2020年9月22日火曜日

七句会 第三十三回 ネット句会 感想、自句自解

 七句会のみなさま                                                                                                                第三十三回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、                         たいへんありがとうございました。                                             およせいただいたものを、作品集とともに、名前順に、ほぼそのまままとめ                         てお届けします。                                                     今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。                             七句会のweb http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。                         今後とも、よろしくお願いいたします。                                         深瀬 (事務方)                                                                                                                                                                             1.第32回 ネット句会 作品集                                                                                                          (01)秋元さん                                                      ・大川の川面の揺らぎ蝉の声                                               ・朝顔や夕立ち過ぎて軒すだれ                                              ・蝉時雨風に揺られて小波立つ                                                                                                          (02)新井さん                                                      ・多摩川のかなたに輝く夏の富士                                             ・冷奴もめんのつやに癒されて                                              ・自粛期間小銭が貯まりうな重を                                             ・梅雨明けて二週間後の夕涼み                                              ・夏山の見守る童子の墓掃除                                               ・湯けむりの香りゆらめく夏山よ                                             ・うな重を受け取る手のひら幸満ちる                                           ・帰り道夕飯うなぎ極楽道                                                ・冷奴醤油無くして素の旨み                                                                                                           (03)小野寺さん                                                     ・つばくろ (燕) の囀り高く梅雨払う                                           ・麦秋の風頬に受け朋は逝き                                               ・群青の海の岬に合歓の花                                                ・つばくらめ (燕) 餌求め啼く雨の軒 (のき)                                        ・笛の音に埋み火のごと心揺れ                                              ・海恋し漁火 (いさりび) は哭き波の音                                          ・碧き翅生命 (いのち) の限り蝉生まれ                                          ・雷雲は峰の谷間に風興 (おこ) し                                            ・星の夜半 (よわ) 生まれし蝉のうすみどり                                        ・一陣の風興りきて峠越え                                                ・鎮魂の読経に和すや蝉時雨                                               ・みじか夜に匂い残して百合の花                                             ・墨摺ればひぐらし啼きて風の音                                             ・夏の月原一面を霜に染め                                                ・炎天に陽のにほひしてカンナ咲く                                            ・草いきれ鬨の声聴く衣川                                                ・黒雲に稲妻走り夏来たる                                                ・奥州は夏野の駿馬雲速し                                                ・ひぐらしに魂還帰 (かえ) る杉木立                                           ・谷の闇蛍の乱舞黄泉 (よみ) に棲む                                           ・風蒼し墨のかほりに筆を置く                                              ・花筏木漏れ陽を背に春ながれ                                                                                                          (04)吉良さん                                                      ・梅花藻の清水とたわむる山の宿                                             ・白蓮や頭もたげて朝ひかる                                               ・夏の月灼熱色に染まりあげ                                               ・残像の花火まぶたに夏開き                                               ・屋形船客声静かに川下る                                                                                                            (05)桑子さん                                                      ・傘マーク続き紫陽花心地よし                                              ・年寄りにGOTO冥土令和の夏                                             ・白南風や川面に揺らぐ海猫(ごめ)の群れ                                        ・孫登山ロープウエイで先廻り                                              ・ジージーと蝉か耳鳴り惑う吾れ                                                                                                         (06)志方さん                                                      ・夕凪に水面に映る朱華の雲                                               ・赤々と炎暑に凛と百日紅                                                ・霧流れ晩夏を送る蒼き空                                                ・栂ノ尾の山路登りて涼に触れ                                              ・夕立がゲリラ豪雨に追いやられ                                                                                                         (07)治部さん                                                      ・梅雨出水すべて球磨へと川辺川                                             ・梅雨茸帰国れぬ選手に友の居て                                             ・里山を歩き懐古の水車                                                 ・足早に人波駅へ土用かな                                                ・夏場所や枡一人づつの拍手かな                                             ・弁当の宅配首に扇風機                                                 ・蕎麦待たせ急ぐや奥の院緑                                               ・夏定番帰郷ついでの伊勢参り                                                                                                          (08)中津川さん                                                     ・空に向くすがしき白のムクゲかな                                            ・流れゆく信濃の道にそばの花                                              ・大きさと色競うがごと百日紅                                              ・長崎も心こもらぬ誓いの辞                                               ・経響き先祖迎えるメロンの香                                              ・秋暑し野良猫すずむ車影                                                ・数独や頭へクーラー家ごもり                                                                                                          (09)橋本さん                                                      ・初老吹く尺八若葉の風に乗り                                              ・新緑や木漏れ日水面に万華鏡                                              ・コロナ禍に雨雨雨雨天仰ぐ                                                 初めての糸蜻蛉を2句。庭の菜園の散水時、 か細き                                    物飛ぶ。3cm にも満たない色美しい蜻蛉、 初めて見て                                    感動。 アジアイトトンボらしい。                                            ・茄子の葉に何処から生れし糸蜻蛉                                            ・糸蜻蛉その小ささ美しさ                                                ・聞こえしは機械音ばかり残暑かな                                            ・盆明けて寂しき河原風立ちぬ                                                                                                          (10)宮澤さん                                                      ・梅雨明けた一斉唱歌で蝉知らせ                                             ・家籠り祭りもなしで日は巡り                                              ・角曲がり西日の中に母が待つ                                              ・コロナ禍が廻り続ける走馬燈                                              ・熟れし桃コロナも好物ミツ三っつ                                            ・水を撒くホースの虹に蜻蛉寄り                                                                                                         (11)豊さん                                                       ・眼球の小さな痛み晩夏光                                                ・夏が行くコロナと豪雨の跡残し                                             ・巣ごもりにすっかり慣れて涼新た                                            ・秋霖や相合傘に誘われし                                                ・コスモスや修学旅行の大伽藍                                              ・幼きが敬老の日の慰問かな                                                                                                           (12)深瀬                                                        ・夏山のジャンボ残骸35年                                               ・夏山の満天の星時止まる                                                ・ワンゲルの夏山縦走セピア色                                              ・夏山のヌード写真の陰深く                                               ・夏山の鉄鎖をたぐる修験道                                               ・夏山の小屋の夜に聴くシンフォニア                                           ・夏山の登山の列や雲に消え                                               ・波の音潮のかほりや遠き夏                                               ・気がつけば夏草しげる空き地かな                                            ・太鼓腹ゆかたはみ出す父はるか                                             ・豊満の裸身ゆさぶるカーニバル                                             ・梅雨明けのとなりの部屋に孫の声                                            ・首垂れし倉庫のロボット晩夏の陽                                            ・三密を盥のうなぎ気にもせず                                              ・炎暑日に腰痛かかえ長き道                                               ・目録のできしときには興味失せ                                             ・なって知る他人の苦への鈍感さ                                             ・細き脛いつのまにかと老ひ覚る                                             ・冷蔵庫いっしょにいたね二十年                                             ・見飽きてもつい手にしてるスマホかな                                          ・人類のひかりと闇の走馬灯                                               ・いつまでも人とはなにか問ひつづけ                                           ・生きている起伏のときをいくたびか                                           ・無意識に時の流れるありがたさ                                             ・UFCラウンドガール手を振って                                            ・朝ゲーム記録更新やめられず                                                                                                                                                                      2.第33回 ネット句会 自句自解                                                                                                         ◎ 新井さんの自句自解                                                                                                             七句会の選句結果を拝見し、日常の一コマをその方の個性を混ぜながら語ら                         れたものや、ダイナミックな自然の感じられるものもあり、多種多様さがおも                         しろかったです。                                                                                                                以下の様に自句自解をお伝えします。                                                                                                       ・多摩川のかなたに輝く夏の富士                                              通勤電車で多摩川の上を通りますが、富士山が見えます。冬は白い富士山が                         見えますが、この夏深緑の美しい富士山が見えました。珍しいことですので、                         コロナ自粛で空気が澄んでいるのかもしれません。                                                                                                 ・冷奴もめんのつやに癒されて                                               暑い夏も大好きな冷奴で一瞬酷暑を忘れます。                                                                                                  ・自粛期間小銭が貯まりうな重を                                              自粛期間はあまりお金を使う機会がないので、自然と小銭が貯まりました。                          緊急事態が解除された直後に大好物のうなぎ屋さんへ。躊躇なくうな重を買                         えました。                                                                                                                   ・梅雨明けて二週間後の夕涼み                                               長雨が終わったと思いきや、たった二週間でもう初秋が感じられます。                                                                                       ・夏山の見守る童子の墓掃除                                                小学生の夏休み、兵庫県の田舎に家族で帰省しました。子供たちだけでお墓                         の掃除をしましたが、山々に見守られているようでした。                                                                                              ・湯けむりの香りゆらめく夏山よ                                              真夏に信州に旅行に行った時の事。温泉に入ると、湯煙の向こうに山が見え                         、ほっとし、とても印象に残っています。                                                                                                     ・うな重を受け取る手のひら幸満ちる                                            うなぎが大好物ですので、購入時に受け取ると幸せが広がります。                                                                                         ・帰り道夕飯うなぎ極楽道                                                 何度も書いていると感じますが、うなぎが大好きなので、夕食がうなぎの日                         は、帰り道からうきうきします。                                                                                                         ・冷奴醤油無くして素の旨み                                                お豆腐が大好きですので、しょう油なしでも美味しく頂けます。                                                                                          美味しい食べ物で頭がいっぱいです。先日人間ドックの結果が戻ってきまし                         たが、少しダイエットした方がいいようです。ただ、仕事のストレスなどはア                         イスクリームなどで癒すので、難しそうですが…。                                                                                                                                                             ◎ 小野寺さんの自句自解                                                                                                            ・鎮魂の読経に和すや蝉時雨 (6点句 050)                                          災害で亡くなった故人を追悼する盆供養の読経の声が朗々と響く中、寺の外                         では蝉時雨がさながら読経に唱和する様に聞こえて、鎮魂への祈りの深さが動                         と静に相成り 尚一層深まる想いがしました。                                                                                                   ・星の夜半生まれし蝉のうすみどり (3点句 037)                                       蝉は成虫となり羽化まで土の中で七年の歳月を過ごし地上に出て一週間で生                         命を終えます。星降る夜半に羽化する瞬間は薄いみどりの羽を通して生命の営                         みの輝きを観る想いでした。                                                                                                           ・ひぐらしに魂帰還( かえ) る杉木立 (2点句 030)                                      油蝉やミンミン蝉の盛夏を過ぎて晩夏に鳴くひぐらしのカナカナと鳴く声を                         聴くと、ほの暗い杉木立の中にある魂の故郷に帰って行くのだと思いました。                                                                                     ・一陣の風興りきて峠超え (2点句 063)                                           遥かな峠道を超えてきてふと杣道を振り返ると冷たい一陣の風が吹き身体中                         の汗が爽やかに引いていく想いでした。                                                                                                      ・短か夜に匂い残して百合の花 (2点句 072)                                        真夏の短い夜半、庭に咲くカサブランカは暗闇の中で強くて魅惑の匂いを漂                         わせ、不思議な夜のハーモニーとなりました。                                                                                                   ・炎天に陽のにほひしてカンナ咲く (2点句 097)                                     炎天の強い日差しの中で紅く咲くカンナは生命の炎を燃やして炎暑に負けな                         い力を持った生き物の様にも思いました。                                                                                                     ・谷の闇蛍の乱舞黄泉 (よみ) に棲む (1点句 095)                                     漆黒の深い谷の底での蛍火の光の交錯は魂の乱舞にも似てこの世ではない黄                         泉( よみ) の国に棲む命を眺めている錯覚を観る想いがしたのです。                                                                                         ・墨すればひぐらし啼きて風の音 (1点句 088)                                       手紙をしたためる為に墨を擦っていると仄かな墨の香りの中で、ひぐらしの                         哭くような寂しい声が風に微かに流れて行く気配を感じたことでした。                                                                                        ・つばくらめ (燕) 餌求め啼く雨の軒 (1点句 099)                                      雨の日の軒先、親燕の餌を求めて盛んに啼くヒナ達の甲高い声は自然の中で                         生きぬく生命の強さでもあり応援したい気持ちを掻き立てられます。                                                                                         ・奥州は夏野の駿馬風速し (1点句 022)                                          奥州岩手一関は藤原一門の時代から駿馬の供給地でした。雲が流れる夏の原                         野を駿馬が風の様に駆け抜けて行く様は、祖父の故郷への郷愁でもありました                         。                                                                                                                                                                                   ◎ 桑子さんの自句自解                                                                                                             ・傘マーク続き紫陽花心地よし                                                                                                          ・年寄りにGOTO冥土令和の夏                                              ちょっと皮肉を込めて、GOTOトラベルに対し、年寄りはコロナ・熱中症                         で冥土の旅かなということで詠みました。                                                                                                     ・白南風や川面に揺らぐ海猫 (ごめ) の群れ                                         自宅(荒川区)近くの隅田川のテラスを散歩していたら、川に浮かんでいる                         鳥を発見、最初カモメかなと思いましたが調べたら冬鳥ということで、やっと                         ウミネコにたどり着きました。ただ後で季重なりと気づきました。                                                                                          ・孫登山ロープウエイで先廻り                                               筑波山に行った時、孫は歩いて登り、年寄り夫婦は気力、体力がなくロープ                         ウエイで頂上へ。                                                                                                                ・ジージーと蝉か耳鳴り惑う吾れ                                              これは実感です。最近耳が遠くなり耳鳴りもひどく、気を付けないとセミの                         鳴き声と混同してしまいます。                                                                                                                                                                      ◎ 橋本さんの自句自解                                                                                                             少し涼しくなって来ましたね、助かります。                                       9日に2ヶ月半ぶりに霞台CCの霞光会ゴルフに参加しました。ほぼ猛暑日の                         暑さで、途中からバテて力ばかり入ってトップを多発、何とか最後まで廻って                         良い汗は掻きました。体調を整えてゴルフを楽しみたいと思っています。                           今回4点句と3点句がありましたので、自句自解を送らせていただきました                         。                                                                                                                       ・茄子の葉に何処から生れし糸蜻蛉 ・・・4点句                                                                                                 ・糸蜻蛉その小ささ美しさ ・・・1点句                                          投句の際に、アジアイトトンボらしいと書きましたが、アオモンイトトンボ                         も似ていて判断できず、参考までに写真を添付します。
                                                            ・新緑や木漏れ日水面に万華鏡 ・・・3点句                                        清水公園の緑陰の小川の水面、 新緑からの木漏れ日、 映る青空が万華鏡の様                         に美しい。                                                                                                                   ・コロナ禍に雨雨雨雨天仰ぐ ・・・1点句                                         今年の梅雨は雨の日が多かった、7 月はほぼ毎日、コロナ禍と相まってどう                         にかならないものかと天を仰ぐのみ。                                                                                                       ・聞こえしは機械音ばかり残暑かな                                             猛暑日続く残暑 (酷残暑!) 、人間を初め生物全てが耐えている、外は車と                         飛行機音がするばかり。                                                                                                             ・盆明けて寂しき河原風立ちぬ                                               田舎の少年時代の盆明け、人影が消え一泳ぎ後の河原、水は冷たく初秋の風                         に山際には黄葉も舞う。今では考えられない経験、風景。                                                                                              ・初老吹く尺八若葉の風に乗り                                               市の運動公園散歩中、コロナ禍の密を避けて初老が一人吹く尺八、美しい音                         色が若葉の風に乗り流れる。                                                                                                                                                                       ◎ 宮澤さんの自句自解                                                                                                             ・梅雨明けた一斉唱歌で蝉知らせ                                             今年は7 月まるまる梅雨空で、8 月になったとたんにセミの鳴き声とともに                         、どっと夏がやってきた感じでした。                                                                                                       ・家籠り祭りもなしで日は巡り                                               コロナで人との接触を断たれ、刺激が少ない日々。それでも一日は短く、あ                         っという間に月日は巡り、秋を迎えようとしている印象を強く持ちました。                                                                                      ・角曲がり西日の中に母が待つ                                               少々疲れた仕事帰りの夕方、自宅への帰路で最後の角を曲がると西日が照り                         付け一瞬何も見えなくなります。そのまぶしさの中に玄関前で亡き母が「お帰                         り」と迎えてくれた気がしました。                                                                                                        ・コロナ禍が廻り続ける走馬燈                                               コロナ罹患数の日々の動きは、ぐるぐる回る走馬燈。今日も又繰り返しです                         。                                                                                                                       ・熟れし桃コロナも好物ミツ三っつ                                             桃も品質改良で色々な銘柄があるようですが、目の前の三種の桃は皆甘く水                         蜜がたっぷり。コロナも三密が大好き。どうもくだらないダジャレでした。                                                                                      ・水を撒くホースの虹に蜻蛉寄り                                              水撒きしていると、光の具合で虹が見えます。もっとよく虹が見えるように                         と夢中になって、撒き方や方向を細工していると、いつの間にか、蜻蛉が寄っ                         てきて水を撒く方向の変化に合わせ一緒になって飛んでいる。「久しぶり」、                         懐かしく蜻蛉さんと挨拶を交わしました。                                                                                                                                                                 ◎ 豊さんの感想                                                                                                                 選句結果の感想を送ります。                                               高得点の句は、それぞれ俳句として良くできている作品だと思います。それ                         をきちんと評価して点を入れた皆さんの鑑賞力に感心しました。                                私自身の句は、改めて読み直すと平凡すぎて、強く訴える力がなかったよう                         です。                                                                                                                                                                                 ◎ 深瀬の自句自解                                                                                                               ・気がつけば夏草しげる空き地かな                                             最近、近くのかなり広い敷地の都営住宅が取り壊されました。植物の繁殖能                         力と人間のいろいろな事情とのせめぎ合いを感じました。                                                                                              ・夏山の鉄鎖をたぐる修験道                                               夏山と鉄鎖を詠みたいと思いました。はじめ下五を「谷深く」としたのです                         が、「修験道」の方がおもしろいかと思いました。                                                                                                 ・首垂れし倉庫のロボット晩夏の陽                                             ソフトバンクの店先で見た光景です。下五は少し工夫したつもりです。                                                                                       ・夏山のヌード写真の陰深く                                                昔見た屋外で撮影されたものが印象に残っています。もちろんわたしが撮っ                         た訳ではありません。                                                                                                              ・夏山の満天の星時止まる                                                 以前、大学の同級生と野辺山天文台を見学し、その夜、宿のマイクロバスに                         のって星座見学に参加しました。満天の星空に吸い込まれる感じがしました。                         レーザーポインターでの解説にも驚きました。                                                                                                   ・夏山の小屋の夜に聴くシンフォニア                                            「アルビノーニのアダージョ」をシンフォニアというのだと思い込んでいま                         す。個人的に、Academy of St.Martin in the Fields Orchestraの下記URL の                         ものが好きです。                                                    https://www.youtube.com/watch?v=CuYlw7NzIK8                                                                                                  ・夏山のジャンボ残骸35年                                               この夜、自宅で神父さんとお話しをしていてむし暑い夜でした。                              原因が、後部圧力隔壁破損の修理のやり方にあったというのが重苦しく感じ                         ます。                                                                                                                     ・夏山の登山の列や雲に消え                                                富士山に、友人とはとバスで観光に行ったことがあります。登っていく人た                         ちの長い列が印象に残りました。                                                                                                         ・波の音潮のかほりや遠き夏                                               子どものころ、毎夏行った伊東の海が記憶に焼きついています。波の音や独                         特の潮のかおりが忘れられません。                                                                                                        ・ワンゲルの夏山縦走セピア色                                              わたしはワンゲル部ではありませんでしたが、ワンゲル部の人たちの話しを                         参考にしたりして作りました。                                                                                                          ・細き脛いつのまにかと老ひ覚る                                              もう少し太くてつやがあったのに。そういうものかと納得しています。                                                                                       ・梅雨明けのとなりの部屋に孫の声                                            梅雨が明け、幼稚園も再開され、孫の元気な声を聞き、少し安心です。                                                                                       ・豊満の裸身ゆさぶるカーニバル                                              ユーチューブでみれますが、なにかその解放感と大胆さに圧倒されます。                                                                                      ・三密を盥のうなぎ気にもせず                                              昔、目黒・権之助坂の途中に鰻屋さんがあり、そこでよく目にしました。                                                                                      ・いつまでも人とはなにか問ひつづけ                                           人はどう生きるのがよいのかという問いは、結局、この問いに行き着くよう                         に感じます。                                                                                                                  ・なって知る他人の苦への鈍感さ                                             最近、腰痛から自己流のへんなストレッチをやったせいか、ひどい股関節痛                         になり歩行が困難になりました。改めて杖をついている人が多いことに気がつ                         きました。                                                                                                                   ・目録のできしときには興味失せ                                             蔵書やTV録画の整理は、終活の重要な一部を占めますが、整理が完了してど                         うなるのか心配です。                                                                                                              ・太鼓腹ゆかたはみ出す父はるか                                             戦後、通産省で化学肥料を担当していた父は、毎夜、午前様でしらふで帰宅                         することはありませんでした。60歳前後で体調を崩しほぼ引退しました。                                                                                       ・朝ゲーム記録更新やめられず                                              スマホのブロックパズルというゲームにややはまっています。                                                                                           ・見飽きてもつい手にしてるスマホかな                                          電車の中やベッドの上でつい見てしまいます。電車内もそういう人が多いと                         感じます。                                                                                                                   ・無意識に時の流れるありがたさ                                             うつとか不安神経症になると時間の流れが重苦しくなります。                                                                                           ・冷蔵庫いっしょにいたね二十年                                             朝食や夕食のとき、ずっと隣にあった冷蔵庫のドアの調子が悪くなり取り替                         えました。家内と一緒に記念撮影をして持って行ってもらいました。                                                                                         ・人類のひかりと闇の走馬灯                                               豊さん、過分なコメント、ありがとうございます。                                    コロナ禍、戦争記録映画、米中対立や人種差別や異常気象のニュース、等を                         見る一方、AIや5Gや宇宙探査の成果などを聞いていて、ふとよぎりました。こ                         れからどうなるのかかなり心配です。                                                                                                       ・炎暑日に腰痛かかえ長き道                                                                                                           ・UFCラウンドガール手を振って                                             マイク・タイソンの格闘技をユーチューブで時々みます。電車のなかで手を                         振る女性をみて、どこかで見た光景だなと気になって思い出しました。                                                                                        ・生きている起伏のときをいくたびか                                           人生、いろいろあったなと感ずるような年齢になりました。                                                                                             --------                                                                                                                   追記                                                         近々、七句会第4 回自由連句を前回に引き続き、行いたいと思っています。                         参加を希望される方のご連絡をよろしくお願いします。                                   前回の連句 (歌仙) は、下記URL から参照できます。                                    http://nanaku-haiku.blogspot.com/2020/07/3-20204-7.html                                                                                           

