七句会
第二十四回ネット句会参加各位
第二十四回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けすること
にします。今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
(1) 小野寺さんの自句自解
030 夢一夜越え帰し峰に山桜
長い長い険しい山の尾根を越えてきた、ふと振り向いた峰の遥か向こうの眼
下には満開の山桜が咲いていた。深山にひっそりと咲くのはソメイヨシノでは
なく 山桜でなければならなかったのです。
019 鳥啼きて春愁の湖(うみ)暮れにけり
遠くで鳥の鳴く声がして 春の湖を夜の帳(とばり)が降りてくる 鳥の声
は一瞬 静寂を支配し、春の憂いを誘います。
062 菜の花や群青の海光りをり。
群青色の荒海を背景に 菜の花の黄色がまるで眩い光の様で、群青と美しい
対比をみせ一服の絵のような光景でした。
076 奥津城を風しのび哭き春の月
訪れる人もない山寺の荒れ果てた墓石群を風が偲び泣くように音を立て流れ
そこに春の月があがり、所業無常の響きを発しておりました。
079 花衣 ほつれし髪の風に揺れ
花見のための友禅の和装の人の、黒髪がなまめかしく 風に揺れておりまし
た。志方さんの素直な感想とご理解に 感服です。
104 荒城の堀 埋めつくし花筏
信州の名城 松本城の堀を埋め尽くす花筏が風に揺れて動くさまは息を呑む
光景でした。戦国時代からの名城は深志城とも呼ばれ明治新政府に組みして会
津征伐に向かいました。城の桜は古城の怒涛の時代を生き抜いてきた生き証人
でもあり、花筏は古城の戦乱の歴史を彷彿とさせました。
(2) 中津川さんの感想
今回の「春 愁」は難しい題でした。その中で豊さんの6点句は読み返すと
なるほど素晴らしいと思いました。まさに秋岡さんが書かれている「いつまで
こんな句が読めればいいですね」に同感でした。
私の句では「卒業や はかまの列に 夢が起ち」が3 点をいただきました。
学生さんが学校の門を楽しげに話しながら出てきたのを見ていて、そのまま詠
んだものです。
時事ネタもたまにはチャレンジと思い「アイドルが 夢をこわして 春の終
」「春議会 官僚の雄 夢くづし」を作りましたが、まだまだですね。
(3) 豊さんの自句自解
(023) 頬杖の少女は春の愁ひかな
テーブルの上に頬杖をついて窓の外をぼんやりと眺めている少女。何か悩み
事でもあるのか、それともただの気まぐれな のか。思春期の少女の微妙な心
理と春愁を結びつけた句です。
まさかこんなにたくさん票が入るとは思いませんでした。皆さんまだ純粋な
感性を持っておられるようで、 うれしいです。
(044) 鯉のぼり少年の夢大空へ
鯉のぼりは男の子の節句の象徴。高く泳ぐ鯉のぼりを見上げる少年は、さら
にその上の空高く大きな夢を広げています。秋岡さんの鑑賞は、まさにその通
りです。
(050) 春光や何を夢見る新生児
窓から差し込む春の光が、べービーベッドに眠っている生まれたばかりの赤
ちゃんに注いでいます。まだ汚れのない赤ちゃんは、どんな清らかな夢を見て
いるのでしょうか。
春の光と新生児の清らかさを詠んだのですが、うまく伝わらなかったようで
す。
(068) 風の色青くなりゆく五月かな
五月は新緑の季節です。したがって、この「 青」 は、ブルーではなく、青葉
の青、緑です。新緑の林を吹き抜けてくる風は、きっと若葉の青色に染まって
いるに違いない。5月という季節の新鮮さを表現したつもりだったのですが。
(4) 深瀬の自句自解
・眠れずの老ひの春愁ながき夜
・七十路の朝餉にむせて春愁ふ
・既視感も老ひて違和感春愁ふ
・春愁ふ青さ無縁の老境地
最近、自身の老化の進み具合を実感することがしばしばあります。老化現象
と正面から向き合っているつもりですが、他の人がかなり若々しい句を詠んで
いるので、自分がややおかしいのか、などと不安を感じたりもしています。
・ぼけた夢めざめ安堵の妻ふつう
家内は身近なバロメータです。少し年下なので頼りになる感じです。
・人を見て隠れる夢の胸騒ぎ
無意識になにかよくないことをしているのかもしれないなどと心配になりま
した。
・夢のなかに入りませんかと陽水は
井上揚水の歌の歌詞は、なにか独特な雰囲気があると思います。
・両岸の桜に舟の夢ごこち
目黒川は両岸に桜が満開になります。その間を舟で行ったらどういう風景な
のか想像してみました。
・山桜朝日に映えて夢つづき
本居宣長の和歌を参考に、朝になってもまだ夢の世界のようだ、というつも
りです。
・夢問われ笑ひごまかす老ひの春
本当は、しっかり答えたいところです。
・時ながれ昭和平成夢に消え
天皇の生前退位が話題ですが、年号というのも時代を象徴しているのかもし
れません。
「七十年という時間を生きて」
・七十年ふりかえみれば夢のごと
・七十年夢のまた夢歩みけり
・時奔流先端もがき七十年
・飲み込まる時の津波に追いつかれ
時間というのは、不思議に感じます。重力によって時空が曲がるとか、存在
の根源にあるものなのでしょうか。
・既視感になにか不穏の散り桜
老化のせいか、満開の桜をみても、以前ほど感激しないみたいです。
・花筏笑顔たたえる目黒川
・普段着でベッド寝ころぶ春嬉し
ふとんなどかけずに寝っころがれるというのは、開放的気持ちになれます。
・新緑のひかりまばゆき日比谷かな
日比谷図書館の中からみる日比谷公園の樹木の新緑の輝きはすばらしいです。
・ドア開けて新緑とびこむ朝静か
日当たりのよくないマンションなので、朝、新聞を取り出すためにドアを開
けたときの外の朝日に輝いているさまは、ほんとうに新鮮に感じます。
・懸案の片づき窓に忘れ雪
人生いろいろな課題にぶつかりますが、その一つがやれやれやっと解決した
と思って、窓の外をみたら春の雪が舞っていたという風情です。
・忘れ雪木窓の桟にひかり積む
木製の窓の桟というのにノスタルジーを感じて作ってみました。
・軒先の鉢の草の芽ひかり受け
あまり陽のあたらない軒先に置いてある鉢植えにも、春とともに陽がさして
くるという様子です。
・がん告知帰路に草の芽ひかりおり
終わりかける命とこれからが伸び盛りの命を対比してみました。3 歳の孫を
みているとつくづく感じます。
・草の芽に紅きくちびる女子高生
最近の女子中高生は、かなり口紅を塗っている感じです。それと芽生えたば
かりの草の緑の取り合わせがおもしろいかと思ったのですが。
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2018年6月10日日曜日
2018年5月20日日曜日
七句会 第二十四回ネット句会の選句の結果のご報告です。
七句会のみなさま
第二十四回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
6 点句
(023) 頬杖の少女は春の愁ひかな 豊
3 点句
(009) 隅田川たゆとう灯春うれい 秋元
(030) 夢一夜 (ひとよ) 超え来し峰に山桜 小野寺
(046) 卒業や はかまの列に 夢が起ち 中津川
(073) 暮れなずみ 香ほのかに 沈丁花 志方
高千穂神社
(086) 雷電に 浮かぶ妖しき 闇神楽 森杜瑯
2 点句
(019) 鳥啼きて春愁の湖 (うみ) 暮れにけり 小野寺
(024) 既視感も老ひて違和感春愁ふ 深瀬
(044) 鯉のぼり少年の夢大空へ 豊
(054) 飲み込まる時の津波に追いつかれ 深瀬
(060) 夢問われ笑ひごまかす老ひの春 深瀬
(062) 菜の花や群青の海光をり 小野寺
(066) 手入れして心和みぬ春の庭 橋本
(076) 奥津城 (おくつき) を風しのび哭き春の月 小野寺
(077) 遠雷が 切り裂く能登の 暗き海 志方
(079) 花衣 (はなごろも) ほつれし髪は風に揺れ 小野寺
(104) 荒城の堀埋めつくし花筏 小野寺
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、今年7 月中旬ころにご連絡したいと思っていますので、よ
ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連
絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の12名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、治部さん、中津川
さん、橋本さん、宮澤さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては6 月9 日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2018.05.20
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
----------------------------------------------------------------------
1.兼題 春愁
(001) 散り桜 入日に消える 梢かな 志方05
(002) 風止みて川面に映る暑さかな 秋元02
(003) 朋去りて春愁の妻翳りあり。 小野寺12
1 志方 連合いの心情を思いやる気持ちが深く訴えかける。
(004) 春愁ふ青さ無縁の老境地 深瀬04
(005) 春愁や 霞のごとく 我を抱く 宮澤01
1 秋岡 ”我を抱く”とは中々言えない言葉ですが、何となく
分けの判らない春愁の思いが伝わってきます。
(006) 花が散り 思いの筏 うずを巻き 中津川02
1 秋元
(007) 晩鐘に 春の誘い 水ぬるむ 志方01
1 宮澤 ゴーンという音色も何やらまろやかに、そういえば水
もぬるみ、恋の憂いの春がきた・・・ならいいな。
(008) 春愁や木漏れ日の蒼滲みけり 小野寺08
1 深瀬 春愁と木漏れ日の蒼が滲むという情景の取り合わせが、
心象風景として奥深いものがあるように感じました。
(009) 隅田川たゆとう灯春うれい 秋元01
1 豊 隅田川の桜並木でしょうか。夜桜を照らす明かりが揺
れて、作者のうれい心を一層強めます。
2 宮澤 心に浮かぶ憂いのように、川面の灯りがゆれている
3 小野寺 隅田川に揺れる灯が、醸し出す春愁、味わい深いもの
があります
(010) 竹とんぼ 孫の瞳(目)高く 春の夕 志方02
1 柳町
(011) 眠れずの老ひの春愁ながき夜 深瀬01
1 秋岡 15番目の句の”老年のうつ”にもあるように歳をと
ると眠れない春の日がありますね
(012) 日だまりに 土手の土筆や 草いきれ 中津川01
(013) 春愁は土の匂いと白牡丹 小野寺19
(014) 春愁を 肴に一人 酒くらう 吉良01
1 志方 老境のひそかな楽しみと寂しさがしみじみです。
(015) 春愁や老年のうつ始まりぬ 豊 01
(016) 春愁に 水面に映ず 山桜 志方03
(017) 春愁を置き去りし日よ波の音 小野寺07
1 吉良
(018) 春愁や我が身に難し季題なり 橋本01
(019) 鳥啼きて春愁の湖 (うみ) 暮れにけり 小野寺11
1 志方 湖面に暮れゆく様が、鳥の声に伴奏されている。
2 中津川
(020) 七十路の朝餉にむせて春愁ふ 深瀬02
(021) 春愁の畔 (あぜ) の轍 (わだち) に雲雀 (ひばり) 啼く 小野寺15
(022) 皺深し 春愁もはや 逃げ去りぬ 吉良02
1 深瀬 かなりストレートな言い回しですが、なにか素直で磊
落な雰囲気が感じられました。
(023) 頬杖の少女は春の愁ひかな 豊 02
1 柳町
2 橋本
3 秋岡 いつまでもこんな句が詠めればいいですね。
4 秋元
5 宮澤 一丁前に頬杖ついた少女が考え事。君にも悩みはある
のだね。
6 治部
(024) 既視感も老ひて違和感春愁ふ 深瀬03
1 中津川
2 豊 かつては既視感として気分が盛り上がったのに、いま
は年老いて同じ感覚が違和感として感じられる。固い言葉が並
んでいま すが、老境の一端をうまくとらえています。
(025) アン二ュイな嵐の風の残り香が 秋元03
(026) 山路きて 逝く春惜しむ 影法師 志方04
1 治部
(027) 誰が知る 夢追い人の 春愁を 宮澤01
1 小野寺 漢の気概を深い詠嘆てして切ないものを感じます。
2.兼題 夢
(028) ぼけた夢めざめ安堵の妻ふつう 深瀬05
1 宮澤 ウ~っとうなって目が覚めた。隣で妻はスヤスヤ。若
い時と違って、醒めてほしい夢ばかり見ます。
(029) 孫の夢 叶えたくて 小銭もつ 柳町01
(030) 夢一夜 (ひとよ) 超え来し峰に山桜 小野寺21
1 吉良
2 志方 山桜の背景に新緑の出番が待ち受けいる情景が浮かび
ます。
3 秋元
(031) 春風に 夢儚けく 空に舞う 宮澤01
(032) 両岸の桜に舟の夢ごこち 深瀬08
(033) 庭に汽車 夢がかなって 一区切り 柳町02
(034) 時ながれ昭和平成夢に消え 深瀬11
(035) 花盛り 武将が夢の 出世城 中津川07
1 小野寺 桜の花の盛りに、戦国武将がかけた夢の城址、荒城の
月が偲ばれます。
(036) 山桜朝日に映えて夢つづき 深瀬09
1 小野寺 夢の続きはソメイヨシノではなくやはり山桜です。
(037) 鬼八石 夢で貫く 夏の風 森杜瑯02
(038) 七十年ふりかえみれば夢のごと 深瀬12
(039) 𣜿葉 (ゆずりは) は深き翠 (みどり) に夢を追い 小野寺09
1 柳町
(040) 陽だまりに 猫夢見てか 独り言 宮澤01
1 治部
(041) 夢のなかに入りませんかと陽水は 深瀬07
1 豊 無季の句ですが、ヒット曲をうまく取り入れておしゃ
れです。
(042) 若人(わかびと)や 若竹のごと 夢伸ばし 中津川04
(043) 七十年夢のまた夢歩みけり 深瀬13
1 秋岡 人生幾つになっても夢を作り、追いかけ生きて行くも
のですね。
(044) 鯉のぼり少年の夢大空へ 豊 03
1 吉良
2 秋岡 鯉のぼりが風に乗り大空を舞っている。少年の夢が大
きく広がっている。いいですね。
(045) 夢追いし 思いは遠く 春うらら 吉良03
(046) 卒業や はかまの列に 夢が起ち 中津川05
1 柳町
2 豊 卒業式は未来へ旅立つ第一歩。袴姿の女学生たちの胸
に夢が膨らんでいます。
3 橋本
(047) 衣川一期の夢か桜舞う 小野寺16
1 豊 「夏草や兵どもが夢の跡」。芭蕉のこの句も舞台は岩
手・衣川。きっと作者も意識したのでしょう。夏草と桜、季節
は違いますが、思いは一緒です。
ゴルフの句を以下二つ
(048) いつの日か夢はエージシュートなり 橋本02
(049) 鶯とかえるの歌に快ショット 橋本03
(050) 春光や何を夢見る新生児 豊 04
1 宮澤 春の日を浴びスヤスヤ。時々動く手足は、夢の中で何
か面白いこと見つけたのかな。
(051) 人を見て隠れる夢の胸騒ぎ 深瀬06
(052) アイドルが 夢をこわして 春の終 中津川06
1 橋本
(053) 春の夢 行きつ戻りつ 夜明け知り 宮澤01
1 深瀬 夜中になんかいもトイレに起きますが、春めいてくる
とややほっとした気持ちになります。
(054) 飲み込まる時の津波に追いつかれ 深瀬15
1 中津川 無季語ですが切迫感を感じました 悪夢でしょうか
2 秋元
(055) 春霞み 夢見る瞳 輝けり 吉良04
(056) 夢追いて一期の別れ花吹雪 小野寺18
(057) 時奔流先端もがき七十年 深瀬14
1 橋本
(058) 春議会 官僚の雄 夢くずし 中津川03
(059) ドイツのSL 撮って一つの 夢かなう 柳町04
1 治部
(060) 夢問われ笑ひごまかす老ひの春 深瀬10
1 中津川
2 橋本
3.自由題、無季語、川柳
(061) 新緑に 花ダイコンの 重ね刷り 志方10
1 秋元
(062) 菜の花や群青の海光をり 小野寺02
1 吉良
2 志方 菜の花の鮮やかな色彩が上手くうたわれている
(063) 佐保姫が来ているらしき富士の嶺 治部02
(064) 既視感になにか不穏の散り桜 深瀬16
(065) 瀬音食 (は) み風に消ゆるか花筏 小野寺13
1 柳町
(066) 手入れして心和みぬ春の庭 橋本04
1 豊 春は庭の花壇が彩られる季節。丹精込めて育てた花が
咲きそろって、作者の心をさぞいやしてくれたことでしょう。
2 深瀬 部屋のなかも掃除をすると気持ちがかなり変わります。
庭の手入れもたぶん同じだと思います。
(067) 普段着でベッド寝ころぶ春嬉し 深瀬18
1 秋岡 やっと暖かくなった喜びが溢れていていいですね。
(068) 風の色青くなりゆく五月かな 豊 05
1 深瀬 風の色が変わるという表現は、かなり心象的なものだ
と思いますが、同感したい気持ちです。
天岩戸が開く
(069) 手力男 古代のなぞを 開けし夏 森杜瑯03
(070) 北条の定めも載せて花筏 治部03
1 小野寺 北条氏の栄枯盛衰を花筏に観るなかなかの着想です。
(071) 古都の宵すべりてかろき花衣 (はなごろも) 小野寺20
1 中津川
(072) 花の森白き満月昇りたる 橋本05
(073) 暮れなずみ 香ほのかに 沈丁花 志方06
1 吉良
2 橋本
3 秋元
(074) 懸案の片づき窓に忘れ雪 深瀬21
1 中津川
(075) 石垣の残る古城やすみれ草 豊 06
(076) 奥津城 (おくつき) を風しのび哭き春の月 小野寺10
1 柳町
2 志方 月と奥津城の重なる情景が山水画のようですね。
(077) 遠雷が 切り裂く能登の 暗き海 志方07
1 秋元
2 小野寺 遠雷と暗い裏日本の能登の海の一瞬の稲光りの対比が
美しい、
(078) 京想う御室桜のただ一本 治部04
(079) 花衣 (はなごろも) ほつれし髪は風に揺れ 小野寺17
1 志方 実にそこはかとなく色っぽい(半世紀前に置き去った
心象風景がよみがえったような)
2 深瀬 花衣は花見用の華やかな衣裳のことのようですが、女
性の艶やかさが絵画的に切り取られていると感じました。
(080) ドア開けて新緑とびこむ朝静か 深瀬20
(081) 雪嵐 桜吹雪と 言う総理 志方11
(082) 追善の手桶に白き桜舞ひ 小野寺04
1 治部
(083) 夫婦して 我が世の春の 行く先は 志方13
(084) 軒先の鉢の草の芽ひかり受け 深瀬23
(085) こぶし越し 群雲淡き 紅に染む 志方08
高千穂神社
(086) 雷電に 浮かぶ妖しき 闇神楽 森杜瑯04
1 治部
2 深瀬 高千穂神社は、九州の神話時代に遡る史跡だと思いま
す。神話時代の神秘的魔界的雰囲気に引き込まれる感じがしま
した。
3 小野寺 稲妻の光に浮かんだ闇神楽の妖しさ。切り取った風景
が絵の様に浮かびます。
(087) 新緑や門前の空海苔纏う 橋本07
(088) がん告知帰路に草の芽ひかりおり 深瀬24
1 吉良
(089) 薄紅の牡丹ひらきて春の星 小野寺05
(090) 晴天に桜真っ赤な新車来る 治部05
(091) 新緑のひかりまばゆき日比谷かな 深瀬19
(092) 春爛漫 類は類呼ぶ お友達 志方12
(093) 群青を流して岬春霞 小野寺01
1 柳町
(094) 忘れ雪木窓の桟にひかり積む 深瀬22
(095) 瀬を速み伏し目の奥に花筏 小野寺06
(096) 黄砂飛ぶ日和洗濯物たまる 治部01
1 中津川 十七文字に日常感、生活感が表現されています
(097) 草の芽に紅きくちびる女子高生 深瀬25
(098) 物憂くて 孫の添い寝で ひと眠り 柳町03
二百トンの鬼岩
(099) 高千穂の 仙人涼し 岩飛ばす 森杜瑯01
(100) 白梅に 吹く風ぬるむ 散歩道 志方09
(101) 青鷺がカウカウと啼き春暮れぬ。 小野寺03
1 治部
(102) 雨上り春光煌めく水面かな 橋本06
(103) 花筏笑顔たたえる目黒川 深瀬17
(104) 荒城の堀埋めつくし花筏 小野寺14
1 豊 古城、堀、花筏。三つの材料がきれいにそろって、詩
的な風景を描き出しています。完成度の高い作品です。
2 橋本
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ご参考 選句におけるコメントです。
・吉良さん ---- 「春愁」の季語が今ひとつ実感できず句作、選句ともに苦
労しました。
・橋本さん ---- いつものことながら、素人には読んですっと入る句ばかり
となりました。
・秋岡さん ---- 今回は投句できませんでしたが、皆さん難しい兼題に対し
て上手に作られているので感心致しました。
・柳町さん ---- 来月の「ななめの会」は、家内とアイルランドへ行く予定
ですので参加できません。さらに、「七夕会」も先約があり参加できません。
とほほっーーーーーです!
