七句会のみなさま
第二十一回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
6 点句
(041) 背の汗に 峠の風や 富士仰ぐ 中津川
5 点句
(048) 老農の手にもつ鎌に汗ひかり 深瀬
4 点句
(004) 圧巻の花火の後の無の世界 深瀬
(024) 三歳児花火持つ手の緊張し 深瀬
(029) はかなさを 誰と競うか 手花火や 宮澤
(031) 隅田川 時空を超えし 江戸花火 吉良
3 点句
(013) 五尺玉終の花火か咲きほこる 柳町
(017) ぽとと落ち線香花火や闇の中 深瀬
(032) 寝たきりの母花火聞き目は遠く 深瀬
(078) 打ち水を 避けて 町屋は 暮れにけり 小野寺
(090) 宵宮に 浴衣のひとの 薄化粧 小野寺
2 点句
(008) 縁台に夜空見上げてかき氷 秋元
(014) 夏の湖 (うみ) 天空の花 舞い落ちる 中津川
(021) 花火舞う 同心円の 点描画 宮澤
(039) 額汗たわわに成りて夏野菜 秋元
(042) 電車乗り突き刺す冷気汗拭う 深瀬
(054) 陽だまりに 影落としけり 夏の蝶 小野寺
(058) 夕菅や 時雨 (しぐれ) て荒れ野 夏木立 小野寺
(060) 藍染の 浴衣着流し 乱れ髪 小野寺
(062) 佇めば 闇を 蛍が夢をひき 小野寺
(066) 夕焼けに 梅雨 (つゆ) あがりたり 草ひばり 小野寺
(068) 夏蝶の 羽たたみおり 岩清水 小野寺
(069) 紙中より動くものある曝書 (ばくしょ) かな 豊
(072) 海染めて ゆらりと眩し あかね雲 小野寺
(074) とほき日の 青き匂ひや 栗の花 小野寺
(083) 酷暑暮れ蜩の声澄み渡る 橋本
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、10月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連絡を
いただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の13名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、治部さん、中津川
さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては8 月28日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2017.08.14
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
兼題 花火
(001) 手花火や 星が飛び出す 揺らぐ玉 宮澤03
(002) 船めがけ 襲い落つごと 大花火 中津川04
1 吉良 火の粉が舞い降りる状況が実感され
ます。
(003) 漆黒に大輪の花儚かなしや 秋元02
(004) 圧巻の花火の後の無の世界 深瀬10
1 森
2 宮澤 あんまり出来が良いと燃え尽きてし
まうので、いつも手を抜いています。
3 志方 (029) とともに、花火のあとの虚無
感が上手く表現されている
4 治部
(005) 漆黒の 闇を照らすや 大花火 吉良02
1 秋元
(006) 花火師のまとふ危険に近寄らず 豊02
1 中津川
(007) 夏花火 夜空に広げし 万華鏡 吉良05
(008) 縁台に夜空見上げてかき氷 秋元03
1 中津川
2 治部
(009) 夕食もそこそこ花火に走る子ら 橋本01
(010) ビル街に 音響かせて 花火あげ 吉良04
(011) 鎮魂の花火に気持ち重ねけり 深瀬07
(012) 花火見る娘の瞳に映る華 秋岡02
1 小野寺 娘の瞳に写る花火の華はそのまま大
切な娘への愛情となって清々しい。
終活中の我が身をかさねてみました。
(013) 五尺玉終の花火か咲きほこる 柳町02
1 豊 花火大会の最後に五尺玉があがった
光景でしょうか。「咲きほこる」がいいです
ね。
2 小野寺 花火は己の人生そのものかもしれま
せん。古稀にもなればその哀感は共鳴できま
す。
3 深瀬 終活ということばを使う世代になっ
たことを改めて思いましたが、これまでの生
き方を振り返り、静かに納得している雰囲気
がいいと感じました。
(014) 夏の湖 (うみ) 天空の花 舞い落ちる 中津川02
1 吉良 湖に映る花火が美しく表現されてい
ます。
2 橋本 絵や写真を超える表現、巧いです
(015) 両国の橋と花火に小舟群れ 深瀬06
1 秋元
(016) 田舎町花火も間延びして上がり 橋本02
(017) ぽとと落ち線香花火や闇の中 深瀬02
1 吉良 線香花火が落ちる「ぽとと」が効い
ています。
2 宮澤 僕のはすぐ落ちましたけど、君のは
最後までよく頑張りました。
3 豊 「ぽと」の擬音語がきいています。
「落ち」よりも「落つ」のほうがよかったの
ではないでしょうか。
(018) 花火師の 魂打ち上げ 夏の夜 吉良01
(019) 鉄橋の電車にバンザイ花火かな 深瀬01
(020) 大花火開く下行く屋形船 豊01
(021) 花火舞う 同心円の 点描画 宮澤01
1 柳町
2 深瀬 同心円の点描画という表現に説得力
を感じました。花火師のそれなりの工夫のた
まものなのだと思います。
(022) PDCA抜け出し花火しみじみと 深瀬05
(023) 大輪の花々競う 夏夜空 中津川03
(024) 三歳児花火持つ手の緊張し 深瀬09
1 吉良 初めての花火をもつ子供の様子がか
わいい。
2 秋岡 情景が浮かんできて思わず微笑んで
しまう句です。
3 宮澤 火を点ける、おじいちゃんも緊張し
ています。
4 小野寺 可愛い孫に花火をさせる日常的な何
気ないまなざしが自然に表れてます。
(025) せがまれて孫の手をとる線香花火 柳町01
(026) 静寂の 夜空を破る 大花火 吉良06
1 豊 まさにその通り。それまで静かだっ
た空に大花火が開き、やがてまた静寂の空に
戻る。観客も拍手喝采でしょう。
(027) 妻とお茶ビルの影から花火咲く 深瀬08
(028) 涼しげに遠見花火の夏の夜 秋元01
1 深瀬 かなり季重なりの印象ですが、遠く
の花火を、ひとりしずかに見入っている雰囲
気にひかれました。
(029) はかなさを 誰と競うか 手花火や 宮澤04
1 中津川
2 志方 (004) とともに、花火のあとの虚無
感が上手く表現されている
3 柳町
4 小野寺 線香花火のはかなさをじっとみつめ
る作者の心がゆれております。
(030) 起つ歓声 バケツめがけて 庭花火 中津川01
(031) 隅田川 時空を超えし 江戸花火 吉良03
1 秋岡 伝統の隅田川の花火、江戸時代から
続いているのですね。東京勤務時代は見るこ
とがなかったです。
2 秋元
3 橋本
4 治部
(032) 寝たきりの母花火聞き目は遠く 深瀬04
1 吉良 今は花火を見に行く元気はないので
しょうが、遠い思い出として目の前に花火が
見えるようです。
2 宮澤 遠い記憶、心眼で壁の向こうを見て
いるのでしょう。
3 小野寺 寝たきりの母は花火を観ることはか
なわないけれども音で花火を観ていると老い
た母への思慕を感じます。
(033) 遠く咲く 花火の輪の後 ドンと鳴る 宮澤02
(034) ひゅうどんぱっ来し方見れば花火如 深瀬03
1 柳町
兼題 汗
(035) 吊り橋の汗も引っ込む高さかな 豊04
(036) 一汗に身心軽し散歩かな 橋本03
(037) アマゾンの裸族弓持ち汗耐える 深瀬14
(038) 恥かいて 汗をかきかき 頭掻く 宮澤05
1 治部
(039) 額汗たわわに成りて夏野菜 秋元04
1 宮澤 よく頑張った。さて誰に配ろうか。
2 柳町
(040) ロシア行く準備に追われ玉の汗 秋岡01
(041) 背の汗に 峠の風や 富士仰ぐ 中津川06
1 吉良 若い頃の登山を思い出します。
2 森
3 橋本 癒やされる瞬間、これがあるから登
る
4 治部
5 小野寺 峠を越えてきた向こうに富士を仰ぐ
と上り来た道にも風も風が吹き疲労が視覚へ
と移ります。
6 深瀬 雄大な夏の景色のなかに、なにか清
らかな風情と格調が感じられました。
(042) 電車乗り突き刺す冷気汗拭う 深瀬11
1 志方 猛暑の実感
2 柳町
(043) ほとばしる汗の若さや甲子園 豊03
(044) 落ち武者の汗拭く顔に無念満ち 深瀬12
1 中津川
(045) 甲子園 ひたむきプレーに 目から汗 宮澤06
(046) 汗と涙と 甲子園遠く チアガール 中津川05
(047) 深いラフ汗かき出すもピン遠く 橋本04
1 秋岡 何かいかにも汗が出てきそうな状況
ですね、しかもまだピンが遠くに見えるとは
・・・お疲れ様です
(048) 老農の手にもつ鎌に汗ひかり 深瀬13
1 秋岡 "鎌に汗ひかり" は何か黙々と野良
作業に打ち込むきりりとした姿が伝わってき
ます。
2 中津川
3 豊 「汗」の句の中で一番ユニークな視
点がでていました。完成度も高いです。
4 橋本
5 柳町
雑詠、川柳
(049) 白南風 (しらはえ) を孕みて 故郷 (くに) の海ひかり。小野寺09
(050) すさまじき眠気吹き飛ぶ蝉の声 秋岡07
(051) 梅雨空に タイガー吠えて つきを呼び 森01
1 柳町
(052) 栗の花 匂ひにむせて 夏至が過ぎ 小野寺01
(053) 猛暑日や バテバテ犬の 散歩道 中津川07
1 秋岡 小生も犬の散歩をよくするのですが、
帰り道は本当に歩きが遅くなり強引に引っ張
らないと帰り着きません。こちらがバテテし
まいますが。
(054) 陽だまりに 影落としけり 夏の蝶 小野寺15
1 宮澤 音もなく、陽だまりの譜面に音符が
舞います。
2 豊 68番にも夏蝶の句がありますが、お
そらく同じ作者ではないでしょうか。68番も
きれいな句ですが、惜しむらくは「夏蝶」と
「岩清水」がともに夏の季語なので、こちら
を選びました。
(055) 芝刈りを妻と二人で夏の朝 秋岡04
1 豊 何でもない日常を詠んだ句ですが、
仲の良い夫婦の関係が想像できます。素直な
作り方がいいと思います。
(056) 水打ちて 静けき街や 石畳 小野寺05
1 秋元
(057) 薫風 故郷 (ふるさと) 運び 胸ゆする 森03
(058) 夕菅や 時雨 (しぐれ) て荒れ野 夏木立 小野寺20
1 志方 夏木立をうまく表現されていますね。
しぐれや夕菅は露払いですかね
2 柳町
(059) 怪談も加計森友に席ゆずり 深瀬20
1 橋本 やはり闇に消えていくのでしょうか
(060) 藍染の 浴衣着流し 乱れ髪 小野寺02
1 秋元
2 柳町
(061) あでやかな 君の背中に 花菖蒲 森02
(062) 佇めば 闇を 蛍が夢をひき 小野寺08
1 森
2 秋元
白い三角形の天蓋を額に付けた初老の男が真夜中にな
ると、麻布十番街を徘徊している
(063) 雷雲に うかぶ天蓋 彷徨 (さまよ) えり 森04
1 深瀬 選句にかなり躊躇しましたが、冥土
に旅立つときもそう遠くはないという思いが、
なにか突然身近に現れた異界によって突きつ
けられた感じがしました。
(064) 水澄みて おの子遊べり 眼にひかり 小野寺12
1 深瀬 水澄むは秋の季語だと思いますが、
真夏に元気に遊び回る子どもたちの眼の輝き
もすごいと思います。孫二人が男子のせいか?
(065) 囲碁の後酒に枝豆笑顔満ち 深瀬19
(066) 夕焼けに 梅雨 (つゆ) あがりたり 草ひばり 小野寺13
1 志方
2 柳町
(067) 素人の義父が作りし青西瓜 秋岡05
(068) 夏蝶の 羽たたみおり 岩清水 小野寺11
1 吉良 岩陰の清水の涼しさを感じます。
2 中津川
(069) 紙中より動くものある曝書 (ばくしょ) かな 豊06
1 秋岡 面白い句ですね、不要な本も沢山あ
りますがたまには虫干しをしないといけませ
ん。
2 橋本 したことはありませんが、動いたも
のが気になります
(070) 雷雲に 光りて深し 山の峰 小野寺17
1 橋本
こんな人達に負けるわけにはいかないと罵られたこん
な人々のカウンターパンチ、政権・与党からダウン (支
持率急低下) を奪う
(071) ダウン取るこんな人達のカウンター 橋本06
(072) 海染めて ゆらりと眩し あかね雲 小野寺04
1 志方
2 柳町
(073) ひしゃく持ち清水に並ぶ山茶会 深瀬15
(074) とほき日の 青き匂ひや 栗の花 小野寺21
1 森
2 豊 栗の花には独特の香りがあります。
まさに、若かりし自分の10代の男の匂い。
それを巧みに表現しました。
(075) 枝豆のぺしゃんこふっくら指迷ひ 深瀬18
(076) 氷雨降る 雲の動きや 夏木立 小野寺03
(077) 羅 (うすもの) や女体の形透けて見え 豊05
(078) 打ち水を 避けて 町屋は 暮れにけり 小野寺06
1 秋元
2 中津川
3 豊 夏の京都は暑い。打ち水は京都の夏
の風物詩です。しかし、それを「避けて」町
屋に「夕暮れ」がくる。時間の経過を見事に
表現した、風景画のような句です。
(079) 熱き街ビルの頭上に赤き月 秋岡06
(080) 馬鈴薯の 花 けぶらせて 夏の雨 小野寺16
(081) 煌めいて清水に揺れる雲と山 深瀬16
(082) 葉桜の 繁りて 人に 文 (ふみ) を書き 小野寺19
1 柳町
(083) 酷暑暮れ蜩の声澄み渡る 橋本05
1 秋岡 段々季節の移ろいが早くなっており、
もう蜩が鳴き出しているのでしょうか。季節
を先取りした句ですね
2 小野寺 酷暑の中に蜩の声が余韻となって暮
れてゆく蜩の音に人生の哀歓を重ねきくおも
いです。
(084) 宵闇を 待宵草に 蛍飛び 小野寺14
(085) 食べたいね土用の鰻妻の言う 秋岡03
1 宮澤 可愛いのか、嫌みなのか、分かりま
せん。
(086) 日盛りを 山百合の花 匂ひけり。 小野寺10
(087) 炎天下 桜エビうまし 由比の宿 (しゅく) 中津川08
(088) 蝉しぐれ 墓前に咲きし 月見草 小野寺07
(089) 枝豆のみどりさやけし茹であがり 深瀬17
(090) 宵宮に 浴衣のひとの 薄化粧 小野寺18
1 森
2 志方 色っぽいですね。想像を膨らましま
すね。
3 深瀬 宵宮は、前夜祭のようなもので、神
の降臨を仰ぐため、氏子は身や装束をきよめ
て備えると聞いています。そこに浴衣の薄化
粧の女性は、やや艶っぽい感じです。
付記
選句とともにお寄せいただいたコメントを、ご参考までに貼付します。
・秋岡さん
"花火" については、美しさに共感するというより何か新鮮な別の視点
でとらえておられる句に共感しました。
"汗" は中々俳句になりづらい季語だなあと思いながらも選句しました。
・豊さん
今回は兼題「花火」にいい句が多かったように思います。それに比べて
「汗」は少しむずかしかったようですね。
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2017年8月14日月曜日
2017年5月19日金曜日
七句会 第二十回 ネット句会 七句回交差点 第01号
七句会
第二十回ネック句会参加各位
第二十回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、た
いへんありがとうございました。
はじめてのことでもあり、およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのま
ままとめてお届けすることにします。今後のやり方に、ご意見、等ありました
ら、よろしくお願いします。
メールでお届けするのは、投句または選句に参加された方に限りました。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ には、掲載したいと思っ
ています。
中津川さんのご提案により、当報告名を「七句会交差点」としてお届けする
ことにしました。
ご参考として、作品集として、投句を作者毎にまとめたものも添付しました。
お届けするのが、やや遅くなり、申し訳ありません。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
○秋岡稔
小生思わぬ6点句を頂き驚いています。
当句は、家の裏に大きな公園があり犬を連れてよく散歩をしますが、春にな
ると急に木々が芽生え、草が育ち始めますがそんな時にスーと出てきた句です。
実際は名前もあるのでしょうが、可憐な小さな花を咲かせている名前の知ら
ない草が結構あるんですね。
6名の方に共感して頂きよかったです。
2点句で熊本に行ったときの句が2句共感して頂きました。
娘が熊本におり、4月に家内と小旅行をした時につくったものです。
熊本城の悲惨な状況をどう伝えるのがいいのかちょっと考えましたが、その
ままの風景でした。
”春雨や小さき傘にふたりして”は、家内の小さな傘に入って春雨に濡れた
ときの句ですが、色んなことが想像が出来る句(若者から老夫婦まで)になっ
たなあと思った句です。
黄水仙の句は、水仙の花が本当に笑い顔で自分に微笑んでくれているように
見えたのを自然詠んだものです。
じっくり自然を見ていると色々楽しい風景があるものだと思いました。
”十八の苦き思いでサクラチル”はこのカタカナの電文の”サクラチル”に
苦さが思い出となって出てくるもので、お一人でも共感して頂ける方がおられ
てよかったです。
私は、”あたたかさ歩幅も広く上着とり”と”春眠の妻起きたるを遠く聞き
”の2句が春のこの時期の日常を詠んだ句として特に共感しました。
○小野寺健
5点句
春雷を聞きにし故郷の 駅とほく。
父の仕事の関係で生まれは九州の八幡ですが育ったのは岩手の釜石 三陸の
田舎町です。
故郷は 二つありますが物心ついてからの町が記憶の原点です。中学で東京
に出るとき丁度春先で俄かに駅舎が暗くなり遠く稲光を観た記憶が下敷きにあ
ります。今横浜で観る春雷は一瞬で、この記憶の時の自分、不安を抱えながら
昏い駅舎でみた稲妻の光景となって鮮明に蘇ります。
4点句
1)漆黒の闇鎮まれり 白牡丹
画を描くので画材として牡丹を育てております。紅色の牡丹よりも白牡丹は
迫力があります。真夜中に 暗闇を圧倒して 白く咲く牡丹は暗闇を睥睨し
生きている命の力を感じさせてくれます。
2)あぜ道を ゆきし人あり 蓮華草
あぜ道に所せましと咲く 蓮華草ですが一部分轍の跡とともに踏みしだかれ
ていて この畦道を朝もっと早い時間に 人が歩いてとおったのだ、とわかり
ます。少年の頃の田舎のあぜ道の鮮やかな蓮華草の記憶です。
3点句
1)石楠花や 束ねし髪の風に揺れ
学生時代 一緒に山歩きしながら 峠道を登り切った時薄紅の石楠花が見事
な花をつけていてふと振り向くと 一陣の風が吹き、束ねられたみどりの黒髪
が 風にゆれてそれをかき上げた白い指先が美しかった。
どれ程自分が駆け寄ってかき上げたいとおもったことか、、、
そういう時代がありました。今年咲いてくれた庭の石楠花からの記憶のひと
こまです。
2)菜の花の 岬遥かに 海の青
三陸のリアス海岸の断崖の前に遅い春を謳歌するように見事な菜の花畑がひ
ろがり、その向こうに かすみながらも群青の蒼い海が見え隠れする、異次元
の絵のような光景でした。
春の頃は 東北の海は寒々として菜の花の黄色が一層記憶の網膜をうづめ尽
くしました。
2 点句
1)ひかり降る 深山の里にさくら舞う
散る桜の花は滅びゆくものの象徴のようでもありますが自分は生命の輝きを
感じます。
山深い里に散るさくらは さながら光の化身のようでひかりを感じさせる
自然の力強さを感じました。
2)海風を 孕みて 浪に桜散る
三陸のリアス海岸の断崖に咲く桜が怒涛の飛沫に光のように溶け合って散っ
てゆく様を 少年時代の心象風景としてもっております。 この感覚は寂寥で
はなく ダイナミックな強い自然の営みであり、海風を孕むとした表現は そ
の思いからです。
3)深山を夜風 渡りて 山桜
山桜は山奥に人しれずひっそりと咲いており花は皆そうですが 誰の為でも
なく、じっと咲いております。
学生時代によくいった京の鞍馬の山奥に咲く山桜の光景です。光があるわけ
でもないのに 静かに咲いている桜には圧倒されるものがありました。
投句した俳句は自分の手を離れた作品ですから後はそれを共感する人が作者
の意図とは別に 自由に選句しますら選ぶか選ばないかは その人の感性によ
ります。
しかし不思議と自分の感覚や想いが込められたものを幾人かの方が選んでく
ださるのは 大変嬉しくもあり俳句の面白さでもあります。
感動を言葉にして普遍性をもたせるという作業は間違いなく普段からものを
観る目を養いますし、日本語の美しさを学べることはありがたいとおもいます。
○治部和隆
作句情況
電車の中で若いお父さんが子供を抱いています。子供はぼんやりと外を見て
います。
春なのに雨が降っていてなんだかつまらなそうです。
抱いた子の目にどんよりと春の雨
きれいな服を着たお母さんと女の子。そうか今日は入園式なんだ。嬉しそう
な二人のほほが桜色に見えました。
入園式色づく母子のほっぺかな
目黒川にお花見に行ったのですが、平日なのにものすごい人出でした。桜も
八分咲きで見頃です。すでに散り始めているところもあり、川面を見ると綺麗
に花筏ができていました。なんだかこっちも見てよと言っているようです。
目黒川川面も見よと花筏
○中津川公一
今回私の句が4点句になるなんて初めてびっくりでした。
作った状況を下記します。
あたたかさ 歩幅も広く 上着とり
私は月1回東海道を歩いています。3月に小田原から三島まで32キロを一
泊で歩きましたが、雨も降りガタガタ震えながら歩きました。
翌月4月初めは三島から沼津まで歩きましたが同じ雨でも暖かく上着を脱い
で歩きました。
「春」という兼題で桜や春の花あるいは鳥の声など生き物の句が多くなるの
で何とか生き物でない季語を使って作ってみたいと思いこの句となりました。
投句した中では自分でも気に入っていて、大変うれしく思いました。
○深瀬久敬
・春眠の妻起きたるを遠く聞き
・春の陽に保育園児らそぞろ行き
冬の厳しさが弛んでいく春の気配は、齢とともにありがたく感じます。
・桜見て生きてる意味をふと思ひ
・桜見る今年のわれの違い問ひ
・たがために桜咲き散る問ひにけり
・花びらの舞い散る景色今年また
・満開の桜スマホにとどめけり
咲きだしてから散るまでのほんの僅かな期間の桜の移り変わりに、齢ととも
にやや焦らされる気持ちです。
・花吹雪ゴジラの眼にも涙かな
二物衝撃の句を作ってみよう、と思ったのですが。
・桜散る天皇のため虚実あり
この人のためなら死んでも悔いはないとか、そういう心情に憧れもしますが
、むずかしいところだと思います。
・羽田沖機影まばゆき春の空
羽田沖の離着陸する機体を見に、20代のころ、羽田の野原に自転車でよくで
かけました。
・遠き日の御殿場合宿春の空
大学1 年の終わりの春休み、柔道部の御殿場合宿がありました。ようやく大
学生活にもなれ、印象に残る合宿でした。
・やはらかにひかり湛へし春の雲
あまり深く考えないで作りましたが、別の句会の宗匠から評価していただけ
、また豊さんの選もあり、うれしく感じました。
・満を持す冷たき風の木の芽かな
・いく億年くり返すかな木の芽吹き
地球上に植物という生命が誕生し、繁栄し続けていることがすごいと思いま
す。
・雨桜相撲甚句の夜の宴
4月、伊豆の韮山高校で行われた社会人柔道倶楽部の一泊合宿に参加しまし
た。その宴席で、建築会社や信託銀行の人の披露する相撲甚句は、拍子木も入
った本格的なもので、巡業の歌詞とか、感銘を受けました。
・駒東の正門想ひ春一句
遅沢先生や大熊先生の車が駐車していました。
・エレ内の鏡に頭頂目をそむけ
エレベータの天井につけられた鏡は、頭頂部をよく映します。
・葉ざくらに半袖プレイ大厚木
・しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木
4月の下旬、大厚木CCに行きましたが、その1 ヶ月前のクリアビューGCは凍
える寒さでした。
○宮澤猛
始めて4 点句に選ばれたら、その自句自解をということで、戸惑っておりま
す。
《064 》の自句自解としては下記の通りです。
川は、切通しと同様に風の通り道になっており、気温、湿度、香りという季
節の雰囲気の変化を運んできます。初春のまだ寒い時でも、ほんの少しの温度
・湿度差と枕丁花等の香りが運ばれて、目に肌に鼻に「もうすぐ春ですよ」と
いう知らせを散歩の途中の目黒川を歩いても教えてくれます。
という感じです。
○豊宣光
今回の選句結果の感想を送ります。
・最高点句「(033) 野に出でて名もなき草に見入る春」について
6人の方が選んでおられるのは、表現されているイメージと作者の心情がわ
かりやすかったからだと思います。もちろん、それはそれですばらしいのです
が、私が選ばなかった理由は最後の「春」という言葉の置き方にやや不満があ
ったからです。このままだと漠然としていて、作者にとってどういう春だった
のかということが伝わってきません。それが表現されていると、なおよかった
のではないでしょうか。
そこで、作者の心情を私なりに解釈して次のように改作してみました。「春
の野にふと見つけたり名無し草」。あくまでも一例です。秋岡さん、すみませ
ん。
・自句自解「(107) 永遠の熱き魂春の画家」
「春の画家」とはどういうことなのか、わかりにくかったかもしれません。
「草間彌生展に寄せて」と前書きがあったら、わかっていただけたことでしょ
う。4月のはじめ、草間彌生展を見にいこうとしたのですが、入場券を買うの
に長蛇の列で、これでは中に入ってもゆっくり見られないだろうと思い、引き
返してきました。もちろん実物を見るのが一番いいのですが、草間彌生の作品
は雑誌やテレビで見ていたので、どういうものかはだいたい知っていました。
今回の展覧会のタイトルは「わが永遠の魂」。その熱い芸術家魂に敬意を表し
て詠んだ句です。
「草間彌生」の文字を入れようとしたのですが、字数が多いのと季語が入れ
られなかったので、こういう形になりました。
以上、長くなってしましました。他の人がどれだけ感想や自句自解を書いて
くれるのかわかりませんが、それを全部WEBにのせるとなると、かなり大変
な作業になるのではないでしょうか。うまく処理する方法を考えたほうがいい
かもしれません。私としては、少なくとも高点句(6点、5点、4点)の人の
自句自解は読みたいのですが。
よろしくお願いします。
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第二十回 ネット句会 作品集
秋岡稔
・花咲けど無残なるかな天守閣
・火の国や城崩れ落ち花風吹
・野に出でて名もなき草に見入る春
・春の夢うつらうつらと朝寝坊
・春雨や小さき傘にふたりして
・黄水仙花壇の中の笑い顔
・十八の苦き思い出サクラチル
秋元正宏
・店先に春見つけたり菜の花や
・満開の花に群れ飛ぶ小鳥たち
・満開の梢のメジロ蜜を追う
・銀盤の花も散るなり清々し
・防災に人集まりて和をつくる
小野寺健
・花吹雪 泣いて故郷をいでにけり。
・ひかり降る 深山の里に 桜舞う
・夕去りて 白き牡丹の 眠りをり。
・薄紅の 牡丹おぼろに 古都は暮れ
・春暁や 牡丹の葉裏 ひかり満つ
・花筏 泣けとばかりに 春流る。
・生命 (いのち) 燃ゆ 古城の堀に 花筏 (いかだ)
・石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ
・楓萌え 娘の門出 風薫る
・春雷を聞きし故郷の 駅とほく
・畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草
・花銀杏 けぶりて哀し 夜の雨
・芍薬の 芽に朝露の ひかりおり。
・菜の花や 群青の海 霞みおり。
・菜の花の 岬遥かに 海の青
・海風を 孕みて 浪に桜散る
・漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹
・葉桜の 影携えて 月のぼる。
・深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻
・暮れてなほ 花新しき 白椿
・薔薇の芽の 紅きを洗ふ 雨降りぬ
・早暁の 雨にけぶりて 白椿
小幡敏雄
京都銀閣寺の東山です
・樹の中に ウグイスが鳴く 東山
・弾む春 古希と遊ぶ 孫娘
奈良吉野です
・花吹雪 サクラに溺れる 吉野山
吉良有二