2020年9月6日日曜日

七句会 第三十三回ネット句会の選句の結果です。

 七句会のみなさま                                                                                                                第三十三回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。                          今回の選句結果をご報告いたします。                                                                                                       6 点句                                                         (050)  鎮魂の読経に和すや蝉時雨         小野寺                                                                                            4 点句                                                         (013)  夏山の満天の星時止まる          深瀬                                 (035)  茄子の葉に何処から生れし糸蜻蛉      橋本                                                                                             3 点句                                                         (006)  夏場所や枡一人づつの拍手かな       治部                                 (028)  流れゆく信濃の道にそばの花        中津川                                (037)  星の夜半 (よわ) 生まれし蝉のうすみどり  小野寺                                (082)  新緑や木漏れ日水面に万華鏡        橋本                                 (089)  水を撒くホースの虹に蜻蛉寄り       宮澤                                                                                             2 点句                                                         (003)  気がつけば夏草しげる空き地かな      深瀬                                 (009)  年寄りにGOTO冥土令和の夏       桑子                                 (012)  秋霖や相合傘に誘われし          豊                                  (015)  秋暑し野良猫すずむ車影          中津川                                (020)  霧流れ晩夏を送る蒼き空          志方                                 (026)  ワンゲルの夏山縦走セピア色        深瀬                                 (030)  ひぐらしに魂還帰 (かえ) る杉木立     小野寺                                (048)  三密を盥のうなぎ気にもせず        深瀬                                 (057)  なって知る他人の苦への鈍感さ       深瀬                                 (060)  梅花藻の清水とたわむる山の宿       吉良                                 (063)  一陣の風興りきて峠越え          小野寺                                (064)  赤々と炎暑に凛と百日紅          志方                                 (065)  太鼓腹ゆかたはみ出す父はるか       深瀬                                 (072)  みじか夜に匂い残して百合の花       小野寺                                (078)  栂ノ尾の山路登りて涼に触れ        志方                                 (083)  夕凪に水面に映る朱華の雲         志方                                 (093)  角曲がり西日の中に母が待つ        宮澤                                 (097)  炎天に陽のにほひしてカンナ咲く      小野寺                                (102)  朝顔や夕立ち過ぎて軒すだれ        秋元                                                                                                                                                         下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前                         とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。                           次回については、12月下旬ころ (季節の変わり目を意識します。) にご連絡                         したいと思っていますので、よろしくお願いいたします。やり方、等について、                        ご意見がありましたら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。                          事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。                                                                                                    (1) 選句参加者                                                      今回の選句には、下記の14名が参加しました。                                      秋岡さん、秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さ                         ん、治部さん、中津川さん、橋本さん、藤原さん、宮澤さん、柳町さん、豊さ                         ん、深瀬。                                                                                                                    注。森さん (群馬大学名誉教授) は、群馬大学からPRESS RELEASE(2020 8 2                         1) "肥満に伴う脂肪肝および高血糖改善を示す新薬の同定 ―食欲はあまり気                         にせずに、肥満に伴う脂肪肝と高血糖を改善する治療剤―" の発表に伴うご多                         忙のため、選句を休まれました。                                                                                                         (2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について                             今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので                         はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り                         たいと思います。一応、期限としては9 月20日とし、事務方にメールでいただ                         き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。                              http://nanaku-haiku.blogspot.jp/                                                                                                         2020.09.06                                                     代表  橋口侯之介                                                顧問  豊 宣光                                                 事務方 深瀬久敬                                                                                                             ----------------------------------------------------------------------                                                                                                                                                    1.兼題 夏                                                                                                                (001)  夏が行くコロナと豪雨の跡残し       豊                                  (002)  残像の花火まぶたに夏開き         吉良                                 1 小野寺 コロナの夏ですが、まぶたに焼き付いた花火                                    は夏への期待ですね。                                             (003)  気がつけば夏草しげる空き地かな      深瀬                                 1 桑子 散歩の途中で、古家がいつの間にか壊されて、                                空き地になってしばらくすると雑草が生い茂っている。                                そういう光景が多々あります。一抹の寂しさが感じら                                 れます。                                                   2 宮澤 我家の近所にも、時折業者が除草しているが、                                その合間を縫って今を盛りと夏草繁る1 年以上の空き                                 地があります。人は気が付いてもコロナの始末も付け                                 られないようです。                                              (004)  夏山の見守る童子の墓掃除         新井                                 (005)  夏山の鉄鎖をたぐる修験道         深瀬                                   1 宮澤 NHKBS の300 名山縦走の番組があり、日本ア                                  ルプスを鐵鎖頼りに踏破している場面有り。昔はおな                                  じ道を修験者が歩いていたとのこと。修験者は偉いと                                  ただただ感心しています。                                           (006)  夏場所や枡一人づつの拍手かな       治部                                     1 秋岡 やはり満員御礼の垂れ幕が下りないと寂しい                                    ですね                                                        2 橋本 贅沢ですが、やはり寂しいですね                                        3 深瀬 ソーシャルディスタンスが日常化しています。                                   お相撲の枡席に一人は象徴的です。仮想現実社会への                                    引き金のような感覚も受けます。                                        (007)  首垂れし倉庫のロボット晩夏の陽      深瀬                                 (008)  黒雲に稲妻走り夏来たる          小野寺                                1 藤原                                                     (009)  年寄りにGOTO冥土令和の夏       桑子                                 1 志方 何だか高齢者一掃対策みたいで、年金負担も                                 軽減できますね。                                               2 深瀬 「GO TO 冥土」はショックです。病院に既に、                                内科、眼科、整形外科とお世話になっています。これ                                 以上病院に負担をかけないよう注意します。                                   (010)  夏定番帰郷ついでの伊勢参り        治部                                 (011)  夏山のヌード写真の陰深く         深瀬                                 1 小野寺 夏山でヌード写真でも撮ったのでしょうか?                               陰深くがいいですね。                                             (012)  秋霖や相合傘に誘われし          豊                                  1 秋元 何か秘密めいた背景があるのか、不明なとこ                                 ろで選句                                                   2 藤原                                                     (013)  夏山の満天の星時止まる          深瀬                                 1 新井 夏に登山をし、見上げた時のはっとした瞬間                                 を語っておられ、感動が伝わってきます                                     2 志方 満点星に接すると、静止画のように思えます                                 ね。                                                     3 治部 選者も学生時代はよく山登りをしました。山                                 小屋で、あるいはテントで一夜を明かすことも度々で                                 した。この風景ほんとに共感です。「時止まる」が素                                 晴らしい。夏山「の」は「や」の方がよかったかもし                                 れません。満天の星をずっと見ていたくなりますね。                                 流石です。                                                  4 藤原                                                     (014)  夏の月原一面を霜に染め          小野寺                                (015)  秋暑し野良猫すずむ車影          中津川                                1 志方 養老先生のたまがやりそうな光景                                    2 治部 よくある光景ですが、猫の様子を「すずむ」                                 とは、なるほどです。発進するときは周りをよく確認                                 することにしましょう。もしかしたら涼んでいるかも                                 しれませんね。                                                (016)  夏山の小屋の夜に聴くシンフォニア     深瀬                                 1 中津川                                                    (017)  夏の月灼熱色に染まりあげ         吉良                                 1 秋岡 本当に夏の月は赤いですね。見ているだけで                                 熱くなります。                                                (018)  夏山のジャンボ残骸35年         深瀬                                 1 治部 「夏山やジャンボの骸今もなお」でいただき                                 ます。残骸という物理的なものよりはジャンボの機体                                 と多くの犠牲者の魂がそのまま35年たって今もなおこ                                 こにある。ということでしょうか。                                       (019)  多摩川のかなたに輝く夏の富士       新井                                 1 藤原                                                     (020)  霧流れ晩夏を送る蒼き空          志方                                 1 新井 様々な青い色を表す空を表現されていて、幻                                  想的な美しさを感じます                                            2 小野寺 早い雲の流れが暑い夏を過ぎていった時の流                                    れとして蒼く澄んだ秋待ちの空につながって広がりを                                    感じます、                                                  (021)  夏山の登山の列や雲に消え         深瀬                                 1 吉良 若い頃に上った山の風景が懐かしまれます。                               (022)  奥州は夏野の駿馬雲速し          小野寺                                1 吉良 馬の走っている様が目に浮かびます。                                  (023)  波の音潮のかほりや遠き夏         深瀬                                 1 志方 遠き夏が、距離なのか時間なのか、かほり次                                 第。                                                     (024)  眼球の小さな痛み晩夏光          豊                                    1 橋本 最近は小さくないようにも感じます                                   (025)  湯けむりの香りゆらめく夏山よ       新井                                   1 秋元 山登りを終えて麓の露天風呂に浸かりながら                                  眺める夏山の思い出で選句                                           (026)  ワンゲルの夏山縦走セピア色        深瀬                                 1 桑子 学生時代の思い出は懐かしいです。                                   2 治部 目の前に夏山の連峰が見えてきました。元気                                 な頃の景色です。「セピア色」でそのすべてが古き懐                                 かしき思い出なんだとわかります。ワンダーフォーゲ                                 ル部に入っていたのだと思いますが、夏山縦走でその                                 事はイメージできると思います。上五でもう少し工夫                                 できるかもしれませんね。                                                                                                                                                                      2.雑詠、無季語                                                                                                              (027)  蕎麦待たせ急ぐや奥の院緑         治部                                 1 中津川                                                    (028)  流れゆく信濃の道にそばの花        中津川                                1 秋元 何処かで観たさわやかな景色感で選句                                  2 藤原                                                     3 小野寺 信州の道端の向こうにひろがる蕎麦の花は、                               時の流れも感じさせる美しい風景です。                                     (029)  細き脛いつのまにかと老ひ覚る       深瀬                                 (030)  ひぐらしに魂還帰 (かえ) る杉木立     小野寺                                1 深瀬 以前、富士山麓の樹林に入りました。あのよ                                 うな中でひぐらしの鳴き声を聞くと魂の故郷に引きず                                 りこまれる感覚になると思います。                                       2 柳町                                                     (031)  梅雨出水すべて球磨へと川辺川       治部                                 (032)  梅雨明けのとなりの部屋に孫の声      深瀬                                 (033)  ジージーと蝉か耳鳴り惑う吾れ       桑子                                   1 宮澤 気が付かなければよいのに、ふと気づくと耳                                  鳴りがしている。蝉の声も気にしなければなんでもな                                  いが、気になるとうるさい。そのうち何も気にならな                                  くなる時は達観したのかぼけたのかどちら?                                   (034)  笛の音に埋み火のごと心揺れ        小野寺                                     初めての糸蜻蛉を2句。庭の菜園の散水時、 か細き                                    物飛ぶ。3cm にも満たない色美しい蜻蛉、 初めて見て                                    感動。 アジアイトトンボらしい。                                         (035)  茄子の葉に何処から生れし糸蜻蛉      橋本                                 1 秋岡 茄子の葉と糸蜻蛉の対比が不思議な感じです。                              2 秋元 小さな生命に目をやる思いやりで選句                                    3 宮澤 今年は蜻蛉や蝶を時折見る。こんな都会のど                                  こで生まれたのか本当に不思議だし、来年も会いたい                                  ものとしみじみ思います。                                             4 柳町                                                     (036)  糸蜻蛉その小ささ美しさ          橋本                                 1 深瀬 少し破調的ですが、作者の糸蜻蛉に対する深                                  い感動が素直に伝わってきます。                                        (037)  星の夜半 (よわ) 生まれし蝉のうすみどり  小野寺                                1 秋岡 透き通った翅は確かにうすみどりに光ってい                                 ますね。                                                   2 吉良 生命の誕生の不思議な光景が薄緑いろに象徴                                 されています。                                                