七句会のみなさま
第十二回の七句会に参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回の4 点句から3 点句は、下記のようでした。
4 点句
(040) 嘘ですと 言った言葉に 紅がさす 秋岡03
(041) 亡き母に嘘つき記憶老ひてなほ 深瀬03
(067) 南禅寺はやき疎水に春の風 小幡04
(092) 読み掛けをまた読み返す春麗(うらら) 土川03
3 点句
(004) 春霞 花散る 野辺に 友の逝き 小野寺08
(005) 霞野に春告げ蛙田植え待つ 秋元32
(007) 朝かすみ父母のふるさとひっそりと 深瀬01
(008) 花霞 分け入る子らの 声包む 吉良02
(050) 気落ちして折れる心に春つなぐ 秋元08
(062) 折れてなお 春風受けて 夢に立つ 杜瑯05
(069) 春半ば 宿りし生命(いのち) 風はらみ。 小野寺07
(073) 山椒の 若芽の先に 春薫り 小野寺01
(088) 畔道(あぜみち)の 轍(わだち)の跡に 春蓮華 小野寺02
(109) 花びらの空飛び地這う万華鏡 深瀬13
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、7 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、
よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見がありましたら、
ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 今回から本格的に投句/ 選句に参加された駒東卒以外の方のご紹介 (再掲)
・秋岡さん 阪大、川崎重工 (長谷川さんと仕事仲間) 、霞光会、現在神戸に
ご在住。
・秋元さん 白金小学校 (古川さんと同級) 、早大機械、日本航空、霞光会。
・野口さん 早大政経、川崎重工 (長谷川さんと仕事仲間) 。NPO 環境ベテラ
ンズファーム( http://www.evfjp.org/ ) にも参加。
(2) 兼題の募集について
前回同様、次回の句会の兼題を募集します。6 月26日 (金) までに、事務方
まで送っていただければ幸いです。
(3) 投句や選句の数の公平性について
一人で何句まで投句できるかという規定を設けてはいますが、運用はかなり
柔軟です。句会本来の選句という立場からはやや問題があるようにも思います
が、俳句の発表の場でもあるといった位置づけもあると思い、今回も厳密には
適用しませんでした。
この辺について、ご意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。
2015.05.07
代表 橋口侯之介 (休会中)
事務方 深瀬久敬
1.兼題 霞
(001) 春霞重ねて見たいこの景色 橋本01
(002) 雪一夜露天に眺む春霞 秋元02
(003) 山裾に 霞たなびき 墨絵かな 鳥海02
西行のように花のころに 逝きたいといいながら、
現実に野辺送りとなった友を悼み
(004) 春霞 花散る 野辺に 友の逝き 小野寺08
1 森
2 吉良
3 深瀬 だらだらと長生きすることには抵抗がありますが、
比較的若くして、老いの境涯を味わうことなく逝ってし
まうことにもなにかさみしさを禁じ得ません。友のそう
した無念のようなものを強く感じました。
(005) 霞野に春告げ蛙田植え待つ 秋元32
1 野口
2 秋岡 ほのぼのとした昔の風景と音が思い浮かべられま
す。
3 小野寺 歯切れのいい リズミカルな語感が遠い記憶の
蛙の声と重なり春待ちの心に響きます。
(006) 後期高齢に雲霞の如し弱気かな 澤藤02
(007) 朝かすみ父母のふるさとひっそりと 深瀬01
1 志方 しみじみとした情感がつたわってきます。
2 治部 春の彼岸に里帰りをしたのでしょう。懐かしい気
持ちになります。
3 小幡
(008) 花霞 分け入る子らの 声包む 吉良02
1 土川 声だけが聞こえるほどの濃い霞でしょうか。
2 治部 一面の菜の花畑が目にうかびます。
3 中島
(009) 朝霧に車窓に霞む屋根瓦 秋元31
1 橋本
(010) 音無しや 佐久平には 春霞 古川14
1 中島
(011) 鳥騒ぎ霞流れる霞台 中島01
1 鳥海
(012) 山河あり 霞まといて 水墨画 鳥海03
1 中津川
2 小野寺 春霞の山河そのものが水墨の絵の世界です。
(013) 桜咲く成田の里の春霞 秋元01
1 治部 桜咲くは受験合格の合言葉でした。この場合はス
タートホールのナイスショットですかね。
(014) 瀬戸内の 霞の向こう 光る海 秋岡01
1 土川 手前が霞で、遠くが晴れている高台からの眺めで
しょうか。
2 柳町
(015) わが眼鏡度数も合わず春霞かな 澤藤01
1 野澤
(016) 雨止みて霞となりて花飾る 中島02
1 澤藤
(017) 古都霞み 鴨川ひと筋 流れけり 吉良03
1 土川 京都の情景がイメージできますね。
(018) ゆらゆらと霞みの向こうの高きビル 小幡01
(019) 尻上がり晴れて霞をやり過ごす 秋元03
(020) 霞立つ里山めぐる夕の鐘 深瀬02
1 秋元
2 吉良
(021) 霞から透けし下界の小ささよ 土川01
(022) 通帳を 眺める瞼に 春霞 野澤02
1 鳥海
2 橋本 春が霞むのでしょうか、春霞がかかったように見
えたのか
(023) 霞みゆく 山部の夕日や 我ひとり 吉良01
1 志方 しみじみとした情感がつたわってきます。
2 柳町
(024) 霞光会(カコウカイ) 楽しい時よ 何時までも 鳥海01
仲間内しかわかりませんが、、、
(025) 楽しみがゴルフで廻る霞光会 橋本03
1 鳥海
(026) 梅の香を 漂いかくす 春霞 柳町02
1 秋元
(027) 嘘隠す 霞立ち込め 過ぎた春 鳥海11
1 柳町
最近は自然現象の黄砂以外にPM2.5 も一緒に運ば
れて来るらしい
(028) 黄砂外粒子も混じる霞む空 橋本02
(029) 大利根のたゆとう流れ春霞 秋元33
1 吉良
2 中津川
(030) 春霞 君の回復 待ちわびる 古川13
1 鳥海
色あせたアベノミックスに一言
(031) バズーカも霞のかなたに消え失せた 志方07
(032) 霞立つ春はうららの雪の中 秋元17
1 柳町
(033) 瀬戸内の 霞に浮かぶ 新子ぶね 秋岡02
2.兼題 嘘
(034) 思案する相手も痛まぬ上手い嘘 橋本06
1 野澤
(035) おじいさん鏡の中のうそだろう 小幡02
(036) 初詣 鷽替え願い 嘘を付き 鳥海04
(037) 妻に嘘見抜かれたかと春の宵 深瀬04
(038) 嘘あらば髭撫づる癖葱坊主 土川02
(039) 実像虚像いずれが嘘の人生か 澤藤04
(040) 嘘ですと 言った言葉に 紅がさす 秋岡03
1 鳥海
2 柳町
3 深瀬 「紅がさす」のは、言った人なのか、言われた人
なのか、安堵のためか、怒りのためか、などいろいろな
解釈があると思いました。そうした複雑な心情が「紅が
さす」にやわらかく包み込まれているように思いました。
4 小幡
(041) 亡き母に嘘つき記憶老ひてなほ 深瀬03
1 吉良
2 中津川
3 治部 振り返れば母にはずいぶんと嘘をついてきたなあ。
でもばれていたろうな。
4 橋本
(042) 春の雪季節はずれの怖い嘘 中島03
(043) うそ泣きす孫の顔みて消防車 小幡03
(044) 相続は 嘘つく者の 一人勝ち 野澤03
私はバーディーはおろか、パーもほとんどないんで
すが。以下2句。
(045) 嘘つきさ バーディーなのに パーといい 古川07
1 中島
(046) 大嘘さ イーグルなのに パーといい 古川08
(047) 嘘が嘘 何が真実 霞かな 鳥海05
3.兼題 春
(048) 春雨に 矢切の渡し のどかなり 鳥海06
(049) 春の宵 乱れし髪に 風光り 小野寺04
(050) 気落ちして折れる心に春つなぐ 秋元08
1 森
2 秋岡 何か元気をなくす出来事があっても春になればま
た元気を出そうというところがいいです。
3 橋本
(051) 春が来て 四十年目の 花粉症 野澤01
先日気の合った仲間との野辺歩きに。以下2 句。
(052) 春雨にさえずる雲雀畑中を 志方05
(053) 逝く春に矢切りの渡しで水紀行 志方06
(054) 重き過去わき上がりきて春愁ふ 深瀬09
1 小野寺 春の愁いを引きずる切ない情感が浮かびあがっ
てくる深い句ですね。人生はいつも悔いとの綱引きです。
(055) 丹田に入れたる力春を呼ぶ 秋元05
1 鳥海
(056) 春うらら、まつ毛に宿る 金鳳花(きんぽうげ) 小野寺05
(057) 川堤桜揃いて春満開 橋本05
1 野澤
(058) 赤城背に 菜の花畑 春到来 古川10
1 柳町
(059) 春雨に 薔薇の若芽 は眠りおり。 小野寺11
(060) ゆきやなぎ 白くふくれて 春を知る 柳町03
1 小幡
(061) お掘り越し高層ビルや春陽受け 深瀬06
1 中津川
(062) 折れてなお 春風受けて 夢に立つ 杜瑯05
1 志方 奮い立つ気持ちが素直につたわります
2 深瀬 ややひるんだ気持ちを、春風を受けながら毅然と
して前を向いて克服していく姿勢が力強く詠まれている
と感じました。
3 小野寺 春風駘蕩 一敗地にまみれても 立ち上がる強
い思いを感じます。
かってこの時期、上智大学の土手のレンギョウをよ
く丸の内線の車窓から眺めていたことを思い出し
(063) レンギョウに去りゆく春の八重桜 志方04
1 秋元
2 小野寺 春が来ると、ソフィアの土手はレンギョウの黄
色と桜の花びらでした。恬淡として媚びないしなやかな
心の動きを感じます。
(064) 花咲きて 鶯鳴きて 春きたり 鳥海13
(065) 野いばらの 淡い緑を 春が逝き。 小野寺03
(066) 春の宵汗ばむからだ湯に沈め 深瀬11
1 中島
久しぶりに京都を散策して。以下2 句。
(067) 南禅寺はやき疎水に春の風 小幡04
1 秋元
2 土川 哲学の道に春が来ていますね。
3 深瀬 「南禅寺」と「はやき疎水」に、京都の春の風情
が、ありありと描写されていて、日本の伝統的な美意識
を強く感じました。
4 小野寺 南禅寺の清らかな疎水の瀬に春を感じる心の余
裕がいいですね。
(068) 春霞み湯葉の味覚と鐘の音 小幡05
1 秋元
2 治部 湯葉大好きです。鐘の音が聞こえるところでいた
だけば尚更に美味しいでしょう。
(069) 春半ば 宿りし生命(いのち) 風はらみ。 小野寺07
1 土川 初めての子どもでしょうか、喜びとともに不安も
感じられます。
2 吉良
3 中津川
(070) 季節春夏の初めの別称哉 中島04
(071) 春愁や深夜テレビに独り言 深瀬08
(072) 春一番 吹いてさそう 眠気さま 柳町01
1 野澤
(073) 山椒の 若芽の先に 春薫り 小野寺01
1 秋元
2 志方 山椒の味わいが想像されます。
3 治部 山椒の香りは春ですね。我が家の庭にもいつの間
にか山椒の落ち生えが。
(074) 若葉寒 春のいたずら 雪桜 古川12
(075) 飯館村 春一番の 美しさ 中島05
あっという間に花満開で、もう葉桜の季節で、今年
の花見は当て外れた人が多いようです。以下3 句。
(076) 花散らし芽吹いた若葉に老い桜 志方01
1 森
(077) 春宵に水面に映る残照や 志方02
(078) 春惜しむ煙雨の中の芽ヤナギが 志方03
(079) 風香る 春の夕べに 生命(いのち)萌え。 小野寺06
1 森
(080) 春愁やガラス窓落つ雨の粒 深瀬10
1 野口
(081) 目を閉じて 春や故郷 赤城山 古川11
(082) 春風や樫の葉揺れて光舞う 橋本04
1 吉良
1 中島
(083) 朝霧に蛙鳴く田に春を告げ 秋元30
1 志方 田舎の懐かしい風景が思い出されます
(084) 春雷を いまわの際に 空(そら)で 聴き。 小野寺09
(085) 春一番最後に吹かせ大風を 澤藤03
(086) 飲み会のはめ外したし春の宵 深瀬07
(087) 風誘う梢の芽吹き春近し 秋元13
(088) 畔道(あぜみち)の 轍(わだち)の跡に 春蓮華 小野寺02
1 秋元
2 深瀬 畦道の轍の跡に蓮華の花が咲いているという普通
ではあまり気づかない情景だと思います。芭蕉の「よく
みればなずな花咲く垣根かな」も連想されましたが、人
間の生活のなかでの自然の営みであり、ユニークだと思
いました。
3 中津川
(089) 木洩れ日に春待ち望む木瓜蕾 秋元14
(090) 河川敷友と笑いつ春ゴルフ 深瀬05
1 秋岡 楽しい句です
(091) 春風に腰折れゴルフ今一つ 秋元18
(092) 読み掛けをまた読み返す春麗(うらら) 土川03
1 野口
2 澤藤
3 治部 あるある。なかなか先へ進めない今日この頃です。
4 野澤
(093) 鶯や 初鳴きの春 飛球行く 古川09
1 橋本 鶯の初鳴きを聞きながらのティーショット、行方
はともかく、、、
(094) 花冷えの白い 椿に 春が暮れ。 小野寺10
(095) 氷雨降る春の椿事は葉桜に 秋元16
1 森
4.雑詠 (有季語)
(096) 菜の花の店先ならぶ旬の風 秋元12
1 土川 旬の風の表現がとてもいいですね。
(097) さえずりの空に響きてしみ入れり 深瀬16
(098) 荒(すさ)ぶ南風(はえ) わが胸ゆする 夢運び 杜瑯01
(099) 白鷺の桜に映える白壁の 秋元04
1 中津川
(100) ゆずられて 陽だまり寂し シルバー席 杜瑯04
1 秋岡 席を譲ってもらい温かい心に触れた反面年寄り扱
いされるのも寂しいものです
2 野澤
(101) 寒戻り 凍える手には 椿かな 鳥海09
(102) 葉桜の雨にうたるる夢の跡 深瀬12
1 土川 葉桜に雨は悲しいですね。
2 志方 往く春の余韻が伝わります
(103) 寒戻り 雪と桜の 二重奏 鳥海10
(104) 便りなき子らを思ひて夕桜 土川04
1 小幡
(105) 川原に露天楽しむ雪の中 秋元10
(106) 締められる 前に返そう ホワイトディ 鳥海08
(107) のどかさに地球宇宙の過去思ふ 深瀬25
(108) うりずん(若夏)と 歌いし友に 花開く 杜瑯06
(109) 花びらの空飛び地這う万華鏡 深瀬13
1 秋岡 花弁の飛ぶ姿を万華鏡につなげて色鮮やかさが想
像できます
2 吉良
3 橋本
(110) さえずりに孫の笑顔を重ねけり 深瀬15
(111) 胸元に薔薇の香りが麗しき 秋元09
1 野口
2 中島
(112) 無限といふ時空の中の蚊の交尾 土川06
1 深瀬 驚愕の一句でした。無限の時空と蚊の交尾の取り
合わせには、科学や文学を超越した宇宙と生命を一括り
に包摂する深遠さを感じました。
(113) 白梅の うつり香残し 別れ酒 杜瑯03
(114) 新緑に あとを託して 散る桜 治部01
1 澤藤
2 秋岡 桜の落花とあわせ老境の境地を言い表しているか
のようで寂しいですが現実です。
(115) さえずりや生のよろこび斜め聞く 深瀬14
(116) しぐれ陽に寒さこらえる寒椿 秋元15
1 小幡
(117) 友と行く 野菊の路に ヒバリ鳴く 鳥海07
(118) 釣り堀に魚跳ねる音空のどか 深瀬17
(119) 草津の湯湯畑けむる雪一夜 秋元11
(120) 西表(いりおもて) 回想破る 熱き風 杜瑯02
(121) 那覇の夜舜の間に咲く酔い桜 秋元07
(122) 紅梅の一輪だけが我を向く 土川05
1 中島
(123) うりずん (若夏)に散る桜花さわやかに 秋元06
5.雑詠 (無季語、川柳)
(124) ゴルフとはへたとは云えず我が道を 秋元20
(125) 再会を 約して握る 老いたる手 秋岡05
1 野澤
(126) ロボットに託す思いは裏切られ 秋元24
(127) めがねどこ額にかけて探しおり 深瀬22
1 林
(128) てんこ盛り季語にうつけるもの知らず 秋元26
永遠の零というテレビ映画を見て、以下3 句。
(129) 永遠(とわ)の零 とわれる作者の 評価ゼロ 古川01
(130) 制作者 問われる学習 能力ゼロ 古川02
(131) 問われれば アベノミックス 価値はゼロ 古川03
(132) 爆買いで 尖閣残し 他買われ 鳥海12
1 橋本 何事もほどほどにしてほしいものですが、、、
(133) 何故と問う深瀬の底に清き水 秋元29
この物質界は、物質と反物質の対称性が崩れた結果、
生まれたと聞いて
(134) 意識にもあるか問いたし反意識 深瀬20
(135) 潮流は開発盾に覇権主義 秋元36
(136) 集いしは 投資セミナー 老いばかり 秋岡04
1 小幡
(137) けつの穴身体に咲かす徒花か 秋元23
(138) 六十路坂くだりて老境垣間見る 深瀬24
右翼街宣車の騒音に悩まされ、以下3 句。
(139) 主張せよ 領土返せと モスクワで 古川04
(140) 主張せよ 竹島返せ ソウルにて 古川05
(141) 主張せよ 尖閣は日本 北京にて 古川06
(142) ゴルフ道スコアアップはアプローチ 秋元22
1 鳥海
(143) 介護終え 次は我が身と 遺書記す 野澤06
1 深瀬 なにかその痛切さに胸騒ぎを覚えました。介護の
果ての看取りは、喪失感と安堵感の入り交じった複雑な
ものがあると思います。そういうなかで、次は我が身と
思う気持ちには、なにかさみしいものを感じてしまいま
した。
2 小幡
(144) 背泳で触れたる手先八十路かな 秋元28
(145) 残り日々いかに生きるか重き問ひ 深瀬18
1 秋岡 重い句だと思います。ずしんと胸に来ます。
(146) 母偲ぶ 四十九日に 姉妹なし 野澤05
(147) ゴルフ道道具にかけるわが命 秋元21
(148) 安倍君の嘘付番付日本一 中島07
(149) 父母の遺志 継いで残った ローンかな 野澤04
1 野口
(150) ふと見れば老いの装い足元に 秋元25
(151) 人間の言葉意識を客観化 深瀬21
(152) 丹田に入らぬ力ミスショット 秋元19
(153) 安倍君は国会内の放射能 中島06
1 志方 除染しなっくちゃ
(154) 円安の恵み偽る日本買 秋元35
(155) 死に向かい安逸願ひ俳句詠む 深瀬23
(156) 尖閣の意趣返しか日本買 秋元34
(157) どう生きてどう死ぬか問ふ老後日々 深瀬19
(158) チリワイン飲めば飲むほどはまり込む 秋元27
1 野口
追記
選句にあたってのみなさんからの一言です。
参考になるように思いましたので、無断ですが、掲載させていただきました。
順不同です。
・中島さん
やはり理解でき共感できる観点からです。
・橋本さん
力作多く困りましたが、以下の七句を選びました。
・野澤さん
引っ越し先の関係でメールアドレスを換えました。
今回の選句は番号のみでコメント無しで申し訳ありません。
・治部さん
皆さん上手で恐れ入りますね。
次は、自分も頑張ります。
・中津川さん
初めて選句してみます。
すごい数ですね。頭が混乱します。
読んでみてふっと情景が浮かんだ句を選んでみました。
・柳町さん
皆さんとても上手なので選ぶのに苦労しました。
・吉良さん
絵画的で、感傷的な俳句を好むため毎回同じような傾向になっているかもし
れません。宜しくお願いします。
・秋岡さん
奥の深い、味わいのある句ばかりで、なかなか選句するのも難しいのですが
、共感するというただその一点から以下の7句を選句させて頂きました。
・志方さん
新メンバーも加入されたようで、一気にれべるが高くなったようで、アマチ
ア野球に大リーガーが入ったみたいです。選句に苦労します。俳句として洗練
されているかはどうかとして、自分の感性に響くかどうかで選んでみました。
・澤藤さん
今年も季節の移ろぎを静かに穏やかに感動しました。
春の美しさを詠んだ三句を選びました。
・野口さん
感想 現在は時々、指を折って、5・7・5に入るか試している最中です。
とても季語などは知らず、川柳から入ろうかなと思っております。兼題をいた
だければ何とかなるかな。
情報 チリワインでアルパカの商品名が安くておいしいそうです。小生はフ
ランジア、一本やりです。
・鳥海さん
今回は、秋元さんのお蔭か?数が多い気がします。
さっさと選句をしてしまいました。
レベルの高い句は選んでいません。私のレベルに近い共感出来る句を選びま
した。
・林さん
次回、川柳を3~4出します。
(とのことであったので、選句に参加しませんか、とお誘いしたところ)
小生に可能なのは、自虐的な川柳しかありません。
妻からみか病気からみか老い絡み以外はありません。
今回はメガネが面白いと思いました。この程度ですがよろしいでしょうか?
・土川さん
米国ノースキャロライナより。
・秋元さん
五感に訴える句を選びました。
・小野寺さん
選句はしてあったのですが、選句に対する自分のコメントが遅れました。先
ほどまでスペインのおやじ達との交渉が長引き、いつも締切ぎりぎりですみま
せん。ご容赦下さい。
絵画の発表もそうですが他人の目にさらすということはより厳しく 己をみ
つめなおすことにもつながり、おろそかに作品をつくれなりますね。
追伸 6月7日(日)~13日(土)、有楽町の交通会館一階のパールルー
ムにて会社時代の先輩に母が特別参加して個展を開きます。案内状ができたら
七句会のメンバーにもご紹介くだされれば幸甚です。
以上
2015年5月6日水曜日
2015年2月11日水曜日
第十一回の七句会の選句結果をご報告いたします。
七句会のみなさま
第十一回の七句会に参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回の5 点句から3 点句は、下記のようでした。
5 点句
(076) 夢追いて戦後の日本われら駆け 深瀬02
4 点句
(045) 触れもせず 小百合の寝顔 朝陽さす 志方07
(101) 寒稽古面の内より女児の声 土川03
3 点句
(006) 蝉しぐれ 逝く夏の日に 夢も過ぎ 小野寺08
(008) 夢萎えて 星降る夜に 寒さ知る 柳町01
(031) お正月初孫抱いて夢ごこち 深瀬01
(040) 紅き薔薇 群青に咲く 夢一夜(ひとよ) 小野寺02
(083) 夢に見て夢で終わるかパープレー 治部02
(095) 凧ひとつ夕陽と富士背に空高く 深瀬16
(100) 木枯らしに 耐えて弧空に 残り柿 志方08
(103) 石垣や 師走の古道 百合一輪 橋本05
(105) 一年の無かりしやうに鶴立てり 土川01
(108) 安倍晋三 オレオレ詐欺と 何処違う 中島03
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、4 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、
よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見がありましたら、
ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 新たな参加 (予定) 者のご紹介
今回から秋岡さんが選句に参加されました。次回からは投句にも参加
される予定です。また、野口さんと宮澤さんの参加意向がありましたが、
具体的な参加は次回以降ということになりました。三人の方の簡単なプ
ロフィールは、下記の通りです。
・秋岡稔さんは、阪大経済を卒業され、川崎重工で長谷川さんとお仕事
をし、本社の財務本部長を務められました。ゴルフの霞光会のメンバー
です。駒東11回生相当です。
・野口眞佐 (しんすけ) さんは、早大政経を卒業され、川崎重工で長谷
川さんとお仕事をし、営業& 資材部長を務められました。現在、午前中
はアルバイト的な仕事をされ、さらに、NPO で環境ベテランズファーム
(略称EVF)に参加され、毎月環境 (広く解釈して) に関する見学会、セ
ミナーを行っておられます。
・宮澤猛さんは、東工大を卒業され、橋本さんと同じIHI に勤務されま
した。霞光会のメンバーです。駒東 6回生相当です。
(2) 兼題の募集について
橋本さんから、兼題をみなさんから一人5 つほど募集し、各会の兼題
はそのなかから適宜、2 つ程選定してはどうか、というご提案がありま
した。事務方としては、このご意見には大賛成です。
つきましては、3 月27日 (金) までに、事務方まで送っていただけれ
ば幸いです。
なお、兼題は、一般的に季語そのものとすることが多いですが、必ず
しも季語である必要はありません。季語的な兼題は、4 月上旬ころを意
識したものが好ましいように思います。
なお、兼題とはなにかについては、下記URL 等を参照願います。
http://haiku-nyuumon.com/article/155219160.html
http://www.nhk.or.jp/tankahaiku/haiku_tokusen/index.html
(3) 投句や選句の数の公平性について
投句の数はアンバラスである一方、選句の数は7 句と固定的であるこ
とについて、公平性に欠けるのではないか、というご指摘を受けました。
市井の句会や俳句教室といった指導者 (宗匠) 的な人が行っている句会
では、たしかに、ありえないことのように思います。一方、七句会は、
互いの俳句を通して交流を深めたり、たのしむことを第一義としている
と思います。こうした理解に立ち、当面はあまり句会としての公平性と
いう側面にはこだわらず、現状の感じで進めたいと思っています。その
他ご意見があればよろしくお願いいたします。
2015.02.11
代表 橋口侯之介 (休会中)
事務方 深瀬久敬
兼題句 夢 (兼題「凧」ももつものを含む。)
(001) 今どきは、悪夢もなしに隙な秋 小幡04
(002) 渾身の 冬薔薇の紅(あか)夢となり 小野寺03
(003) 今年こそ 年始の夢を 叶えるぞ 鳥海03
1 古川
(004) ゲバ棒とヘルメットの夢冬の空 深瀬13
1 鳥海
(005) 雪の朝 老いさばらえて 夢を追う 柳町03
(006) 蝉しぐれ 逝く夏の日に 夢も過ぎ 小野寺08
1 秋岡
2 志方 完成された秀作だと思います。
3 森
(007) 正月に 夢追いかけて 冬しぼみ 鳥海01
(008) 夢萎えて 星降る夜に 寒さ知る 柳町01
1 吉良
2 森
3 橋本
(009) 薔薇匂う 夜明けの空に 夢むすび 小野寺14
(010) 昇龍の中国の夢空おおう 深瀬11
(011) 富士さんと 風切る凧に 夢かける 中島01
1 古川
(012) 星月夜 轍(わだち)遥かに 夢のあと 小野寺16
1 吉良
(013) また、一つ消え失す青き春の夢 小幡01
1 志方 若いときには、夢がたくさん実現したのか、泡
ときえたか?