・春を待つ 窓辺に歌う すずめ2 羽
・花満ちて フェアウェー芽吹き 春ゴルフ
・君子蘭 花芽スクスク 春を告ぐ
・大都会 屋上集う 春の園
・肩車 遠くに見入る 幼き日
・成人に タバコくゆらせ 顔染める
志方洋介
・水ぬるみ 花大根に 白き鷺
・残雪に 陽ざし残して 影法師
・山桜 優しさ同じ 今年また
・春霞 思い出枕に さゆり消え
・古希迎え 消したい記憶 まだうずく
・新緑に 残り桜は 何想う
・花散らし 夜来の雨に うぐいすが
治部和隆
・抱いた子の目にどんよりと春の雨
・入園式色づく母子のほっぺかな
・球児らの悲喜交々と春はゆく
・演奏会母校のさくらスウィングす
連チャンで花見をしてきて以上3 句
・目黒川かわもも見よと花筏
・グローバルな言葉の集い花蓆
・集いらの見上ぐる高き山桜
中津川公一
3月初旬に箱根を歩いて越えました。(2つ)
・襟すぼめ 箱根路の春 氷点下
・湖(みず)ぬるむ 駅伝ゴール 海賊船
・あたたかさ 歩幅も広く 上着とり
・春時雨 湧き水甘し 柿田川
真新しいスーツ姿で親子が入学式
・入学式へ スーツ新調 そろい踏み
彼岸に寺にまいり抹茶の接待を受けました
・草餅におい 父母思う 墓まいり
野澤宗平
・満開を待てぬと出る葉 寒し春
・涙目に くしゃみ鼻水 春一番
・春雷に 孫の手をとり へそ押さえ
橋本直行
・窓開けて春風うたた寝足炬燵
・麦畑思い出遠く風渡る
・レンギョウの桜に負けじと黄に染まる
・喜びが弾ける親子桜咲く
・積上げし宮崎の思い出ゴルフ好き
深瀬久敬
・春眠の妻起きたるを遠く聞き
・春の陽に保育園児らそぞろ行き
・桜見て生きてる意味をふと思ひ
・桜見る今年のわれの違い問ひ
・羽田沖機影まばゆき春の空
・遠き日の御殿場合宿春の空
・やはらかにひかり湛へし春の雲
・満を持す冷たき風の木の芽かな
・いく億年くり返すかな木の芽吹き
・満開の桜スマホにとどめけり
・雨桜相撲甚句の夜の宴
・たがために桜咲き散る問ひにけり
・桜散る天皇のため虚実あり
・駒東の正門想ひ春一句
・花びらの舞い散る景色今年また
・花吹雪ゴジラの眼にも涙かな
・エレ内の鏡に頭頂目をそむけ
・葉ざくらに半袖プレイ大厚木
・しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木
藤原徹
・ぼんぼりに 夜空に映える 桜花
・春うらら 犬もうたたね 無心かな
・時めぐり 山々緑に 衣替え
・菖蒲畑 命こめ幾有余年 あるじ (主) 待つ
・モコモコと わきたつ新芽 命の息吹
宮澤猛
・散歩道 川面の風が 春を告げ
・薄霞 山の彩り 雉の声
・白ワイン 顔も心も 桜色
・鶯の 音色いまいち 春はまだ
・夢うつつ 入試の苦労で 若返り
森杜瑯
・息子らの 人生道に 春とどけ
・困難に 今こそ笑みで 花明けり
豊宣光
・春眠のさめて脳内ほの白し
・春の雨汚染土残し流れけり
・一〇代の恋の苦さやチューリップ
・老害の言い訳ばかり「記憶なし」
・永遠の熱き魂春の画家
・碁敵と対局終へて桜餅
------
第二十回ネック句会参加各位
第二十回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、た
いへんありがとうございました。
はじめてのことでもあり、およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのま
ままとめてお届けすることにします。今後のやり方に、ご意見、等ありました
ら、よろしくお願いします。
メールでお届けするのは、投句または選句に参加された方に限りました。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ には、掲載したいと思っ
ています。
中津川さんのご提案により、当報告名を「七句会交差点」としてお届けする
ことにしました。
ご参考として、作品集として、投句を作者毎にまとめたものも添付しました。
お届けするのが、やや遅くなり、申し訳ありません。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
○秋岡稔
小生思わぬ6点句を頂き驚いています。
当句は、家の裏に大きな公園があり犬を連れてよく散歩をしますが、春にな
ると急に木々が芽生え、草が育ち始めますがそんな時にスーと出てきた句です。
実際は名前もあるのでしょうが、可憐な小さな花を咲かせている名前の知ら
ない草が結構あるんですね。
6名の方に共感して頂きよかったです。
2点句で熊本に行ったときの句が2句共感して頂きました。
娘が熊本におり、4月に家内と小旅行をした時につくったものです。
熊本城の悲惨な状況をどう伝えるのがいいのかちょっと考えましたが、その
ままの風景でした。
”春雨や小さき傘にふたりして”は、家内の小さな傘に入って春雨に濡れた
ときの句ですが、色んなことが想像が出来る句(若者から老夫婦まで)になっ
たなあと思った句です。
黄水仙の句は、水仙の花が本当に笑い顔で自分に微笑んでくれているように
見えたのを自然詠んだものです。
じっくり自然を見ていると色々楽しい風景があるものだと思いました。
”十八の苦き思いでサクラチル”はこのカタカナの電文の”サクラチル”に
苦さが思い出となって出てくるもので、お一人でも共感して頂ける方がおられ
てよかったです。
私は、”あたたかさ歩幅も広く上着とり”と”春眠の妻起きたるを遠く聞き
”の2句が春のこの時期の日常を詠んだ句として特に共感しました。
○小野寺健
5点句
春雷を聞きにし故郷の 駅とほく。
父の仕事の関係で生まれは九州の八幡ですが育ったのは岩手の釜石 三陸の
田舎町です。
故郷は 二つありますが物心ついてからの町が記憶の原点です。中学で東京
に出るとき丁度春先で俄かに駅舎が暗くなり遠く稲光を観た記憶が下敷きにあ
ります。今横浜で観る春雷は一瞬で、この記憶の時の自分、不安を抱えながら
昏い駅舎でみた稲妻の光景となって鮮明に蘇ります。
4点句
1)漆黒の闇鎮まれり 白牡丹
画を描くので画材として牡丹を育てております。紅色の牡丹よりも白牡丹は
迫力があります。真夜中に 暗闇を圧倒して 白く咲く牡丹は暗闇を睥睨し
生きている命の力を感じさせてくれます。
2)あぜ道を ゆきし人あり 蓮華草
あぜ道に所せましと咲く 蓮華草ですが一部分轍の跡とともに踏みしだかれ
ていて この畦道を朝もっと早い時間に 人が歩いてとおったのだ、とわかり
ます。少年の頃の田舎のあぜ道の鮮やかな蓮華草の記憶です。
3点句
1)石楠花や 束ねし髪の風に揺れ
学生時代 一緒に山歩きしながら 峠道を登り切った時薄紅の石楠花が見事
な花をつけていてふと振り向くと 一陣の風が吹き、束ねられたみどりの黒髪
が 風にゆれてそれをかき上げた白い指先が美しかった。
どれ程自分が駆け寄ってかき上げたいとおもったことか、、、
そういう時代がありました。今年咲いてくれた庭の石楠花からの記憶のひと
こまです。
2)菜の花の 岬遥かに 海の青
三陸のリアス海岸の断崖の前に遅い春を謳歌するように見事な菜の花畑がひ
ろがり、その向こうに かすみながらも群青の蒼い海が見え隠れする、異次元
の絵のような光景でした。
春の頃は 東北の海は寒々として菜の花の黄色が一層記憶の網膜をうづめ尽
くしました。
2 点句
1)ひかり降る 深山の里にさくら舞う
散る桜の花は滅びゆくものの象徴のようでもありますが自分は生命の輝きを
感じます。
山深い里に散るさくらは さながら光の化身のようでひかりを感じさせる
自然の力強さを感じました。
2)海風を 孕みて 浪に桜散る
三陸のリアス海岸の断崖に咲く桜が怒涛の飛沫に光のように溶け合って散っ
てゆく様を 少年時代の心象風景としてもっております。 この感覚は寂寥で
はなく ダイナミックな強い自然の営みであり、海風を孕むとした表現は そ
の思いからです。
3)深山を夜風 渡りて 山桜
山桜は山奥に人しれずひっそりと咲いており花は皆そうですが 誰の為でも
なく、じっと咲いております。
学生時代によくいった京の鞍馬の山奥に咲く山桜の光景です。光があるわけ
でもないのに 静かに咲いている桜には圧倒されるものがありました。
投句した俳句は自分の手を離れた作品ですから後はそれを共感する人が作者
の意図とは別に 自由に選句しますら選ぶか選ばないかは その人の感性によ
ります。
しかし不思議と自分の感覚や想いが込められたものを幾人かの方が選んでく
ださるのは 大変嬉しくもあり俳句の面白さでもあります。
感動を言葉にして普遍性をもたせるという作業は間違いなく普段からものを
観る目を養いますし、日本語の美しさを学べることはありがたいとおもいます。
○治部和隆
作句情況
電車の中で若いお父さんが子供を抱いています。子供はぼんやりと外を見て
います。
春なのに雨が降っていてなんだかつまらなそうです。
抱いた子の目にどんよりと春の雨
きれいな服を着たお母さんと女の子。そうか今日は入園式なんだ。嬉しそう
な二人のほほが桜色に見えました。
入園式色づく母子のほっぺかな
目黒川にお花見に行ったのですが、平日なのにものすごい人出でした。桜も
八分咲きで見頃です。すでに散り始めているところもあり、川面を見ると綺麗
に花筏ができていました。なんだかこっちも見てよと言っているようです。
目黒川川面も見よと花筏
○中津川公一
今回私の句が4点句になるなんて初めてびっくりでした。
作った状況を下記します。
あたたかさ 歩幅も広く 上着とり
私は月1回東海道を歩いています。3月に小田原から三島まで32キロを一
泊で歩きましたが、雨も降りガタガタ震えながら歩きました。
翌月4月初めは三島から沼津まで歩きましたが同じ雨でも暖かく上着を脱い
で歩きました。
「春」という兼題で桜や春の花あるいは鳥の声など生き物の句が多くなるの
で何とか生き物でない季語を使って作ってみたいと思いこの句となりました。
投句した中では自分でも気に入っていて、大変うれしく思いました。
○深瀬久敬
・春眠の妻起きたるを遠く聞き
・春の陽に保育園児らそぞろ行き
冬の厳しさが弛んでいく春の気配は、齢とともにありがたく感じます。
・桜見て生きてる意味をふと思ひ
・桜見る今年のわれの違い問ひ
・たがために桜咲き散る問ひにけり
・花びらの舞い散る景色今年また
・満開の桜スマホにとどめけり
咲きだしてから散るまでのほんの僅かな期間の桜の移り変わりに、齢ととも
にやや焦らされる気持ちです。
・花吹雪ゴジラの眼にも涙かな
二物衝撃の句を作ってみよう、と思ったのですが。
・桜散る天皇のため虚実あり
この人のためなら死んでも悔いはないとか、そういう心情に憧れもしますが
、むずかしいところだと思います。
・羽田沖機影まばゆき春の空
羽田沖の離着陸する機体を見に、20代のころ、羽田の野原に自転車でよくで
かけました。
・遠き日の御殿場合宿春の空
大学1 年の終わりの春休み、柔道部の御殿場合宿がありました。ようやく大
学生活にもなれ、印象に残る合宿でした。
・やはらかにひかり湛へし春の雲
あまり深く考えないで作りましたが、別の句会の宗匠から評価していただけ
、また豊さんの選もあり、うれしく感じました。
・満を持す冷たき風の木の芽かな
・いく億年くり返すかな木の芽吹き
地球上に植物という生命が誕生し、繁栄し続けていることがすごいと思いま
す。
・雨桜相撲甚句の夜の宴
4月、伊豆の韮山高校で行われた社会人柔道倶楽部の一泊合宿に参加しまし
た。その宴席で、建築会社や信託銀行の人の披露する相撲甚句は、拍子木も入
った本格的なもので、巡業の歌詞とか、感銘を受けました。
・駒東の正門想ひ春一句
遅沢先生や大熊先生の車が駐車していました。
・エレ内の鏡に頭頂目をそむけ
エレベータの天井につけられた鏡は、頭頂部をよく映します。
・葉ざくらに半袖プレイ大厚木
・しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木
4月の下旬、大厚木CCに行きましたが、その1 ヶ月前のクリアビューGCは凍
える寒さでした。
○宮澤猛
始めて4 点句に選ばれたら、その自句自解をということで、戸惑っておりま
す。
《064 》の自句自解としては下記の通りです。
川は、切通しと同様に風の通り道になっており、気温、湿度、香りという季
節の雰囲気の変化を運んできます。初春のまだ寒い時でも、ほんの少しの温度
・湿度差と枕丁花等の香りが運ばれて、目に肌に鼻に「もうすぐ春ですよ」と
いう知らせを散歩の途中の目黒川を歩いても教えてくれます。
という感じです。
○豊宣光
今回の選句結果の感想を送ります。
・最高点句「(033) 野に出でて名もなき草に見入る春」について
6人の方が選んでおられるのは、表現されているイメージと作者の心情がわ
かりやすかったからだと思います。もちろん、それはそれですばらしいのです
が、私が選ばなかった理由は最後の「春」という言葉の置き方にやや不満があ
ったからです。このままだと漠然としていて、作者にとってどういう春だった
のかということが伝わってきません。それが表現されていると、なおよかった
のではないでしょうか。
そこで、作者の心情を私なりに解釈して次のように改作してみました。「春
の野にふと見つけたり名無し草」。あくまでも一例です。秋岡さん、すみませ
ん。
・自句自解「(107) 永遠の熱き魂春の画家」
「春の画家」とはどういうことなのか、わかりにくかったかもしれません。
「草間彌生展に寄せて」と前書きがあったら、わかっていただけたことでしょ
う。4月のはじめ、草間彌生展を見にいこうとしたのですが、入場券を買うの
に長蛇の列で、これでは中に入ってもゆっくり見られないだろうと思い、引き
返してきました。もちろん実物を見るのが一番いいのですが、草間彌生の作品
は雑誌やテレビで見ていたので、どういうものかはだいたい知っていました。
今回の展覧会のタイトルは「わが永遠の魂」。その熱い芸術家魂に敬意を表し
て詠んだ句です。
「草間彌生」の文字を入れようとしたのですが、字数が多いのと季語が入れ
られなかったので、こういう形になりました。
以上、長くなってしましました。他の人がどれだけ感想や自句自解を書いて
くれるのかわかりませんが、それを全部WEBにのせるとなると、かなり大変
な作業になるのではないでしょうか。うまく処理する方法を考えたほうがいい
かもしれません。私としては、少なくとも高点句(6点、5点、4点)の人の
自句自解は読みたいのですが。
よろしくお願いします。
------
第二十回 ネット句会 作品集
秋岡稔
・花咲けど無残なるかな天守閣
・火の国や城崩れ落ち花風吹
・野に出でて名もなき草に見入る春
・春の夢うつらうつらと朝寝坊
・春雨や小さき傘にふたりして
・黄水仙花壇の中の笑い顔
・十八の苦き思い出サクラチル
秋元正宏
・店先に春見つけたり菜の花や
・満開の花に群れ飛ぶ小鳥たち
・満開の梢のメジロ蜜を追う
・銀盤の花も散るなり清々し
・防災に人集まりて和をつくる
小野寺健
・花吹雪 泣いて故郷をいでにけり。
・ひかり降る 深山の里に 桜舞う
・夕去りて 白き牡丹の 眠りをり。
・薄紅の 牡丹おぼろに 古都は暮れ
・春暁や 牡丹の葉裏 ひかり満つ
・花筏 泣けとばかりに 春流る。
・生命 (いのち) 燃ゆ 古城の堀に 花筏 (いかだ)
・石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ
・楓萌え 娘の門出 風薫る
・春雷を聞きし故郷の 駅とほく
・畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草
・花銀杏 けぶりて哀し 夜の雨
・芍薬の 芽に朝露の ひかりおり。
・菜の花や 群青の海 霞みおり。
・菜の花の 岬遥かに 海の青
・海風を 孕みて 浪に桜散る
・漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹
・葉桜の 影携えて 月のぼる。
・深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻
・暮れてなほ 花新しき 白椿
・薔薇の芽の 紅きを洗ふ 雨降りぬ
・早暁の 雨にけぶりて 白椿
小幡敏雄
京都銀閣寺の東山です
・樹の中に ウグイスが鳴く 東山
・弾む春 古希と遊ぶ 孫娘
奈良吉野です
・花吹雪 サクラに溺れる 吉野山
吉良有二
・春を待つ 窓辺に歌う すずめ2 羽
・花満ちて フェアウェー芽吹き 春ゴルフ
・君子蘭 花芽スクスク 春を告ぐ
・大都会 屋上集う 春の園
・肩車 遠くに見入る 幼き日
・成人に タバコくゆらせ 顔染める
志方洋介
・水ぬるみ 花大根に 白き鷺
・残雪に 陽ざし残して 影法師
・山桜 優しさ同じ 今年また
・春霞 思い出枕に さゆり消え
・古希迎え 消したい記憶 まだうずく
・新緑に 残り桜は 何想う
・花散らし 夜来の雨に うぐいすが
治部和隆
・抱いた子の目にどんよりと春の雨
・入園式色づく母子のほっぺかな
・球児らの悲喜交々と春はゆく
・演奏会母校のさくらスウィングす
連チャンで花見をしてきて以上3 句
・目黒川かわもも見よと花筏
・グローバルな言葉の集い花蓆
・集いらの見上ぐる高き山桜
中津川公一
3月初旬に箱根を歩いて越えました。(2つ)
・襟すぼめ 箱根路の春 氷点下
・湖(みず)ぬるむ 駅伝ゴール 海賊船
・あたたかさ 歩幅も広く 上着とり
・春時雨 湧き水甘し 柿田川
真新しいスーツ姿で親子が入学式
・入学式へ スーツ新調 そろい踏み
彼岸に寺にまいり抹茶の接待を受けました
・草餅におい 父母思う 墓まいり
野澤宗平
・満開を待てぬと出る葉 寒し春
・涙目に くしゃみ鼻水 春一番
・春雷に 孫の手をとり へそ押さえ
橋本直行
・窓開けて春風うたた寝足炬燵
・麦畑思い出遠く風渡る
・レンギョウの桜に負けじと黄に染まる
・喜びが弾ける親子桜咲く
・積上げし宮崎の思い出ゴルフ好き
深瀬久敬
・春眠の妻起きたるを遠く聞き
・春の陽に保育園児らそぞろ行き
・桜見て生きてる意味をふと思ひ
・桜見る今年のわれの違い問ひ
・羽田沖機影まばゆき春の空
・遠き日の御殿場合宿春の空
・やはらかにひかり湛へし春の雲
・満を持す冷たき風の木の芽かな
・いく億年くり返すかな木の芽吹き
・満開の桜スマホにとどめけり
・雨桜相撲甚句の夜の宴
・たがために桜咲き散る問ひにけり
・桜散る天皇のため虚実あり
・駒東の正門想ひ春一句
・花びらの舞い散る景色今年また
・花吹雪ゴジラの眼にも涙かな
・エレ内の鏡に頭頂目をそむけ
・葉ざくらに半袖プレイ大厚木
・しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木
藤原徹
・ぼんぼりに 夜空に映える 桜花
・春うらら 犬もうたたね 無心かな
・時めぐり 山々緑に 衣替え
・菖蒲畑 命こめ幾有余年 あるじ (主) 待つ
・モコモコと わきたつ新芽 命の息吹
宮澤猛
・散歩道 川面の風が 春を告げ
・薄霞 山の彩り 雉の声
・白ワイン 顔も心も 桜色
・鶯の 音色いまいち 春はまだ
・夢うつつ 入試の苦労で 若返り
森杜瑯
・息子らの 人生道に 春とどけ
・困難に 今こそ笑みで 花明けり
豊宣光
・春眠のさめて脳内ほの白し
・春の雨汚染土残し流れけり
・一〇代の恋の苦さやチューリップ
・老害の言い訳ばかり「記憶なし」
・永遠の熱き魂春の画家
・碁敵と対局終へて桜餅
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2017年5月7日日曜日
第二十回 七句会 ネット句会の選句結果のご報告です。
七句会のみなさま
第二十回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
6 点句
(033) 野に出でて名もなき草に見入る春 秋岡
5 点句
(013) 春雷を聞きし故郷の 駅とほく 小野寺
4 点句
(044) あたたかさ 歩幅も広く 上着とり 中津川
(061) 漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹 小野寺
(064) 散歩道 川面の風が 春を告げ 宮澤
(068) 畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草 小野寺
(094) 古希迎え 消したい記憶 まだうずく 志方
3 点句
(007) 窓開けて春風うたた寝足炬燵 橋本
(017) 菜の花の 岬遥かに 海の青 小野寺
(045) やはらかにひかり湛へし春の雲 深瀬
(054) 石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ 小野寺
(055) 春眠の妻起きたるを遠く聞き 深瀬
2 点句
(008) ひかり降る 深山の里に 桜舞う 小野寺
(011) 雨桜相撲甚句の夜の宴 深瀬
(016) レンギョウの桜に負けじと黄に染まる 橋本
(018) 桜見て生きてる意味をふと思ひ 深瀬
(025) 水ぬるみ 花大根に 白き鷺 志方
(029) 満を持す冷たき風の木の芽かな 深瀬
(032) 喜びが弾ける親子桜咲く 橋本
(040) 海風を 孕みて 浪に桜散る 小野寺
(046) 時めぐり 山々緑に 衣替え 藤原
(050) 困難に 今こそ笑みで 花明けり 森杜瑯
(052) 花咲けど無残なるかな天守閣 秋岡
(072) 火の国や城崩れ落ち花風吹 秋岡
(081) 深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻 小野寺
(088) 抱いた子の目にどんよりと春の雨 治部
(102) 肩車 遠くに見入る 幼き日 吉良
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、7 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連絡を
いただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の15名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、齋藤宏文さん、志
方さん、治部さん、中津川さん、野澤さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん
、豊さん、深瀬。
齋藤宏文さんは、初参加です。東京工業大学 国際教育推進機構 特任准教
授 博士 (学術) でおられます。科学史、ロシア語を教えられるとともに、柔
道にも励んでおられます。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては5 月17日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2017.05.07
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 春 (春の生活感)
(001) 大都会 屋上集う 春の園 吉良04
(002) 白ワイン 顔も心も 桜色 宮澤03
1 治部
(003) 球児らの悲喜交々と春はゆく 治部03
1 吉良 選抜高校野球は今や春の風物詩とな
って国民を楽しませてくれます。
(004) 夕去りて 白き牡丹の 眠りをり。 小野寺03
(005) 銀盤の花も散るなり清々し 秋元04
1 治部
(006) 春霞 思い出枕に さゆり消え 志方04
(007) 窓開けて春風うたた寝足炬燵 橋本01
1 秋元
2 齋藤宏
3 深瀬 火の入っていない(?) 足炬燵でのう
たた寝というのんびり感が、ひどくなつかし
く感じられました。
(008) ひかり降る 深山の里に 桜舞う 小野寺02
1 吉良 桜の花びらが光の中で舞い散る様子
が美しく描かれています。
2 志方 命の息吹きが簡潔に表現されていま
す。
(009) ぼんぼりに 夜空に映える 桜花 藤原01
1 小幡
(010) 涙目に くしゃみ鼻水 春一番 野澤02
1 藤原
(011) 雨桜相撲甚句の夜の宴 深瀬11
1 中津川
2 小野寺 雨の夜桜相撲甚句の宴がしみじみと
味わい深い。
(012) 春の雨汚染土残し流れけり 豊02
1 橋本 福島原発汚染、幸い一部の弱い春の
雨で済みましたが、、、
(013) 春雷を聞きし故郷の 駅とほく 小野寺10
1 森
2 豊 故郷で聞いた春雷がよほど印象深か
ったのでしょう。いまは同じ春雷を遠く離れ
た場所で聞いている、という感慨でしょうか。
3 中津川
4 野澤 東京生まれの東京育ちにとって「故
郷」は羨ましい響きがする言葉です。
5 齋藤宏
(014) 息子らの 人生道に 春とどけ 森杜瑯01
(015) 演奏会母校のさくらスウィングす 治部04
(016) レンギョウの桜に負けじと黄に染まる 橋本03
1 吉良 レンギョウが「負けじ」と咲いてい
る様子が面白いと思います。
2 秋岡 春は桜のピンク色が主役ですが、結
構レンギョウ等の黄色も目につきます。
(017) 菜の花の 岬遥かに 海の青 小野寺15
1 志方 色彩の鮮やかさが素晴らしい
2 豊 菜の花の咲いている岬の向こうに青
い海が見える。菜の花の黄色と海の青色の美
しい取り合わせです。
3 深瀬 菜の花の黄色と海の青色の対比に絵
画的なインパクトを感じました。
(018) 桜見て生きてる意味をふと思ひ 深瀬03
1 藤原
2 宮澤 潔くない人生を、毎年酒を飲みなが
ら反省しています。
(019) 薄霞 山の彩り 雉の声 宮澤02
1 小野寺 薄霞の春の彩を切り裂く雉の声が深
い余韻として耳に残る。
(020) 黄水仙花壇の中の笑い顔 秋岡06
1 豊 黄水仙が花壇の中で笑っているので
しょうか。それとも、黄水仙が群がって咲い
ている花壇を眺めている人の笑顔なのでしょ
うか。
(021) 暮れてなほ 花新しき 白椿 小野寺20
1 齋藤宏
(022) 春雷に 孫の手をとり へそ押さえ 野澤03
(023) 店先に春見つけたり菜の花や 秋元01
(024) 花吹雪ゴジラの眼にも涙かな 深瀬16
(025) 水ぬるみ 花大根に 白き鷺 志方01
1 秋元
2 小野寺 紫の大根の花と白鷺の対比が春の佇
まいを引き立てる。
(026) 春眠のさめて脳内ほの白し 豊01
(027) 葉ざくらに半袖プレイ大厚木 深瀬18
(028) 花銀杏 けぶりて哀し 夜の雨 小野寺12
(029) 満を持す冷たき風の木の芽かな 深瀬08
1 森
2 中津川
(030) 花散らし 夜来の雨に うぐいすが 志方07
(031) 花筏 泣けとばかりに 春流る。 小野寺06
1 秋元
(032) 喜びが弾ける親子桜咲く 橋本04
1 吉良 入学式の日でしょうか、喜びが伝わ
ります。
2 治部
(033) 野に出でて名もなき草に見入る春 秋岡03
1 橋本
2 藤原
3 野澤 自然を満喫する姿が目に浮かびます。
4 齋藤宏
5 深瀬 今頃は、街路を歩いていても以外に
いろいろな草が生えていることに驚きます。
名もなき草に見入る気持ちのゆとり(?) に共
感しました。
6 小幡
(034) 新緑に 残り桜は 何想う 志方06
1 野澤 今年は満開時に待ちくたびれたとば
かりに葉が出て,例年にない光景でした。
(035) たがために桜咲き散る問ひにけり 深瀬12
(036) 薔薇の芽の 紅きを洗ふ 雨降りぬ 小野寺21
(037) 君子蘭 花芽スクスク 春を告ぐ 吉良03
1 治部
(038) 残雪に 陽ざし残して 影法師 志方02
(039) 弾む春 古希と遊ぶ 孫娘 小幡02
(040) 海風を 孕みて 浪に桜散る 小野寺16
1 吉良 海岸の桜の様子が美しく描かれてい
ます。
2 深瀬 断崖のような海岸に咲いている桜の
花びらが波に散っているのだと思います。北
斎の浮世絵をみるような異次元的世界を感じ
ました。
奈良吉野です
(041) 花吹雪 サクラに溺れる 吉野山 小幡03
1 志方 中三の修学旅行の時の吉野郷の絶景
をおもいだしました。
(042) 満開の梢のメジロ蜜を追う 秋元03
(043) 菜の花や 群青の海 霞みおり。 小野寺14
1 吉良 春の景色を描いたキャンバスが目の
前に浮かびあがります。
(044) あたたかさ 歩幅も広く 上着とり 中津川03
1 秋岡 春になって暖かくなり気持ちも浮き
浮きする様が出ていていいですね。
2 橋本
3 藤原
4 宮澤 いいですね春は。でも毎年歩幅がせ
まくなってきているようです。
(045) やはらかにひかり湛へし春の雲 深瀬07