3 中津川                                                    (038)  梅雨明けて二週間後の夕涼み        新井                                 (039)  数独や頭へクーラー家ごもり        中津川                                (040)  豊満の裸身ゆさぶるカーニバル       深瀬                                 1 新井 そのままを語っておられ、笑わせて頂きまし                                  た                                                      (041)  梅雨明けた一斉唱歌で蝉知らせ       宮澤                                   1 橋本 一斉唱歌がいいですね                                         (042)  海恋し漁火 (いさりび) は哭き波の音    小野寺                                (043)  白南風や川面に揺らぐ海猫(ごめ)の群れ  桑子                                 1 藤原                                                     (044)  里山を歩き懐古の水車           治部                                 (045)  大川の川面の揺らぎ蝉の声         秋元                                 (046)  夕立がゲリラ豪雨に追いやられ       志方                                 (047)  花筏木漏れ陽を背に春ながれ        小野寺                                (048)  三密を盥のうなぎ気にもせず        深瀬                                 1 桑子 早く食べてくれと言わんばかりの生き生きと                                 したうなぎが目に浮かびます。                                         2 宮澤 食うほうが、食われるほうに気遣いしてる。                                 食われる立場で切羽詰まれば三密もくそもないとふて                                 腐っていることに気付いていないだけかもしれません。                              (049)  冷奴醤油無くして素の旨み         新井                                 (050)  鎮魂の読経に和すや蝉時雨         小野寺                                1 秋岡 "読経に和す" とは感心しました。                                   2 吉良  蝉の声に平和の願いが感じられます。                                  3 治部 災害の多い昨今ですが、本句の場合は季節か                                 ら日航機事故の事でしょう。山中での読経のリズムが                                 蝉のなく声と唱和している音が聞こえてくるようです。                                鎮魂の気持ちがよく解ります。お見事でした。                                    4 宮澤 朝近所の散歩で寄る寺で、住職の朝の読経に                                  蝉がハモっているときがあります。それを聞き「夏だ」、                                「朝だ」頑張ろうと鼓舞されますが、家に帰って朝刊                                  開くと、元気が萎えていく毎日です。                                        5 柳町                                                         6 豊 盆供養の席でお坊さんが読経している。それ                                    に合わせるようにたくさんの蝉が鳴く。厳粛さと静け                                    さが伝わってきます。「鎮魂」とあるので、大きな災                                    害で亡くなった人を追悼しているのかもしれません。                               (051)  巣ごもりにすっかり慣れて涼新た      豊                                  (052)  いつまでも人とはなにか問ひつづけ     深瀬                                   1 豊 無季の句ですが、自己の内面を見続けている                                    作者の誠実さがよくわかります。「人間とは何か」を                                    問い続けるのが人の一生なのでしょう。哲学的な深さ                                    があります。                                                 (053)  コロナ禍に雨雨雨雨天仰ぐ         橋本                                 1 小野寺 コロナの蔓延の世の中雨が降り続いて災いを                               流してくれたらいいな、と天を仰ぐしかないんですね                                  秋雨雨雨のリフレインが面白い。                                        (054)  大きさと色競うがごと百日紅        中津川                                (055)  冷奴もめんのつやに癒されて        新井                                 (056)  草いきれ鬨の声聴く衣川          小野寺                                  1 橋本 夏草や兵どもが夢の跡の句が想起されます                                (057)  なって知る他人の苦への鈍感さ       深瀬                                 1 新井 究極の人生訓ですね                                          2 桑子 やはり経験しないと分からないものもありま                                 すね。鈍感さという表現がステキです。作者が何にな                                 ったかは分かりませんが、すごさが伝わってきます。                               (058)  熟れし桃コロナも好物ミツ三っつ      宮澤                                 (059)  孫登山ロープウエイで先廻り        桑子                                 (060)  梅花藻の清水とたわむる山の宿       吉良                                   1 秋元 静かな山懐の風景感で選句                                         2 橋本 いかにも清らかで涼しそう、癒やされます                                (061)  家籠り祭りもなしで日は巡り        宮澤                                 (062)  目録のできしときには興味失せ       深瀬                                 (063)  一陣の風興りきて峠越え          小野寺                                1 吉良 峠を越えてすがすがしい風にほっとした気分                                  を感じます。                                                 2 志方 風という物理現象と峠という地理表現がベス                                  トマッチ                                                   (064)  赤々と炎暑に凛と百日紅          志方                                 1 秋岡 炎暑には百日紅の赤がひときわ夏を引き立て                                  る感じがします。                                                 2 柳町                                                     (065)  太鼓腹ゆかたはみ出す父はるか       深瀬                                 1 桑子 お父さんへの想いがにじみ出ています。                                 2 小野寺 浴衣からはみだすほどの太鼓判のお父上への                               愛惜の想いが現れていますね。                                         (066)  風蒼し墨のかほりに筆を置く        小野寺                                1 中津川                                                    (067)  傘マーク続き紫陽花心地よし        桑子                                 (068)  朝ゲーム記録更新やめられず        深瀬                                 (069)  帰り道夕飯うなぎ極楽道          新井                                 1 深瀬 仕事が終わり帰路の途中で鰻重お弁当でも買                                  ったのでしょうか。一日の仕事の苦労も忘れ、うきう                                  きしている感じが伝わってきます。                                       (070)  コスモスや修学旅行の大伽藍        豊                                  1 深瀬 奈良の大仏でしょうか。作者の10代のころの                                 修学旅行のときの印象が強く焼きついているだと感じ                                 ました。                                                   (071)  足早に人波駅へ土用かな          治部                                 (072)  みじか夜に匂い残して百合の花       小野寺                                1 新井 月下美人のような可憐なお花が想像され、と                                  ても素敵です。                                                  2 橋本 百合の花の匂い、存在感があります                                   (073)  見飽きてもつい手にしてるスマホかな    深瀬                                 (074)  白蓮や頭もたげて朝ひかる         吉良                                 (075)  経響き先祖迎えるメロンの香        中津川                                1 桑子 お経よりメロンの方が気に掛かる、花より団                                 子と解釈しました。                                              (076)  コロナ禍が廻り続ける走馬燈        宮澤                                 (077)  麦秋の風頬に受け朋は逝き         小野寺                                (078)  栂ノ尾の山路登りて涼に触れ        志方                                 1 中津川                                                    2 藤原                                                     (079)  蝉時雨風に揺られて小波立つ        秋元                                 (080)  無意識に時の流れるありがたさ       深瀬                                 (081)  群青の海の岬に合歓の花          小野寺                                  1 柳町                                                     (082)  新緑や木漏れ日水面に万華鏡        橋本                                 1 吉良 万華鏡の比喩がきれいです。                                      2 治部 新緑が水面に映る穏やかな日にさっと吹いた                                 風がさざ波を作る。その度に木漏れ日が万華鏡のよう                                 に光り揺らめく。美しい様子がそのまま伝わります。                                 木漏れ日が、「新緑や」と強調されて涼しげに光って                                 いることも解りますよ。                                                3 豊 新緑の季節、木漏れ日が池の水面に反射して                                    万華鏡のように光っている。「万華鏡」の表現がいい                                    ですね。                                                   (083)  夕凪に水面に映る朱華の雲         志方                                 1 秋元 朱華は、 "はねず" という古代色?、色彩で                                 選句                                                     2 新井 丁寧に描かれた風景画のような繊細な美しさ                                 が感じられます。                                               (084)  聞こえしは機械音ばかり残暑かな      橋本                                 (085)  雷雲は峰の谷間に風興 (おこ) し      小野寺                                (086)  自粛期間小銭が貯まりうな重を       新井                                 (087)  冷蔵庫いっしょにいたね二十年       深瀬                                 (088)  墨摺ればひぐらし啼きて風の音       小野寺                                1 志方 騒と静が一つの句の中で見事に表現                                   (089)  水を撒くホースの虹に蜻蛉寄り       宮澤                                 1 秋岡 トンボものどが渇くのでしょうね。こんな光                                 景を確かに経験しました。                                           2 中津川                                                    3 小野寺 炎天の庭にホースで水撒きをすると逆光に虹                               が出て、蜻蛉が飛んできたのでしょうか。虹の中に蜻                               蛉のうすみどりのたおやかな翅も光ってみえるようで                               す。                                                     (090)  うな重を受け取る手のひら幸満ちる     新井                                   1 橋本 待望の鰻重でしょうか、喜びが伝わります                                (091)  人類のひかりと闇の走馬灯         深瀬                                   1 豊 今回の投句の中で最も高く評価した句です。                                    歴史的な広がりを持った大きな視点、「光」と「闇」                                    を対比して「光」をあえて「ひかり」とひらがなにし                                    て、そこに「走馬灯」という季語を添えた。作句に熟                                    練した作者だと思います。                                           (092)  空に向くすがしき白のムクゲかな      中津川                                (093)  角曲がり西日の中に母が待つ        宮澤                                 1 治部 墓参の様子ですかね。「吾亦紅」という歌を                                 思い出しました。母はいつでもどこでも待っていてく                                 れます。選者の母もそうでした。「角曲がり」は単な                                 る道案内ではなく苦労を掛けた母に向き合う心の準備                                 のようなものを感じます。「母が」と「母は」とは迷                                 うところですが、「が」で成功していると思います。                               2 深瀬 なにか幻想的で不思議な句だと感じました。                                 ジョルジョ・デ・キリコの「通りの神秘と憂愁」を連                                 想させられたりしました。                                           (094)  屋形船客声静かに川下る          吉良                                 (095)  谷の闇蛍の乱舞黄泉 (よみ) に棲む     小野寺                                1 中津川                                                    (096)  炎暑日に腰痛かかえ長き道         深瀬                                 (097)  炎天に陽のにほひしてカンナ咲く      小野寺                                1 吉良 カンナの赤と太陽の光と競い合う様がみえま                                  す。                                                       2 柳町                                                     (098)  長崎も心こもらぬ誓いの辞         中津川                                   1 豊 「も」とあるので、そこには「広島」が前提                                    になっています。すでに退陣を表明した総理ではあり                                    ますが、広島と長崎の原爆の日のあいさつは全く心の                                    こもっていない不誠実なものでした。                                      (099)  つばくらめ (燕) 餌求め啼く雨の軒 (のき)  小野寺                                1 秋元 自然の営みへの思いやりで選句                                     (100)  UFCラウンドガール手を振って      深瀬                                 (101)  弁当の宅配首に扇風機           治部                                 (102)  朝顔や夕立ち過ぎて軒すだれ        秋元                                 1 志方 夏の代表的な風物詩が懐かしい                                       2 柳町                                                     (103)  盆明けて寂しき河原風立ちぬ        橋本                                 (104)  つばくろ (燕) の囀り高く梅雨払う     小野寺                                (105)  生きている起伏のときをいくたびか     深瀬                                 1 新井 何人にとっても人生はそういうものだと学ば                                 され、安心感を頂けます。苦しい時に思い浮かべると                                 いいですね。                                                 (106)  初老吹く尺八若葉の風に乗り        橋本                                 (107)  梅雨茸帰国れぬ選手に友の居て       治部                                 (108)  幼きが敬老の日の慰問かな         豊                                  (109)  碧き翅生命 (いのち) の限り蝉生まれ    小野寺                                                                                            --------                                                                                                                     ご参考                                                         今回の選句にあたってのみなさんから寄せられたコメントを、ご参考までに                         ご添付します。よろしくお願いします。                                                                                                      ・秋岡さん                                                        8 月中旬から下旬にかけて北海道の釧路で過ごしておりましたが、関西と比                         べ10度近く気温が低く別世界でした。秋の到来が待ち遠しい限りです。                                                                                        ・秋元さん                                                        今回は季語、語句等素人には難しく難渋しますが,直感的なイメージで選句                         しました。                                                                                                                   ・新井さん                                                        情緒を揺さぶられるものから、日常の一コマを語られたもの、また、人生訓                         までちりばめられていて、大変に楽しく読ませて頂きました。                                                                                            ・吉良さん                                                       語彙の解説はとても役立ちました。                                                                                                       ・志方さん                                                        今回の俳句は相当レベルが高く、評価が難しかったです。                                                                                             ・治部さん                                                        いつものように好き勝手に書いています。                                                                                                    ・中津川さん                                                       9月に入ったのに猛暑と猛烈台風と安倍さんの辞任と世の中荒れ模様が続き                         ますね。コロナも含め早く収まるといいですね。                                                                                                  ・橋本さん                                                        猛烈残暑、猛烈台風と今後の日本 (地球) の気候が心配です。温暖化対策が                         急がれます。俳句の季節感も変わるでしょうか。                                                                                                  ・宮澤さん                                                       また、リマインダーいただきました。締切りは分かってはいましたが、好転                         しないコロナ状況、醜い総裁選と気分が前向きにならないまま本日に至ってお                         ります。俳句の奥深いところが分からないので、いつものように、理解しやす                         い句を選びました。                                                                                                               ・柳町さん                                                        今回は投句もできず申し訳ありませんでした。「移動は県内のみ!!」と心                         に決めてはや6 ヶ月たち、イライラが募っています。早くコロナウィルスが収                         まることを祈るばかりです。                                              