2 橋本
(014) 子や孫の夢が叶うが老いの夢 治部01
1 柳町
(015) 夢叶え と叫ぶわが身の 侘しさよ 柳町02
(016) 初雪や 軌跡を残し 夢紡む 吉良03
1 吉良
2 小野寺 初雪の語感が美しい。
(017) 待ちわびて 夢み心地の 伏し睫毛 小野寺12
(018) 消え失せた 思いや夢を今一度 小幡02
1 古川
(019) もろともに 生きよと 夢の旅支度(じたく) 小野寺20
1 柳町
(020) 偶然と 思いで出会う 夢景色 橋本02
(021) 夢枕 睫毛の奥に 冬の薔薇 小野寺13
(022) 初詣 夢を願いて 幾年か 鳥海02
1 橋本
(023) 冬夜寒 夢見るがごと 星ながれ 小野寺17
1 吉良
(024) 自由とな 紐付き凧や 夢の夢 中島06
1 小野寺 空に舞う凧に己の気持ちをこめていて楽しい。
(025) 夢にまで追いかけし恋枯れすすき 深瀬07
1 澤藤
(026) 僕の夢 いつも裏切る 年の暮れ 鳥海04
(027) 木枯らしや 夢去り独り 北の海 小野寺19
1 志方 風の冷たさと夢の対比がすぐれていますね。
(028) 僕がヒーロー、夢物語の夢をみた 澤藤02
1 古川
(029) 新年に 毎年同じ 夢願い 鳥海09
1 治部 毎年叶う小さな夢に感謝しつつ、なかなか叶わ
ない大きな夢をあきらめない様子がわかります。
(030) 髪ときし 夢まぼろしの 夏の宵 小野寺10
(031) お正月初孫抱いて夢ごこち 深瀬01
1 治部 孫は夢を見させてくれますね。このここちよく
解ります。
2 鳥海
3 橋本
(032) 初詣 夢夢夢に 輝りかえる 吉良02
1 古川
2 治部 活気のある初詣。毎年エネルギーをもらいます。
(033) 小春日に甘き夢みて老いもせず 澤藤01
1 治部 いつまでも忘れることなく若々しくありたいも
のです。
2 小幡
(034) ひとしれず 逝くときは皆 夢一期 小野寺23
1 深瀬 辞世の句には「夢」がよく使われています。人
生は夢のようなものだとする日本人的意識があるようで
す。「~皆 夢一期」はどう解釈するのか迷いますが、
大乗仏教的な示唆があるのでしょうか。
(035) 年初め それでも僕は 夢をみる 鳥海06
1 古川
(036) 六十路朝「いつでも夢を」口ずさむ 深瀬03
1 土川 あれから50年、この歌の軽快さと吉永小百合の
すがすがしさは変わりませんね。
2 中島
大きな夢に挑戦する苦難の山道も、良き友人達と登れば
必ず達成し、紅葉に彩られ、整った山の様になる。山整
うが季語です。大事を成さんと欲するならば、年老いて
も青年でなければならない。青年は夢に生き、老人は回
想に生きる。
(037) 夢を追い 友と登りし 山整う 杜瑯01
1 古川
2 秋岡
(038) 北風や戦後を埋めし夢の島 土川04
(039) 年の暮れ 正月の夢 裏切られ 鳥海05
(040) 紅き薔薇 群青に咲く 夢一夜(ひとよ) 小野寺02
1 志方 夢と色彩の表現が見事にマッチ
2 深瀬 群青の空を背景に紅き薔薇が咲いているのでし
ょうか。そうすると夢一夜の雰囲気とややずれますが、
群青と紅い薔薇とが、なにかシュルレアリスム的な雰囲
気を強く醸しだしているのにひかれました。
3 森
(041) 移民船夢満載し未知の国 深瀬05
1 土川 いつの時代もその人たちは決して幸せではなか
ったと思いますが、新しい時代を作りました。今の若者
が海外に行きたがらないのが心配です。
(042) 海鳴りの 底にたゆとふ 碧き夢 小野寺07
1 吉良
(043) 軍刀の叔父の遺影や夢無惨 深瀬08
1 小幡
(044) 寒き冬夢なき夜をもて余す 小幡05
究極の妄想といえる夢。
(045) 触れもせず 小百合の寝顔 朝陽さす 志方07
1 治部 この小百合さんとは、あの小百合さんですよね。
考えすぎですか?
2 中島
3 小野寺 妄想でも微笑ましい。人間恋する気持ちが大
事かも。
4 橋本 幾つぐらいの小百合ちゃんなのでしょうか
(046) みはるかす 銀河の夢に 身をゆだね。 小野寺22
1 柳町
(047) お年寄り 介護なしでと 夢同じ 鳥海10
(048) 土地バブルすすき野原の夢の跡 深瀬06
1 澤藤
(049) 孫の夢 空にとどけと 凧が舞う 吉良04
1 小幡
(050) 冬薔薇の大輪の色 夢に似て 小野寺01
1 澤藤
2 秋岡
(051) 切れ凧や 風を捉えて 夢運べ 古川02
(052) あす発つと 夢の彼方に 枯れ野かな 小野寺25
1 志方 寂寥感がしみじみと訴えかけます。
(053) 正月の 夢追いかけて 年末に 鳥海07
(054) 冬薔薇の いのちまといて 夢に咲き 小野寺04
(055) ふと目覚め昼夜わからず夢ごこち 深瀬04
1 澤藤
(056) 夢遥か ふと来し方の 蓮華草(れんげそう) 小野寺05
1 吉良
(057) 軍靴鳴り学徒出陣夢凍る 深瀬10
1 鳥海
(058) 夢のごと さりにしひとの 眉の影 小野寺15
(059) 夢のごと白黒テレビ家族で見 深瀬12
(060) 齢重ね 夢で覚めるは 希有となり 橋本01
1 中島
(061) 孫生まれ 成人式は 無理な夢 鳥海08
(062) 玲瓏と 夢黒髪の 風に舞ひ 小野寺11
1 土川 やはり黒い柔らかい髪が一番ですよね。香まで
伝わってきます。
2 柳町
夢に落ちて流され溺れたところで
(063) 夢から醒めて、夢夢夢の我が人生 澤藤01
(064) 鹿島立ち 夢の実現 目指す道 古川01
(065) 東雲に(しののめ)に 蟷螂夢を しまいけり。 小野寺21
1 深瀬 明け方、朝日が昇りだすころ、緑色の蟷螂 (か
まきり) がじっとして、そろそろ草むらのなかにでも引
き上げようとしているのでしょうか。これだけで、なに
か幻想的な物語風的世界であり、強く印象に残りました。
かって日本人の品格は嗜みと謙虚さで、それが美しい日
本の原点のような気がしておりました。そんな風格と真
逆な総理の顔をみていると、新年の酒がまずくてなりま
せん。少し政治的な句になりましたがご容赦下さい。以
下6 句。
(066) 管底に 沈む空夢、いつ浮かぶ 志方01
1 中島
(067) 夢の夢 津々浦々に 届けます 志方02
1 小幡
(068) 当たり前 タコ糸きれて 宙に舞う 志方03
1 澤藤
(069) 空手形 どこまで出せば 気が済むか 志方04
(070) 心臓に つける薬は 鎮静剤 志方05
(071) 孫と飲む 夢の実現 果たせるか 志方06
1 治部 前向きですね。小生もこの夢いただきます。
(072) 微笑みて 銀河の果てに 夢を置き 小野寺24
1 志方 壮大な構図ですね
(073) 初夢やクラウドついに神になり 深瀬14
(074) 政治家は 原発の夢 追い続け 鳥海11
(075) 夢なかで 夢また夢の 万華鏡 中島07
(076) 夢追いて戦後の日本われら駆け 深瀬02
1 澤藤
2 秋岡
3 鳥海
4 小野寺 われわれの足跡でもありました。遠くきたも
のです。
5 橋本 若かりし頃は仕事に夢がありました
(077) 夢遠く はろばろと 銀河ながれをり 小野寺18
(078) 初夢を 見ることもなき 皺数う 吉良01
(079) 初夢を見ずに今年も動き出し 水谷02
(080) 雑音に夢声の語り蒲団中 土川05
1 深瀬 兼題の「夢」が徳川夢声の夢とは戸惑いました。
吉川英治の宮本武蔵は、日本人の精神的原風景でしょう
か。子供のころは、雑音の多いラジオドラマにひきこま
れていました。
(081) 逝く春や ひと恋しとて 夢に哭き 小野寺09
1 柳町
(082) 軍歌聞き帝国の夢再吟味 深瀬09
(083) 夢に見て夢で終わるかパープレー 治部02
1 中島
2 鳥海
3 橋本 相当ハードルは高い夢ですね、私の夢はエージ
シュートですが
(084) ほととぎす 夢のかなたの 夏木立 小野寺06
兼題句 凧
(085) いくほんも空にカテナリー凧の列 深瀬15
1 土川 凧糸に注目し、天から幾筋も垂れている描写は
新鮮で広がりを感じます。
(086) 安倍の凧 アメに煽られ 迷走か 中島05
(087) 凧の糸 切れたと言われ 俺凧か 鳥海12
1 森
(088) 飛行機を 凧を翻弄 乱気流 橋本03
(089) 真夏日に二人で上げた恋の凧 小幡06
1 深瀬 真夏の凧が全く破天荒な感じです。若き頃の奥
さんとの想い出なのでしょうか。周囲のことなど気にし
ない若さゆえの特権が大胆に詠まれていると感じました。
(090) 凧上げに 喜ぶ息子 思い出し 鳥海13
1 小幡
(091) 凧と指 阿吽の呼吸 糸介し 古川03
(092) ゴルフ凧 今年は何処に 舞い落ちる 中島02
1 鳥海
(093) 春の空輝き乗せたヤッコ凧 小幡03
(094) 見上げれば風を孕んで昇る凧 水谷01
(095) 凧ひとつ夕陽と富士背に空高く 深瀬16
1 土川 絵ハガキのようにきれいな表現です。
2 柳町
3 志方 陰影が脳裡に浮かびます。
自由題句 (有季語)
(096) 我が脚も 木立になりぬ 落陽射し 橋本04
1 澤藤
2 中島
(097) 耳掻けば海底の音冬籠 土川02
1 小野寺 耳と海底の音の対比が軽妙。
(098) 街頭のビンに活けたる菊の花 深瀬17
(099) 庭菜園 鳥害糞害で 冬休み 橋本07
(100) 木枯らしに 耐えて弧空に 残り柿 志方08
1 秋岡
2 柳町
3 森
(101) 寒稽古面の内より女児の声 土川03
1 秋岡
2 治部 女子が強くなる所以ですかね。男子ガンバレ。
3 中島
4 小幡
(102) 湯にひたり顔をぬぐいて除夜の鐘 深瀬20
紀州路・熊野古道を師走に訪ね以下2 句。
(103) 石垣や 師走の古道 百合一輪 橋本05
1 秋岡
2 深瀬 師走とはいっても石垣のならぶひっそりした古
道で、色彩豊かな一輪の百合の花に目をとめている作者
の姿には、なにか異次元的超越が感じられました。
3 小野寺 しみじみとした絵のような情景が浮かびます。
(104) 紀州路は みかん梅柿 迎えをり 橋本06
(105) 一年の無かりしやうに鶴立てり 土川01
1 吉良
2 深瀬 鶴が川辺かどこかで餌をついばんでは、じっと
立っている姿には、静寂と落ち着きを感じます。人間社
会は、今や秒単位で追われています。人間は、自然界か
ら追放された存在になってしまったのでしょうか。
3 小野寺 鶴の飛翔にかけた息災がいい得て妙です。
自由題句 (無季語) 、川柳
(106) 晋三くん 国会詐欺で なに褒賞 中島04
(107) 漆黒の月平線に蒼地球 深瀬18
(108) 安倍晋三 オレオレ詐欺と 何処違う 中島03
1 志方 まさに痛快な川柳
2 小幡
3 鳥海
(109) 弧を描く地球見おろすステーション 深瀬19
以上
追記
選句における全体的なコメットとしては、下記のようなものがありま
した。鳥海さんの訂正、橋本さんの兼題募集については、踏まえました。
・澤藤さん
60才半ばを過ぎると、「夢」はどうしてもアズナブールの「過ぎ去り
し青春」と同義語になってしまいます。私だけでしょうか?
・土川さん
好きな句だけを選びました。7句には足りませんがご容赦ください。
・秋岡さん
共感する句という観点から下記の句 (選句表参照) を選びました。小
生も勉強します。また自由句では下記の句 (選句表参照) が感じ入りま
した。
・治部さん
夢というお題は難しかったですね。夢はしぼむもの、壊れるものとし
て詠まれたものが多かったと思います。中でも前向きな句を選びました。
次は小生も頑張ります。
・柳町さん
皆さん上手で選ぶのが大変でした。2 年前からPSA の値が高くなり、
昨日の診察でついにMRI を撮りましょうと言われました。いよいよ本格
的な老化が始まったのでしょうか?? 歳はとりたくないですね。
・志方さん
夢という主題はそれぞれに各自の思いがつまり秀句が多いようで、評
価に苦慮します。我々年代にはどちらかというと、バラ色の色彩をもつ
夢が少ないようです。
・吉良さん
いつもにわか仕事になりますが、選句しました。高齢期に入り皆それ
ぞれの思いが伝わる句でした。
・中嶋さん
いつも通り分かり易く共感できる句を選びました。
・小幡さん
今回は、季語が無いものが多く、今一納得が…、 自分がステレオタ
イプなのが残念です以下選句しました。
・鳥海さん
私の(061) は、ミスでした。「初」ではなく、「孫」でした。最初「
初孫」で作ったのを直す際ミスしました。慌てて作るとミスしますね。
・橋本さん
なお、兼題の件ですが私は素人なので、何か決まり事の様なものがあ
るようでしたらそれを提示して頂いたうえで、皆様から一人5 つほど募
集してみる案などは如何でしょうか。各回の選定( 2つくらいまで) は
お任せ致します。
・野澤さん (選句時ではありませんが、ご連絡をいただきました。)
何句か詠んだものがありますが,母の様態が悪く整理できていません。
今回はパスさせて下さい。
----
第十一回の七句会に参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
今回の5 点句から3 点句は、下記のようでした。
5 点句
(076) 夢追いて戦後の日本われら駆け 深瀬02
4 点句
(045) 触れもせず 小百合の寝顔 朝陽さす 志方07
(101) 寒稽古面の内より女児の声 土川03
3 点句
(006) 蝉しぐれ 逝く夏の日に 夢も過ぎ 小野寺08
(008) 夢萎えて 星降る夜に 寒さ知る 柳町01
(031) お正月初孫抱いて夢ごこち 深瀬01
(040) 紅き薔薇 群青に咲く 夢一夜(ひとよ) 小野寺02
(083) 夢に見て夢で終わるかパープレー 治部02
(095) 凧ひとつ夕陽と富士背に空高く 深瀬16
(100) 木枯らしに 耐えて弧空に 残り柿 志方08
(103) 石垣や 師走の古道 百合一輪 橋本05
(105) 一年の無かりしやうに鶴立てり 土川01
(108) 安倍晋三 オレオレ詐欺と 何処違う 中島03
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人
の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付
します。
次回については、4 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、
よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見がありましたら、
ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 新たな参加 (予定) 者のご紹介
今回から秋岡さんが選句に参加されました。次回からは投句にも参加
される予定です。また、野口さんと宮澤さんの参加意向がありましたが、
具体的な参加は次回以降ということになりました。三人の方の簡単なプ
ロフィールは、下記の通りです。
・秋岡稔さんは、阪大経済を卒業され、川崎重工で長谷川さんとお仕事
をし、本社の財務本部長を務められました。ゴルフの霞光会のメンバー
です。駒東11回生相当です。
・野口眞佐 (しんすけ) さんは、早大政経を卒業され、川崎重工で長谷
川さんとお仕事をし、営業& 資材部長を務められました。現在、午前中
はアルバイト的な仕事をされ、さらに、NPO で環境ベテランズファーム
(略称EVF)に参加され、毎月環境 (広く解釈して) に関する見学会、セ
ミナーを行っておられます。
・宮澤猛さんは、東工大を卒業され、橋本さんと同じIHI に勤務されま
した。霞光会のメンバーです。駒東 6回生相当です。
(2) 兼題の募集について
橋本さんから、兼題をみなさんから一人5 つほど募集し、各会の兼題
はそのなかから適宜、2 つ程選定してはどうか、というご提案がありま
した。事務方としては、このご意見には大賛成です。
つきましては、3 月27日 (金) までに、事務方まで送っていただけれ
ば幸いです。
なお、兼題は、一般的に季語そのものとすることが多いですが、必ず
しも季語である必要はありません。季語的な兼題は、4 月上旬ころを意
識したものが好ましいように思います。
なお、兼題とはなにかについては、下記URL 等を参照願います。
http://haiku-nyuumon.com/article/155219160.html
http://www.nhk.or.jp/tankahaiku/haiku_tokusen/index.html
(3) 投句や選句の数の公平性について
投句の数はアンバラスである一方、選句の数は7 句と固定的であるこ
とについて、公平性に欠けるのではないか、というご指摘を受けました。
市井の句会や俳句教室といった指導者 (宗匠) 的な人が行っている句会
では、たしかに、ありえないことのように思います。一方、七句会は、
互いの俳句を通して交流を深めたり、たのしむことを第一義としている
と思います。こうした理解に立ち、当面はあまり句会としての公平性と
いう側面にはこだわらず、現状の感じで進めたいと思っています。その
他ご意見があればよろしくお願いいたします。
2015.02.11
代表 橋口侯之介 (休会中)
事務方 深瀬久敬
兼題句 夢 (兼題「凧」ももつものを含む。)
(001) 今どきは、悪夢もなしに隙な秋 小幡04
(002) 渾身の 冬薔薇の紅(あか)夢となり 小野寺03
(003) 今年こそ 年始の夢を 叶えるぞ 鳥海03
1 古川
(004) ゲバ棒とヘルメットの夢冬の空 深瀬13
1 鳥海
(005) 雪の朝 老いさばらえて 夢を追う 柳町03
(006) 蝉しぐれ 逝く夏の日に 夢も過ぎ 小野寺08
1 秋岡
2 志方 完成された秀作だと思います。
3 森
(007) 正月に 夢追いかけて 冬しぼみ 鳥海01
(008) 夢萎えて 星降る夜に 寒さ知る 柳町01
1 吉良
2 森
3 橋本
(009) 薔薇匂う 夜明けの空に 夢むすび 小野寺14
(010) 昇龍の中国の夢空おおう 深瀬11
(011) 富士さんと 風切る凧に 夢かける 中島01
1 古川
(012) 星月夜 轍(わだち)遥かに 夢のあと 小野寺16
1 吉良
(013) また、一つ消え失す青き春の夢 小幡01
1 志方 若いときには、夢がたくさん実現したのか、泡
ときえたか?
2 橋本
(014) 子や孫の夢が叶うが老いの夢 治部01
1 柳町
(015) 夢叶え と叫ぶわが身の 侘しさよ 柳町02
(016) 初雪や 軌跡を残し 夢紡む 吉良03
1 吉良
2 小野寺 初雪の語感が美しい。
(017) 待ちわびて 夢み心地の 伏し睫毛 小野寺12
(018) 消え失せた 思いや夢を今一度 小幡02
1 古川
(019) もろともに 生きよと 夢の旅支度(じたく) 小野寺20
1 柳町
(020) 偶然と 思いで出会う 夢景色 橋本02
(021) 夢枕 睫毛の奥に 冬の薔薇 小野寺13
(022) 初詣 夢を願いて 幾年か 鳥海02
1 橋本
(023) 冬夜寒 夢見るがごと 星ながれ 小野寺17
1 吉良
(024) 自由とな 紐付き凧や 夢の夢 中島06
1 小野寺 空に舞う凧に己の気持ちをこめていて楽しい。
(025) 夢にまで追いかけし恋枯れすすき 深瀬07
1 澤藤
(026) 僕の夢 いつも裏切る 年の暮れ 鳥海04
(027) 木枯らしや 夢去り独り 北の海 小野寺19
1 志方 風の冷たさと夢の対比がすぐれていますね。
(028) 僕がヒーロー、夢物語の夢をみた 澤藤02
1 古川
(029) 新年に 毎年同じ 夢願い 鳥海09
1 治部 毎年叶う小さな夢に感謝しつつ、なかなか叶わ
ない大きな夢をあきらめない様子がわかります。
(030) 髪ときし 夢まぼろしの 夏の宵 小野寺10
(031) お正月初孫抱いて夢ごこち 深瀬01
1 治部 孫は夢を見させてくれますね。このここちよく
解ります。
2 鳥海
3 橋本
(032) 初詣 夢夢夢に 輝りかえる 吉良02
1 古川
2 治部 活気のある初詣。毎年エネルギーをもらいます。
(033) 小春日に甘き夢みて老いもせず 澤藤01
1 治部 いつまでも忘れることなく若々しくありたいも
のです。
2 小幡
(034) ひとしれず 逝くときは皆 夢一期 小野寺23
1 深瀬 辞世の句には「夢」がよく使われています。人
生は夢のようなものだとする日本人的意識があるようで
す。「~皆 夢一期」はどう解釈するのか迷いますが、
大乗仏教的な示唆があるのでしょうか。
(035) 年初め それでも僕は 夢をみる 鳥海06
1 古川
(036) 六十路朝「いつでも夢を」口ずさむ 深瀬03
1 土川 あれから50年、この歌の軽快さと吉永小百合の
すがすがしさは変わりませんね。
2 中島
大きな夢に挑戦する苦難の山道も、良き友人達と登れば
必ず達成し、紅葉に彩られ、整った山の様になる。山整
うが季語です。大事を成さんと欲するならば、年老いて
も青年でなければならない。青年は夢に生き、老人は回
想に生きる。
(037) 夢を追い 友と登りし 山整う 杜瑯01
1 古川
2 秋岡
(038) 北風や戦後を埋めし夢の島 土川04
(039) 年の暮れ 正月の夢 裏切られ 鳥海05
(040) 紅き薔薇 群青に咲く 夢一夜(ひとよ) 小野寺02
1 志方 夢と色彩の表現が見事にマッチ
2 深瀬 群青の空を背景に紅き薔薇が咲いているのでし
ょうか。そうすると夢一夜の雰囲気とややずれますが、
群青と紅い薔薇とが、なにかシュルレアリスム的な雰囲
気を強く醸しだしているのにひかれました。
3 森
(041) 移民船夢満載し未知の国 深瀬05
1 土川 いつの時代もその人たちは決して幸せではなか
ったと思いますが、新しい時代を作りました。今の若者
が海外に行きたがらないのが心配です。
(042) 海鳴りの 底にたゆとふ 碧き夢 小野寺07
1 吉良
(043) 軍刀の叔父の遺影や夢無惨 深瀬08
1 小幡
(044) 寒き冬夢なき夜をもて余す 小幡05
究極の妄想といえる夢。
(045) 触れもせず 小百合の寝顔 朝陽さす 志方07
1 治部 この小百合さんとは、あの小百合さんですよね。
考えすぎですか?
2 中島
3 小野寺 妄想でも微笑ましい。人間恋する気持ちが大
事かも。
4 橋本 幾つぐらいの小百合ちゃんなのでしょうか
(046) みはるかす 銀河の夢に 身をゆだね。 小野寺22
1 柳町
(047) お年寄り 介護なしでと 夢同じ 鳥海10
(048) 土地バブルすすき野原の夢の跡 深瀬06
1 澤藤
(049) 孫の夢 空にとどけと 凧が舞う 吉良04
1 小幡
(050) 冬薔薇の大輪の色 夢に似て 小野寺01
1 澤藤
2 秋岡
(051) 切れ凧や 風を捉えて 夢運べ 古川02
(052) あす発つと 夢の彼方に 枯れ野かな 小野寺25
1 志方 寂寥感がしみじみと訴えかけます。
(053) 正月の 夢追いかけて 年末に 鳥海07
(054) 冬薔薇の いのちまといて 夢に咲き 小野寺04
(055) ふと目覚め昼夜わからず夢ごこち 深瀬04
1 澤藤
(056) 夢遥か ふと来し方の 蓮華草(れんげそう) 小野寺05
1 吉良
(057) 軍靴鳴り学徒出陣夢凍る 深瀬10
1 鳥海
(058) 夢のごと さりにしひとの 眉の影 小野寺15
(059) 夢のごと白黒テレビ家族で見 深瀬12
(060) 齢重ね 夢で覚めるは 希有となり 橋本01
1 中島
(061) 孫生まれ 成人式は 無理な夢 鳥海08
(062) 玲瓏と 夢黒髪の 風に舞ひ 小野寺11
1 土川 やはり黒い柔らかい髪が一番ですよね。香まで
伝わってきます。
2 柳町
夢に落ちて流され溺れたところで
(063) 夢から醒めて、夢夢夢の我が人生 澤藤01
(064) 鹿島立ち 夢の実現 目指す道 古川01
(065) 東雲に(しののめ)に 蟷螂夢を しまいけり。 小野寺21
1 深瀬 明け方、朝日が昇りだすころ、緑色の蟷螂 (か
まきり) がじっとして、そろそろ草むらのなかにでも引
き上げようとしているのでしょうか。これだけで、なに
か幻想的な物語風的世界であり、強く印象に残りました。
かって日本人の品格は嗜みと謙虚さで、それが美しい日
本の原点のような気がしておりました。そんな風格と真
逆な総理の顔をみていると、新年の酒がまずくてなりま
せん。少し政治的な句になりましたがご容赦下さい。以
下6 句。
(066) 管底に 沈む空夢、いつ浮かぶ 志方01
1 中島
(067) 夢の夢 津々浦々に 届けます 志方02
1 小幡
(068) 当たり前 タコ糸きれて 宙に舞う 志方03
1 澤藤
(069) 空手形 どこまで出せば 気が済むか 志方04
(070) 心臓に つける薬は 鎮静剤 志方05
(071) 孫と飲む 夢の実現 果たせるか 志方06
1 治部 前向きですね。小生もこの夢いただきます。
(072) 微笑みて 銀河の果てに 夢を置き 小野寺24
1 志方 壮大な構図ですね
(073) 初夢やクラウドついに神になり 深瀬14
(074) 政治家は 原発の夢 追い続け 鳥海11
(075) 夢なかで 夢また夢の 万華鏡 中島07
(076) 夢追いて戦後の日本われら駆け 深瀬02
1 澤藤
2 秋岡
3 鳥海
4 小野寺 われわれの足跡でもありました。遠くきたも
のです。
5 橋本 若かりし頃は仕事に夢がありました
(077) 夢遠く はろばろと 銀河ながれをり 小野寺18
(078) 初夢を 見ることもなき 皺数う 吉良01
(079) 初夢を見ずに今年も動き出し 水谷02
(080) 雑音に夢声の語り蒲団中 土川05
1 深瀬 兼題の「夢」が徳川夢声の夢とは戸惑いました。
吉川英治の宮本武蔵は、日本人の精神的原風景でしょう
か。子供のころは、雑音の多いラジオドラマにひきこま
れていました。
(081) 逝く春や ひと恋しとて 夢に哭き 小野寺09
1 柳町
(082) 軍歌聞き帝国の夢再吟味 深瀬09
(083) 夢に見て夢で終わるかパープレー 治部02
1 中島
2 鳥海
3 橋本 相当ハードルは高い夢ですね、私の夢はエージ
シュートですが
(084) ほととぎす 夢のかなたの 夏木立 小野寺06
兼題句 凧
(085) いくほんも空にカテナリー凧の列 深瀬15
1 土川 凧糸に注目し、天から幾筋も垂れている描写は
新鮮で広がりを感じます。
(086) 安倍の凧 アメに煽られ 迷走か 中島05
(087) 凧の糸 切れたと言われ 俺凧か 鳥海12
1 森
(088) 飛行機を 凧を翻弄 乱気流 橋本03
(089) 真夏日に二人で上げた恋の凧 小幡06
1 深瀬 真夏の凧が全く破天荒な感じです。若き頃の奥
さんとの想い出なのでしょうか。周囲のことなど気にし
ない若さゆえの特権が大胆に詠まれていると感じました。
(090) 凧上げに 喜ぶ息子 思い出し 鳥海13
1 小幡
(091) 凧と指 阿吽の呼吸 糸介し 古川03
(092) ゴルフ凧 今年は何処に 舞い落ちる 中島02
1 鳥海
(093) 春の空輝き乗せたヤッコ凧 小幡03
(094) 見上げれば風を孕んで昇る凧 水谷01
(095) 凧ひとつ夕陽と富士背に空高く 深瀬16
1 土川 絵ハガキのようにきれいな表現です。
2 柳町
3 志方 陰影が脳裡に浮かびます。
自由題句 (有季語)
(096) 我が脚も 木立になりぬ 落陽射し 橋本04
1 澤藤
2 中島
(097) 耳掻けば海底の音冬籠 土川02
1 小野寺 耳と海底の音の対比が軽妙。
(098) 街頭のビンに活けたる菊の花 深瀬17
(099) 庭菜園 鳥害糞害で 冬休み 橋本07
(100) 木枯らしに 耐えて弧空に 残り柿 志方08
1 秋岡
2 柳町
3 森
(101) 寒稽古面の内より女児の声 土川03
1 秋岡
2 治部 女子が強くなる所以ですかね。男子ガンバレ。
3 中島
4 小幡
(102) 湯にひたり顔をぬぐいて除夜の鐘 深瀬20
紀州路・熊野古道を師走に訪ね以下2 句。
(103) 石垣や 師走の古道 百合一輪 橋本05
1 秋岡
2 深瀬 師走とはいっても石垣のならぶひっそりした古
道で、色彩豊かな一輪の百合の花に目をとめている作者
の姿には、なにか異次元的超越が感じられました。
3 小野寺 しみじみとした絵のような情景が浮かびます。
(104) 紀州路は みかん梅柿 迎えをり 橋本06
(105) 一年の無かりしやうに鶴立てり 土川01
1 吉良
2 深瀬 鶴が川辺かどこかで餌をついばんでは、じっと
立っている姿には、静寂と落ち着きを感じます。人間社
会は、今や秒単位で追われています。人間は、自然界か
ら追放された存在になってしまったのでしょうか。
3 小野寺 鶴の飛翔にかけた息災がいい得て妙です。
自由題句 (無季語) 、川柳
(106) 晋三くん 国会詐欺で なに褒賞 中島04
(107) 漆黒の月平線に蒼地球 深瀬18
(108) 安倍晋三 オレオレ詐欺と 何処違う 中島03
1 志方 まさに痛快な川柳
2 小幡
3 鳥海
(109) 弧を描く地球見おろすステーション 深瀬19
以上
追記
選句における全体的なコメットとしては、下記のようなものがありま
した。鳥海さんの訂正、橋本さんの兼題募集については、踏まえました。
・澤藤さん
60才半ばを過ぎると、「夢」はどうしてもアズナブールの「過ぎ去り
し青春」と同義語になってしまいます。私だけでしょうか?