1 豊 春の季節感がよく出ています。俳句
らしくうまくまとまっています。
2 中津川
3 小野寺 春の雲が光たたえるとしたところに
風情を感じる。
(046) 時めぐり 山々緑に 衣替え 藤原03
1 野澤 季節の変わり目が実感できます。
2 深瀬 時めぐりという表現に共感しました。
背後に、自身も含む、年年歳歳人同じからず
の心情もあるように思いました。
(047) 楓萌え 娘の門出 風薫る 小野寺09
1 森
(048) いく億年くり返すかな木の芽吹き 深瀬09
(049) 芍薬の 芽に朝露の ひかりおり。 小野寺13
1 中津川
(050) 困難に 今こそ笑みで 花明けり 森杜瑯02
1 橋本 花明けりが一寸解釈に迷いますが
2 藤原
(051) 満開の花に群れ飛ぶ小鳥たち 秋元02
(052) 花咲けど無残なるかな天守閣 秋岡01
1 秋元
2 小幡
(053) 桜散る天皇のため虚実あり 深瀬13
(054) 石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ 小野寺08
1 森
2 治部
3 齋藤宏
(055) 春眠の妻起きたるを遠く聞き 深瀬01
1 秋岡 まさに我が家の状況と同じで、うつ
らうつらしている間にまた一眠りしてしまい
ます。
2 橋本
3 藤原
3月初旬に箱根を歩いて越えました。(2つ)
(056) 襟すぼめ 箱根路の春 氷点下 中津川01
(057) 湖(みず)ぬるむ 駅伝ゴール 海賊船 中津川02
(058) 葉桜の 影携えて 月のぼる。 小野寺18
(059) モコモコと わきたつ新芽 命の息吹 藤原05
(060) 満開の桜スマホにとどめけり 深瀬10
(061) 漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹 小野寺17
1 森
2 吉良 黒と白の対比が面白い俳句です。
3 齋藤宏
4 宮澤 真っ暗って、本当に何かぼんやり浮
かんでくるんです。
(062) しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木 深瀬19
(063) 花吹雪 泣いて故郷をいでにけり。 小野寺01
1 森
(064) 散歩道 川面の風が 春を告げ 宮澤01
1 志方
2 野澤 頬に触れる風の温暖で季節の移り変
わりを感じます。
3 深瀬 川面の風に春を感ずるということに、
身近で新鮮な実感を踏まえた共感を覚えまし
た。
4 小幡
(065) 春雨や小さき傘にふたりして 秋岡05
1 宮澤 恋成就小さき傘にありがとう
(066) 菖蒲畑 命こめ幾有余年 あるじ (主) 待つ 藤原04
(067) 入園式色づく母子のほっぺかな 治部02
1 橋本
(068) 畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草 小野寺11
1 治部
2 志方
3 豊 乾燥した春の田んぼに蓮華が咲いて
いる。畦道を行く人は、やがてその田んぼで
田植をする人なのかもしれません。
4 秋元
(069) 花びらの舞い散る景色今年また 深瀬15
1 野澤 毎年の変わらぬ光景に今の平穏無事
が感じられる。
(070) 春時雨 湧き水甘し 柿田川 中津川04
1 小野寺 柿田川の湧水が春雨の中に甘いと踏
み込んだ情景が面白い
(071) 春暁や 牡丹の葉裏 ひかり満つ 小野寺05
1 秋元
(072) 火の国や城崩れ落ち花風吹 秋岡02
1 深瀬 地震の被害にあった熊本城に桜の花
びらが舞っている風景は、やや悲しいですが、
それを現実として受け入れる気持ちも大切だ
ろうと思いました。
2 小野寺 熊本の震災に想いを馳せ花吹雪が深
い感慨を誘う。
(073) 春の陽に保育園児らそぞろ行き 深瀬02
連チャンで花見をしてきて以下3 句
(074) 目黒川かわもも見よと花筏 治部05
1 秋岡 東京在住の時代に支流の善福寺川に
桜の花びらが川面一面に散りばめられて美し
く光っていたのを思い出しました。
(075) グローバルな言葉の集い花蓆 治部06
1 中津川
(076) 集いらの見上ぐる高き山桜 治部07
(077) 早暁の 雨にけぶりて 白椿 小野寺22
(078) 春うらら 犬もうたたね 無心かな 藤原02
(079) 羽田沖機影まばゆき春の空 深瀬05
1 豊 飛行機と春の空。「羽田沖」という
場所の特定が印象を強くしました。
(080) 鶯の 音色いまいち 春はまだ 宮澤04
(081) 深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻 小野寺19
1 中津川
2 秋元
(082) 花満ちて フェアウェー芽吹き 春ゴルフ 吉良02
京都銀閣寺の東山です
(083) 樹の中に ウグイスが鳴く 東山 小幡01
真新しいスーツ姿で親子が入学式
(084) 入学式へ スーツ新調 そろい踏み 中津川05
(085) 生命 (いのち) 燃ゆ 古城の堀に 花筏 (いかだ) 小野寺07
1 治部
(086) 満開を待てぬと出る葉 寒し春 野澤01
(087) 山桜 優しさ同じ 今年また 志方03
(088) 抱いた子の目にどんよりと春の雨 治部01
1 藤原
2 小野寺 孫の眼に映る春雨でしょうか。抱い
た子の眼を通して作者の眼の温もりが伝わり
ます。
(089) 春を待つ 窓辺に歌う すずめ2 羽 吉良01
(090) 春の夢うつらうつらと朝寝坊 秋岡04
1 小幡
(091) 桜見る今年のわれの違い問ひ 深瀬04
(092) 薄紅の 牡丹おぼろに 古都は暮れ 小野寺04
1 志方 いいですね、古都 (京都? ) の甍の
先の夕暮れは
2.兼題 思い出、記憶
(093) 遠き日の御殿場合宿春の空 深瀬06
(094) 古希迎え 消したい記憶 まだうずく 志方05
1 秋岡 やはり誰でも人間長く生きていると
消したい記憶はあるものなんですね。
2 橋本
3 宮澤 ほんとに未だ半世紀もタイムスリッ
プした夢を見るのです。
4 小幡
(095) 麦畑思い出遠く風渡る 橋本02
(096) 十八の苦き思い出サクラチル 秋岡07
1 野澤 思い出の中で一番共感できる句。
(097) 成人に タバコくゆらせ 顔染める 吉良06
(098) 一〇代の恋の苦さやチューリップ 豊03
(099) 夢うつつ 入試の苦労で 若返り 宮澤05
彼岸に寺にまいり抹茶の接待を受けました
(100) 草餅におい 父母思う 墓まいり 中津川06
(101) 老害の言い訳ばかり「記憶なし」 豊04
1 齋藤宏
(102) 肩車 遠くに見入る 幼き日 吉良05
1 志方 幼児にとって肩車は視界が格段に広
がった記憶があります。
2 小幡
(103) 駒東の正門想ひ春一句 深瀬14
(104) 積上げし宮崎の思い出ゴルフ好き 橋本05
3.自由題
(105) 碁敵と対局終へて桜餅 豊06
1 秋岡 昨日の敵は今日の友、桜餅が何とも
美味しそうですね。
(106) エレ内の鏡に頭頂目をそむけ 深瀬17
(107) 永遠の熱き魂春の画家 豊05
(108) 防災に人集まりて和をつくる 秋元05
1 豊 無季の句ですが、雰囲気がよく出て
います。「和をつくる」がいいですね。
付記
選句とともにお寄せいただいたコメントを、ご参考までに貼付します。
・志方さん
全体にはるの息吹きや生命力あふれる句が多いと感じました。
・中津川さん
兼題 春はやはり数が多いですね。逆に思い出(記憶)は季語
と結びつきにくいのでしょうか。
・小幡さん
今回選句基準は 詠んで目に浮かぶ句を選びました。
・小野寺さん
今回も 自分の俳句は 投句にあたり、推敲の時間が全くなく
春の花を中心に 心に浮かず心象風景として一気に詠み込んだも
のですが推敲しないほうが 言葉の感覚が 鋭敏に残るような気
がします。
絵画の創作は試行錯誤の連続で自分の構築した画像を思い切り
壊す勇気が必要ですが、俳句の世界は 普段からの風景や花に対
する感動の情景をどうやって 心象風景として 一瞬のうちに
結実させるかという 繰り返しのような気もします。
朝焼けの花や 生命の躍動としての夕闇の白い椿や牡丹など
息をのむほどの感動を どうやって言葉にするか、できるか と
いうことの訓練でもあるような気がします。
この世に生きるものすべての人に平等に死はやってきます。春
の移ろいは いつも西行のこの歌が下敷きになっております。
願はくば 花のしたにて 春死なん、
その望月の きさらぎの頃
櫻の花の下で満月の頃 死んでゆきたいという西行の死生観は
そのまま日本人の心の風景でもあるやもしれません。特にこの歌
は 西行がみちのくの旅の途中で詠まれたもので自分が去ってき
た東北の釜石の景色とも重なります。
句会のおかげで 俳句を通して 日本語の言葉の結実を修練で
き 和歌や 俳句集を身近なものに感じられることを感謝してお
ります。
----
第二十回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
6 点句
(033) 野に出でて名もなき草に見入る春 秋岡
5 点句
(013) 春雷を聞きし故郷の 駅とほく 小野寺
4 点句
(044) あたたかさ 歩幅も広く 上着とり 中津川
(061) 漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹 小野寺
(064) 散歩道 川面の風が 春を告げ 宮澤
(068) 畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草 小野寺
(094) 古希迎え 消したい記憶 まだうずく 志方
3 点句
(007) 窓開けて春風うたた寝足炬燵 橋本
(017) 菜の花の 岬遥かに 海の青 小野寺
(045) やはらかにひかり湛へし春の雲 深瀬
(054) 石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ 小野寺
(055) 春眠の妻起きたるを遠く聞き 深瀬
2 点句
(008) ひかり降る 深山の里に 桜舞う 小野寺
(011) 雨桜相撲甚句の夜の宴 深瀬
(016) レンギョウの桜に負けじと黄に染まる 橋本
(018) 桜見て生きてる意味をふと思ひ 深瀬
(025) 水ぬるみ 花大根に 白き鷺 志方
(029) 満を持す冷たき風の木の芽かな 深瀬
(032) 喜びが弾ける親子桜咲く 橋本
(040) 海風を 孕みて 浪に桜散る 小野寺
(046) 時めぐり 山々緑に 衣替え 藤原
(050) 困難に 今こそ笑みで 花明けり 森杜瑯
(052) 花咲けど無残なるかな天守閣 秋岡
(072) 火の国や城崩れ落ち花風吹 秋岡
(081) 深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻 小野寺
(088) 抱いた子の目にどんよりと春の雨 治部
(102) 肩車 遠くに見入る 幼き日 吉良
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、7 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連絡を
いただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の15名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、齋藤宏文さん、志
方さん、治部さん、中津川さん、野澤さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん
、豊さん、深瀬。
齋藤宏文さんは、初参加です。東京工業大学 国際教育推進機構 特任准教
授 博士 (学術) でおられます。科学史、ロシア語を教えられるとともに、柔
道にも励んでおられます。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては5 月17日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2017.05.07
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 春 (春の生活感)
(001) 大都会 屋上集う 春の園 吉良04
(002) 白ワイン 顔も心も 桜色 宮澤03
1 治部
(003) 球児らの悲喜交々と春はゆく 治部03
1 吉良 選抜高校野球は今や春の風物詩とな
って国民を楽しませてくれます。
(004) 夕去りて 白き牡丹の 眠りをり。 小野寺03
(005) 銀盤の花も散るなり清々し 秋元04
1 治部
(006) 春霞 思い出枕に さゆり消え 志方04
(007) 窓開けて春風うたた寝足炬燵 橋本01
1 秋元
2 齋藤宏
3 深瀬 火の入っていない(?) 足炬燵でのう
たた寝というのんびり感が、ひどくなつかし
く感じられました。
(008) ひかり降る 深山の里に 桜舞う 小野寺02
1 吉良 桜の花びらが光の中で舞い散る様子
が美しく描かれています。
2 志方 命の息吹きが簡潔に表現されていま
す。
(009) ぼんぼりに 夜空に映える 桜花 藤原01
1 小幡
(010) 涙目に くしゃみ鼻水 春一番 野澤02
1 藤原
(011) 雨桜相撲甚句の夜の宴 深瀬11
1 中津川
2 小野寺 雨の夜桜相撲甚句の宴がしみじみと
味わい深い。
(012) 春の雨汚染土残し流れけり 豊02
1 橋本 福島原発汚染、幸い一部の弱い春の
雨で済みましたが、、、
(013) 春雷を聞きし故郷の 駅とほく 小野寺10
1 森
2 豊 故郷で聞いた春雷がよほど印象深か
ったのでしょう。いまは同じ春雷を遠く離れ
た場所で聞いている、という感慨でしょうか。
3 中津川
4 野澤 東京生まれの東京育ちにとって「故
郷」は羨ましい響きがする言葉です。
5 齋藤宏
(014) 息子らの 人生道に 春とどけ 森杜瑯01
(015) 演奏会母校のさくらスウィングす 治部04
(016) レンギョウの桜に負けじと黄に染まる 橋本03
1 吉良 レンギョウが「負けじ」と咲いてい
る様子が面白いと思います。
2 秋岡 春は桜のピンク色が主役ですが、結
構レンギョウ等の黄色も目につきます。
(017) 菜の花の 岬遥かに 海の青 小野寺15
1 志方 色彩の鮮やかさが素晴らしい
2 豊 菜の花の咲いている岬の向こうに青
い海が見える。菜の花の黄色と海の青色の美
しい取り合わせです。
3 深瀬 菜の花の黄色と海の青色の対比に絵
画的なインパクトを感じました。
(018) 桜見て生きてる意味をふと思ひ 深瀬03
1 藤原
2 宮澤 潔くない人生を、毎年酒を飲みなが
ら反省しています。
(019) 薄霞 山の彩り 雉の声 宮澤02
1 小野寺 薄霞の春の彩を切り裂く雉の声が深
い余韻として耳に残る。
(020) 黄水仙花壇の中の笑い顔 秋岡06
1 豊 黄水仙が花壇の中で笑っているので
しょうか。それとも、黄水仙が群がって咲い
ている花壇を眺めている人の笑顔なのでしょ
うか。
(021) 暮れてなほ 花新しき 白椿 小野寺20
1 齋藤宏
(022) 春雷に 孫の手をとり へそ押さえ 野澤03
(023) 店先に春見つけたり菜の花や 秋元01
(024) 花吹雪ゴジラの眼にも涙かな 深瀬16
(025) 水ぬるみ 花大根に 白き鷺 志方01
1 秋元
2 小野寺 紫の大根の花と白鷺の対比が春の佇
まいを引き立てる。
(026) 春眠のさめて脳内ほの白し 豊01
(027) 葉ざくらに半袖プレイ大厚木 深瀬18
(028) 花銀杏 けぶりて哀し 夜の雨 小野寺12
(029) 満を持す冷たき風の木の芽かな 深瀬08
1 森
2 中津川
(030) 花散らし 夜来の雨に うぐいすが 志方07
(031) 花筏 泣けとばかりに 春流る。 小野寺06
1 秋元
(032) 喜びが弾ける親子桜咲く 橋本04
1 吉良 入学式の日でしょうか、喜びが伝わ
ります。
2 治部
(033) 野に出でて名もなき草に見入る春 秋岡03
1 橋本
2 藤原
3 野澤 自然を満喫する姿が目に浮かびます。
4 齋藤宏
5 深瀬 今頃は、街路を歩いていても以外に
いろいろな草が生えていることに驚きます。
名もなき草に見入る気持ちのゆとり(?) に共
感しました。
6 小幡
(034) 新緑に 残り桜は 何想う 志方06
1 野澤 今年は満開時に待ちくたびれたとば
かりに葉が出て,例年にない光景でした。
(035) たがために桜咲き散る問ひにけり 深瀬12
(036) 薔薇の芽の 紅きを洗ふ 雨降りぬ 小野寺21
(037) 君子蘭 花芽スクスク 春を告ぐ 吉良03
1 治部
(038) 残雪に 陽ざし残して 影法師 志方02
(039) 弾む春 古希と遊ぶ 孫娘 小幡02
(040) 海風を 孕みて 浪に桜散る 小野寺16
1 吉良 海岸の桜の様子が美しく描かれてい
ます。
2 深瀬 断崖のような海岸に咲いている桜の
花びらが波に散っているのだと思います。北
斎の浮世絵をみるような異次元的世界を感じ
ました。
奈良吉野です
(041) 花吹雪 サクラに溺れる 吉野山 小幡03
1 志方 中三の修学旅行の時の吉野郷の絶景
をおもいだしました。
(042) 満開の梢のメジロ蜜を追う 秋元03
(043) 菜の花や 群青の海 霞みおり。 小野寺14
1 吉良 春の景色を描いたキャンバスが目の
前に浮かびあがります。
(044) あたたかさ 歩幅も広く 上着とり 中津川03
1 秋岡 春になって暖かくなり気持ちも浮き
浮きする様が出ていていいですね。
2 橋本
3 藤原
4 宮澤 いいですね春は。でも毎年歩幅がせ
まくなってきているようです。
(045) やはらかにひかり湛へし春の雲 深瀬07
1 豊 春の季節感がよく出ています。俳句
らしくうまくまとまっています。
2 中津川
3 小野寺 春の雲が光たたえるとしたところに
風情を感じる。
(046) 時めぐり 山々緑に 衣替え 藤原03
1 野澤 季節の変わり目が実感できます。
2 深瀬 時めぐりという表現に共感しました。
背後に、自身も含む、年年歳歳人同じからず
の心情もあるように思いました。
(047) 楓萌え 娘の門出 風薫る 小野寺09
1 森
(048) いく億年くり返すかな木の芽吹き 深瀬09
(049) 芍薬の 芽に朝露の ひかりおり。 小野寺13
1 中津川
(050) 困難に 今こそ笑みで 花明けり 森杜瑯02
1 橋本 花明けりが一寸解釈に迷いますが
2 藤原
(051) 満開の花に群れ飛ぶ小鳥たち 秋元02
(052) 花咲けど無残なるかな天守閣 秋岡01
1 秋元
2 小幡
(053) 桜散る天皇のため虚実あり 深瀬13
(054) 石楠花 (しゃくなげ) や 束ねし髪の風に揺れ 小野寺08
1 森
2 治部
3 齋藤宏
(055) 春眠の妻起きたるを遠く聞き 深瀬01
1 秋岡 まさに我が家の状況と同じで、うつ
らうつらしている間にまた一眠りしてしまい
ます。
2 橋本
3 藤原
3月初旬に箱根を歩いて越えました。(2つ)
(056) 襟すぼめ 箱根路の春 氷点下 中津川01
(057) 湖(みず)ぬるむ 駅伝ゴール 海賊船 中津川02
(058) 葉桜の 影携えて 月のぼる。 小野寺18
(059) モコモコと わきたつ新芽 命の息吹 藤原05
(060) 満開の桜スマホにとどめけり 深瀬10
(061) 漆黒の 闇鎮まれり 白牡丹 小野寺17
1 森
2 吉良 黒と白の対比が面白い俳句です。
3 齋藤宏
4 宮澤 真っ暗って、本当に何かぼんやり浮
かんでくるんです。
(062) しゃくなげにゴルフ忘れる大厚木 深瀬19
(063) 花吹雪 泣いて故郷をいでにけり。 小野寺01
1 森
(064) 散歩道 川面の風が 春を告げ 宮澤01
1 志方
2 野澤 頬に触れる風の温暖で季節の移り変
わりを感じます。
3 深瀬 川面の風に春を感ずるということに、
身近で新鮮な実感を踏まえた共感を覚えまし
た。
4 小幡
(065) 春雨や小さき傘にふたりして 秋岡05
1 宮澤 恋成就小さき傘にありがとう
(066) 菖蒲畑 命こめ幾有余年 あるじ (主) 待つ 藤原04
(067) 入園式色づく母子のほっぺかな 治部02
1 橋本
(068) 畔路 (あぜみち) を ゆきし人あり 蓮華草 小野寺11
1 治部
2 志方
3 豊 乾燥した春の田んぼに蓮華が咲いて
いる。畦道を行く人は、やがてその田んぼで
田植をする人なのかもしれません。
4 秋元
(069) 花びらの舞い散る景色今年また 深瀬15
1 野澤 毎年の変わらぬ光景に今の平穏無事
が感じられる。
(070) 春時雨 湧き水甘し 柿田川 中津川04
1 小野寺 柿田川の湧水が春雨の中に甘いと踏
み込んだ情景が面白い
(071) 春暁や 牡丹の葉裏 ひかり満つ 小野寺05
1 秋元
(072) 火の国や城崩れ落ち花風吹 秋岡02
1 深瀬 地震の被害にあった熊本城に桜の花
びらが舞っている風景は、やや悲しいですが、
それを現実として受け入れる気持ちも大切だ
ろうと思いました。
2 小野寺 熊本の震災に想いを馳せ花吹雪が深
い感慨を誘う。
(073) 春の陽に保育園児らそぞろ行き 深瀬02
連チャンで花見をしてきて以下3 句
(074) 目黒川かわもも見よと花筏 治部05
1 秋岡 東京在住の時代に支流の善福寺川に
桜の花びらが川面一面に散りばめられて美し
く光っていたのを思い出しました。
(075) グローバルな言葉の集い花蓆 治部06
1 中津川
(076) 集いらの見上ぐる高き山桜 治部07
(077) 早暁の 雨にけぶりて 白椿 小野寺22
(078) 春うらら 犬もうたたね 無心かな 藤原02
(079) 羽田沖機影まばゆき春の空 深瀬05
1 豊 飛行機と春の空。「羽田沖」という
場所の特定が印象を強くしました。
(080) 鶯の 音色いまいち 春はまだ 宮澤04
(081) 深山 (しんざん) を 夜風わたりて 山櫻 小野寺19
1 中津川
2 秋元
(082) 花満ちて フェアウェー芽吹き 春ゴルフ 吉良02
京都銀閣寺の東山です
(083) 樹の中に ウグイスが鳴く 東山 小幡01
真新しいスーツ姿で親子が入学式
(084) 入学式へ スーツ新調 そろい踏み 中津川05
(085) 生命 (いのち) 燃ゆ 古城の堀に 花筏 (いかだ) 小野寺07
1 治部
(086) 満開を待てぬと出る葉 寒し春 野澤01
(087) 山桜 優しさ同じ 今年また 志方03
(088) 抱いた子の目にどんよりと春の雨 治部01
1 藤原
2 小野寺 孫の眼に映る春雨でしょうか。抱い
た子の眼を通して作者の眼の温もりが伝わり
ます。
(089) 春を待つ 窓辺に歌う すずめ2 羽 吉良01
(090) 春の夢うつらうつらと朝寝坊 秋岡04
1 小幡
(091) 桜見る今年のわれの違い問ひ 深瀬04
(092) 薄紅の 牡丹おぼろに 古都は暮れ 小野寺04
1 志方 いいですね、古都 (京都? ) の甍の
先の夕暮れは
2.兼題 思い出、記憶
(093) 遠き日の御殿場合宿春の空 深瀬06
(094) 古希迎え 消したい記憶 まだうずく 志方05
1 秋岡 やはり誰でも人間長く生きていると
消したい記憶はあるものなんですね。
2 橋本
3 宮澤 ほんとに未だ半世紀もタイムスリッ
プした夢を見るのです。
4 小幡
(095) 麦畑思い出遠く風渡る 橋本02
(096) 十八の苦き思い出サクラチル 秋岡07
1 野澤 思い出の中で一番共感できる句。
(097) 成人に タバコくゆらせ 顔染める 吉良06
(098) 一〇代の恋の苦さやチューリップ 豊03
(099) 夢うつつ 入試の苦労で 若返り 宮澤05
彼岸に寺にまいり抹茶の接待を受けました
(100) 草餅におい 父母思う 墓まいり 中津川06
(101) 老害の言い訳ばかり「記憶なし」 豊04
1 齋藤宏
(102) 肩車 遠くに見入る 幼き日 吉良05
1 志方 幼児にとって肩車は視界が格段に広
がった記憶があります。
2 小幡
(103) 駒東の正門想ひ春一句 深瀬14
(104) 積上げし宮崎の思い出ゴルフ好き 橋本05
3.自由題
(105) 碁敵と対局終へて桜餅 豊06
1 秋岡 昨日の敵は今日の友、桜餅が何とも
美味しそうですね。
(106) エレ内の鏡に頭頂目をそむけ 深瀬17
(107) 永遠の熱き魂春の画家 豊05
(108) 防災に人集まりて和をつくる 秋元05
1 豊 無季の句ですが、雰囲気がよく出て
います。「和をつくる」がいいですね。
付記
選句とともにお寄せいただいたコメントを、ご参考までに貼付します。
・志方さん
全体にはるの息吹きや生命力あふれる句が多いと感じました。
・中津川さん
兼題 春はやはり数が多いですね。逆に思い出(記憶)は季語
と結びつきにくいのでしょうか。
・小幡さん
今回選句基準は 詠んで目に浮かぶ句を選びました。
・小野寺さん
今回も 自分の俳句は 投句にあたり、推敲の時間が全くなく
春の花を中心に 心に浮かず心象風景として一気に詠み込んだも
のですが推敲しないほうが 言葉の感覚が 鋭敏に残るような気
がします。
絵画の創作は試行錯誤の連続で自分の構築した画像を思い切り
壊す勇気が必要ですが、俳句の世界は 普段からの風景や花に対
する感動の情景をどうやって 心象風景として 一瞬のうちに
結実させるかという 繰り返しのような気もします。
朝焼けの花や 生命の躍動としての夕闇の白い椿や牡丹など
息をのむほどの感動を どうやって言葉にするか、できるか と
いうことの訓練でもあるような気がします。
この世に生きるものすべての人に平等に死はやってきます。春
の移ろいは いつも西行のこの歌が下敷きになっております。
願はくば 花のしたにて 春死なん、
その望月の きさらぎの頃
櫻の花の下で満月の頃 死んでゆきたいという西行の死生観は
そのまま日本人の心の風景でもあるやもしれません。特にこの歌
は 西行がみちのくの旅の途中で詠まれたもので自分が去ってき
た東北の釜石の景色とも重なります。
句会のおかげで 俳句を通して 日本語の言葉の結実を修練で
き 和歌や 俳句集を身近なものに感じられることを感謝してお
ります。
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2017年2月12日日曜日
七句会 第十九回目のネット句会 選句の結果のご報告です。
七句会のみなさま
第十九回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(089) 陽だまりに身体膨らせ寒雀 秋岡
4 点句
(001) 朝冷えで きしむ身体に 古希を知る 志方
(002) 古希迎え我が身に咲いたボケの花 野澤
(053) 凪 (なぎ) の海静かに明けて初日の出 豊
3 点句
(006) 凍て空に 青春挽歌 古希吠える 杜瑯
(014) 古希迎へはるばる来たり先あおぐ 深瀬
(050) 初春やすれ違ふ人みな笑顔 豊
(064) 蒼鉛の 遥か雲より 冬日射し 小野寺
(078) どんど焼き秘めた願ひの煙追ふ 深瀬
(087) 同居者は猫一匹や冬籠 豊
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、4 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連絡を
いただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の14名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、志方さん、中津川
さん、野澤さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
3 月下旬ころに予定したいと思っています。
別途、ご案内しますので、よろしくお願いします。
2017.02.12
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 古希
(001) 朝冷えで きしむ身体に 古希を知る 志方
1 秋元 共感
2 秋岡 確かに朝起きるときに関節の潤滑油の切れを
つくづく感じます。
3 宮澤 同感です。朝きしむなら、寝坊すればいいの
ですが、目が覚めてしまいます。
4 野澤 実感!