2020年9月1日火曜日

七句会 第三十三回目のネット句会 選句のご依頼です。 

 七句会の皆様                                                                                                                 コロナ禍とともにきびしい暑さの続く毎日ですが、みなさまお元気に                            お過ごしのことと思います。                                               七句会としての第三十三回目のネット句会となりますが、今回、下記                            109 句の投句がありました。                                               つきましては、次の要領で、選句をしていただきたく、よろしくお願                            いいたします。                                                                                                                 - 下記は、今回、投句していただいた全ての句を、作者を伏せ、兼題別                            に、ランダムに列挙したものです。表記は、投句されたそのものです。                            詞書きがあり、複数の句があるものは、まとめて並べてあります。兼題                            句、自由題句、無季語句、川柳的な句、作者の特定が可能な句、等々、                            なんでもありとしています。分類については、作者の意図と異なるかも                            しれませんが、ご了承のほどお願いいたします。                                      - このなかから、共感する俳句を、最大7 句選び、9 月 6日 (日) まで                            に、下記へメールで返信してください。番号表記でも構いません。その                            際、選んだ理由を一言、付け加えていただくとなお結構です。全体への                            コメントでも結構です。                                                 hfukase@k03.itscom.net  (事務方 深瀬)                                       - 蛇足ですが、選句にあたり、自作を選ぶのはご遠慮ください。                               - 9 月上旬には、選句の結果をまとめ、皆さまにご報告する予定です。                                                                                        今回の投句者は、秋元さん、新井さん、小野寺さん、吉良さん、桑子                            さん、志方さん、治部さん、中津川さん、橋本さん、宮澤さん、豊さん、                           深瀬 (以上12名) です。                                                 初参加の新井さんは、上智大学社会福祉科OGで、今現在、国交省でお                            仕事をされています。三四郎句会 (上智大学柔道部OB、日経新聞社OBを                            中心とした句会) にも所属されています。                                                                                                     七回生の石田肇さん (元群馬大学教育学部教授 東洋史) から、先月                            下旬、下記のご連絡をいただきました。                                          「いつも投句の案内多謝。                                                 小生、何もしないものの、楽しく皆様の句を読んでいます。                                 関係の皆様によろしく。」                                                                                                           投句をしていただいた際、その句を詠んだ背景、等の説明が付された                            いることがありますが、今回から、複数の句のまとまりの根拠を示す場                            合などの必須と思われる場合除き、選句表では省略させていただくこと                            にします。それらは、選句後の作品集、自句自解に掲載します。よろし                            くお願いします。                                                                                                                 これまでの選句結果は、下記のURL から参照可能です。                                   http://nanaku-haiku.blogspot.jp/                                                                                                        以上、よろしくお願いいたします。                                                                                                       送付不要な場合、ご面倒ですがご一報下さい。以後、送付しないよう                            にします。                                                                                                                   七句会 2020.08.25                                               代表 橋口侯之介                                                    顧問 豊 宣光                                                事務 深瀬久敬                                                                                                            ---------------------------------------------------                                                                                                  1.兼題 夏                                                                                                                (001)  夏が行くコロナと豪雨の跡残し                                          (002)  残像の花火まぶたに夏開き                                            (003)  気がつけば夏草しげる空き地かな                                         (004)  夏山の見守る童子の墓掃除                                            (005)  夏山の鉄鎖をたぐる修験道                                            (006)  夏場所や枡一人づつの拍手かな                                          (007)  首垂れし倉庫のロボット晩夏の陽                                         (008)  黒雲に稲妻走り夏来たる                                             (009)  年寄りにGOTO冥土令和の夏                                          (010)  夏定番帰郷ついでの伊勢参り                                           (011)  夏山のヌード写真の陰深く                                            (012)  秋霖や相合傘に誘われし                                             (013)  夏山の満天の星時止まる                                             (014)  夏の月原一面を霜に染め                                             (015)  秋暑し野良猫すずむ車影                                             (016)  夏山の小屋の夜に聴くシンフォニア                                        (017)  夏の月灼熱色に染まりあげ                                            (018)  夏山のジャンボ残骸35年                                            (019)  多摩川のかなたに輝く夏の富士                                          (020)  霧流れ晩夏を送る蒼き空                                             (021)  夏山の登山の列や雲に消え                                            (022)  奥州は夏野の駿馬雲速し                                             (023)  波の音潮のかほりや遠き夏                                            (024)  眼球の小さな痛み晩夏光                                             (025)  湯けむりの香りゆらめく夏山よ                                          (026)  ワンゲルの夏山縦走セピア色                                                                                                                                                                      2.雑詠、無季語                                                                                                              (027)  蕎麦待たせ急ぐや奥の院緑                                            (028)  流れゆく信濃の道にそばの花                                           (029)  細き脛いつのまにかと老ひ覚る                                          (030)  ひぐらしに魂還帰 (かえ) る杉木立                                        (031)  梅雨出水すべて球磨へと川辺川                                          (032)  梅雨明けのとなりの部屋に孫の声                                         (033)  ジージーと蝉か耳鳴り惑う吾れ                                          (034)  笛の音に埋み火のごと心揺れ                                                初めての糸蜻蛉を2句。庭の菜園の散水時、 か細き                                    物飛ぶ。3cm にも満たない色美しい蜻蛉、 初めて見て                                    感動。 アジアイトトンボらしい。                                         (035)  茄子の葉に何処から生れし糸蜻蛉                                         (036)  糸蜻蛉その小ささ美しさ                                             (037)  星の夜半 (よわ) 生まれし蝉のうすみどり                                     (038)  梅雨明けて二週間後の夕涼み                                           (039)  数独や頭へクーラー家ごもり                                           (040)  豊満の裸身ゆさぶるカーニバル                                          (041)  梅雨明けた一斉唱歌で蝉知らせ                                          (042)  海恋し漁火 (いさりび) は哭き波の音                                       (043)  白南風や川面に揺らぐ海猫(ごめ)の群れ                                     (044)  里山を歩き懐古の水車                                              (045)  大川の川面の揺らぎ蝉の声                                            (046)  夕立がゲリラ豪雨に追いやられ                                          (047)  花筏木漏れ陽を背に春ながれ                                           (048)  三密を盥のうなぎ気にもせず                                           (049)  冷奴醤油無くして素の旨み                                            (050)  鎮魂の読経に和すや蝉時雨                                            (051)  巣ごもりにすっかり慣れて涼新た                                         (052)  いつまでも人とはなにか問ひつづけ                                        (053)  コロナ禍に雨雨雨雨天仰ぐ                                            (054)  大きさと色競うがごと百日紅                                           (055)  冷奴もめんのつやに癒されて                                           (056)  草いきれ鬨の声聴く衣川                                             (057)  なって知る他人の苦への鈍感さ                                          (058)  熟れし桃コロナも好物ミツ三っつ                                         (059)  孫登山ロープウエイで先廻り                                           (060)  梅花藻の清水とたわむる山の宿                                          (061)  家籠り祭りもなしで日は巡り                                           (062)  目録のできしときには興味失せ                                          (063)  一陣の風興りきて峠越え                                             (064)  赤々と炎暑に凛と百日紅                                             (065)  太鼓腹ゆかたはみ出す父はるか                                          (066)  風蒼し墨のかほりに筆を置く                                           (067)  傘マーク続き紫陽花心地よし                                           (068)  朝ゲーム記録更新やめられず                                           (069)  帰り道夕飯うなぎ極楽道                                             (070)  コスモスや修学旅行の大伽藍                                           (071)  足早に人波駅へ土用かな                                             (072)  みじか夜に匂い残して百合の花                                          (073)  見飽きてもつい手にしてるスマホかな                                       (074)  白蓮や頭もたげて朝ひかる                                            (075)  経響き先祖迎えるメロンの香                                           (076)  コロナ禍が廻り続ける走馬燈                                           (077)  麦秋の風頬に受け朋は逝き                                            (078)  栂ノ尾の山路登りて涼に触れ                                           (079)  蝉時雨風に揺られて小波立つ                                           (080)  無意識に時の流れるありがたさ                                          (081)  群青の海の岬に合歓の花                                             (082)  新緑や木漏れ日水面に万華鏡                                           (083)  夕凪に水面に映る朱華の雲                                            (084)  聞こえしは機械音ばかり残暑かな                                         (085)  雷雲は峰の谷間に風興 (おこ) し                                         (086)  自粛期間小銭が貯まりうな重を                                          (087)  冷蔵庫いっしょにいたね二十年                                          (088)  墨摺ればひぐらし啼きて風の音                                          (089)  水を撒くホースの虹に蜻蛉寄り                                          (090)  うな重を受け取る手のひら幸満ちる                                        (091)  人類のひかりと闇の走馬灯                                            (092)  空に向くすがしき白のムクゲかな                                         (093)  角曲がり西日の中に母が待つ                                           (094)  屋形船客声静かに川下る                                             (095)  谷の闇蛍の乱舞黄泉 (よみ) に棲む                                        (096)  炎暑日に腰痛かかえ長き道                                            (097)  炎天に陽のにほひしてカンナ咲く                                         (098)  長崎も心こもらぬ誓いの辞                                            (099)  つばくらめ (燕) 餌求め啼く雨の軒 (のき)                                     (100)  UFCラウンドガール手を振って                                         (101)  弁当の宅配首に扇風機                                              (102)  朝顔や夕立ち過ぎて軒すだれ                                           (103)  盆明けて寂しき河原風立ちぬ                                           (104)  つばくろ (燕) の囀り高く梅雨払う                                        (105)  生きている起伏のときをいくたびか                                        (106)  初老吹く尺八若葉の風に乗り                                           (107)  梅雨茸帰国れぬ選手に友の居て                                          (108)  幼きが敬老の日の慰問かな                                            (109)  碧き翅生命 (いのち) の限り蝉生まれ                                                                                                                                                                                                                           注。余計かもしれませんが、やや難解と思われることばについて、ご参                            考までに付します。                                                                                                               ・梅花藻 バイカモ キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草の水草。夏の                            季語。                                                         ・白蓮 はくれん 季語晩夏。                                              ・白南風 しらはえ、しろはえ、しろばえ 梅雨が終わり空が明るくな                            った頃、南東方面から吹いてくる夏の季節風。暗い梅雨空に吹く南風を                            黒南風というのに対して、梅雨明けの明るい空に吹く風を白南風という。                           ・朱華 はねず 黄色がかった薄い赤色のことです。『万葉集』にもそ                            の名が見られる由緒ある伝統色で、他に『波泥孺』『唐棣花』『棠棣』                            『翼酢』などの字が当てられることもありました。                                     ・百日紅 サルスベリ 夏。                                               ・栂ノ尾 とがのお 京都市右京区梅ケ畑栂尾町周辺。                                   ・梅雨茸 つゆだけ 仲夏。                                               ・秋霖 しゅうりん 初秋のころのながあめ。                                                                                                  