・土川さん
好きな句だけを選びました。7句には足りませんがご容赦ください。
・秋岡さん
共感する句という観点から下記の句 (選句表参照) を選びました。小
生も勉強します。また自由句では下記の句 (選句表参照) が感じ入りま
した。
・治部さん
夢というお題は難しかったですね。夢はしぼむもの、壊れるものとし
て詠まれたものが多かったと思います。中でも前向きな句を選びました。
次は小生も頑張ります。
・柳町さん
皆さん上手で選ぶのが大変でした。2 年前からPSA の値が高くなり、
昨日の診察でついにMRI を撮りましょうと言われました。いよいよ本格
的な老化が始まったのでしょうか?? 歳はとりたくないですね。
・志方さん
夢という主題はそれぞれに各自の思いがつまり秀句が多いようで、評
価に苦慮します。我々年代にはどちらかというと、バラ色の色彩をもつ
夢が少ないようです。
・吉良さん
いつもにわか仕事になりますが、選句しました。高齢期に入り皆それ
ぞれの思いが伝わる句でした。
・中嶋さん
いつも通り分かり易く共感できる句を選びました。
・小幡さん
今回は、季語が無いものが多く、今一納得が…、 自分がステレオタ
イプなのが残念です以下選句しました。
・鳥海さん
私の(061) は、ミスでした。「初」ではなく、「孫」でした。最初「
初孫」で作ったのを直す際ミスしました。慌てて作るとミスしますね。
・橋本さん
なお、兼題の件ですが私は素人なので、何か決まり事の様なものがあ
るようでしたらそれを提示して頂いたうえで、皆様から一人5 つほど募
集してみる案などは如何でしょうか。各回の選定( 2つくらいまで) は
お任せ致します。
・野澤さん (選句時ではありませんが、ご連絡をいただきました。)
何句か詠んだものがありますが,母の様態が悪く整理できていません。
今回はパスさせて下さい。
----
2014年11月23日日曜日
第十回の七句会の選句結果をご報告いたします。
七句会 各位
第十回の七句会の選句結果をご報告いたします。
今回の6 点句から3 点句は、下記のようでした。
6 点句
(023) 秋の山 燃え立つ赤に 奮い立つ 柳町
5 点句
(006) 鉄橋の川辺の秋や子ら跳ねる 深瀬
4 点句
(022) 半そでもセーターもいる秋の朝 深瀬
(064) 団塊も背中を見せて消えんとす 深瀬
(071) ノータイの首にひんやり秋の風 深瀬
(094) 地下迷路 利用者無視の 渋谷駅 野澤
3 点句
(017) 秋空や エカテリーナの 夢のあと 古川
(030) 秋色に 心も染まる 川辺かな 橋本
(035) 籾入りの木箱なつかしりんご便 深瀬
(074) 落葉踏み たそがれせまる 帰り道 内野
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選ん
だ人の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したも
のを添付します。
次回については、来年4 月中旬ころにご連絡したいと思っていま
すので、よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見があ
りましたら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
2014.11.23
事務方 深瀬
第十回 七句会選句結果
秋
(001) 秋風に 池辺のかも群 一列座 中島
(002) 秋の夕赤黒灰の雲の列 深瀬
1 治部 こんな光景を今年はよく見ました。
(003) 富士の嶺姿容を刻む秋の朝 志方
1 橋本
2 古川
(004) 百手読む棋士の正座や秋気満つ 土川
1 森
(005) 過ぎ去りし 日々よみがえる 秋の酒 吉良
1 志方
2 小幡
(006) 鉄橋の川辺の秋や子ら跳ねる 深瀬
1 治部 列車の中から見た光景でしょうか。
2 吉良 電車からみた風景でしょうか?
3 柳町
4 内野 モネが描いたアルジャントゥイユの鉄橋のそ
ばで跳ねる子供を連想しました。
5 古川
(007) 灯影が水面にゆらぐ秋の暮れ 志方
(008) 未だみぬ空の青さで秋をしる 小幡
(009) 台風が 嫌らしさ増し “秋”が来た 中島
(010) 秋夜空 星の彼方に 夢運べ 古川
1 森
(011) 秋風や やさしく吹けと 爺が言い 中島
1 野澤 ちょっと強い風が吹くと背中を押される感じ
を受ける今日この頃です。
2 小幡
(012) ビルの森 濃き秋空を 埋め尽くす 吉良
1 土川
2 内野 真っ青な秋空とビルの対比がみごとです。
(013) 日本海 夕陽沈みて 秋暮れる 鳥海
1 内野 しみじみとした日本海の黄昏が思い浮かびま
す。
2 志方
(014) 秋来たり カラーボールに 冬が来た 中島
(015) 山寺は 蝉の声無し 錦秋で 鳥海
1 土川
2 志方
(016) 秋雨の窓の水滴追いにけり 深瀬
1 土川
(017) 秋空や エカテリーナの 夢のあと 古川
1 鳥海
2 森
3 中島
神戸長田区美玲ちゃん・六歳の殺人犯人君野容疑者は、
生活保護費で大酒を飲み、なんの罪もない、人なつっこ
い、あどけない美玲ちゃんを殺害し、遺体をバラバラに
したと言う報道に接して、強い憤りを感じる。納税者の
一人として、国の税金で殺人者を養う、現行の生活保護
制度は間違っていると思う。米国の如く、本当に困って
いる人には、現金を支給するのではなく、フードスタン
プを支給すべき。また、体が動ける者は、社会に対する
恩返しで、一週間に一回、公園の清掃などのボランテイ
ア活動を強制すべき。米国では、ボランテイア活動をし
ない者には生活保護費を打ち切っている
(018) 殺人鬼 生活保護で 爪研ぐ秋 杜瑯
1 中島
(019) 秋深し ロシア帰りに 軟き風 古川
(020) 秋三昧 サンマ松茸 紅葉狩り 野澤
1 内野 食欲の秋ですね。
2 橋本
(021) 人の縁はかなさを知る秋の夜 小幡
1 深瀬 人間関係というのは、一筋縄ではいかないも
ののようです。こっちとしては、向こうに原因がある
としか思えませんが、客観的に見れば、こちらにもな
にか原因があるのかもしれません。秋の気配のなかで
は、それも仕方ないとあきらめられるということでし
ょうか。
(022) 半そでもセーターもいる秋の朝 深瀬
1 土川
2 中島
3 橋本
4 澤藤 秋の朝のひんやりとした心地よさも長続きし
ない昨今の異常気象ですね
紅葉をみて、「人生がしぼむ前の一花」を咲かせたいと
いう思いがわき立ちます
(023) 秋の山 燃え立つ赤に 奮い立つ 柳町
1 森
2 中島
3 内野 作者のfighting spiritsに敬意を表します。
まだまだ頑張れる!
4 深瀬 紅葉をみて、先の見えてきた人生にもう一花
咲かせたいという作者の前向きな姿勢にエールを送り
たい気持ちになりました。春に咲く花と紅葉の輝きと
では、同じ美しさでもその意味は180 度異なりますが、
その相違を超越できるというのは、すごいと思います。
5 小幡
6 古川
(024) 秋風が遠く去りゆく夕映えや 志方
(025) 嗅覚で 秋の味覚を 満喫す 野澤
(026) 秋雨に 魂鎮めよ 御嶽山 吉良
1 治部 自然の怒りは計り知れません。犠牲者のご冥
福をお祈りします。
2 森
(027) 賑やかに つくつく法師の 初秋なり 橋本
(028) 秋一番 ゆるキャラ一番 グンマちゃん 古川
1 森
(029) 秋の朝陽の温かさ服に貯め 深瀬
1 土川
2 野澤 退職し,朝から外出する事はほとんど無くな
りましたが,ひんやりする日には太陽の日を一杯服の
中にため込みたいと感じた日が懐かしく思い出されま
す。
(030) 秋色に 心も染まる 川辺かな 橋本
1 吉良 紅葉の季節の美しさが目に浮かびます
2 柳町
3 内野
(031) 秋が来て緋の色褪せた百日紅 志方
1 澤藤 十年前の夏、胃ガン手術の退院のタクシーか
ら見た百日紅の赤さに胃が痛み出しました
10月初旬、サンクトペテルブルグとモスクワ訪問しま
した。特に、1991年ソ連が崩壊する、今から23年
前までは、世界革命を推進する共産党の中心であった、
クレムリン赤の広場の見学は感慨深いものがありました。
なにせ、当時のクレムリンには共産党幹部でなくては入
れない場所でしたから。ロシア人ガイドさんが言うには、
ロシアの通貨、ルーブルは信用がおけなくて、US/EU ド
ルで貯金しているそうです
(032) 秋雨に 夢は烟(けむ)りぬ クレムリン 杜瑯
1 深瀬 団塊世代のわたしたちは、米ソ冷戦構造とい
う極端なイデオロギー対立のなかを長く生きたため、
確かにクレムリンということばには、なにか威圧的な
響きがあるように感じます。それがいまや観光で気軽
に訪れることができるというのは隔世の感もします。
強権的一党独裁の中国も、数10年後は、どうなってい
るのか、気になります。
(033) 夏は去り萩の花咲く秋の風 志方
りんご
(034) もやもやをスパッと切れし林檎かな 水谷
1 吉良 「スパッと切れし」は あまり俳句らしから
ぬ表現で面白く思いました
(035) 籾入りの木箱なつかしりんご便 深瀬
1 野澤 祖母の実家の青森からリンゴの木箱が送られ
てきたのを思い出しました。
2 橋本
3 澤藤 今や発泡スチロールクッションと段ボール箱
入り、故郷岩手からのりんご便が待ち遠しい五十年前
の秋でした
(036) 瓜二つ孫の可愛さと姫りんご 澤藤
(037) 時過ぎて 林檎の歌を 誰ぞ知る 鳥海
1 柳町
2 志方
(038) 手でくるむ赤いリンゴに秋想う 柳町
1 小幡
(039) りんごもぎ両手にあふる里の秋 澤藤
(040) 夕食のあとのりんごを妻むきぬ 深瀬
(041) りんご剥き 実習時代を 懐かしむ 中島
(042) 秋田出の父母の遺影にりんご置く 深瀬
1 土川
(043) 早よしいな(椎名)林檎が落ちる期限切れ 澤藤
(044) 外見良しも 手にも持ってみる リンゴかな 橋本
(045) 齧(かじ)られし林檎の芯や砂時計 土川
1 吉良 句を読んだ状況は想像しずらいのですが、画
になるような情景に思います
2 深瀬 齧られた林檎や砂時計は、シュールレアリズ
ムの絵画などによく見られるように思います。作者が
どういう気持ちで詠んだのか定かではありませんが、
なにかそうした超現実世界の不安感みたいのがあるの
だろうか、とひかれました。
(046) 山眠る前に微(頬)笑むりんごかな 澤藤
1 深瀬 東北の地では、秋も深まり冬が近づくと、空
の雲は重たくたれこめ、みぞれがふりだします。そう
いうなかで真っ赤なりんごが微笑んで気持ちを癒して
くれるというのはなにかほのぼのとしたものが感じら
れました。
(047) 戦後すぐ リンゴの気持ち 皆理解 古川
(048) りんごの実かつては禁断神の知恵 深瀬
人体
(049) 脇甘い 女性閣僚 押し出され 橋本
1 鳥海
(050) 山寺で 足痛みて 句は出来ず 鳥海
1 中島 「静けさや岩にしみ入る蝉の声」のたいそう
立派な石碑を前にして句が出来ない無念さに言い訳し
たくなる気持ち分かります。
2 橋本
(051) よくみれば手のしわめだつ秋の夜 深瀬
1 小幡
(052) そっと見た わが手掌に 希望湧く 古川
(053) 寒風と 踵の荒れに 秋感ず 中島
(054) 足の爪切ればひからぶ音したる 深瀬
(055) 湯上りの 櫛毛数ふる 秋の宵 吉良
(056) 急かされて 段差に躓 老いた足 野澤
(057) 高齢者 腕・腰・足が 痛むなり 鳥海
(058) 電車内ネイルアートの秋の花 深瀬
加齢による膝の痛みをテーマに3部作をつくりました
(059) 朝散歩痛む膝で秋を知る 柳町
(060) 痛む膝引きずりながら秋感ず 柳町
(061) 痛む膝かばって歩く秋の朝 柳町
(062) ひからびし脛に白粉 (はくふん) 秋来たり 深瀬
東名高速道路でスリップの自損事故を起こし
(063) 自損事故我にかえりて手をながむ 小幡
(064) 団塊も背中を見せて消えんとす 深瀬
1 吉良 実感!
2 森
3 柳町
4 志方
(065) 秋寒や手をポケットに早足で 水谷
(066) 脚腰や からだケアして ゴルフかな 橋本
(067) 秋の夜はグラス右手に本左 水谷
1 深瀬 静かな秋の夜、洋室のソファに座り、ウィス
キーでも飲みながら、ひとり、読みたかったミステリ
ーとか歴史物とかの本を読んでいる。たいへん雰囲気
のある相当贅沢な至福の時間だと思いました。
(068) 左手の白き気になるゴルフ焼け 深瀬
1 鳥海
(069) 無表情 ロシアの民に 笑顔見せ 古川
1 鳥海
(070) 耳遠く 大きな声に なりにけり 鳥海
1 野澤 確かに耳が遠くなると,自分では普通に話し
ているつもりでも,声が大き過ぎると注意されます。
(071) ノータイの首にひんやり秋の風 深瀬
1 土川
2 治部 ここ数年ネクタイをすることがなくなりまし
た。
3 野澤 あんなに窮屈に感じていたネクタイも,しめ
なくなると首がひんやりします。
4 中島
(072) 秋雨や 老いし肩より 沁み込みぬ 吉良
自由題
(073) 天高く 鳥が群がる 庭の柿 野澤
1 古川
(074) 落葉踏み たそがれせまる 帰り道 内野
1 治部 帰り道は好きですが、落ち葉を踏むと寂しさ
を感じます。
2 野澤 物事に耽りながら落ち葉の感触を愉しんだも
のです。
3 志方
(075) 散弾を受けしごとくに石榴(ざくろ)爆(は)ず 土川
1 吉良 ザクロの赤い実が裂け散る感じが見事にうた
われています
(076) 紅葉と白樺映す雲場池 水谷
台風一家が過ぎ去った後の、どこまでも青く澄んだ空に、
吾が志は高く昇華する、晩秋
(077) 野分け去り わが志気高く 青く澄み 杜瑯
(078) 優雅なり 水面の十五夜 連れ歩き 橋本
1 吉良 子供のころを思い出します
2 深瀬 なにかの用で夜外出し、池か川の近くを歩い
ていると、夜空の満月が足元近くの水面に写り、まる
で一緒に歩いてくれているようで、心奪われているの
だと思いました。たしかに、これほど贅沢というのか
雅びな”連れ”はいないかもしれません。
人生は、小さい夢、大きい夢に挑戦する連続。短い一生
を終える蝉でも、夢に向かって飛んで行く。その蝉のご
とく、一生を終えるその日まで、夢を持ち続けたい、早
秋。
(079) 夢目指し 一直線に 蝉のとび 杜瑯
1 古川
(080) 野分去り夕照(セキショウ)淡く芒かな 志方
1 橋本 格調高いですね
日光を代表する竜頭ノ滝ですが、紅葉の美しさには勝て
ないと感じます
(081) 竜頭滝いろはもみじに鳴いている 柳町
1 古川
(082) どの山も神の寝姿吾亦紅(われもこう) 土川
(083) 五色沼 湖面に映える 紅葉かな 鳥海
1 柳町
(084) 風さやか竜胆そよぐ野辺の路 志方
1 古川
(085) ざゝと湯の溢れて静か銀やんま 土川
(086) 野分来て 枝葉かまわず 落としけり 橋本
(087) 梢揺れ猛暑連れ去る野分かな 志方
(088) 紅葉の 賑わい何処(いずこ) 落葉かな 内野
無季語、川柳
(089) 子育ての 反省込めて 孫の世話 野澤
1 鳥海
2 治部 おっしゃる通りです。
長い海外旅行から帰国して
(090) ホットするなじみの店のニホンソバ 小幡
1 柳町
(091) 億年のなかの一瞬我が命 深瀬
1 内野 本当に生命は不思議です。
(092) 特養の 屋上から観る スカイツリー 野澤
平成26年8月5日朝日新聞の従軍慰安婦記事が根拠の
無い捏造だったと言う記事は衝撃であった。韓国の朴大
統領は強制連行されたとする朝鮮売春婦に対する日本の
歴史認識と賠償を執拗に責め立て、米国各地では日本軍
に強制連行された朝鮮売春婦像が立ち並び、世界人権委
員会からは日本人による強制的性奴隷を非難され、私達
日本人としては世界で、誠に肩身の狭い思いをしていた。
しかし、その根拠となる30年以上に及ぶ朝日新聞の従
軍慰安婦記事が証拠のない、捏造であったとは?? 朝
日新聞を信じていたのに・・・
(093) 日本国 捏造メデイアで 末(うら)枯れる 杜瑯
(094) 地下迷路 利用者無視の 渋谷駅 野澤
1 治部 何回も迷いました。駒東に通っているころは
簡単でした。
2 中島 作句が被らなくて良かった。
3 志方
4 橋本
(095) 人口で 超大国とは 片腹痛 中島
原発再稼働予定 (096) 川内に 人知を尽くし 明日がある 橋本
1 鳥海
(097) ノーベル賞 人格までは 評価せず 野澤
(098) 重ねると難しさ増す俳句かな 志方
1 鳥海
2 野澤 私はこれまで相手にしていたものとのギャップに戸惑っ
ています。
(099) クラブハウス 聳える浅間山 向い打つ 橋本
(100) 自分との 歳を比べて 席を立つ 野澤
1 柳町
2 小幡
意識について三句
(101) 偶然にいのちの意志の生まりょうか 深瀬
(102) 人間のいのちの意志の奇怪さ 深瀬
(103) ものでない意識の起源いずこにか 深瀬
(104) 見掛けでは 判断出来ぬ ひとごころ 野澤
(105) 黄昏や 大地まぶしき 地平線 内野
補足1.選句にあたっての、全体的なコメントには、次のような
ものがありました。 (やや無関係のものもありますが。)
・土川さん: すみません。また鑑賞は書けませんでした。
・森 (杜瑯) さん: 今回は、激戦ですね。
・野澤さん: 自分も詠みたいような句,光景が浮かべるようま句
を各群から選びました。皆さんのレベルからはほど遠く,お荷物
かもしれませんが自分なりに愉しんでおりますので,今後とも宜
しくお願いいたします。
・柳町さん: このところ相続の関係で、毎週のように実家に行っ
てます。財産 [特に土地!!) は持たない方がよいと痛感するこ
のごろです。
・中島さん: 何時も通り共感できる寂しくない句を選びました。
・内野さん: よい句が多く、選句に難渋しました。
・志方さん: 秋から受ける情感はなんだか、還暦すぎてみな同じ
かなとあらためて感じた次第です。林檎の歌でもうたってもう少
し頑張るかの心境です。
・橋本さん: 小さな我が庭ですが、四季咲きのバラと紅葉のアメ
リカ楓が並ぶ晩秋です。以下の7句を選びました。少し笑いのあ
る句も良いですね。
・澤藤さん: 素人なりに三句選ばさせて頂きました。
補足2.水谷さんと澤藤さんのご紹介
水谷さんは、古川充さんと白金小学校の同級生であり、早稲田
大学機械科を卒業され、自動車用の特殊パイプ、等を設計開発す
る会社を経営されています。
澤藤さんは、東北大学法学部を卒業し、第一勧業銀行に勤めら
れ、今現在、セコム関係会社で深瀬と同僚です。お父さんが岩手
県出身のプロ野球選手であったこともあり、大学・社会人野球で
投手として活躍されるなど、多彩な趣味をお持ちです。
以上
第十回の七句会の選句結果をご報告いたします。
今回の6 点句から3 点句は、下記のようでした。
6 点句
(023) 秋の山 燃え立つ赤に 奮い立つ 柳町
5 点句
(006) 鉄橋の川辺の秋や子ら跳ねる 深瀬
4 点句
(022) 半そでもセーターもいる秋の朝 深瀬
(064) 団塊も背中を見せて消えんとす 深瀬
(071) ノータイの首にひんやり秋の風 深瀬
(094) 地下迷路 利用者無視の 渋谷駅 野澤
3 点句
(017) 秋空や エカテリーナの 夢のあと 古川
(030) 秋色に 心も染まる 川辺かな 橋本
(035) 籾入りの木箱なつかしりんご便 深瀬
(074) 落葉踏み たそがれせまる 帰り道 内野
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選ん
だ人の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したも
のを添付します。
次回については、来年4 月中旬ころにご連絡したいと思っていま
すので、よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見があ
りましたら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
2014.11.23
事務方 深瀬
第十回 七句会選句結果
秋
(001) 秋風に 池辺のかも群 一列座 中島
(002) 秋の夕赤黒灰の雲の列 深瀬
1 治部 こんな光景を今年はよく見ました。
(003) 富士の嶺姿容を刻む秋の朝 志方
1 橋本
2 古川
(004) 百手読む棋士の正座や秋気満つ 土川
1 森
(005) 過ぎ去りし 日々よみがえる 秋の酒 吉良
1 志方
2 小幡
(006) 鉄橋の川辺の秋や子ら跳ねる 深瀬
1 治部 列車の中から見た光景でしょうか。
2 吉良 電車からみた風景でしょうか?
3 柳町
4 内野 モネが描いたアルジャントゥイユの鉄橋のそ
ばで跳ねる子供を連想しました。
5 古川
(007) 灯影が水面にゆらぐ秋の暮れ 志方
(008) 未だみぬ空の青さで秋をしる 小幡
(009) 台風が 嫌らしさ増し “秋”が来た 中島
(010) 秋夜空 星の彼方に 夢運べ 古川
1 森
(011) 秋風や やさしく吹けと 爺が言い 中島
1 野澤 ちょっと強い風が吹くと背中を押される感じ
を受ける今日この頃です。
2 小幡
(012) ビルの森 濃き秋空を 埋め尽くす 吉良
1 土川
2 内野 真っ青な秋空とビルの対比がみごとです。
(013) 日本海 夕陽沈みて 秋暮れる 鳥海
1 内野 しみじみとした日本海の黄昏が思い浮かびま
す。
2 志方
(014) 秋来たり カラーボールに 冬が来た 中島
(015) 山寺は 蝉の声無し 錦秋で 鳥海
1 土川
2 志方
(016) 秋雨の窓の水滴追いにけり 深瀬
1 土川
(017) 秋空や エカテリーナの 夢のあと 古川
1 鳥海
2 森
3 中島
神戸長田区美玲ちゃん・六歳の殺人犯人君野容疑者は、
生活保護費で大酒を飲み、なんの罪もない、人なつっこ
い、あどけない美玲ちゃんを殺害し、遺体をバラバラに
したと言う報道に接して、強い憤りを感じる。納税者の
一人として、国の税金で殺人者を養う、現行の生活保護
制度は間違っていると思う。米国の如く、本当に困って
いる人には、現金を支給するのではなく、フードスタン
プを支給すべき。また、体が動ける者は、社会に対する
恩返しで、一週間に一回、公園の清掃などのボランテイ
ア活動を強制すべき。米国では、ボランテイア活動をし
ない者には生活保護費を打ち切っている
(018) 殺人鬼 生活保護で 爪研ぐ秋 杜瑯
1 中島
(019) 秋深し ロシア帰りに 軟き風 古川
(020) 秋三昧 サンマ松茸 紅葉狩り 野澤
1 内野 食欲の秋ですね。
2 橋本
(021) 人の縁はかなさを知る秋の夜 小幡
1 深瀬 人間関係というのは、一筋縄ではいかないも
ののようです。こっちとしては、向こうに原因がある
としか思えませんが、客観的に見れば、こちらにもな
にか原因があるのかもしれません。秋の気配のなかで
は、それも仕方ないとあきらめられるということでし
ょうか。
(022) 半そでもセーターもいる秋の朝 深瀬
1 土川
2 中島
3 橋本
4 澤藤 秋の朝のひんやりとした心地よさも長続きし
ない昨今の異常気象ですね
紅葉をみて、「人生がしぼむ前の一花」を咲かせたいと
いう思いがわき立ちます
(023) 秋の山 燃え立つ赤に 奮い立つ 柳町
1 森
2 中島
3 内野 作者のfighting spiritsに敬意を表します。
まだまだ頑張れる!