第二十四回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
6 点句
(023) 頬杖の少女は春の愁ひかな 豊
3 点句
(009) 隅田川たゆとう灯春うれい 秋元
(030) 夢一夜 (ひとよ) 超え来し峰に山桜 小野寺
(046) 卒業や はかまの列に 夢が起ち 中津川
(073) 暮れなずみ 香ほのかに 沈丁花 志方
高千穂神社
(086) 雷電に 浮かぶ妖しき 闇神楽 森杜瑯
2 点句
(019) 鳥啼きて春愁の湖 (うみ) 暮れにけり 小野寺
(024) 既視感も老ひて違和感春愁ふ 深瀬
(044) 鯉のぼり少年の夢大空へ 豊
(054) 飲み込まる時の津波に追いつかれ 深瀬
(060) 夢問われ笑ひごまかす老ひの春 深瀬
(062) 菜の花や群青の海光をり 小野寺
(066) 手入れして心和みぬ春の庭 橋本
(076) 奥津城 (おくつき) を風しのび哭き春の月 小野寺
(077) 遠雷が 切り裂く能登の 暗き海 志方
(079) 花衣 (はなごろも) ほつれし髪は風に揺れ 小野寺
(104) 荒城の堀埋めつくし花筏 小野寺
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、今年7 月中旬ころにご連絡したいと思っていますので、よ
ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連
絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の12名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、治部さん、中津川
さん、橋本さん、宮澤さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては6 月9 日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2018.05.20
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
----------------------------------------------------------------------
1.兼題 春愁
(001) 散り桜 入日に消える 梢かな 志方05
(002) 風止みて川面に映る暑さかな 秋元02
(003) 朋去りて春愁の妻翳りあり。 小野寺12
1 志方 連合いの心情を思いやる気持ちが深く訴えかける。
(004) 春愁ふ青さ無縁の老境地 深瀬04
(005) 春愁や 霞のごとく 我を抱く 宮澤01
1 秋岡 ”我を抱く”とは中々言えない言葉ですが、何となく
分けの判らない春愁の思いが伝わってきます。
(006) 花が散り 思いの筏 うずを巻き 中津川02
1 秋元
(007) 晩鐘に 春の誘い 水ぬるむ 志方01
1 宮澤 ゴーンという音色も何やらまろやかに、そういえば水
もぬるみ、恋の憂いの春がきた・・・ならいいな。
(008) 春愁や木漏れ日の蒼滲みけり 小野寺08
1 深瀬 春愁と木漏れ日の蒼が滲むという情景の取り合わせが、
心象風景として奥深いものがあるように感じました。
(009) 隅田川たゆとう灯春うれい 秋元01
1 豊 隅田川の桜並木でしょうか。夜桜を照らす明かりが揺
れて、作者のうれい心を一層強めます。
2 宮澤 心に浮かぶ憂いのように、川面の灯りがゆれている
3 小野寺 隅田川に揺れる灯が、醸し出す春愁、味わい深いもの
があります
(010) 竹とんぼ 孫の瞳(目)高く 春の夕 志方02
1 柳町
(011) 眠れずの老ひの春愁ながき夜 深瀬01
1 秋岡 15番目の句の”老年のうつ”にもあるように歳をと
ると眠れない春の日がありますね
(012) 日だまりに 土手の土筆や 草いきれ 中津川01
(013) 春愁は土の匂いと白牡丹 小野寺19
(014) 春愁を 肴に一人 酒くらう 吉良01
1 志方 老境のひそかな楽しみと寂しさがしみじみです。
(015) 春愁や老年のうつ始まりぬ 豊 01
(016) 春愁に 水面に映ず 山桜 志方03
(017) 春愁を置き去りし日よ波の音 小野寺07
1 吉良
(018) 春愁や我が身に難し季題なり 橋本01
(019) 鳥啼きて春愁の湖 (うみ) 暮れにけり 小野寺11
1 志方 湖面に暮れゆく様が、鳥の声に伴奏されている。
2 中津川
(020) 七十路の朝餉にむせて春愁ふ 深瀬02
(021) 春愁の畔 (あぜ) の轍 (わだち) に雲雀 (ひばり) 啼く 小野寺15
(022) 皺深し 春愁もはや 逃げ去りぬ 吉良02
1 深瀬 かなりストレートな言い回しですが、なにか素直で磊
落な雰囲気が感じられました。
(023) 頬杖の少女は春の愁ひかな 豊 02
1 柳町
2 橋本
3 秋岡 いつまでもこんな句が詠めればいいですね。
4 秋元
5 宮澤 一丁前に頬杖ついた少女が考え事。君にも悩みはある
のだね。
6 治部
(024) 既視感も老ひて違和感春愁ふ 深瀬03
1 中津川
2 豊 かつては既視感として気分が盛り上がったのに、いま
は年老いて同じ感覚が違和感として感じられる。固い言葉が並
んでいま すが、老境の一端をうまくとらえています。
(025) アン二ュイな嵐の風の残り香が 秋元03
(026) 山路きて 逝く春惜しむ 影法師 志方04
1 治部
(027) 誰が知る 夢追い人の 春愁を 宮澤01
1 小野寺 漢の気概を深い詠嘆てして切ないものを感じます。
2.兼題 夢
(028) ぼけた夢めざめ安堵の妻ふつう 深瀬05
1 宮澤 ウ~っとうなって目が覚めた。隣で妻はスヤスヤ。若
い時と違って、醒めてほしい夢ばかり見ます。
(029) 孫の夢 叶えたくて 小銭もつ 柳町01
(030) 夢一夜 (ひとよ) 超え来し峰に山桜 小野寺21
1 吉良
2 志方 山桜の背景に新緑の出番が待ち受けいる情景が浮かび
ます。
3 秋元
(031) 春風に 夢儚けく 空に舞う 宮澤01
(032) 両岸の桜に舟の夢ごこち 深瀬08
(033) 庭に汽車 夢がかなって 一区切り 柳町02
(034) 時ながれ昭和平成夢に消え 深瀬11
(035) 花盛り 武将が夢の 出世城 中津川07
1 小野寺 桜の花の盛りに、戦国武将がかけた夢の城址、荒城の
月が偲ばれます。
(036) 山桜朝日に映えて夢つづき 深瀬09
1 小野寺 夢の続きはソメイヨシノではなくやはり山桜です。
(037) 鬼八石 夢で貫く 夏の風 森杜瑯02
(038) 七十年ふりかえみれば夢のごと 深瀬12
(039) 𣜿葉 (ゆずりは) は深き翠 (みどり) に夢を追い 小野寺09
1 柳町
(040) 陽だまりに 猫夢見てか 独り言 宮澤01
1 治部
(041) 夢のなかに入りませんかと陽水は 深瀬07
1 豊 無季の句ですが、ヒット曲をうまく取り入れておしゃ
れです。
(042) 若人(わかびと)や 若竹のごと 夢伸ばし 中津川04
(043) 七十年夢のまた夢歩みけり 深瀬13
1 秋岡 人生幾つになっても夢を作り、追いかけ生きて行くも
のですね。
(044) 鯉のぼり少年の夢大空へ 豊 03
1 吉良
2 秋岡 鯉のぼりが風に乗り大空を舞っている。少年の夢が大
きく広がっている。いいですね。
(045) 夢追いし 思いは遠く 春うらら 吉良03
(046) 卒業や はかまの列に 夢が起ち 中津川05
1 柳町
2 豊 卒業式は未来へ旅立つ第一歩。袴姿の女学生たちの胸
に夢が膨らんでいます。
3 橋本
(047) 衣川一期の夢か桜舞う 小野寺16
1 豊 「夏草や兵どもが夢の跡」。芭蕉のこの句も舞台は岩
手・衣川。きっと作者も意識したのでしょう。夏草と桜、季節
は違いますが、思いは一緒です。
ゴルフの句を以下二つ
(048) いつの日か夢はエージシュートなり 橋本02
(049) 鶯とかえるの歌に快ショット 橋本03
(050) 春光や何を夢見る新生児 豊 04
1 宮澤 春の日を浴びスヤスヤ。時々動く手足は、夢の中で何
か面白いこと見つけたのかな。
(051) 人を見て隠れる夢の胸騒ぎ 深瀬06
(052) アイドルが 夢をこわして 春の終 中津川06
1 橋本
(053) 春の夢 行きつ戻りつ 夜明け知り 宮澤01
1 深瀬 夜中になんかいもトイレに起きますが、春めいてくる
とややほっとした気持ちになります。
(054) 飲み込まる時の津波に追いつかれ 深瀬15
1 中津川 無季語ですが切迫感を感じました 悪夢でしょうか
2 秋元
(055) 春霞み 夢見る瞳 輝けり 吉良04
(056) 夢追いて一期の別れ花吹雪 小野寺18
(057) 時奔流先端もがき七十年 深瀬14
1 橋本
(058) 春議会 官僚の雄 夢くずし 中津川03
(059) ドイツのSL 撮って一つの 夢かなう 柳町04
1 治部
(060) 夢問われ笑ひごまかす老ひの春 深瀬10
1 中津川
2 橋本
3.自由題、無季語、川柳
(061) 新緑に 花ダイコンの 重ね刷り 志方10
1 秋元
(062) 菜の花や群青の海光をり 小野寺02
1 吉良
2 志方 菜の花の鮮やかな色彩が上手くうたわれている
(063) 佐保姫が来ているらしき富士の嶺 治部02
(064) 既視感になにか不穏の散り桜 深瀬16
(065) 瀬音食 (は) み風に消ゆるか花筏 小野寺13
1 柳町
(066) 手入れして心和みぬ春の庭 橋本04
1 豊 春は庭の花壇が彩られる季節。丹精込めて育てた花が
咲きそろって、作者の心をさぞいやしてくれたことでしょう。
2 深瀬 部屋のなかも掃除をすると気持ちがかなり変わります。
庭の手入れもたぶん同じだと思います。
(067) 普段着でベッド寝ころぶ春嬉し 深瀬18
1 秋岡 やっと暖かくなった喜びが溢れていていいですね。
(068) 風の色青くなりゆく五月かな 豊 05
1 深瀬 風の色が変わるという表現は、かなり心象的なものだ
と思いますが、同感したい気持ちです。
天岩戸が開く
(069) 手力男 古代のなぞを 開けし夏 森杜瑯03
(070) 北条の定めも載せて花筏 治部03
1 小野寺 北条氏の栄枯盛衰を花筏に観るなかなかの着想です。
(071) 古都の宵すべりてかろき花衣 (はなごろも) 小野寺20
1 中津川
(072) 花の森白き満月昇りたる 橋本05
(073) 暮れなずみ 香ほのかに 沈丁花 志方06
1 吉良
2 橋本
3 秋元
(074) 懸案の片づき窓に忘れ雪 深瀬21
1 中津川
(075) 石垣の残る古城やすみれ草 豊 06
(076) 奥津城 (おくつき) を風しのび哭き春の月 小野寺10
1 柳町
2 志方 月と奥津城の重なる情景が山水画のようですね。
(077) 遠雷が 切り裂く能登の 暗き海 志方07
1 秋元
2 小野寺 遠雷と暗い裏日本の能登の海の一瞬の稲光りの対比が
美しい、
(078) 京想う御室桜のただ一本 治部04
(079) 花衣 (はなごろも) ほつれし髪は風に揺れ 小野寺17
1 志方 実にそこはかとなく色っぽい(半世紀前に置き去った
心象風景がよみがえったような)
2 深瀬 花衣は花見用の華やかな衣裳のことのようですが、女
性の艶やかさが絵画的に切り取られていると感じました。
(080) ドア開けて新緑とびこむ朝静か 深瀬20
(081) 雪嵐 桜吹雪と 言う総理 志方11
(082) 追善の手桶に白き桜舞ひ 小野寺04
1 治部
(083) 夫婦して 我が世の春の 行く先は 志方13
(084) 軒先の鉢の草の芽ひかり受け 深瀬23
(085) こぶし越し 群雲淡き 紅に染む 志方08
高千穂神社
(086) 雷電に 浮かぶ妖しき 闇神楽 森杜瑯04
1 治部
2 深瀬 高千穂神社は、九州の神話時代に遡る史跡だと思いま
す。神話時代の神秘的魔界的雰囲気に引き込まれる感じがしま
した。
3 小野寺 稲妻の光に浮かんだ闇神楽の妖しさ。切り取った風景
が絵の様に浮かびます。
(087) 新緑や門前の空海苔纏う 橋本07
(088) がん告知帰路に草の芽ひかりおり 深瀬24
1 吉良
(089) 薄紅の牡丹ひらきて春の星 小野寺05
(090) 晴天に桜真っ赤な新車来る 治部05
(091) 新緑のひかりまばゆき日比谷かな 深瀬19
(092) 春爛漫 類は類呼ぶ お友達 志方12
(093) 群青を流して岬春霞 小野寺01
1 柳町
(094) 忘れ雪木窓の桟にひかり積む 深瀬22
(095) 瀬を速み伏し目の奥に花筏 小野寺06
(096) 黄砂飛ぶ日和洗濯物たまる 治部01
1 中津川 十七文字に日常感、生活感が表現されています
(097) 草の芽に紅きくちびる女子高生 深瀬25
(098) 物憂くて 孫の添い寝で ひと眠り 柳町03
二百トンの鬼岩
(099) 高千穂の 仙人涼し 岩飛ばす 森杜瑯01
(100) 白梅に 吹く風ぬるむ 散歩道 志方09
(101) 青鷺がカウカウと啼き春暮れぬ。 小野寺03
1 治部
(102) 雨上り春光煌めく水面かな 橋本06
(103) 花筏笑顔たたえる目黒川 深瀬17
(104) 荒城の堀埋めつくし花筏 小野寺14
1 豊 古城、堀、花筏。三つの材料がきれいにそろって、詩
的な風景を描き出しています。完成度の高い作品です。
2 橋本
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ご参考 選句におけるコメントです。
・吉良さん ---- 「春愁」の季語が今ひとつ実感できず句作、選句ともに苦
労しました。
・橋本さん ---- いつものことながら、素人には読んですっと入る句ばかり
となりました。
・秋岡さん ---- 今回は投句できませんでしたが、皆さん難しい兼題に対し
て上手に作られているので感心致しました。
・柳町さん ---- 来月の「ななめの会」は、家内とアイルランドへ行く予定
ですので参加できません。さらに、「七夕会」も先約があり参加できません。
とほほっーーーーーです!