2020年7月25日土曜日

七句会 第3 回 自由連句 感想まとめ

  七句会自由連句のみなさま
  歌仙形式の第3 回目が無事終了し、感想、等をお寄せいただき、たいへんあ
りがとうございました。
  下記に、それらを整理し、ご報告します。
  連句の結果は、別途、整理し、web に登録しておきます。
  次回は、9 月か10月ころに行いたいと思っています。
  よろしくお願いします。
  深瀬

・小野寺さん
  言葉の遊びごころといわれますが発せられた言葉は、その人の人格そのもの
の様にも思われます。

・志方さん
  俳句も連句も、風情や心情を表現する文言の選択肢が多くて、漢字、ひらが
な、カタカナ、ローマ字等文字選択も加わって、難しさを痛感しております。
これが日本文化の特色かもしれませんね。言葉の選択がその奥行も考慮せず、
迂闊に発言してしまう我が国の最高無責任者の発出する、無知、無恥な発言が
横行している現状、日本文化の土台が浸食されてしまうか心配です。
  自戒を含めて、人の心に響く表現の追求に、俳句創りの研鑚を重ねていきた
いと思っております。

・小野寺さん
  確かに英語のアルファベットに比べて日本語は選択肢が多彩ですね。それだ
け、言葉の選択により、より深い伝達の可能性があると言う事でしょうか。
  この国の責任者達は海外でも物笑いの種になってるようです。
  早くコロナが下火になって一献傾ける日が来るといいですね。
  俳句に携わった事によりお互い、言葉や文章の研鑽に努める機会に恵まれた
ように思います。お互い何も考えないで過ごすよりは俳句や、連句に携わって
いく事で感動や感情をいかに人に伝えられるかを楽しみながら、無理なく自分
にロードをかける事は意味のある事と思います。

・平島さん
  今回の感想を送信しますが基本はあくまで蕉風連句の猿蓑辺りをお手本にし
たものです。
  先ずは「36歩前へ」という事と同字重用の観点から見て行きます。
  第三に風薫るがあります。
  09に寅さんの風
  31に麦秋の風
  06に哀しき
  26に声哀し  
  13に漁火
  28に漁火
  以前に誰かが使われた言葉は避けるべきであり言うなれば後戻りにもなるの
で注意が要ります。
  数字の事。
  発句で一面 14で二三 34で四葉
  深瀬さんの登っていく感じの一二三四は上手いなあと思いました。
  他に付け方転じ方につきましては別途送信します。

・小野寺さん
  13  吉良さんの漁火がありましたが、暗い海の展開からの先に収まりの良い
漁火を使いました。
  きちんと前句の中の漁火を検証してませんでした、反省です。

・平島さん
  例えば漁火の代わりに潮鳴りとおく揺れる舷灯
という手もあります。それから18  木漏れ陽を瀬に春出帆す
ですが「瀬」は「背」ではないですか?
  今回は古い友人を亡くされてそれも読み込んで終生忘れがたい連句興行とな
ったことと拝察します。
  大兄の絵画的なセンスが縦横に出て来ますが少し欲張りすぎて観念的な美意
識が過剰かなと感じた部分もありました。
  でも七句会の俳句の漢語の使い方はどんどん上達されて来ていると思います。
  眼高手低陳謝。

・平島さん
  皆さん総じて大変に上達されて運びも上手くなられたとおもいます。
  特に前から感じていたのですが豊さんの天象と心象のアシライやそのバラン
ス、それに更に軽みが加わり、練達の士と思いました。昔からかなり読み込ん
でおられますね。
  表の6句は穏やかにですがまだ少し劇的な展開もありました。
  初折りの裏では身近な出来事中心の人情句が多くもう少し転じても良かった
かなと感じています。
  名残りの表も連歌の名残りのみやびやかを意識されてか綺麗にまとまってい
ます。
  名残りの裏は今回の興行の締めくくりとして良く出来上がったと思います。
  小生も海外暮らしで日本語を忘れがちでしたが皆さんのお陰で脳みそを刺激
されて楽しかったです。今後ともよろしくお願いいたします。

・平島さん
  謹慎中時間もあるので昔読み飛ばした本を少し丁寧に読み直しています。
  小西甚一著「俳句の世界」で談林の新しみの中で
  甚太 (チンタ) 瓶を捨つるや仮のフグもどき  清風
  チンタはポルトガルからの舶来酒( 原語はVinho-tinto)他に チャルメラ 
カルタ カステラ フラスコ ミイラ  くろんぼ など読み込んだ句があり、
これらの談林派の無軌道ぶりに対する反省から蕉風俳諧が生まれて来ました。
  1680年代に既に外来語を取り入れていた人達がいた事に日本人の新しいもの
好きに驚き且つ感心しています。

・小野寺さん
  ご指摘痛み入ります。舟偏に玄の漢字は知りませんでした。これで漁火、い
さりびと詠むのでしょうか?  俳句の裾野は広いです。
  木漏れ日を は確かに背です。木漏れ日を背に春出帆す。
です。変換間違いの不注意でした。ご指摘ありがとうございます。
  そうですね。確かに私は絵画の映像記憶を意識して句を詠みますが、観念的
な美意識が過剰にあったかなと、ご指摘ありがとうございます。
 (中略)
  連句に参加させて頂いたお陰で、より深く言葉に対する感覚が増したかもし
れません。
  平島さんの洞察にも感謝です。

・吉良さん
  36句にわたる連句のまとめを有難うございました。参加された平島さんの批
評、皆の感想を読ませていただきました。全く文学的センスがない中で四苦八
苦して参加しましたが、前の句から転ずる難しさを実感しました。今後とも宜
しくお願いします。

・平島さん
  舷灯はそのままげんとうと読みます。夜間船が航行する時に 右舷に緑左舷
に赤色を付ける事に決められています。潮鳴りとありましたので沖では風もき
つく船は揺れて舷灯も揺れている様を詠んでみました。
  漁火が同字重用となるので似たような景色を想像してこんなのもありますが
と提示したものです。まだまだ色々考えて見ても良いと思います。

・平島さん
  豊さんの事知らずに勝手なコメントを送っていましたが道理で上手いはずで
失礼しまた。文を扱うプロに対してチョット恥ずかしく思っています。
  チンタの事ですが舶来酒だった頃飲めたのは少しの上流階級の人達だった筈
です。それが今現地に住んで毎日この赤ワインを飲んでいる不思議さを喜んで
いる次第です。一本千円以下ですよ。白はもっと安く500 円程度で手に入りま
す。飲み過ぎには注意はしていますがどうしても医者の薦める限度をオーバー
しがちです。まあ美味しく飲めればイイや と慰めながら。

・小野寺さん
  舷灯とはおそれいりました。辞書では舷燈となってましたが舷灯とも記され
るのですね。潮鳴りの発想から、舷灯のほうが絵になり心に響きます。

・豊さん
 今回の歌仙は、皆さん良い句になっていると思いました。
 作者のコメントは本来ならばなくてもいいのでしょうが、コメントがあった
ほうが理解しやすくて、句をつけるのも悩まずにすむようです。
 季語にこだわる必要がないので自由な発想ができて、連句のおもしろさがわ
かったような気がしました。

・深瀬の感想、レビュー
1)自由連句から式目尊重へ
  これまでは、自由連句を標榜してきましたが、今回は、歌仙形式とし、初折
表、初折裏、名残表、名残裏の段落を意識し、かつ、季節、座をあらかじめ決
めておくというかなり伝統に則ったものになりました。そのためか、だいぶ連
句らしくなった感じがしました。これは平島さんのご助言や吉良さんの調査に
負うところが大だと感謝します。
2)展開の妙について
  初折表、初折裏、名残表、名残裏の各段落に、起承転結を意識する展開とか
、同字重用のこと、付合や展開の妙を含めて、まだやや敷居が高い感じがして
います。
 とはいえ、個人プレーの要素の強い俳句とは異なり、人それぞれの若かりし
ころや最近の老境の思いなど、呼応している面もあり、たいへん参考になった
と思いました。
3)付合のコメント
  各句の付合については、簡単なコメントを付記していただき、次の詠み手に
回すようにし、過去のはweb に累積するようにしました。この方式は、とりあ
えずは踏襲したいと思います。
4)わたしなりの各句の鑑賞
  ご参考までですが、わたしなりの各句の解釈を記してみました。
 初折表
 朝日が一面の雪に反射しているなか、たくさんの寒椿の朱色がその雪に映え
わたっている。それに圧倒された子供らは、息をのんで見つめている。
  初土俵に臨む息子を応援に来た両親は、手に汗して気が気でない。いよいよ
制限時間もいっぱいになった。金星の期待が高まり、座布団が舞う。
  お相撲さんの鬢付け油とは違うほのかな髪油をただよわせる女性が静かに月
を見上げている。その先で、旅に疲れ力尽きた雁が落ちて行った。
  初折裏
  里の方では、秋祭りの笛の音が響きわたっている。こどものころのほのかな
恋ごころがふと思い出される。
  映画の寅さんのような感じに、思いを秘めながら今にいたってしまった。一
方、柴又のお饅頭はおいしく、若い女性は遠慮しながらも頬張っている。
  寅さんのように挫折を味わっても前向きにチャレンジして生きてきた。確か
に、いつも晴天のときばかりではなかった。
  沖合で漁火を焚いて漁をしている船の上には月が皓々と競うように輝いてい
る。浜辺では、線香花火を二つ三つ、たのしんでいる様子だ。
  人生、夢幻のごとしと言われるが、過去のことはほとんど忘却の彼方になっ
てしまった。その中から時々ふと古い写真のように思い出されることもある。
  訪れる人の少なくなった古寺の庭では、桜の花びらが、苔の上に静かに散っ
ている。あの春爛漫の故郷を高揚した気持ちで後にしたころが懐かしい。
 名残表
  瀬戸内の島々が春霞のなか、墨絵のような風情を湛えている。どこかで仙人
が詩を詠み酒を酌み交わしているようだ。
  ことばの力は時空を超える。弓矢にことばで願いを込めた。その願いはめで
たくかない、見通しもたったことだ。
  コロナ禍が世界を覆っている。ことばの力に除夜の鐘の力も加え、災害から
の脱却を確実にしたい。家では、家内と孫が南天の赤い実をみつめている。
  三密を避けるため、結婚式が延期されてしまった。一方では、結婚相手に恵
まれず寂しそうにしている人もいる。
  「太陽の季節」のような若さあふれる小説も遠い過去の思い出になってしま
った。子供のころ、故郷の夜の海では漁火が頼りなげに浮かんでいた。
  40年くらい前の梅雨時の夜、紀尾井坂を歩いているとき、月光のもと白い梔
子が連なり甘い香りを放っていた。家では、夕食に白いとろろ汁の用意が進ん
でいる。
  名残裏
  海外でも共にした古くからの友人がその人柄にふさわしい麦秋のなか、逝っ
てしまった。あの世へも飄々と煙のように旅立っていることだろう。
  かつては炭を焼いていた窯は、見捨てられ紅葉に覆われてしまっている。か
つてはサラリーマン家族で賑わったニュータウンも四葉クローバマークをつけ
た車がひっそり走っている。
  年齢とともに人生も円熟し、味わい深いところも見えてきた感じだ。満開の
桜をみた後のなにかむなしい思いもあと何回経験することだろうか。
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2020年7月24日金曜日