4 深瀬 紅葉をみて、先の見えてきた人生にもう一花
咲かせたいという作者の前向きな姿勢にエールを送り
たい気持ちになりました。春に咲く花と紅葉の輝きと
では、同じ美しさでもその意味は180 度異なりますが、
その相違を超越できるというのは、すごいと思います。
5 小幡
6 古川
(024) 秋風が遠く去りゆく夕映えや 志方
(025) 嗅覚で 秋の味覚を 満喫す 野澤
(026) 秋雨に 魂鎮めよ 御嶽山 吉良
1 治部 自然の怒りは計り知れません。犠牲者のご冥
福をお祈りします。
2 森
(027) 賑やかに つくつく法師の 初秋なり 橋本
(028) 秋一番 ゆるキャラ一番 グンマちゃん 古川
1 森
(029) 秋の朝陽の温かさ服に貯め 深瀬
1 土川
2 野澤 退職し,朝から外出する事はほとんど無くな
りましたが,ひんやりする日には太陽の日を一杯服の
中にため込みたいと感じた日が懐かしく思い出されま
す。
(030) 秋色に 心も染まる 川辺かな 橋本
1 吉良 紅葉の季節の美しさが目に浮かびます
2 柳町
3 内野
(031) 秋が来て緋の色褪せた百日紅 志方
1 澤藤 十年前の夏、胃ガン手術の退院のタクシーか
ら見た百日紅の赤さに胃が痛み出しました
10月初旬、サンクトペテルブルグとモスクワ訪問しま
した。特に、1991年ソ連が崩壊する、今から23年
前までは、世界革命を推進する共産党の中心であった、
クレムリン赤の広場の見学は感慨深いものがありました。
なにせ、当時のクレムリンには共産党幹部でなくては入
れない場所でしたから。ロシア人ガイドさんが言うには、
ロシアの通貨、ルーブルは信用がおけなくて、US/EU ド
ルで貯金しているそうです
(032) 秋雨に 夢は烟(けむ)りぬ クレムリン 杜瑯
1 深瀬 団塊世代のわたしたちは、米ソ冷戦構造とい
う極端なイデオロギー対立のなかを長く生きたため、
確かにクレムリンということばには、なにか威圧的な
響きがあるように感じます。それがいまや観光で気軽
に訪れることができるというのは隔世の感もします。
強権的一党独裁の中国も、数10年後は、どうなってい
るのか、気になります。
(033) 夏は去り萩の花咲く秋の風 志方
りんご
(034) もやもやをスパッと切れし林檎かな 水谷
1 吉良 「スパッと切れし」は あまり俳句らしから
ぬ表現で面白く思いました
(035) 籾入りの木箱なつかしりんご便 深瀬
1 野澤 祖母の実家の青森からリンゴの木箱が送られ
てきたのを思い出しました。
2 橋本
3 澤藤 今や発泡スチロールクッションと段ボール箱
入り、故郷岩手からのりんご便が待ち遠しい五十年前
の秋でした
(036) 瓜二つ孫の可愛さと姫りんご 澤藤
(037) 時過ぎて 林檎の歌を 誰ぞ知る 鳥海
1 柳町
2 志方
(038) 手でくるむ赤いリンゴに秋想う 柳町
1 小幡
(039) りんごもぎ両手にあふる里の秋 澤藤
(040) 夕食のあとのりんごを妻むきぬ 深瀬
(041) りんご剥き 実習時代を 懐かしむ 中島
(042) 秋田出の父母の遺影にりんご置く 深瀬
1 土川
(043) 早よしいな(椎名)林檎が落ちる期限切れ 澤藤
(044) 外見良しも 手にも持ってみる リンゴかな 橋本
(045) 齧(かじ)られし林檎の芯や砂時計 土川
1 吉良 句を読んだ状況は想像しずらいのですが、画
になるような情景に思います
2 深瀬 齧られた林檎や砂時計は、シュールレアリズ
ムの絵画などによく見られるように思います。作者が
どういう気持ちで詠んだのか定かではありませんが、
なにかそうした超現実世界の不安感みたいのがあるの
だろうか、とひかれました。
(046) 山眠る前に微(頬)笑むりんごかな 澤藤
1 深瀬 東北の地では、秋も深まり冬が近づくと、空
の雲は重たくたれこめ、みぞれがふりだします。そう
いうなかで真っ赤なりんごが微笑んで気持ちを癒して
くれるというのはなにかほのぼのとしたものが感じら
れました。
(047) 戦後すぐ リンゴの気持ち 皆理解 古川
(048) りんごの実かつては禁断神の知恵 深瀬
人体
(049) 脇甘い 女性閣僚 押し出され 橋本
1 鳥海
(050) 山寺で 足痛みて 句は出来ず 鳥海
1 中島 「静けさや岩にしみ入る蝉の声」のたいそう
立派な石碑を前にして句が出来ない無念さに言い訳し
たくなる気持ち分かります。
2 橋本
(051) よくみれば手のしわめだつ秋の夜 深瀬
1 小幡
(052) そっと見た わが手掌に 希望湧く 古川
(053) 寒風と 踵の荒れに 秋感ず 中島
(054) 足の爪切ればひからぶ音したる 深瀬
(055) 湯上りの 櫛毛数ふる 秋の宵 吉良
(056) 急かされて 段差に躓 老いた足 野澤
(057) 高齢者 腕・腰・足が 痛むなり 鳥海
(058) 電車内ネイルアートの秋の花 深瀬
加齢による膝の痛みをテーマに3部作をつくりました
(059) 朝散歩痛む膝で秋を知る 柳町
(060) 痛む膝引きずりながら秋感ず 柳町
(061) 痛む膝かばって歩く秋の朝 柳町
(062) ひからびし脛に白粉 (はくふん) 秋来たり 深瀬
東名高速道路でスリップの自損事故を起こし
(063) 自損事故我にかえりて手をながむ 小幡
(064) 団塊も背中を見せて消えんとす 深瀬
1 吉良 実感!
2 森
3 柳町
4 志方
(065) 秋寒や手をポケットに早足で 水谷
(066) 脚腰や からだケアして ゴルフかな 橋本
(067) 秋の夜はグラス右手に本左 水谷
1 深瀬 静かな秋の夜、洋室のソファに座り、ウィス
キーでも飲みながら、ひとり、読みたかったミステリ
ーとか歴史物とかの本を読んでいる。たいへん雰囲気
のある相当贅沢な至福の時間だと思いました。
(068) 左手の白き気になるゴルフ焼け 深瀬
1 鳥海
(069) 無表情 ロシアの民に 笑顔見せ 古川
1 鳥海
(070) 耳遠く 大きな声に なりにけり 鳥海
1 野澤 確かに耳が遠くなると,自分では普通に話し
ているつもりでも,声が大き過ぎると注意されます。
(071) ノータイの首にひんやり秋の風 深瀬
1 土川
2 治部 ここ数年ネクタイをすることがなくなりまし
た。
3 野澤 あんなに窮屈に感じていたネクタイも,しめ
なくなると首がひんやりします。
4 中島
(072) 秋雨や 老いし肩より 沁み込みぬ 吉良
自由題
(073) 天高く 鳥が群がる 庭の柿 野澤
1 古川
(074) 落葉踏み たそがれせまる 帰り道 内野
1 治部 帰り道は好きですが、落ち葉を踏むと寂しさ
を感じます。
2 野澤 物事に耽りながら落ち葉の感触を愉しんだも
のです。
3 志方
(075) 散弾を受けしごとくに石榴(ざくろ)爆(は)ず 土川
1 吉良 ザクロの赤い実が裂け散る感じが見事にうた
われています
(076) 紅葉と白樺映す雲場池 水谷
台風一家が過ぎ去った後の、どこまでも青く澄んだ空に、
吾が志は高く昇華する、晩秋
(077) 野分け去り わが志気高く 青く澄み 杜瑯
(078) 優雅なり 水面の十五夜 連れ歩き 橋本
1 吉良 子供のころを思い出します
2 深瀬 なにかの用で夜外出し、池か川の近くを歩い
ていると、夜空の満月が足元近くの水面に写り、まる
で一緒に歩いてくれているようで、心奪われているの
だと思いました。たしかに、これほど贅沢というのか
雅びな”連れ”はいないかもしれません。
人生は、小さい夢、大きい夢に挑戦する連続。短い一生
を終える蝉でも、夢に向かって飛んで行く。その蝉のご
とく、一生を終えるその日まで、夢を持ち続けたい、早
秋。
(079) 夢目指し 一直線に 蝉のとび 杜瑯
1 古川
(080) 野分去り夕照(セキショウ)淡く芒かな 志方
1 橋本 格調高いですね
日光を代表する竜頭ノ滝ですが、紅葉の美しさには勝て
ないと感じます
(081) 竜頭滝いろはもみじに鳴いている 柳町
1 古川
(082) どの山も神の寝姿吾亦紅(われもこう) 土川
(083) 五色沼 湖面に映える 紅葉かな 鳥海
1 柳町
(084) 風さやか竜胆そよぐ野辺の路 志方
1 古川
(085) ざゝと湯の溢れて静か銀やんま 土川
(086) 野分来て 枝葉かまわず 落としけり 橋本
(087) 梢揺れ猛暑連れ去る野分かな 志方
(088) 紅葉の 賑わい何処(いずこ) 落葉かな 内野
無季語、川柳
(089) 子育ての 反省込めて 孫の世話 野澤
1 鳥海
2 治部 おっしゃる通りです。
長い海外旅行から帰国して
(090) ホットするなじみの店のニホンソバ 小幡
1 柳町
(091) 億年のなかの一瞬我が命 深瀬
1 内野 本当に生命は不思議です。
(092) 特養の 屋上から観る スカイツリー 野澤
平成26年8月5日朝日新聞の従軍慰安婦記事が根拠の
無い捏造だったと言う記事は衝撃であった。韓国の朴大
統領は強制連行されたとする朝鮮売春婦に対する日本の
歴史認識と賠償を執拗に責め立て、米国各地では日本軍
に強制連行された朝鮮売春婦像が立ち並び、世界人権委
員会からは日本人による強制的性奴隷を非難され、私達
日本人としては世界で、誠に肩身の狭い思いをしていた。
しかし、その根拠となる30年以上に及ぶ朝日新聞の従
軍慰安婦記事が証拠のない、捏造であったとは?? 朝
日新聞を信じていたのに・・・
(093) 日本国 捏造メデイアで 末(うら)枯れる 杜瑯
(094) 地下迷路 利用者無視の 渋谷駅 野澤
1 治部 何回も迷いました。駒東に通っているころは
簡単でした。
2 中島 作句が被らなくて良かった。
3 志方
4 橋本
(095) 人口で 超大国とは 片腹痛 中島
原発再稼働予定 (096) 川内に 人知を尽くし 明日がある 橋本
1 鳥海
(097) ノーベル賞 人格までは 評価せず 野澤
(098) 重ねると難しさ増す俳句かな 志方
1 鳥海
2 野澤 私はこれまで相手にしていたものとのギャップに戸惑っ
ています。
(099) クラブハウス 聳える浅間山 向い打つ 橋本
(100) 自分との 歳を比べて 席を立つ 野澤
1 柳町
2 小幡
意識について三句
(101) 偶然にいのちの意志の生まりょうか 深瀬
(102) 人間のいのちの意志の奇怪さ 深瀬
(103) ものでない意識の起源いずこにか 深瀬
(104) 見掛けでは 判断出来ぬ ひとごころ 野澤
(105) 黄昏や 大地まぶしき 地平線 内野
補足1.選句にあたっての、全体的なコメントには、次のような
ものがありました。 (やや無関係のものもありますが。)
・土川さん: すみません。また鑑賞は書けませんでした。
・森 (杜瑯) さん: 今回は、激戦ですね。
・野澤さん: 自分も詠みたいような句,光景が浮かべるようま句
を各群から選びました。皆さんのレベルからはほど遠く,お荷物
かもしれませんが自分なりに愉しんでおりますので,今後とも宜
しくお願いいたします。
・柳町さん: このところ相続の関係で、毎週のように実家に行っ
てます。財産 [特に土地!!) は持たない方がよいと痛感するこ
のごろです。
・中島さん: 何時も通り共感できる寂しくない句を選びました。
・内野さん: よい句が多く、選句に難渋しました。
・志方さん: 秋から受ける情感はなんだか、還暦すぎてみな同じ
かなとあらためて感じた次第です。林檎の歌でもうたってもう少
し頑張るかの心境です。
・橋本さん: 小さな我が庭ですが、四季咲きのバラと紅葉のアメ
リカ楓が並ぶ晩秋です。以下の7句を選びました。少し笑いのあ
る句も良いですね。
・澤藤さん: 素人なりに三句選ばさせて頂きました。
補足2.水谷さんと澤藤さんのご紹介
水谷さんは、古川充さんと白金小学校の同級生であり、早稲田
大学機械科を卒業され、自動車用の特殊パイプ、等を設計開発す
る会社を経営されています。
澤藤さんは、東北大学法学部を卒業し、第一勧業銀行に勤めら
れ、今現在、セコム関係会社で深瀬と同僚です。お父さんが岩手
県出身のプロ野球選手であったこともあり、大学・社会人野球で
投手として活躍されるなど、多彩な趣味をお持ちです。
以上
2014年8月24日日曜日
第九回の七句会の選句結果をご報告いたします。
七句会 各位
第九回の七句会の選句結果をご報告いたします。
今回は、次の3 句が、それぞれ4 点、5 点、4 点となりました。
(006) 孫が問う ジジはいつまで 夏休み 野澤07
(078) 落ちてなお 飛沫 (しぶき) はあつし龍の瀧 杜瑯01
(083) 東 (あがり) 崎 目元やさしき 与那国馬 橋本08
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選ん
だ人の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したも
のを添付します。
次回については、10月中旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。 (選
句の期間は、10日程度に短縮したいと思っています。)
2014.08.25
事務方 深瀬
第九回 七句会選句結果
兼題 夏、熱帯夜、暑さ
(001) 西豪雨 東は猛暑 ああ自然 橋本02
1 志方 気候変動の様が簡潔に表現されているようです。
2 治部 降ってほしいところには降らず、降れば豪雨。
思うようにならないものですね。それが余計に暑く感
じます。
3 野澤
(002) 夕立の 降れよと祈る 夏都会 吉良01
1 治部 都会のムンムンとした暑さがよく伝わってき
ます。
(003) 南洋を 思い出したり 夏の雲 内野05
(004) この夏は 画面で愉しむ 花火かな 野澤16
1 橋本
2 中島
3 小幡
大学卒後四十余年、常に理想と学究を追い求
めて来た孤高の友にも陰りが見え、その友にさ
えも夏の陽射しは容赦なく照る。
(005) 天を指す 老いし友にも夏尖 (とが) り 杜瑯02
(006) 孫が問う ジジはいつまで 夏休み 野澤07
1 志方 実に見事なユーモアが感じられ、身につまさ
れます。
2 治部 夏休みに孫が傍にいる光景は幸せですね。作
者は何と答えたのでしょう。
3 中島
4 小幡
(007) 夏の陽に燃えるみどりのしずかさや 深瀬01
1 内野 夏の強烈さと静かさとの対比がみごと。
2 古川
早く打ち水してくれないと俳句ができないと
いう私に、断固打ち水はしないという妻に一句
捧げます。
(008) 梅雨明けて 打ち水する君 夏の華 古川02
1 吉良
2 中島
(009) 暑い夏 孫と楽しむ かき氷 柳町01
(010) 夏痩せで 妻娘(つまこ)羨む 六キロ減 野澤14
1 深瀬 「妻娘羨む~」にドラマ風なユーモアを感じ
ました。しかし、六キロ減は、やや行き過ぎではない
か、と少し心配になりました。
2 橋本 本人もこのまま維持したい?
(011) くらやみに ひかり輝く 夏祭り 内野02
1 吉良
2 柳町
3 深瀬 祭りは夜がクライマックスですが、そこは、
あかりと暗闇のコントラストの世界だと思います。都
会の最近の祭りは、その暗闇が中途半端でつまらなく
感じます。
(012) 湿暑に 昔の夏が 懐かしい 中島03
1 野澤
(013) 蒸暑い眠れぬ夜中に五七五 野澤09
(014) 蝉の聲夏がおわりて細くなる 小幡05
(015) 緑陰に 猛暑をさけて 涼をとり 内野03
1 野澤
2 古川
(016) 摩訶不思議 暑い暑いと 厚化粧 野澤08
(017) 暑き夏 原発稼働に 気持ち揺れ 中島04
1 鳥海
(018) 熱帯夜 まだ来ぬ睡魔に 五七五 野澤05
孫を連れを行ったのはずなのに、結局は孫
に手をひかれている自分がいます
(019) 夏祭り いつの間にやら 手をひかれ 柳町04
1 土川
2 野澤
(020) 夏祭り 孫の手をとり 盆踊り 野澤15
(021) 夏の朝 川辺につどい 老いを生く 吉良02
1 森
(022) 高層の窓辺に海の夏の夕 深瀬06
(023) 夏休み 孫の相手は じじとばば 野澤06
(024) 打ち水も 甲斐なきほどの 暑さかな 治部01
1 柳町
2 橋本
3 鳥海
(025) 老いの身に 猛暑こたえる エコ温度 野澤12
(026) 炎天に足裏だけの影を踏む 土川01
1 吉良
2 中島
3 小幡
(027) 夏の夜鉢植えに水桶二杯 深瀬02
1 吉良
(028) 真夏日は 昼寝の前に ひと泳ぎ 野澤01
1 柳町
(029) 夕の森 盛夏を謳う 蝉しぐれ 橋本01
1 森
(030) 我が家では 冷えた麦茶で 暑気払い 野澤11
(031) 赤信号日陰争奪夏の朝 深瀬03
1 土川
2 鳥海
(032) 寝苦しき暑さ忘れる朝の風 小幡01
東京は不夜城のため、蝉の幼虫は夜も光で木
に登れず地面を徘徊していますので、夜の散歩
では木に運んであげています。トンボのヤゴの
ように、蝉の幼虫の呼び名が統一されていない
そうです。
(033) 蝉のため 幼虫レスキュー 夏の宵 古川04
1 橋本 都会の蝉は苦労しますね、初めて知りました
(034) 夏休み マンションの子ら 声消ゆる 中島02
1 土川
(035) 夏痩せで プールの波に 浮き沈み 野澤13
(036) 夏の海かごめにヨット点描画 深瀬04
(037) 夏盛り 緑グリーンに 陽炎立つ 中島01
(038) 熱帯夜 体内時計も 夏時間 野澤04
新国立美術館で印象派展開催中
(039) 印象派 巴里の風乗せ 夏東京 古川03
(040) 夏の山狼煙(のろし)の見ゆる距離に村 土川05
1 深瀬 狼煙で伝えあう社会に、人間同志の絆の原点
を垣間見る思いがしました。こうした距離感が、各村
落の独自文化を育んだのではないかという気がします。
(041) 想い出す夏のにほいと山の音 小幡04
1 柳町
2 内野 「にほい」が効いていますね。
(042) 真夏日の 散歩の伴は マイポット 野澤02
(043) 暑き日に すずしげに咲く 睡蓮花 内野04
1 吉良
昨年は登れた山なのに、今年は怪我で登れず
、残念なきもちです。
(044) けがの足 眺めて想う 去年の夏 柳町02
(045) 炎天下影を求めて蛇行する 小幡02
1 野澤
(046) 暑き日に、登る夏山 草深し 内野01
天草の海辺での旅館から、酔眼で海を眺めて
いたら浮かんだ句が多いようです。以下、10句。
(047) 黄昏に漁火遠く夏静か 志方01
1 土川
2 内野 心が落ち着く句です。
3 小幡
(048) 月明かり一筋伸びる夏の海 志方02
1 吉良
2 古川
(049) 西陽さす夏の夕暮れ影長く 志方03
(050) 蝉しぐれ木洩れ日揺らし夏の涼 志方04
1 内野 一陣の風が吹いたのですか?
2 古川
(051) 戸を開けて暑さ一服カナカナと 志方05
(052) 緋鮮やか夾竹桃が凛と咲く 志方06
1 治部
(053) 陽炎が溶けだし揺れて猛夏かな 志方07
1 吉良
2 小幡
(054) 夕間暮れ波が寄せくる夏の浜 志方08
1 治部
2 内野 波をみながら作者は何を思っているのでしょ
うか?
(055) 澪標誰が立てたか炎天に 志方09
1 土川
2 森
(056) 風にのり夏雲超えて蒼天が 志方10
(057) 熱帯夜 冴えぬ頭で 一句詠む 野澤03
(058) さらけだす豊満裸身夏に映え 深瀬05
(059) 汗たらリ いそぎ行きたる 猛暑の日 内野06
(060) 脳トレで 前頭葉の 暑気払い 野澤10
これから老齢期を迎える我々は斯くあらねば!
(061) 暑きほど 真赤に燃えよ 我が血潮 古川01
兼題 戦争
(062) 原爆も小さくなりし安倍政権 小幡06
1 中島
(063) 猛暑にも 戦争絶えぬ パレスチナ 中島05
(064) 父遺し戦争写真セピア色 深瀬09
1 志方 安倍総理の評価は我々世代には賛否著しいで
すが、謙虚さが消え、論理に深みがないのと感じるの
は、わたしだけでしょうか?
2 橋本
安陪首相の右翼的行動に叛旗の一句、昔もノ
ンポリラジカル、犬の遠吠え派。
(065) アベノミス 戦争への道 まっしぐら 古川05
1 鳥海
(066) 戦争を話すことなく父の逝く 土川02
1 深瀬 さきの日中・太平洋戦争は、それに翻弄され
た父の世代にとってなんであったのか、考えさせられ
ます。巨大な時代の歯車のなかに押しつぶされてしま
ったということでしょうか。
2 小幡
(067) 安倍君を まず派遣せよ 戦争地 中島06
1 内野 選ばざるを得ません。
2 鳥海
3 古川
兼題 兄弟姉妹
(068) ひさしぶり姉の姿に歳をみる 小幡03
1 中島
(069) 「暑いね」と性格違う義姉の来る 土川03
今では遺産相続でもめて?
(070) 幼き日 兄弟げんか 懐かしき 古川06
(071) 堕ろし子を妹だったかもと母ぽつり 深瀬07
1 土川
子どもの頃の想い出
(072) これ兄に買ってもらったと母に見せ 深瀬08
自由題 有季語
(073) 一杯の麦茶口にし人心地 野澤17
1 志方 涼しさの実感が旨く表現されています
2 治部 暑い時の麦茶ほんとにうまいですよね。
(074) 切り落としやもりのしっぽ跳ねており 深瀬14
(075) 金盥 (たらい) 孫と一緒に 水を噴く 柳町03
(076) 梅雨空に 銀鱗見せて ボラ跳ねる 橋本03
(077) 涼求め汗をかきかきウオーキング 野澤18
鹿児島市加治木町の龍門の瀧にて。退職後も
自己の道を極め様と欲するあつき思いは、まだ
消えない。
(078) 落ちてなお 飛沫 (しぶき) はあつし龍の瀧 杜瑯01
1 土川
2 治部
3 深瀬 こういうはげしい思いを俳句に詠むことも可
能なのだと改めて思いました。瀧の飛沫の捉え方も、
みるひとの心情で千差万別だということだと思います。
4 鳥海
5 古川
(079) 青空に白パラソルの八角形 土川04
最初で最後? の5月、5泊6日の沖縄旅行か
ら 以下、7 句。
(080) 沖縄の 歴史を刻む 旅初日 橋本05
(081) 初シュノーケル 風雨も忘れる 白保海 橋本06
(082) 玉取崎 石垣島リーフ 茫々と 橋本07
1 内野 私も行ってみたくなる雄大な風景です。
(083) 東 (あがり) 崎 目元やさしき 与那国馬 橋本08
1 森
2 柳町
3 鳥海
4 古川
(084) 与那国は 車道も牛馬の 牧場なり 橋本09
(085) 訪れて 沖縄の島々 近くなり 橋本10
1 中島
(沖縄海越えホール)
(086) 181 ヤード 海越えたよと 慶佐次嬢 橋本11
1 深瀬 狭い意味での俳句としてはどうかと思います
が、ゴルフをたのしむ者同志としては詠みたい気持ち
がよく分かります。キャディーさんに言われて安心と
いうのは、眼の老化もあるのでしょうか。
(087) 風鈴の 音色なつかし 目を閉じる 吉良03
1 志方 懐かしい景色かな
2 橋本
3 小幡
(088) 朝霧に 無数に浮かぶ 蜘蛛の網 橋本04
1 志方 夏の朝が上手く表現されていると思います。
2 深瀬 幾何学模様の蜘蛛の巣に水滴が付着し光って
いるというのは、美しくも不気味です。なにかSF小
説的な世界に紛れ込んだ思いがしました。
(089) 孫だしに縁日愉しむ我が女房 野澤19
(090) 我庭で 生きた証か 蝉の殻 治部02
1 森
リズム感がなくなっている事を痛感していま
ます!
(091) 盆踊り 孫にも負ける リズム感 柳町05
愉快な、古川組と語らって、暑さを吹っ飛ば
そう
(092) 八朔に 君と語りし 天に駈け 杜瑯03
(093) 蚊をたたきいのちをひとつ消しにけり 深瀬13
1 橋本 蚊にもいのち,,, 蚊憎しで露も浮かびません
自由題 無季語
(094) 灰皿に父の面影しみ込みて 深瀬10
(095) 戻りきてなにしに行きと自問せり 深瀬11
1 野澤
(096) ポテンシャルあがるをじっと待つ身かな 深瀬12
(097) 生命の生殖メカをだれつくり 深瀬15
先ほど我が家の前で50年以上の街路樹の柳
の大木が倒壊しました。
(098) 柳の木 倒れて君の 恵み知る 古川07
1 柳町
(099) 客観す意識のレベルひと進化 深瀬16
(100) 電車内ネット中毒あふれけり 深瀬17
1 志方 苦々しいと感じるのが私だけではないようです。
(101) トタンうつ雨音に耳そばだてり 深瀬18
(102) 人生になにが起きるか先見えず 深瀬19
(103) 客観を組織の論理封じ込め 深瀬20
1 野澤
補足1.選句にあたっての、全体的なコメントには、次のようなも
のがありました。
・森さん: 秀句が多いですね。
・志方さん: 総じて夏を上手く表現するのは難しいと思いました。
・野澤さん: 皆さんの句を愉しく詠ませて頂きました。選句にあた
り私自身が上手い下手の評価ができるレベルにありませんので日常
生活の中で、私が詠みたかった事、共感出来る事を基準にしました。
本来ならばこれぞ俳句と思える高尚なものを選句すべきかも知れ
ませんが
・内野さん: 早めに選句しましたので、コメントもつけることが出
来ました。今回はよい句が多く、なかなか選句が難しかったです。
皆さんだいぶ腕が上がったのでは?