2018年3月10日土曜日
七句会 第二十三回目のネット句会 七句会交差点 第04号
七句会
第二十三回ネット句会参加各位
第二十三回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けすること
にします。今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
(1) 小野寺さんの自句自解
1 001)氷雪の 彼方を 北斗 回りけり。
凍てついた雪の 厳冬の原野の夜空を 北斗七星が正確に回りゆく、壮大な
大自然の運行に身が引き締まる思いで心打たれます。
豊さんのこの句の感想に大変エンカレッジされました。
2 009降る雪を耐えて生命(いのち)の紅き薔薇
降り積もる雪をものともせず、凜として健気に咲く 深紅の薔薇は燃える生
命の輝きそのものです。
秋岡さんの評伝の様に期せずして白い雪と紅い薔薇は寒さに耐えて咲く生命
の不思議なコントラストになりました。
3 011 見送りの駅舎の祖父に 雪は降り
13歳で故郷三陸の釜石を後にしました。
旧い田舎の駅舎の片隅で見送りの祖父は手をふり、粉雪が舞っておりました
。走りゆく列車の窓から涙にくれながら手を振りましたがそれが祖父との今生
の別れとなりました。
吉良さんのご指摘通り、自分も又これが大好きだった祖父との最後の姿と予
感して泣いたのだと思います。
4 036)雪止みぬ 古都眠らせて 寒の月
夜半に降りやんだ雪は静寂の中で古都を眠らせ中天には煌々と白い月が輝い
ておりました。
秋元さんのご指摘の様に雪の静寂を表現したかったのは確かですがが。
5 038)降る雪や 泣いて故郷を出でにけり
降りしきる雪を眺めるとふと突然に13の歳に泣いて故郷を離れた折の涙でゆ
がんだ列車の窓をよぎる雪景色が鮮烈に蘇ってきます。
豊さんの感想は正にその通りで感服です。
6 040雪の原 凍鶴(いてづる)啼きて夕日落つ
雪原の夕暮れ時 一面の白い雪と丹頂鶴の赤のコントラストが美しく鶴が一
声 啼き やがて荘厳な落日は 一切を包み込み 息を呑む風景でした。
吉良さんの感想のとおりです。
7 048 選に掲載されてませんでしたがこれは橋本さんと深瀬さんが選んでく
れた二点句でした。
星月夜 板戸の街は 雪の中
降り続いた雪がやみ 海沿いの板戸の旧い街はすっぽりと雪に覆われ不思議
な静寂の中で 深い夜空には月も星も輝いておりました。
これは全く深瀬さんの読みの通りで感服しました。
8 No.5 群青に 粉雪舞ひて 海は暮れ
この句は柳町さんから賛同をいただきましたが小生の長い付き合いの友人か
ら一番いいといっていただき自分でも想いがあったもので自解します。
これは 少年のころの三陸釜石の海の冬の景色です。
群青色の蒼い海のいろを残したまま、鉛色の重い空は夕焼けさえも通さずに
群青の蒼と粉雪の白がまじりあったまま、やがて夜の帳のなかに昏くなって
ゆきます。
釜石を思いだすとき 不思議に寂しい重い雪雲の心象風景となります。
万感の少年時代の原風景を想いを込めて切りとったもので気負いもてらいも
感傷もなく、ふと出てきたおもいを淡々と紡いでみたものです。
9 夜明け前 漢(おとこ)の夢に 雪は積む。
この2年の間に大切な友人達を3人癌で失いました。
自分自身も昨年偶然から前立腺の癌が発見され一時は動揺しましたが、家族
と友人、信頼の医師達によって手術が成功し復帰できました。
復帰してみて 自分は生かされているとおもいました。
人の生命を分けるものは 運命ではないかと思うようにもなりました。
雪の中で深紅の薔薇に己の命を重ねあわせたり大雪の日に 田舎で手を振っ
て送り出してくれた祖父の想いに心をはせるのは 亡くなっていった友人達の
無念の想いに 寄り添おうという無意識の行動かもしれません。
釜石の片田舎の駅舎から私を送り出してくれた祖父はわずか一年後に危篤の
知らせをうけましたが勉学を頑張れ帰るに及ばずという手紙を残してこの世を
さりました。
この句は自分自身へ夢をもっていきるという矜持でもあります。
無作為に選句してくださるなかで群馬の森さんが、009 降る雪を耐えて生命
の紅き薔薇とこの句を選んでくださった事が素直に嬉しいとおもいました。
森さんからいただいたメールに男は夢とチャレンジという言葉をいただきま
したが 私も全く同感です。
この歳になってなお 日夜海外の鉄鋼業務に従事し絵画と 俳句に没頭でき
ることの幸せを感じております。
077 夢に向け 初の日の出を 飲み干して
という森さんの豪快な句に 乾杯です。
以上 多少自句自解から逸脱したところもありますがご容赦ください。
句の会を通じて、語りあえる友人ができましたことも感謝しておりま
す。
(2) 森さん
医師が、癌などの不治の病になってしまうほど、落胆することはありません
。予後、すなわち、後どのくらい現世にいられるのか、を知っているからです
。先月も、非常に優秀な肺癌専門医師が50歳で、膵臓癌のために逝去しました
。また、私の2年上の脳腫瘍専門医師が肺癌で逝去しました。
天命がいつ各個人にくだるかは、判りません。 天命が下るまで、「夢とch
allenge 」と「若手の育成」の精神を持って生きていきたいものです。
その意味で、私の俳句には「夢」などの言葉が多く出てくるのです。
(3) 豊さんの自句自解その他
○降る雪や肩を寄せ合ひ二人酒
こたつの中で恋人と肩を寄せ合いながら雪見酒を楽しんでいる。その艶っぽ
さを読んだのですが、うまく伝わらなかったようです。
○手袋をスマートホンの指が脱ぎ
手袋をしたままではスマートホンの操作はしにくい。そこで手袋を脱いでL
INEの文字を打ったけれど、寒さで指がかじかんでうまく打てない。最近の
若者の姿を皮肉ったのですが、やはりわかりにくかったですね。
今回の選句を見て、皆さんがどういう句を好むのかわかったような気がしま
した。イメージが具体的で、言葉使いが素直なもの、ということでしょうか。
また、吉良さん宮澤さんなど、皆さんの鑑賞文もなかなか深いものがあって
、よかったです。
(4) 深瀬の自句自解
・雪積みし汽車ほえきたり上野駅
子供のころ、両親の故郷である秋田から親戚の人が上京してきたとき、上野
駅に出迎えに行きました。上野駅はかつては東北地方の玄関口でした。
・しんしんと降り積む雪夜ひとり酒
雪の降る夜の静けさは、神秘的に感じます。
・雪の朝救急車の音ひとりお茶
救急車の音には、やや胸騒ぎを覚えますが、いつまで他人事で済ませられる
か、気になることがあります。
・雪帽子すましほほえむ地蔵かな
お地蔵さんはかつては身近にあったように思います。いろいろな表情の顔が
あるのがおもしろいと感じます。
・雪原を狩人と犬獲物追ひ
ブリューゲルの絵「雪中の狩人」をイメージして作りました。
・雪原の鉄路消えゆく地平線
テレビで見た北海道の雪の原野を走る線路を思い出して。北海道の鉄道の存
続もたいへんそうです。
・夜空から湧き出る雪に吸い込まれ
夜空から雪が舞い降りてくるのを見上げたときの印象です。
・山や河降り積む雪の静かさや
雪景色の静けさを思って作りました。蕪村の絵も少し参考になった感じです
。
・雪解けの陽やまぶしけりビルの窓
・残雪に街路まぶしき日本橋
(上2 句) 東京に雪が降った日の翌日に日本橋で見た光景です。
・残雪にしかばねの山夕陽燃え
ノルマンディー上陸作戦のドキュメンタリーを見ていたので、作って見まし
た。203 高地とかインパール作戦とか、兵士は消耗品のようです。どうしてこ
ういう悲惨が繰り返されるのか不思議です。
・雪が降るアダモの歌や耳の奥
「想い出の小川」とか、なつかしく想いだします。
・いらだてる心の隅にのこり雪
最近、団塊の世代で切れる人が多いそうです。自戒も込めて作りました。
・吹雪くなか犬ぞり吠えてひた走る
グリーンランド犬は、どんな吹雪の中でも走ることが使命みたいです。
・天国の入試気になる老いの冬
・入試落ち駅のベンチに佇めり
・受験終え母とフルーツセピア色
(上3 句) 受験、入試を俳句に読むのは難しいと感じました。
・一月も終わり消えゆく去年の日々
一月は、年が改まったという新鮮さがありますが、すぐに消えます。
・静かさや時間の止まる三が日
・三が日ひかりも音も別世界
・木立越しスーパームーンの三が日
・七十路の自転車漕ぎし三が日
(上4 句) 今年のお正月三が日の実感です。日本の三が日はよいと思います
。自転車で北品川の方まで行きました。本当は羽田まで行きたかったのですが
、年のせいか残念でした。
・熊撃ちて猟師合掌陽のひかり
命の循環のような感じです。作りすぎの感じもします。
・風呂出ればテレビに笑ふ妻の声
私は録画したドキュメンタリーのようなものしか見ないので、うらやましい
とも感じます。
・笛ひびく工事現場の時雨れかな
工事現場の緊張感のようなものを感じてもらえたらと思いました。
・時雨れ聞き老後のゆとり妻に問ひ
妻になんとかなるとか言われると安心します。
・柵越しに手をふる園児母を待ち
近くの保育園の前を通ったとき手を振られました。夕方だったので、なにか
さみしい気持ちになりました。自分の子供のころの体験とも重なりました。
----
第二十三回ネット句会参加各位
第二十三回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けすること
にします。今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
(1) 小野寺さんの自句自解
1 001)氷雪の 彼方を 北斗 回りけり。
凍てついた雪の 厳冬の原野の夜空を 北斗七星が正確に回りゆく、壮大な
大自然の運行に身が引き締まる思いで心打たれます。
豊さんのこの句の感想に大変エンカレッジされました。
2 009降る雪を耐えて生命(いのち)の紅き薔薇
降り積もる雪をものともせず、凜として健気に咲く 深紅の薔薇は燃える生
命の輝きそのものです。
秋岡さんの評伝の様に期せずして白い雪と紅い薔薇は寒さに耐えて咲く生命
の不思議なコントラストになりました。
3 011 見送りの駅舎の祖父に 雪は降り
13歳で故郷三陸の釜石を後にしました。
旧い田舎の駅舎の片隅で見送りの祖父は手をふり、粉雪が舞っておりました
。走りゆく列車の窓から涙にくれながら手を振りましたがそれが祖父との今生
の別れとなりました。
吉良さんのご指摘通り、自分も又これが大好きだった祖父との最後の姿と予
感して泣いたのだと思います。
4 036)雪止みぬ 古都眠らせて 寒の月
夜半に降りやんだ雪は静寂の中で古都を眠らせ中天には煌々と白い月が輝い
ておりました。
秋元さんのご指摘の様に雪の静寂を表現したかったのは確かですがが。
5 038)降る雪や 泣いて故郷を出でにけり
降りしきる雪を眺めるとふと突然に13の歳に泣いて故郷を離れた折の涙でゆ
がんだ列車の窓をよぎる雪景色が鮮烈に蘇ってきます。
豊さんの感想は正にその通りで感服です。
6 040雪の原 凍鶴(いてづる)啼きて夕日落つ
雪原の夕暮れ時 一面の白い雪と丹頂鶴の赤のコントラストが美しく鶴が一
声 啼き やがて荘厳な落日は 一切を包み込み 息を呑む風景でした。
吉良さんの感想のとおりです。
7 048 選に掲載されてませんでしたがこれは橋本さんと深瀬さんが選んでく
れた二点句でした。
星月夜 板戸の街は 雪の中
降り続いた雪がやみ 海沿いの板戸の旧い街はすっぽりと雪に覆われ不思議
な静寂の中で 深い夜空には月も星も輝いておりました。
これは全く深瀬さんの読みの通りで感服しました。
8 No.5 群青に 粉雪舞ひて 海は暮れ
この句は柳町さんから賛同をいただきましたが小生の長い付き合いの友人か
ら一番いいといっていただき自分でも想いがあったもので自解します。
これは 少年のころの三陸釜石の海の冬の景色です。
群青色の蒼い海のいろを残したまま、鉛色の重い空は夕焼けさえも通さずに
群青の蒼と粉雪の白がまじりあったまま、やがて夜の帳のなかに昏くなって
ゆきます。
釜石を思いだすとき 不思議に寂しい重い雪雲の心象風景となります。
万感の少年時代の原風景を想いを込めて切りとったもので気負いもてらいも
感傷もなく、ふと出てきたおもいを淡々と紡いでみたものです。
9 夜明け前 漢(おとこ)の夢に 雪は積む。
この2年の間に大切な友人達を3人癌で失いました。
自分自身も昨年偶然から前立腺の癌が発見され一時は動揺しましたが、家族
と友人、信頼の医師達によって手術が成功し復帰できました。
復帰してみて 自分は生かされているとおもいました。
人の生命を分けるものは 運命ではないかと思うようにもなりました。
雪の中で深紅の薔薇に己の命を重ねあわせたり大雪の日に 田舎で手を振っ
て送り出してくれた祖父の想いに心をはせるのは 亡くなっていった友人達の
無念の想いに 寄り添おうという無意識の行動かもしれません。
釜石の片田舎の駅舎から私を送り出してくれた祖父はわずか一年後に危篤の
知らせをうけましたが勉学を頑張れ帰るに及ばずという手紙を残してこの世を
さりました。
この句は自分自身へ夢をもっていきるという矜持でもあります。
無作為に選句してくださるなかで群馬の森さんが、009 降る雪を耐えて生命
の紅き薔薇とこの句を選んでくださった事が素直に嬉しいとおもいました。
森さんからいただいたメールに男は夢とチャレンジという言葉をいただきま
したが 私も全く同感です。
この歳になってなお 日夜海外の鉄鋼業務に従事し絵画と 俳句に没頭でき
ることの幸せを感じております。
077 夢に向け 初の日の出を 飲み干して
という森さんの豪快な句に 乾杯です。
以上 多少自句自解から逸脱したところもありますがご容赦ください。
句の会を通じて、語りあえる友人ができましたことも感謝しておりま
す。
(2) 森さん
医師が、癌などの不治の病になってしまうほど、落胆することはありません
。予後、すなわち、後どのくらい現世にいられるのか、を知っているからです
。先月も、非常に優秀な肺癌専門医師が50歳で、膵臓癌のために逝去しました
。また、私の2年上の脳腫瘍専門医師が肺癌で逝去しました。
天命がいつ各個人にくだるかは、判りません。 天命が下るまで、「夢とch
allenge 」と「若手の育成」の精神を持って生きていきたいものです。
その意味で、私の俳句には「夢」などの言葉が多く出てくるのです。
(3) 豊さんの自句自解その他
○降る雪や肩を寄せ合ひ二人酒
こたつの中で恋人と肩を寄せ合いながら雪見酒を楽しんでいる。その艶っぽ
さを読んだのですが、うまく伝わらなかったようです。
○手袋をスマートホンの指が脱ぎ
手袋をしたままではスマートホンの操作はしにくい。そこで手袋を脱いでL
INEの文字を打ったけれど、寒さで指がかじかんでうまく打てない。最近の
若者の姿を皮肉ったのですが、やはりわかりにくかったですね。
今回の選句を見て、皆さんがどういう句を好むのかわかったような気がしま
した。イメージが具体的で、言葉使いが素直なもの、ということでしょうか。
また、吉良さん宮澤さんなど、皆さんの鑑賞文もなかなか深いものがあって
、よかったです。
(4) 深瀬の自句自解
・雪積みし汽車ほえきたり上野駅
子供のころ、両親の故郷である秋田から親戚の人が上京してきたとき、上野
駅に出迎えに行きました。上野駅はかつては東北地方の玄関口でした。
・しんしんと降り積む雪夜ひとり酒
雪の降る夜の静けさは、神秘的に感じます。
・雪の朝救急車の音ひとりお茶
救急車の音には、やや胸騒ぎを覚えますが、いつまで他人事で済ませられる
か、気になることがあります。
・雪帽子すましほほえむ地蔵かな
お地蔵さんはかつては身近にあったように思います。いろいろな表情の顔が
あるのがおもしろいと感じます。
・雪原を狩人と犬獲物追ひ
ブリューゲルの絵「雪中の狩人」をイメージして作りました。
・雪原の鉄路消えゆく地平線
テレビで見た北海道の雪の原野を走る線路を思い出して。北海道の鉄道の存
続もたいへんそうです。
・夜空から湧き出る雪に吸い込まれ
夜空から雪が舞い降りてくるのを見上げたときの印象です。
・山や河降り積む雪の静かさや
雪景色の静けさを思って作りました。蕪村の絵も少し参考になった感じです
。
・雪解けの陽やまぶしけりビルの窓
・残雪に街路まぶしき日本橋
(上2 句) 東京に雪が降った日の翌日に日本橋で見た光景です。
・残雪にしかばねの山夕陽燃え
ノルマンディー上陸作戦のドキュメンタリーを見ていたので、作って見まし
た。203 高地とかインパール作戦とか、兵士は消耗品のようです。どうしてこ
ういう悲惨が繰り返されるのか不思議です。
・雪が降るアダモの歌や耳の奥
「想い出の小川」とか、なつかしく想いだします。
・いらだてる心の隅にのこり雪
最近、団塊の世代で切れる人が多いそうです。自戒も込めて作りました。
・吹雪くなか犬ぞり吠えてひた走る
グリーンランド犬は、どんな吹雪の中でも走ることが使命みたいです。
・天国の入試気になる老いの冬
・入試落ち駅のベンチに佇めり
・受験終え母とフルーツセピア色
(上3 句) 受験、入試を俳句に読むのは難しいと感じました。
・一月も終わり消えゆく去年の日々
一月は、年が改まったという新鮮さがありますが、すぐに消えます。
・静かさや時間の止まる三が日
・三が日ひかりも音も別世界
・木立越しスーパームーンの三が日
・七十路の自転車漕ぎし三が日
(上4 句) 今年のお正月三が日の実感です。日本の三が日はよいと思います
。自転車で北品川の方まで行きました。本当は羽田まで行きたかったのですが
、年のせいか残念でした。
・熊撃ちて猟師合掌陽のひかり
命の循環のような感じです。作りすぎの感じもします。
・風呂出ればテレビに笑ふ妻の声
私は録画したドキュメンタリーのようなものしか見ないので、うらやましい
とも感じます。
・笛ひびく工事現場の時雨れかな
工事現場の緊張感のようなものを感じてもらえたらと思いました。
・時雨れ聞き老後のゆとり妻に問ひ
妻になんとかなるとか言われると安心します。
・柵越しに手をふる園児母を待ち
近くの保育園の前を通ったとき手を振られました。夕方だったので、なにか
さみしい気持ちになりました。自分の子供のころの体験とも重なりました。
----
2018年2月21日水曜日
七句会 第23回ネット句会 選句結果のご報告です。
七句会のみなさま
第二十三回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
6 点句
(092) 堂々と孫の筆先初日の出 治部
5 点句
(047) 雪帽子すましほほえむ地蔵かな 深瀬
4 点句
(018) 雪積みし汽車ほえきたり上野駅 深瀬
3 点句
(055) 雪やみて 太古の世界 都市黙す 吉良
(064) いらだてる心の隅にのこり雪 深瀬
(070) 天国の入試気になる老いの冬 深瀬
2 点句
(001) 氷雪の 彼方を 北斗 回りけり 小野寺
(002) 静寂に眠れぬ夜の雪の声 秋岡
(006) 雪の朝救急車の音ひとりお茶 深瀬
(009) 降る雪を耐えて生命 (いのち) の紅き薔薇 小野寺
(011) 見送りの駅舎の祖父に 雪は降り 小野寺
