた情景を詠んでみました。

・日の丸や芦野の園に桜舞う

 

(11) 豊さん

・稚魚泳ぐ春の小川の光かな

・春昼や縁側の猫あくびする

・青信号歩道を飛んで揚羽蝶

・100号の桜絵並ぶ美術展

・朧月すれ違う人あやしげに

・満開の桜にこころ狂わされ

 

(12) 深瀬

・堀端の桜並木に夕陽映え

・花びらの街路に散って季節ゆく

・山門に雲水送るさくらかな

・校門の並ぶ笑顔に桜舞う

・さくら咲く三途の川の遠見かな

・入学の孫に手をふる坂の上

・満帆の笑顔と緊張入学日

・入学式たぎる若さに老い深む

・たんぽぽのミニマリストの窓飾り

・黄たんぽぽ野原いっぱい広き空

・ボテンティア登録記念梅の花

・紀元節ビッグバンの日分かるなら

・紀元節アイデンティティーの底問われ

・ごまかせる瀬戸際を行く老いの春

・することののたりのたりの老いの春

・活け花や駅舎の隅に春ともす

・長閑 (のどか) さや深き睡魔の老いの午後

・コロナ禍に花粉禍ロシア禍人新世

・図書館の深き静けさ辞書の列

・母からの十三回忌の便りかな

 

 

2.第39回  ネット句会  感想と自句自解

 

◎  小野寺さんの自句自解

 

・野佛の頬濡らしけり花時雨 (6 点句)

 京都嵯峨野の野佛は春の花時雨に濡れそぼち、まるでこの世の不条理を一身

に抱え込み涙を流しておられるように感じたのです。

 

・山城を訪ふひともなく花吹雪 (6 点句)

  山奥の城跡に人知れずにひっそりと咲く桜、もう訪れる人もなく、一陣の風

に任せて散る花吹雪は、人の世の儚さを今に伝える様でもありました。

 

・谷川の瀬音ゆたかに山桜 (3 点句)

  山深い谷川の瀬は水量も多くダイナミックに音立てて流れ、観る人もない山

桜は堂々と咲き誇り、大自然に身を委ねる心地よいひと時でした。

 

・葉桜の湖( うみ) の向こうに風ひかり (3 点句)

  葉桜となった鮮やかな新緑の向こうには湖水がキラキラと輝いていて、心地

よい風が光りながら、流れていくのを感じたのです。

 

・風が哭く古城の堀に花筏 (2 点句)

  桜がちりしく古城の石垣に風が茫々と哭いているかの様に吹きあれて、桜は

花の筏となってお堀にたゆとうておりました。

 

・墨擦れば花冷えの木々薫りけり (2 点句)

 手紙を書く為に墨を擦ると墨の匂いが心地よく、花冷えの窓の外の木々が薫

りくるような気分になったのです。

 

・夜桜や想い断ち切る風の音 (2 点句)

 光を浴びた夜桜をながめると悩み抜いた末に別れた人への未練を断ち切れと

、風が音たてて桜を散らしておりました。新井さん橋本さんのご推察の通りで

す。

 

・潮鳴りの煌く沖をごめ( 海猫) 渡り (2 点句)

  平島さん恐れ入ります。これだけの言葉で私の言いたい事を全て解説頂きま

した。なかにし礼の石狩挽歌なのです。北の海満洲、千島、その向こうにはロ

シア。今 ウクライナを蹂躙するプーチンのバカ野郎。ごめが鳴くからニシン

が来た、のですが我々も又、ウクライナの蹂躙を他人事としてはならないので

す。

 

・鐘の音に和して舞ひ翔ぶ春疾風 (はやて)  (2 点句)

 鐘の音に唱和するかの如く春の疾風が音たてて舞い上がり、鐘の音だけがい

つまでも乾いた心に鳴り響いておりました。

 

・おぼろ月蛙のこだま帰省の夜 (1 点句)

 帰省した月夜の一面の田圃道。蛙の大合唱がこだまの様に耳殻に響き温かく

、泣けとばかりに懐かしい郷愁となって想いだされます。

 

・満開の花観る事もなく朋は逝き (1 点句)

  (満開の花間に合わで朋は逝き)

  西行の、願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃、の歌が好きだっ

た朋は、桜を観る事もなく急逝しました。花の季節になり、朋の死の無念を想

うと徒 (あだ) や疎 (おろそ) かには生きられないのです。

 