・橋本さん: 以下の7句を選びました。分かり易い句ばかりになっ
てしまいます。
・中島さん: いつも通り、まず、「共感」を選択基準としています。
・古川さん: だんだん皆がうまくなっていますね。私は今回は言訳
付きの句ばかりでした。次回は涼しい中さえた頭で句ひねりたいと
思います。
補足2.森さんのご紹介
森さんは、古川充さんの大学の同期であり、古川さんから次のよ
うなご紹介がありました。
『1947年生まれ鹿児島枕崎出身の薩摩隼人。群馬大学医学部卒業
後群馬大学第一内科に所属、1980年から1983年まで米国ルイジアナ
州立大学内科留学、1991年〜2013年 群馬大学医学部第一内科(改
組・病態制御内科)教授、2013年より北関東肥満代謝研究所所長と
して肥満代謝の専門医として研究を行っております。
注。北関東肥満代謝研究所 http://kimono-riom.jp/
2006年には摂食抑制ペプチドであるNesfatin-1を発見し、Nature
に発表し注目を浴びております。
駒場東邦の仲間たちで行っているゴルフ会霞光会に所属していま
す。』
尚、森さんは、七杜節瑯のペンネーム (俳号は、杜瑯です。) で、
「男の死体 (最新医学新書) 」、「女の死体-君よ、女の死体に聞
け (最新医学新書) 」の著作があり、文学にも深い造詣をお持ちで
あり、多彩な活躍をされています。
第九回の七句会の選句結果をご報告いたします。
今回は、次の3 句が、それぞれ4 点、5 点、4 点となりました。
(006) 孫が問う ジジはいつまで 夏休み 野澤07
(078) 落ちてなお 飛沫 (しぶき) はあつし龍の瀧 杜瑯01
(083) 東 (あがり) 崎 目元やさしき 与那国馬 橋本08
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選ん
だ人の名前とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したも
のを添付します。
次回については、10月中旬ころにご連絡したいと思っていますの
で、よろしくお願いいたします。やり方について、ご意見がありま
したら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。 (選
句の期間は、10日程度に短縮したいと思っています。)
2014.08.25
事務方 深瀬
第九回 七句会選句結果
兼題 夏、熱帯夜、暑さ
(001) 西豪雨 東は猛暑 ああ自然 橋本02
1 志方 気候変動の様が簡潔に表現されているようです。
2 治部 降ってほしいところには降らず、降れば豪雨。
思うようにならないものですね。それが余計に暑く感
じます。
3 野澤
(002) 夕立の 降れよと祈る 夏都会 吉良01
1 治部 都会のムンムンとした暑さがよく伝わってき
ます。
(003) 南洋を 思い出したり 夏の雲 内野05
(004) この夏は 画面で愉しむ 花火かな 野澤16
1 橋本
2 中島
3 小幡
大学卒後四十余年、常に理想と学究を追い求
めて来た孤高の友にも陰りが見え、その友にさ
えも夏の陽射しは容赦なく照る。
(005) 天を指す 老いし友にも夏尖 (とが) り 杜瑯02
(006) 孫が問う ジジはいつまで 夏休み 野澤07
1 志方 実に見事なユーモアが感じられ、身につまさ
れます。
2 治部 夏休みに孫が傍にいる光景は幸せですね。作
者は何と答えたのでしょう。
3 中島
4 小幡
(007) 夏の陽に燃えるみどりのしずかさや 深瀬01
1 内野 夏の強烈さと静かさとの対比がみごと。
2 古川
早く打ち水してくれないと俳句ができないと
いう私に、断固打ち水はしないという妻に一句
捧げます。
(008) 梅雨明けて 打ち水する君 夏の華 古川02
1 吉良
2 中島
(009) 暑い夏 孫と楽しむ かき氷 柳町01
(010) 夏痩せで 妻娘(つまこ)羨む 六キロ減 野澤14
1 深瀬 「妻娘羨む~」にドラマ風なユーモアを感じ
ました。しかし、六キロ減は、やや行き過ぎではない
か、と少し心配になりました。
2 橋本 本人もこのまま維持したい?
(011) くらやみに ひかり輝く 夏祭り 内野02
1 吉良
2 柳町
3 深瀬 祭りは夜がクライマックスですが、そこは、
あかりと暗闇のコントラストの世界だと思います。都
会の最近の祭りは、その暗闇が中途半端でつまらなく
感じます。
(012) 湿暑に 昔の夏が 懐かしい 中島03
1 野澤
(013) 蒸暑い眠れぬ夜中に五七五 野澤09
(014) 蝉の聲夏がおわりて細くなる 小幡05
(015) 緑陰に 猛暑をさけて 涼をとり 内野03
1 野澤
2 古川
(016) 摩訶不思議 暑い暑いと 厚化粧 野澤08
(017) 暑き夏 原発稼働に 気持ち揺れ 中島04
1 鳥海
(018) 熱帯夜 まだ来ぬ睡魔に 五七五 野澤05
孫を連れを行ったのはずなのに、結局は孫
に手をひかれている自分がいます
(019) 夏祭り いつの間にやら 手をひかれ 柳町04
1 土川
2 野澤
(020) 夏祭り 孫の手をとり 盆踊り 野澤15
(021) 夏の朝 川辺につどい 老いを生く 吉良02
1 森
(022) 高層の窓辺に海の夏の夕 深瀬06
(023) 夏休み 孫の相手は じじとばば 野澤06
(024) 打ち水も 甲斐なきほどの 暑さかな 治部01
1 柳町
2 橋本
3 鳥海
(025) 老いの身に 猛暑こたえる エコ温度 野澤12
(026) 炎天に足裏だけの影を踏む 土川01
1 吉良
2 中島
3 小幡
(027) 夏の夜鉢植えに水桶二杯 深瀬02
1 吉良
(028) 真夏日は 昼寝の前に ひと泳ぎ 野澤01
1 柳町
(029) 夕の森 盛夏を謳う 蝉しぐれ 橋本01
1 森
(030) 我が家では 冷えた麦茶で 暑気払い 野澤11
(031) 赤信号日陰争奪夏の朝 深瀬03
1 土川
2 鳥海
(032) 寝苦しき暑さ忘れる朝の風 小幡01
東京は不夜城のため、蝉の幼虫は夜も光で木
に登れず地面を徘徊していますので、夜の散歩
では木に運んであげています。トンボのヤゴの
ように、蝉の幼虫の呼び名が統一されていない
そうです。
(033) 蝉のため 幼虫レスキュー 夏の宵 古川04
1 橋本 都会の蝉は苦労しますね、初めて知りました
(034) 夏休み マンションの子ら 声消ゆる 中島02
1 土川
(035) 夏痩せで プールの波に 浮き沈み 野澤13
(036) 夏の海かごめにヨット点描画 深瀬04
(037) 夏盛り 緑グリーンに 陽炎立つ 中島01
(038) 熱帯夜 体内時計も 夏時間 野澤04
新国立美術館で印象派展開催中
(039) 印象派 巴里の風乗せ 夏東京 古川03
(040) 夏の山狼煙(のろし)の見ゆる距離に村 土川05
1 深瀬 狼煙で伝えあう社会に、人間同志の絆の原点
を垣間見る思いがしました。こうした距離感が、各村
落の独自文化を育んだのではないかという気がします。
(041) 想い出す夏のにほいと山の音 小幡04
1 柳町
2 内野 「にほい」が効いていますね。
(042) 真夏日の 散歩の伴は マイポット 野澤02
(043) 暑き日に すずしげに咲く 睡蓮花 内野04
1 吉良
昨年は登れた山なのに、今年は怪我で登れず
、残念なきもちです。
(044) けがの足 眺めて想う 去年の夏 柳町02
(045) 炎天下影を求めて蛇行する 小幡02
1 野澤
(046) 暑き日に、登る夏山 草深し 内野01
天草の海辺での旅館から、酔眼で海を眺めて
いたら浮かんだ句が多いようです。以下、10句。
(047) 黄昏に漁火遠く夏静か 志方01
1 土川
2 内野 心が落ち着く句です。
3 小幡
(048) 月明かり一筋伸びる夏の海 志方02
1 吉良
2 古川
(049) 西陽さす夏の夕暮れ影長く 志方03
(050) 蝉しぐれ木洩れ日揺らし夏の涼 志方04
1 内野 一陣の風が吹いたのですか?
2 古川
(051) 戸を開けて暑さ一服カナカナと 志方05
(052) 緋鮮やか夾竹桃が凛と咲く 志方06
1 治部
(053) 陽炎が溶けだし揺れて猛夏かな 志方07
1 吉良
2 小幡
(054) 夕間暮れ波が寄せくる夏の浜 志方08
1 治部
2 内野 波をみながら作者は何を思っているのでしょ
うか?
(055) 澪標誰が立てたか炎天に 志方09
1 土川
2 森
(056) 風にのり夏雲超えて蒼天が 志方10
(057) 熱帯夜 冴えぬ頭で 一句詠む 野澤03
(058) さらけだす豊満裸身夏に映え 深瀬05
(059) 汗たらリ いそぎ行きたる 猛暑の日 内野06
(060) 脳トレで 前頭葉の 暑気払い 野澤10
これから老齢期を迎える我々は斯くあらねば!
(061) 暑きほど 真赤に燃えよ 我が血潮 古川01
兼題 戦争
(062) 原爆も小さくなりし安倍政権 小幡06
1 中島
(063) 猛暑にも 戦争絶えぬ パレスチナ 中島05
(064) 父遺し戦争写真セピア色 深瀬09
1 志方 安倍総理の評価は我々世代には賛否著しいで
すが、謙虚さが消え、論理に深みがないのと感じるの
は、わたしだけでしょうか?
2 橋本
安陪首相の右翼的行動に叛旗の一句、昔もノ
ンポリラジカル、犬の遠吠え派。
(065) アベノミス 戦争への道 まっしぐら 古川05
1 鳥海
(066) 戦争を話すことなく父の逝く 土川02
1 深瀬 さきの日中・太平洋戦争は、それに翻弄され
た父の世代にとってなんであったのか、考えさせられ
ます。巨大な時代の歯車のなかに押しつぶされてしま
ったということでしょうか。
2 小幡
(067) 安倍君を まず派遣せよ 戦争地 中島06
1 内野 選ばざるを得ません。
2 鳥海
3 古川
兼題 兄弟姉妹
(068) ひさしぶり姉の姿に歳をみる 小幡03
1 中島
(069) 「暑いね」と性格違う義姉の来る 土川03
今では遺産相続でもめて?
(070) 幼き日 兄弟げんか 懐かしき 古川06
(071) 堕ろし子を妹だったかもと母ぽつり 深瀬07
1 土川
子どもの頃の想い出
(072) これ兄に買ってもらったと母に見せ 深瀬08
自由題 有季語
(073) 一杯の麦茶口にし人心地 野澤17
1 志方 涼しさの実感が旨く表現されています
2 治部 暑い時の麦茶ほんとにうまいですよね。
(074) 切り落としやもりのしっぽ跳ねており 深瀬14
(075) 金盥 (たらい) 孫と一緒に 水を噴く 柳町03
(076) 梅雨空に 銀鱗見せて ボラ跳ねる 橋本03
(077) 涼求め汗をかきかきウオーキング 野澤18
鹿児島市加治木町の龍門の瀧にて。退職後も
自己の道を極め様と欲するあつき思いは、まだ
消えない。
(078) 落ちてなお 飛沫 (しぶき) はあつし龍の瀧 杜瑯01
1 土川
2 治部
3 深瀬 こういうはげしい思いを俳句に詠むことも可
能なのだと改めて思いました。瀧の飛沫の捉え方も、
みるひとの心情で千差万別だということだと思います。
4 鳥海
5 古川
(079) 青空に白パラソルの八角形 土川04
最初で最後? の5月、5泊6日の沖縄旅行か
ら 以下、7 句。
(080) 沖縄の 歴史を刻む 旅初日 橋本05
(081) 初シュノーケル 風雨も忘れる 白保海 橋本06
(082) 玉取崎 石垣島リーフ 茫々と 橋本07
1 内野 私も行ってみたくなる雄大な風景です。
(083) 東 (あがり) 崎 目元やさしき 与那国馬 橋本08
1 森
2 柳町
3 鳥海
4 古川
(084) 与那国は 車道も牛馬の 牧場なり 橋本09
(085) 訪れて 沖縄の島々 近くなり 橋本10
1 中島
(沖縄海越えホール)
(086) 181 ヤード 海越えたよと 慶佐次嬢 橋本11
1 深瀬 狭い意味での俳句としてはどうかと思います
が、ゴルフをたのしむ者同志としては詠みたい気持ち
がよく分かります。キャディーさんに言われて安心と
いうのは、眼の老化もあるのでしょうか。
(087) 風鈴の 音色なつかし 目を閉じる 吉良03
1 志方 懐かしい景色かな
2 橋本
3 小幡
(088) 朝霧に 無数に浮かぶ 蜘蛛の網 橋本04
1 志方 夏の朝が上手く表現されていると思います。
2 深瀬 幾何学模様の蜘蛛の巣に水滴が付着し光って
いるというのは、美しくも不気味です。なにかSF小
説的な世界に紛れ込んだ思いがしました。
(089) 孫だしに縁日愉しむ我が女房 野澤19
(090) 我庭で 生きた証か 蝉の殻 治部02
1 森
リズム感がなくなっている事を痛感していま
ます!
(091) 盆踊り 孫にも負ける リズム感 柳町05
愉快な、古川組と語らって、暑さを吹っ飛ば
そう
(092) 八朔に 君と語りし 天に駈け 杜瑯03
(093) 蚊をたたきいのちをひとつ消しにけり 深瀬13
1 橋本 蚊にもいのち,,, 蚊憎しで露も浮かびません
自由題 無季語
(094) 灰皿に父の面影しみ込みて 深瀬10
(095) 戻りきてなにしに行きと自問せり 深瀬11
1 野澤
(096) ポテンシャルあがるをじっと待つ身かな 深瀬12
(097) 生命の生殖メカをだれつくり 深瀬15
先ほど我が家の前で50年以上の街路樹の柳
の大木が倒壊しました。
(098) 柳の木 倒れて君の 恵み知る 古川07
1 柳町
(099) 客観す意識のレベルひと進化 深瀬16
(100) 電車内ネット中毒あふれけり 深瀬17
1 志方 苦々しいと感じるのが私だけではないようです。
(101) トタンうつ雨音に耳そばだてり 深瀬18
(102) 人生になにが起きるか先見えず 深瀬19
(103) 客観を組織の論理封じ込め 深瀬20
1 野澤
補足1.選句にあたっての、全体的なコメントには、次のようなも
のがありました。
・森さん: 秀句が多いですね。
・志方さん: 総じて夏を上手く表現するのは難しいと思いました。
・野澤さん: 皆さんの句を愉しく詠ませて頂きました。選句にあた
り私自身が上手い下手の評価ができるレベルにありませんので日常
生活の中で、私が詠みたかった事、共感出来る事を基準にしました。
本来ならばこれぞ俳句と思える高尚なものを選句すべきかも知れ
ませんが
・内野さん: 早めに選句しましたので、コメントもつけることが出
来ました。今回はよい句が多く、なかなか選句が難しかったです。
皆さんだいぶ腕が上がったのでは?
・橋本さん: 以下の7句を選びました。分かり易い句ばかりになっ
てしまいます。
・中島さん: いつも通り、まず、「共感」を選択基準としています。
・古川さん: だんだん皆がうまくなっていますね。私は今回は言訳
付きの句ばかりでした。次回は涼しい中さえた頭で句ひねりたいと
思います。
補足2.森さんのご紹介
森さんは、古川充さんの大学の同期であり、古川さんから次のよ
うなご紹介がありました。
『1947年生まれ鹿児島枕崎出身の薩摩隼人。群馬大学医学部卒業
後群馬大学第一内科に所属、1980年から1983年まで米国ルイジアナ
州立大学内科留学、1991年〜2013年 群馬大学医学部第一内科(改
組・病態制御内科)教授、2013年より北関東肥満代謝研究所所長と
して肥満代謝の専門医として研究を行っております。
注。北関東肥満代謝研究所 http://kimono-riom.jp/
2006年には摂食抑制ペプチドであるNesfatin-1を発見し、Nature
に発表し注目を浴びております。
駒場東邦の仲間たちで行っているゴルフ会霞光会に所属していま
す。』
尚、森さんは、七杜節瑯のペンネーム (俳号は、杜瑯です。) で、
「男の死体 (最新医学新書) 」、「女の死体-君よ、女の死体に聞
け (最新医学新書) 」の著作があり、文学にも深い造詣をお持ちで
あり、多彩な活躍をされています。
2014年8月6日水曜日
七句会の集まり(14.08.03)の報告
- 日時 2014年08月03日 (日) 午後2 時~4 時頃
- 場所 上智大学四谷キャンパス 10号館 324教室
- 参加者 小幡、土川 (以上敬称略) 、深瀬
- 内容
1.資料(1) 「七句会 第八回句会の個人的なレビュー」 (深瀬) を使った討議
俳句には作る人の人間性のようなものが、結構、現れる。
2.資料(2) 「自由律俳句について」 (土川) を使った討議
言葉のリズムや拍子は、俳句でも大きな位置づけを占めている。
3.資料(3) 「なぜ、わたしは俳句を作るのか5 (深瀬) を使った討議
俳句を作る目的、期待される効用は、人それぞれ千差万別であり、その多
様 性が興味深い。
追記
冒頭、小幡さんから、前々日、大阪から東京へ豪雨のなか、高速道路で帰る
途中、追いこし車線で道路上にできた水たまりにハンドルをとられスピンし、
ガードレールに激突し、車は大破し廃車になったが、エアバッグのおかげで奥
さまともども九死に一生をえたとのご報告がありました。それでも小幡さんは
、レンタカーを借りて前日、運転して帰って来たとのことで小幡さんの精神的
たくましさに敬服しました。
深瀬 記
資料(1)
七句会勉強会資料 深瀬 (14.08.03)
七句会 第八回句会の個人的なレビュー
1.七句会 第八回句会 投句表 (2014年5 月11日締め切り)
春愁や煙雨の向こうのおぼろ梅 志方01
あぜ道に命みなぎるつくしかな 志方02
若葉透け名残り桜に春は行く 志方03
みちすがら相馬の桜に鯉のぼり 志方04
相馬路の今年も悲しき山桜 志方05
この春も大地剥ぎ取る除染かな 志方06
残雪に夕陽が滲む那須連峰 志方07
この春も ひばりさえずる 分譲地 橋本01
春は花 花花花を 咲かせ行く 橋本02
新緑の フィールドアスレチック (の子ら) 声高く 橋本03
癒される 柔らか若葉の 散歩道 橋本04
(春のゴルフを2句)
ティーショット 吸い込まれたい 皐月晴れ 橋本05
薫風が 運んでくれた ナイスオン 橋本06
(日本の公的債務 (借金) の危機的状況はどうなる?) 橋本07
借金が 世界遺産と ならぬ世に
今年2 月に中央区に転居し、毎朝街中を散歩しています。
ビルの森 窓辺に映える 春の雲 吉良01
コンクリを 押し分け萌える 春の草 吉良02
ざわめきの ひと人ヒトに 春の顔 吉良03
春の陽の 水辺に照らす 白黄色 吉良04
行く春に 汗したたらせ 若葉かぐ 吉良05
隅田川 春待ちわびて 櫂をこぐ 吉良06
春愁やエンドロールの文字滲む 土川01
半地下にロシアの春のアコーディオン 土川02
「お帰り」といふ日本語の暖かし 土川03
朧月車窓に映る無表情 土川04
単線の上りを待ちて黄水仙 土川05
風香る 菜の花畑 春爛満 古川01
若葉寒 春の気まぐれ 風しみる 古川02
雲雀鳴き 春風そよぐ 幸せや 古川03
松永邸でバーベキュー御馳走になりました
友集い 春昼下がり 酒うまし 古川04
老いの先 宇宙の基へと 帰る道 古川05
雨風に 曝されても行くぞ 老いの道 古川06
農協の日替わり定食で、でてきたカレーと蕎麦で考えて
しまいました。ちなみに私も知らないおじさんもカレー
から食べました。
カレーと蕎麦 どちらを先に 食べるべき 古川07
深みゆく緑に春を惜しみけり 深瀬01
春惜しみ老後戦略再吟味 深瀬02
障子切る鳥影の濃し春や行く 深瀬03
新緑に山はおおわれ別世界 深瀬04
海と陽といのちたわむる干潟かな 深瀬05
タイヤチェーン雪うつ音や都心夜 深瀬06
ボケたかと不安横切る老後日々 深瀬07
いつ終わる老後の道の一人旅 深瀬08
日本鬱中華帝国よみがえり 深瀬09
日本流耽美こだわりガラパゴス? 深瀬10
米中のはざまで問わる日本流 深瀬11
独立の意味いま問わる日本かな 深瀬12
うましくに日本に溢る汚染水 深瀬13
星をみて亡きひと想ういのちあり 深瀬14
自然との距離と関係思想生む? 深瀬15
自然への畏怖失せし世は空騒ぎ 深瀬16
自然への畏敬なき学うわ滑る 深瀬17
細胞の個々とわれとの関係は? 深瀬18
電王に腕組む棋士に疲労感 深瀬19
絶叫す中継アナに落差あり 深瀬20
桜みちはずむ歩みが春を呼ぶ. 小幡01
花びえに重きからだに老いとしる. 小幡02
土けむり孫が泣き出す春あらし. 小幡03
春うらら歳を忘れて岩登り. 小幡04
桜みち弾むこころに夢をみる. 小幡05
2.個人的な見方
〇志方さんの俳句
自然の風景をじっくり観察し、細かいところまで、味わっている。
その一方、人間のやっていることを、自分のことも含めて、やや肯定できず
にやや距離をおいて見ているクールな雰囲気も感じられそう。
俳句つくりになにを求めていくか、注目してみたい。
〇橋本さんの俳句
生活の場のなかで、自分自身の社会性も含めて、健全に肯定的に捉えている
。
分譲地、アスレチック、散歩道、ティーショット、など、日常の生活にしっ
かり根付いている感じ。
〇吉良さんの俳句
都心のなかでたくましく存在している自然をしっかりと見つめ、自分自身の
位置づけも揺るぎなく肯定している。都会のなかで、自然や自分自身も含めて
、冷静に客観視することができている。お医者さんならでは?
〇土川さんの俳句
日常生活のなかで、普通はあまり意識されないような風景を、しっかりピン
トをあわてせて提示するというのは、土川さん独自の切り口のように思います
。
その切り口には、いろいろな教養や興味に裏打ちされたもので、土川さんの
人間性のようなものが深く刻み込まれたもののように感じます。
なにか絵画的で、よむ人の意表をつくというのか、少しはっとさせるような
面もあると思います。
人間や社会を、否定的に捉えるという訳ではないが、だからといって肯定的
に捉えている訳でもなさそうです。
〇古川さんの俳句
やや気張っているのが、古川さんらしい感じがします。その一方、やや首を
傾げて、疑問を投げかけるような気配もあります。しかし、全てに対して、肯
定的な気分を強く感じます。
〇小幡さんの俳句
自然や日常の生活の場で生きている自分を、鷹揚に、肯定的に捉えている小
幡さんの姿勢が強く感じられます。人生とは、こういうものなのだ、というメ
ッセージがここちよく、説得力があると思います。
以上
資料(2)
七句会勉強会メモ
2014.8.3. 土川春穂
■自由律俳句について
俳句は「五七五」の定型を守るというよりも、基本的に七五調のリズムを大
切にすることと私は思っています。しかし、定型の意味をもう少し考えるため
に、敢て定型俳句の対極にある自由律(無定型)俳句について勉強してみるこ
とにしました。(文献:池内紀編 岩波文庫 尾崎放哉句集)
自由律の俳句と言うと尾崎放哉(おざきほうさい)が有名です。彼は大正1
年に41歳で早逝していますが、十代半ばから30歳ぐらいまでの一高、東大、エ
リートサラリーマン時代は定型俳句を書いていました。その後、俳誌「層雲」
で萩原井泉水(おぎわらせいせんすい)の指導のもと、自由律俳句に転じてい
ます。
尾崎放哉の代表句というと、
咳をしても一人
墓の裏にまわる
が知られていますが、これは自由律と言うよりも、私には「三三三」の定型に
見えます。
話は少し余談になりますが、日本の歌謡曲、特に演歌を見ると、その歌詞の
大部分が七五調になっています。それほど、七五調は日本人の心に訴求性があ
るリズムと言えます。たとえば、「北の宿から」(阿久悠作詞、都はるみ歌唱
)は、
あなた一人じゃ ないですか 日ごと寒さが 募ります
着てはもらえぬ セーターを 涙こらえて 編んでます
と、見事な七五調です。
日本語は基本的にかな一文字一拍のリズムをもった言語です。七五調は、実
は休みの拍を入れると八拍ごとの八分の八拍子になります。それが日本人には
心地良いリズムなのです。
<---- 8音----> <---- 8音 ---> <---- 8音 ---->
♪♪♪♪♪・・・♪♪♪♪♪♪♪・♪♪♪♪♪・・・
うみにでて・・・こがらしかえる・ところなし・・・
ふるいけや・・・・かわずとびこむみずのおと・・・
* 中七は三四の時は初めに休みが、四三の時は後に休みが入る
七五調の他にも日本人の好きなリズムがあります。「津軽海峡冬景色」(阿
久悠作詞、石川さゆり歌唱)を歌ってみてください。
上野 発の 夜行 列車 降りた 時か ら・・
これは「三三三・・・」の三連符(三拍子ではない)の連続です。三連符も
日本人の大好きなリズムと言えます。上記の放哉の代表句も実は「三三三」な
のです。
晩年になっても放哉は井泉水に徹底的に添削指導されていたようで、井泉水
の死後に倉庫から発見された放哉の句稿から、その添削の様子が分かります。
面白いので、添削前後をいくつか並べて書きます。
尾崎放哉句稿 (上段) 萩原井泉水添削後 (下段)
たった一人分の米白々と洗ひあげたる
--> 一人分の米白々と洗いあげたる
時計が動いて居る寺の荒れてゐること
--> 時計が動いて居る寺の荒れてゐる
いつも泣いて居る女の絵が気になる壁の新聞
--> 壁の新聞の女はいつも泣いて居る
お粥をすする音のふたをする
--> お粥煮えてくる音の鍋のふた
一つ二つ蛍見てたずね来りし
--> 一つ二つ蛍見てたずねる家
口あけぬ蜆(しじみ)淋しや
--> 口あけぬ蜆死んでゐる
いずれも少しの添削よって、自由律といえども(自由律だから)リズムが躍
動して、情景が生き生きとするのが分かります。俳句というものはやはり定型
というよりリズム、さらに言えば、それによって表現される感動が重要なんだ
ということをあらためて感じました。
資料(3)
七句会勉強会資料 深瀬 (14.08.03)
なぜ、わたしは俳句を作るのか
1.自分の置かれている状況
- 産業経済社会、企業組織から離脱
- 子育て、老いた両親の世話も終了
- 人生の消化時間 一句「人生の消化時間に俳句よみ」
- 身辺整理の時。この世に別れを言う準備をする段階に。
- ある程度、納得して、この一回限りの人生に別れを言いたい。
- ゴーギャン 「われわれはどこから来たのかわれわれは何者かわれわれは
どこへ行くのか」
- 運命に翻弄されるがままに死んでいくというのではなく。
- 一句「支えとすこの百句もち永久の旅」
2.俳句の効用
- 普段、意識を向けないものに意識を向けるようになり、自然の美しさや人
生の不思議に気がつくようになる。
- 大学 『心ここにあらざれば視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえ
どもその味を知らず、此れを“身を脩(おさ)むるはその心を正すに在り”と
謂う』。意識を向けるということがむずかしい。 仏教の教えも、本質はこう
いうことらしい。( ゴルフも囲碁も同じでは、と最近感じます。)
- 俳句は、ことばを探して、それを表現し、客観化し、他者と共有できる。
五七五や兼題などの制約を通して、意識を集中できる方法論もある。
3.俳句を作るという観点でその他気になること-作る目的、理由との絡みで
- 高得点を得たいという気持ち。誰のために作るのか。
- こどもの俳句の斬新さ。大人の視点は、次第に曇る?