(016) 雪原の鉄路消えゆく地平線 深瀬
(027) 陽だまりにサクサクきらり霜の華 志方
(036) 雪止みぬ 古都眠らせて 寒の月 小野寺
(040) 雪の原 凍鶴 (いてづる) 啼きて 夕日落つ 小野寺
(041) 雪解けの陽やまぶしけりビルの窓 深瀬
(050) 日だまりや雪掻きもせず眺めおり 橋本
(052) 風花の儚き命雲間より 秋岡
(061) 雪ダルマ 溶けて凍って 涙顔 宮澤
(077) 夢に向け 初の日の出を 飲みほして 森杜瑯
(080) 元旦の若き山茶花初めじろ 橋本
(096) 飾焚く海にわき立つ狼煙かな 治部
(097) 一月も終わり消えゆく去年の日々 深瀬
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、今年4 月中旬ころにご連絡したいと思っていますので、よ
ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連
絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の13名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、治部さん、中津川
さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
齋藤宏文さん。私の誤りで、投句依頼のメールをお送りしませんでした。た
いへん申し訳なく、失礼しました。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては3 月9 日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2018.02.21
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
----------------------------------------------------------------------
兼題 雪
(001) 氷雪の 彼方を 北斗 回りけり 小野寺15
1 豊 雪の大地と夜空が合体した世界が目に浮
かびます。スケールの大きな発想に感心しま
した。
2 治部
(002) 静寂に眠れぬ夜の雪の声 秋岡05
1 森
2 深瀬 雪の降る夜、いつもと違い静かすぎで
眠れないというのは、人間の微妙な心理だと
感じます。
(003) バケツ湯で フロントガラス 雪融かし 中津川01
(004) 残雪にしかばねの山夕陽燃え 深瀬11
1 森
(005) 群青に 粉雪舞ひて 海は暮れ 小野寺17
1 柳町
(006) 雪の朝救急車の音ひとりお茶 深瀬03
1 吉良 救急車の音とお茶を飲んでいる静けさ
のコントラストが印象的。お茶を飲みながら
何を感じているのでしょうか。
2 宮澤 他人事ながらこんな日に大変だな。無
事が一番と言い聞かせお茶を飲む老境の身。
お茶にむせないよう気を付けましょう。
(007) 東雲 (しののめ) に雪煌めきて (きらめきて) 寒椿 小野寺21
(008) 深雪に足下とられ急ぐ街 秋元01
(009) 降る雪を耐えて生命 (いのち) の紅き薔薇 小野寺03
1 森
2 秋岡 白い雪と赤いバラのコントラストが耐
えて生命という言葉で巧くつながっていると
思います
(010) 膝に置く 黒い鞄に 雪二つ 宮澤01
1 橋本
(011) 見送りの駅舎の祖父に 雪は降り 小野寺05
1 吉良 田舎の祖父に会いに行ったのでしょう
か。もしかしたらもう会えないかも知れない
という予感が「雪は降り」に表されている気
がします。
2 宮澤 しんしんと降る雪は、後悔、わだかま
り、何もかも包み込んで絵にしてしまいます。
(012) 見る間にも降り積む港午後の雪 治部04
(013) 残り雪沈丁花が顔をだし 志方02
1 治部
(014) 雪が降るアダモの歌や耳の奥 深瀬12
1 中津川 私の耳にも聞こえてきました
(015) 夜明け前 漢 (おとこ) の夢に 雪は積む 小野寺12
1 森
(016) 雪原の鉄路消えゆく地平線 深瀬06
1 柳町
2 吉良 北国の冬景色が目の前に浮かびあがる
句です。
(017) 奥津城 (おくつき) に雪降り積もり 時空 (とき) が逝く 小野寺18
1 中津川 積もった雪がご先祖とのタイムマシ
ンでしょうか
(018) 雪積みし汽車ほえきたり上野駅 深瀬01
1 橋本 雪の中を走り切ってたどり着いた終着
上野駅、吠える(SL ですね) がいいです、懐
かしい
2 宮澤 東京の皆さん、大変な思いで走ってき
ました、雪国のお土産だよ、ポッポー。
3 秋岡 "汽車ほえきたり" はいいですね。東
北本線の終着駅の上野駅のイメージそのもの
です。
4 小野寺 イメージとして集団就職の時代を彷
彿とさせます。
(019) 凍てついた噴水池に雪ダルマ 秋元02
(020) 凍蝶 (いてちょう) は 蛹となりて 雪の納屋 小野寺10
1 秋元 言葉のカッコよさと情景を感じられて、
(021) 六甲山朝日を浴びて光る雪 秋岡04
(022) 漁火に雪降りやまぬ暗き海 志方03
1 小野寺 寒い北の海の厳しい冬の漁場が切な
く映ります
(023) 雪残り川を頼りて鳥来たる 橋本02
(024) 鈍色 (にびいろ) の宙 (そら) より雪の 光舞ひ 小野寺07
1 秋元 言葉のカッコよさと情景を感じられて、
(025) 敵味方 かまわず雪は 降り積もり 森杜瑯04
1 深瀬 敵味方というのは、穏やかではありま
せんが、降る雪を見ながら秘めた闘志を確認
するというのは新鮮な感じです。
(026) 老いてなお 思い出紡ぐ 峰の雪 吉良04
1 橋本
(027) 陽だまりにサクサクきらり霜の華 志方01
1 秋岡 今年は公園での犬の散歩時にはこの光
景をよく見ますが "サクサクきらり" ですね。
2 治部
(028) 底冷えの 雪の夜路に 月のあり。 小野寺02
(029) 雪原を狩人と犬獲物追ひ 深瀬05
(030) 落日の 雪降る天 (そら) を雁 (かり) 渡る 小野寺13
1 志方
(031) 雪道を滑りながらの犬散歩 秋岡01
(032) 湧き出ずる 闇夜の雪よ 顔を打つ 吉良02
1 橋本 暗闇の中、足下は照らしても舞う雪に
はなすがまま、巧いです
(033) 山や河降り積む雪の静かさや 深瀬08
1 秋元 雪の静寂さを感じられて、
(034) 荒海や 昏き波濤に雪の華 小野寺09
(035) 蒼き鷺雪の白さに何想う 志方04
(036) 雪止みぬ 古都眠らせて 寒の月 小野寺20
1 秋元 雪の静寂さを感じられて、
2 治部
(037) 雪景色 どこか見慣れた 江戸の朝 宮澤03
(038) 降る雪や 泣いて故郷を出でにけり。 小野寺06
1 豊 いま降っている雪を見て、かつて泣く泣
く故郷をあとに上京してきたことを思い出し
ているのでしょうか。それとも、雪の降る故
郷をあとにしたいま、寂しさで涙が出ている
のでしょうか。
(039) 吹雪くなか犬ぞり吠えてひた走る 深瀬14
(040) 雪の原 凍鶴 (いてづる) 啼きて 夕日落つ 小野寺08
1 柳町
2 吉良 鶴と雪の白色が夕日の中で溶け合って
美しい情景を作り出しています。
(041) 雪解けの陽やまぶしけりビルの窓 深瀬09
1 中津川 都会の雪解けの様子が浮かびます
2 秋元 現代の街の情景を感じられて
(042) (白根山噴火して) 逃げ惑う ゲレンデに跳ね 雪しぶき 中津川03
(043) しんしんと降り積む雪夜ひとり酒 深瀬02
1 小野寺 独り酒を飲みながらら更けゆく雪の
夜の哀感がうかがわれます。
(044) 冬薔薇 (ふゆそうび) 生命 (いのち) 紡ぎて 雪の朝 小野寺01
(045) 風花に大口開けて舞う児らよ 秋岡02
1 吉良 子供の頃の自分を思い出させてくれま
す。
(046) 降る雪や肩を寄せ合ひ二人酒 豊01
(047) 雪帽子すましほほえむ地蔵かな 深瀬04
1 吉良 この頃はあまりお地蔵様を見ることは
ありませんが、昔の田舎の情景が思い出され
ます。
2 志方 特に、最高ですね。
3 豊 道ばたにたたずむ石地蔵の頭に雪が積も
っている。帽子ほどですから、薄くもなく高
くもなくといった感じでしょうか。白い雪、
地蔵の赤い頭巾とよだれかけ。色の対比もき
れいです。
4 治部
5 小野寺 雪のなかにたたずむ地蔵の帽子にか
かる雪は心を温かくしそうです。
(048) 星月夜 板戸の街は 雪の中 小野寺16
1 橋本 似た句に036 がありますが、こちらを
採りました
2 深瀬 降り続いた雪がやみ、古都の街はすっ
ぽりと雪に覆われ、夜空には月や星が輝いて
いるという様は、なにか蕪村的で印象に残り
ます。
(049) 雪だるま 子供集いて 競いおり 吉良01
(050) 日だまりや雪掻きもせず眺めおり 橋本01
1 中津川 私も何もせず眺めていました
2 秋岡 今年は東京も雪かきが大変みたいでし
たが、雪景色を楽しんでる余裕がいいですね。
(051) 粉雪を払わで越えし 峠路 小野寺04
(052) 風花の儚き命雲間より 秋岡06
1 森
2 志方
(053) 夜空から湧き出る雪に吸い込まれ 深瀬07
1 宮澤 雪を街頭の下から見上げると、雪は降
っているのか、雪が吸い込まれいるのか、不
思議で神秘的な光景です
(054) 雪道に上弦の月寒々と 秋岡03
(055) 雪やみて 太古の世界 都市黙す 吉良03
1 秋元 雪の静寂さを感じられて、
2 深瀬 都会がすっぽり大雪に覆われ、都市機
能が麻痺して太古のようだというのは、風刺
的な感じもします。
3 小野寺 降る雪の風景を 太古の世界から都
市も黙らせるとした対比がにくい句です。
(056) 百舌鳥 (もず) 啼きて 静寂 (しじま) の底に 雪明かり 小野寺19
1 志方
(057) 残雪に街路まぶしき日本橋 深瀬10
1 志方
(058) 雪景色朝の光に清められ 豊02
(059) 孫はしゃぎ 小雪だるま 門前に置き 中津川02
1 柳町
(060) 葬列の 雪踏みしめて 風が泣き 小野寺14
(061) 雪ダルマ 溶けて凍って 涙顔 宮澤02
1 秋岡 情景が目に浮かび面白くて楽しい句で
すね
2 深瀬 子供のころによく見た光景のように感
じられ、なつかしい。
(062) 静かなり物音包み雪が降る 橋本03
1 宮澤 雪は、色彩、音を吸収し何もかもモノ
トーンしてしまう。
(063) 吹雪越え 眼下に 峠ひかりおり。 小野寺22
(064) いらだてる心の隅にのこり雪 深瀬13
1 秋元 何やら謎のある感じがして
2 橋本
3 豊 何かいらだつ出来事があった。それが後
悔として心に残っている。心情を雪に託した
見事な作品です。
(065) 月一輪 雪の鉄路を照らしけり 小野寺11
1 治部
兼題 受験
(066) インフル恐れ マスク並ぶ 模擬試験 中津川06
(067) 志望校落ちて身にしむ寒さかな 豊04
(068) 朝冷えを 受験に急ぐ 白い息 宮澤04
(069) 冬晴れや 合格祈願 寺社めぐり 中津川05
(070) 天国の入試気になる老いの冬 深瀬15
1 柳町
2 中津川 終活が天国への受験準備ですね
3 豊 天国に入るのにも入試があるとは驚きで
す。天国に行くか地獄に落ちるかは生きてい
る間の成績次第ですから、そうなのかもしれ
ません。ユーモアと皮肉が効いています。
(071) 初詣大吉引いた受験生 豊03
(072) 受験終え母とフルーツセピア色 深瀬17
(073) 絵馬重ね 梅の社や 受験生 中津川04
1 柳町
(074) 入試落ち駅のベンチに佇めり 深瀬16
1 秋岡 受験は人生の最初の試練ですね。受験
生はこのベンチから立ち上がる力で頑張って
欲しいものです。
(075) 受験生 滑らぬように 凍てる道 中津川07
雑詠、無季語
(076) 笛ひびく工事現場の時雨れかな 深瀬25
(077) 夢に向け 初の日の出を 飲みほして 森杜瑯01
1 中津川
2 橋本 なんとも豪快です
(078) 皸 (あかぎれ) や手をかざし見る痛さかな 治部05
(079) 時雨れ聞き老後のゆとり妻に問ひ 深瀬26
(080) 元旦の若き山茶花初めじろ 橋本04
1 志方
2 小野寺 なんだか元旦から、若き山茶花と初
メジロで映像が冴えいい事がありそうな気分
になります。
(081) 熊撃ちて猟師合掌陽のひかり 深瀬23
1 吉良 最近は熊が町に出没するようになり、
やむを得ず撃ち殺されたのでしょうか。合掌
している背中に陽の光が仏様の光背のように
見えたのでしょうか。
(082) 初日の出 夢にきらめく 天の竜 森杜瑯02
1 深瀬 初日の出のきらめきが、天に昇る竜の
ようだという心象風景は、スケールが大きい
と感じます。
(083) 手袋をスマートホンの指が脱ぎ 豊06
(084) 七十路の自転車漕ぎし三が日 深瀬22
(085) 男らの裸祭や寒の入 豊05
(086) 風呂出ればテレビに笑ふ妻の声 深瀬24
(087) 残照に頭上の紅葉輝けり 橋本06
(088) 白き朝行く手を望む新成人 治部03
(089) 三が日ひかりも音も別世界 深瀬20
1 豊 正月三が日は、日本列島全体が活動を休
む祝日。まさに光も音もいつもと違います。
正月の風景を巧みに象徴しました。
(090) 初富士を眺める坂や日向ぼこ 橋本05
(091) 静かさや時間の止まる三が日 深瀬19
(092) 堂々と孫の筆先初日の出 治部01
1 森
2 柳町
3 中津川 立派な書初めができたのがよくわか
ります
4 豊 「初日の出」は書き初めで必ず書かされ
る文字です。小学生でしょうか中学生でしょ
うか、お孫さんがしっかりとした筆さばきで
書いた。それを喜んでいるおじいさん、おば
あさんの顔が目に浮かびます。
5 秋岡 いつもながら孫がかわいくて仕方がな
いという句ですね。
6 深瀬 お孫さんがいつのまにかこんなに逞し
くなったかという感慨が伝わってきます。
(093) 柵越しに手をふる園児母を待ち 深瀬27
1 志方
(094) 凧揚げて 向かう行方は まだ知らず 森杜瑯03
(095) 木立越しスーパームーンの三が日 深瀬21
1 治部
(096) 飾焚く海にわき立つ狼煙かな 治部02
1 柳町
2 小野寺 焚いた正月飾りの煙を海の狼煙と見
立てたところに切々とした情感を感じます。
(097) 一月も終わり消えゆく去年の日々 深瀬18
1 森
2 宮澤 引きずっていた去年のわだかまりも、
年が明け1 か月でゆっくりと消えていく。時
間が必要です。
追記
選句にあたって、次のようなコメントがありました。ご参考までです。
- 各人のレベルが上がっていますね。 (森杜瑯さん)
- 本日までICELAND に行ってまして。投句のことを全く忘れていました。 (柳
町さん)
- 「雪」については数も多く、また力作く多く迷いました。 (中津川さん)
- もう23回目とは月日の過ぎる早さに驚きます。 (吉良さん)
- 私同様、「受験」の句は少なかったようですね。 (橋本さん)
- 今回は「雪」の句に詩情あふれるいい作品が多かったように思います。それ
に対して「受験」は少し難しかったのでしょうか。 (豊さん)
- いつものように選句の理由ではなく、こんなイメージが湧いたので選句しま
したということを記しました。 (宮澤さん)
----
第二十三回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
6 点句
(092) 堂々と孫の筆先初日の出 治部
5 点句
(047) 雪帽子すましほほえむ地蔵かな 深瀬
4 点句
(018) 雪積みし汽車ほえきたり上野駅 深瀬
3 点句
(055) 雪やみて 太古の世界 都市黙す 吉良
(064) いらだてる心の隅にのこり雪 深瀬
(070) 天国の入試気になる老いの冬 深瀬
2 点句
(001) 氷雪の 彼方を 北斗 回りけり 小野寺
(002) 静寂に眠れぬ夜の雪の声 秋岡
(006) 雪の朝救急車の音ひとりお茶 深瀬
(009) 降る雪を耐えて生命 (いのち) の紅き薔薇 小野寺
(011) 見送りの駅舎の祖父に 雪は降り 小野寺
(016) 雪原の鉄路消えゆく地平線 深瀬
(027) 陽だまりにサクサクきらり霜の華 志方
(036) 雪止みぬ 古都眠らせて 寒の月 小野寺
(040) 雪の原 凍鶴 (いてづる) 啼きて 夕日落つ 小野寺
(041) 雪解けの陽やまぶしけりビルの窓 深瀬
(050) 日だまりや雪掻きもせず眺めおり 橋本
(052) 風花の儚き命雲間より 秋岡
(061) 雪ダルマ 溶けて凍って 涙顔 宮澤
(077) 夢に向け 初の日の出を 飲みほして 森杜瑯
(080) 元旦の若き山茶花初めじろ 橋本
(096) 飾焚く海にわき立つ狼煙かな 治部
(097) 一月も終わり消えゆく去年の日々 深瀬
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、今年4 月中旬ころにご連絡したいと思っていますので、よ
ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連
絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の13名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、志方さん、治部さん、中津川
さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
齋藤宏文さん。私の誤りで、投句依頼のメールをお送りしませんでした。た
いへん申し訳なく、失礼しました。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては3 月9 日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2018.02.21
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
----------------------------------------------------------------------
兼題 雪
(001) 氷雪の 彼方を 北斗 回りけり 小野寺15
1 豊 雪の大地と夜空が合体した世界が目に浮
かびます。スケールの大きな発想に感心しま
した。
2 治部
(002) 静寂に眠れぬ夜の雪の声 秋岡05
1 森
2 深瀬 雪の降る夜、いつもと違い静かすぎで
眠れないというのは、人間の微妙な心理だと
感じます。
(003) バケツ湯で フロントガラス 雪融かし 中津川01
(004) 残雪にしかばねの山夕陽燃え 深瀬11
1 森
(005) 群青に 粉雪舞ひて 海は暮れ 小野寺17
1 柳町
(006) 雪の朝救急車の音ひとりお茶 深瀬03
1 吉良 救急車の音とお茶を飲んでいる静けさ
のコントラストが印象的。お茶を飲みながら