七句会 第3 回 自由連句 結果 (2020年4 月~7 月)

 七句会  第3 回  自由連句  結果 (2020年4 月~7 月)
 初折表
01 発句  朱染めし雪一面に寒椿           小野寺 (春)
02 脇      息のむ子らのみひらく瞳       深瀬   (春)
03 第三  風薫る父母の手に汗初土俵        吉良   (春)
04 四句目    目指せ金星座布団乱舞        志方   (雑)
05 月の座 髪油匂う女が月見上げ          豊    (月)
06 折端    落ちゆく雁の啼くぞ哀しき      小野寺 (秋)
 初折裏
07 折立   笛の音の里にしみいる秋まつり      深瀬   (秋)
08 二句目   埋み火のごとこころ騒ぎて      小野寺 (恋)
09 三句目 寅さんの風を背に受け思い秘め      志方   (恋)
10 四句目   乙女恥じらい団子頬張る       吉良   (雑)
11 五句目 来し方を脇目もふらず明日に賭け     小野寺 (雑)
12 六句目   雲のさえぎる日の光にて       豊    (雑)
13 月の座 漁火と競うがごとし夏の月        吉良   (夏)
14  八句目     浜辺に二三線香花火              深瀬   (夏)
15 九句目  夢覚めてたちまち消える面影よ      豊    (雑)
16 十句目   セピア色したアルバム残る      志方   (雑)
17  花の座  人絶えし苔むす寺に花の散り       深瀬)  (花)
18  折端    木洩れ陽を瀬に春出帆す       小野寺 (春)
 名残表 
19  折立  霞立つ瀬戸の島影墨絵かな        志方   (春)
20  二句目    仙人詩い酒酌み交わす        吉良   (雑)
21 三句目  刻 (とき) を越えこの矢当たれと弓を引き 小野寺 (雑)
22 四句目    未来明るき大吉の運         豊    (雑)
23 五句目 憂きことも今年かぎりぞ除夜の鐘     吉良   (冬)
24 六句目     南天の実を妻孫見つめ            深瀬   (冬)
25  七句目 コロナ禍で延期されたる結婚式      豊    (雑)
26  八句目   梅雨にウグイス鳴く声哀し      志方   (恋)
27  九句目 太陽の季節はるけき古稀の夏       深瀬   (恋)
28  十句目     潮鳴りとほく漁火は哭き       小野寺 (雑)
29  月の座 名残花月に白雲梔子と           志方   (月)
30  折端       とろろ汁擦り夕餉の支度       吉良   (秋)
 名残裏 
31  折立  麦秋の風頬に受け朋は逝き        小野寺 (秋)
32  二句目      空へ流れる煙ひとすじ        豊    (雑)
33  三句目  人は去り紅葉に隠る炭の窯        吉良   (雑)
34  四句目    ニュータウンには四葉クローバ     深瀬   (雑)
35  花の座  年輪を重ねて老いの花が咲き       豊    (花)
36  挙句       春の訪ないあと幾たびか       志方   (花)

  注。作成プロセス (付合のコメント) は、下記URL 参照。
    http://nanaku-haiku.blogspot.com/2020/04/

2020年6月25日木曜日

七句会 第32回 ネット句会 作品集と自句自解

 七句会のみなさま
 第三十二回の選句結果を踏まえて、感想や自句自解、等をおよせいただき、
たいへんありがとうございました。
 およせいただいたものを、作品集とともに、名前順に、ほぼそのまままとめ
てお届けします。
 今後のやり方に、ご意見、等ありましたら、よろしくお願いします。
 七句会のweb  http://nanaku-haiku.blogspot.jp/ にも掲載してあります。
  今後とも、よろしくお願いいたします。
  深瀬 (事務方)

1.第32回  ネット句会  作品集
(01) 秋元さん
・コロナ禍に人ざわめきて花散りぬ
・三密で舫のままの屋形船
・川縁の疎らな人にコロナ風
・コロナ禍で街の喧騒過去の夢
・悪名を歴史に刻む武漢風邪
(02)  小野寺さん
・藤棚の花揺らめきて風光り
・コロナから娘逃げ切り風薫る
・雷光の雲低く垂れ燕来る
・稲妻に立ち向かいをり闇の雨
・万緑を越えて峠は風の音
・春風や睫毛に残る陽は眩し
・桜 (はな) 散りて時の足音流れゆき
・滝の音風は碧 (みどり) の光り帯び
・宵宮に埋み火おこり心燃ゆ
・古都の陽は静かに暮れて春の雨
・断捨離に封切り手紙そっと捨て
・夕闇に花閉じ眠る白牡丹
・青麦をザワザワ鳴らし風渡る
・囀 (さえず) りを窓開けて聴く花雲り
・春雷の轟く彼方光る海
・花筏流れの底を魚の影
・黒髪の匂いゆたかに藤の花
・初恋の遠いいたみか花吹雪
・星々が息留めて聴く華の声
・花冷えや墨の香りに筆を留め
・風蒼く橋桁を翔ぶ初燕
(03)  吉良さん
・日溜りのベランダ光る君子蘭
・夫婦老い酒酌み交わし春惜しむ
  以前に愛媛県松山・道後温泉に旅した思い出 3句
・花盛る城壁わびし武者の影
・窯煙る砥部の里にも山桜
・子規偲ぶ道後の湯殿若芽吹く
(04)  桑子さん
  今回は主に憎くきコロナに関連して読みました。5 句
・人混みを避けて遠目の桜かな
・今日も又濃厚接触妻ひとり
・さあ出番コロナ退治ぞ鍾馗様
・脳トレと名画で刻む春の昼
・レジ袋冠る烏帽子や春時雨
(05)  志方さん
  幼いころから、一番好きな季節と風物詩
・浅緑の風に向かいて鯉昇る
  コロナは向日葵の代名詞名のはずだが
・向日葵もゴッホも迷惑コロナかな
  物憂げ儚い情景を詠んでみました
・春愁の野に漂うは綿帽子
  孫の成長と自生の竹の子の生命力が合わさって
・孫が採る筍肴に酒旨し
  目に映る純な緑を表現してみました。
・青紅葉風にきらきら枝騒ぐ
  薄いオレンジ色の空の暮色
・朧雲日暮れて遠い山の端に
  泥縄、泥沼 壊れた司令塔、深海に引き込まれて欲しい
・引き潮の目を剥く速さアベコロナ
(06)  治部さん
・水温む子らとの会話楽しめり
・流失の橋の骸や桜降る
・久々の河原散歩や山笑う
・コロナとて巣籠る老いに春の雪
・蒲公英のわた飛ぶ校庭や寂しげに
・此の春ぞ過去のシネマでやり過ごし
・細道や垣もうっすら暮れの春
・笑顔みゆシロツメクサの四つ葉かな
(07)  中津川さん
  スーパーでの買い物で
・密避けて外で妻待つ春キャベツ
  外出自粛でこんな感じかなと、今は猫はいませんが
・自粛して猫と昼寝のあたたかさ
  無観客場所のテレビを観て
・ぶちかます音や響ける春の場所
  テレワークの次女が土曜日に長時間のネット宴会をした
 とのことで
・コロナ禍やネット宴会花の宵
  コロナから抜け出ませんでした
・夏近しコロナしか出ぬ俳句かな
  学校が再開できずにいます
・春休み終われど校庭 (にわ) に声のなし
  桜の名所は今年も綺麗に咲きました
・コロナとて今年も変わらぬ桜かな
(08)  橋本さん
  春の句
・鶯の初鳴き遠く雲流る
・花に川新緑青空いつまでも
・雨戸開け狭き庭にも春の行く
  コロナ禍の春の句
・新入生弾む家路も親マスク
・賑やかな人出まぼろし花の散る
  雑詠
・菜園に雀の砂浴び覗き見る
  コロナ禍の川柳;アベノマスク
・配る人配るマスクも汚れをり
  コロナ禍の川柳;馴染めないコイケゴ
・呼び掛けも何処の人かと田舎人
(09)  宮澤さん
・永眠を恐れ春眠浅くなり
・桜散りつつじ枯れてもコロナ咲く
・鯉のぼりコロナの風で深呼吸
・華の街緑に翠美登利往き
・花一つマラソン人の靴の裏
(10)  森さん
・夕闇に君の襟元白梅香
・紅梅は泪をたたえ君誘う
・百年後も桜並木は君を待つ
・桜花死処を選びて落ちにけり
(11)  柳町さん
  我が家前の登校路に子供の声が絶えてすでに2 ヶ月、寂
 しいですね
・登校路消えて久しく子らの声
   外出自粛でゴルフも行けず、イメージ・ゴルフで日々を
 過ごしています
・芝の目の見かたも忘れティーショット
   不要不急の外出自粛で孫も我が家に近寄らず、電話で元
 気をもらう日々です
・孫の声電話の向こうに遠ざかり
(12)  豊さん
・見ぬままに今年の桜散りにけり
・安静のベッドより見る春の山
・コロナ禍やマスク美人の増える春
・喜びをリモートで知る入社式
・行く春を惜しむ多摩川暮色かな
・春がゆく過去をベンチに置き忘れ
(13)  深瀬
・身売りされ車窓の青田見つめる娘 (こ)
・ひとまばら棺 (ひつぎ) 見送る青田かな
・うすものに黒き瞳や艶 (えん) 湛え
・うすものを羽織りし母の細きかな
・体躯してうすものの僧経唱え
・走る人歩く人コロナ禍五月朝景色
・確かさの老いて狭まる春の靄 (もや)
・コロナ禍に若葉一枝妻飾り
・にぎわいの甍に若葉江戸の街
・老夫婦若葉並木を支え会ひ
・独り寝の耳にこだます猫の恋
・組織人やめて親しき猫の恋
・物干しの街灯の影猫の恋
・ぎゃあどさっ静寂 (しじま) ゆさぶる猫の恋
・孫はさみ妻と指差す春の雲
・母逝きし火葬の空に春の雲
・死に向かふ覚悟はいかに自問せり
・ふるさとを問われ地球と宇宙から
・古来からオスのロマンにメス打算
・足指に力を込めて春散歩
・巣籠もりに老前整理ハイピッチ

2.第32回  ネット句会  自句自解
◎ 小野寺さんの自句自解
・花冷えや墨の香りに筆を留め  (5 点-48)
 幼年時代祖父から受けた硯を擦り筆で手紙を書く習慣は長じて役に立ちまし
た。漢文の河村廣通先生とは海外駐在中も含めて巻紙に書いた筆の便りの交信
が先生が亡くなられるまで続きました。硯を擦ると心が落ち着き墨の香りが、
花冷えの室内に満ちて筆を留めました。多忙な生活の中で墨の香は心の静謐を
誘ってくれます。
・囀( さえず) りを窓開けて聴く花曇り   (3点-40)
 葉桜の外の景色は小鳥の囀りと相まって花曇りの春愁を心なしか癒してくれ
る様な気がします。
・花筏流れの底を魚の影   (2点-43)
 満開の桜が散り花筏となって川面を流されてゆくふと覗いてみると川底の辺
りに稚魚の走る影があり散る生命と生きる生命の移り変わりを垣間みた思いで
した。
・春雷の轟く彼方光る海   (2点-58)
 一瞬の春の嵐、稲妻の雷光の先に遠く水平に海が輝いていて、不思議な光の
ハーモニーでした。
・初恋の遠いいたみか花吹雪  (2点-68)
 春も終わりを告げる散りしく花吹雪のなかふと過ぎていった叶わぬ初恋の片
想いを微かな痛みとともに思い出しておりました。
・断捨離に封切り手紙そっと捨て  (2点-75)
 コロナで自宅待機の断捨離中未開封の手紙をみつけ何故かそっと開封し、一
瞥してそっと捨てたのでした。
・桜 (はな) 散りて時の足音流れけり     (2点-80)
 宮澤さんご指摘のように爛漫の桜舞い散る中入学式や入社式等様々な行事が
果たせぬまま過ぎてしまった事を散るさくらに、音たてて時が流れてゆくと感
じたものです。
・藤棚の花ゆらめきて風光る    (2点-84)
 藤棚の藤の花房が風にゆれて逆光の木漏れ陽が空いて、あたかも風が光る錯
覚にとらわれたのでした。
・黒髪の匂いゆたかに藤の花   (2 点-96)
 藤棚の藤の花のむせる様な甘い匂いは過ぎた日の長い髪を風になびかせた人
の昔を想いださせました。
・万緑を越えて峠は風の音    (2点-66)
 万緑の碧滴る様な山路を越えて来てふと振り返ると、額の大粒の汗を吹き飛
ばすように風が轟々と鳴っておりました。
・雷光の雲低く垂れ燕来る (1点-100)
 春雷の稲妻が光る低く垂れた黒い雲の中を初燕が飛んできた。一幅の絵を観
る様な光景でした。
  