(002) 古希迎え我が身に咲いたボケの花 野澤
1 中津川 自分のことを言われたようで思わずニヤッと
しました
2 豊 思わず笑ってしまいました。ユーモアのセン
スに拍手。
3 宮澤 夢は古希で開くのでしょうか、ボケの花も綺
麗な花です。咲いて良かった。
4 小幡
(003) 枯れ葉ごし陽のあたたかき古希の朝 深瀬
1 吉良 古稀を迎え、これからも平穏な日々が続くよ
うにとの祈りの気持ちが出ています。
2 志方 古希を迎える明るさと穏やかさが滲んでいる
と思います。
(004) 古希迎え国旗掲げて腰をコキッ 宮澤
1 秋岡 ユーモアがあっていいですね。
(005) 今年より 古希になりて 鏡みる 小幡
(006) 凍て空に 青春挽歌 古希吠える 杜瑯
1 吉良 これからもまだ若者に負けないぞとの気概を
感じます。
2 深瀬 みなぎる闘争心というのか、気合というのか、
圧倒されます。喝を入れられた思いです。(095) の心
境に、拍車がかかった感じです。
3 小野寺 古稀をむかえてある種気概に同感です。
(007) 入園の孫の手を引き古希の春 豊
1 志方 古希を迎える明るさと穏やかさが滲んでいる
と思います。
(008) 古希なれば 心澄ませよ 人は言う 吉良
1 深瀬 これからなにをすればいいのかとか、ますま
す迷いを深めています。心澄ませる心境に憧れますが、
結構、みな同じかなとか、少し安心もしました。
(009) なにをする古希の寒気 (かんき) に答へなく 深瀬
1 橋本
(010) 古希遠く成人式の晴れ着かな 豊
(011) 古希とても団塊世代溢れけり 深瀬
1 秋岡 古希の希少価値はもうないですね。
(012) 道半ば 古希を迎えて 道半ば 志方
(013) 仙人の 墨絵憧れ 古希臨む 吉良
(014) 古希迎へはるばる来たり先あおぐ 深瀬
1 豊 古希まで生きてきた人生を振り返る。心境、
よくわかります。「来たり先」は「来たる道」とでも
したほうがよかったのではないでしょうか。
2 橋本
3 志方 古希を迎える明るさと穏やかさが滲んでいる
と思います。
2.兼題 冬の花
(015) 木枯らしが 枯れ野吹き抜け 黄水仙 志方
(016) 凍て土に 牡丹の赤芽 呼吸 (いき) を吹き 小野寺
1 秋元 庭先の情景を思い浮かべました
(017) 亡き父の育てし花や寒牡丹 豊
1 小幡
2 深瀬 花をみて、既に亡くなった肉親を想う気持ち
は、心の奥深くに共通するものなのでしょうか。牡丹
の花は迫力がありますから、余計、印象深いと思いま
した。
3 小野寺 若い頃には十分に語り合えなかった父と今は
亡き父が丹精した寒牡丹を通じて哀惜の心が伝わって
きます。父と息子はこういうものかもしれません。
(018) 紅色に 悲しさ隠す 寒つばき 吉良
1 杜瑯
(019) ビル街の山茶花ひそり人の波 深瀬
1 秋元 都会の隙間にある情景を思い浮かべました
(020) 山茶花の 絨毯映える 老夫婦 吉良
庭に植えた紅と白の山茶花2句
(021) 山茶花の白清々し文化の日 橋本
(022) 雨洗う山茶花の紅際立ちぬ 橋本
1 中津川
2 小野寺 冬枯れの時雨の景色の中、紅い山茶花は鮮や
かな対比をみせてひきたちます。
(023) 仏壇のまんりょうの実に遺影笑み 深瀬
1 野澤 詠み手の人柄が感じられます
(024) 山茶花に降り積もる雪しんしんと 秋岡
(025) 白霜の枯野にありて寒椿 秋元
1 志方 冬の山水画のようにすっきりしていると思い
ます。
(026) 寒い朝 旭に映える 寒椿 小幡
(027) 凍て土に 薔薇一輪の 夜は明け 小野寺
(028) 老年と老人 切り裂く 寒椿 杜瑯
(029) 春暁に 星瞬いて (またたいて) 白椿 小野寺
1 柳町
(030) 色あせてなお咲にけり冬薔薇 秋岡
(031) 凛として佇む椿いとおかし 柳町
1 豊 椿の凛とした姿に感じ入った作者。「おかし」
だと現代語での意味になってしまいますから「をかし」
と古語にしたほうがいいでしょう。
(032) 冬萌えの 牡丹は生命 (いのち) 宿しけり。 小野寺
1 杜瑯
(033) まんりょうの実を孫とみる自然園 深瀬
(034) 松に寄せ千両活けたる飾り花 秋元
1 豊 松の緑と千両の赤の取り合わせ。美しさが伝
わります。「活けたる」だと字余りになるので、「活
けし」でよかったのでは。
(035) 寒つばき 葉は艶やかに ポツと落つ 吉良
1 橋本
2 宮澤 寒椿の葉は本当に艶やかな緑です。何十年前
に緑という名の艶やかな娘が、惚れた何人もの男に花
を一輪一輪ポチポツと落として行きました。
(036) 初霜を押し上げ咲きし桜草 小野寺
1 小幡
2 深瀬 霜や残雪の間から小さな花がのぞく光景とい
うのは、生命力の凄さを実感します。子供のころの新
鮮な体験を思い出しました。
(037) 寒椿 梅に追われて 散り急ぐ 宮澤
1 秋元 春なんですがなんとなく移ろいを感じます
2 吉良 冬といえども色々な花が咲き、目を楽しませ
てくれます。
3 志方
(038) 水仙のごとき清しさ聖少女 豊
(039) 冬夜道 月光浴びて 寒椿 小野寺
(040) 寒椿 息吹き伝える 残り雪 志方
1 小野寺 寒さのなかの紅い椿と残り雪の対比が美しい
(041) 寒椿香りを観つつ初詣 柳町
3.新年
(042) 初詣 孫のお願い なんだろう 志方
(043) 初詣 寒さに耐えて 知恩院 小幡
(044) この春は トランプばかり カルタ無し 宮澤
1 小幡
(045) 初富士が 稜線刻む 薄茜 志方
1 中津川
2 豊 新春のめでたい雰囲気がよく出ています。
「初富士が稜線を刻む」でもイメージは伝わりますが、
「初富士や」もしくは「初富士の」ではいけないので
しょうか。
(046) 初雑煮杵つき餅の味深し 橋本
(047) 初打ちや 土竜の穴へ 大オービー 宮澤
(048) 新年や箱もの寂し新市場 橋本
(049) 七十路 孫にひかれて 初詣 柳町
(050) 初春やすれ違ふ人みな笑顔 豊
1 秋岡 今年は天候にも恵まれ穏やかな新年だったで
す。
2 橋本
3 小野寺 初詣の己の心の動きが人の笑顔になって現れ
てます。
(051) 初日の出 足長おじさん 影法師 宮澤
1 中津川
2 橋本
(052) お正月透き通る空人眠る 深瀬
(053) 凪 (なぎ) の海静かに明けて初日の出 豊
1 秋元 昔、正月の色紙をみているような気分になり
ます
2 柳町
3 志方 無駄のない情景表現ですね。
4 野澤 穏やかな新年を迎えられ,心が清められる思
いがします
4.雑詠 (含、川柳)
(054) 大晦日世の静けさに物思ひ 深瀬
1 秋岡 大晦日は紅白歌合戦もいいですが、やはり静
かに何か物思いに耽りたい気分です。
(055) 湯船にて痣の勲章 競う冬 野澤
1 深瀬 若かりしときのスキー場での想い出だと思い
ます。大胆さを競うことはなくなった感じです。老化
で転んでできた痣を自慢するようにはなりたくない。
(056) 浪の華 砕けて哀し いのち尽き 小野寺
1 宮澤 浪の華は、大きい強い波ほど美しく綺麗で、
はかないものです。
(057) 夕日暮れ薄紅 (うすくれない) に映える富士 秋元
(058) 海鳴りや オリオンとほく 浪砕け。 小野寺
1 宮澤 オリオンは本当にに神秘的です。海鳴りとい
う聴覚にも。砕ける浪という視覚にもぴったりとマッ
チします。
(059) 冬の午後きょう一日の時流る 深瀬
(060) 冬夜寒 潮の遠鳴り恋しかり。 小野寺
(061) 末法の枯野のドーム夕陽浴び 深瀬
(062) 渺茫と 木枯らし哭きて 原野 (げんや) 暮れ。 小野寺
(063) 寒気 (かんき) 舞ふ空調機音頼りなし 深瀬
(064) 蒼鉛の 遥か雲より 冬日射し 小野寺
1 吉良 ヨーロッパの冬景色の絵画を思い浮かばせる
句です。
2 中津川
3 柳町
(065) 抱き上げて にっこり眼(まなこ)の 孫愛し 志方
1 小幡
2 野澤 孫の笑顔はまさに天使
(066) 着ぶくれて人待ち顔の女かな 豊
(067) 冬銀河 おもひつる娘の 今はなく 小野寺
1 杜瑯
(068) 枯れ草の夕陽を受けて山遠く 深瀬
(069) まじまじと成人の日の娘見る 秋岡
(070) 大寒の明けゆく空に ひかり満つ 小野寺
1 杜瑯
2 吉良 冬の明け方の透き通った朝、身が引き締まる
感じがします。
(071) 暮れ泥 (なず) み青いそ餌に沙魚 (はぜ) を釣る 秋元
(072) 木枯しや猫陽だまりにまるく居り 橋本
1 小幡
2 小野寺 外の木枯らしと暖かい家の陽だまりに猫の対
比はさながらに作者の温かい心目でしょうか。
(073) 青空のひろがりまぶし冬木立 深瀬
四国ドライブ一人旅から3句
(074) 鳴門から室戸足摺空海と 橋本
(075) 道後館湯船もうれし掛け流し 橋本
(076) 四万十に生かされ生きる沈下橋 橋本
1 深瀬 沈下橋を改めて確認しました。増水時は沈む
訳ですから、飾り気のない力強さが強調されている感
じです。人間の生き方にも通ずるのでしょうか。
(077) 尼寺は 時雨れて 古都の街が暮れ 小野寺
1 宮澤 尼寺と言う言葉でもう駄目。時雨、古都とく
れば、日本に生まれて本当に良かったです。
(078) どんど焼き秘めた願ひの煙追ふ 深瀬
1 吉良 遠い子供の頃を思い出させてくれました。
2 秋岡 ”秘めた願いの煙追う”はいいですね。
3 豊 「秘めた願い」とは何でしょう。恋の成就か、
病の治癒か、それとも…。
(079) 川鵜追う小ボラの群れや鷺も待つ 橋本
(080) 筆とれば 小窓の外に 霙 (みぞれ) 落つ 小野寺
1 秋元 切り取られた一瞬のひらめきでしょうか
2 中津川 年賀状、書初めそれとも絵画の筆でしょうか
(081) 風花に空を見上げて深呼吸 秋岡
(082) 夕富士に双発ジェット茜色 橋本
(083) 初場所に日本が湧いた稀勢の里 秋岡
(084) 荒海や 波濤けぶりて 冬銀河 小野寺
1 秋元 月に照らされた凍てつく海と黒い天空でしょ
うか
(085) 枯れ草の池にとけこむ鷺一羽 深瀬
1 柳町
(086) 底冷えの 京のまちやに 寒の月 小野寺
(087) 同居者は猫一匹や冬籠 豊
1 吉良 猫と日向ぼこをした将来の我々の姿が目に浮
かびます。
2 秋岡 寂しいけれど、相棒のネコが居れば冬籠りも
また楽し(?)
3 橋本
(088) 冬バナナ色とにほひに思ひ馳す 深瀬
(089) 陽だまりに身体膨らせ寒雀 秋岡
1 中津川
2 豊 うまい。まさに俳句らしい句です。欠点がな
いのが欠点でしょうか。
3 小幡
4 深瀬 冬の雀は、いかにもまるくなって暖をとって
いる感じがします。ヒートテックの下着やコートのな
い生き物の摂理がすごいと思います。水墨画的世界の
ような感じもしました。
5 小野寺 冬の陽だまりに静かに羽を膨らませる雀は居
心地の良い穏やかな風景です。
(090) 冬の海 鳶一羽 舞ひ 陽はくれぬ。 小野寺
1 橋本
(091) 早朝の雪道歩む老夫婦 秋岡
(092) 海蒼し 木枯らし騒ぎ 百舌の啼く 小野寺
(093) 枯れ草や池に高層映えわたり 深瀬
(094) 独り往く枯野の路に冬の月 小野寺
1 杜瑯
2 志方
(095) 夢託す、古希の第二の、船出かな 藤原
(096) 塩香る、パークゴルフの、楽しさや 藤原
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第十九回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(089) 陽だまりに身体膨らせ寒雀 秋岡
4 点句
(001) 朝冷えで きしむ身体に 古希を知る 志方
(002) 古希迎え我が身に咲いたボケの花 野澤
(053) 凪 (なぎ) の海静かに明けて初日の出 豊
3 点句
(006) 凍て空に 青春挽歌 古希吠える 杜瑯
(014) 古希迎へはるばる来たり先あおぐ 深瀬
(050) 初春やすれ違ふ人みな笑顔 豊
(064) 蒼鉛の 遥か雲より 冬日射し 小野寺
(078) どんど焼き秘めた願ひの煙追ふ 深瀬
(087) 同居者は猫一匹や冬籠 豊
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、4 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連絡を
いただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の14名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、志方さん、中津川
さん、野澤さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
3 月下旬ころに予定したいと思っています。
別途、ご案内しますので、よろしくお願いします。
2017.02.12
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 古希
(001) 朝冷えで きしむ身体に 古希を知る 志方
1 秋元 共感
2 秋岡 確かに朝起きるときに関節の潤滑油の切れを
つくづく感じます。
3 宮澤 同感です。朝きしむなら、寝坊すればいいの
ですが、目が覚めてしまいます。
4 野澤 実感!
(002) 古希迎え我が身に咲いたボケの花 野澤
1 中津川 自分のことを言われたようで思わずニヤッと
しました
2 豊 思わず笑ってしまいました。ユーモアのセン
スに拍手。
3 宮澤 夢は古希で開くのでしょうか、ボケの花も綺
麗な花です。咲いて良かった。
4 小幡
(003) 枯れ葉ごし陽のあたたかき古希の朝 深瀬
1 吉良 古稀を迎え、これからも平穏な日々が続くよ
うにとの祈りの気持ちが出ています。
2 志方 古希を迎える明るさと穏やかさが滲んでいる
と思います。
(004) 古希迎え国旗掲げて腰をコキッ 宮澤
1 秋岡 ユーモアがあっていいですね。
(005) 今年より 古希になりて 鏡みる 小幡
(006) 凍て空に 青春挽歌 古希吠える 杜瑯
1 吉良 これからもまだ若者に負けないぞとの気概を
感じます。
2 深瀬 みなぎる闘争心というのか、気合というのか、
圧倒されます。喝を入れられた思いです。(095) の心
境に、拍車がかかった感じです。
3 小野寺 古稀をむかえてある種気概に同感です。
(007) 入園の孫の手を引き古希の春 豊
1 志方 古希を迎える明るさと穏やかさが滲んでいる
と思います。
(008) 古希なれば 心澄ませよ 人は言う 吉良
1 深瀬 これからなにをすればいいのかとか、ますま
す迷いを深めています。心澄ませる心境に憧れますが、
結構、みな同じかなとか、少し安心もしました。
(009) なにをする古希の寒気 (かんき) に答へなく 深瀬
1 橋本
(010) 古希遠く成人式の晴れ着かな 豊
(011) 古希とても団塊世代溢れけり 深瀬
1 秋岡 古希の希少価値はもうないですね。
(012) 道半ば 古希を迎えて 道半ば 志方
(013) 仙人の 墨絵憧れ 古希臨む 吉良
(014) 古希迎へはるばる来たり先あおぐ 深瀬
1 豊 古希まで生きてきた人生を振り返る。心境、
よくわかります。「来たり先」は「来たる道」とでも
したほうがよかったのではないでしょうか。
2 橋本
3 志方 古希を迎える明るさと穏やかさが滲んでいる
と思います。
2.兼題 冬の花
(015) 木枯らしが 枯れ野吹き抜け 黄水仙 志方
(016) 凍て土に 牡丹の赤芽 呼吸 (いき) を吹き 小野寺
1 秋元 庭先の情景を思い浮かべました
(017) 亡き父の育てし花や寒牡丹 豊
1 小幡
2 深瀬 花をみて、既に亡くなった肉親を想う気持ち
は、心の奥深くに共通するものなのでしょうか。牡丹
の花は迫力がありますから、余計、印象深いと思いま
した。
3 小野寺 若い頃には十分に語り合えなかった父と今は
亡き父が丹精した寒牡丹を通じて哀惜の心が伝わって
きます。父と息子はこういうものかもしれません。
(018) 紅色に 悲しさ隠す 寒つばき 吉良
1 杜瑯
(019) ビル街の山茶花ひそり人の波 深瀬
1 秋元 都会の隙間にある情景を思い浮かべました
(020) 山茶花の 絨毯映える 老夫婦 吉良
庭に植えた紅と白の山茶花2句
(021) 山茶花の白清々し文化の日 橋本
(022) 雨洗う山茶花の紅際立ちぬ 橋本
1 中津川
2 小野寺 冬枯れの時雨の景色の中、紅い山茶花は鮮や
かな対比をみせてひきたちます。
(023) 仏壇のまんりょうの実に遺影笑み 深瀬
1 野澤 詠み手の人柄が感じられます
(024) 山茶花に降り積もる雪しんしんと 秋岡
(025) 白霜の枯野にありて寒椿 秋元
1 志方 冬の山水画のようにすっきりしていると思い
ます。
(026) 寒い朝 旭に映える 寒椿 小幡
(027) 凍て土に 薔薇一輪の 夜は明け 小野寺
(028) 老年と老人 切り裂く 寒椿 杜瑯
(029) 春暁に 星瞬いて (またたいて) 白椿 小野寺
1 柳町
(030) 色あせてなお咲にけり冬薔薇 秋岡
(031) 凛として佇む椿いとおかし 柳町
1 豊 椿の凛とした姿に感じ入った作者。「おかし」
だと現代語での意味になってしまいますから「をかし」
と古語にしたほうがいいでしょう。
(032) 冬萌えの 牡丹は生命 (いのち) 宿しけり。 小野寺
1 杜瑯
(033) まんりょうの実を孫とみる自然園 深瀬
(034) 松に寄せ千両活けたる飾り花 秋元
1 豊 松の緑と千両の赤の取り合わせ。美しさが伝
わります。「活けたる」だと字余りになるので、「活
けし」でよかったのでは。
(035) 寒つばき 葉は艶やかに ポツと落つ 吉良
1 橋本
2 宮澤 寒椿の葉は本当に艶やかな緑です。何十年前
に緑という名の艶やかな娘が、惚れた何人もの男に花
を一輪一輪ポチポツと落として行きました。
(036) 初霜を押し上げ咲きし桜草 小野寺
1 小幡
2 深瀬 霜や残雪の間から小さな花がのぞく光景とい
うのは、生命力の凄さを実感します。子供のころの新
鮮な体験を思い出しました。
(037) 寒椿 梅に追われて 散り急ぐ 宮澤
1 秋元 春なんですがなんとなく移ろいを感じます
2 吉良 冬といえども色々な花が咲き、目を楽しませ
てくれます。
3 志方
(038) 水仙のごとき清しさ聖少女 豊
(039) 冬夜道 月光浴びて 寒椿 小野寺
(040) 寒椿 息吹き伝える 残り雪 志方
1 小野寺 寒さのなかの紅い椿と残り雪の対比が美しい
(041) 寒椿香りを観つつ初詣 柳町
3.新年
(042) 初詣 孫のお願い なんだろう 志方
(043) 初詣 寒さに耐えて 知恩院 小幡
(044) この春は トランプばかり カルタ無し 宮澤
1 小幡
(045) 初富士が 稜線刻む 薄茜 志方
1 中津川
2 豊 新春のめでたい雰囲気がよく出ています。
「初富士が稜線を刻む」でもイメージは伝わりますが、
「初富士や」もしくは「初富士の」ではいけないので
しょうか。
(046) 初雑煮杵つき餅の味深し 橋本
(047) 初打ちや 土竜の穴へ 大オービー 宮澤
(048) 新年や箱もの寂し新市場 橋本
(049) 七十路 孫にひかれて 初詣 柳町
(050) 初春やすれ違ふ人みな笑顔 豊
1 秋岡 今年は天候にも恵まれ穏やかな新年だったで
す。
2 橋本
3 小野寺 初詣の己の心の動きが人の笑顔になって現れ
てます。
(051) 初日の出 足長おじさん 影法師 宮澤
1 中津川
2 橋本
(052) お正月透き通る空人眠る 深瀬
(053) 凪 (なぎ) の海静かに明けて初日の出 豊
1 秋元 昔、正月の色紙をみているような気分になり
ます
2 柳町
3 志方 無駄のない情景表現ですね。
4 野澤 穏やかな新年を迎えられ,心が清められる思
いがします
4.雑詠 (含、川柳)
(054) 大晦日世の静けさに物思ひ 深瀬
1 秋岡 大晦日は紅白歌合戦もいいですが、やはり静
かに何か物思いに耽りたい気分です。
(055) 湯船にて痣の勲章 競う冬 野澤
1 深瀬 若かりしときのスキー場での想い出だと思い
ます。大胆さを競うことはなくなった感じです。老化
で転んでできた痣を自慢するようにはなりたくない。
(056) 浪の華 砕けて哀し いのち尽き 小野寺
1 宮澤 浪の華は、大きい強い波ほど美しく綺麗で、
はかないものです。
(057) 夕日暮れ薄紅 (うすくれない) に映える富士 秋元
(058) 海鳴りや オリオンとほく 浪砕け。 小野寺
1 宮澤 オリオンは本当にに神秘的です。海鳴りとい
う聴覚にも。砕ける浪という視覚にもぴったりとマッ
チします。
(059) 冬の午後きょう一日の時流る 深瀬
(060) 冬夜寒 潮の遠鳴り恋しかり。 小野寺
(061) 末法の枯野のドーム夕陽浴び 深瀬
(062) 渺茫と 木枯らし哭きて 原野 (げんや) 暮れ。 小野寺
(063) 寒気 (かんき) 舞ふ空調機音頼りなし 深瀬
(064) 蒼鉛の 遥か雲より 冬日射し 小野寺
1 吉良 ヨーロッパの冬景色の絵画を思い浮かばせる
句です。
2 中津川
3 柳町
(065) 抱き上げて にっこり眼(まなこ)の 孫愛し 志方
1 小幡
2 野澤 孫の笑顔はまさに天使
(066) 着ぶくれて人待ち顔の女かな 豊
(067) 冬銀河 おもひつる娘の 今はなく 小野寺
1 杜瑯
(068) 枯れ草の夕陽を受けて山遠く 深瀬
(069) まじまじと成人の日の娘見る 秋岡
(070) 大寒の明けゆく空に ひかり満つ 小野寺
1 杜瑯
2 吉良 冬の明け方の透き通った朝、身が引き締まる
感じがします。
(071) 暮れ泥 (なず) み青いそ餌に沙魚 (はぜ) を釣る 秋元
(072) 木枯しや猫陽だまりにまるく居り 橋本
1 小幡
2 小野寺 外の木枯らしと暖かい家の陽だまりに猫の対
比はさながらに作者の温かい心目でしょうか。
(073) 青空のひろがりまぶし冬木立 深瀬
四国ドライブ一人旅から3句
(074) 鳴門から室戸足摺空海と 橋本
(075) 道後館湯船もうれし掛け流し 橋本
(076) 四万十に生かされ生きる沈下橋 橋本
1 深瀬 沈下橋を改めて確認しました。増水時は沈む
訳ですから、飾り気のない力強さが強調されている感
じです。人間の生き方にも通ずるのでしょうか。
(077) 尼寺は 時雨れて 古都の街が暮れ 小野寺
1 宮澤 尼寺と言う言葉でもう駄目。時雨、古都とく
れば、日本に生まれて本当に良かったです。
(078) どんど焼き秘めた願ひの煙追ふ 深瀬
1 吉良 遠い子供の頃を思い出させてくれました。
2 秋岡 ”秘めた願いの煙追う”はいいですね。
3 豊 「秘めた願い」とは何でしょう。恋の成就か、
病の治癒か、それとも…。
(079) 川鵜追う小ボラの群れや鷺も待つ 橋本
(080) 筆とれば 小窓の外に 霙 (みぞれ) 落つ 小野寺
1 秋元 切り取られた一瞬のひらめきでしょうか
2 中津川 年賀状、書初めそれとも絵画の筆でしょうか
(081) 風花に空を見上げて深呼吸 秋岡
(082) 夕富士に双発ジェット茜色 橋本
(083) 初場所に日本が湧いた稀勢の里 秋岡
(084) 荒海や 波濤けぶりて 冬銀河 小野寺
1 秋元 月に照らされた凍てつく海と黒い天空でしょ
うか
(085) 枯れ草の池にとけこむ鷺一羽 深瀬
1 柳町
(086) 底冷えの 京のまちやに 寒の月 小野寺
(087) 同居者は猫一匹や冬籠 豊
1 吉良 猫と日向ぼこをした将来の我々の姿が目に浮
かびます。
2 秋岡 寂しいけれど、相棒のネコが居れば冬籠りも
また楽し(?)