何を感じているのでしょうか。
2 宮澤 他人事ながらこんな日に大変だな。無
事が一番と言い聞かせお茶を飲む老境の身。
お茶にむせないよう気を付けましょう。
(007) 東雲 (しののめ) に雪煌めきて (きらめきて) 寒椿 小野寺21
(008) 深雪に足下とられ急ぐ街 秋元01
(009) 降る雪を耐えて生命 (いのち) の紅き薔薇 小野寺03
1 森
2 秋岡 白い雪と赤いバラのコントラストが耐
えて生命という言葉で巧くつながっていると
思います
(010) 膝に置く 黒い鞄に 雪二つ 宮澤01
1 橋本
(011) 見送りの駅舎の祖父に 雪は降り 小野寺05
1 吉良 田舎の祖父に会いに行ったのでしょう
か。もしかしたらもう会えないかも知れない
という予感が「雪は降り」に表されている気
がします。
2 宮澤 しんしんと降る雪は、後悔、わだかま
り、何もかも包み込んで絵にしてしまいます。
(012) 見る間にも降り積む港午後の雪 治部04
(013) 残り雪沈丁花が顔をだし 志方02
1 治部
(014) 雪が降るアダモの歌や耳の奥 深瀬12
1 中津川 私の耳にも聞こえてきました
(015) 夜明け前 漢 (おとこ) の夢に 雪は積む 小野寺12
1 森
(016) 雪原の鉄路消えゆく地平線 深瀬06
1 柳町
2 吉良 北国の冬景色が目の前に浮かびあがる
句です。
(017) 奥津城 (おくつき) に雪降り積もり 時空 (とき) が逝く 小野寺18
1 中津川 積もった雪がご先祖とのタイムマシ
ンでしょうか
(018) 雪積みし汽車ほえきたり上野駅 深瀬01
1 橋本 雪の中を走り切ってたどり着いた終着
上野駅、吠える(SL ですね) がいいです、懐
かしい
2 宮澤 東京の皆さん、大変な思いで走ってき
ました、雪国のお土産だよ、ポッポー。
3 秋岡 "汽車ほえきたり" はいいですね。東
北本線の終着駅の上野駅のイメージそのもの
です。
4 小野寺 イメージとして集団就職の時代を彷
彿とさせます。
(019) 凍てついた噴水池に雪ダルマ 秋元02
(020) 凍蝶 (いてちょう) は 蛹となりて 雪の納屋 小野寺10
1 秋元 言葉のカッコよさと情景を感じられて、
(021) 六甲山朝日を浴びて光る雪 秋岡04
(022) 漁火に雪降りやまぬ暗き海 志方03
1 小野寺 寒い北の海の厳しい冬の漁場が切な
く映ります
(023) 雪残り川を頼りて鳥来たる 橋本02
(024) 鈍色 (にびいろ) の宙 (そら) より雪の 光舞ひ 小野寺07
1 秋元 言葉のカッコよさと情景を感じられて、
(025) 敵味方 かまわず雪は 降り積もり 森杜瑯04
1 深瀬 敵味方というのは、穏やかではありま
せんが、降る雪を見ながら秘めた闘志を確認
するというのは新鮮な感じです。
(026) 老いてなお 思い出紡ぐ 峰の雪 吉良04
1 橋本
(027) 陽だまりにサクサクきらり霜の華 志方01
1 秋岡 今年は公園での犬の散歩時にはこの光
景をよく見ますが "サクサクきらり" ですね。
2 治部
(028) 底冷えの 雪の夜路に 月のあり。 小野寺02
(029) 雪原を狩人と犬獲物追ひ 深瀬05
(030) 落日の 雪降る天 (そら) を雁 (かり) 渡る 小野寺13
1 志方
(031) 雪道を滑りながらの犬散歩 秋岡01
(032) 湧き出ずる 闇夜の雪よ 顔を打つ 吉良02
1 橋本 暗闇の中、足下は照らしても舞う雪に
はなすがまま、巧いです
(033) 山や河降り積む雪の静かさや 深瀬08
1 秋元 雪の静寂さを感じられて、
(034) 荒海や 昏き波濤に雪の華 小野寺09
(035) 蒼き鷺雪の白さに何想う 志方04
(036) 雪止みぬ 古都眠らせて 寒の月 小野寺20
1 秋元 雪の静寂さを感じられて、
2 治部
(037) 雪景色 どこか見慣れた 江戸の朝 宮澤03
(038) 降る雪や 泣いて故郷を出でにけり。 小野寺06
1 豊 いま降っている雪を見て、かつて泣く泣
く故郷をあとに上京してきたことを思い出し
ているのでしょうか。それとも、雪の降る故
郷をあとにしたいま、寂しさで涙が出ている
のでしょうか。
(039) 吹雪くなか犬ぞり吠えてひた走る 深瀬14
(040) 雪の原 凍鶴 (いてづる) 啼きて 夕日落つ 小野寺08
1 柳町
2 吉良 鶴と雪の白色が夕日の中で溶け合って
美しい情景を作り出しています。
(041) 雪解けの陽やまぶしけりビルの窓 深瀬09
1 中津川 都会の雪解けの様子が浮かびます
2 秋元 現代の街の情景を感じられて
(042) (白根山噴火して) 逃げ惑う ゲレンデに跳ね 雪しぶき 中津川03
(043) しんしんと降り積む雪夜ひとり酒 深瀬02
1 小野寺 独り酒を飲みながらら更けゆく雪の
夜の哀感がうかがわれます。
(044) 冬薔薇 (ふゆそうび) 生命 (いのち) 紡ぎて 雪の朝 小野寺01
(045) 風花に大口開けて舞う児らよ 秋岡02
1 吉良 子供の頃の自分を思い出させてくれま
す。
(046) 降る雪や肩を寄せ合ひ二人酒 豊01
(047) 雪帽子すましほほえむ地蔵かな 深瀬04
1 吉良 この頃はあまりお地蔵様を見ることは
ありませんが、昔の田舎の情景が思い出され
ます。
2 志方 特に、最高ですね。
3 豊 道ばたにたたずむ石地蔵の頭に雪が積も
っている。帽子ほどですから、薄くもなく高
くもなくといった感じでしょうか。白い雪、
地蔵の赤い頭巾とよだれかけ。色の対比もき
れいです。
4 治部
5 小野寺 雪のなかにたたずむ地蔵の帽子にか
かる雪は心を温かくしそうです。
(048) 星月夜 板戸の街は 雪の中 小野寺16
1 橋本 似た句に036 がありますが、こちらを
採りました
2 深瀬 降り続いた雪がやみ、古都の街はすっ
ぽりと雪に覆われ、夜空には月や星が輝いて
いるという様は、なにか蕪村的で印象に残り
ます。
(049) 雪だるま 子供集いて 競いおり 吉良01
(050) 日だまりや雪掻きもせず眺めおり 橋本01
1 中津川 私も何もせず眺めていました
2 秋岡 今年は東京も雪かきが大変みたいでし
たが、雪景色を楽しんでる余裕がいいですね。
(051) 粉雪を払わで越えし 峠路 小野寺04
(052) 風花の儚き命雲間より 秋岡06
1 森
2 志方
(053) 夜空から湧き出る雪に吸い込まれ 深瀬07
1 宮澤 雪を街頭の下から見上げると、雪は降
っているのか、雪が吸い込まれいるのか、不
思議で神秘的な光景です
(054) 雪道に上弦の月寒々と 秋岡03
(055) 雪やみて 太古の世界 都市黙す 吉良03
1 秋元 雪の静寂さを感じられて、
2 深瀬 都会がすっぽり大雪に覆われ、都市機
能が麻痺して太古のようだというのは、風刺
的な感じもします。
3 小野寺 降る雪の風景を 太古の世界から都
市も黙らせるとした対比がにくい句です。
(056) 百舌鳥 (もず) 啼きて 静寂 (しじま) の底に 雪明かり 小野寺19
1 志方
(057) 残雪に街路まぶしき日本橋 深瀬10
1 志方
(058) 雪景色朝の光に清められ 豊02
(059) 孫はしゃぎ 小雪だるま 門前に置き 中津川02
1 柳町
(060) 葬列の 雪踏みしめて 風が泣き 小野寺14
(061) 雪ダルマ 溶けて凍って 涙顔 宮澤02
1 秋岡 情景が目に浮かび面白くて楽しい句で
すね
2 深瀬 子供のころによく見た光景のように感
じられ、なつかしい。
(062) 静かなり物音包み雪が降る 橋本03
1 宮澤 雪は、色彩、音を吸収し何もかもモノ
トーンしてしまう。
(063) 吹雪越え 眼下に 峠ひかりおり。 小野寺22
(064) いらだてる心の隅にのこり雪 深瀬13
1 秋元 何やら謎のある感じがして
2 橋本
3 豊 何かいらだつ出来事があった。それが後
悔として心に残っている。心情を雪に託した
見事な作品です。
(065) 月一輪 雪の鉄路を照らしけり 小野寺11
1 治部
兼題 受験
(066) インフル恐れ マスク並ぶ 模擬試験 中津川06
(067) 志望校落ちて身にしむ寒さかな 豊04
(068) 朝冷えを 受験に急ぐ 白い息 宮澤04
(069) 冬晴れや 合格祈願 寺社めぐり 中津川05
(070) 天国の入試気になる老いの冬 深瀬15
1 柳町
2 中津川 終活が天国への受験準備ですね
3 豊 天国に入るのにも入試があるとは驚きで
す。天国に行くか地獄に落ちるかは生きてい
る間の成績次第ですから、そうなのかもしれ
ません。ユーモアと皮肉が効いています。
(071) 初詣大吉引いた受験生 豊03
(072) 受験終え母とフルーツセピア色 深瀬17
(073) 絵馬重ね 梅の社や 受験生 中津川04
1 柳町
(074) 入試落ち駅のベンチに佇めり 深瀬16
1 秋岡 受験は人生の最初の試練ですね。受験
生はこのベンチから立ち上がる力で頑張って
欲しいものです。
(075) 受験生 滑らぬように 凍てる道 中津川07
雑詠、無季語
(076) 笛ひびく工事現場の時雨れかな 深瀬25
(077) 夢に向け 初の日の出を 飲みほして 森杜瑯01
1 中津川
2 橋本 なんとも豪快です
(078) 皸 (あかぎれ) や手をかざし見る痛さかな 治部05
(079) 時雨れ聞き老後のゆとり妻に問ひ 深瀬26
(080) 元旦の若き山茶花初めじろ 橋本04
1 志方
2 小野寺 なんだか元旦から、若き山茶花と初
メジロで映像が冴えいい事がありそうな気分
になります。
(081) 熊撃ちて猟師合掌陽のひかり 深瀬23
1 吉良 最近は熊が町に出没するようになり、
やむを得ず撃ち殺されたのでしょうか。合掌
している背中に陽の光が仏様の光背のように
見えたのでしょうか。
(082) 初日の出 夢にきらめく 天の竜 森杜瑯02
1 深瀬 初日の出のきらめきが、天に昇る竜の
ようだという心象風景は、スケールが大きい
と感じます。
(083) 手袋をスマートホンの指が脱ぎ 豊06
(084) 七十路の自転車漕ぎし三が日 深瀬22
(085) 男らの裸祭や寒の入 豊05
(086) 風呂出ればテレビに笑ふ妻の声 深瀬24
(087) 残照に頭上の紅葉輝けり 橋本06
(088) 白き朝行く手を望む新成人 治部03
(089) 三が日ひかりも音も別世界 深瀬20
1 豊 正月三が日は、日本列島全体が活動を休
む祝日。まさに光も音もいつもと違います。
正月の風景を巧みに象徴しました。
(090) 初富士を眺める坂や日向ぼこ 橋本05
(091) 静かさや時間の止まる三が日 深瀬19
(092) 堂々と孫の筆先初日の出 治部01
1 森
2 柳町
3 中津川 立派な書初めができたのがよくわか
ります
4 豊 「初日の出」は書き初めで必ず書かされ
る文字です。小学生でしょうか中学生でしょ
うか、お孫さんがしっかりとした筆さばきで
書いた。それを喜んでいるおじいさん、おば
あさんの顔が目に浮かびます。
5 秋岡 いつもながら孫がかわいくて仕方がな
いという句ですね。
6 深瀬 お孫さんがいつのまにかこんなに逞し
くなったかという感慨が伝わってきます。
(093) 柵越しに手をふる園児母を待ち 深瀬27
1 志方
(094) 凧揚げて 向かう行方は まだ知らず 森杜瑯03
(095) 木立越しスーパームーンの三が日 深瀬21
1 治部
(096) 飾焚く海にわき立つ狼煙かな 治部02
1 柳町
2 小野寺 焚いた正月飾りの煙を海の狼煙と見
立てたところに切々とした情感を感じます。
(097) 一月も終わり消えゆく去年の日々 深瀬18
1 森
2 宮澤 引きずっていた去年のわだかまりも、
年が明け1 か月でゆっくりと消えていく。時
間が必要です。
追記
選句にあたって、次のようなコメントがありました。ご参考までです。
- 各人のレベルが上がっていますね。 (森杜瑯さん)
- 本日までICELAND に行ってまして。投句のことを全く忘れていました。 (柳
町さん)
- 「雪」については数も多く、また力作く多く迷いました。 (中津川さん)
- もう23回目とは月日の過ぎる早さに驚きます。 (吉良さん)
- 私同様、「受験」の句は少なかったようですね。 (橋本さん)
- 今回は「雪」の句に詩情あふれるいい作品が多かったように思います。それ
に対して「受験」は少し難しかったのでしょうか。 (豊さん)
- いつものように選句の理由ではなく、こんなイメージが湧いたので選句しま
したということを記しました。 (宮澤さん)
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2017年11月29日水曜日
七句会 第二十二回目のネット句会 七句会交差点 第03号
七句会
第二十二回ネット句会参加各位
第二十二回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けすること
にします。今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
七句会の案内を出した方、全員にご参考までにお送りすることにします。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
(1) 秋元さんの自句自解
(054) 紅の山肌隠す白き舞
2002_11_02_ 根子岳からの下山途中の四阿山での景色です。 (写真添付)
(2) 小野寺さんの自句自解
皆さまに選んでいただいた、小生の句の自句自解下記致します。
1 紅葉燃ゆ 古都の甍を雨が打つ
夕暮れ迫る古都の街角 外は燃えるような紅葉の赤一色ふとその街角で一瞬
雨が降り始め 町屋の甍が黒い点となって変わりゆく、その色彩の対比の妙を
切り取った風景画です。
2 せせらぎは 底に紅葉を 敷き詰めし
秋も深い深山の急流に差し掛かった折流れの川底に紅葉が一面に敷き詰めら
れ川面にはまばゆい光が 揺れておりました。
澄んだ清らかな水はあでやかな紅葉を一層引き立たせて輝きながら流れてお
りました。
3 虫時雨 朋逝き夜半の 独り酒
秋の夜半 虫の合唱は不思議に静けさを感じさせさながら 鎮魂の読経にも
似て酒が好きだった 友人への尽きせぬ想いをこめてしみじみと独り、献杯を
したのでした。
4 苔むした 古都の小路に 紅葉燃ゆ
織部色の苔むした古都の小路の向こうに一面に紅い紅葉が燃えているような
輝きをみせ、さながら 一幅の 絵巻物をながめるような光景でした。
5 野辺送り 朋なき空に 赤蜻蛉
友人を亡くした秋の空に赤蜻蛉が 翔んでいた。
絵を描く事が好きだった友人は、遥かな空から 赤蜻蛉の様に光溢れる風景
を俯瞰しながら、風になっているのだと思います。
6 秋蝶は陽だまりの外息を止め
静かな秋の午後 ふと 眺めた視線の先に 陽だまりを外れた影の中に羽を
たたんだ蝶が動かずにじっとしておりました。
まるで 息を止めて己の死を見つめている様でもありました。
ふと 旅立った男の心と重なる想いがしたのです。
(3) 橋本さんの自句自解
3 点句の評価を頂きました二句について、いきさつ、背景等説明いたします。
(035) ミサイルに秋刀魚も細る北の海
今年の秋刀魚は本当にいけません、不漁で型も小さく細い。取り敢えず3回
塩焼きで食しましたが、味は推して知るべし。最近は台湾や中国、韓国の大型
船が三陸沖の公海でごそっと取ってしまい、逃れた秋刀魚に今年は北朝鮮のミ
サイルの追い打ち。何とかしなければいけませんね。
(038) 北の使者しばし休める刈田かな
冬が近づくといつものように、北から鳥達( 鴨・雁・白鳥等)が日本に渡っ
て来ます。
稲刈りの済んだ田圃は、格好の休憩地であり貴重な餌場です。
住民が不足する餌を与えている所もあるようですが、十分な刈田をいつまで
も残しておきたい。
(4) 豊さんの感想と自句自解
○5 点句「紅葉燃ゆ 古都の甍(いらか)を雨が打ち」について
この句をそのまま読むと、いま雨が降っている、と解釈できてしまうのです
が、間違っているでしょうか。
「雨が打ち」を「雨が降った後」と解釈するのはいささか無理があるように
思います。
もし、いま雨が降っているのであれば紅葉の葉は濡れているはずで、「燃ゆ
」という表現は適当ではないような気がしますが、どうでしょう。
作者が「雨の後」の紅葉を詠みたかったのであれば、たとえば次のようにし
たほうがわかりやすかったかもしれません。
「雨晴れて古都の甍に紅葉燃ゆ」
小野寺さん、すみません。
○自句自解「大和路や古寺の鐘聞く秋の旅」
もちろん「春の旅」でもいいのですが、「春」と「秋」では雰囲気が正反対
です。「春」には明るさと希望がありますが、「秋」には寂しさと失意があり
ます。
大和路の旅ににどちらの雰囲気を好むかは人によって違うでしょうが、私は
古寺の鐘がもの悲しく響くという趣を選びました。
○自句自解「全山は紅葉の中阿弥陀仏」
寺を包んでいる背景の山は一面紅葉の盛り。その寺の中に金色の阿弥陀仏像
が鎮座している。その対比を詠んだのですが、小野寺さんは「全山紅葉の状態
を阿弥陀仏として眺めた感覚に共鳴します」と書いてくれました。なるほどそ
ういう解釈もあるのか、と感心した次第です。
○自句自解「北の海荒れてロシアの島見えず」
北海道オホーツクの海を思い浮かべて詠んだ句です。晴れていればロシアが
管理している北方四島が見えるはずなのに、海が荒れているのでそれが見えな
い、という情景です。
わざと季語を入れない、無季の句にしてみました。
(5) 深瀬の感想、自句自解
- 全体的感想
改めて、秋という季節を噛みしめることができました。
季節の色としては、春は新緑や桜色、夏は深緑、秋は紅黄色、冬は白 (雪や
寒) という感じだと思いますが、各句に、秋の風景や色彩が印象深く、たのし
めました。
俳句を作る意味とか、よい俳句とはどのようなものか、といったことを思う
ことがありますが、最近、下記の著書がかなり参考になった気がしました。
今泉恂之介著 "芭蕉から第二芸術まで 俳句史の真実" NPO 双牛舎刊
今泉さんは、上智大学柔道部の先輩であり、日経論説委員を勤められ、現在
、俳句の普及を進めるNPO 法人双牛舎の代表理事です。
双牛舎については、下記のURL から参照できます。
http://sogyusha.org/blog/
- 自句自解
・渓谷の鉄橋染める紅葉かな
駅などのポスターを参考に作りました。文字通りポスター俳句。
・ひとえだのもみじ飾りて妻とお茶
妻については、下記のような句を作ってきました。なにか接点が単純すぎて
空気のような存在になっている感じもしています。
- 妻ひとつわれもひとつとぶどう食べ
- 子ら巣立ち妻と二人の秋の暮れ
- 芋入りのみそ汁妻と湯気をかぐ
- 寒き夜は妻と二人で鍋かこむ
- 明け早し妻に淹れし茶冷え置かる
- 春眠の妻起きたるを遠く聞き
・ゴルフ場ボール浮き立つ紅葉かな
コースのまんなかに紅葉の木が数本あって、その上を白球が越えていくイメ
ージですが、ラフのなかの紅葉の葉っぱに埋もれているのを探しているのが現
実です。
・裏道をあゆめば紅葉ここにあり
・ビル街にひそり陽あびる紅葉かな