 以上

 春の句の兼題を締め切りを猶予頂き一気に投句したのですが、最高得点にニ

句も選んで頂き大変ありがたい事で感謝に耐えません。

 

 

◎  中津川さんの自句自解

 

  残念ながら一つも二点句以上になりませんでしたがいくつか自解します。

 

・手術後の目を襲うかと春の塵(035)

 2月に白内障の手術を受けました。その後保護メガネをかけて散歩したので

すがある日突風が砂を巻き上げメガネめがけて飛んできたのです。

 

・山歩くジビエ料理に雪の果て(050)

  裏高尾を小仏峠を目指す途中のお店で鹿・猪を使ったイタリアンを食べまし

た。雪がチラチラと寒い春でした。

 

・燕の巣主は来ぬかと今日も見る(089)

 バス停横の2軒の家の駐車スペースの軒に毎年燕が来る。今年はいつ来るか

とバスを待つ間気になります。今年は七句会の締め切り後の数日後にやってき

ました。

 

 感想)

 ウクライナ侵攻に関する句が10句以上ありましたが、季語を入れるには難

しいと思いました。その中で吉良さんの ”鳥帰る”の句は渡り鳥の習性と戦

争の悲惨さを訴え見事に表現されていると思いました。

 

 

◎  橋本さんの自句自解

 

  今回は、ロシア (プーチン) による理不尽なウクライナ侵攻のショックがあ

り、関連の句4句と合せて13句も投句してしまいましたので、自句自解や思

いを述べさせて頂きます。

 

・自由死守決意の闘いウクライナ

 屈したら自由と民主主義を失い屈辱の未来が待っている、死闘に耐えて国を

守るウクライナ頑張れ、 応援する! 

 

・核を背に狂気の侵攻世界闇(1点句)

 核の脅しもちらつかせ戦いを有利にしようとするプーチン、まさかと思うが

現実になれば世界は大きなダメージを受ける。国連の安全保障体制が有効確実

に機能するべく、改革が必要不可欠と思う。

 

・侵攻を咎( とが) めぬ国の不自由度(1点句)

 ロシアに似た強権ないしは独裁、専制国家で国民の自由が制約されたり、経

済や軍の装備などをロシアに依存している国は国連のロシアへの非難決議や制

裁に反対、躊躇している。

 

・ウクライナ実りの大地春はいつ

 ウクライナは小麦やひまわりなどの世界的穀倉地帯、戦争が終わり実りを迎

えるのはいつになるのか。

 

・囀 (さえず) りの車途切れて響く空

 道路を走る車の音が途切れると、近くの何処かでなく小鳥の囀り。窓越しに

空を見上げ、耳を澄まし聞けば心が癒やされる。

 

・花の香を肴に一人ビールかな(1点句)

 近くの公園に満開の桜を見に出かけ、桜の香り、 姿を肴に家で一人ビールで

乾杯する老いの春の一コマ。

 

・雲雀飛ぶ石陰寄れば巣に命(2点句)

 田舎の少年時代の河原散策での体験、勿論巣には一切手を触れない。雲雀の

巣を見たのはこの時だけ。

 

・雨二日緑一気に春の庭(2点句)

 春の雨が二日続き、庭は一気に緑の勢いが増してきた。

 

・今年また初音嬉しやゴルフ場(2点句)

 コロナ禍ではあるが、今年もまた同じゴルフ場で鶯の初鳴きを聞くことが出

来た喜び。

 

・寒暖の大差に竦 (すく) む老いの春

 1日で10℃も変化する春先、老いの身は予報を信じてしっかりと備えるば

かり。

 

・長閑 (のどか) さや散歩道にも眠気有り(1点句)

 座生川沿いのいつもの散歩道も、穏やかな春爛漫の陽気に包まれ眠気を誘う

。

 

・水温む水辺の草の水水し(1点句)

  次の句と合せて遊び心で韻を踏んで詠んでみました。

 座生川の石堤側河床の岸の草が、春真っ先に緑に染まり美しい。

 

・鯉幟 (のぼり) 川には鯉の恋上り

 鯉幟は夏の季語だが、4(~5)月に増水すると支流の座生川には江戸川から多

くの鯉が上り、水没した岸辺の草に産卵する。

 

 

◎  豊さんの自句自解

 

・青信号歩道を飛んで揚羽蝶 

 横断歩道で信号待ちをしていたら、青信号に変わったとき、ちょうど揚羽蝶

も一緒に渡ったのです。

  

・朧月すれ違う人あやしげに

 朧月の下では向こうから歩いてくる人の顔はよく見えません。もしかすると

あやしい人かもしれません。 

 