・星々が息留めて聴く華の声    (1点-60)
  夜桜の神秘的な美しさを夜も更けた深い静寂 (しじま) の中で天空の遥かな
星たちが、息を留めて華の精の声を聴いているのだと感じました。
・春風や睫毛に残る陽は眩し   (1点-94)
 宮澤さんの解釈の通りです。葉桜となり春も終わる頃泣き濡れた瞳と睫毛に
残る涙に陽があたり、それを眩しく見つめていた遠い日の思い出ながら、別れ
の日の情景が切なく蘇がえってきました。
・夕闇に花閉じ眠る白牡丹  (1点-103)
 牡丹の花は夜が来ると花弁を閉じて眠ります。暗闇が迫る夕暮れ時、眠りに
ついた白牡丹はぼんやりと暗闇の中で白く光ります。牡丹の花が眠る現象は育
ててみて判ります。これも又確かな自然の運行です。
 追記
 俳句を創る事は絵画作品を創り出す作業に似ています。感動した風景や感じ
た情景を絵筆ではなく言葉で紡ぐ作業は、ある時堰を切ったように、浮かんで
くる風景や事象への再確認です。言葉を組み立てる作業ではなく感動や思いを
人に素直に伝える心ではないか。と最近思うようになりました。

◎  吉良さんの自句自解
  コロナ騒ぎの直前に子規が生まれた松山に旅行した折に詠んだ句です。松山
城の歴史を学んだり、地方の焼き物の町を訪れたりしたときの情景を読みまし
た。

◎  桑子さんの自句自解
  今回はやはりコロナ関連の句がほとんどでした。
・人混みを避けて遠目の桜かな
 5 点ももらって恐縮です。花見の時期「人混みを避けて」とだいぶ言われて
おり、そのフレーズを頂いて作りました。実際遠くから眺めて花見のハシゴを
していました。
・今日も又濃厚接触妻ひとり
・脳トレと名画で刻む春の昼
 コロナ禍の外出自粛要請の中での実体験です。
・さあ出番コロナ退治ぞ鍾馗様
 端午の節句に飾る鍾馗様は疫病を追い出すと言われており、願望を込めて読
みました。
 
・レジ袋冠る烏帽子や春時雨
 買物帰り、雨が降ってきたので雨よけに持っていたレジ袋を冠(かぶ)った
ら、まさに烏帽子のようでその光景を読みました。

◎  中津川さんの自句自解
  世の中と同様七句会俳句も新型コロナウィルス旋風に巻き込まれた様です。
・密避けて外で妻待つ春キャベツ  (4点句)
  治部さんご指摘のように春キャベツという季語を句の頭に持って来るか悩ん
だところです。今回はスーパーの外で私以外の男性が何人も待っていることを
出したくてあえて春キャベツを強調せず後ろに置きました。
  コメント。5点句、4点句、3点句で私以外の6首はいづれも素晴らしく、
選句に迷った句ばかりでした。特に「うすものを羽織し母の細きかな」 はは
はへの思いが伝わりすばらしいと感じましたが、 "うすもの" は夏の季語(今
回は兼題が春)として、恐縮ですが選句外とさせていただきました。

◎  豊さんの自句自解
・コロナ禍やマスク美人の増える春
 俳句というよりも川柳に近い内容なので、どうかと思いましたが、5 点も入
るとは意外でした。わかりやすかったからでしょうか。
・見ぬままに今年の桜散りにけり
 いつもなら花見に出かけるのに、今年は外出自粛で外に出られず、気がつけ
ばいつの間にか桜が散ってしまっていた、という心境です。
・安静のベッドより見る春の山
 4月下旬から5月の連休明けまで、私は股関節の手術で入院していました。
そのとき病室の窓から見た風景です。
・春がゆく過去をベンチに置き忘れ
 治部さんの指摘のとおり、「置き去りに」としたほうが、句に深みが出たよ
うです。

◎  深瀬の自句自解
・身売りされ車窓の青田見つめる娘 (こ)
  昭和恐慌のころの秋田で身売りされる少女の話しを母から聞かされました。
・ひとまばら棺 (ひつぎ) 見送る青田かな
  父の遺したアルバムのなかに若くして亡くなった親戚の人の葬儀のセピア色
の写真があります。これは、幟を立てたり、かなりの賑わいのようでしたが。
・うすものに黒き瞳や艶 (えん) 湛え
  うすものと聞くとなにかオリエント風の艶っぽいものを連想します。
・うすものを羽織りし母の細きかな
  母は勤務医でしたが、それを辞め、70歳をすぎたあるころから急に痩せた感
じでした。もう少し世話をしてあげたらとやや後悔しています。
・体躯してうすものの僧経唱え
  体躯は大柄な体つきのつもりですが、誤用のようです。
・走る人歩く人コロナ禍五月朝景色
  これまでの朝には出逢わなかった人たちが、トレナーを着て、歩いたり走っ
たりしています。在宅勤務や自宅待機の広がりを感じます。
・確かさの老いて狭まる春の靄 (もや)
  高齢になった認知症の専門医だった人のドキュメンタリーを見ました。確か
さが日々減っていくという言葉になにか同感するものがありました。
・コロナ禍に若葉一枝妻飾り
  コロナ禍のなかでも、精神的ゆとりを感じたいと思いました。
・にぎわいの甍に若葉江戸の街
  若葉は、江戸の黒瓦が並ぶ町並みに似合うように感じました。三越前駅地下
コンコース壁面に常設されている『熈代勝覧』の複製絵巻も念頭に置きました。
・老夫婦若葉並木を支え会ひ
  いずれ互いに杖をついたりするのだろうか、想像です。
・独り寝の耳にこだます猫の恋
  猫の恋を、少しスマートに詠みたいと思いました。
・組織人やめて親しき猫の恋
  サラリーマンのころは、精神的に余裕がなかったなと感じます。
・物干しの街灯の影猫の恋
  昭和の物干し台をイメージしました。
・ぎゃあどさっ静寂 (しじま) ゆさぶる猫の恋
  一体となって塀の上から落ちる様は想像です。
・孫はさみ妻と指差す春の雲
  たまに、息子の嫁さんと家内と二人の男の孫の五人で近くを散歩します。
・母逝きし火葬の空に春の雲
  母は10年ほど前の新緑のうつくしい5 月に柿生の方の病院で亡くなりまし
た。火葬の煙を見たわけではありませんが。
・死に向かふ覚悟はいかに自問せり
  古稀をすぎるとやはり死を身近に感じます。なにか準備することがあるの
か、むずかしい問いの感じです。
・ふるさとを問われ地球と宇宙から
  宇宙飛行士のなんにんかにインタビューするTV番組がありました。そのなか
で、「わたしのふるさとは地球です」と答えていました。そうなると思います。
・古来からオスのロマンにメス打算
  「メス打算」は表現がよくありませんが、持続可能性を踏まえた冷静さによ
って、過剰な欲望を抑制し、社会のバランスをとっているように思います。
・足指に力を込めて春散歩
  最近、歩くとき、足指で大地を噛むように意識しています。ふらつきが減っ
た感じがします。UFC のマイク・タイソンの歩き方に似ているかも(?) 。
・巣籠もりに老前整理ハイピッチ
  コロナ禍の巣籠もりもありますが、老前整理を日々意識する今日この頃です。
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2020年6月8日月曜日

七句会 第三十二回ネット句会の選句の結果です。

 七句会のみなさま
 第三十二回の七句会にご参加いただきたいへんありがとうございました。
今回の選句結果をご報告いたします。
5 点句
(015)  コロナ禍やマスク美人の増える春            豊
(027)  人混みを避けて遠目の桜かな              桑子
(048)   花冷えや墨の香りに筆を留め              小野寺
4 点句
(038)  密避けて外で妻待つ春キャベツ             中津川
(070)   うすものを羽織りし母の細きかな            深瀬
3 点句
(040)   囀 (さえず) りを窓開けて聴く花雲り          小野寺
(085)   流失の橋の骸や桜降る                 治部
2 点句
(003)  蒲公英のわた飛ぶ校庭や寂しげに            治部
(023)  見ぬままに今年の桜散りにけり             豊
(037)  三密で舫のままの屋形船                秋元
(046)   夕闇に君の襟元白梅香                 森
(053)   花筏流れの底を魚の影                 小野寺
(055)   笑顔みゆシロツメクサの四つ葉かな           治部
(058)   春雷の轟く彼方光る海                 小野寺
(064)   にぎわいの甍に若葉江戸の街              深瀬
(066)   万緑を越えて峠は風の音                小野寺
(068)   初恋の遠いいたみか花吹雪               小野寺
(073)   春がゆく過去をベンチに置き忘れ            豊
(075)   断捨離に封切り手紙そっと捨て             小野寺
(080)   桜 (はな) 散りて時の足音流れゆき           小野寺
(084)   藤棚の花揺らめきて風光り               小野寺
(088)   花盛る城壁わびし武者の影               吉良
(096)   黒髪の匂いゆたかに藤の花               小野寺
(102)   花一つマラソン人の靴の裏               宮澤
(105)   うすものに黒き瞳や艶 (えん) 湛え           深瀬

  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
  次回については、7 月下旬ころ (季節の変わり目を意識します。) にご連絡
したいと思っていますので、よろしくお願いいたします。やり方、等について、
ご意見がありましたら、ご連絡をいただきたく、よろしくお願いいたします。
 事務方から、以下、ご連絡、ご依頼です。
(1) 選句参加者
 今回の選句には、下記の15名が参加しました。
  秋岡さん、秋元さん、小野寺さん、吉良さん、桑子さん、志方さん、治部さ
ん、中津川さん、橋本さん、藤原さん、宮澤さん、森さん、柳町さん、豊さん、
深瀬。
(2) 今回の句会の結果を踏まえた自句自解、感想、等の募集について
  今回の句会の選句結果を踏まえて、各自、表明しておきたいこともあるので
はないかと思いますので、自句自解、感想、等、なんでも結構ですので、募り
たいと思います。一応、期限としては6 月21日とし、事務方にメールでいただ
き、それを七句会の下記のweb に掲載することにしたいと思います。
 http://nanaku-haiku.blogspot.jp/
(3) 自由連句について
  第3 回の自由連句 (歌仙) は、今現在、20句まで進みました。上記のURL か
ら参照可能です。
  2020.06.08
      代表   橋口侯之介 (休会中)
      顧問  豊  宣光
      事務方 深瀬久敬
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   1.兼題 コロナ禍
(001)  コロナ禍で街の喧騒過去の夢              秋元
     コロナ禍の川柳;馴染めないコイケゴ
(002)  呼び掛けも何処の人かと田舎人             橋本
(003)  蒲公英のわた飛ぶ校庭や寂しげに            治部
1 柳町
2 秋岡    家の周りの犬の散歩が日課ですが、小学校の
 校庭はいつも閑散としていて本当に寂しげで残念です。
      外出自粛でゴルフも行けず、イメージ・ゴルフで日々
    を過ごしています
(004)  芝の目の見かたも忘れティーショット          柳町
     テレワークの次女が土曜日に長時間のネット宴会をし
    たとのことで
(005)  コロナ禍やネット宴会花の宵              中津川
(006)  安静のベッドより見る春の山              豊
(007)  鯉のぼりコロナの風で深呼吸              宮澤
1 森     
     コロナ禍の春の句 2 句
(008)  新入生弾む家路も親マスク               橋本
(009)  賑やかな人出まぼろし花の散る             橋本
1 治部   いつもの賑わいがまぼろしのような寂しさの中
 で散る桜は、それはそれで美しいものでしょうが、はか
 なき人生につながります。花が岡江久美子さんに重なる
 のは選者だけでしょうかね。
      不要不急の外出自粛で孫も我が家に近寄らず、電話で
    元気をもらう日々です
(010)  孫の声電話の向こうに遠ざかり             柳町
     外出自粛でこんな感じかなと、今は猫はいませんが
(011)  自粛して猫と昼寝のあたたかさ             中津川
1 秋元   
(012)  川縁の疎らな人にコロナ風               秋元
(013)  此の春ぞ過去のシネマでやり過ごし           治部
1 中津川  やり過ごしの表現に外出できないイライラが
 込められていますね。
(014)  走る人歩く人コロナ禍五月朝景色            深瀬
(015)  コロナ禍やマスク美人の増える春            豊
1 宮澤    三密避けて夜外出、折あしく春雨が降り出し、
 遠くに傘をさすマスク美人が目に留まる。夜目、遠目、
 傘の内にマスクとくれば皆美人。
2 藤原   
3 深瀬    同感します。コロナ禍ですれ違う人が変わっ
 たせいだけではない? 不思議な感覚です。
4 秋岡    確かに目元のきれいな女性が多いのを感じます。
 失礼ながら眉毛やまつげは加工がしやすいのかなあ (?)。
5 小野寺  マスクして目元だけ見ると皆美人に見える春。
 目は口ほどにものをいうですね。
(016)  桜散りつつじ枯れてもコロナ咲く            宮澤
     無観客場所のテレビを観て
(017)  ぶちかます音や響ける春の場所             中津川
(018)  コロナから娘逃げ切り風薫る              小野寺
     コロナは向日葵の代名詞名のはずだが
(019)  向日葵もゴッホも迷惑コロナかな            志方
     泥縄、泥沼 壊れた司令塔、深海に引き込まれて欲し
    い
(020)  引き潮の目を剥く速さアベコロナ            志方
1 橋本    節度無き長すぎる政権、コロナと共に消えて
  欲しい。
(021)  コロナ禍に若葉一枝妻飾り               深瀬
1 中津川 
     コロナから抜け出ませんでした
(022)  夏近しコロナしか出ぬ俳句かな             中津川
1 橋本   
(023)  見ぬままに今年の桜散りにけり             豊
1 柳町
2 吉良    本当に残念なことでした。また来年に期待し
 たいものです。
(024)  コロナとて巣籠る老いに春の雪             治部
     コロナ禍の川柳;アベノマスク
(025)  配る人配るマスクも汚れをり              橋本
     学校が再開できずにいます
(026)  春休み終われど校庭 (にわ) に声のなし         中津川
1 柳町
        今回は主に憎くきコロナに関連して読みました。5 句
(027)  人混みを避けて遠目の桜かな              桑子
1 治部   三密防止の中でも桜は咲きます。心無い人で
 混んでいるのでしょうか。作者が色々考えながら遠く
 から見ている様子が伝わります。コロナ禍ではなくて
 もありうる光景がよいと思います。
2 秋元   
3 豊     コロナ禍の花見の様子がうまく表現されてい
 ます。
4 秋岡    幸いにも近所の桜はそれほど有名な場所では
 なかったのでいつものようにゆっくり鑑賞できました。
 密集ではない程度に人は集まっていました。
5 小野寺  人ごみを避けるようにして遠目に観る桜は又
  かえって風情があるのでしょう。
(028)  今日も又濃厚接触妻ひとり               桑子
1 深瀬    おもしろい句だと思いました。濃厚接触とい
 うのもリアリティーがあり、すごい言葉だと思います。
(029)  さあ出番コロナ退治ぞ鍾馗様              桑子
(030)  脳トレと名画で刻む春の昼               桑子
(031)  レジ袋冠る烏帽子や春時雨               桑子
1 柳町
(032)  コロナ禍に人ざわめきて花散りぬ            秋元
(033)  喜びをリモートで知る入社式              豊
1 中津川 
     桜の名所は今年も綺麗に咲きました
(034)  コロナとて今年も変わらぬ桜かな            中津川
(035)  悪名を歴史に刻む武漢風邪               秋元
(036)  巣籠もりに老前整理ハイピッチ             深瀬
1 秋岡    確かに持て余す時間で身の回りの整理が随
  分進みました。
(037)  三密で舫のままの屋形船                秋元
1 橋本    解除は一番遅れそうですね。
2 宮澤    人は三密を避け、屋形船は舫で密に。あちら
  を立てるためにこちらは密で我慢しています。
(038)  密避けて外で妻待つ春キャベツ             中津川
1 治部   選者も同様です。ソーシャルディスタンスを
  保ちつつ人々を観察しています。この句は季語を主役
  に「春キャベツ外で妻待つ密避けて」でいただきまし
  た。
2 桑子    スーパーかと思いますが、我々亭主は荷物運
  びに必要なだけですからね。
3 深瀬    コロナ禍での日常生活の一断面が鋭く切り取
  られている感じです。
4 秋岡    今年の春はこんな情景があちこちで見られま
  したが、春キャベツがいいですね。
     我が家前の登校路に子供の声が絶えてすでに2 ヶ月、
    寂しいですね
(039)  登校路消えて久しく子らの声              柳町
1 小野寺  コロナ休校でふと気がつくと賑やかに話しな
  がら子供達がいない。寂しさが募りますね。