都会のなかの紅葉も結構目立つと思っています。
・もみじ葉に送られあの世の戸をたたき
・生の意味もみじに問いて答えなし
・終活を主業と決めて秋の声
やはり70歳が目の前なので、生死のことが気になるようになりました。スム
ースにあの世にいけたらよいと思っています。
・雨音の秋を深める北の宿
・北国のゴルフの空にいわし雲
・北国の赤きリンゴを亡き父母に
・北国を鉄路で行けば秋深し
両親が秋田県出身であり、私は東京二世です。東北地方に自分のルーツがあ
るような気持ちをいつももっています。ゴルフの句は、10月17日の霞光会のス
パリゾートハワイアンGCでのものです。
・図書室の窓辺に潜む秋の声
・秋の声砂浜ひそり波の音
秋の気配は、さみしいような、落ち着くような、内省的な気持ちにさせられ
るように感じます。
・とうもろこし回して食べるゲーム感
とうもろこしというのは、なにか異邦感を感じさせる食べ物だと思います。
・蒼き富士坂から望む秋の暮れ
目黒駅から自宅に歩く途中、左手に下り坂がありますが、そこから富士山が
見えます。よく写真を撮っている人をみかけます。
・電線をよぎって沈む秋夕陽
以前、「夕焼けの電線よぎる落ち葉かな」という句を作りましたが、それの
秋版のつもりですが。
・掛け布団重きに秋の深みゆく
夏の方が、ふとんもなく、ベッドの上で自由に動けてよかったな、という思
いです。年とともに寒さに弱くなっていく感じです。
・雨あがり秋の陽 (ひ) 空に満ちにけり
雨上がりの空の透明感を詠んだつもりです。
------
第二十二回ネット句会参加各位
第二十二回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けすること
にします。今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
七句会の案内を出した方、全員にご参考までにお送りすることにします。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
(1) 秋元さんの自句自解
(054) 紅の山肌隠す白き舞
2002_11_02_ 根子岳からの下山途中の四阿山での景色です。 (写真添付)
(2) 小野寺さんの自句自解
皆さまに選んでいただいた、小生の句の自句自解下記致します。
1 紅葉燃ゆ 古都の甍を雨が打つ
夕暮れ迫る古都の街角 外は燃えるような紅葉の赤一色ふとその街角で一瞬
雨が降り始め 町屋の甍が黒い点となって変わりゆく、その色彩の対比の妙を
切り取った風景画です。
2 せせらぎは 底に紅葉を 敷き詰めし
秋も深い深山の急流に差し掛かった折流れの川底に紅葉が一面に敷き詰めら
れ川面にはまばゆい光が 揺れておりました。
澄んだ清らかな水はあでやかな紅葉を一層引き立たせて輝きながら流れてお
りました。
3 虫時雨 朋逝き夜半の 独り酒
秋の夜半 虫の合唱は不思議に静けさを感じさせさながら 鎮魂の読経にも
似て酒が好きだった 友人への尽きせぬ想いをこめてしみじみと独り、献杯を
したのでした。
4 苔むした 古都の小路に 紅葉燃ゆ
織部色の苔むした古都の小路の向こうに一面に紅い紅葉が燃えているような
輝きをみせ、さながら 一幅の 絵巻物をながめるような光景でした。
5 野辺送り 朋なき空に 赤蜻蛉
友人を亡くした秋の空に赤蜻蛉が 翔んでいた。
絵を描く事が好きだった友人は、遥かな空から 赤蜻蛉の様に光溢れる風景
を俯瞰しながら、風になっているのだと思います。
6 秋蝶は陽だまりの外息を止め
静かな秋の午後 ふと 眺めた視線の先に 陽だまりを外れた影の中に羽を
たたんだ蝶が動かずにじっとしておりました。
まるで 息を止めて己の死を見つめている様でもありました。
ふと 旅立った男の心と重なる想いがしたのです。
(3) 橋本さんの自句自解
3 点句の評価を頂きました二句について、いきさつ、背景等説明いたします。
(035) ミサイルに秋刀魚も細る北の海
今年の秋刀魚は本当にいけません、不漁で型も小さく細い。取り敢えず3回
塩焼きで食しましたが、味は推して知るべし。最近は台湾や中国、韓国の大型
船が三陸沖の公海でごそっと取ってしまい、逃れた秋刀魚に今年は北朝鮮のミ
サイルの追い打ち。何とかしなければいけませんね。
(038) 北の使者しばし休める刈田かな
冬が近づくといつものように、北から鳥達( 鴨・雁・白鳥等)が日本に渡っ
て来ます。
稲刈りの済んだ田圃は、格好の休憩地であり貴重な餌場です。
住民が不足する餌を与えている所もあるようですが、十分な刈田をいつまで
も残しておきたい。
(4) 豊さんの感想と自句自解
○5 点句「紅葉燃ゆ 古都の甍(いらか)を雨が打ち」について
この句をそのまま読むと、いま雨が降っている、と解釈できてしまうのです
が、間違っているでしょうか。
「雨が打ち」を「雨が降った後」と解釈するのはいささか無理があるように
思います。
もし、いま雨が降っているのであれば紅葉の葉は濡れているはずで、「燃ゆ
」という表現は適当ではないような気がしますが、どうでしょう。
作者が「雨の後」の紅葉を詠みたかったのであれば、たとえば次のようにし
たほうがわかりやすかったかもしれません。
「雨晴れて古都の甍に紅葉燃ゆ」
小野寺さん、すみません。
○自句自解「大和路や古寺の鐘聞く秋の旅」
もちろん「春の旅」でもいいのですが、「春」と「秋」では雰囲気が正反対
です。「春」には明るさと希望がありますが、「秋」には寂しさと失意があり
ます。
大和路の旅ににどちらの雰囲気を好むかは人によって違うでしょうが、私は
古寺の鐘がもの悲しく響くという趣を選びました。
○自句自解「全山は紅葉の中阿弥陀仏」
寺を包んでいる背景の山は一面紅葉の盛り。その寺の中に金色の阿弥陀仏像
が鎮座している。その対比を詠んだのですが、小野寺さんは「全山紅葉の状態
を阿弥陀仏として眺めた感覚に共鳴します」と書いてくれました。なるほどそ
ういう解釈もあるのか、と感心した次第です。
○自句自解「北の海荒れてロシアの島見えず」
北海道オホーツクの海を思い浮かべて詠んだ句です。晴れていればロシアが
管理している北方四島が見えるはずなのに、海が荒れているのでそれが見えな
い、という情景です。
わざと季語を入れない、無季の句にしてみました。
(5) 深瀬の感想、自句自解
- 全体的感想
改めて、秋という季節を噛みしめることができました。
季節の色としては、春は新緑や桜色、夏は深緑、秋は紅黄色、冬は白 (雪や
寒) という感じだと思いますが、各句に、秋の風景や色彩が印象深く、たのし
めました。
俳句を作る意味とか、よい俳句とはどのようなものか、といったことを思う
ことがありますが、最近、下記の著書がかなり参考になった気がしました。
今泉恂之介著 "芭蕉から第二芸術まで 俳句史の真実" NPO 双牛舎刊
今泉さんは、上智大学柔道部の先輩であり、日経論説委員を勤められ、現在
、俳句の普及を進めるNPO 法人双牛舎の代表理事です。
双牛舎については、下記のURL から参照できます。
http://sogyusha.org/blog/
- 自句自解
・渓谷の鉄橋染める紅葉かな
駅などのポスターを参考に作りました。文字通りポスター俳句。
・ひとえだのもみじ飾りて妻とお茶
妻については、下記のような句を作ってきました。なにか接点が単純すぎて
空気のような存在になっている感じもしています。
- 妻ひとつわれもひとつとぶどう食べ
- 子ら巣立ち妻と二人の秋の暮れ
- 芋入りのみそ汁妻と湯気をかぐ
- 寒き夜は妻と二人で鍋かこむ
- 明け早し妻に淹れし茶冷え置かる
- 春眠の妻起きたるを遠く聞き
・ゴルフ場ボール浮き立つ紅葉かな
コースのまんなかに紅葉の木が数本あって、その上を白球が越えていくイメ
ージですが、ラフのなかの紅葉の葉っぱに埋もれているのを探しているのが現
実です。
・裏道をあゆめば紅葉ここにあり
・ビル街にひそり陽あびる紅葉かな
都会のなかの紅葉も結構目立つと思っています。
・もみじ葉に送られあの世の戸をたたき
・生の意味もみじに問いて答えなし
・終活を主業と決めて秋の声
やはり70歳が目の前なので、生死のことが気になるようになりました。スム
ースにあの世にいけたらよいと思っています。
・雨音の秋を深める北の宿
・北国のゴルフの空にいわし雲
・北国の赤きリンゴを亡き父母に
・北国を鉄路で行けば秋深し
両親が秋田県出身であり、私は東京二世です。東北地方に自分のルーツがあ
るような気持ちをいつももっています。ゴルフの句は、10月17日の霞光会のス
パリゾートハワイアンGCでのものです。
・図書室の窓辺に潜む秋の声
・秋の声砂浜ひそり波の音
秋の気配は、さみしいような、落ち着くような、内省的な気持ちにさせられ
るように感じます。
・とうもろこし回して食べるゲーム感
とうもろこしというのは、なにか異邦感を感じさせる食べ物だと思います。
・蒼き富士坂から望む秋の暮れ
目黒駅から自宅に歩く途中、左手に下り坂がありますが、そこから富士山が
見えます。よく写真を撮っている人をみかけます。
・電線をよぎって沈む秋夕陽
以前、「夕焼けの電線よぎる落ち葉かな」という句を作りましたが、それの
秋版のつもりですが。
・掛け布団重きに秋の深みゆく
夏の方が、ふとんもなく、ベッドの上で自由に動けてよかったな、という思
いです。年とともに寒さに弱くなっていく感じです。
・雨あがり秋の陽 (ひ) 空に満ちにけり
雨上がりの空の透明感を詠んだつもりです。
------
2017年11月13日月曜日
七句会 第22回 ネット句会の選句結果のご報告です。
七句会のみなさま
第二十二回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(010) 紅葉燃ゆ 古都の甍(いらか)を雨が打ち 小野寺
4 点句
(014) せせらぎは 底に紅葉を 敷き詰めし。 小野寺
(046) 虫時雨(むししぐれ)朋逝き夜半の 独り酒 小野寺
(076) 大和路や古寺の鐘聞く秋の旅 豊
3 点句
(003) ひとえだのもみじ飾りて妻とお茶 深瀬
(015) 山門と 競う紅葉よ 燃えさかる 吉良
(023) 苔むした 古都の小径に 紅葉 燃ゆ。 小野寺
(024) 寒の朝 嵐に耐えた 紅葉 (もみじ) 散る 宮澤
(028) 幼子の 手よりもれ落つ 紅葉かな 吉良
(035) ミサイルに秋刀魚も細る北の海 橋本
(038) 北の使者しばし休める刈田かな 橋本
(066) 野辺送り 朋なき空に 赤蜻蛉 小野寺
2 点句
(012) 紅葉 (こうよう) や 木々で異なる 色変化 (いろへんげ) 宮澤
(020) 紅葉映え白月浮かぶ深き空 橋本
(026) もみじ葉に送られあの世の戸をたたき 深瀬
(030) 北国の 白夜のしとね まどろみぬ 宮澤
(039) 雨音の秋を深める北の宿 深瀬
(053) 秋蝶は陽だまりの外息を止め。 小野寺
(054) 紅の山肌隠す白き舞 秋元
(055) 掛け布団重きに秋の深みゆく 深瀬
(060) 逝く友に 夢託されて 秋ふるえ 森杜瑯
(064) 秋桜や小箱近づく無人駅 治部
(075) 古希過ぎて ふる里目指す 鰯雲 森杜瑯
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、来年1 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よ
ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連
絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の14名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、齋藤さん、志方さん、治部さ
ん、中津川さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては11月28日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2017.11.13
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
----------------------------------------------------------------------
1.兼題 紅葉
(001) 紅葉燃え 古都の真昼を 過ぎにけり 小野寺16
(002) 紅葉 (こうよう) の 木漏れ日揺らし ボート漕ぐ 宮澤06
1 深瀬 秋日和に、どこかの湖とか公園の池で、
岸辺に紅葉が生い茂っているなか、若かりし
ころの奥さんと一緒にボートを漕いでいる様
子が目に浮かびました。
(003) ひとえだのもみじ飾りて妻とお茶 深瀬02
1 吉良 さりげない表現の中に日常の家庭の穏
やかな平安を感じさせてくれる句です。
2 柳町
3 宮澤 紅葉の下で芸者揚げて一献が昔の夢だ
ったけれど、今は一枝の紅葉とお茶があれば
幸せ。
(004) デパートに 一畳だけの 紅葉映え 吉良02
(005) ビル街にひそり陽あびる紅葉かな 深瀬05
(006) 満天の 星従えて 紅葉燃ゆ 。 小野寺20
1 森
(007) 全山は紅葉の中阿弥陀仏 豊01
1 小野寺 全山紅葉の状態を阿弥陀仏として眺
めた感覚に共鳴します。
(008) ゴルフ場ボール浮き立つ紅葉かな 深瀬03
1 中津川 ラフに打ち込んだボールが行ってみ
たら紅葉の上に乗っていたのでしょうか。白
いボールと紅葉の色の対比がおもしろいと思
いました。
(009) 外苑を 黄金に染めて 紅葉立つ 吉良04
(010) 紅葉燃ゆ 古都の甍(いらか)を雨が打ち 小野寺03
1 柳町
2 中津川
3 宮澤 黒い甍は炭でしょうか、雨に当たると
燃え上がり紅葉が一層鮮やかに冴えます。
4 秋元
5 治部
(011) 花水木朝日に煌めく濡れ紅葉 橋本02
(012) 紅葉 (こうよう) や 木々で異なる 色変化 (いろへんげ) 宮澤04
1 志方
2 治部
(013) 生の意味もみじに問いて答えなし 深瀬07
1 豊 作者は色づいた紅葉に人生の悲哀を感じ
ているのでしょう。しかし、紅葉は自然のま
まに色づき、散っていくだけ。そこには人間
の俗念が入る余地はありません。ですから、
紅葉は何も答えないのです。
(014) せせらぎは 底に紅葉を 敷き詰めし。 小野寺19
1 吉良 目を閉じると目の前に深山のせせらぎ
を思い浮かべられます。
2 中津川 せせらぎの上も底も紅色で囲まれて
いるようです。
3 秋元
4 治部
(015) 山門と 競う紅葉よ 燃えさかる 吉良01
1 齋藤
2 橋本 鮮やかで力強い紅葉が浮かびます。
3 深瀬 真っ赤に塗られた山門と真っ赤な紅葉
とが、その色を競うように燃え盛っていると
いう色彩感覚が印象的です。
(016) 峠路(とうげみち) 風 運びたり 山紅葉 小野寺18
1 志方
(017) 裏道をあゆめば紅葉ここにあり 深瀬04
(018) 黄昏(たそがれ)て永観堂に 紅葉燃ゆ。 小野寺05
1 秋岡 "黄" 昏と "紅" 葉のバランス及び句
のリズムに共感しました。
(019) 富士の峰 麓は紅葉 (もみじ) 白冴えぬ 宮澤05
(020) 紅葉映え白月浮かぶ深き空 橋本01
1 齋藤
2 小野寺 紅い紅葉の向こうに秋の白い月が浮
かぶ深き空が効いてます。
(021) 晩年は紅葉のごとく散りゆかむ 豊02
1 志方
(022) 渓谷の鉄橋染める紅葉かな 深瀬01
1 豊 山は一面の紅葉。その渓谷に橋が架かっ
ています。木の橋でしょうか。鉄橋でしょう
か。鉄橋ならば、錆び付いた古い橋がいいで
すね。渓谷美を切り取ったいい風景です。
(023) 苔むした 古都の小径に 紅葉 燃ゆ。 小野寺17
1 柳町
2 橋本
3 秋元
(024) 寒の朝 嵐に耐えた 紅葉 (もみじ) 散る 宮澤03
1 吉良 嵐に耐えた紅葉に対する作者の愛おし
みを感じます。
2 橋本 風は凌いでもとどめの寒さ、自然の摂
理。
3 小野寺 嵐でも散らなかった紅葉が寒の朝に
散っていた、自然の摂理の確かさですね。
(025) 音もなく 紅葉 散りけり 星月夜 小野寺21
(026) もみじ葉に送られあの世の戸をたたき 深瀬06
1 森
2 豊 もしかすると(013) と同じ作者でしょう
か。すでにこの世からおさらばして、あの世
へ向かっている。「あの世の戸をたたき」に、
この世には何の未練もないというサバサバし
た感じと味わい深いユーモアがあります。
(027) 紅葉散る 音 踏みしだき 百舌鳥(もず)が啼き 小野寺15
1 齋藤
(028) 幼子の 手よりもれ落つ 紅葉かな 吉良03
1 秋元
2 治部
3 小野寺 孫のてからはらりと落ちた紅葉は微
笑ましい情景です。作者の深い愛情を感じら
れ好感がもてます。
(029) 渓流に紅葉映して秋が暮れ 秋元02
2.兼題 北
(030) 北国の 白夜のしとね まどろみぬ 宮澤02
1 吉良 いつ暮れるともない白夜の中で夢をみ
させてくれます。
2 橋本
(031) 北の海荒れてロシアの島見えず 豊04
(032) 北国のゴルフの空にいわし雲 深瀬09
(033) 北の国 知る人ぞ知る 旨い燗 宮澤01
1 齋藤
(034) 北国を鉄路で行けば秋深し 深瀬11
1 治部
(035) ミサイルに秋刀魚も細る北の海 橋本03
1 中津川 細るという表現が怖さを表している
ようです。
2 豊 時事川柳として秀逸ではないでしょうか。
北朝鮮が暴走しないよう、アメリカ追従では
なく、もっと積極的に日本は独自の外交を進
めるべきだと思います。
3 秋元
(036) 北国の赤きリンゴを亡き父母に 深瀬10
(037) 北国の便りを運び鳥渡る 豊03
(038) 北の使者しばし休める刈田かな 橋本04
1 吉良 刈りとった寂しい北の田んぼに、新し
い住人の活気を感じます。
2 秋岡 丹頂鶴の餌をついばむ姿が自然と想像
されます。
3 深瀬 渡り鳥が、稲刈りの終わった田んぼに
舞い降りて、どじょうなどをついばんでいる
様だと思います。いよいよ冬が近いなという
様子が活写されていると思います。
(039) 雨音の秋を深める北の宿 深瀬08
1 志方
2 宮澤 雨音が秋を深め、静かになったら雪。
冬はもうすぐです。
3.雑詠
(040) ちんどん屋 奏でる音色に 風哀し 志方02
1 秋岡 季語が無いのかなあと思いながらも、
全体の哀調に共感しました。
(041) 手強いぞ風雨の後の濡れ落葉 治部05
(042) 雨あがり秋の陽 (ひ) 空に満ちにけり 深瀬19
(043) 百舌鳥(もず)啼きて茜(あかね)の雲に友の 逝き 小野寺06
(044) 注射針刺さるる痛さ秋深む 豊06
1 中津川 インフルエンザ予防接種の季節です。
(045) 朝霧の 流れ梢に 雉がなく 志方04
1 小野寺 朝霧の静寂のなかの木立に雉がない
ている。しみじみとした静謐な情感を感じか
もしだしています。
(046) 虫時雨(むししぐれ)朋逝き夜半の 独り酒 小野寺11