- 芭蕉の俳句を除いて、座右に置いてもよいという俳句があまりない。
権威主義的なもの。規範にはめられすぎ?
- 独自性、オリジナリティーということ。
人それぞれの独自世界は大切。多様性。
- 季語重なり、動詞が多い、等の制限規則。
4.「支えとすこの百句もち永久の旅」--今現在の候補
永久の旅の支えになるか? なにが支えとなるのか? 「こういう人生だった
。そういうこともあった。」
春ころ
○ 胎動の不安帯びたる春の風
○ 地下鉄の駅の生け花春ともす
○ 日暮れ延び気持ち和らぐ春や来る
○ 抹茶たてうぐひすを聞く桃源郷
夏ころ
○ 水面のバラの花弁に蟻ひとつ
○ バラの茎昇り降りする黒き蟻
○ バラの香に思いはせるや異邦人
○ 戦没の海にビールを注ぐかな
○ 仏壇のビールに笑ふ父遺影
○ 父ビール王冠バッチで子ら遊ぶ
○ かみなりを合図に妖怪湧き出でる
○ かみなりにへその仇討ちかえる跳ぶ
○ あさがほの淡きいろどり江戸情緒
○ ろくろ首あさがほに見る不気味かな
○ 夏の陽にみみずのたうつ断末魔
○ 夏旅館朝日きらめく海入れる
○ 夏の道電線の影踏みつづけ
○ 夏休み終着駅に波の音
○ とんぼとり虫かご母に見せし日も
秋ころ
○ 妻ひとつわれもひとつとぶどう食べ
○ チェロの音に紅茶かたむけ秋の夜
○ 満月を湖面にゆらす小舟かな
○ 月光に谷底の川ひびきおり
○ 芋の葉の朝日吸い込む収穫日
○ しらぎくに英霊の眼になみだかな
○ ひとのみし海に菊投げ鎮魂す
○ 野にしても卑にあらずとは菊の花
○ 清涼の空と野菊に母想う
○ 鎮魂を菊に託すか海浜辺
○ 英霊に白菊捧げ黙祷す
○ 軍艦のごとく雲ゆく野分かな
○ 野分きて魑魅魍魎ら雀躍す
冬ころ
○ 寒稽古終わりて教会鐘の音
○ 夕焼けの電線よぎる落ち葉かな
○ 街頭のひとごみ縫って舞う落ち葉
○ 落ち葉踏みコーヒー片手に急ぐ朝
○ 冬来たりこころ鎮まる寒さかな
○ 垣根越し時雨れに急ぐ人の影
無季語・川柳
○ 死の床で雲の流れに別れ言ふ
○ 死ぬときは一人旅立つ父母のもと
○ さらに生きなにかよきことあるか問ひ
○ みずからの生き方したか問いて死ぬ
○ 母と待ったこの三越のエレベータ
○ いつの日かにこにこ顔もデスマスク
○ (火葬場にて) 残りしを掃きて集めし母の骨
○ 集めたり分けている間に寿命尽き
○ 死の床で父母に再会思うかな
○ 漆黒に蒼き地球の寂寥感
○ 雲変化空を彩る自在さや
○ 翼竜ら太古の空を滑空す
○ 前をゆくまるみ帯びたる大ヒップ
○ つけまつげ電車のなかも宝塚
以上
- 日時 2014年08月03日 (日) 午後2 時~4 時頃
- 場所 上智大学四谷キャンパス 10号館 324教室
- 参加者 小幡、土川 (以上敬称略) 、深瀬
- 内容
1.資料(1) 「七句会 第八回句会の個人的なレビュー」 (深瀬) を使った討議
俳句には作る人の人間性のようなものが、結構、現れる。
2.資料(2) 「自由律俳句について」 (土川) を使った討議
言葉のリズムや拍子は、俳句でも大きな位置づけを占めている。
3.資料(3) 「なぜ、わたしは俳句を作るのか5 (深瀬) を使った討議
俳句を作る目的、期待される効用は、人それぞれ千差万別であり、その多
様 性が興味深い。
追記
冒頭、小幡さんから、前々日、大阪から東京へ豪雨のなか、高速道路で帰る
途中、追いこし車線で道路上にできた水たまりにハンドルをとられスピンし、
ガードレールに激突し、車は大破し廃車になったが、エアバッグのおかげで奥
さまともども九死に一生をえたとのご報告がありました。それでも小幡さんは
、レンタカーを借りて前日、運転して帰って来たとのことで小幡さんの精神的
たくましさに敬服しました。
深瀬 記
資料(1)
七句会勉強会資料 深瀬 (14.08.03)
七句会 第八回句会の個人的なレビュー
1.七句会 第八回句会 投句表 (2014年5 月11日締め切り)
春愁や煙雨の向こうのおぼろ梅 志方01
あぜ道に命みなぎるつくしかな 志方02
若葉透け名残り桜に春は行く 志方03
みちすがら相馬の桜に鯉のぼり 志方04
相馬路の今年も悲しき山桜 志方05
この春も大地剥ぎ取る除染かな 志方06
残雪に夕陽が滲む那須連峰 志方07
この春も ひばりさえずる 分譲地 橋本01
春は花 花花花を 咲かせ行く 橋本02
新緑の フィールドアスレチック (の子ら) 声高く 橋本03
癒される 柔らか若葉の 散歩道 橋本04
(春のゴルフを2句)
ティーショット 吸い込まれたい 皐月晴れ 橋本05
薫風が 運んでくれた ナイスオン 橋本06
(日本の公的債務 (借金) の危機的状況はどうなる?) 橋本07
借金が 世界遺産と ならぬ世に
今年2 月に中央区に転居し、毎朝街中を散歩しています。
ビルの森 窓辺に映える 春の雲 吉良01
コンクリを 押し分け萌える 春の草 吉良02
ざわめきの ひと人ヒトに 春の顔 吉良03
春の陽の 水辺に照らす 白黄色 吉良04
行く春に 汗したたらせ 若葉かぐ 吉良05
隅田川 春待ちわびて 櫂をこぐ 吉良06
春愁やエンドロールの文字滲む 土川01
半地下にロシアの春のアコーディオン 土川02
「お帰り」といふ日本語の暖かし 土川03
朧月車窓に映る無表情 土川04
単線の上りを待ちて黄水仙 土川05
風香る 菜の花畑 春爛満 古川01
若葉寒 春の気まぐれ 風しみる 古川02
雲雀鳴き 春風そよぐ 幸せや 古川03
松永邸でバーベキュー御馳走になりました
友集い 春昼下がり 酒うまし 古川04
老いの先 宇宙の基へと 帰る道 古川05
雨風に 曝されても行くぞ 老いの道 古川06
農協の日替わり定食で、でてきたカレーと蕎麦で考えて
しまいました。ちなみに私も知らないおじさんもカレー
から食べました。
カレーと蕎麦 どちらを先に 食べるべき 古川07
深みゆく緑に春を惜しみけり 深瀬01
春惜しみ老後戦略再吟味 深瀬02
障子切る鳥影の濃し春や行く 深瀬03
新緑に山はおおわれ別世界 深瀬04
海と陽といのちたわむる干潟かな 深瀬05
タイヤチェーン雪うつ音や都心夜 深瀬06
ボケたかと不安横切る老後日々 深瀬07
いつ終わる老後の道の一人旅 深瀬08
日本鬱中華帝国よみがえり 深瀬09
日本流耽美こだわりガラパゴス? 深瀬10
米中のはざまで問わる日本流 深瀬11
独立の意味いま問わる日本かな 深瀬12
うましくに日本に溢る汚染水 深瀬13
星をみて亡きひと想ういのちあり 深瀬14
自然との距離と関係思想生む? 深瀬15
自然への畏怖失せし世は空騒ぎ 深瀬16
自然への畏敬なき学うわ滑る 深瀬17
細胞の個々とわれとの関係は? 深瀬18
電王に腕組む棋士に疲労感 深瀬19
絶叫す中継アナに落差あり 深瀬20
桜みちはずむ歩みが春を呼ぶ. 小幡01
花びえに重きからだに老いとしる. 小幡02
土けむり孫が泣き出す春あらし. 小幡03
春うらら歳を忘れて岩登り. 小幡04
桜みち弾むこころに夢をみる. 小幡05
2.個人的な見方
〇志方さんの俳句
自然の風景をじっくり観察し、細かいところまで、味わっている。
その一方、人間のやっていることを、自分のことも含めて、やや肯定できず
にやや距離をおいて見ているクールな雰囲気も感じられそう。
俳句つくりになにを求めていくか、注目してみたい。
〇橋本さんの俳句
生活の場のなかで、自分自身の社会性も含めて、健全に肯定的に捉えている
。
分譲地、アスレチック、散歩道、ティーショット、など、日常の生活にしっ
かり根付いている感じ。
〇吉良さんの俳句
都心のなかでたくましく存在している自然をしっかりと見つめ、自分自身の
位置づけも揺るぎなく肯定している。都会のなかで、自然や自分自身も含めて
、冷静に客観視することができている。お医者さんならでは?
〇土川さんの俳句
日常生活のなかで、普通はあまり意識されないような風景を、しっかりピン
トをあわてせて提示するというのは、土川さん独自の切り口のように思います
。
その切り口には、いろいろな教養や興味に裏打ちされたもので、土川さんの
人間性のようなものが深く刻み込まれたもののように感じます。
なにか絵画的で、よむ人の意表をつくというのか、少しはっとさせるような
面もあると思います。
人間や社会を、否定的に捉えるという訳ではないが、だからといって肯定的
に捉えている訳でもなさそうです。
〇古川さんの俳句
やや気張っているのが、古川さんらしい感じがします。その一方、やや首を
傾げて、疑問を投げかけるような気配もあります。しかし、全てに対して、肯
定的な気分を強く感じます。
〇小幡さんの俳句
自然や日常の生活の場で生きている自分を、鷹揚に、肯定的に捉えている小
幡さんの姿勢が強く感じられます。人生とは、こういうものなのだ、というメ
ッセージがここちよく、説得力があると思います。
以上
資料(2)
七句会勉強会メモ
2014.8.3. 土川春穂
■自由律俳句について
俳句は「五七五」の定型を守るというよりも、基本的に七五調のリズムを大
切にすることと私は思っています。しかし、定型の意味をもう少し考えるため
に、敢て定型俳句の対極にある自由律(無定型)俳句について勉強してみるこ
とにしました。(文献:池内紀編 岩波文庫 尾崎放哉句集)
自由律の俳句と言うと尾崎放哉(おざきほうさい)が有名です。彼は大正1
年に41歳で早逝していますが、十代半ばから30歳ぐらいまでの一高、東大、エ
リートサラリーマン時代は定型俳句を書いていました。その後、俳誌「層雲」
で萩原井泉水(おぎわらせいせんすい)の指導のもと、自由律俳句に転じてい
ます。
尾崎放哉の代表句というと、
咳をしても一人
墓の裏にまわる
が知られていますが、これは自由律と言うよりも、私には「三三三」の定型に
見えます。
話は少し余談になりますが、日本の歌謡曲、特に演歌を見ると、その歌詞の
大部分が七五調になっています。それほど、七五調は日本人の心に訴求性があ
るリズムと言えます。たとえば、「北の宿から」(阿久悠作詞、都はるみ歌唱
)は、
あなた一人じゃ ないですか 日ごと寒さが 募ります
着てはもらえぬ セーターを 涙こらえて 編んでます
と、見事な七五調です。
日本語は基本的にかな一文字一拍のリズムをもった言語です。七五調は、実
は休みの拍を入れると八拍ごとの八分の八拍子になります。それが日本人には
心地良いリズムなのです。
<---- 8音----> <---- 8音 ---> <---- 8音 ---->
♪♪♪♪♪・・・♪♪♪♪♪♪♪・♪♪♪♪♪・・・
うみにでて・・・こがらしかえる・ところなし・・・
ふるいけや・・・・かわずとびこむみずのおと・・・
* 中七は三四の時は初めに休みが、四三の時は後に休みが入る
七五調の他にも日本人の好きなリズムがあります。「津軽海峡冬景色」(阿
久悠作詞、石川さゆり歌唱)を歌ってみてください。
上野 発の 夜行 列車 降りた 時か ら・・
これは「三三三・・・」の三連符(三拍子ではない)の連続です。三連符も
日本人の大好きなリズムと言えます。上記の放哉の代表句も実は「三三三」な
のです。
晩年になっても放哉は井泉水に徹底的に添削指導されていたようで、井泉水
の死後に倉庫から発見された放哉の句稿から、その添削の様子が分かります。
面白いので、添削前後をいくつか並べて書きます。
尾崎放哉句稿 (上段) 萩原井泉水添削後 (下段)
たった一人分の米白々と洗ひあげたる
--> 一人分の米白々と洗いあげたる
時計が動いて居る寺の荒れてゐること
--> 時計が動いて居る寺の荒れてゐる
いつも泣いて居る女の絵が気になる壁の新聞
--> 壁の新聞の女はいつも泣いて居る
お粥をすする音のふたをする
--> お粥煮えてくる音の鍋のふた
一つ二つ蛍見てたずね来りし
--> 一つ二つ蛍見てたずねる家
口あけぬ蜆(しじみ)淋しや
--> 口あけぬ蜆死んでゐる
いずれも少しの添削よって、自由律といえども(自由律だから)リズムが躍
動して、情景が生き生きとするのが分かります。俳句というものはやはり定型
というよりリズム、さらに言えば、それによって表現される感動が重要なんだ
ということをあらためて感じました。
資料(3)
七句会勉強会資料 深瀬 (14.08.03)
なぜ、わたしは俳句を作るのか
1.自分の置かれている状況
- 産業経済社会、企業組織から離脱
- 子育て、老いた両親の世話も終了
- 人生の消化時間 一句「人生の消化時間に俳句よみ」
- 身辺整理の時。この世に別れを言う準備をする段階に。
- ある程度、納得して、この一回限りの人生に別れを言いたい。
- ゴーギャン 「われわれはどこから来たのかわれわれは何者かわれわれは
どこへ行くのか」
- 運命に翻弄されるがままに死んでいくというのではなく。
- 一句「支えとすこの百句もち永久の旅」
2.俳句の効用
- 普段、意識を向けないものに意識を向けるようになり、自然の美しさや人
生の不思議に気がつくようになる。
- 大学 『心ここにあらざれば視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえ
どもその味を知らず、此れを“身を脩(おさ)むるはその心を正すに在り”と
謂う』。意識を向けるということがむずかしい。 仏教の教えも、本質はこう
いうことらしい。( ゴルフも囲碁も同じでは、と最近感じます。)
- 俳句は、ことばを探して、それを表現し、客観化し、他者と共有できる。
五七五や兼題などの制約を通して、意識を集中できる方法論もある。
3.俳句を作るという観点でその他気になること-作る目的、理由との絡みで
- 高得点を得たいという気持ち。誰のために作るのか。
- こどもの俳句の斬新さ。大人の視点は、次第に曇る?
- 芭蕉の俳句を除いて、座右に置いてもよいという俳句があまりない。
権威主義的なもの。規範にはめられすぎ?
- 独自性、オリジナリティーということ。
人それぞれの独自世界は大切。多様性。
- 季語重なり、動詞が多い、等の制限規則。
4.「支えとすこの百句もち永久の旅」--今現在の候補
永久の旅の支えになるか? なにが支えとなるのか? 「こういう人生だった
。そういうこともあった。」
春ころ
○ 胎動の不安帯びたる春の風
○ 地下鉄の駅の生け花春ともす
○ 日暮れ延び気持ち和らぐ春や来る
○ 抹茶たてうぐひすを聞く桃源郷
夏ころ
○ 水面のバラの花弁に蟻ひとつ
○ バラの茎昇り降りする黒き蟻
○ バラの香に思いはせるや異邦人
○ 戦没の海にビールを注ぐかな
○ 仏壇のビールに笑ふ父遺影
○ 父ビール王冠バッチで子ら遊ぶ
○ かみなりを合図に妖怪湧き出でる
○ かみなりにへその仇討ちかえる跳ぶ
○ あさがほの淡きいろどり江戸情緒
○ ろくろ首あさがほに見る不気味かな
○ 夏の陽にみみずのたうつ断末魔
○ 夏旅館朝日きらめく海入れる
○ 夏の道電線の影踏みつづけ
○ 夏休み終着駅に波の音
○ とんぼとり虫かご母に見せし日も
秋ころ
○ 妻ひとつわれもひとつとぶどう食べ
○ チェロの音に紅茶かたむけ秋の夜
○ 満月を湖面にゆらす小舟かな
○ 月光に谷底の川ひびきおり
○ 芋の葉の朝日吸い込む収穫日
○ しらぎくに英霊の眼になみだかな
○ ひとのみし海に菊投げ鎮魂す
○ 野にしても卑にあらずとは菊の花
○ 清涼の空と野菊に母想う
○ 鎮魂を菊に託すか海浜辺
○ 英霊に白菊捧げ黙祷す
○ 軍艦のごとく雲ゆく野分かな
○ 野分きて魑魅魍魎ら雀躍す
冬ころ
○ 寒稽古終わりて教会鐘の音
○ 夕焼けの電線よぎる落ち葉かな
○ 街頭のひとごみ縫って舞う落ち葉
○ 落ち葉踏みコーヒー片手に急ぐ朝
○ 冬来たりこころ鎮まる寒さかな
○ 垣根越し時雨れに急ぐ人の影
無季語・川柳
○ 死の床で雲の流れに別れ言ふ
○ 死ぬときは一人旅立つ父母のもと
○ さらに生きなにかよきことあるか問ひ
○ みずからの生き方したか問いて死ぬ
○ 母と待ったこの三越のエレベータ
○ いつの日かにこにこ顔もデスマスク
○ (火葬場にて) 残りしを掃きて集めし母の骨
○ 集めたり分けている間に寿命尽き
○ 死の床で父母に再会思うかな
○ 漆黒に蒼き地球の寂寥感
○ 雲変化空を彩る自在さや
○ 翼竜ら太古の空を滑空す
○ 前をゆくまるみ帯びたる大ヒップ
○ つけまつげ電車のなかも宝塚
以上
2014年7月8日火曜日
七句会の集まり(13.12.01)の報告
七句会の集まり(13.12.01)の報告
- 日時 2013年12月01日 (日) 午後2 時~4 時頃
- 場所 上智大学四谷キャンパス 9 号館 454教室
- 参加者 小幡、土川 (以上敬称略) 、深瀬
(志方さんは、大学までこられましたが、教室が分からず、残念な
がら参加ならずでした。)
- 内容
1.第六回句会の選句
2.各自の俳句との関係を紹介と討議
配布された資料は、次の通り。(pdf形式で添付)
(1) 七句会勉強会メモ [土川さん]
・最近の心境です。
・森澄雄俳句集 (上・下)(永田書房) を読みました。
(2) 芭蕉の俳句の世界とは 蕪村、一茶と対比して [深瀬]
[13.12.01 資料01]
七句会勉強会メモ
2013.12.1. 土川春穂
■最近の心境です。
自分の詠んだ句が選ばれなくても、「それは未熟だからしょうがない。」と
思えるのですが、選者が選んだ句や人々に人気のある句が私には「何故いいの
かちっとも分からない。」というのが辛いですね。すなわち、それは「いい句
は何かが分かっていないので、いくら頑張ってもいい句を作れない。」という
ことを意味しているからです。やはり私は俳句には向いてないかな。
■森澄雄俳話集 (上・下)(永田書房) を読みました。
森澄雄(1919-2010) は人間探求派加藤楸邨の一番弟子です。この本は2004年
7月から2010年2月まで毎月行われた句会(52 回分) での講話の全記録です。
毎回、門人の投句に痛快な指摘と添削がなされ、その情熱と迫力に圧倒されま
す。読んで面白い本です。
その中で多くのことが語られていますが、一貫して繰り返し言われているこ
との一つは「 ああだこうだと理屈を言うな」 です。私には何か理屈で、何か理
屈でないのか今一つ理解できませんでしたが、「 ‥‥理屈はどこまでも理屈な
んです。人間の小さな頭で考えるからです。頭を働かせず、向う側の自然が見
えないと駄目なんです。つまり物と物を包んでいる虚空が同時に見えないと、
本当に見たことにならない。物が見えるということは心に宿った一瞬のひかり
なんです。その一瞬のひかりを言い留めるのが俳句なんだと・・・」 。
以下に、森澄雄に添削された句のビフォア・アフターと彼の指摘の例を示し
ます。
頬張って老いのはにかむ雛あられ
→頬張りて老いはにかめる雛あられ (添削で理屈がなくなる)
足裏に畳冷たき夏隣
→足裏に畳冷たし夏隣 (冷たきは説明、実感がない)
打ち水に灯しの早き神楽坂
→打ち水に早き灯の神楽坂 (説明でなく情景で)
青葉ずく啼いて暗闇祭来る
→青葉ずく啼ける暗闇祭かな (理屈じゃない)
妻寵より馬寵へ歩き風薫る
→妻馥より馬馥の道や風薫る (理屈がなくなり季語が大きく包む)
夏鶯こゑのほがらや極楽寺
→夏鶯こゑしきりなる極楽寺 (作者の勝手な感想)
水満ちて川の濁れる牛蛙
→水満ちて川濁りたる牛蛙 (「の」が説明)
舟遊び深き緑の嵐山
→舟遊び緑の深き嵐山 (説明的)
小賀玉の花の香ある極楽寺
→小賀玉の花の香あり極楽寺 (こういう寺ですという説明)
ごよろぎの浜に来たれば冷酒酌み
→こよろぎの浜に来たりて冷酒酌む (仮定の条件は理屈)
忘られて菅笠古りし鮎の宿
→忘られし菅笠古りし鮎の宿 (経過の説明でなく現在を)
私なり解釈して、日本語文法的(技巧的)にまとめると
・時間的経緯や理由の説明でなく、現在の情景を詠う。
・下五の名詞を中七の形容詞や動詞の連体形で修飾するのでなく、中七を終止
形で切る。
・動作(変化)でなく今の状態を詠う。
- ヒトを主語にして、他動詞で動作を表現するのでなく、モノを主語にして
自動詞で状態を表す。
(日本人は自動詞を使った表現が好きということと関連しているように思う
。)
- 他動詞は、ヒトが主語で、目的語を取って、動作を表す。
→(ヒトが)本を折る。
- モノを主語に、自動詞・テイル形・ある/ いる文・・形容詞文などで状態を
表す。→本が折れる。
ただ、彼の言う“本質”は、たぶん文法(言葉遣いの技巧)というよりは物の
認識なんだと思います。
以上
[13.12.01 資料02]
七句会資料(13.12.01) 深瀬
芭蕉の俳句の世界とは - 蕪村、一茶と対比して -
1.芭蕉、蕪村、一茶の俳句の区分けの試み
芭蕉の俳句を、無常観、生命観、自然観 (雄大な自然との一体感) に区別し
てみる。
蕪村の俳句に、絵画的なものに注目してみる。
一茶の俳句に、自虐的なもの、同情的 (他の生き物もの気持ち) 、に注目し
てみる。
(1) 芭蕉俳句抄
01 猿を聞く人捨子に秋の風いかに 生命観
02 道のべの木槿 (むくげ) は馬にくはれけり 生命観
03 手にとらば消えんなみだぞあつき秋の霜
04 碪 (きぬた) 打ちて我にきかせよや坊が妻
05 死にもせぬ旅寝の果よ秋の暮れ 無常観
06 よく見れば薺 (なずな) 花咲く垣根かな 生命観
07 古池や蛙飛びこむ水の音 自然観
08 旅人とわが名呼ばれん初しぐれ 無常観
09 草臥 (くたび) れて宿かる頃や藤の花
10 父母 (ちちはは) のしきりに恋 (こひ) し雉子 (きじ) の声 生命観
11 若葉して御めの雫ぬぐはばや
12 おもしろうてやがて悲しき鵜舟 (うぶね) かな
13 物言えば唇寒し秋の風
14 草の戸も住替 (すみかは) る代 (よ) ぞひなの家 無常観
15 行く春や鳥啼き魚の目は泪
16 田一枚植ゑて立ち去る柳かな
17 夏草や兵 (つはもの) どもが夢の跡 無常観
18 閑さや岩にしみ入る蝉の声 自然観
19 五月雨 (さみだれ) をあつめて早し最上川 自然観
20 荒海や佐渡に横たふ天の川 自然観
21 一家 (ひとつや) に遊女も寝たり萩と月
22 初しぐれ猿も小蓑 (こみの) をほしげなり 生命観
23 病雁 (びょうがん) の夜寒に落ちて旅寝かな 無常観
24 菊の香や奈良には古き仏たち
25 この道や行く人なしに秋の暮れ 無常観
26 秋深き隣は何をする人ぞ
27 旅に病んで夢は枯野をかけめぐる 無常観
28 山路来て何やらゆかしすみれ草 生命観
29 月はやしこずゑはあめを持ちながら 自然観
30 山も庭も動き入るるや夏座敷 自然観
31 雲の峰幾つ崩て月の山 自然観
32 暑き日を海にいれたり最上川 自然観
33 手をうてば木魂に明る夏の月 自然観
(2) 蕪村俳句抄
01 古庭にうぐひす鳴きぬ日もすがら
02 春の海ひねもすのたりのたりかな
03 をの入れて香に驚くや冬木立ち
04 くすの根を静かにぬらす時雨 (しぐれ) かな 絵画的
05 不二 (ふじ) ひとつうづみ残して若葉かな 絵画的
06 ぼたん散つてうち重なりて二三片 絵画的
07 石工 (いしきり) ののみ冷したる清水 (しみず) かな 絵画的
08 菜の花や月は東に日は西に 絵画的
09 夕風や水あをさぎの脛 (はぎ) を打つ 絵画的
10 涼しさや鐘を離るる鐘の音 絵画的
11 五月雨 (さみだれ) や大河を前に家二軒 絵画的
12 行く春や重たき琵琶 (びは) の抱きごころ
13 白梅に明くる夜ばかりとなりにけり
14 おそき日の積もりて遠き昔かな
15 閻王 (えんわう) の口やぼたんを吐かんとす 絵画的
16 朝顔や一輪深き淵 (ふち) の色 絵画的
17 白露やいばらの刺 (はり) に一つづつ 絵画的
18 月天心貧しき町を通りけり 絵画的
19 ねぎ買うて枯れ木の中を帰りけり 絵画的
注。蕪村には、古今の故事を題材に詠んだ句も多いが略してある。
(3) 一茶俳句抄
01 秋雨や乳放 (ちばな) れ馬の旅に立つ 同情的
02 夕つばめわれにはあすのあてはなき 自虐的
03 ふるさとやよるもさはるも茨 (ばら) の花
04 これがまあつひの住みかか雪五尺 自虐的
05 うつくしや障子の穴の天の川
06 悠然 (いうぜん) として南山 (なんざん) を見るかはづかな
07 むまそうな雪がふうはりふうはりと
08 われと来て遊べや親のないすずめ 同情的
09 涼風 (すずかぜ) の曲がりくねつて来たりけり
10 すずめの子そこのけそこのけお馬が通る 同情的
11 めでたさも中ぐらゐなりおらが春 自虐的
12 蟻 (あり) の道雲の峰より続きけり
13 ともかくもあなた任せの年の暮れ
14 大ほたるゆらりゆらりと通りけり 同情的?