   2.兼題春、雑詠
(040)   囀 (さえず) りを窓開けて聴く花雲り          小野寺
1 秋元   
2 中津川 
3 桑子
       孫の成長と自生の竹の子の生命力が合わさって
(041)   孫が採る筍肴に酒旨し                 志方
(042)   華の街緑に翠美登利往き                宮澤
1 柳町
(043)   花に川新緑青空いつまでも               橋本
(044)   母逝きし火葬の空に春の雲               深瀬
1 小野寺  母を亡くし火葬場の空に煙が垂れて春が一層
  に寂しさを増します。
(045)   久々の河原散歩や山笑う                治部
(046)   夕闇に君の襟元白梅香                 森
1 治部   君とは誰ですか?襟元からのぞく肌に白梅の
  色と香りを感じるとはまだまだ現役ですね。しかし、
  これは妄想だと思いますよ。俳句としては・・ 選者
  は決して羨ましいのではありません・・・ 
2 藤原   
(047)   組織人やめて親しき猫の恋               深瀬
(048)   花冷えや墨の香りに筆を留め              小野寺
1 吉良    習字に励んでいるのでしょうか、墨の何とも
  言えなえい香は日本の伝統を感じさせます。
2 秋元   
3 豊     書道で文字を書いていたら、濃い墨の香りが
  して思わず筆を留めた。清々しさがいいですね。「花
  冷え」の季語も効果的です。
4 宮澤    何か一筆と筆をとり、花冷えに、障子を閉め
  ると漂う墨の香りに気付き心がなごむという感じで便
  りを書きたいな。でも、墨をするなど大昔の話。そも
  そも、毛筆の手紙など書いたことあったっけ。
5 藤原   
(049)   確かさの老いて狭まる春の靄 (もや)           深瀬
(050)   稲妻に立ち向かいをり闇の雨              小野寺
(051)   足指に力を込めて春散歩                深瀬
(052)   永眠を恐れ春眠浅くなり                宮澤
1 秋岡    中々ショッキングな一句ですね。歳を取ると
  いうことは複雑ですね。
(053)   花筏流れの底を魚の影                 小野寺
1 柳町
2 豊     川面いっぱいに桜の花びらが流れている下を
  泳いでいる魚の影が見えた。何の稚魚でしょうか。き
  れいな句です。
(054)   桜花死処を選びて落ちにけり              森
1 志方    古希過ぎて、実感できる句です。
(055)   笑顔みゆシロツメクサの四つ葉かな           治部
1 志方    ツメクサの朝の滴が目に浮かぶ。
2 橋本 
(056)   古都の陽は静かに暮れて春の雨             小野寺
1 藤原   
(057)   ふるさとを問われ地球と宇宙から            深瀬
1 豊     おもしろい発想の句ですが、ややわかりにく
  いです。「宇宙」から問われて「地球」と答えたので
  しょうか。それとも違う意味があるのでしょうか。
(058)   春雷の轟く彼方光る海                 小野寺
1 吉良    絵になる光景です。
2 志方    一瞬の光のときめきの表現がターナの絵画み
  たい。
(059)   孫はさみ妻と指差す春の雲               深瀬
1 桑子  春ののどかな光景が目に浮かびます。
(060)   星々が息留めて聴く華の声               小野寺
1 深瀬    桜の花の美しさが、宇宙スケールで表現され
  ていると思います。「息留めて聴く」という表現はユ
  ニーク。
(061)   身売りされ車窓の青田見つめる娘 (こ)          深瀬
(062)   滝の音風は碧 (みどり) の光り帯び           小野寺
1 志方    春の盛りの彩が味わえます。
(063)   鶯の初鳴き遠く雲流る                 橋本
1 藤原   
(064)   にぎわいの甍に若葉江戸の街              深瀬
1 秋元   
2 豊     江戸の街の初夏の風景を巧みに詠み込んでい
  ます。300 年前にタイムスリップした感じです。
       薄いオレンジ色の空の暮色
(065)   朧雲日暮れて遠い山の端に               志方
(066)   万緑を越えて峠は風の音                小野寺
1 志方    風の通り路が上手く表現されていると思いま
  す。
2 橋本 
(067)   死に向かふ覚悟はいかに自問せり            深瀬
0 秋岡    選句外として、季語が良くわからなかったの
  ですが、作者の内なる感情が伝わってきて捨てがたい
 句だなあ感じました。
(068)   初恋の遠いいたみか花吹雪               小野寺
1 柳町
2 森     
(069)   細道や垣もうっすら暮れの春              治部
(070)   うすものを羽織りし母の細きかな            深瀬
1 治部   今年も衣替えの季節になりましたが、夏物は
  記事が薄く母の細さがあはれをさそいます。母上に感
  謝していたわっている作者の気持ちが伝わります。
2 桑子    お母様への愛しさが感じます。
3 豊     母親に対する作者の愛情が感じられる句です。
4 小野寺  薄物を羽織った母が老いて細くなったなとし
みじみ思ったのですね。
0 秋岡    選句外として、季語が良くわからなかったの
  ですが、作者の内なる感情が伝わってきて捨てがたい
 句だなあ感じました。
(071)   青麦をザワザワ鳴らし風渡る              小野寺
       目に映る純な緑を表現してみました。
(072)   青紅葉風にきらきら枝騒ぐ               志方
(073)   春がゆく過去をベンチに置き忘れ            豊
1 治部   共感できる句です。ベンチがいいですね。誰
  と座っていたのでしょう。相手の人が過去の人なので
  すね。特に人ではないのですかね。忘れたいのか、忘
  れてしまったのか。選者の場合は、「置いたまま」と
  か、「置き去りに」とか意思を見せたいです。
2 深瀬    なにか青春歌謡の歌詞のような感じもします
  が、なにか想像がふくらみます。
(074)   百年後も桜並木は君を待つ               森
(075)   断捨離に封切り手紙そっと捨て             小野寺
1 桑子    「そっと捨て」の表現がステキです。誰から
  の手紙だったか興味をそそります。
2 深瀬    身辺整理は身近な課題ですが、そういうこと
  もあるのかと心が動かされました。
(076)   ひとまばら棺 (ひつぎ) 見送る青田かな         深瀬
        幼いころから、一番好きな季節と風物詩
(077)   浅緑の風に向かいて鯉昇る               志方
(078)   夫婦老い酒酌み交わし春惜しむ             吉良
(079)   独り寝の耳にこだます猫の恋              深瀬
(080)   桜 (はな) 散りて時の足音流れゆき           小野寺
1 吉良    毎年桜を迎えるころになると一年無事であっ
  たことを意識させられます。
2 宮澤    時の移ろいを、卒業式、結婚式、入学式など
  の行事で感ずることが多いが、コロナ禍の中では、春
  の訪れの開花にも気付かず、舞う花びらでそうか、も
  う春かと気付く切なさ。
(081)   菜園に雀の砂浴び覗き見る               橋本
1 中津川 
(082)   古来からオスのロマンにメス打算            深瀬
1 小野寺  古代の昔から牡の本性はロマンチストな阿呆。
  牝は計算高い存在と相場が決まってますね。笑
(083)   雨戸開け狭き庭にも春の行く              橋本
(084)   藤棚の花揺らめきて風光り               小野寺
1 志方    もう初夏の訪れですかね。
2 宮澤    藤棚の隙間を風が抜ける。隙間から漏れる光
  は風の道を照らしている。ちょうどよい具合の風と光
  のハーモニー。
(085)   流失の橋の骸や桜降る                 治部
1 吉良    昨年は全国の大雨による天災が目立つ年でし
  た。今年は平穏な年となることを桜が祈っている気が
  します。
2 中津川  昨年の台風の爪痕でしょうか、毎年季節は廻
  ります。
3 橋本 
(086)   ぎゃあどさっ静寂 (しじま) ゆさぶる猫の恋       深瀬
1 桑子    擬音語?の表現がいいです。騒々しさが伝わ
  ってきます。
(087)   宵宮に埋み火おこり心燃ゆ               小野寺
       以前に愛媛県松山・道後温泉に旅した思い出 3句
(088)   花盛る城壁わびし武者の影               吉良
1 深瀬    「春高楼の花の宴」に近いイメージかなと思
  いましたが、「武者の影」も想像豊かな感じがしまし
  た。
2 秋岡    古城の石垣だけが残る城壁には、特ににそん
  な雰囲気がありますね。
(089)   窯煙る砥部の里にも山桜                吉良
1 秋元   
(090)   子規偲ぶ道後の湯殿若芽吹く              吉良
1 治部   道後温泉いいですよね。選者も入りましたが、
  深さが微妙で少し戸惑いました。若芽が時期を特定し
  て、同じ風景を変えています。漱石も入ったんでしょ
  うね。
(091)   風蒼く橋桁を翔ぶ初燕                 小野寺
1 吉良    燕の元気な姿をみると元気がでます。
(092)   紅梅は泪をたたえ君誘う                森
1 森     
(093)   体躯してうすものの僧経唱え              深瀬
(094)   春風や睫毛に残る陽は眩し               小野寺
1 宮澤    涙目の睫毛に漂うひとしずくに陽が当たる。
  たいしたことなく泣いたのに、まぶしいほど日が輝い
  ている。・・・なんちゃって。70歳の翁。青春懐かし
  いです。
(095)   行く春を惜しむ多摩川暮色かな             豊
1 志方    コロナ自粛で、チャリ移動が多くなり、多摩
  川堤で何度か目に焼き付く情景です。
(096)   黒髪の匂いゆたかに藤の花               小野寺
1 吉良    黒髪は昔の思い出か?日本画の絵を見るよう
  な感じがします。
2 秋元   
(097)   日溜りのベランダ光る君子蘭              吉良
       物憂げ儚い情景を詠んでみました
(098)   春愁の野に漂うは綿帽子                志方
1 橋本 
(099)   老夫婦若葉並木を支え会ひ               深瀬
(100)   雷光の雲低く垂れ燕来る                小野寺
1 豊     「雷光の雲」と「燕」の取り合わせが一つの
  風景を見事に表しています。
(101)   物干しの街灯の影猫の恋                深瀬
(102)   花一つマラソン人の靴の裏               宮澤
1 中津川 
2 桑子   
(103)   夕闇に花閉じ眠る白牡丹                小野寺
1 藤原   
(104)   水温む子らとの会話楽しめり              治部
(105)   うすものに黒き瞳や艶 (えん) 湛え           深瀬
1 柳町
2 小野寺  薄物の着ながし黒い瞳に見つめられたら男は
  引くに引かれませんね。
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