1 齋藤
2 吉良 親しい友を偲んで一人酒。我々のこれ
からの姿でしょうか。
3 橋本
4 宮澤 逝きし友をしのび、読経のごとき虫時
雨をBGM にしみじみと独り酒。さみしいね。
(047) とうもろこし回して食べるゲーム感 深瀬15
(048) 赤々と むら雲染める 残照が 志方01
(049) 落葉松(からまつ)の 時雨て梢 消えゆけり 小野寺08
1 橋本 山水画の世界を見ているようです。
(050) 秋の声砂浜ひそり波の音 深瀬14
(051) 故郷(ふるさと)の駅舎の窓を 走り雨 小野寺14
1 柳町
(052) 彷徨 (さまよ) えり 虫の音やみても 夢捨てず 森杜瑯04
1 志方
(053) 秋蝶は陽だまりの外息を止め。 小野寺01
1 秋岡 窓越しに息をひそめて蝶の姿を追いか
ける作者の様が良くわかります。
2 豊 俳句らしいまとまりがありますね。「息
を止め」ているのは、もう死にかけているか
らでしょうか。それとも寒さに震えているか
らでしょうか。
(054) 紅の山肌隠す白き舞 秋元01
1 治部
2 小野寺 真っ赤に燃えるような紅葉を覆い隠
すように白い雪がふってきた。季節の移り変
わりをとらえて墨絵の趣があります。
(055) 掛け布団重きに秋の深みゆく 深瀬18
1 秋岡 布団の枚数が増えてくるたびの冬が近
づいてくるを共感します。
2 宮澤 軽い羽根布団は性に合いません。布団
の重さは寒さと相関します。
(056) 天(空)蒼く 水引き草に 風がたち。 小野寺02
(057) 黒き富士裾で薄が露払い 治部02
1 中津川 初雪、初冠雪が目前に来ているよう
です。
(058) 夕の寺迫り来るなり百日紅 橋本05
(059) 風光り 薄(すすき)の原に 曼殊沙華 小野寺12
1 志方
(060) 逝く友に 夢託されて 秋ふるえ 森杜瑯03
1 深瀬 亡くなっていく人から、夢を託される
というのは、こころに重くひびくものがあり
ます。なにか世界全体がふるえている感じが
します。
2 小野寺 夢を託されたほどの友人に先にいか
れてそれを受け止められずにいる己の心境を
秋ふるえとした真情は 深い哀しみの共感を
おぼえます。私もこの夏場に失った友人の意
思をおもうと自分もまた友人に夢を託してい
つ逝くともしれず古希とはそういう年齢にさ
しかかったのですね。明日は我が身なのだと
おもうと今の命に感謝です。
(061) 日暮れても 金木犀の 残り香が 志方03
(062) 赤ワイン描きし 朋は 旅立ちぬ 小野寺10
(063) 満月に 吠える悲しさ 古希の虎 森杜瑯02
(064) 秋桜や小箱近づく無人駅 治部03
1 柳町
2 中津川 列車を小箱と表現しているのでしょ
う。無人駅の様子が浮かびます。
(065) 蒼き富士坂から望む秋の暮れ 深瀬16
(066) 野辺送り 朋なき空に 赤蜻蛉 小野寺09
1 豊 「朋なき」という句がほかにもあります
が、同じ作者でしょうね。亡くなった方はよ
ほどの親友だったのでしょう。赤蜻蛉はその
人の魂かもしれません。
2 深瀬 亡くなった人が、なにかに生まれ変わ
り、身近にただよっているのではないかとい
う感覚は、普遍的なものだと思います。夕焼
け小焼けの赤蜻蛉もなにかさみしい感じです。
3 治部
(067) 虫集く一人深夜の露天風呂 治部04
1 深瀬 深夜の露天風呂に入っていると、ぽつ
んとついた常夜灯に虫がたくさん集まってい
る。あまり体験することのない風景でもあり、
印象的です。
(068) 水澄みて 流転の底に わが生命(いのち) 小野寺04
(069) 黒雲の上は茜の雲の峰 橋本06
(070) 闇や猫の怪しき気配して 治部01
1 秋元
(071) 電線をよぎって沈む秋夕陽 深瀬17
1 豊 電線と夕陽の組み合わせに惹かれました。
秋のもの寂しい夕方の風景をユニークな視点
でとらえています。
(072) 秋さやか 天まで透けて 渡り鳥 志方06
1 吉良 昔子供の頃は空がきれいで渡り鳥の群
れをよくみました。懐かしい句です。
(073) 終活を主業と決めて秋の声 深瀬12
(074) 秋蝶の 羽たたみおり 納屋の屋根 小野寺13
1 齋藤
(075) 古希過ぎて ふる里目指す 鰯雲 森杜瑯01
1 齋藤
2 深瀬 鰯雲というのは、見ていて不思議に思
います。加藤楸邨の「鰯雲人に告ぐべきこと
ならず」は有名ですが、鰯雲には、人の心の
奥底を揺り動かすなにかがあるように感じま
す。
(076) 大和路や古寺の鐘聞く秋の旅 豊05
1 柳町
2 志方
3 橋本 奈良はやはり秋が似合いますか。
4 秋元
(077) いわし雲 宙(そら)の蒼きに 鳶(とび)が鳴き 小野寺07
(078) 彼岸花 紅に魅かれて 畠中を 志方05
(079) 図書室の窓辺に潜む秋の声 深瀬13
------
追記
選句にあたり、下記のコメントが寄せられています。ご参考までに掲載させ
ていただきました。
・下記の7 作を選句しました。楽しませて頂いておりますが、素人である私が
自分の好みのまま皆様の労作から選句させてもらっていることに多少の申し訳
なさを感じております。 (齋藤宏文さん)
・秋の風情が見事に詠み込まれている秀句ばかりで、真に選ぶのに苦労しまし
た。以上ですが、半分以上の句が素晴らしいと思います。 (志方さん)
第二十二回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(010) 紅葉燃ゆ 古都の甍(いらか)を雨が打ち 小野寺
4 点句
(014) せせらぎは 底に紅葉を 敷き詰めし。 小野寺
(046) 虫時雨(むししぐれ)朋逝き夜半の 独り酒 小野寺
(076) 大和路や古寺の鐘聞く秋の旅 豊
3 点句
(003) ひとえだのもみじ飾りて妻とお茶 深瀬
(015) 山門と 競う紅葉よ 燃えさかる 吉良
(023) 苔むした 古都の小径に 紅葉 燃ゆ。 小野寺
(024) 寒の朝 嵐に耐えた 紅葉 (もみじ) 散る 宮澤
(028) 幼子の 手よりもれ落つ 紅葉かな 吉良
(035) ミサイルに秋刀魚も細る北の海 橋本
(038) 北の使者しばし休める刈田かな 橋本
(066) 野辺送り 朋なき空に 赤蜻蛉 小野寺
2 点句
(012) 紅葉 (こうよう) や 木々で異なる 色変化 (いろへんげ) 宮澤
(020) 紅葉映え白月浮かぶ深き空 橋本
(026) もみじ葉に送られあの世の戸をたたき 深瀬
(030) 北国の 白夜のしとね まどろみぬ 宮澤
(039) 雨音の秋を深める北の宿 深瀬
(053) 秋蝶は陽だまりの外息を止め。 小野寺
(054) 紅の山肌隠す白き舞 秋元
(055) 掛け布団重きに秋の深みゆく 深瀬
(060) 逝く友に 夢託されて 秋ふるえ 森杜瑯
(064) 秋桜や小箱近づく無人駅 治部
(075) 古希過ぎて ふる里目指す 鰯雲 森杜瑯
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、来年1 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よ
ろしくお願いいたします。やり方、等について、ご意見がありましたら、ご連
絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
今回の選句には、下記の14名が参加しました。
秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、齋藤さん、志方さん、治部さ
ん、中津川さん、橋本さん、宮澤さん、森杜瑯さん、柳町さん、豊さん、深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては11月28日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
これまで、句会の後、勉強会としての集まりを企画していましたが、参加者
が少ないこともあり、改めることにしました。集まっての勉強会も適宜、行い
たいとは思っていますが、よろしくお願いします。
2017.11.13
代表 橋口侯之介 (休会中)
顧問 豊 宣光
事務方 深瀬久敬
----------------------------------------------------------------------
1.兼題 紅葉
(001) 紅葉燃え 古都の真昼を 過ぎにけり 小野寺16
(002) 紅葉 (こうよう) の 木漏れ日揺らし ボート漕ぐ 宮澤06
1 深瀬 秋日和に、どこかの湖とか公園の池で、
岸辺に紅葉が生い茂っているなか、若かりし
ころの奥さんと一緒にボートを漕いでいる様
子が目に浮かびました。
(003) ひとえだのもみじ飾りて妻とお茶 深瀬02
1 吉良 さりげない表現の中に日常の家庭の穏
やかな平安を感じさせてくれる句です。
2 柳町
3 宮澤 紅葉の下で芸者揚げて一献が昔の夢だ
ったけれど、今は一枝の紅葉とお茶があれば
幸せ。
(004) デパートに 一畳だけの 紅葉映え 吉良02
(005) ビル街にひそり陽あびる紅葉かな 深瀬05
(006) 満天の 星従えて 紅葉燃ゆ 。 小野寺20
1 森
(007) 全山は紅葉の中阿弥陀仏 豊01
1 小野寺 全山紅葉の状態を阿弥陀仏として眺
めた感覚に共鳴します。
(008) ゴルフ場ボール浮き立つ紅葉かな 深瀬03
1 中津川 ラフに打ち込んだボールが行ってみ
たら紅葉の上に乗っていたのでしょうか。白
いボールと紅葉の色の対比がおもしろいと思
いました。
(009) 外苑を 黄金に染めて 紅葉立つ 吉良04
(010) 紅葉燃ゆ 古都の甍(いらか)を雨が打ち 小野寺03
1 柳町
2 中津川
3 宮澤 黒い甍は炭でしょうか、雨に当たると
燃え上がり紅葉が一層鮮やかに冴えます。
4 秋元
5 治部
(011) 花水木朝日に煌めく濡れ紅葉 橋本02
(012) 紅葉 (こうよう) や 木々で異なる 色変化 (いろへんげ) 宮澤04
1 志方
2 治部
(013) 生の意味もみじに問いて答えなし 深瀬07
1 豊 作者は色づいた紅葉に人生の悲哀を感じ
ているのでしょう。しかし、紅葉は自然のま
まに色づき、散っていくだけ。そこには人間
の俗念が入る余地はありません。ですから、
紅葉は何も答えないのです。
(014) せせらぎは 底に紅葉を 敷き詰めし。 小野寺19
1 吉良 目を閉じると目の前に深山のせせらぎ
を思い浮かべられます。
2 中津川 せせらぎの上も底も紅色で囲まれて
いるようです。
3 秋元
4 治部
(015) 山門と 競う紅葉よ 燃えさかる 吉良01
1 齋藤
2 橋本 鮮やかで力強い紅葉が浮かびます。
3 深瀬 真っ赤に塗られた山門と真っ赤な紅葉
とが、その色を競うように燃え盛っていると
いう色彩感覚が印象的です。
(016) 峠路(とうげみち) 風 運びたり 山紅葉 小野寺18
1 志方
(017) 裏道をあゆめば紅葉ここにあり 深瀬04
(018) 黄昏(たそがれ)て永観堂に 紅葉燃ゆ。 小野寺05
1 秋岡 "黄" 昏と "紅" 葉のバランス及び句
のリズムに共感しました。
(019) 富士の峰 麓は紅葉 (もみじ) 白冴えぬ 宮澤05
(020) 紅葉映え白月浮かぶ深き空 橋本01
1 齋藤
2 小野寺 紅い紅葉の向こうに秋の白い月が浮
かぶ深き空が効いてます。
(021) 晩年は紅葉のごとく散りゆかむ 豊02
1 志方
(022) 渓谷の鉄橋染める紅葉かな 深瀬01
1 豊 山は一面の紅葉。その渓谷に橋が架かっ
ています。木の橋でしょうか。鉄橋でしょう
か。鉄橋ならば、錆び付いた古い橋がいいで
すね。渓谷美を切り取ったいい風景です。
(023) 苔むした 古都の小径に 紅葉 燃ゆ。 小野寺17
1 柳町
2 橋本
3 秋元
(024) 寒の朝 嵐に耐えた 紅葉 (もみじ) 散る 宮澤03
1 吉良 嵐に耐えた紅葉に対する作者の愛おし
みを感じます。
2 橋本 風は凌いでもとどめの寒さ、自然の摂
理。
3 小野寺 嵐でも散らなかった紅葉が寒の朝に
散っていた、自然の摂理の確かさですね。
(025) 音もなく 紅葉 散りけり 星月夜 小野寺21
(026) もみじ葉に送られあの世の戸をたたき 深瀬06
1 森
2 豊 もしかすると(013) と同じ作者でしょう
か。すでにこの世からおさらばして、あの世
へ向かっている。「あの世の戸をたたき」に、
この世には何の未練もないというサバサバし
た感じと味わい深いユーモアがあります。
(027) 紅葉散る 音 踏みしだき 百舌鳥(もず)が啼き 小野寺15
1 齋藤
(028) 幼子の 手よりもれ落つ 紅葉かな 吉良03
1 秋元
2 治部
3 小野寺 孫のてからはらりと落ちた紅葉は微
笑ましい情景です。作者の深い愛情を感じら
れ好感がもてます。
(029) 渓流に紅葉映して秋が暮れ 秋元02
2.兼題 北
(030) 北国の 白夜のしとね まどろみぬ 宮澤02
1 吉良 いつ暮れるともない白夜の中で夢をみ
させてくれます。
2 橋本
(031) 北の海荒れてロシアの島見えず 豊04
(032) 北国のゴルフの空にいわし雲 深瀬09
(033) 北の国 知る人ぞ知る 旨い燗 宮澤01
1 齋藤
(034) 北国を鉄路で行けば秋深し 深瀬11
1 治部
(035) ミサイルに秋刀魚も細る北の海 橋本03
1 中津川 細るという表現が怖さを表している
ようです。
2 豊 時事川柳として秀逸ではないでしょうか。
北朝鮮が暴走しないよう、アメリカ追従では
なく、もっと積極的に日本は独自の外交を進
めるべきだと思います。
3 秋元
(036) 北国の赤きリンゴを亡き父母に 深瀬10
(037) 北国の便りを運び鳥渡る 豊03
(038) 北の使者しばし休める刈田かな 橋本04
1 吉良 刈りとった寂しい北の田んぼに、新し
い住人の活気を感じます。
2 秋岡 丹頂鶴の餌をついばむ姿が自然と想像
されます。
3 深瀬 渡り鳥が、稲刈りの終わった田んぼに
舞い降りて、どじょうなどをついばんでいる
様だと思います。いよいよ冬が近いなという
様子が活写されていると思います。
(039) 雨音の秋を深める北の宿 深瀬08
1 志方
2 宮澤 雨音が秋を深め、静かになったら雪。
冬はもうすぐです。
3.雑詠
(040) ちんどん屋 奏でる音色に 風哀し 志方02
1 秋岡 季語が無いのかなあと思いながらも、
全体の哀調に共感しました。
(041) 手強いぞ風雨の後の濡れ落葉 治部05
(042) 雨あがり秋の陽 (ひ) 空に満ちにけり 深瀬19
(043) 百舌鳥(もず)啼きて茜(あかね)の雲に友の 逝き 小野寺06
(044) 注射針刺さるる痛さ秋深む 豊06
1 中津川 インフルエンザ予防接種の季節です。
(045) 朝霧の 流れ梢に 雉がなく 志方04
1 小野寺 朝霧の静寂のなかの木立に雉がない
ている。しみじみとした静謐な情感を感じか
もしだしています。
(046) 虫時雨(むししぐれ)朋逝き夜半の 独り酒 小野寺11
1 齋藤
2 吉良 親しい友を偲んで一人酒。我々のこれ
からの姿でしょうか。
3 橋本
4 宮澤 逝きし友をしのび、読経のごとき虫時
雨をBGM にしみじみと独り酒。さみしいね。
(047) とうもろこし回して食べるゲーム感 深瀬15
(048) 赤々と むら雲染める 残照が 志方01
(049) 落葉松(からまつ)の 時雨て梢 消えゆけり 小野寺08
1 橋本 山水画の世界を見ているようです。
(050) 秋の声砂浜ひそり波の音 深瀬14
(051) 故郷(ふるさと)の駅舎の窓を 走り雨 小野寺14
1 柳町
(052) 彷徨 (さまよ) えり 虫の音やみても 夢捨てず 森杜瑯04
1 志方
(053) 秋蝶は陽だまりの外息を止め。 小野寺01
1 秋岡 窓越しに息をひそめて蝶の姿を追いか
ける作者の様が良くわかります。
2 豊 俳句らしいまとまりがありますね。「息
を止め」ているのは、もう死にかけているか
らでしょうか。それとも寒さに震えているか
らでしょうか。
(054) 紅の山肌隠す白き舞 秋元01
1 治部
2 小野寺 真っ赤に燃えるような紅葉を覆い隠
すように白い雪がふってきた。季節の移り変
わりをとらえて墨絵の趣があります。
(055) 掛け布団重きに秋の深みゆく 深瀬18
1 秋岡 布団の枚数が増えてくるたびの冬が近
づいてくるを共感します。
2 宮澤 軽い羽根布団は性に合いません。布団
の重さは寒さと相関します。
(056) 天(空)蒼く 水引き草に 風がたち。 小野寺02
(057) 黒き富士裾で薄が露払い 治部02
1 中津川 初雪、初冠雪が目前に来ているよう
です。
(058) 夕の寺迫り来るなり百日紅 橋本05
(059) 風光り 薄(すすき)の原に 曼殊沙華 小野寺12
1 志方
(060) 逝く友に 夢託されて 秋ふるえ 森杜瑯03
1 深瀬 亡くなっていく人から、夢を託される
というのは、こころに重くひびくものがあり
ます。なにか世界全体がふるえている感じが
します。
2 小野寺 夢を託されたほどの友人に先にいか
れてそれを受け止められずにいる己の心境を
秋ふるえとした真情は 深い哀しみの共感を
おぼえます。私もこの夏場に失った友人の意
思をおもうと自分もまた友人に夢を託してい
つ逝くともしれず古希とはそういう年齢にさ
しかかったのですね。明日は我が身なのだと
おもうと今の命に感謝です。
(061) 日暮れても 金木犀の 残り香が 志方03
(062) 赤ワイン描きし 朋は 旅立ちぬ 小野寺10
(063) 満月に 吠える悲しさ 古希の虎 森杜瑯02
(064) 秋桜や小箱近づく無人駅 治部03
1 柳町
2 中津川 列車を小箱と表現しているのでしょ
う。無人駅の様子が浮かびます。
(065) 蒼き富士坂から望む秋の暮れ 深瀬16
(066) 野辺送り 朋なき空に 赤蜻蛉 小野寺09
1 豊 「朋なき」という句がほかにもあります
が、同じ作者でしょうね。亡くなった方はよ
ほどの親友だったのでしょう。赤蜻蛉はその
人の魂かもしれません。
2 深瀬 亡くなった人が、なにかに生まれ変わ
り、身近にただよっているのではないかとい
う感覚は、普遍的なものだと思います。夕焼
け小焼けの赤蜻蛉もなにかさみしい感じです。
3 治部
(067) 虫集く一人深夜の露天風呂 治部04
1 深瀬 深夜の露天風呂に入っていると、ぽつ
んとついた常夜灯に虫がたくさん集まってい
る。あまり体験することのない風景でもあり、
印象的です。
(068) 水澄みて 流転の底に わが生命(いのち) 小野寺04
(069) 黒雲の上は茜の雲の峰 橋本06
(070) 闇や猫の怪しき気配して 治部01
1 秋元
(071) 電線をよぎって沈む秋夕陽 深瀬17
1 豊 電線と夕陽の組み合わせに惹かれました。
秋のもの寂しい夕方の風景をユニークな視点
でとらえています。
(072) 秋さやか 天まで透けて 渡り鳥 志方06
1 吉良 昔子供の頃は空がきれいで渡り鳥の群
れをよくみました。懐かしい句です。