・満開の桜にこころ狂わされ

 「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と梶井基次郎は書きました。満開の

桜を見ると、私はなにやら胸騒ぎがします。皆さんはどうですか。

 

・100号の桜絵並ぶ美術展 

 100号の絵は162センチ×112センチの大きさがあります。そんな絵

がずらりと並ぶ春の美術展は壮観でしょう。

 

・春昼や縁側の猫あくびする

 春ののんびりした風景を切り取ったのですが、平凡だったかもしれません。

 

・稚魚泳ぐ春の小川の光かな 

 生まれたばかりの稚魚が初めて春の川で泳ぎ始める。その新鮮な感じを詠み

ました。

 

 

◎  深瀬の自句自解

 

・堀端の桜並木に夕陽映え

  総武線の窓から市ヶ谷のお堀り端の桜並木をみたときの印象です。夕陽には

少し早い時刻でしたが、なにか輝いて見えました。

 

・花びらの街路に散って季節ゆく

  桜は咲いてしばらくすると散り始めます。時の流れを妙に実感させられる思

いがしました。

 

・山門に雲水送るさくらかな

 NHK 特集でみた永平寺の映像を思い出して詠んでみました。

 

・校門の並ぶ笑顔に桜舞う

 学校の門の前には桜が定番みたいです。桜は日本の象徴のような感じですが

、ぱっと咲いてぱっと散るというのは、いいことなのかやや考えさせられます

。

 

・さくら咲く三途の川の遠見かな

  一昨年、心筋梗塞の発作で三途の川をもうすぐで渡るところでした。老化の

自覚とともになにか誘われているような気持ちになったりもしています。

 

・入学の孫に手をふる坂の上

  去年の春、孫が、わたし、息子と三代続けて同じ小学校に入学しました。近

所の女の子と一緒に行ったりしているようです。

 

・入学式笑みと緊張ぎこちなく

  入学式と卒業式のときの写真を比較してみるとおろしいと思います。

 

・入学式たぎる若さに老い深む

  小学校でも大学でも新入生の輝いている様には圧倒されます。引退している

身としては、彼我の落差に複雑な心境です。

 

・たんぽぽのミニマリストの窓飾り

  良寛のように最低限の持ち物で生活することは理想のように感じますが、う

るおいも大切にしたいと思います。

 

・黄たんぽぽ野原いっぱい広き空

  約半世紀前、大学紛争が吹き荒れているころ、森山良子さんの「この広い野

原いっぱい」がはやっていました。やや複雑な思い出があります。

 

・ボテンティア登録記念梅の花

  今年3 月、目黒区のボランティア登録をしました。はじめはコーヒー同好会

という集まりの話し相手をするというもので、新鮮な体験でした。

 

・紀元節ビッグバンの日分かるなら

  ビッグバンは、今から138.2 億年前とのことですが、この精度が高まり日単

位で分かれば、その日を記念してはと思います。

 

・紀元節アイデンティティーの底問われ

 人間は自分の存在の意味や価値を知りたがり、そこにアイデンティティーを

見いだし安心を得るようです。日本人としてのアイデンティティーばかりでは

ないだろうとの問題提起です。

 

・ごまかせる瀬戸際を行く老いの春

・することののたりのたりの老いの春

・長閑 (のどか) さや深き睡魔の老いの午後

  最近、心臓の負担を減らす薬を服用しているせいか、ややふらつくようなこ

とがあります。なにか限界を生きていて追い詰められているような気持ちにな

ったりします。

 

・活け花や駅舎の隅に春ともす

  実際に見たのは、地下鉄の改札の近くだったと思います。なにか気持ちのや

すらぎを感じました。

 

・コロナ禍に花粉禍ロシア禍人新世

  最近、人新世ということばを耳にします。それだけ激変の時代を生きている

のだと実感します。もうすぐこの世から引退する身ですが、やや身につまされ

る思いです。

 

・図書館の深き静けさ辞書の列

  キョウイクの一環として大学の図書館をよく利用していますが、春休みはす

いていて静かです。なにか蔵書の重みに威圧される雰囲気があります。

 

・母からの十三回忌の便りかな

  母のお墓のある五百羅漢寺から13回忌の法要をしてはどうかとの連絡があり

ました。もうそんなになるのかと母からの催促のように感じました。当日、家

内とお参りに行ってきましたが、同じフロアに恩師遅沢先生のお墓もありご挨

拶してきました。

 

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