3 橋本
(088) 冬バナナ色とにほひに思ひ馳す 深瀬
(089) 陽だまりに身体膨らせ寒雀 秋岡
1 中津川
2 豊 うまい。まさに俳句らしい句です。欠点がな
いのが欠点でしょうか。
3 小幡
4 深瀬 冬の雀は、いかにもまるくなって暖をとって
いる感じがします。ヒートテックの下着やコートのな
い生き物の摂理がすごいと思います。水墨画的世界の
ような感じもしました。
5 小野寺 冬の陽だまりに静かに羽を膨らませる雀は居
心地の良い穏やかな風景です。
(090) 冬の海 鳶一羽 舞ひ 陽はくれぬ。 小野寺
1 橋本
(091) 早朝の雪道歩む老夫婦 秋岡
(092) 海蒼し 木枯らし騒ぎ 百舌の啼く 小野寺
(093) 枯れ草や池に高層映えわたり 深瀬
(094) 独り往く枯野の路に冬の月 小野寺
1 杜瑯
2 志方
(095) 夢託す、古希の第二の、船出かな 藤原
(096) 塩香る、パークゴルフの、楽しさや 藤原
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2016年11月6日日曜日
七句会 第十八回 選句結果
七句会のみなさま
第十八回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(072) 秋の陽と雲切り取りし水たまり 深瀬
4 点句
(001) 夢何処酒杯に映る山紅葉 秋元
(033) 酔ふほどにうさの晴れゆくおでん酒 豊
3 点句
(008) 朝の陽を 浴びて 深酒悔やみけり 小野寺
(024) 献杯に 逝きし友への 刈穂かな 志方
(042) 孫はさみ妻と散歩の秋の夕 深瀬
(049) チャンバラもめんこも遠き昭和かな 豊
(052) かくれんぼ隠れしままに朧月 豊
(058) 遊ぶ声 響かぬ団地や 法師蝉 中津川
(069) もみじ葉の散っては流る万華鏡 深瀬
(086) 木漏れ日を まとひて紅し 彼岸花 小野寺
(094) 風に舞う 金木犀の 香りかな 藤原
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、来年 1月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の15名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、志方さん、中津川
さん、野澤さん、橋本さん、藤原さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊
さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、次の要領で、勉
強会を行いたいと思っています。参加される方は、11月中旬ころまでにご連絡
をお願いします。
・日時 11月30日(水)17時~19時
・場所 喫茶室ルノアールニュー新宿3 丁目店
http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.121
・費用 一人1,000 円前後 (予想)
2016.11.06
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 酒
(001) 夢何処酒杯に映る山紅葉 秋元01
1 吉良
2 中津川
3 藤原
4 小野寺
(002) いつまでか 酒を交わして 友と我 吉良04
(003) 昼ビールゴルフ迷走秋の雲 深瀬10
1 宮澤
(004) 宵待月 酒酌みし女 (ひと) 夢枕 小野寺21
1 秋元
(005) 酒ありて 友ありて 夜長宿 中津川04
1 橋本
(006) 酔い暮れて月見の酒に想う秋 秋岡05
(007) 初ものの地酒ようやく封を切る 橋本01
1 志方
(008) 朝の陽を 浴びて 深酒悔やみけり 小野寺15
1 橋本
2 秋岡 何度経験してもまたやってしまうんで
すよね。
3 宮澤
(009) 眼を閉じよ 新酒かおり 秋夜なが 吉良03
1 柳町
(010) ワイン飲み夜更けのテレビ居間ひとり 深瀬11
(011) 木樽から 琥珀に映える 新酒かな 志方05
(012) すすき野を酒ぶらさげて流浪びと 深瀬08
(013) 利き酒の盃重ね日が暮れる 秋岡03
(014) やけ酒も 遠い昔の 秋左遷 中津川02
孫からお酌をしてもらうその日が来るのを期待して--
-。無理かな????
(015) 孫の手の猪口に染みいるうまし酒 柳町03
1 志方
(016) 朋ありて 薬缶 (やかん) で 酒を沸かし日よ 小野寺11
(017) 呑まずとも 肴嗜む 秋の宵 野澤01
1 橋本
(018) なんとなく秋の夜長に酒を飲む 小幡02
1 秋岡 何となく酒を呑みボーとしているのは、
暑さから解放された秋の気分ですね。
2 宮澤 酒好きが酒を兼題として選句すると、
実体験として’同感’度の高い句を選んでし
まいます。「中七」を‘春のどかにて’、’
夏汗ばみて’’冬のこたつで’と替えれば1
年中使えるのが良い。
(019) 下心 見え隠れする 甘い酒 野澤02
(020) 囲碁終えてみなで酒飲む秋の夜 深瀬12
1 藤原
(021) 酒なくて何の楽しき年の暮 豊02
1 秋岡 四季折々、健康で酒を楽しく飲めるの
はやっぱり幸せです。特にサラリーマン時代
は、年の暮はよく飲みました。
(022) のどかなり公園の桜ひとり酒 橋本02
1 吉良
2 小幡
(023) 秋寂し友ありてこそ美味き酒 秋岡06
1 柳町
2 秋元
(024) 献杯に 逝きし友への 刈穂かな 志方04
1 柳町
2 野澤 「酒」38句のなかで唯一心情が理解
できる句でした。 (注。野澤さんはお酒は飲
まれません。)
3 小野寺
(025) 暑さ去りふとため息の独り酒 秋岡02
(026) しやわせは一杯のさけに虫のこえ 小幡03
1 深瀬 幸福論、GNH 、等の議論もありますが、
老化を実感する最近、こういう心境や境遇に
も、共感を感じます。
(027) 宵の酒 友と飲み干す 月明り 吉良05
(028) 風呂上がり遊び疲れて缶ビ-ル 小幡01
(029) 酔ひまわりどぢょうすくひの秋の夜 深瀬09
1 豊 「酒」という題はさすがに皆さん作り
やすかったようですね。それぞれに酒への愛
着が詠まれていますが、とくにこの句にはユ
ーモアを感じました。
(030) バッカスの 微笑み満ちて 酒かわす 吉良02
1 深瀬 飲み会の後、どうでもいいことを大げ
さに言って顰蹙を買ったのでは、と後悔する
ことがよくあります。「バッカスの微笑み」
に、なにかそういうものを感じました。作者
の意図と、全く違うかもしれません。
(031) 涙ため満月の夜濁り酒 秋岡04
下流から冷たい風が吹きあがり飲みながらの川下りでし
た
(032) 酒いも煮 歌もさかなに 最上川 中津川03
1 橋本
(033) 酔ふほどにうさの晴れゆくおでん酒 豊01
1 志方
2 中津川
3 秋岡 おでん酒は憂さが晴れるのですね。今
度やってみます。
4 小幡
(034) 秋の夜を 語り尽くせぬ 濁り酒 小野寺20
1 秋元
(035) 酔うほどに 白髪見ゆる 濁り酒 吉良01
(036) アラ古希のゴルフと酒の楽しさよ 橋本03
(037) 新蕎麦を酒の肴にもう一献 秋岡01
1 中津川
2 豊 かなり酒通、酒好きの方とお見受けし
ます。いい日本酒を揃えた蕎麦屋は、蕎麦も
おいしいはずです。
(038) 男厨や 秋刀魚の匂い 盗み酒 中津川01
2.兼題 遊び
(039) 群れ遊ぶ 山寺の句碑 赤とんぼ 中津川05
1 藤原
2 小野寺
(040) 「ジィジィ」と孫にひかれて砂遊び 柳町01
1 豊 孫と遊ぶ句がほかにもいくつかありま
したが、お孫さんのかわいい動きが感じられ
たので、この句を選びました。
(041) カルタ取り 孫を相手に 負け戦さ 野澤04
(042) 孫はさみ妻と散歩の秋の夕 深瀬02
1 柳町
2 小幡
3 野澤 ほほえましい光景が目に浮かぶ句です。
(043) 林間に 吹く風あそぶ 落ち葉かな 志方02
1 吉良
2 深瀬 落ち葉が、林のなかをざぁっーと風に
吹かれていく光景が鮮明に思い起こされまし
た。
(044) 遊ぶほど寂しさ募る老いの秋 秋岡07
1 宮澤
大好きな山登りも、年を重ねると苦行になりますね!!
(045) 山登り「遊び」のはずが超苦行 柳町02
1 小幡
(046) 夏休み ゲーム機にらみ 詰将棋 中津川07
1 藤原
(047) 遊々のはずの老後をうつ襲う 深瀬06
1 小幡
2 野澤 来年は我々も古希を迎える歳になりま
す。悠々自適と思っていたら,自身あるいは
家族に突然病が襲ってくるのでしょうか・・・
(048) 夕立や鬼と遊ぶよ楽しけれ 小幡04
(049) チャンバラもめんこも遠き昭和かな 豊04
1 志方
2 柳町
3 野澤 今の時代の遊びはハイテクで本当に昭
和の遊びが懐かしく感じます。
(050) 秋の陽に遊休施設仁王立ち 深瀬04
(051) プラレール 孫の遊びは 限りなく 志方01
(052) かくれんぼ隠れしままに朧月 豊03
1 志方
2 吉良
3 小野寺
(053) 預かった孫と遊びし秋の夕 深瀬01
(054) 清流や変わらぬ親子の川遊び 橋本04
(055) 孫とする テレビゲームで カエルの子 野澤03
(056) 東山哲学の道を遊歩する 小幡05
(057) 成果主義卒し遊びの秋の日々 深瀬03
1 中津川
団地の高齢化がすすんでいます
(058) 遊ぶ声 響かぬ団地や 法師蝉 中津川06
1 森
2 秋岡 最近こんな風景をよく見るようになっ
た気がします。
3 宮澤 年をとり、遊ぶとなると、自分の遊び
でも、子供の遊びでも昔を思いつつ、カウン
トダウンを意識してしまいます。
(059) 秋散歩また遊休地ひとけなく 深瀬07
1 豊 散歩の途中で遊休地を通った。秋の寂
しさのためか、人がいない。「また」という
表現が雰囲気をうまく伝えています。
(060) 夕映えに 風にあそびて 彼岸花 志方03
1 柳町
2 小野寺
(061) 釣り人の近くでボラの跳ね遊ぶ 橋本05
(062) 湖畔行くもみじに染まる遊覧船 深瀬05
1 橋本
2 秋岡 関西では必ず琵琶湖の風景がニュース
になります
3.雑詠 (含、川柳)
(063) 故郷は 車窓の彼方 夜が明け 小野寺09
1 深瀬 子供のころ、両親と夜行列車で秋田に
帰郷しました。山形の板谷峠あたりで夜があ
け、両親が神妙な顔をしていたのを思い出し
ます。
(064) 朝の森向こう明々こちら日暮し 橋本07
(065) 透きとおる 台風一過 月あかり 藤原01
1 豊 きれいな句です。台風一過の雲のない
夜空に月が光っている。「透きとおる」がう
まい。
(066) 逝く夏や 墓標の如く 芒 (すすき) 満つ 小野寺04
1 秋元
(067) 秋涼に 便りを託す 友ありき 野澤07
(068) 虹架かる くぬぎの香り 通り雨 小野寺17
(069) もみじ葉の散っては流る万華鏡 深瀬18
1 森
2 吉良
3 宮澤
(070) 秋雨の途切れて清し鰯雲 橋本06
1 柳町
2 小野寺
(071) 昏き森 祠 (ほこら) に白く 曼殊沙華 小野寺05
1 秋元
(072) 秋の陽と雲切り取りし水たまり 深瀬16
1 志方
2 中津川
3 豊 雨上がりの水たまりに太陽と雲が映っ
ている光景でしょうか。目の付け所がユニー
クです。
4 橋本 上手いですね、公園でしょうか、田舎
の田圃道かな
5 小野寺
(073) 秋灯に背表紙そろふ書棚かな 豊05
1 中津川
2 深瀬 最近は本棚の本を取り出すことはほと
んどないのですが、背表紙が揃っているか、
気になることがあります。
(074) カッコウの こだまとなりぬ 夏木立 小野寺10
(075) すすき野や過疎化の波の置きみやげ 深瀬14
1 森
(076) 便りなき 友を気遣う 秋の夜 野澤09
1 退職した後の秋の夜長は、友を思う秋でもあ
りますね。
(077) 華やかに 灯籠流れ いのち 問ふ 小野寺18
(078) 朽ちはてし墓標の下のきりぎりす 豊06
1 小幡 特に共感しました。当家の墓は寂れた
ところにあり、まわりには参る人もなく、傾
いた墓石が二三ある。秋には、それこそキリ
ギリスが跳びはねそうなところです。
(079) のどかなる 夕日に映える いわし雲 藤原02
1 野澤 素晴らしい人生を送られる方の詠まれ
た句なのでしょうか。穏やかな気持ちが伝わ
ってきます。
(080) 赤蜻蛉 消えにし生命 (いのち) 乗せて飛び 小野寺19
1 森
青春のかけら三題
(081) 胸ゆする 青春挽歌 なおあつく 森01
1 藤原
(082) 青春や 灯下の夢に 女郎花 森02
(083) 青春の 消えゆく灯り 祭りの音 森03
(084) かそやかに 水引き草に 秋渉る 小野寺06
1 野澤 私などにはとても詠むことのできない
高尚な句に思われます。これぞ俳句と教えら
れます。
(085) 大川に往きかう屋形江戸の夢 秋元03
(086) 木漏れ日を まとひて紅し 彼岸花 小野寺07
1 志方
2 吉良
3 秋元
(087) 月あかり廃屋の屋根漏れこぼる 深瀬13
1 中津川
(088) 夕菅や 日暮れて 蒼き闇に咲き 小野寺01
(089) 雨の日も コスモスに水 孫娘 野澤06
1 小幡
(090) 秋蝶はくぬぎの幹に 息を吐き 小野寺13
(091) 秋涼に 耳を澄ませど 便りなし 野澤10
1 森
(092) 気がつけばデパート売り場秋の色 深瀬15
(093) 地に落ちて 羽風に揺れ 秋の蝶 小野寺14
(094) 風に舞う 金木犀の 香りかな 藤原03
1 深瀬 金木犀の香りがすると、いつも周囲を
見回します。沈丁花とともに、あの花のメッ
セージ力はすごいといつも思います。
2 宮澤 視覚、嗅覚という五感を感じ取れるこ
とを大事にしたいと思い選句しました。五感
が衰えると、酒にも、遊びにも興味を失くし
てしまうので、大事にしたいと思います。
3 野澤 一年前には我が家にも金木犀があり,
その香りがとても懐かしく感じられます。
(095) 早朝の川鵜鷺鴨食事会 橋本08
(096) 秋の夜に 野の花生ける 女 (ひと) のあり 小野寺22
(097) 秋寂し愚妻の指にふと触れる 秋岡08
1 森
(098) 静寂を 破りて 古都の 朝が明け 小野寺16
1 秋元
(099) さざ波に燦めく陽射し朝の夢 秋元02
(100) 蟷螂 (とうろう) の斧力尽き 冬化粧 小野寺12
1 吉良
2 豊 「蟷螂の斧」とは、文字通り「カマキ
リの斧」のことでしょうか。それとも「自分
の力の弱さの象徴」として使っているのでし
ょうか。私は素直に「カマキリの斧」と理解
して、カマキリの命が力尽きたとき、野は冬
化粧の季節になった、と解釈しました。カマ
キリと冬化粧の取り合わせが一つの世界を作
っています。
(101) 若き日の 思い出つきぬ 秋の宵 野澤08
(102) 色褪せて リンとして咲く 百日紅 志方07
(103) 霧深き 谷川の瀬に 赤蜻蛉 小野寺08
1 深瀬 人気のない谷川に、赤蜻蛉が乱舞する
さまは、美しさと寂しさが感じられます。(0
80) と響きあって、そういう思いを強くしま
した。
(104) 六義園木漏れ陽満つる江戸の秋 深瀬17
(105) 光降る 水面の底を 鮎走り 小野寺03
1 橋本 雑魚は見たことがありますが、やはり
鮎ですね
(106) 御仏に 安らかなれと 彼岸花 野澤05
(107) 秋の暮れ 雲それぞれに 流れゆく 志方06
(108) 東雲 (しののめ) に鰯雲満ち 朋の逝き 小野寺02
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第十八回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(072) 秋の陽と雲切り取りし水たまり 深瀬
4 点句
(001) 夢何処酒杯に映る山紅葉 秋元
(033) 酔ふほどにうさの晴れゆくおでん酒 豊
3 点句
(008) 朝の陽を 浴びて 深酒悔やみけり 小野寺
(024) 献杯に 逝きし友への 刈穂かな 志方
(042) 孫はさみ妻と散歩の秋の夕 深瀬
(049) チャンバラもめんこも遠き昭和かな 豊
(052) かくれんぼ隠れしままに朧月 豊
(058) 遊ぶ声 響かぬ団地や 法師蝉 中津川
(069) もみじ葉の散っては流る万華鏡 深瀬
(086) 木漏れ日を まとひて紅し 彼岸花 小野寺
(094) 風に舞う 金木犀の 香りかな 藤原
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、来年 1月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の15名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、志方さん、中津川
さん、野澤さん、橋本さん、藤原さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊
さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、次の要領で、勉
強会を行いたいと思っています。参加される方は、11月中旬ころまでにご連絡
をお願いします。
・日時 11月30日(水)17時~19時
・場所 喫茶室ルノアールニュー新宿3 丁目店
http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.121
・費用 一人1,000 円前後 (予想)
2016.11.06
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 酒
(001) 夢何処酒杯に映る山紅葉 秋元01
1 吉良
2 中津川
3 藤原
4 小野寺
(002) いつまでか 酒を交わして 友と我 吉良04
(003) 昼ビールゴルフ迷走秋の雲 深瀬10
1 宮澤
(004) 宵待月 酒酌みし女 (ひと) 夢枕 小野寺21
1 秋元
(005) 酒ありて 友ありて 夜長宿 中津川04
1 橋本
(006) 酔い暮れて月見の酒に想う秋 秋岡05
(007) 初ものの地酒ようやく封を切る 橋本01
1 志方
(008) 朝の陽を 浴びて 深酒悔やみけり 小野寺15
1 橋本
2 秋岡 何度経験してもまたやってしまうんで
すよね。
3 宮澤
(009) 眼を閉じよ 新酒かおり 秋夜なが 吉良03
1 柳町
(010) ワイン飲み夜更けのテレビ居間ひとり 深瀬11
(011) 木樽から 琥珀に映える 新酒かな 志方05
(012) すすき野を酒ぶらさげて流浪びと 深瀬08
(013) 利き酒の盃重ね日が暮れる 秋岡03
(014) やけ酒も 遠い昔の 秋左遷 中津川02
孫からお酌をしてもらうその日が来るのを期待して--
-。無理かな????
(015) 孫の手の猪口に染みいるうまし酒 柳町03
1 志方
(016) 朋ありて 薬缶 (やかん) で 酒を沸かし日よ 小野寺11
(017) 呑まずとも 肴嗜む 秋の宵 野澤01
1 橋本
(018) なんとなく秋の夜長に酒を飲む 小幡02
1 秋岡 何となく酒を呑みボーとしているのは、
暑さから解放された秋の気分ですね。
2 宮澤 酒好きが酒を兼題として選句すると、
実体験として’同感’度の高い句を選んでし
まいます。「中七」を‘春のどかにて’、’
夏汗ばみて’’冬のこたつで’と替えれば1
年中使えるのが良い。
(019) 下心 見え隠れする 甘い酒 野澤02
(020) 囲碁終えてみなで酒飲む秋の夜 深瀬12
1 藤原
(021) 酒なくて何の楽しき年の暮 豊02
1 秋岡 四季折々、健康で酒を楽しく飲めるの
はやっぱり幸せです。特にサラリーマン時代
は、年の暮はよく飲みました。
(022) のどかなり公園の桜ひとり酒 橋本02
1 吉良
2 小幡
(023) 秋寂し友ありてこそ美味き酒 秋岡06
1 柳町
2 秋元
(024) 献杯に 逝きし友への 刈穂かな 志方04
1 柳町
2 野澤 「酒」38句のなかで唯一心情が理解
できる句でした。 (注。野澤さんはお酒は飲
まれません。)
3 小野寺
(025) 暑さ去りふとため息の独り酒 秋岡02
(026) しやわせは一杯のさけに虫のこえ 小幡03
1 深瀬 幸福論、GNH 、等の議論もありますが、
老化を実感する最近、こういう心境や境遇に
も、共感を感じます。
(027) 宵の酒 友と飲み干す 月明り 吉良05
(028) 風呂上がり遊び疲れて缶ビ-ル 小幡01
(029) 酔ひまわりどぢょうすくひの秋の夜 深瀬09
1 豊 「酒」という題はさすがに皆さん作り
やすかったようですね。それぞれに酒への愛
着が詠まれていますが、とくにこの句にはユ
ーモアを感じました。
(030) バッカスの 微笑み満ちて 酒かわす 吉良02
1 深瀬 飲み会の後、どうでもいいことを大げ
さに言って顰蹙を買ったのでは、と後悔する
ことがよくあります。「バッカスの微笑み」
に、なにかそういうものを感じました。作者
の意図と、全く違うかもしれません。
(031) 涙ため満月の夜濁り酒 秋岡04
下流から冷たい風が吹きあがり飲みながらの川下りでし
た
(032) 酒いも煮 歌もさかなに 最上川 中津川03
1 橋本
(033) 酔ふほどにうさの晴れゆくおでん酒 豊01
1 志方
2 中津川
3 秋岡 おでん酒は憂さが晴れるのですね。今
度やってみます。
4 小幡
(034) 秋の夜を 語り尽くせぬ 濁り酒 小野寺20
1 秋元
(035) 酔うほどに 白髪見ゆる 濁り酒 吉良01
(036) アラ古希のゴルフと酒の楽しさよ 橋本03
(037) 新蕎麦を酒の肴にもう一献 秋岡01
1 中津川
2 豊 かなり酒通、酒好きの方とお見受けし
ます。いい日本酒を揃えた蕎麦屋は、蕎麦も
おいしいはずです。
(038) 男厨や 秋刀魚の匂い 盗み酒 中津川01
2.兼題 遊び
(039) 群れ遊ぶ 山寺の句碑 赤とんぼ 中津川05
1 藤原
2 小野寺
(040) 「ジィジィ」と孫にひかれて砂遊び 柳町01
1 豊 孫と遊ぶ句がほかにもいくつかありま
したが、お孫さんのかわいい動きが感じられ
たので、この句を選びました。
(041) カルタ取り 孫を相手に 負け戦さ 野澤04
(042) 孫はさみ妻と散歩の秋の夕 深瀬02
1 柳町
2 小幡
3 野澤 ほほえましい光景が目に浮かぶ句です。
(043) 林間に 吹く風あそぶ 落ち葉かな 志方02
1 吉良
2 深瀬 落ち葉が、林のなかをざぁっーと風に
吹かれていく光景が鮮明に思い起こされまし
た。
(044) 遊ぶほど寂しさ募る老いの秋 秋岡07
1 宮澤
大好きな山登りも、年を重ねると苦行になりますね!!