15 秋風やむしりたがりし赤い花
16 まかりいでたるはこのやぶの蟇 (ひき) にて候 (さうらふ) 同情的?
17 露の世は露の世ながらさりながら 自虐的
18 麦秋 (むぎあき) や子を負ひながらいわし売り
19 春めくややぶありて雪ありて雪
20 やれ打つなはへが手をする足をする 同情的
21 寝せつけし子の洗濯や夏の月
22 一人 (いちにん) と帳面につく夜寒かな
23 次の間の灯 (ひ) で膳 (ぜん) につく寒さかな
24 夕月や鍋の中にて鳴く田にし 同情的
25 名月のごらんのとほり屑家 (くづや) かな 自虐的
26 衰へや榾 (ほだ) 折りかねるひざがしら
2.芭蕉の俳句の世界
(1)無常観
・芭蕉の人生は旅。おくのほそ道、等。
「月日は百代 (はくたい) の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。」
・鴨長明 方丈記
「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮ぶうたか
たは、かつ消えかつ結びて、久しく止まる事なし。世の中にある人と住家と、
またかくの如し。」
・徒然草 兼好法師
・日本人にとって無常観は、伝統的なもの。「人生五十年、化天のうちに比ぶ
れば、夢幻の如くなり」敦盛。もののあわれ論 (源氏物語) 。
・禅の世界。無の思想。
(2)生命観
・小さな命を通して生命全体、宇宙全体を観る態度。
(3)自然観
・雄大な自然の景色と一体となり、広大な宇宙を感じ取る。
・日本の自然の四季の変化の美しさを介することもある。「春は花夏ほととぎ
す秋は月冬雪さえて冷 (すず) しかりけり」道元。
・柳田國男の死者の霊魂の行くところとしての山里。
3.現代社会
・産業社会のなかで、目標遂行 (プロジェクト) に、日々、追われている。機
能、効率、品質向上、コスト低下、等。PDCAサイクル。
・経済生活、物質的欲望に絶えず刺激され、無常観、生命観、自然観に、ここ
ろを遊ばせるゆとりを失っている?
- 日時 2013年12月01日 (日) 午後2 時~4 時頃
- 場所 上智大学四谷キャンパス 9 号館 454教室
- 参加者 小幡、土川 (以上敬称略) 、深瀬
(志方さんは、大学までこられましたが、教室が分からず、残念な
がら参加ならずでした。)
- 内容
1.第六回句会の選句
2.各自の俳句との関係を紹介と討議
配布された資料は、次の通り。(pdf形式で添付)
(1) 七句会勉強会メモ [土川さん]
・最近の心境です。
・森澄雄俳句集 (上・下)(永田書房) を読みました。
(2) 芭蕉の俳句の世界とは 蕪村、一茶と対比して [深瀬]
[13.12.01 資料01]
七句会勉強会メモ
2013.12.1. 土川春穂
■最近の心境です。
自分の詠んだ句が選ばれなくても、「それは未熟だからしょうがない。」と
思えるのですが、選者が選んだ句や人々に人気のある句が私には「何故いいの
かちっとも分からない。」というのが辛いですね。すなわち、それは「いい句
は何かが分かっていないので、いくら頑張ってもいい句を作れない。」という
ことを意味しているからです。やはり私は俳句には向いてないかな。
■森澄雄俳話集 (上・下)(永田書房) を読みました。
森澄雄(1919-2010) は人間探求派加藤楸邨の一番弟子です。この本は2004年
7月から2010年2月まで毎月行われた句会(52 回分) での講話の全記録です。
毎回、門人の投句に痛快な指摘と添削がなされ、その情熱と迫力に圧倒されま
す。読んで面白い本です。
その中で多くのことが語られていますが、一貫して繰り返し言われているこ
との一つは「 ああだこうだと理屈を言うな」 です。私には何か理屈で、何か理
屈でないのか今一つ理解できませんでしたが、「 ‥‥理屈はどこまでも理屈な
んです。人間の小さな頭で考えるからです。頭を働かせず、向う側の自然が見
えないと駄目なんです。つまり物と物を包んでいる虚空が同時に見えないと、
本当に見たことにならない。物が見えるということは心に宿った一瞬のひかり
なんです。その一瞬のひかりを言い留めるのが俳句なんだと・・・」 。
以下に、森澄雄に添削された句のビフォア・アフターと彼の指摘の例を示し
ます。
頬張って老いのはにかむ雛あられ
→頬張りて老いはにかめる雛あられ (添削で理屈がなくなる)
足裏に畳冷たき夏隣
→足裏に畳冷たし夏隣 (冷たきは説明、実感がない)
打ち水に灯しの早き神楽坂
→打ち水に早き灯の神楽坂 (説明でなく情景で)
青葉ずく啼いて暗闇祭来る
→青葉ずく啼ける暗闇祭かな (理屈じゃない)
妻寵より馬寵へ歩き風薫る
→妻馥より馬馥の道や風薫る (理屈がなくなり季語が大きく包む)
夏鶯こゑのほがらや極楽寺
→夏鶯こゑしきりなる極楽寺 (作者の勝手な感想)
水満ちて川の濁れる牛蛙
→水満ちて川濁りたる牛蛙 (「の」が説明)
舟遊び深き緑の嵐山
→舟遊び緑の深き嵐山 (説明的)
小賀玉の花の香ある極楽寺
→小賀玉の花の香あり極楽寺 (こういう寺ですという説明)
ごよろぎの浜に来たれば冷酒酌み
→こよろぎの浜に来たりて冷酒酌む (仮定の条件は理屈)
忘られて菅笠古りし鮎の宿
→忘られし菅笠古りし鮎の宿 (経過の説明でなく現在を)
私なり解釈して、日本語文法的(技巧的)にまとめると
・時間的経緯や理由の説明でなく、現在の情景を詠う。
・下五の名詞を中七の形容詞や動詞の連体形で修飾するのでなく、中七を終止
形で切る。
・動作(変化)でなく今の状態を詠う。
- ヒトを主語にして、他動詞で動作を表現するのでなく、モノを主語にして
自動詞で状態を表す。
(日本人は自動詞を使った表現が好きということと関連しているように思う
。)
- 他動詞は、ヒトが主語で、目的語を取って、動作を表す。
→(ヒトが)本を折る。
- モノを主語に、自動詞・テイル形・ある/ いる文・・形容詞文などで状態を
表す。→本が折れる。
ただ、彼の言う“本質”は、たぶん文法(言葉遣いの技巧)というよりは物の
認識なんだと思います。
以上
[13.12.01 資料02]
七句会資料(13.12.01) 深瀬
芭蕉の俳句の世界とは - 蕪村、一茶と対比して -
1.芭蕉、蕪村、一茶の俳句の区分けの試み
芭蕉の俳句を、無常観、生命観、自然観 (雄大な自然との一体感) に区別し
てみる。
蕪村の俳句に、絵画的なものに注目してみる。
一茶の俳句に、自虐的なもの、同情的 (他の生き物もの気持ち) 、に注目し
てみる。
(1) 芭蕉俳句抄
01 猿を聞く人捨子に秋の風いかに 生命観
02 道のべの木槿 (むくげ) は馬にくはれけり 生命観
03 手にとらば消えんなみだぞあつき秋の霜
04 碪 (きぬた) 打ちて我にきかせよや坊が妻
05 死にもせぬ旅寝の果よ秋の暮れ 無常観
06 よく見れば薺 (なずな) 花咲く垣根かな 生命観
07 古池や蛙飛びこむ水の音 自然観
08 旅人とわが名呼ばれん初しぐれ 無常観
09 草臥 (くたび) れて宿かる頃や藤の花
10 父母 (ちちはは) のしきりに恋 (こひ) し雉子 (きじ) の声 生命観
11 若葉して御めの雫ぬぐはばや
12 おもしろうてやがて悲しき鵜舟 (うぶね) かな
13 物言えば唇寒し秋の風
14 草の戸も住替 (すみかは) る代 (よ) ぞひなの家 無常観
15 行く春や鳥啼き魚の目は泪
16 田一枚植ゑて立ち去る柳かな
17 夏草や兵 (つはもの) どもが夢の跡 無常観
18 閑さや岩にしみ入る蝉の声 自然観
19 五月雨 (さみだれ) をあつめて早し最上川 自然観
20 荒海や佐渡に横たふ天の川 自然観
21 一家 (ひとつや) に遊女も寝たり萩と月
22 初しぐれ猿も小蓑 (こみの) をほしげなり 生命観
23 病雁 (びょうがん) の夜寒に落ちて旅寝かな 無常観
24 菊の香や奈良には古き仏たち
25 この道や行く人なしに秋の暮れ 無常観
26 秋深き隣は何をする人ぞ
27 旅に病んで夢は枯野をかけめぐる 無常観
28 山路来て何やらゆかしすみれ草 生命観
29 月はやしこずゑはあめを持ちながら 自然観
30 山も庭も動き入るるや夏座敷 自然観
31 雲の峰幾つ崩て月の山 自然観
32 暑き日を海にいれたり最上川 自然観
33 手をうてば木魂に明る夏の月 自然観
(2) 蕪村俳句抄
01 古庭にうぐひす鳴きぬ日もすがら
02 春の海ひねもすのたりのたりかな
03 をの入れて香に驚くや冬木立ち
04 くすの根を静かにぬらす時雨 (しぐれ) かな 絵画的
05 不二 (ふじ) ひとつうづみ残して若葉かな 絵画的
06 ぼたん散つてうち重なりて二三片 絵画的
07 石工 (いしきり) ののみ冷したる清水 (しみず) かな 絵画的
08 菜の花や月は東に日は西に 絵画的
09 夕風や水あをさぎの脛 (はぎ) を打つ 絵画的
10 涼しさや鐘を離るる鐘の音 絵画的
11 五月雨 (さみだれ) や大河を前に家二軒 絵画的
12 行く春や重たき琵琶 (びは) の抱きごころ
13 白梅に明くる夜ばかりとなりにけり
14 おそき日の積もりて遠き昔かな
15 閻王 (えんわう) の口やぼたんを吐かんとす 絵画的
16 朝顔や一輪深き淵 (ふち) の色 絵画的
17 白露やいばらの刺 (はり) に一つづつ 絵画的
18 月天心貧しき町を通りけり 絵画的
19 ねぎ買うて枯れ木の中を帰りけり 絵画的
注。蕪村には、古今の故事を題材に詠んだ句も多いが略してある。
(3) 一茶俳句抄
01 秋雨や乳放 (ちばな) れ馬の旅に立つ 同情的
02 夕つばめわれにはあすのあてはなき 自虐的
03 ふるさとやよるもさはるも茨 (ばら) の花
04 これがまあつひの住みかか雪五尺 自虐的
05 うつくしや障子の穴の天の川
06 悠然 (いうぜん) として南山 (なんざん) を見るかはづかな
07 むまそうな雪がふうはりふうはりと
08 われと来て遊べや親のないすずめ 同情的
09 涼風 (すずかぜ) の曲がりくねつて来たりけり
10 すずめの子そこのけそこのけお馬が通る 同情的
11 めでたさも中ぐらゐなりおらが春 自虐的
12 蟻 (あり) の道雲の峰より続きけり
13 ともかくもあなた任せの年の暮れ
14 大ほたるゆらりゆらりと通りけり 同情的?
15 秋風やむしりたがりし赤い花
16 まかりいでたるはこのやぶの蟇 (ひき) にて候 (さうらふ) 同情的?
17 露の世は露の世ながらさりながら 自虐的
18 麦秋 (むぎあき) や子を負ひながらいわし売り
19 春めくややぶありて雪ありて雪
20 やれ打つなはへが手をする足をする 同情的
21 寝せつけし子の洗濯や夏の月
22 一人 (いちにん) と帳面につく夜寒かな
23 次の間の灯 (ひ) で膳 (ぜん) につく寒さかな
24 夕月や鍋の中にて鳴く田にし 同情的
25 名月のごらんのとほり屑家 (くづや) かな 自虐的
26 衰へや榾 (ほだ) 折りかねるひざがしら
2.芭蕉の俳句の世界
(1)無常観
・芭蕉の人生は旅。おくのほそ道、等。
「月日は百代 (はくたい) の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。」
・鴨長明 方丈記
「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮ぶうたか
たは、かつ消えかつ結びて、久しく止まる事なし。世の中にある人と住家と、
またかくの如し。」
・徒然草 兼好法師
・日本人にとって無常観は、伝統的なもの。「人生五十年、化天のうちに比ぶ
れば、夢幻の如くなり」敦盛。もののあわれ論 (源氏物語) 。
・禅の世界。無の思想。
(2)生命観
・小さな命を通して生命全体、宇宙全体を観る態度。
(3)自然観
・雄大な自然の景色と一体となり、広大な宇宙を感じ取る。
・日本の自然の四季の変化の美しさを介することもある。「春は花夏ほととぎ
す秋は月冬雪さえて冷 (すず) しかりけり」道元。
・柳田國男の死者の霊魂の行くところとしての山里。
3.現代社会
・産業社会のなかで、目標遂行 (プロジェクト) に、日々、追われている。機
能、効率、品質向上、コスト低下、等。PDCAサイクル。
・経済生活、物質的欲望に絶えず刺激され、無常観、生命観、自然観に、ここ
ろを遊ばせるゆとりを失っている?
七句会の集まり(13.08.18)の報告
七句会の集まり(13.08.18)のご案内
下記の要領で、俳句の「研究・啓発」を目的とした集まりをもちたいと思い
ます。趣旨に賛同し、ご都合がつけば、ふるってご参加のほど、お願いいたし
ます。
出席される場合には、8 月 4日までに、事務方までご連絡をお願いいたしま
す。
・日時 2013年8 月18日 (日) 午後2 時~4 時
・場所 上智大学四谷キャンパス内紀尾井坂ビル B101教室
四ツ谷キャンパスマップ
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/map/map_yotsuya
(正門から入り、最も、右手奥の建物です。ホテルニューオータ
ニに道路をはさんで面しています。)
・内容 1 これまでに投句した句や選句をした句から、最大、各5 句選んで
参加していただき、各句について意見を述べ、話し合う。
2 俳句に関するテーマについて、20~30分程度、だれかに話しをし
てもらい、Q&A を行う。
(詳細につきましては、追って、連絡したいとは思いますが、初回
ですので、きらくに行きたいと思います。)
・参加費 教室の貸室料(5,000円前後) を、参加人数で割った金額。
・その他 1 初回ですので、今後のやり方について相談したいと思います。
2 飲み会は、希望者が、周辺の適当な場所で適宜行う。
・補足 - 上智大学四谷キャンパス内の教室は、「研究と教育」を目的とす
る会合に関してのみ、有料で利用することができ、この点につい
ては、わたし (深瀬) と大学同期の小野山隆夫さん (上智大学の
電子計算機システムや図書館システムの開発管理業務を担当され
、昨年定年退職されました。) のご尽力による了解をうることが
できました。
- これまでの4 回の選句表の結果を添付します。第一回と第二回に
ついては、全句がリストされていませんので、注意して下さい。
- 橋口代表は、この期間、山ごもりのため、東京にいないため、残
念ながら欠席です。
- 当集まりは、土川さんと深瀬とで、俳句を題材に、なにかいろい
ろ話しあう場があってもよいのではないか、という点で一致して
行うことになったものです。
事務方 深瀬
七句会の集まり(13.08.18)の報告
- 日時 2013年8 月18日 (日) 午後2 時~4 時15分
- 場所 上智大学四谷キャンパス 紀尾井坂ビルB101教室
- 参加者 内野、志方、土川 (以上敬称略) 、深瀬
- 内容
1.各自の俳句との関係を紹介し、確認したり討議を行った。
配布された資料は、次の通り。(pdf形式で添付)
(1) 七句会勉強会メモ [土川さん]
・句作に際して心掛けていること (私の好み) 。
・句例 芭蕉、今現在師事している先生の句、自身の句、等。
(2) 第1 ~4 回 七句会投句抜粋 (敬称略)(参加者のもの) 、および、松尾芭
蕉の俳句 (芳賀徹氏選) [深瀬]
(3) 近代俳句の展開、および、水原秋桜子の俳句 (村田治夫「近代俳句要解」
抜粋) [深瀬]
2.主な意見、感想、等
(1) 内野さん
・キャッチコピーのようになってはいけない、といった句作における具体的注
意点は役に立った。
・自分の場合には、日常生活のなかから句を作るのはむずかしい。
・「死」の問題は重たい。いずれ正面から立ち向かう必要がありそうだ。実存
主義俳句ともいえるだろう。
(2) 志方さん
・土川さんや内野さんと半世紀ぶりに出会い、詰め襟時代に思いを馳せること
ができた。
・俳句作りには多様な背景を踏まえる必要があり、ボケ防止のみならず、学ぶ
に値するもののようだ。還暦後の知的挑戦にも適っていそう。
・もう少し仲間を引き込む工夫が必要だろう。
(3) 土川さん
・いろいろな俳句を作ったり読んだりし、悩むことが多いが、今回は、他者の
正直な意見が聞けて良かった。
・深瀬の提示した自作句は、「自然科学俳句」と名付けたい。宇宙、生物史、
生命科学、哲学、等をテーマにするという路線も、四季の自然観を超えた上位
の自然観として、ありうるのではないか。
・これまでは、従来の俳句界の常識やデッサン力といったものを身につけるこ
とを心掛けてきたが、これからは自分らしい気持ちをこめることにも留意して
いきたい。
(4) 深瀬
・自分自身が多少とも意識して作っている句を土川さんから「自然科学俳句」
という、かなり立派な名前をつけてもらい、今後目指すべき方向をはっきりさ
せるうえで大きなヒントになった。世界観や人生観も、含まれるように感ずる
。
・俳句の歴史については、戦後の動向についても理解する必要を感じた。
・七句会は、別に参加している句会に比較して、なんでも言い合える点がよい
と感じた。
- 次回の予定は、明確には決めませんでしたが、3 ~6 ヶ月に1 回程度は行う
方向としたいと思います。よろしくお願いいたします。
ご報告が遅くなり、申し訳ありません。
文責 深瀬 (13.08.27)
[13.08.18 資料01]
七句会勉強会メモ
2013.8.18. 土川春穂
■句作に際して心掛けていること(私の好み)。
(1) 自分らしく。
・感動、表現において、定番や通説に頼らないで自分で感じたこと、考え
たことを表す。
・ユニークさを狙うのでなく、自分で考えれば結果として自分らしくなる
と信じて。
・季題ありきでなく、感動ありき。感動していないものは表現できない。
(2) 現実( 物) を描写することで、自分の気持ちや考えを出す。
・主観的な感情形容詞 (うれしい、寂しい、つらいなど) を直接使わないで
、それらの気持ちや考えを客観的な現実( 物) で表現する。
(3) 散文でなく、ポエムに。
・物や事実の説明だけにならないように。
・時事評論や風刺は川柳に譲る。
・事実の描写や伝達は2害リ 。それ以外に余情や含蓄が8割あるように。
・そこから物語が生まれるように。
■句例
① 紫陽花や北鎌倉に傘の列 重青(現代俳句協会ネット句会高得点句)
・・・観光ポスターの定番キャッチコピーのよう。こうならないよう
にしたい。
② 霧しぐれ富士を見ぬ日ぞおもしろき 芭蕉
・・・“無いこどを詠う。おもしろし(古語)は主観的な感情形容詞
ではない。
③ 跳箱の突き手一瞬冬が来る 友岡子郷
・・・物の表現で作者の感動が伝わってくる。動きもある。
俳句論「天真のことば」(木阿弥書店)は触発された。“虹を
指す指”
④ 線香花火左手は膝を抱いて 神野紗希
・・・ちょっと少女趣味だけど、“左手”に着目が新鮮。
⑤ 渡り鳥見えますとメニュー渡さるる 今井聖
・・・物語がある。かなり異端の人だが、“通俗を排ぜの考え方は好
き。
⑥ 美しき落葉とならん願ひあり 森澄雄
・・・晩年は素直に自分の気持ちを出している作品が多い。
「遺稿 森澄雄俳話集」(永田書店)は面白い。“理屈を捨て
ろ”
⑦ 月白く緩和病棟最上階 土川春穂
・・・余情を狙うと体言が多くなってしまう。
物そのものでなく、もっと動きや考えを表現した方がいいのか
な。
⑧ 連山を おおう紅葉にうよう) 夕(ひ)にのまる 深瀬久敬
⑨ 廃線の鉄路の先の夕霞 志方洋介
⑩ 暴風雨、去りて残しし あかね雲 内野和顕
・・・みんな素晴らしい。私はこういう素直な句が作れないので羨ま
しい。
13.08.18資料02]
【13.08.18 七句会勉強会資料】 第1 ~4 回 七句会投句抜粋(敬称略)
(015) 五月晴れ孫がはじけて背比べ 志方08④
(026) 浅緑の風に向かって孫駆ける 志方04④
(035) 鮮緑の武蔵野林に野鳥啼く 志方05④
(040) 浅緑の川面になびく鯉幟 志方01④
(052) 阿武隈の山波遠く春哀し 志方07④
(056) 陸奥の傷跡癒す山桜 志方02④
(063) 夕されば川面に続く菜の花や 志方03④
(065) 廃線の鉄路の先の夕霞 志方06④
(047) 新緑の緑百色山緑 土川02④
(061) 広き葉の重なりて夏透過光 土川01④
(067) 共白髪四十年目のボート漕ぐ 土川03④
(069) 草萌えに白き点描の風来る 土川04④
(071) まだ開(あ)かぬ丸み重たき白き薔薇 土川05④
(048) 小春日に横一列の足湯かな 土川04③
(051) 菊を置き菊を重ねて逝く人を 土川05③
(053) 泥葱の皮むけば白凛々(リリ)しかリ 土川03③
(058) 月白く緩和病棟最上階 土川02③
(061) 枯れ木(ぼく)に仏刻みて春の雪 土川01③
(032) 腰折リて銀杏拾ふ世捨て人 土川 ②
(044) 蓄音機夜長に珈琲漉す時間 土川 ②
(062) 秋蘇州音曲の調(てう)移リけリ 土川 ②
(065) 逝く母の我生まれ出でしところ拭く 土川 ②
(072) ざる一枚平らげしばし蕎麦湯待つ 土川 ②
[詞書]北海道を思い出しつつ作句しました。以下、3句。
(020) 大雪に はるか北国 懐かしき 内野03③
(021) 豪雪に 北の大地を 思い出し 内野04③
(022) みぞれ吹く 北国の冬 あとわずか 内野05③
(028) 雪の中、真っ赤に咲ける 山茶花の花 内野01③
[詞書]視界を全く失う豪雪の中、磁石を頼りに絶望の内
に仲間と山行を続けました。そして三日目、突然視界が
ひらけ目的の山小屋を望めたときは、実に感動し安堵し
たのです。以下、4句。
(034) 視界なき 吹雪の中の 山スキー 内野06③
(035) ブリザード、前か見えない、山行だ 内野07③
(036) 山行は 三日三晩のブリザード 内野08③
(037) 吹雪止み、はるかに彼方に、山小屋が 内野09③
(039) さざんかは 雪にも負けず 赤く咲き 内野02③
(071) 漆黒に 蒼き地球の 寂寥感 深瀬 ②
(067) 翼竜ら 太古の空を 滑空す 深瀬 ②
(059) 誰が決め 塩基コドンに アミノ酸 深瀬11④
4種の塩基(AUGC)を3 つ組み合わせ(コドン)
パク質中の20種のアミノ酸の配列を指定する。
(076) 雲変化 空を彩る 自在さや 深瀬20③
(069) 地殻割け マグマに消える いのちかな 深瀬24③
(074) おおつなみ 街のみこみて すがたなし 深瀬13④
(065) 死の床で 雲の流れに 別れ言う 深瀬20③
(050) 死ぬときは 一人旅立つ 父母のもと 深瀬24③
(062) (火葬場にて)残リしを掃きて集めし母の骨 深瀬13④
(044) 死出の旅 無事参らせと 祈るかな 深瀬22③
(055) さらに生き なにかよきこと あるか問い 深瀬21③
(045) おそるべし 孤独とひまに 居場所なく 深瀬27③
(011) 特養で ムンクの「叫び」 みるおもひ 深瀬 ①
(003) かみなりに へその仇討ち かえる跳ぶ 深瀬 ①
(087) レクイエム 遠きかみなリ 交じるかな 深瀬 ①
[13.08.18 資料03]
【13.08.18 七句会勉強会資料】
松尾芭蕉の俳句 芳賀徹氏選
「日経アカデミア 詩歌に読む日本近代 ~徳川から明治へ」より
(全5 回 2013年5 月7日~7 月2日)
01 明ぼのやしら魚しろきこと一寸(いっすん)
02 山路来て何やらゆかしすみれ草
03 よく見れば斉花さく垣根かな
04 月はやしこずゑはあめを持ながら
05 鷹一つ見付てうれしいらご崎
06 草臥(くたびれ)て宿かる比(ころ)や藤の花
07 冬寵リまたよりそはん此(この)はしら
08 行はるや鳥啼うをの目は沼
09 山も庭もうごき入(いる)るや夏座敷
10 涼しさを我(わが)宿にしてねまる也
11 株(まぐさ)負ぶ人を枝折(しおり)の夏野哉
12 雲の峰幾つ崩て月の山
13 暑き日を海にいれたリ最上川
14 象潟や雨に西施がねぶの花
15 荒海や佐渡によこたふ天河
16 石山の石より白し秋の風
17 手を打てば木魂(こだま)に明(あく)る夏の朝
18 郭公(ほととぎす)声横たふや水の上
19 夏の夜や崩て明し冷し物
[13.08.18 資料04]
【13.08.18 七句会勉強会資料】
村田治夫、「近代俳句要解」、有精堂、昭和52年3 月 21版発行
1.近代俳句の展開 (P.1 ~4)
一、正岡子規の業績 (省略)
二、虚子と碧梧桐の業績 (省略)
三、水原秋桜子と新興俳句
虚子の「花鳥諷詠」は自然を主体とするところで伝統に忠実な説ではあった
が、一種の人間疎外が見られた。と言うのは、「人間界の現象を諷詠する」と
言っても、それはあくまで「これに伴う」という限定があり、この意味は「春
夏秋冬の四季の移り変わりに伴うところの」ということで、人間をうつすので
も自然現象の中に於いてとらえられた人間であって自然からきりはなされた、
例えば近代社会の中に苦しみつつ生きる人間の姿というようなものは除外され
る。こうなると、近代社会で最も意がはらわれねばならぬところの人間研究と
いうものは、少なくとも「花鳥諷詠」思潮の中では出来ないと言うことである
。門下の俊秀が、泰然としてこの主張に安んじていられなくなったのも当然で
ある。虚子のこの線をあくまですすめて行けば近代文学運動の大筋からははず
されて、文人趣味の非社会的、非近代的なものにおちて行かざるを得なくなる
。ここにホトトギス一門の若手の苦悶があった。
第一に虚子の主張に抗してホトトギスと別れたのが水原秋桜子である。秋桜
子は虚子の主張に対してその純客観的写生句を否定し、自然の真をうつすには
、作者の個性が主観を透して光り輝いていなければならないことを主張した。
言いかえてみれば俳句にもちこんだ浪漫主義である。これは漸く沈滞の中に守