(073) 終活を主業と決めて秋の声 深瀬12
(074) 秋蝶の 羽たたみおり 納屋の屋根 小野寺13
1 齋藤
(075) 古希過ぎて ふる里目指す 鰯雲 森杜瑯01
1 齋藤
2 深瀬 鰯雲というのは、見ていて不思議に思
います。加藤楸邨の「鰯雲人に告ぐべきこと
ならず」は有名ですが、鰯雲には、人の心の
奥底を揺り動かすなにかがあるように感じま
す。
(076) 大和路や古寺の鐘聞く秋の旅 豊05
1 柳町
2 志方
3 橋本 奈良はやはり秋が似合いますか。
4 秋元
(077) いわし雲 宙(そら)の蒼きに 鳶(とび)が鳴き 小野寺07
(078) 彼岸花 紅に魅かれて 畠中を 志方05
(079) 図書室の窓辺に潜む秋の声 深瀬13
------
追記
選句にあたり、下記のコメントが寄せられています。ご参考までに掲載させ
ていただきました。
・下記の7 作を選句しました。楽しませて頂いておりますが、素人である私が
自分の好みのまま皆様の労作から選句させてもらっていることに多少の申し訳
なさを感じております。 (齋藤宏文さん)
・秋の風情が見事に詠み込まれている秀句ばかりで、真に選ぶのに苦労しまし
た。以上ですが、半分以上の句が素晴らしいと思います。 (志方さん)
2017年8月29日火曜日
七句会 第二十一回目のネット句会 七句会交差点 第02号
七句会
第二十一回ネット句会参加各位
第二十一回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けすること
にします。今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
今回は、七句会の案内を出した方、全員にご参考までにお送りすることにし
ました。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ には、掲載したいと思っ
ています。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
(1) 小野寺さんの自句自解
078 打ち水を 避けて 町屋は暮れにけり
豊さんが解説してくださった通り
京都の町は夏が暑く、打ち水が風物詩です。
昼間の暑いさかりの 打ち水を避けて 夕暮れが
迫ってきている。白っぽい暑さが 気がつけば
夕暮れに変わってきている、長い歴史に裏打ちされた
京都の町屋は 時間の移ろいとともに絵になる風景でもあります。
090 宵宮に 浴衣のひとの 薄化粧
深瀬さんが的確に解説してくださったとおり
宵宮は祭りの前夜祭のようなもので氏子は粛々と
装束を清めております。静粛な佇まいの宵闇が迫る中に
浴衣の君は 薄化粧なのです。志方さんの想像の通り
薄化粧が 美しく 蠱惑的なのです。。
054 陽だまりに 影落としけり 夏の蝶
少年の頃 蝶の採集が好きで宝石のような緑シジミや
ルリタテハ。オオムラサキなどを追いかけておりました。
夏のひだまりにいた 瑠璃色をしたルリタテハの濃い
影は今でも蝶を追いかけた日の心象風景です。
058 夕菅や 時雨て荒れ野 夏木立
学生時代に行った尾瀬の風景です。
夕菅草が 荒れ野に一面に咲き乱れ
時雨た荒れ野の向こうに 夏木立がおぼろに見え
かっこうが啼いておりました。
060 藍染の浴衣着流し 乱れ髪
宵宮に行った浴衣のひとは藍染の浴衣を着流して
おり、黒髪が風に吹かれてほつれておりました。
062 佇めば 闇を蛍が夢をひき
少年の頃 岩手の釜石の田舎の蛍は平家蛍で小さい光なのですが
生まれ故郷の母の田舎の福岡の東郷という田舎の蛍は
源氏蛍で 光がつよく大きいのです。
まるで夢のなかを ほたるの 強い光が流れていくような
心躍る 風景でした。蛍の光と夢を引くとしたものです。
066 夕焼けに梅雨あがりたり 草ひばり
東北の田舎町で梅雨が上がるころ 夕焼けの
草むらで まるで夏がくるのを告げるように
草ひばりが啼いていました。
草ひばりの囀りは梅雨明けの時の自然の声でもありました。
068 夏蝶の 羽たたみおり 石清水
少年のひ 宝石のように輝くミドリシジミを追って
クヌギの高い木々をさがしつかれて 石清水のある
沢の岩陰にたどり着き あのミドリシジミが羽をたたんでいるの
を見たときの心臓の鼓動は 今でも石清水の冷気と
ともに強く心を揺さぶります。
季重なりですが ご容赦。
072 海染めて ゆらりと眩しあかね雲
雲は光を呼吸する、という詩を作ったほど雲は生きて
呼吸するように思います。静寂のなかで ゆっくりと
海一面をあかく染めて落ち行く落日は 大自然がおりなす
一幅の画でもあります。
074 とほき日の 青き匂ひや 栗の花
都会育ちの人にはわかりにくいかもしれません。
蝶を追って山野を駆け巡った少年時代
一面の栗畑に出くわしたときに かいだ
栗の花の むせかえるような強烈な匂いは
男がオスとして人生を生きていくための匂いでもありました。
東北地方では男の子が生まれると 栗の木を植える
風習があります。人生の荒波を乗り越えられるように
との先祖からの贈り物でもありました。
今万感の想いをこめて 栗の花の句をつくりました、
(2) 中津川さんの自句自解、等
私の句が6点句となって驚いています。兼題 汗 への投句が少なかったこと
がこの結果になったのでしょう。
深瀬さんの5点句の 手にもつ鎌に汗ひかり の表現が素晴らしく感心してい
ます。
背の汗に 峠の風や 富士仰ぐ
7月の初旬に東海道での左富士で有名なさった峠を歩きました。
坂道を登り切った峠でリュックをおろして小休止した時に、背中にかいた汗が
吹いてきた風にスーッと引いた感じがしました。
最後の5文字は「左富士」、「富士遥か」、「富士仰ぐ」などいろいろ考え
ましたが、高さ日本一の富士で仰ぐとしました。
花火に関しては隅田川のような大規模なものから、線香花火の手花火まで、
また景観や見物の人の様子まで幅広く、選句には大変迷いました。
(3) 森杜瑯さんのコメント
深瀬さん
先週、家内と四国松山に行って来ました。松山は正岡子規の出身地らしく、
俳句を作るのが盛んです。提示してあった俳句の中で、私が気に入った句を一
つ。
「観念の眼を閉じており 春の夢」
俳句仲間は、お互い、80歳の加山雄三を目指して、頑張れる句を創りましょう
。
(4) 豊さんの自句自解、等
○最高点句「背の汗に 峠の風や 富士仰ぐ」について
最初にこの句を読んだとき「富士仰ぐ」という表現に引っかかったので、選
びませんでした。
しかし、選んだ人たちの鑑賞文を読んでいるうちに、なるほどいい句だな、
と思い直しました。
私の読みの浅さを反省した次第です。
「富士仰ぐ」という言葉を他の言葉に変えられないかと考えましたが、やは
りこれしかないようです。
○自句自解 「 吊り橋の汗も引っ込む高さかな」
この句は最初は「吊り橋の冷や汗高所恐怖症」でした。私は高所恐怖症なの
で、深い谷を渡る吊り橋は苦手です。
吊り橋の下を見ると怖くて、それまで山を歩いてきた汗が引っ込んでしまう
、ということを表現したかったのですが、十分に伝え切れていなかったようで
す。
○自句自解 「紙中より動くものある曝書 (ばくしょ) かな」
曝書とは、本を虫干しすることです。本棚にしまってあった本を天気のいい
日に虫干ししたら、ページの間から小さな虫が出てきた、という意味です。
動くものは必ずしも虫とは限りません。かつて愛読していた本の思い出が久
しぶりによみがえってきた、という解釈も成り立ちます。
選んでくれた方はそれをわかっていただけたたようで、うれしかったです。
(5) 深瀬の自句自解、等
花火は、身近なようでいて身近でない感じがして、想像で作ったという感じ
です。
この歳になると、終着に近いこれまでの人生を、一瞬の華やかさの後、闇に
消えていく花火に重ね合わせたりしたくなります。
・ぽとと落ち線香花火や闇の中
・ひゅうどんぱっ来し方見れば花火如
・鎮魂の花火に気持ち重ねけり
・圧巻の花火の後の無の世界
また、サラリーマン時代に組織の目標管理に追われ、花火どころではなかっ
たことを思い返しました。
・PDCA抜け出し花火しみじみと
その他、下記のような感じです。
・鉄橋の電車にバンザイ花火かな (多摩川の鉄橋あたりを想像しました。)
・寝たきりの母花火聞き目は遠く (聴覚は最後まで残るそうです。)
・両国の橋と花火に小舟群れ (浮世絵のポスターを見て。)
・妻とお茶ビルの影から花火咲く (全くの想像です。)
・三歳児花火持つ手の緊張し (孫が三歳。自分の子供のころと重ねて。)
汗は、暑さから身を守る生理的なものですが、なにかと真剣に向き合う姿勢
を象徴するものにもなっていると思います。そこで、
・落ち武者の汗拭く顔に無念満ち
・老農の手にもつ鎌に汗ひかり
・アマゾンの裸族弓持ち汗耐える
を作りました。
最近の都心の電車は冷房の効きすぎではと思うこともあります。
・電車乗り突き刺す冷気汗拭う
雑詠は、下記のような感じです。
・ひしゃく持ち清水に並ぶ山茶会 (山裾の茶会と清水の取り合わせ。)
・煌めいて清水に揺れる雲と山 (こんこんと湧く清水を想像して。)
・枝豆のみどりさやけし茹であがり (茹で上がりの枝豆の美しさ。)
・枝豆のぺしゃんこふっくら指迷ひ (高級品でないためか。)
・囲碁の後酒に枝豆笑顔満ち (囲碁の殺すか殺されるかと後の世界の対比。)
・怪談も加計森友に席ゆずり (いまだに真相はよく分からない感じです。)
その他
俳句とtwitter について
最近、ネット上のtwitter によって短文で言いたいことをきらくに言うとい
う行為が流行しています(*) 。一方、俳句は短文であっても、そこに自分の美
意識や深層記憶を、ある程度普遍化し圧縮凝縮するというプロセスが入ってい
ると思います。
日本の和歌や俳句は、こうした一種の気持ちの昇華活動が、ことばの選択を
伴いながら、行われてきたのではないかと思います。連句のような世界とは別
に、建設的なコミュニケーション手段としての俳句によるtwitter 的やりとり
とか可能なのか、少し気になります。
(*) アメリカ大統領は、施政方針をtwitter で表明し、中国では党方針の妨
げとなるtwitter の削除に追われているようです。
第二十一回ネット句会参加各位
第二十一回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
およせいただいたものを、名前順に、ほぼそのまままとめてお届けすること
にします。今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
今回は、七句会の案内を出した方、全員にご参考までにお送りすることにし
ました。
七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ には、掲載したいと思っ
ています。
今後とも、よろしくお願いいたします。
深瀬 (事務方)
(1) 小野寺さんの自句自解
078 打ち水を 避けて 町屋は暮れにけり
豊さんが解説してくださった通り
京都の町は夏が暑く、打ち水が風物詩です。
昼間の暑いさかりの 打ち水を避けて 夕暮れが
迫ってきている。白っぽい暑さが 気がつけば
夕暮れに変わってきている、長い歴史に裏打ちされた
京都の町屋は 時間の移ろいとともに絵になる風景でもあります。
090 宵宮に 浴衣のひとの 薄化粧
深瀬さんが的確に解説してくださったとおり
宵宮は祭りの前夜祭のようなもので氏子は粛々と
装束を清めております。静粛な佇まいの宵闇が迫る中に
浴衣の君は 薄化粧なのです。志方さんの想像の通り
薄化粧が 美しく 蠱惑的なのです。。
054 陽だまりに 影落としけり 夏の蝶
少年の頃 蝶の採集が好きで宝石のような緑シジミや
ルリタテハ。オオムラサキなどを追いかけておりました。
夏のひだまりにいた 瑠璃色をしたルリタテハの濃い
影は今でも蝶を追いかけた日の心象風景です。
058 夕菅や 時雨て荒れ野 夏木立
学生時代に行った尾瀬の風景です。
夕菅草が 荒れ野に一面に咲き乱れ
時雨た荒れ野の向こうに 夏木立がおぼろに見え
かっこうが啼いておりました。
060 藍染の浴衣着流し 乱れ髪
宵宮に行った浴衣のひとは藍染の浴衣を着流して
おり、黒髪が風に吹かれてほつれておりました。
062 佇めば 闇を蛍が夢をひき
少年の頃 岩手の釜石の田舎の蛍は平家蛍で小さい光なのですが
生まれ故郷の母の田舎の福岡の東郷という田舎の蛍は
源氏蛍で 光がつよく大きいのです。
まるで夢のなかを ほたるの 強い光が流れていくような
心躍る 風景でした。蛍の光と夢を引くとしたものです。
066 夕焼けに梅雨あがりたり 草ひばり
東北の田舎町で梅雨が上がるころ 夕焼けの
草むらで まるで夏がくるのを告げるように
草ひばりが啼いていました。
草ひばりの囀りは梅雨明けの時の自然の声でもありました。
068 夏蝶の 羽たたみおり 石清水
少年のひ 宝石のように輝くミドリシジミを追って
クヌギの高い木々をさがしつかれて 石清水のある
沢の岩陰にたどり着き あのミドリシジミが羽をたたんでいるの
を見たときの心臓の鼓動は 今でも石清水の冷気と
ともに強く心を揺さぶります。
季重なりですが ご容赦。
072 海染めて ゆらりと眩しあかね雲
雲は光を呼吸する、という詩を作ったほど雲は生きて
呼吸するように思います。静寂のなかで ゆっくりと
海一面をあかく染めて落ち行く落日は 大自然がおりなす
一幅の画でもあります。
074 とほき日の 青き匂ひや 栗の花
都会育ちの人にはわかりにくいかもしれません。
蝶を追って山野を駆け巡った少年時代
一面の栗畑に出くわしたときに かいだ
栗の花の むせかえるような強烈な匂いは
男がオスとして人生を生きていくための匂いでもありました。
東北地方では男の子が生まれると 栗の木を植える
風習があります。人生の荒波を乗り越えられるように
との先祖からの贈り物でもありました。
今万感の想いをこめて 栗の花の句をつくりました、
(2) 中津川さんの自句自解、等
私の句が6点句となって驚いています。兼題 汗 への投句が少なかったこと
がこの結果になったのでしょう。
深瀬さんの5点句の 手にもつ鎌に汗ひかり の表現が素晴らしく感心してい
ます。
背の汗に 峠の風や 富士仰ぐ
7月の初旬に東海道での左富士で有名なさった峠を歩きました。
坂道を登り切った峠でリュックをおろして小休止した時に、背中にかいた汗が
吹いてきた風にスーッと引いた感じがしました。
最後の5文字は「左富士」、「富士遥か」、「富士仰ぐ」などいろいろ考え
ましたが、高さ日本一の富士で仰ぐとしました。
花火に関しては隅田川のような大規模なものから、線香花火の手花火まで、
また景観や見物の人の様子まで幅広く、選句には大変迷いました。
(3) 森杜瑯さんのコメント
深瀬さん
先週、家内と四国松山に行って来ました。松山は正岡子規の出身地らしく、
俳句を作るのが盛んです。提示してあった俳句の中で、私が気に入った句を一
つ。
「観念の眼を閉じており 春の夢」
俳句仲間は、お互い、80歳の加山雄三を目指して、頑張れる句を創りましょう
。
(4) 豊さんの自句自解、等
○最高点句「背の汗に 峠の風や 富士仰ぐ」について
最初にこの句を読んだとき「富士仰ぐ」という表現に引っかかったので、選
びませんでした。
しかし、選んだ人たちの鑑賞文を読んでいるうちに、なるほどいい句だな、
と思い直しました。
私の読みの浅さを反省した次第です。
「富士仰ぐ」という言葉を他の言葉に変えられないかと考えましたが、やは
りこれしかないようです。
○自句自解 「 吊り橋の汗も引っ込む高さかな」
この句は最初は「吊り橋の冷や汗高所恐怖症」でした。私は高所恐怖症なの
で、深い谷を渡る吊り橋は苦手です。
吊り橋の下を見ると怖くて、それまで山を歩いてきた汗が引っ込んでしまう
、ということを表現したかったのですが、十分に伝え切れていなかったようで
す。
○自句自解 「紙中より動くものある曝書 (ばくしょ) かな」
曝書とは、本を虫干しすることです。本棚にしまってあった本を天気のいい
日に虫干ししたら、ページの間から小さな虫が出てきた、という意味です。
動くものは必ずしも虫とは限りません。かつて愛読していた本の思い出が久
しぶりによみがえってきた、という解釈も成り立ちます。
選んでくれた方はそれをわかっていただけたたようで、うれしかったです。
(5) 深瀬の自句自解、等
花火は、身近なようでいて身近でない感じがして、想像で作ったという感じ
です。
この歳になると、終着に近いこれまでの人生を、一瞬の華やかさの後、闇に
消えていく花火に重ね合わせたりしたくなります。
・ぽとと落ち線香花火や闇の中
・ひゅうどんぱっ来し方見れば花火如
・鎮魂の花火に気持ち重ねけり
・圧巻の花火の後の無の世界
また、サラリーマン時代に組織の目標管理に追われ、花火どころではなかっ
たことを思い返しました。
・PDCA抜け出し花火しみじみと
その他、下記のような感じです。
・鉄橋の電車にバンザイ花火かな (多摩川の鉄橋あたりを想像しました。)
・寝たきりの母花火聞き目は遠く (聴覚は最後まで残るそうです。)
・両国の橋と花火に小舟群れ (浮世絵のポスターを見て。)
・妻とお茶ビルの影から花火咲く (全くの想像です。)
・三歳児花火持つ手の緊張し (孫が三歳。自分の子供のころと重ねて。)
汗は、暑さから身を守る生理的なものですが、なにかと真剣に向き合う姿勢
を象徴するものにもなっていると思います。そこで、
・落ち武者の汗拭く顔に無念満ち
・老農の手にもつ鎌に汗ひかり
・アマゾンの裸族弓持ち汗耐える
を作りました。
最近の都心の電車は冷房の効きすぎではと思うこともあります。
・電車乗り突き刺す冷気汗拭う
雑詠は、下記のような感じです。
・ひしゃく持ち清水に並ぶ山茶会 (山裾の茶会と清水の取り合わせ。)
・煌めいて清水に揺れる雲と山 (こんこんと湧く清水を想像して。)
・枝豆のみどりさやけし茹であがり (茹で上がりの枝豆の美しさ。)
・枝豆のぺしゃんこふっくら指迷ひ (高級品でないためか。)
・囲碁の後酒に枝豆笑顔満ち (囲碁の殺すか殺されるかと後の世界の対比。)
・怪談も加計森友に席ゆずり (いまだに真相はよく分からない感じです。)
その他
俳句とtwitter について
最近、ネット上のtwitter によって短文で言いたいことをきらくに言うとい
う行為が流行しています(*) 。一方、俳句は短文であっても、そこに自分の美
意識や深層記憶を、ある程度普遍化し圧縮凝縮するというプロセスが入ってい
ると思います。
日本の和歌や俳句は、こうした一種の気持ちの昇華活動が、ことばの選択を
伴いながら、行われてきたのではないかと思います。連句のような世界とは別
に、建設的なコミュニケーション手段としての俳句によるtwitter 的やりとり
とか可能なのか、少し気になります。
(*) アメリカ大統領は、施政方針をtwitter で表明し、中国では党方針の妨
げとなるtwitter の削除に追われているようです。
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