(045) 山登り「遊び」のはずが超苦行 柳町02
1 小幡
(046) 夏休み ゲーム機にらみ 詰将棋 中津川07
1 藤原
(047) 遊々のはずの老後をうつ襲う 深瀬06
1 小幡
2 野澤 来年は我々も古希を迎える歳になりま
す。悠々自適と思っていたら,自身あるいは
家族に突然病が襲ってくるのでしょうか・・・
(048) 夕立や鬼と遊ぶよ楽しけれ 小幡04
(049) チャンバラもめんこも遠き昭和かな 豊04
1 志方
2 柳町
3 野澤 今の時代の遊びはハイテクで本当に昭
和の遊びが懐かしく感じます。
(050) 秋の陽に遊休施設仁王立ち 深瀬04
(051) プラレール 孫の遊びは 限りなく 志方01
(052) かくれんぼ隠れしままに朧月 豊03
1 志方
2 吉良
3 小野寺
(053) 預かった孫と遊びし秋の夕 深瀬01
(054) 清流や変わらぬ親子の川遊び 橋本04
(055) 孫とする テレビゲームで カエルの子 野澤03
(056) 東山哲学の道を遊歩する 小幡05
(057) 成果主義卒し遊びの秋の日々 深瀬03
1 中津川
団地の高齢化がすすんでいます
(058) 遊ぶ声 響かぬ団地や 法師蝉 中津川06
1 森
2 秋岡 最近こんな風景をよく見るようになっ
た気がします。
3 宮澤 年をとり、遊ぶとなると、自分の遊び
でも、子供の遊びでも昔を思いつつ、カウン
トダウンを意識してしまいます。
(059) 秋散歩また遊休地ひとけなく 深瀬07
1 豊 散歩の途中で遊休地を通った。秋の寂
しさのためか、人がいない。「また」という
表現が雰囲気をうまく伝えています。
(060) 夕映えに 風にあそびて 彼岸花 志方03
1 柳町
2 小野寺
(061) 釣り人の近くでボラの跳ね遊ぶ 橋本05
(062) 湖畔行くもみじに染まる遊覧船 深瀬05
1 橋本
2 秋岡 関西では必ず琵琶湖の風景がニュース
になります
3.雑詠 (含、川柳)
(063) 故郷は 車窓の彼方 夜が明け 小野寺09
1 深瀬 子供のころ、両親と夜行列車で秋田に
帰郷しました。山形の板谷峠あたりで夜があ
け、両親が神妙な顔をしていたのを思い出し
ます。
(064) 朝の森向こう明々こちら日暮し 橋本07
(065) 透きとおる 台風一過 月あかり 藤原01
1 豊 きれいな句です。台風一過の雲のない
夜空に月が光っている。「透きとおる」がう
まい。
(066) 逝く夏や 墓標の如く 芒 (すすき) 満つ 小野寺04
1 秋元
(067) 秋涼に 便りを託す 友ありき 野澤07
(068) 虹架かる くぬぎの香り 通り雨 小野寺17
(069) もみじ葉の散っては流る万華鏡 深瀬18
1 森
2 吉良
3 宮澤
(070) 秋雨の途切れて清し鰯雲 橋本06
1 柳町
2 小野寺
(071) 昏き森 祠 (ほこら) に白く 曼殊沙華 小野寺05
1 秋元
(072) 秋の陽と雲切り取りし水たまり 深瀬16
1 志方
2 中津川
3 豊 雨上がりの水たまりに太陽と雲が映っ
ている光景でしょうか。目の付け所がユニー
クです。
4 橋本 上手いですね、公園でしょうか、田舎
の田圃道かな
5 小野寺
(073) 秋灯に背表紙そろふ書棚かな 豊05
1 中津川
2 深瀬 最近は本棚の本を取り出すことはほと
んどないのですが、背表紙が揃っているか、
気になることがあります。
(074) カッコウの こだまとなりぬ 夏木立 小野寺10
(075) すすき野や過疎化の波の置きみやげ 深瀬14
1 森
(076) 便りなき 友を気遣う 秋の夜 野澤09
1 退職した後の秋の夜長は、友を思う秋でもあ
りますね。
(077) 華やかに 灯籠流れ いのち 問ふ 小野寺18
(078) 朽ちはてし墓標の下のきりぎりす 豊06
1 小幡 特に共感しました。当家の墓は寂れた
ところにあり、まわりには参る人もなく、傾
いた墓石が二三ある。秋には、それこそキリ
ギリスが跳びはねそうなところです。
(079) のどかなる 夕日に映える いわし雲 藤原02
1 野澤 素晴らしい人生を送られる方の詠まれ
た句なのでしょうか。穏やかな気持ちが伝わ
ってきます。
(080) 赤蜻蛉 消えにし生命 (いのち) 乗せて飛び 小野寺19
1 森
青春のかけら三題
(081) 胸ゆする 青春挽歌 なおあつく 森01
1 藤原
(082) 青春や 灯下の夢に 女郎花 森02
(083) 青春の 消えゆく灯り 祭りの音 森03
(084) かそやかに 水引き草に 秋渉る 小野寺06
1 野澤 私などにはとても詠むことのできない
高尚な句に思われます。これぞ俳句と教えら
れます。
(085) 大川に往きかう屋形江戸の夢 秋元03
(086) 木漏れ日を まとひて紅し 彼岸花 小野寺07
1 志方
2 吉良
3 秋元
(087) 月あかり廃屋の屋根漏れこぼる 深瀬13
1 中津川
(088) 夕菅や 日暮れて 蒼き闇に咲き 小野寺01
(089) 雨の日も コスモスに水 孫娘 野澤06
1 小幡
(090) 秋蝶はくぬぎの幹に 息を吐き 小野寺13
(091) 秋涼に 耳を澄ませど 便りなし 野澤10
1 森
(092) 気がつけばデパート売り場秋の色 深瀬15
(093) 地に落ちて 羽風に揺れ 秋の蝶 小野寺14
(094) 風に舞う 金木犀の 香りかな 藤原03
1 深瀬 金木犀の香りがすると、いつも周囲を
見回します。沈丁花とともに、あの花のメッ
セージ力はすごいといつも思います。
2 宮澤 視覚、嗅覚という五感を感じ取れるこ
とを大事にしたいと思い選句しました。五感
が衰えると、酒にも、遊びにも興味を失くし
てしまうので、大事にしたいと思います。
3 野澤 一年前には我が家にも金木犀があり,
その香りがとても懐かしく感じられます。
(095) 早朝の川鵜鷺鴨食事会 橋本08
(096) 秋の夜に 野の花生ける 女 (ひと) のあり 小野寺22
(097) 秋寂し愚妻の指にふと触れる 秋岡08
1 森
(098) 静寂を 破りて 古都の 朝が明け 小野寺16
1 秋元
(099) さざ波に燦めく陽射し朝の夢 秋元02
(100) 蟷螂 (とうろう) の斧力尽き 冬化粧 小野寺12
1 吉良
2 豊 「蟷螂の斧」とは、文字通り「カマキ
リの斧」のことでしょうか。それとも「自分
の力の弱さの象徴」として使っているのでし
ょうか。私は素直に「カマキリの斧」と理解
して、カマキリの命が力尽きたとき、野は冬
化粧の季節になった、と解釈しました。カマ
キリと冬化粧の取り合わせが一つの世界を作
っています。
(101) 若き日の 思い出つきぬ 秋の宵 野澤08
(102) 色褪せて リンとして咲く 百日紅 志方07
(103) 霧深き 谷川の瀬に 赤蜻蛉 小野寺08
1 深瀬 人気のない谷川に、赤蜻蛉が乱舞する
さまは、美しさと寂しさが感じられます。(0
80) と響きあって、そういう思いを強くしま
した。
(104) 六義園木漏れ陽満つる江戸の秋 深瀬17
(105) 光降る 水面の底を 鮎走り 小野寺03
1 橋本 雑魚は見たことがありますが、やはり
鮎ですね
(106) 御仏に 安らかなれと 彼岸花 野澤05
(107) 秋の暮れ 雲それぞれに 流れゆく 志方06
(108) 東雲 (しののめ) に鰯雲満ち 朋の逝き 小野寺02
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2016年8月6日土曜日
第十七回 七句会の選句結果
七句会のみなさま
第十七回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回は、小野寺さんの句がかなり高得点でした。6 点句から3 点句は下記の
ようでした。
6 点句
(102) 打ち水を またげば 古都の街が暮れ 小野寺
4 点句
(011) 戦場 (いくさば) に木霊 (こだま) となりぬ 蝉時雨 小野寺
(035) 幼な児が手拍子遅れる盆踊り 志方
3 点句
(001) 鎮魂の 読経静かに 夾竹桃 小野寺
(010) 終戦日慰霊碑の影濃くなりぬ 豊
(037) 佳き日々へ 熱くいざなう 囃子の音 山田
(043) 夏祭り ほつれし髪の 艶めきて 小野寺
(047) 息をのむ 足もと揺らり 大提灯 中津川
(061) 床に就き耳に響くや阿波踊り 古川
(066) 亡き母とさんさ踊りの遠い夏 澤藤
(068) 夕菅 (ゆうすげ) や 原野 (はらの) の彼方 夏木立 小野寺
(085) 生垣を過ぎる親子の夏帽子 豊
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、今年10月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の16名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、澤藤さん、志方さん、中津川
さん、野口さん、野澤さん、橋本さん、藤原さん、古川さん、宮澤さん、森杜
瑯さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、次の要領で、勉
強会を行いたいと思っています。参加される方は、8 月中旬ころまでにご連絡
をお願いします。
・日時 8 月31日(水)17時~19時
・場所 喫茶室ルノアールニュー新宿3 丁目店
http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.121
・費用 一人1,000 円前後 (予想)
2016.08.06
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 戦争
(001) 鎮魂の 読経静かに 夾竹桃 小野寺
1 森
2 吉良
3 秋岡 静かに手を合わせ黙するなかで赤白
の夾竹桃が鮮やかに咲いている。いいですね。
(002) 盆提灯 戦死の叔父と 読経聞く 中津川
1 宮澤 戦後生まれで、写真でしか知らない
叔父と年1 回会えるのですね。
2 野口
(003) いつの日か 争いの無き世 また一年 吉良
(004) 夏の日に終わりし戦いはや七十年 澤藤
1 藤原
(005) 沖縄戦日差しの中のきび畑 秋岡
1 野口
2 深瀬 息子の連れ合いの父親が沖縄出身で
あり、その実家は砂糖きび農家のようです。
ひとごとではないと感じました。
(006) 自爆テロ戰の時期はもうそこに 小幡
(007) 七夕に平和の願い笹に記す 秋岡
1 古川
(008) リオ五輪 何と戦う ブリックス 宮澤
(009) 父遺し戦争写真セピア色 深瀬
1 志方 戦争を俳句に表現するのは難しいと
思っておりますが、幼き日々、父の黒いアル
バムで北支戦線での軍服姿の写真がセピア色
だったのを思い出しました。
(010) 終戦日慰霊碑の影濃くなりぬ 豊
1 秋岡 終戦後時間が経ち、木々も大きくな
り、戦後も遠くなってきたというイメージで
すか。
2 藤原
3 橋本
(011) 戦場 (いくさば) に木霊 (こだま) となりぬ 蝉時雨 小野寺
1 吉良
2 豊 太平洋戦争で南の島に戦死した兵士
の魂がいま蝉時雨となって激しく慟哭してい
る。戦争の悲惨をうまく象徴しています。
3 宮澤 蝉時雨が木霊となって鎮魂の読経を
あげている様子、うるさいはずが静けさを感
じます。
4 野口
(012) 戦争の狂気滲ます九段線 深瀬
1 秋元
2 橋本
(013) 真夏日や遠のく戦さ無言館 古川
1 小野寺 信州の無言館ですね。画学生の戦争
に駆り出された無念の思いがひしひしと胸を
打ちます。
(014) 指輪はめ家庭の平和取り戻す 秋岡
1 野澤 この歳になると家族への思いがとて
も強くなります。
2 野口
(015) 戦争の 悲しさ薄れ 夏は去り 吉良
(016) 終戦の日置き去りにし山の日か 橋本
(017) 散歩かね 平和を託し 夏選挙 中津川
1 古川
(018) 戦争を 知らぬ大人の 改憲論 宮澤
1 野澤
(019) 世の中の格差社会が死を招き 小幡
(020) 争いの火種の狂気如何に消す 橋本
(021) 戦争を語れば熱きビアホール 秋岡
1 深瀬 団塊の世代は、戦前派と戦後派の板
挟みの微妙な立場にいる感じがします。しか
し、安倍政権は、なにかお友達集団的で大丈
夫なのでしょうか。
(022) 戦争を ゲームで学ぶ 平成児 野澤
1 澤藤
(023) 終戦日 今年も来たかと 蝉しぐれ 宮澤
1 小野寺 今の平和は無残に死んでいった英霊
の人柱としての犠牲にあります。忘れてはな
らない事と思います。
(024) 戦なき地球に群れる揚羽蝶 豊
1 吉良
2 中津川
(025) やばいぞよ戦さの香りアベノミス 古川
(026) 衣川 戦 (いくさ) 遥かに 蝉時雨 小野寺
1 澤藤
太平洋戦争末期の南方戦線を想ひ (5 句)
(027) 夏草や髑髏の眼からなにを見る 深瀬
1 宮澤 南方戦線、硫黄島、アッツ島と随分
方々で玉砕しているが、収容されていない遺
骨が報われぬまま朽ち果てるのは切ないです。
(028) 夏草を添えて朽ちにし鉄かぶと 深瀬
1 吉良
2 野口
(029) 錆びつきし戦車に夏陽無人島 深瀬
1 中津川
(030) 密林に遺骨眠らす波の音 深瀬
1 豊 これも、戦場で死んでいった多くの
無名兵士たちを追悼する句になっています。
「波の音」との取り合わせがいいですね。
2 小野寺
(031) 沖縄の浜埋めつくし阿鼻叫喚 深瀬
2.兼題 祭り
(032) コンチキチン祇園祭に光る汗 秋岡
(033) 男なら 浴衣着こなし 夏祭り 宮澤
子どもの頃の宮祭り
(034) 金魚逃げ 破れて悔し 夕社 中津川
(035) 幼な児が手拍子遅れる盆踊り 志方
1 秋岡 なんかよく見るほほえましい光景で
す。
2 宮澤 未だに音痴なのは、この頃に原因が
あったのか。
3 野澤 見様見真似で音に合わせて手拍子す
るお孫さんの仕草が目に浮かびます。
4 野口
(036) 外人も 神輿はやして 夏祭り 吉良
八王子の街を歩いていたら、祭囃子が聞こえて来ました。
今は昔、祭りに熱中していた頃を、思い出しました。
(037) 佳き日々へ 熱くいざなう 囃子の音 山田
1 森
2 橋本
3 古川
(038) にぎわひを逃れてひとり祭りの夜 豊
1 秋元
2 小野寺
(039) 雨上がり夏の夜空の屋台店 秋元
(040) 祭りの日 山車曳く孫の 背を押して 野澤
(041) 白塗りで鈴打ち鳴らし稚児の列 秋元
1 古川
(042) 友と会い祭りの後の千鳥足 秋岡
1 中津川
(043) 夏祭り ほつれし髪の 艶めきて 小野寺
1 森
2 秋元
3 志方
(044) 夏祭り 孫に手渡す ワンコイン 野澤
1 澤藤
2 志方 (前の043 とともに) 両句とも祭り
が持つ人と人との繋がりを深める手段が適確
に表現されています。
(045) 幼子の 祭り着熱く だし車 吉良
一昨年に行った東北三大祭りを思い出して (3 句)
青森ねぶた
(046) 収穫 (みのり) 待つ灯籠明 (あ) かく浴衣跳ね 中津川
秋田竿灯
(047) 息をのむ 足もと揺らり 大提灯 中津川
1 森
2 野澤
3 古川
仙台七夕
(048) 大飾り つづく歩道や 星祭り 中津川
(049) まつりの日日頃の仮面酒で捨て 深瀬
(050) 参道の祭り半纏人熱れ 秋元
(051) 祇園祭 (さい) 屋台と人で山車はこず 小幡
1 宮澤 先日、近所に阿波踊りが来ると言う
ので見に行ったら、もう通り過ぎた後でした。
(052) ひな祭り 娘が継いだ ちらし寿司 野澤
やっと覚えた踊りでした
(053) 盆踊り やっと輪の中 炭坑節 中津川
1 橋本
2 深瀬 自宅の近くの公園で、毎年、盆踊り
が行われます。東京音頭、花笠音頭、炭坑節
のほぼくり返しです。しかし、踊ったことは
ないと気づきました。
(054) 夏祭り祇園の街に群れる人 小幡
(055) ガス灯に 透ける綿菓子 祭り待つ 吉良
(056) 祭りより浴衣の君が気にかかり 橋本
1 藤原
2 宮澤 イイね、昔から美人に見えるのは「
夜目、遠目、傘の内」と言うけど、浴衣姿も
そうだよね。想像力がかきたてられるからか
な。
(057) 星祭り戦なき世と笹に結う 秋岡
1 小野寺
(058) 宵の町祭囃子に華やぎぬ 豊
(059) 鮮やかに祭りを飾る花火かな 橋本
1 藤原
(060) 祇園山車曳き手の風に気圧されて 秋元
(061) 床に就き耳に響くや阿波踊り 古川
1 吉良
2 橋本
3 深瀬 祭りの喧騒も終わり、寝静まった夜
中、ふとそれが耳の奥によみがえる体験とい
うのは、なにか普遍性があると思います。
(062) 盆踊り終わり田舎は秋気配 橋本
1 志方 季節の移ろいのはかなさがうまく表
現されています。
(063) 夜祭のあやしき気分闇に這う 深瀬
1 森
(064) 双眸に 光湛えて 初節句 小野寺
(065) サマージャンボ 後の祭りの はずれくじ 宮澤
1 藤原
(066) 亡き母とさんさ踊りの遠い夏 澤藤
1 森
2 豊 さんさ踊りは、東北盛岡に伝わる伝
統的な踊り。毎年八月にはパレードも開かれ
ます。作者は東北の出身者でしょうか。それ
とも、旅人として参加したのでしょうか。亡
きお母さんとの夏の思い出です。
3 野澤
(067) 太陽に生贄のごと夏まつり 深瀬
1 吉良
2 中津川
3.雑詠 (含、川柳)
(068) 夕菅 (ゆうすげ) や 原野 (はらの) の彼方 夏木立 小野寺
1 秋元
2 吉良
3 中津川
(069) 歳重ね 互い気遣う 夫婦旅 野澤
(070) 稲穂伸び風通り行く夏の田や 古川
1 志方 田舎のありふれた風景が懐かしく表現
(071) 生きていて疑問なかりし夏休み 深瀬
(072) 空蝉の 日暮れの祠 朋は逝き 小野寺
1 野澤
(073) 垣根越し金魚きんぎょの声行けり 深瀬
1 秋岡 最近は金魚売りの声はほとんど聞か
なくなりましたが、昔はこんな光景もありま
した。
2 豊 私たちの子どものころ、金魚売は夏
の風物詩の一つでした。懐かしいです。
(074) 銀漢を 仰げば遥か 時が逝く 小野寺
1 橋本
(075) 夏休みはじめおわりの落差かな 深瀬
東日本大震災から6年目、一輪の百合が今年は六輪に
(076) あの年に植えし山百合六輪咲 橋本
(077) 稲妻の 雲駆け抜けて 夏来る 小野寺
1 藤原
(078) 意に添わぬ 結果を前に 悪足掻き 野澤
(079) 波濤越え 夜のしじまに 銀河落つ 小野寺
(080) 遠雷に涼をいざなう夏の暮れ 志方
1 秋元
2 野澤
(081) 大花火映して黒き隅田川 豊
1 秋元
(082) みじかかる命ゆったり金魚かな 深瀬
(083) 梔子に思い残して半世紀 志方
(084) 空蝉や 涙で朋を 送りけり 小野寺
(085) 生垣を過ぎる親子の夏帽子 豊
1 秋岡 これもまた夏らしくてほほえまし光
景です。
2 小野寺
3 深瀬 マンション暮らしが長いと、板塀や
生け垣で仕切られた空間に郷愁を覚えます。
親子の夏帽子だけが通りすぎていく眺めに想
像が膨らみます。
(086) うきくさの黒き根揺らす金魚かな 深瀬
(087) 大文字 旅路の宿に 檜風呂 小野寺
(088) 路地裏に朱きホオズキ佃島 志方
1 中津川
(089) 夏来たり続く余震は早や三月 秋岡
(090) 黒雲や 雨降りたちぬ 白き道 小野寺
(091) 朝日来るカエル泣き止み蝉時雨 古川
(092) 紫陽花の雨にうたれて色深し 深瀬
(093) 蝉時雨 社 (やしろ) の森に 鎮まれり。 小野寺
(094) リンクスのマッチプレイに固唾のむ 秋元
(095) 紫陽花の葉にかたつむりふたつみつ 深瀬
(096) ほの暗き 夜明けに 淡く白椿 小野寺
1 古川
(097) 闇はない都の夜に蝉時雨 古川
(098) 遠雷の瞬く一筋闇き海 志方
1 小野寺 稲妻と暗い海の対比が美しい。情景
が浮かびます。
(099) 渓流の 瀬音 密かに 山女魚 (ヤマメ) 跳ね。 小野寺
1 秋元
2 古川
(100) 月面のドームの基地に金魚鉢 深瀬
1 豊 ここにも金魚が出てきます。ただし、
金魚鉢。「月面のドーム」とあるのは、文字
通り、月面着陸した宇宙飛行士のドームのこ
となのか、それとも、月面の形をした「東京
ドーム」のことなのか。月面の宇宙基地のほ
うが、金魚鉢との関係に意外性があります。
(101) 老いらくの恋もスマホもままならぬ 志方
1 宮澤 今はイライラすると思うけど、その
うち何も覚えられなくなるから大丈夫。
2 深瀬 そろそろ人生の終活のときですが、
一方に、欲のかたまりみたいになってあがい
ている自身がいることに思い至りました。
(102) 打ち水を またげば 古都の街が暮れ 小野寺
1 澤藤
2 秋岡 日中の猛暑が去り、打ち水で涼を取
る。京都らしいしっとりしたいい句ですね。
3 豊 打ち水で涼しさを演出するのは、暑
い夏の京都の街にふさわしい。「またげば」
がなんともうまいです。「街が暮れ」とした
のもいい雰囲気でまとまりました。
4 志方 まさに夏の古都の路地
5 橋本
6 深瀬 「打ち水をまたげば」の感覚が新鮮
です。遠い幻のような風景です。どこから湧
いてくるのか不思議です。
(103) 夕照が梔子紅に雲も染め 志方
1 中津川
(104) 山百合の 強き香りや 露の朝 小野寺
1 豊 きれいな句です。山百合ですから、
自宅の庭ではないのかもしれません。露は、
夏の雨上がりでしょうか、それとも秋の深ま
ったやや寒い朝の露でしょうか。山百合 (夏
の季語) 、露 (秋の季語) どちらにアクセン
トを置くかによって、イメージが変わるよう
に思います。
2 山百合の存在感が霧との対比で際だ出させて
いる。
(105) ままごとで 家の内輪を 丸出しに 野澤
(106) 宵宮に 束ねし髪は 風に舞ひ 小野寺
1 森
(107) 団塊の戦後生まれも老いの道 秋元
(108) 薄蒼き 微光の中を 蜂が飛び 小野寺
(109) 政治家の 資質と問われ 二枚舌 野澤
(110) 常夏の異国の娘デング熱 秋岡
(111) みどり児の 瞳に強く 光在り 小野寺
付記
選句に際して、次のようなコメントもいただきました。古川さんのご意見は
七句会のあり方にも関係しますので、一応、ご紹介しておきます。
・吉良さん -- 機械文明の発展とうらはらに、人間はく進歩しないどころか益
々退化しているのではないかと危惧されます。武力による紛争解決方法を放棄
する日がいつになったら来るのだろうか。今回のテーマは俳句としては重いも
のとなりましたが以下を選びました。
・志方さん -- 段々全体のレベルがあがっているのを実感しております。
・野澤さん -- データを失ったショックから、徐々に立ち直りつつあるという
状況です。歳を取り何事にもやたらと時間がかかってしまいます。
・野口さん -- 皆さんの言葉の多さに驚くとともに、うまいなーと、楽しい選
句ができました。戦争との兼題で多くの句を選ばさせていただきました。昭和
22年生まれで、終戦の傷跡がわずか残る子供時代を過ごし、やはり思い出す
からと思います。楽しい時間をありがとうございます。
・柳町さん -- 本日までドイツ、オーストリーを巡ってきて先ほど帰国したば
かりです。今回は投句もせず申し訳けありませんでした。そのような事情です
ので、今回の選句は遠慮させていただきます。
・古川さん -- なお季題の決定について私の意見を申し上げたいと思います。
私のように俳句を作るのもこの7句会が初めてのものに取って、季題はできる
だけ作りやすい、平凡な季語を選んでいただければと思っております。もっと
もポピュラーの物がありがたい、ちょっとひねって、難しくないものがよいで
す。深瀬君達のように難しい季題にも,俳句の発想できるものには、凝ったも
のを希望される方もいるかもしれませんが、これ以上凝っていくと間違いなく
、私はリタイアーです。それからできるだけ明るい季題を選んでいただきたく
思います。川柳でも、戦争といわれ、気持ちのいい発想で句を作る気にはなり
ません。戦争などは不要と思います。現代は景気も悪く、格差社会で、あまり
明るくない時代ですが、俳句ぐらいは気持ちよい思いで考えて作ってみたいの
です。以上ですが、今後は季題によっては、自分に合わないものは不参加とさ
せていただきます。
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第十七回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回は、小野寺さんの句がかなり高得点でした。6 点句から3 点句は下記の
ようでした。
6 点句
(102) 打ち水を またげば 古都の街が暮れ 小野寺
4 点句
(011) 戦場 (いくさば) に木霊 (こだま) となりぬ 蝉時雨 小野寺
(035) 幼な児が手拍子遅れる盆踊り 志方
3 点句
(001) 鎮魂の 読経静かに 夾竹桃 小野寺
(010) 終戦日慰霊碑の影濃くなりぬ 豊
(037) 佳き日々へ 熱くいざなう 囃子の音 山田
(043) 夏祭り ほつれし髪の 艶めきて 小野寺
(047) 息をのむ 足もと揺らり 大提灯 中津川
(061) 床に就き耳に響くや阿波踊り 古川
(066) 亡き母とさんさ踊りの遠い夏 澤藤
(068) 夕菅 (ゆうすげ) や 原野 (はらの) の彼方 夏木立 小野寺