旧していたホトトギスの若い人達を新鮮な空気で刺激し、加藤楸邨、石田波郷
らの共鳴を得てのびてゆくのである。
秋桜子についで山口誓子が「新しい現実を新しい視角に於いて把握し、新し
い俳句の世界を構成せんと、俳句を自然の中から人間世界へ持ち込んだ。これ
もまた虚子一派に対する挑戦である点に於いては秋桜子と同じであるが、秋桜
子がロマンティックな主観浸透の抒情を説いたのに対し誓子は、もっとはげし
く人間社会の生々しい現実に肉迫した。そこでは自然が主体でなく、人間その
ものが主体となり、知的、即物的な句がよまれるようになった。これらを新興
俳句という名で呼んだ。
四、戦争以後の俳句界
戦争中は俳壇をも戦火にまきこんだ。新興俳句の人達も官憲の圧迫を受け検
挙される人が続出した。殊に昭和15年の「京大俳句」の手入れは激しく、西東
三鬼らが検挙されたのもこの時であったが、続いて検挙の手がのびるに従って
新興俳句もすっかり瓦解してしまった。ただ戦時中は虚子一派の守旧派の独り
舞台であったが文芸として生気のある新鮮なものではなかった。
戦後文芸の復興にともない俳壇も自由民主の風潮にのって活発になって来た
。伝統派も反省の機を得て、近代の中にいかに伝統を生かすかに思いを致し、
また一方戦前の生活派もこれを近代社会の中に文芸として生かす方法を探究し
た。この二つが合流し、一本のもとにまとまって昭和21年に超党派的な結合、
「新俳句人連盟」が出来た。しかし、細かい点に於いて、主義を異にする俳壇
は、一本のもとにまとめ得ることは結局は不可能であった。多くの起伏がつぎ
からつぎにおこって紛争が絶えなかった。この時に俳壇に大きなショックを与
えたのが、桑原武夫の「第二芸術論」である。「第二芸術論」は昭和21年の「
世界」 (岩波書店) 11月号にのった論文で、その要旨かなり手きびしく、俳句
がただ同好者の特殊グループのもてあそびものであって傍から見れば極めて退
屈、また専門家と素人との区別がつかずこうした点から芸術的感興は湧かない
。しかもこの小詩型は、近代社会の思想を織りこむことは最早不可能であり、
小説や近代劇を芸術とよぶなら、俳句は第二芸術であるとしたもので、要する
に日本文学を国際水準に高めるために日本文学の特殊性なるものが再吟味され
始めたことに並行して行われたものであり、俳句の前近代性を徹底的に批判し
たものであった。すべてが首肯すべきものであるか否かは別として、反省すべ
き機会を与えたことは事実であった。
中村草田男、加藤楸邨、石田波郷ら、ヒューマニズムによる人生派は、人間
探求に意欲を示し、「俳句を近代人間としての自己の生き方に密着させること
により人間を回復しよう」と試みている。
昭和34年、俳壇の事実上の大御所的存在として、明治、大正、昭和三代にわ
たり、俳壇史を歩いてきた虚子の死は何と言っても巨木の倒れた感じであるが
、問題は今後にも多くのこされている。
2.水原秋桜子 (P.95~106)
明治25年~。本職は医師。東京生まれ。東大医学部卒業。
昭和7 年宮内省侍医寮御用掛、傍ら産婦人科病院を経営する。
大正11年東大俳句会を設立ホトトギス派の闘士として活躍したが次第にその
主張が、虚子一派の純客観的主張と入れず、昭和6 年「ホトトギス」を離れて
「馬酔木」により、いわゆる新興俳句の道を歩むようになった。
「自然の真は直ちに芸術上の真ではあり得ない。作者の主題に浸透すること
によって芸術作品となし得る」
この秋桜子の主張は、虚子のいわゆる「花鳥諷詠」の純客観的、没個性的な
ものとは入れぬものであった。石田波郷、加藤楸邨らを門下に「馬酔木」の主
張は大きく俳壇を動かし抒情的浪漫主張の句作が新鮮味を以て迎えられたので
ある。
01 春惜 (はるおし) むおんすがたこそとこしなへ
02 蟇 (ひき) ないて唐招提寺春いづこ
03 馬酔木 (あしび) 咲く金堂 (こんどう) の扉 (と) にわが触れぬ
04 来 (こ) しかたや馬酔木咲く野の日のひかり
05 れんげうや真間 (まま) の里びと垣を結 (ゆ) はず
06 葛飾 (かつしか) や桃の籬 (まがき) も水田 (みずた) べり
07 梨 (なし) 咲くと葛飾の野はとの曇り
08 高嶺星 (たかねぼし) 蚕飼 (こが) ひの村は寝しづまり
09 蝶 (ちょう) うせぬ早瀬落ち合ふ渦の上
10 桑の葉の照るに堪へゆく帰省かな
11 白樺に月照りつゝも馬柵 (ませ) の霧
12 啄木鳥 (きつつき) や落葉をいそぐ牧の木々
13 蓮の中羽搏 (う) つものある良夜かな
14 鯊 (はぜ) 釣りや不二暮れそめて手を洗ふ
15 わがいのち菊にむかひてしづかなる
16 落葉踏む今日の明るさ明日もあれ
以上
追記 13.08.18
・前近代の構図: 自然と人間- 一一〉近代の構図: 社会と個人
・曹洞宗開祖道元の和歌 春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて涼しかりけリ
・寺田寅彦「俳句の精神」抜粋
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card2513.html
俳句の修業はその過程としてまず自然に対する観察力の練磨れんまを要求す
る。俳句をはじめるまではさっぱり気づかずにいた自然界の美しさがいったん
俳句に入門するとまるで暗やみから一度に飛び出してでも来たかのように眼前
に展開される。今までどうしてこれに気がつかなかったか不思議に思われるの
である。これが修業の第一課である。しかし自然の美しさを観察し自覚しただ
けでは句はできない。次にはその眼前の景物の中からその焦点となリ象徴とな
るべきものを選択し抽出することか必要である。これはもはや外側に向けた目
だけではできない仕事である。自己と外界との有機的関係を内省することによ
って始めて可能になる。
句の表現法は、言葉やてにはの問題ばかりでなくてやはり自然対自己の関係
のいかなる面を抽出するかという選択法に係わるものである。
・正岡子規 月並み俳句を批判 写生。夏目漱石 近代的な個の自覚。
・戦後 個人体験化、私小説化。
・俵万智 「この味がいいね」と君が言つたから7月6日はサラダ記念日
下記の要領で、俳句の「研究・啓発」を目的とした集まりをもちたいと思い
ます。趣旨に賛同し、ご都合がつけば、ふるってご参加のほど、お願いいたし
ます。
出席される場合には、8 月 4日までに、事務方までご連絡をお願いいたしま
す。
・日時 2013年8 月18日 (日) 午後2 時~4 時
・場所 上智大学四谷キャンパス内紀尾井坂ビル B101教室
四ツ谷キャンパスマップ
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/map/map_yotsuya
(正門から入り、最も、右手奥の建物です。ホテルニューオータ
ニに道路をはさんで面しています。)
・内容 1 これまでに投句した句や選句をした句から、最大、各5 句選んで
参加していただき、各句について意見を述べ、話し合う。
2 俳句に関するテーマについて、20~30分程度、だれかに話しをし
てもらい、Q&A を行う。
(詳細につきましては、追って、連絡したいとは思いますが、初回
ですので、きらくに行きたいと思います。)
・参加費 教室の貸室料(5,000円前後) を、参加人数で割った金額。
・その他 1 初回ですので、今後のやり方について相談したいと思います。
2 飲み会は、希望者が、周辺の適当な場所で適宜行う。
・補足 - 上智大学四谷キャンパス内の教室は、「研究と教育」を目的とす
る会合に関してのみ、有料で利用することができ、この点につい
ては、わたし (深瀬) と大学同期の小野山隆夫さん (上智大学の
電子計算機システムや図書館システムの開発管理業務を担当され
、昨年定年退職されました。) のご尽力による了解をうることが
できました。
- これまでの4 回の選句表の結果を添付します。第一回と第二回に
ついては、全句がリストされていませんので、注意して下さい。
- 橋口代表は、この期間、山ごもりのため、東京にいないため、残
念ながら欠席です。
- 当集まりは、土川さんと深瀬とで、俳句を題材に、なにかいろい
ろ話しあう場があってもよいのではないか、という点で一致して
行うことになったものです。
事務方 深瀬
七句会の集まり(13.08.18)の報告
- 日時 2013年8 月18日 (日) 午後2 時~4 時15分
- 場所 上智大学四谷キャンパス 紀尾井坂ビルB101教室
- 参加者 内野、志方、土川 (以上敬称略) 、深瀬
- 内容
1.各自の俳句との関係を紹介し、確認したり討議を行った。
配布された資料は、次の通り。(pdf形式で添付)
(1) 七句会勉強会メモ [土川さん]
・句作に際して心掛けていること (私の好み) 。
・句例 芭蕉、今現在師事している先生の句、自身の句、等。
(2) 第1 ~4 回 七句会投句抜粋 (敬称略)(参加者のもの) 、および、松尾芭
蕉の俳句 (芳賀徹氏選) [深瀬]
(3) 近代俳句の展開、および、水原秋桜子の俳句 (村田治夫「近代俳句要解」
抜粋) [深瀬]
2.主な意見、感想、等
(1) 内野さん
・キャッチコピーのようになってはいけない、といった句作における具体的注
意点は役に立った。
・自分の場合には、日常生活のなかから句を作るのはむずかしい。
・「死」の問題は重たい。いずれ正面から立ち向かう必要がありそうだ。実存
主義俳句ともいえるだろう。
(2) 志方さん
・土川さんや内野さんと半世紀ぶりに出会い、詰め襟時代に思いを馳せること
ができた。
・俳句作りには多様な背景を踏まえる必要があり、ボケ防止のみならず、学ぶ
に値するもののようだ。還暦後の知的挑戦にも適っていそう。
・もう少し仲間を引き込む工夫が必要だろう。
(3) 土川さん
・いろいろな俳句を作ったり読んだりし、悩むことが多いが、今回は、他者の
正直な意見が聞けて良かった。
・深瀬の提示した自作句は、「自然科学俳句」と名付けたい。宇宙、生物史、
生命科学、哲学、等をテーマにするという路線も、四季の自然観を超えた上位
の自然観として、ありうるのではないか。
・これまでは、従来の俳句界の常識やデッサン力といったものを身につけるこ
とを心掛けてきたが、これからは自分らしい気持ちをこめることにも留意して
いきたい。
(4) 深瀬
・自分自身が多少とも意識して作っている句を土川さんから「自然科学俳句」
という、かなり立派な名前をつけてもらい、今後目指すべき方向をはっきりさ
せるうえで大きなヒントになった。世界観や人生観も、含まれるように感ずる
。
・俳句の歴史については、戦後の動向についても理解する必要を感じた。
・七句会は、別に参加している句会に比較して、なんでも言い合える点がよい
と感じた。
- 次回の予定は、明確には決めませんでしたが、3 ~6 ヶ月に1 回程度は行う
方向としたいと思います。よろしくお願いいたします。
ご報告が遅くなり、申し訳ありません。
文責 深瀬 (13.08.27)
[13.08.18 資料01]
七句会勉強会メモ
2013.8.18. 土川春穂
■句作に際して心掛けていること(私の好み)。
(1) 自分らしく。
・感動、表現において、定番や通説に頼らないで自分で感じたこと、考え
たことを表す。
・ユニークさを狙うのでなく、自分で考えれば結果として自分らしくなる
と信じて。
・季題ありきでなく、感動ありき。感動していないものは表現できない。
(2) 現実( 物) を描写することで、自分の気持ちや考えを出す。
・主観的な感情形容詞 (うれしい、寂しい、つらいなど) を直接使わないで
、それらの気持ちや考えを客観的な現実( 物) で表現する。
(3) 散文でなく、ポエムに。
・物や事実の説明だけにならないように。
・時事評論や風刺は川柳に譲る。
・事実の描写や伝達は2害リ 。それ以外に余情や含蓄が8割あるように。
・そこから物語が生まれるように。
■句例
① 紫陽花や北鎌倉に傘の列 重青(現代俳句協会ネット句会高得点句)
・・・観光ポスターの定番キャッチコピーのよう。こうならないよう
にしたい。
② 霧しぐれ富士を見ぬ日ぞおもしろき 芭蕉
・・・“無いこどを詠う。おもしろし(古語)は主観的な感情形容詞
ではない。
③ 跳箱の突き手一瞬冬が来る 友岡子郷
・・・物の表現で作者の感動が伝わってくる。動きもある。
俳句論「天真のことば」(木阿弥書店)は触発された。“虹を
指す指”
④ 線香花火左手は膝を抱いて 神野紗希
・・・ちょっと少女趣味だけど、“左手”に着目が新鮮。
⑤ 渡り鳥見えますとメニュー渡さるる 今井聖
・・・物語がある。かなり異端の人だが、“通俗を排ぜの考え方は好
き。
⑥ 美しき落葉とならん願ひあり 森澄雄
・・・晩年は素直に自分の気持ちを出している作品が多い。
「遺稿 森澄雄俳話集」(永田書店)は面白い。“理屈を捨て
ろ”
⑦ 月白く緩和病棟最上階 土川春穂
・・・余情を狙うと体言が多くなってしまう。
物そのものでなく、もっと動きや考えを表現した方がいいのか
な。
⑧ 連山を おおう紅葉にうよう) 夕(ひ)にのまる 深瀬久敬
⑨ 廃線の鉄路の先の夕霞 志方洋介
⑩ 暴風雨、去りて残しし あかね雲 内野和顕
・・・みんな素晴らしい。私はこういう素直な句が作れないので羨ま
しい。
13.08.18資料02]
【13.08.18 七句会勉強会資料】 第1 ~4 回 七句会投句抜粋(敬称略)
(015) 五月晴れ孫がはじけて背比べ 志方08④
(026) 浅緑の風に向かって孫駆ける 志方04④
(035) 鮮緑の武蔵野林に野鳥啼く 志方05④
(040) 浅緑の川面になびく鯉幟 志方01④
(052) 阿武隈の山波遠く春哀し 志方07④
(056) 陸奥の傷跡癒す山桜 志方02④
(063) 夕されば川面に続く菜の花や 志方03④
(065) 廃線の鉄路の先の夕霞 志方06④
(047) 新緑の緑百色山緑 土川02④
(061) 広き葉の重なりて夏透過光 土川01④
(067) 共白髪四十年目のボート漕ぐ 土川03④
(069) 草萌えに白き点描の風来る 土川04④
(071) まだ開(あ)かぬ丸み重たき白き薔薇 土川05④
(048) 小春日に横一列の足湯かな 土川04③
(051) 菊を置き菊を重ねて逝く人を 土川05③
(053) 泥葱の皮むけば白凛々(リリ)しかリ 土川03③
(058) 月白く緩和病棟最上階 土川02③
(061) 枯れ木(ぼく)に仏刻みて春の雪 土川01③
(032) 腰折リて銀杏拾ふ世捨て人 土川 ②
(044) 蓄音機夜長に珈琲漉す時間 土川 ②
(062) 秋蘇州音曲の調(てう)移リけリ 土川 ②
(065) 逝く母の我生まれ出でしところ拭く 土川 ②
(072) ざる一枚平らげしばし蕎麦湯待つ 土川 ②
[詞書]北海道を思い出しつつ作句しました。以下、3句。
(020) 大雪に はるか北国 懐かしき 内野03③
(021) 豪雪に 北の大地を 思い出し 内野04③
(022) みぞれ吹く 北国の冬 あとわずか 内野05③
(028) 雪の中、真っ赤に咲ける 山茶花の花 内野01③
[詞書]視界を全く失う豪雪の中、磁石を頼りに絶望の内
に仲間と山行を続けました。そして三日目、突然視界が
ひらけ目的の山小屋を望めたときは、実に感動し安堵し
たのです。以下、4句。
(034) 視界なき 吹雪の中の 山スキー 内野06③
(035) ブリザード、前か見えない、山行だ 内野07③
(036) 山行は 三日三晩のブリザード 内野08③
(037) 吹雪止み、はるかに彼方に、山小屋が 内野09③
(039) さざんかは 雪にも負けず 赤く咲き 内野02③
(071) 漆黒に 蒼き地球の 寂寥感 深瀬 ②
(067) 翼竜ら 太古の空を 滑空す 深瀬 ②
(059) 誰が決め 塩基コドンに アミノ酸 深瀬11④
4種の塩基(AUGC)を3 つ組み合わせ(コドン)
パク質中の20種のアミノ酸の配列を指定する。
(076) 雲変化 空を彩る 自在さや 深瀬20③
(069) 地殻割け マグマに消える いのちかな 深瀬24③
(074) おおつなみ 街のみこみて すがたなし 深瀬13④
(065) 死の床で 雲の流れに 別れ言う 深瀬20③
(050) 死ぬときは 一人旅立つ 父母のもと 深瀬24③
(062) (火葬場にて)残リしを掃きて集めし母の骨 深瀬13④
(044) 死出の旅 無事参らせと 祈るかな 深瀬22③
(055) さらに生き なにかよきこと あるか問い 深瀬21③
(045) おそるべし 孤独とひまに 居場所なく 深瀬27③
(011) 特養で ムンクの「叫び」 みるおもひ 深瀬 ①
(003) かみなりに へその仇討ち かえる跳ぶ 深瀬 ①
(087) レクイエム 遠きかみなリ 交じるかな 深瀬 ①
[13.08.18 資料03]
【13.08.18 七句会勉強会資料】
松尾芭蕉の俳句 芳賀徹氏選
「日経アカデミア 詩歌に読む日本近代 ~徳川から明治へ」より
(全5 回 2013年5 月7日~7 月2日)
01 明ぼのやしら魚しろきこと一寸(いっすん)
02 山路来て何やらゆかしすみれ草
03 よく見れば斉花さく垣根かな
04 月はやしこずゑはあめを持ながら
05 鷹一つ見付てうれしいらご崎
06 草臥(くたびれ)て宿かる比(ころ)や藤の花
07 冬寵リまたよりそはん此(この)はしら
08 行はるや鳥啼うをの目は沼
09 山も庭もうごき入(いる)るや夏座敷
10 涼しさを我(わが)宿にしてねまる也
11 株(まぐさ)負ぶ人を枝折(しおり)の夏野哉
12 雲の峰幾つ崩て月の山
13 暑き日を海にいれたリ最上川
14 象潟や雨に西施がねぶの花
15 荒海や佐渡によこたふ天河
16 石山の石より白し秋の風
17 手を打てば木魂(こだま)に明(あく)る夏の朝
18 郭公(ほととぎす)声横たふや水の上
19 夏の夜や崩て明し冷し物
[13.08.18 資料04]
【13.08.18 七句会勉強会資料】
村田治夫、「近代俳句要解」、有精堂、昭和52年3 月 21版発行
1.近代俳句の展開 (P.1 ~4)
一、正岡子規の業績 (省略)
二、虚子と碧梧桐の業績 (省略)
三、水原秋桜子と新興俳句
虚子の「花鳥諷詠」は自然を主体とするところで伝統に忠実な説ではあった
が、一種の人間疎外が見られた。と言うのは、「人間界の現象を諷詠する」と
言っても、それはあくまで「これに伴う」という限定があり、この意味は「春
夏秋冬の四季の移り変わりに伴うところの」ということで、人間をうつすので
も自然現象の中に於いてとらえられた人間であって自然からきりはなされた、
例えば近代社会の中に苦しみつつ生きる人間の姿というようなものは除外され
る。こうなると、近代社会で最も意がはらわれねばならぬところの人間研究と
いうものは、少なくとも「花鳥諷詠」思潮の中では出来ないと言うことである
。門下の俊秀が、泰然としてこの主張に安んじていられなくなったのも当然で
ある。虚子のこの線をあくまですすめて行けば近代文学運動の大筋からははず
されて、文人趣味の非社会的、非近代的なものにおちて行かざるを得なくなる
。ここにホトトギス一門の若手の苦悶があった。
第一に虚子の主張に抗してホトトギスと別れたのが水原秋桜子である。秋桜
子は虚子の主張に対してその純客観的写生句を否定し、自然の真をうつすには
、作者の個性が主観を透して光り輝いていなければならないことを主張した。
言いかえてみれば俳句にもちこんだ浪漫主義である。これは漸く沈滞の中に守
旧していたホトトギスの若い人達を新鮮な空気で刺激し、加藤楸邨、石田波郷
らの共鳴を得てのびてゆくのである。
秋桜子についで山口誓子が「新しい現実を新しい視角に於いて把握し、新し
い俳句の世界を構成せんと、俳句を自然の中から人間世界へ持ち込んだ。これ
もまた虚子一派に対する挑戦である点に於いては秋桜子と同じであるが、秋桜
子がロマンティックな主観浸透の抒情を説いたのに対し誓子は、もっとはげし
く人間社会の生々しい現実に肉迫した。そこでは自然が主体でなく、人間その
ものが主体となり、知的、即物的な句がよまれるようになった。これらを新興
俳句という名で呼んだ。
四、戦争以後の俳句界
戦争中は俳壇をも戦火にまきこんだ。新興俳句の人達も官憲の圧迫を受け検
挙される人が続出した。殊に昭和15年の「京大俳句」の手入れは激しく、西東
三鬼らが検挙されたのもこの時であったが、続いて検挙の手がのびるに従って
新興俳句もすっかり瓦解してしまった。ただ戦時中は虚子一派の守旧派の独り
舞台であったが文芸として生気のある新鮮なものではなかった。
戦後文芸の復興にともない俳壇も自由民主の風潮にのって活発になって来た
。伝統派も反省の機を得て、近代の中にいかに伝統を生かすかに思いを致し、
また一方戦前の生活派もこれを近代社会の中に文芸として生かす方法を探究し
た。この二つが合流し、一本のもとにまとまって昭和21年に超党派的な結合、
「新俳句人連盟」が出来た。しかし、細かい点に於いて、主義を異にする俳壇
は、一本のもとにまとめ得ることは結局は不可能であった。多くの起伏がつぎ
からつぎにおこって紛争が絶えなかった。この時に俳壇に大きなショックを与
えたのが、桑原武夫の「第二芸術論」である。「第二芸術論」は昭和21年の「
世界」 (岩波書店) 11月号にのった論文で、その要旨かなり手きびしく、俳句
がただ同好者の特殊グループのもてあそびものであって傍から見れば極めて退
屈、また専門家と素人との区別がつかずこうした点から芸術的感興は湧かない
。しかもこの小詩型は、近代社会の思想を織りこむことは最早不可能であり、
小説や近代劇を芸術とよぶなら、俳句は第二芸術であるとしたもので、要する
に日本文学を国際水準に高めるために日本文学の特殊性なるものが再吟味され
始めたことに並行して行われたものであり、俳句の前近代性を徹底的に批判し
たものであった。すべてが首肯すべきものであるか否かは別として、反省すべ
き機会を与えたことは事実であった。
中村草田男、加藤楸邨、石田波郷ら、ヒューマニズムによる人生派は、人間
探求に意欲を示し、「俳句を近代人間としての自己の生き方に密着させること
により人間を回復しよう」と試みている。
昭和34年、俳壇の事実上の大御所的存在として、明治、大正、昭和三代にわ
たり、俳壇史を歩いてきた虚子の死は何と言っても巨木の倒れた感じであるが
、問題は今後にも多くのこされている。
2.水原秋桜子 (P.95~106)
明治25年~。本職は医師。東京生まれ。東大医学部卒業。
昭和7 年宮内省侍医寮御用掛、傍ら産婦人科病院を経営する。
大正11年東大俳句会を設立ホトトギス派の闘士として活躍したが次第にその
主張が、虚子一派の純客観的主張と入れず、昭和6 年「ホトトギス」を離れて
「馬酔木」により、いわゆる新興俳句の道を歩むようになった。
「自然の真は直ちに芸術上の真ではあり得ない。作者の主題に浸透すること
によって芸術作品となし得る」
この秋桜子の主張は、虚子のいわゆる「花鳥諷詠」の純客観的、没個性的な
ものとは入れぬものであった。石田波郷、加藤楸邨らを門下に「馬酔木」の主
張は大きく俳壇を動かし抒情的浪漫主張の句作が新鮮味を以て迎えられたので
ある。
01 春惜 (はるおし) むおんすがたこそとこしなへ
02 蟇 (ひき) ないて唐招提寺春いづこ
03 馬酔木 (あしび) 咲く金堂 (こんどう) の扉 (と) にわが触れぬ
04 来 (こ) しかたや馬酔木咲く野の日のひかり
05 れんげうや真間 (まま) の里びと垣を結 (ゆ) はず
06 葛飾 (かつしか) や桃の籬 (まがき) も水田 (みずた) べり
07 梨 (なし) 咲くと葛飾の野はとの曇り
08 高嶺星 (たかねぼし) 蚕飼 (こが) ひの村は寝しづまり
09 蝶 (ちょう) うせぬ早瀬落ち合ふ渦の上
10 桑の葉の照るに堪へゆく帰省かな
11 白樺に月照りつゝも馬柵 (ませ) の霧
12 啄木鳥 (きつつき) や落葉をいそぐ牧の木々
13 蓮の中羽搏 (う) つものある良夜かな
14 鯊 (はぜ) 釣りや不二暮れそめて手を洗ふ
15 わがいのち菊にむかひてしづかなる
16 落葉踏む今日の明るさ明日もあれ
以上
追記 13.08.18
・前近代の構図: 自然と人間- 一一〉近代の構図: 社会と個人
・曹洞宗開祖道元の和歌 春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて涼しかりけリ
・寺田寅彦「俳句の精神」抜粋
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card2513.html
俳句の修業はその過程としてまず自然に対する観察力の練磨れんまを要求す
る。俳句をはじめるまではさっぱり気づかずにいた自然界の美しさがいったん
俳句に入門するとまるで暗やみから一度に飛び出してでも来たかのように眼前
に展開される。今までどうしてこれに気がつかなかったか不思議に思われるの
である。これが修業の第一課である。しかし自然の美しさを観察し自覚しただ
けでは句はできない。次にはその眼前の景物の中からその焦点となリ象徴とな
るべきものを選択し抽出することか必要である。これはもはや外側に向けた目
だけではできない仕事である。自己と外界との有機的関係を内省することによ
って始めて可能になる。
句の表現法は、言葉やてにはの問題ばかりでなくてやはり自然対自己の関係
のいかなる面を抽出するかという選択法に係わるものである。
・正岡子規 月並み俳句を批判 写生。夏目漱石 近代的な個の自覚。
・戦後 個人体験化、私小説化。
・俵万智 「この味がいいね」と君が言つたから7月6日はサラダ記念日
登録:
投稿 (Atom)