(085) 生垣を過ぎる親子の夏帽子 豊
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、今年10月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の16名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、澤藤さん、志方さん、中津川
さん、野口さん、野澤さん、橋本さん、藤原さん、古川さん、宮澤さん、森杜
瑯さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、次の要領で、勉
強会を行いたいと思っています。参加される方は、8 月中旬ころまでにご連絡
をお願いします。
・日時 8 月31日(水)17時~19時
・場所 喫茶室ルノアールニュー新宿3 丁目店
http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.121
・費用 一人1,000 円前後 (予想)
2016.08.06
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 戦争
(001) 鎮魂の 読経静かに 夾竹桃 小野寺
1 森
2 吉良
3 秋岡 静かに手を合わせ黙するなかで赤白
の夾竹桃が鮮やかに咲いている。いいですね。
(002) 盆提灯 戦死の叔父と 読経聞く 中津川
1 宮澤 戦後生まれで、写真でしか知らない
叔父と年1 回会えるのですね。
2 野口
(003) いつの日か 争いの無き世 また一年 吉良
(004) 夏の日に終わりし戦いはや七十年 澤藤
1 藤原
(005) 沖縄戦日差しの中のきび畑 秋岡
1 野口
2 深瀬 息子の連れ合いの父親が沖縄出身で
あり、その実家は砂糖きび農家のようです。
ひとごとではないと感じました。
(006) 自爆テロ戰の時期はもうそこに 小幡
(007) 七夕に平和の願い笹に記す 秋岡
1 古川
(008) リオ五輪 何と戦う ブリックス 宮澤
(009) 父遺し戦争写真セピア色 深瀬
1 志方 戦争を俳句に表現するのは難しいと
思っておりますが、幼き日々、父の黒いアル
バムで北支戦線での軍服姿の写真がセピア色
だったのを思い出しました。
(010) 終戦日慰霊碑の影濃くなりぬ 豊
1 秋岡 終戦後時間が経ち、木々も大きくな
り、戦後も遠くなってきたというイメージで
すか。
2 藤原
3 橋本
(011) 戦場 (いくさば) に木霊 (こだま) となりぬ 蝉時雨 小野寺
1 吉良
2 豊 太平洋戦争で南の島に戦死した兵士
の魂がいま蝉時雨となって激しく慟哭してい
る。戦争の悲惨をうまく象徴しています。
3 宮澤 蝉時雨が木霊となって鎮魂の読経を
あげている様子、うるさいはずが静けさを感
じます。
4 野口
(012) 戦争の狂気滲ます九段線 深瀬
1 秋元
2 橋本
(013) 真夏日や遠のく戦さ無言館 古川
1 小野寺 信州の無言館ですね。画学生の戦争
に駆り出された無念の思いがひしひしと胸を
打ちます。
(014) 指輪はめ家庭の平和取り戻す 秋岡
1 野澤 この歳になると家族への思いがとて
も強くなります。
2 野口
(015) 戦争の 悲しさ薄れ 夏は去り 吉良
(016) 終戦の日置き去りにし山の日か 橋本
(017) 散歩かね 平和を託し 夏選挙 中津川
1 古川
(018) 戦争を 知らぬ大人の 改憲論 宮澤
1 野澤
(019) 世の中の格差社会が死を招き 小幡
(020) 争いの火種の狂気如何に消す 橋本
(021) 戦争を語れば熱きビアホール 秋岡
1 深瀬 団塊の世代は、戦前派と戦後派の板
挟みの微妙な立場にいる感じがします。しか
し、安倍政権は、なにかお友達集団的で大丈
夫なのでしょうか。
(022) 戦争を ゲームで学ぶ 平成児 野澤
1 澤藤
(023) 終戦日 今年も来たかと 蝉しぐれ 宮澤
1 小野寺 今の平和は無残に死んでいった英霊
の人柱としての犠牲にあります。忘れてはな
らない事と思います。
(024) 戦なき地球に群れる揚羽蝶 豊
1 吉良
2 中津川
(025) やばいぞよ戦さの香りアベノミス 古川
(026) 衣川 戦 (いくさ) 遥かに 蝉時雨 小野寺
1 澤藤
太平洋戦争末期の南方戦線を想ひ (5 句)
(027) 夏草や髑髏の眼からなにを見る 深瀬
1 宮澤 南方戦線、硫黄島、アッツ島と随分
方々で玉砕しているが、収容されていない遺
骨が報われぬまま朽ち果てるのは切ないです。
(028) 夏草を添えて朽ちにし鉄かぶと 深瀬
1 吉良
2 野口
(029) 錆びつきし戦車に夏陽無人島 深瀬
1 中津川
(030) 密林に遺骨眠らす波の音 深瀬
1 豊 これも、戦場で死んでいった多くの
無名兵士たちを追悼する句になっています。
「波の音」との取り合わせがいいですね。
2 小野寺
(031) 沖縄の浜埋めつくし阿鼻叫喚 深瀬
2.兼題 祭り
(032) コンチキチン祇園祭に光る汗 秋岡
(033) 男なら 浴衣着こなし 夏祭り 宮澤
子どもの頃の宮祭り
(034) 金魚逃げ 破れて悔し 夕社 中津川
(035) 幼な児が手拍子遅れる盆踊り 志方
1 秋岡 なんかよく見るほほえましい光景で
す。
2 宮澤 未だに音痴なのは、この頃に原因が
あったのか。
3 野澤 見様見真似で音に合わせて手拍子す
るお孫さんの仕草が目に浮かびます。
4 野口
(036) 外人も 神輿はやして 夏祭り 吉良
八王子の街を歩いていたら、祭囃子が聞こえて来ました。
今は昔、祭りに熱中していた頃を、思い出しました。
(037) 佳き日々へ 熱くいざなう 囃子の音 山田
1 森
2 橋本
3 古川
(038) にぎわひを逃れてひとり祭りの夜 豊
1 秋元
2 小野寺
(039) 雨上がり夏の夜空の屋台店 秋元
(040) 祭りの日 山車曳く孫の 背を押して 野澤
(041) 白塗りで鈴打ち鳴らし稚児の列 秋元
1 古川
(042) 友と会い祭りの後の千鳥足 秋岡
1 中津川
(043) 夏祭り ほつれし髪の 艶めきて 小野寺
1 森
2 秋元
3 志方
(044) 夏祭り 孫に手渡す ワンコイン 野澤
1 澤藤
2 志方 (前の043 とともに) 両句とも祭り
が持つ人と人との繋がりを深める手段が適確
に表現されています。
(045) 幼子の 祭り着熱く だし車 吉良
一昨年に行った東北三大祭りを思い出して (3 句)
青森ねぶた
(046) 収穫 (みのり) 待つ灯籠明 (あ) かく浴衣跳ね 中津川
秋田竿灯
(047) 息をのむ 足もと揺らり 大提灯 中津川
1 森
2 野澤
3 古川
仙台七夕
(048) 大飾り つづく歩道や 星祭り 中津川
(049) まつりの日日頃の仮面酒で捨て 深瀬
(050) 参道の祭り半纏人熱れ 秋元
(051) 祇園祭 (さい) 屋台と人で山車はこず 小幡
1 宮澤 先日、近所に阿波踊りが来ると言う
ので見に行ったら、もう通り過ぎた後でした。
(052) ひな祭り 娘が継いだ ちらし寿司 野澤
やっと覚えた踊りでした
(053) 盆踊り やっと輪の中 炭坑節 中津川
1 橋本
2 深瀬 自宅の近くの公園で、毎年、盆踊り
が行われます。東京音頭、花笠音頭、炭坑節
のほぼくり返しです。しかし、踊ったことは
ないと気づきました。
(054) 夏祭り祇園の街に群れる人 小幡
(055) ガス灯に 透ける綿菓子 祭り待つ 吉良
(056) 祭りより浴衣の君が気にかかり 橋本
1 藤原
2 宮澤 イイね、昔から美人に見えるのは「
夜目、遠目、傘の内」と言うけど、浴衣姿も
そうだよね。想像力がかきたてられるからか
な。
(057) 星祭り戦なき世と笹に結う 秋岡
1 小野寺
(058) 宵の町祭囃子に華やぎぬ 豊
(059) 鮮やかに祭りを飾る花火かな 橋本
1 藤原
(060) 祇園山車曳き手の風に気圧されて 秋元
(061) 床に就き耳に響くや阿波踊り 古川
1 吉良
2 橋本
3 深瀬 祭りの喧騒も終わり、寝静まった夜
中、ふとそれが耳の奥によみがえる体験とい
うのは、なにか普遍性があると思います。
(062) 盆踊り終わり田舎は秋気配 橋本
1 志方 季節の移ろいのはかなさがうまく表
現されています。
(063) 夜祭のあやしき気分闇に這う 深瀬
1 森
(064) 双眸に 光湛えて 初節句 小野寺
(065) サマージャンボ 後の祭りの はずれくじ 宮澤
1 藤原
(066) 亡き母とさんさ踊りの遠い夏 澤藤
1 森
2 豊 さんさ踊りは、東北盛岡に伝わる伝
統的な踊り。毎年八月にはパレードも開かれ
ます。作者は東北の出身者でしょうか。それ
とも、旅人として参加したのでしょうか。亡
きお母さんとの夏の思い出です。
3 野澤
(067) 太陽に生贄のごと夏まつり 深瀬
1 吉良
2 中津川
3.雑詠 (含、川柳)
(068) 夕菅 (ゆうすげ) や 原野 (はらの) の彼方 夏木立 小野寺
1 秋元
2 吉良
3 中津川
(069) 歳重ね 互い気遣う 夫婦旅 野澤
(070) 稲穂伸び風通り行く夏の田や 古川
1 志方 田舎のありふれた風景が懐かしく表現
(071) 生きていて疑問なかりし夏休み 深瀬
(072) 空蝉の 日暮れの祠 朋は逝き 小野寺
1 野澤
(073) 垣根越し金魚きんぎょの声行けり 深瀬
1 秋岡 最近は金魚売りの声はほとんど聞か
なくなりましたが、昔はこんな光景もありま
した。
2 豊 私たちの子どものころ、金魚売は夏
の風物詩の一つでした。懐かしいです。
(074) 銀漢を 仰げば遥か 時が逝く 小野寺
1 橋本
(075) 夏休みはじめおわりの落差かな 深瀬
東日本大震災から6年目、一輪の百合が今年は六輪に
(076) あの年に植えし山百合六輪咲 橋本
(077) 稲妻の 雲駆け抜けて 夏来る 小野寺
1 藤原
(078) 意に添わぬ 結果を前に 悪足掻き 野澤
(079) 波濤越え 夜のしじまに 銀河落つ 小野寺
(080) 遠雷に涼をいざなう夏の暮れ 志方
1 秋元
2 野澤
(081) 大花火映して黒き隅田川 豊
1 秋元
(082) みじかかる命ゆったり金魚かな 深瀬
(083) 梔子に思い残して半世紀 志方
(084) 空蝉や 涙で朋を 送りけり 小野寺
(085) 生垣を過ぎる親子の夏帽子 豊
1 秋岡 これもまた夏らしくてほほえまし光
景です。
2 小野寺
3 深瀬 マンション暮らしが長いと、板塀や
生け垣で仕切られた空間に郷愁を覚えます。
親子の夏帽子だけが通りすぎていく眺めに想
像が膨らみます。
(086) うきくさの黒き根揺らす金魚かな 深瀬
(087) 大文字 旅路の宿に 檜風呂 小野寺
(088) 路地裏に朱きホオズキ佃島 志方
1 中津川
(089) 夏来たり続く余震は早や三月 秋岡
(090) 黒雲や 雨降りたちぬ 白き道 小野寺
(091) 朝日来るカエル泣き止み蝉時雨 古川
(092) 紫陽花の雨にうたれて色深し 深瀬
(093) 蝉時雨 社 (やしろ) の森に 鎮まれり。 小野寺
(094) リンクスのマッチプレイに固唾のむ 秋元
(095) 紫陽花の葉にかたつむりふたつみつ 深瀬
(096) ほの暗き 夜明けに 淡く白椿 小野寺
1 古川
(097) 闇はない都の夜に蝉時雨 古川
(098) 遠雷の瞬く一筋闇き海 志方
1 小野寺 稲妻と暗い海の対比が美しい。情景
が浮かびます。
(099) 渓流の 瀬音 密かに 山女魚 (ヤマメ) 跳ね。 小野寺
1 秋元
2 古川
(100) 月面のドームの基地に金魚鉢 深瀬
1 豊 ここにも金魚が出てきます。ただし、
金魚鉢。「月面のドーム」とあるのは、文字
通り、月面着陸した宇宙飛行士のドームのこ
となのか、それとも、月面の形をした「東京
ドーム」のことなのか。月面の宇宙基地のほ
うが、金魚鉢との関係に意外性があります。
(101) 老いらくの恋もスマホもままならぬ 志方
1 宮澤 今はイライラすると思うけど、その
うち何も覚えられなくなるから大丈夫。
2 深瀬 そろそろ人生の終活のときですが、
一方に、欲のかたまりみたいになってあがい
ている自身がいることに思い至りました。
(102) 打ち水を またげば 古都の街が暮れ 小野寺
1 澤藤
2 秋岡 日中の猛暑が去り、打ち水で涼を取
る。京都らしいしっとりしたいい句ですね。
3 豊 打ち水で涼しさを演出するのは、暑
い夏の京都の街にふさわしい。「またげば」
がなんともうまいです。「街が暮れ」とした
のもいい雰囲気でまとまりました。
4 志方 まさに夏の古都の路地
5 橋本
6 深瀬 「打ち水をまたげば」の感覚が新鮮
です。遠い幻のような風景です。どこから湧
いてくるのか不思議です。
(103) 夕照が梔子紅に雲も染め 志方
1 中津川
(104) 山百合の 強き香りや 露の朝 小野寺
1 豊 きれいな句です。山百合ですから、
自宅の庭ではないのかもしれません。露は、
夏の雨上がりでしょうか、それとも秋の深ま
ったやや寒い朝の露でしょうか。山百合 (夏
の季語) 、露 (秋の季語) どちらにアクセン
トを置くかによって、イメージが変わるよう
に思います。
2 山百合の存在感が霧との対比で際だ出させて
いる。
(105) ままごとで 家の内輪を 丸出しに 野澤
(106) 宵宮に 束ねし髪は 風に舞ひ 小野寺
1 森
(107) 団塊の戦後生まれも老いの道 秋元
(108) 薄蒼き 微光の中を 蜂が飛び 小野寺
(109) 政治家の 資質と問われ 二枚舌 野澤
(110) 常夏の異国の娘デング熱 秋岡
(111) みどり児の 瞳に強く 光在り 小野寺
付記
選句に際して、次のようなコメントもいただきました。古川さんのご意見は
七句会のあり方にも関係しますので、一応、ご紹介しておきます。
・吉良さん -- 機械文明の発展とうらはらに、人間はく進歩しないどころか益
々退化しているのではないかと危惧されます。武力による紛争解決方法を放棄
する日がいつになったら来るのだろうか。今回のテーマは俳句としては重いも
のとなりましたが以下を選びました。
・志方さん -- 段々全体のレベルがあがっているのを実感しております。
・野澤さん -- データを失ったショックから、徐々に立ち直りつつあるという
状況です。歳を取り何事にもやたらと時間がかかってしまいます。
・野口さん -- 皆さんの言葉の多さに驚くとともに、うまいなーと、楽しい選
句ができました。戦争との兼題で多くの句を選ばさせていただきました。昭和
22年生まれで、終戦の傷跡がわずか残る子供時代を過ごし、やはり思い出す
からと思います。楽しい時間をありがとうございます。
・柳町さん -- 本日までドイツ、オーストリーを巡ってきて先ほど帰国したば
かりです。今回は投句もせず申し訳けありませんでした。そのような事情です
ので、今回の選句は遠慮させていただきます。
・古川さん -- なお季題の決定について私の意見を申し上げたいと思います。
私のように俳句を作るのもこの7句会が初めてのものに取って、季題はできる
だけ作りやすい、平凡な季語を選んでいただければと思っております。もっと
もポピュラーの物がありがたい、ちょっとひねって、難しくないものがよいで
す。深瀬君達のように難しい季題にも,俳句の発想できるものには、凝ったも
のを希望される方もいるかもしれませんが、これ以上凝っていくと間違いなく
、私はリタイアーです。それからできるだけ明るい季題を選んでいただきたく
思います。川柳でも、戦争といわれ、気持ちのいい発想で句を作る気にはなり
ません。戦争などは不要と思います。現代は景気も悪く、格差社会で、あまり
明るくない時代ですが、俳句ぐらいは気持ちよい思いで考えて作ってみたいの
です。以上ですが、今後は季題によっては、自分に合わないものは不参加とさ
せていただきます。
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2016年5月7日土曜日
七句会 第十六回の選句結果
七句会のみなさま
第十六回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回は、ややばらけました。6 点句から2 点句は下記のようでした。
6 点句
(041) 知恵の輪に 力で挑む 孫諭し 野澤13
4 点句 (以下3 句を一つの句とみなしました。)
(068) 嬉しさと寂しさの中春爛漫 秋岡01
(069) 満開の桜の下を娘発つ 秋岡02
(070) 春愁や娘の声の華やかさ 秋岡03
3 点句
(012) がんよりも痴呆告知の怖き今 深瀬01
(058) 隣家越え居間に陽の射す春来たり 深瀬12
(097) 微笑みて 赤児の眉に ちから在り。 小野寺16
(114) 花の雲まとひて山の薄化粧 豊06
2 点句
(006) 人の世の 悲しさ知らず 桜舞う 吉良02
(011) 石垣の 知恵打ち砕き 揺れ強し 中津川01
(013) 知らぬ間に桜並木の異邦人 秋元04
(036) 老いてなお 行くかた知らず 旅つづく 吉良04
(047) 老松の梢に丸き春の月 豊04
(057) 晴れ晴れと退職する友春爛漫 秋岡05
(060) 琉球の雨風荒ぶ春雷や 秋元06
(064) 春の宴一分咲きとて酩酊す 秋岡04
(074) 芽吹く木々 春を繋いで 桜散る 橋本03
(087) 御仏の化身のごとく大桜 豊05
(088) 薄紅の 牡丹は朝に 息を吐き 小野寺08
(100) 誰ひとり 観るひともなく 山櫻 小野寺22
(101) 遅咲きの 御室桜に 京時雨 野澤04
(109) 夕闇の 迫りし路地に 白椿 小野寺14
(116) 老妻のテレビの横の内裏雛 深瀬15
(124) たゆとうて 岸辺に淡き 花筏。(はないかだ) 小野寺10
(127) 夜桜の かかりし 女性(ひと)の今はなく 小野寺23
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、今年7 月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の15名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、澤藤さん、志方さ
ん、中津川さん、野澤さん、橋本さん、古川さん、宮澤さん、柳町さん、豊さ
ん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、勉強会を行いた
いと思っています。日時、場所、等は未定です。追って、ご連絡する予定です
ので、よろしくお願いいたします。
2016.05.07
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 知
(001) 汗ぬぐい 強く浮き出よ 知能線 中津川03
1 深瀬 思わずこちらも力んでしまうような
不思議な迫力を感じました。
(002) 知と技が 揃わずもがく ゴルフかな 橋本10
1 宮澤
(003) 西洋知格物致知と相容れず 深瀬07
1 豊 私も、西洋の知よりも東洋の知のほ
うが奥が深いと思っています。無季の句です
が、「 知」 という題をユニークな視点で詠み
ました。
(004) STAPは知る人ぞ知る闇の中 秋元05
(005) AIの疲れ知らずに戦意失せ 深瀬05
1 野澤
(006) 人の世の 悲しさ知らず 桜舞う 吉良02
1 小幡
2 秋元
(007) 知技忘れ 爽快求め ティーショット 橋本11
(008) 知床の蝦夷オゴジョ棲む雪渓や 秋元03
(009) 知とは何 病の中で もがいてる 宮澤05
(010) 知の世界人の手によりビッグバン 深瀬08
崩れそうもない熊本城壁が無残
(011) 石垣の 知恵打ち砕き 揺れ強し 中津川01
1 橋本 清正公がどう思われているか聞いて
みたいですね
2 志方 技術者の端くれとして、自戒してお
ります。
(012) がんよりも痴呆告知の怖き今 深瀬01
1 小幡
2 宮澤
3 野澤
(013) 知らぬ間に桜並木の異邦人 秋元04
1 秋岡 本当にどこに行っても外国人だらけ
で 櫻の下も例外ではないようです。
2 柳町
(014) 知識欲衰えつつも眼鏡取る 秋岡06
1 吉良 作者のまじめな性格がにじみ出て、
ほほえましく思います。
(015) 答申を 蔑ろにする 有識者 野澤17
(016) 予知すらも できない地震 どこかしこ 志方04
1 野澤
(017) 駒東の学舎の窓に知の光 柳町01
(018) みひらきし目に知ひかる西洋画 深瀬10
(019) 知床の残雪踏んで頂へ 秋元02
1 古川
人口頭脳と人間の「碁」の戦いを思って
(020) 巧者の知コンピュータにも勝りたる 柳町02
(021) 反知性世界席巻ポピュリズム 深瀬04
(022) 知の拠点 願い叶わぬ 地方大 野澤11
(023) 知るべきか知らざるべきか自問せり 深瀬03
(024) 神護寺を のぼり来りて 老いを知る 志方01
(025) 朧夜やロボットになき認知症 豊01
1 中津川
(026) 春うらら人人人の知恩院 小幡01
(027) 一夜漬け 知識とならぬが サクラサク 中津川02
1 宮澤
原発再稼働 司法の場で争うべきものか、判決は割れ
ている
(028) 知を超える 司法判断 右左 橋本08
(029) 因果の知深層学習人を超へ 深瀬02
1 中津川
(030) この地震 自然の脅威 思い知る 志方03
(031) 地が揺れて 知と血がたぎり 復興へ 宮澤04
(032) 知識から 知恵に進化の コンピュータ 野澤12
1 柳町
(033) 知恵浅き総理の顔や万愚節 豊02
(034) 認知症年を忘れて山登り 小幡03
(035) 思ひ出や「知的生活」しゃぼんだま 深瀬06
1 吉良 シャボン玉のように儚く消えゆく若
き日々。同感です。
(036) 老いてなお 行くかた知らず 旅つづく 吉良04
1 志方 西行が芭蕉の心境みたい
2 深瀬 謙虚で前向きな気持ちは、これから
の理想だと思いました。
(037) SFが 身近に迫る 囲碁AI 野澤10
(038) 人工知能 過ぎれば地球 熱くなる 橋本09
(039) 民知るや アベノウィルス 何処に行く 志方10
1 澤藤
(040) ソフトの知ハードの脳とヒトつくる 深瀬09
(041) 知恵の輪に 力で挑む 孫諭し 野澤13
1 小幡
2 宮澤
3 橋本
4 豊 これも無季の句ですが、「 知恵の輪」
という発想が面白いです。「 孫諭し」もいい
ですね。ほのぼのとした情景が浮かびます。
5 秋岡 "知" と "力" の対比が幼い孫を通じ
て情景が伝わってきました。
6 柳町
漱石「草枕」に因み、以下二句
(042) 知情意にバランスとれず年を食う 澤藤01
(043) 人ぞ言う知と智の違いは天地の差 澤藤02
(044) 痴の虚頭 アベクロ脳は 花散らし 志方02
(045) 足るを知り老境の今泰然と 秋岡07
1 吉良 実際はなかなか出来ないものですが、
そのような心境になりたいものです。
2.兼題 春
(046) 春の宵 弥次喜多偲び 宿場町 中津川05
(047) 老松の梢に丸き春の月 豊04
1 小野寺
2 野澤
(048) 春けぶり 崖の小路の 菫草(すみれそう) 小野寺20
1 秋元
咲き乱れならば歓迎なのですが、、、
(049) 温暖化 春の花々 乱れ咲き 橋本04
1 中津川
(050) 逝く春や 花散る里の おぼろ月 小野寺02
1 古川
(051) 春うらら 睡魔の先に 孫の顔 野澤09
1 小幡
(052) 花こぼれ 川面を染めし 春の風 吉良01
1 秋元
(053) 春はたけ地震の裂け目走りおり 深瀬11
1 中津川
(054) 目黒川 人並減りて 春の雨 中津川06
(055) 春の川 浅瀬で鯉の 恋バトル 橋本02
(056) 春の宵 桜舞い散る 窓屏風 野澤01
(057) 晴れ晴れと退職する友春爛漫 秋岡05
1 小野寺
2 橋本
(058) 隣家越え居間に陽の射す春来たり 深瀬12
1 橋本
2 野澤
3 豊 冬は太陽が低いので日ざしが隣家に
遮られていた。それが春になって太陽が高く
なったので、自分の家まで日ざしが届くよう
になった。実際の体験か想像かはわかりませ
んが、春を感じる一コマだと思います。「春
来たり」 は「 春来たる」のほうがいいのでは
ないでしょうか。
(059) 春の陽に 透きとおる若葉 雑木林 橋本06
1 古川
(060) 琉球の雨風荒ぶ春雷や 秋元06
1 柳町
2 古川
(061) 春まだき 轍(わだち)の跡に 蓮華草 小野寺12
(062) 春風を運ぶピアノの調べかな 豊03
1 秋岡 何か力の抜けた春らしい句だなあと
感じました。
(063) 菜の花の 岬に哀し 春が暮れ 小野寺15
1 志方 水墨画にわずか薄紅の色彩がにじん
でいるような
(064) 春の宴一分咲きとて酩酊す 秋岡04
1 宮澤
2 橋本 一部咲きでも待ち遠しかった楽しい
宴、酔いますね
(065) 春の空 ツグミは帰り ツバメ来る 橋本05
(066) 春が来た 猫がベッドで 大文字 宮澤01
1 深瀬 猫が大文字という大胆さに、度肝を
抜かれました。これぞ春。
(067) 入社式 紺の軍団 春の色 中津川04
今年の4月に上の娘が海外に留学し、下の娘が地方の
大学に出発した際読んだ句です。 (以下3 句)
(068) 嬉しさと寂しさの中春爛漫 秋岡01
1 深瀬 以下の2句も含めて、子離れ、親離
れの微妙なすれ違いの情感の深さに共感しま
した。
(069) 満開の桜の下を娘発つ 秋岡02
1 小野寺 満開の桜の中を大切に育てた娘が巣
立っていく、父親の心境を切々と表していま
す。
2 豊 「春」という題なのでその字が入って
いないのが残念ですが、それは別にして、詞
書きがなくても一つの句として味わうことの
できる雰囲気があると思います。
(070) 春愁や娘の声の華やかさ 秋岡03
1 中津川
(071) やわらかな 緑に染めて 春が行く 橋本07
1 秋岡 何事も盛りを過ぎて名残惜しいとこ
ろがいいですね。
(072) 淑女らが 色軽やかに 春を着る 宮澤02
(073) 春霞 蓮華の畔に ひばり啼き 小野寺11
(074) 芽吹く木々 春を繋いで 桜散る 橋本03
1 小野寺 桜は散ってもやがて緑の葉が新しく
生まれ変わっていきます。
2 志方 春の去りゆくさみしさがうまく表現
されている
(075) 春の宵 桜吹雪の 舞う夜道 野澤05
(076) 菜の花や春待ち遠し陽だまりに 秋元01
(Flowers of canola waiting Spring in the Sun)
1 野澤
(077) 春の京聞こえてくるのは中国語 小幡02
一年間 丹精を込めて育てた牡丹が咲きました。
(078) 春暁の蒼き光に 牡丹咲き。 小野寺07
1 秋元
3.自由題、無季語
(079) 木漏れ日を あびて 赤児を抱きにけり 小野寺06
(080) 白内障治り桜も透きとおり 深瀬20
1 橋本 よかったですね、視界良好、桜も透
き通って見えるほど
(081) 青モミジ 宴の余韻 拭い去る 志方07
(082) 万緑の ひかりまといて 山桜 小野寺05
1 吉良 春のさわやかな風が感じられます。
(083) ふり積る 桜を踏みて 友おくる 吉良03
1 小野寺 桜の散るように逝った野辺送りの友
に重なります。
(084) 法の網 すくった魚を 取り逃がし 野澤18
1 豊 季語はありませんが、現代社会を風
刺した辛口の味わいがいいですね。
(085) 神宿る 祠(ほこら)の陰に やま櫻 小野寺17
1 小幡
(086) ロボスーツ 老老介護の 救世主 野澤14
(087) 御仏の化身のごとく大桜 豊05
1 澤藤
2 深瀬 やや大上段ですが、満開の大きな桜
には超現実的な畏怖を感じます。
(088) 薄紅の 牡丹は朝に 息を吐き 小野寺08
1 中津川
2 深瀬 蕪村の「閻王の口や牡丹を吐んとす」
を思い浮かべましたが、牡丹のなにか迫力に
満ちた生命力が感じられます。
(089) 若草の水玉に陽のひかりおり 深瀬17
1 小野寺 朝の光のなかの若草の水玉は心の高
揚でしょうか。
(090) 再生と ロボに託する 高齢化 野澤15
(091) 白椿 祠(ほこら)の木霊(こだま)眠りおり。 小野寺19
(092) 夜桜を 見事に捉えた 窓屏風 野澤08
(093) ランニング 土手道白い 梨の花 中津川08
(094) 夢さそふ 桜吹雪の 京の宿 小野寺03
(095) 阿蘇の山 ミヤマキリシマ 咲き誇れ 志方05
1 秋元 九重山に登った時、咲き乱れていた
のを思い出しました。また、なぜ咲き誇れな
のか、地震災害への応援歌とも受け取れまし
た。
(096) 遊歩道 桜を青葉に 模様替え 野澤07
1 古川
(097) 微笑みて 赤児の眉に ちから在り。 小野寺16
1 小幡
2 宮澤
3 吉良 幼さのなかにしっかりした顔つき。
祖父としても安心できますね。
(098) 朧月 甍の先の 夕間暮れ 志方09
(099) 古老手を腰に若草見つめおり 深瀬18
1 豊 自分にも昔はこんな若草のような時
があった、としみじみ述懐している老人。そ
の心境、よくわかります。
(100) 誰ひとり 観るひともなく 山櫻 小野寺22
1 秋岡 寂しい句ですがそんな瞬間もまた風
情があります
2 志方 いい句ですね。本当に
(101) 遅咲きの 御室桜に 京時雨 野澤04
1 小野寺 遅い春を象徴した桜に降る雨はしみ
じみとした風情を感じます
2 秋元
(102) 花水木 せせらぎの音 一万歩 中津川07
(103) 高層の居間に目まわす内裏雛 深瀬14
(104) 散る桜 古城の松を 仰ぎおり。 小野寺01
(105) サクラ去り 梢彩る 青もみじ 志方06
(106) 駒場野の 里桜(カンザン)の路 薄日差し 野澤02
1 柳町
(107) みどり児の 眉 涼やかに 花菖蒲 小野寺21
(108) 涙目に くしゃみ鼻水 花粉症 野澤06
(109) 夕闇の 迫りし路地に 白椿 小野寺14
1 志方 この時期椿の位置取りが端的にあら
われている
2 古川
(110) 水温み水底 (みなそこ) の生めざめだし 深瀬16
1 吉良 春の小川に様々な生き物がうごめい
ている感じがします。
(111) 菜種梅雨 母を偲んで 空見上げ 野澤03
1 深瀬 春の長雨の空に、深い情感を漂わせ
ていることに引き込まれました。絶唱です。
(112) ひかり降る 月夜の闇に 櫻花 小野寺04
(113) つつじ咲く 我も我もと 超満員 宮澤03
(114) 花の雲まとひて山の薄化粧 豊06
1 野澤
2 志方 どんな化粧かなぞめいている
3 中津川
(115) 菜の花の 群青の海 けぶりけり 小野寺18
(116) 老妻のテレビの横の内裏雛 深瀬15
1 宮澤
2 秋岡 内裏雛は老妻の嫁入道具それとも娘
さんたちの物だったのか愛妻家の穏やかな気
分が伝わってきます。
(117) 花見酒 花雪の道 夢うつつ 橋本01
(118) 朝露に 白き牡丹の 生命(いのち) 咲き 小野寺09
(119) 遊歩道覆い隠すや花吹雪 秋元07
(120) 教典の 教えは何処 テロ行為 野澤16
(121) 浅緑に 吹く風染める 青モミジ 志方11
(122) 山百合の 強き香りや 暗き杜 小野寺13
(123) 奥座敷ガラス戸越しの雛飾り 深瀬13
(124) たゆとうて 岸辺に淡き 花筏。(はないかだ) 小野寺10
1 秋元
2 吉良 桜の花びらが筏のように連なってい
る美しい情景が感じられます。
(125) 桜散りみどり深まり老ひを追ふ 深瀬19
(126) 花は未だ 栄華をしのぶ 御室かな 志方08
1 豊 桜が有名な京都の仁和寺。まだ花は
咲いていないが、かつて栄えた宇多天皇の御
代がしのばれる。歴史を感じさせます。
(127) 夜桜の かかりし 女性(ひと)の今はなく 小野寺23
1 小幡
2 橋本
追記
選句とともに、お送りいただいたコメント、等を勝手ですが、追記させてい
だたきました。ご参考までです。 深瀬
・柳町さん:明日から、家内とチェコ、オーストリア旅行です。思いっきりク
ラシック音楽をたのしんできます。「七夕会」参加は微妙です。
・志方さん:知の兼題はなかなか難しいかなと思いましたが、結構秀句が多か
ったようです。
・秋岡さん:今回の兼題の "春" と "知" はなかなか曲者ですね。 "春" は "
花" や "桜" や "菜の花" らと季重なりになりやすく、どこまで許されるもの
か良くわからないのであまり気にしないで選句しましたが、結果的にはあっさ
りした句に共感しました。 "知" はどうしても川柳ぽくなってしまいがちでそ
れも楽しいものでした。
・野澤さん:情感溢れ,共感できる作品が非常に多く,選句に悩まされました
。残したい句は20以上もあり,果たしてこれが本当にベストなのかと何度も何
度も詠み返しては差し替えて,時間切れ寸前まで,愉しむことができました。
・宮澤さん:全て、我が思うことよく詠んでいただきましたということで選ば
していただきました。
・藤藤さん:すみませんが今回は選句パスさせいただきます。
・小野寺さん:ぎっくり腰は庭仕事につい夢中になりすぎでした。医者にいっ
てそのあと なんとか頑張って絵を描きにいきます。
----
第十六回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回は、ややばらけました。6 点句から2 点句は下記のようでした。
6 点句
(041) 知恵の輪に 力で挑む 孫諭し 野澤13
4 点句 (以下3 句を一つの句とみなしました。)
(068) 嬉しさと寂しさの中春爛漫 秋岡01
(069) 満開の桜の下を娘発つ 秋岡02
(070) 春愁や娘の声の華やかさ 秋岡03
3 点句
(012) がんよりも痴呆告知の怖き今 深瀬01
(058) 隣家越え居間に陽の射す春来たり 深瀬12
(097) 微笑みて 赤児の眉に ちから在り。 小野寺16
(114) 花の雲まとひて山の薄化粧 豊06
2 点句
(006) 人の世の 悲しさ知らず 桜舞う 吉良02
(011) 石垣の 知恵打ち砕き 揺れ強し 中津川01
(013) 知らぬ間に桜並木の異邦人 秋元04
(036) 老いてなお 行くかた知らず 旅つづく 吉良04
(047) 老松の梢に丸き春の月 豊04
(057) 晴れ晴れと退職する友春爛漫 秋岡05
(060) 琉球の雨風荒ぶ春雷や 秋元06
(064) 春の宴一分咲きとて酩酊す 秋岡04
(074) 芽吹く木々 春を繋いで 桜散る 橋本03
(087) 御仏の化身のごとく大桜 豊05
(088) 薄紅の 牡丹は朝に 息を吐き 小野寺08
(100) 誰ひとり 観るひともなく 山櫻 小野寺22
(101) 遅咲きの 御室桜に 京時雨 野澤04
(109) 夕闇の 迫りし路地に 白椿 小野寺14
(116) 老妻のテレビの横の内裏雛 深瀬15
(124) たゆとうて 岸辺に淡き 花筏。(はないかだ) 小野寺10
(127) 夜桜の かかりし 女性(ひと)の今はなく 小野寺23
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、今年7 月上旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の15名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、小幡さん、吉良さん、澤藤さん、志方さ
ん、中津川さん、野澤さん、橋本さん、古川さん、宮澤さん、柳町さん、豊さ
ん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた勉強会について
今回の句会の結果を踏まえて、顧問の豊さんを囲む感じで、勉強会を行いた
いと思っています。日時、場所、等は未定です。追って、ご連絡する予定です
ので、よろしくお願いいたします。
2016.05.07
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
1.兼題 知
(001) 汗ぬぐい 強く浮き出よ 知能線 中津川03
1 深瀬 思わずこちらも力んでしまうような
不思議な迫力を感じました。
(002) 知と技が 揃わずもがく ゴルフかな 橋本10
1 宮澤
(003) 西洋知格物致知と相容れず 深瀬07
1 豊 私も、西洋の知よりも東洋の知のほ
うが奥が深いと思っています。無季の句です
が、「 知」 という題をユニークな視点で詠み
ました。
(004) STAPは知る人ぞ知る闇の中 秋元05
(005) AIの疲れ知らずに戦意失せ 深瀬05
1 野澤
(006) 人の世の 悲しさ知らず 桜舞う 吉良02
1 小幡
2 秋元
(007) 知技忘れ 爽快求め ティーショット 橋本11
(008) 知床の蝦夷オゴジョ棲む雪渓や 秋元03
(009) 知とは何 病の中で もがいてる 宮澤05
(010) 知の世界人の手によりビッグバン 深瀬08
崩れそうもない熊本城壁が無残
(011) 石垣の 知恵打ち砕き 揺れ強し 中津川01
1 橋本 清正公がどう思われているか聞いて
みたいですね
2 志方 技術者の端くれとして、自戒してお
ります。
(012) がんよりも痴呆告知の怖き今 深瀬01
1 小幡
2 宮澤
3 野澤
(013) 知らぬ間に桜並木の異邦人 秋元04
1 秋岡 本当にどこに行っても外国人だらけ
で 櫻の下も例外ではないようです。
2 柳町
(014) 知識欲衰えつつも眼鏡取る 秋岡06
1 吉良 作者のまじめな性格がにじみ出て、
ほほえましく思います。
(015) 答申を 蔑ろにする 有識者 野澤17
(016) 予知すらも できない地震 どこかしこ 志方04
1 野澤
(017) 駒東の学舎の窓に知の光 柳町01
(018) みひらきし目に知ひかる西洋画 深瀬10
(019) 知床の残雪踏んで頂へ 秋元02
1 古川
人口頭脳と人間の「碁」の戦いを思って
(020) 巧者の知コンピュータにも勝りたる 柳町02
(021) 反知性世界席巻ポピュリズム 深瀬04
(022) 知の拠点 願い叶わぬ 地方大 野澤11
(023) 知るべきか知らざるべきか自問せり 深瀬03
(024) 神護寺を のぼり来りて 老いを知る 志方01
(025) 朧夜やロボットになき認知症 豊01
1 中津川
(026) 春うらら人人人の知恩院 小幡01
(027) 一夜漬け 知識とならぬが サクラサク 中津川02
1 宮澤
原発再稼働 司法の場で争うべきものか、判決は割れ
ている
(028) 知を超える 司法判断 右左 橋本08
(029) 因果の知深層学習人を超へ 深瀬02
1 中津川
(030) この地震 自然の脅威 思い知る 志方03
(031) 地が揺れて 知と血がたぎり 復興へ 宮澤04
(032) 知識から 知恵に進化の コンピュータ 野澤12
1 柳町
(033) 知恵浅き総理の顔や万愚節 豊02
(034) 認知症年を忘れて山登り 小幡03
(035) 思ひ出や「知的生活」しゃぼんだま 深瀬06
1 吉良 シャボン玉のように儚く消えゆく若
き日々。同感です。
(036) 老いてなお 行くかた知らず 旅つづく 吉良04
1 志方 西行が芭蕉の心境みたい
2 深瀬 謙虚で前向きな気持ちは、これから
の理想だと思いました。
(037) SFが 身近に迫る 囲碁AI 野澤10
(038) 人工知能 過ぎれば地球 熱くなる 橋本09
(039) 民知るや アベノウィルス 何処に行く 志方10
1 澤藤
(040) ソフトの知ハードの脳とヒトつくる 深瀬09
(041) 知恵の輪に 力で挑む 孫諭し 野澤13
1 小幡
2 宮澤
3 橋本
4 豊 これも無季の句ですが、「 知恵の輪」
という発想が面白いです。「 孫諭し」もいい
ですね。ほのぼのとした情景が浮かびます。
5 秋岡 "知" と "力" の対比が幼い孫を通じ
て情景が伝わってきました。
6 柳町
漱石「草枕」に因み、以下二句
(042) 知情意にバランスとれず年を食う 澤藤01
(043) 人ぞ言う知と智の違いは天地の差 澤藤02
(044) 痴の虚頭 アベクロ脳は 花散らし 志方02
(045) 足るを知り老境の今泰然と 秋岡07
1 吉良 実際はなかなか出来ないものですが、
そのような心境になりたいものです。
2.兼題 春
(046) 春の宵 弥次喜多偲び 宿場町 中津川05
(047) 老松の梢に丸き春の月 豊04
1 小野寺
2 野澤
(048) 春けぶり 崖の小路の 菫草(すみれそう) 小野寺20
1 秋元
咲き乱れならば歓迎なのですが、、、
(049) 温暖化 春の花々 乱れ咲き 橋本04
1 中津川
(050) 逝く春や 花散る里の おぼろ月 小野寺02
1 古川
(051) 春うらら 睡魔の先に 孫の顔 野澤09
1 小幡
(052) 花こぼれ 川面を染めし 春の風 吉良01
1 秋元
(053) 春はたけ地震の裂け目走りおり 深瀬11
1 中津川
(054) 目黒川 人並減りて 春の雨 中津川06
(055) 春の川 浅瀬で鯉の 恋バトル 橋本02
(056) 春の宵 桜舞い散る 窓屏風 野澤01
(057) 晴れ晴れと退職する友春爛漫 秋岡05
1 小野寺
2 橋本
(058) 隣家越え居間に陽の射す春来たり 深瀬12
1 橋本
2 野澤
3 豊 冬は太陽が低いので日ざしが隣家に
遮られていた。それが春になって太陽が高く
なったので、自分の家まで日ざしが届くよう
になった。実際の体験か想像かはわかりませ
んが、春を感じる一コマだと思います。「春
来たり」 は「 春来たる」のほうがいいのでは
ないでしょうか。
(059) 春の陽に 透きとおる若葉 雑木林 橋本06
1 古川
(060) 琉球の雨風荒ぶ春雷や 秋元06
1 柳町
2 古川
(061) 春まだき 轍(わだち)の跡に 蓮華草 小野寺12
(062) 春風を運ぶピアノの調べかな 豊03
1 秋岡 何か力の抜けた春らしい句だなあと
感じました。
(063) 菜の花の 岬に哀し 春が暮れ 小野寺15
1 志方 水墨画にわずか薄紅の色彩がにじん
でいるような
(064) 春の宴一分咲きとて酩酊す 秋岡04
1 宮澤
2 橋本 一部咲きでも待ち遠しかった楽しい
宴、酔いますね
(065) 春の空 ツグミは帰り ツバメ来る 橋本05
(066) 春が来た 猫がベッドで 大文字 宮澤01
1 深瀬 猫が大文字という大胆さに、度肝を
抜かれました。これぞ春。
(067) 入社式 紺の軍団 春の色 中津川04
今年の4月に上の娘が海外に留学し、下の娘が地方の
大学に出発した際読んだ句です。 (以下3 句)
(068) 嬉しさと寂しさの中春爛漫 秋岡01
1 深瀬 以下の2句も含めて、子離れ、親離
れの微妙なすれ違いの情感の深さに共感しま
した。
(069) 満開の桜の下を娘発つ 秋岡02
1 小野寺 満開の桜の中を大切に育てた娘が巣
立っていく、父親の心境を切々と表していま
す。
2 豊 「春」という題なのでその字が入って
いないのが残念ですが、それは別にして、詞
書きがなくても一つの句として味わうことの
できる雰囲気があると思います。
(070) 春愁や娘の声の華やかさ 秋岡03
1 中津川
(071) やわらかな 緑に染めて 春が行く 橋本07
1 秋岡 何事も盛りを過ぎて名残惜しいとこ
ろがいいですね。
(072) 淑女らが 色軽やかに 春を着る 宮澤02
(073) 春霞 蓮華の畔に ひばり啼き 小野寺11
(074) 芽吹く木々 春を繋いで 桜散る 橋本03
1 小野寺 桜は散ってもやがて緑の葉が新しく
生まれ変わっていきます。
2 志方 春の去りゆくさみしさがうまく表現
されている
(075) 春の宵 桜吹雪の 舞う夜道 野澤05
(076) 菜の花や春待ち遠し陽だまりに 秋元01
(Flowers of canola waiting Spring in the Sun)
1 野澤
(077) 春の京聞こえてくるのは中国語 小幡02
一年間 丹精を込めて育てた牡丹が咲きました。
(078) 春暁の蒼き光に 牡丹咲き。 小野寺07
1 秋元
3.自由題、無季語
(079) 木漏れ日を あびて 赤児を抱きにけり 小野寺06
(080) 白内障治り桜も透きとおり 深瀬20
1 橋本 よかったですね、視界良好、桜も透
き通って見えるほど
(081) 青モミジ 宴の余韻 拭い去る 志方07
(082) 万緑の ひかりまといて 山桜 小野寺05
1 吉良 春のさわやかな風が感じられます。
(083) ふり積る 桜を踏みて 友おくる 吉良03
1 小野寺 桜の散るように逝った野辺送りの友
に重なります。
(084) 法の網 すくった魚を 取り逃がし 野澤18
1 豊 季語はありませんが、現代社会を風
刺した辛口の味わいがいいですね。
(085) 神宿る 祠(ほこら)の陰に やま櫻 小野寺17
1 小幡
(086) ロボスーツ 老老介護の 救世主 野澤14
(087) 御仏の化身のごとく大桜 豊05
1 澤藤
2 深瀬 やや大上段ですが、満開の大きな桜
には超現実的な畏怖を感じます。
(088) 薄紅の 牡丹は朝に 息を吐き 小野寺08
1 中津川
2 深瀬 蕪村の「閻王の口や牡丹を吐んとす」
を思い浮かべましたが、牡丹のなにか迫力に
満ちた生命力が感じられます。
(089) 若草の水玉に陽のひかりおり 深瀬17
1 小野寺 朝の光のなかの若草の水玉は心の高
揚でしょうか。
(090) 再生と ロボに託する 高齢化 野澤15
(091) 白椿 祠(ほこら)の木霊(こだま)眠りおり。 小野寺19
(092) 夜桜を 見事に捉えた 窓屏風 野澤08
(093) ランニング 土手道白い 梨の花 中津川08
(094) 夢さそふ 桜吹雪の 京の宿 小野寺03
(095) 阿蘇の山 ミヤマキリシマ 咲き誇れ 志方05
1 秋元 九重山に登った時、咲き乱れていた
のを思い出しました。また、なぜ咲き誇れな
のか、地震災害への応援歌とも受け取れまし
た。
(096) 遊歩道 桜を青葉に 模様替え 野澤07
1 古川
(097) 微笑みて 赤児の眉に ちから在り。 小野寺16
1 小幡
2 宮澤
3 吉良 幼さのなかにしっかりした顔つき。
祖父としても安心できますね。
(098) 朧月 甍の先の 夕間暮れ 志方09
(099) 古老手を腰に若草見つめおり 深瀬18
1 豊 自分にも昔はこんな若草のような時
があった、としみじみ述懐している老人。そ
の心境、よくわかります。
(100) 誰ひとり 観るひともなく 山櫻 小野寺22
1 秋岡 寂しい句ですがそんな瞬間もまた風
情があります
2 志方 いい句ですね。本当に
(101) 遅咲きの 御室桜に 京時雨 野澤04
1 小野寺 遅い春を象徴した桜に降る雨はしみ
じみとした風情を感じます
2 秋元
(102) 花水木 せせらぎの音 一万歩 中津川07
(103) 高層の居間に目まわす内裏雛 深瀬14
(104) 散る桜 古城の松を 仰ぎおり。 小野寺01
(105) サクラ去り 梢彩る 青もみじ 志方06
(106) 駒場野の 里桜(カンザン)の路 薄日差し 野澤02
1 柳町
(107) みどり児の 眉 涼やかに 花菖蒲 小野寺21
(108) 涙目に くしゃみ鼻水 花粉症 野澤06
(109) 夕闇の 迫りし路地に 白椿 小野寺14
1 志方 この時期椿の位置取りが端的にあら
われている
2 古川
(110) 水温み水底 (みなそこ) の生めざめだし 深瀬16
1 吉良 春の小川に様々な生き物がうごめい
ている感じがします。
(111) 菜種梅雨 母を偲んで 空見上げ 野澤03
1 深瀬 春の長雨の空に、深い情感を漂わせ
ていることに引き込まれました。絶唱です。
(112) ひかり降る 月夜の闇に 櫻花 小野寺04
(113) つつじ咲く 我も我もと 超満員 宮澤03
(114) 花の雲まとひて山の薄化粧 豊06
1 野澤
2 志方 どんな化粧かなぞめいている
3 中津川
(115) 菜の花の 群青の海 けぶりけり 小野寺18
(116) 老妻のテレビの横の内裏雛 深瀬15
1 宮澤
2 秋岡 内裏雛は老妻の嫁入道具それとも娘
さんたちの物だったのか愛妻家の穏やかな気
分が伝わってきます。
(117) 花見酒 花雪の道 夢うつつ 橋本01
(118) 朝露に 白き牡丹の 生命(いのち) 咲き 小野寺09
(119) 遊歩道覆い隠すや花吹雪 秋元07
(120) 教典の 教えは何処 テロ行為 野澤16
(121) 浅緑に 吹く風染める 青モミジ 志方11
(122) 山百合の 強き香りや 暗き杜 小野寺13
(123) 奥座敷ガラス戸越しの雛飾り 深瀬13
(124) たゆとうて 岸辺に淡き 花筏。(はないかだ) 小野寺10
1 秋元
2 吉良 桜の花びらが筏のように連なってい
る美しい情景が感じられます。
(125) 桜散りみどり深まり老ひを追ふ 深瀬19
(126) 花は未だ 栄華をしのぶ 御室かな 志方08
1 豊 桜が有名な京都の仁和寺。まだ花は
咲いていないが、かつて栄えた宇多天皇の御
代がしのばれる。歴史を感じさせます。
(127) 夜桜の かかりし 女性(ひと)の今はなく 小野寺23
1 小幡
2 橋本
追記
選句とともに、お送りいただいたコメント、等を勝手ですが、追記させてい
だたきました。ご参考までです。 深瀬
・柳町さん:明日から、家内とチェコ、オーストリア旅行です。思いっきりク
ラシック音楽をたのしんできます。「七夕会」参加は微妙です。
・志方さん:知の兼題はなかなか難しいかなと思いましたが、結構秀句が多か
ったようです。
・秋岡さん:今回の兼題の "春" と "知" はなかなか曲者ですね。 "春" は "
花" や "桜" や "菜の花" らと季重なりになりやすく、どこまで許されるもの
か良くわからないのであまり気にしないで選句しましたが、結果的にはあっさ
りした句に共感しました。 "知" はどうしても川柳ぽくなってしまいがちでそ
れも楽しいものでした。
・野澤さん:情感溢れ,共感できる作品が非常に多く,選句に悩まされました
。残したい句は20以上もあり,果たしてこれが本当にベストなのかと何度も何
度も詠み返しては差し替えて,時間切れ寸前まで,愉しむことができました。
・宮澤さん:全て、我が思うことよく詠んでいただきましたということで選ば
していただきました。
・藤藤さん:すみませんが今回は選句パスさせいただきます。
・小野寺さん:ぎっくり腰は庭仕事につい夢中になりすぎでした。医者にいっ
てそのあと なんとか頑張って絵を描きにいきます。
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