2014年5月26日月曜日

第六回の七句会の選句結果

 七句会  各位
 第六回の七句会の選句結果をご報告いたします。
  投句者は、土川さん、古川さん、内野さん、中島さん、志方さん、鳥海さん
、深瀬の 7名であり、選句者は、投句者全員の他、柳町さん、吉良さんです。
尚、鳥海さんと吉良さんが、8 句選んでいますが、そのままとしました。
  下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
  次回については、来月中旬~下旬ころにご連絡いたしますので、よろしくお
願いいたします。やり方について、ご意見がありましたら、ご連絡をいただき
たく、よろしくお願いいたします。
  2013.12.03
  事務方      深瀬

1.兼題  秋
(001)  風立ちぬ 木の葉の舞いや 秋深し       古川05
 1  深瀬  秋風に木の葉が舞っている様に感傷的になっている気持
    ちがよく伝わってきました。
 2  吉良  一見ありふれた句のようですが、晩秋の情景が目に浮か
    びます。
(002)  夏が去り 原発村にも 秋が来る        中島02
(003)  紅と黄  秋いろ街路  青き空          深瀬11
 1  柳町
 2  志方  秋の鮮やかな色彩のコントラストが見事に表現されてい
    るようです。
 3  小幡
(004)  秋高し母美しき参観日                      土川04
 1  深瀬  参観日に後に立つ母の姿が美しかったという思い出は、
    子供心に記憶に深く残る気持ちはよく分かる感じがしまし
    た。
 2  吉良
(005)  秋の宵 虫の鳴き声 子守唄          古川07
(006)  暑き夏 併せて台風 秋寂し          鳥海04
       (秋の空 次の3句)            #志方01
(007)  彼岸花連なる先の秋あかね           志方01
 1  古川
 2  小幡
 3  吉良  彼岸花と秋あかねの赤い色が強烈に目に焼き付きます
(008)  返照に薄紅そまる鰯雲             志方02
 1  内野
 2  古川
(009)  野分あと山なみキリッと富士の峰        志方03
 1  深瀬  都会においても台風のあとの空気は澄みきり、富士山を
    中心に遠くの山並みがよく見える様は印象的です。「山な
    みキリッと」がきいていると思います。
(010)  子ら巣立ち  妻と二人の  秋の暮れ       深瀬08
 1  鳥海
 2  志方  奥様への思いやりがひしひしと伝わり、秋の黄昏がひと
    しを暖かくかんじられます。
 3  小幡
 4  吉良  実感できます
 5  中島  <共感>
(011)  秋深し 耳に溶け入る 虫の歌         古川08
 1  鳥海
(012)  蟲の聲とぼとぼ暮れる秋の空          小幡02
(013)  雨ゴルフ  終わり陽の射す  秋の夕       深瀬13
(014)  秋の宵 穭田 (ひつじだ) 照らす 月明かり   古川02
 1  柳町
(015)  秋の陽に  ゴルフはりあう  夫婦かな      深瀬12
 1  中島  <そうなんだ>
(016)  聞こえ来る 虫のさえずり 秋見つけ      鳥海02
(017)  前をゆく  ながき影追う  秋の暮れ       深瀬09
 1  古川
 2  志方  秋の黄昏が影法師に吸い込まれているようです。
 3  小幡
 4  吉良
(018)  すたすたと歩く姿に秋は来にけり        小幡01
(019)  秋風に 冷たすぎると 文句言い        中島04
(020)  晩餐のパン屑掃けるシェフに秋                土川02
(021)  紅葉狩り行く暇もなく秋は去るらん       小幡03
(022)  穭田 (ひつじだ) を 秋風さわやか 吹き抜ける 古川03
 1  鳥海
(023)  荒川の 川面に吹きし 秋の風         鳥海05
 1  古川
(024)  憂愁や 秋風町を 吹き抜ける         古川04
 1  吉良
(025)  ジェット機の  吸い込まれ行く  秋の空     深瀬07
 1  鳥海
 2  吉良
(026)  烏瓜 真赤な実には 秋一杯          古川01
 1  志方  秋の色彩が伝わります。
 2  深瀬  子供のころは身近に真っ赤な烏瓜をよくみかけました。
    ひときわ赤い実をみつけると秋の深まりが強く感じられま
    す。「秋一杯」がいいと思います。
(027)  中秋は 冬の季語と なりぬべし        中島01
(028)  チェロの音に  紅茶かたむけ  秋の夜      深瀬14
 1  小幡
 2  中島  <羨望>
(029)  紅葉が 湖水に映る 旬の秋          鳥海06
 1  柳町
 2  古川
(030)  秋来ても 虫も寒さに 鳴き忘れ        中島05
 1  鳥海
(031)  一粒の ブドウを食べて 秋感ず        古川06
(032)  秋見つけ 銀杏並木は 黄金色         鳥海03
 1  柳町
 2  古川
(033)  俳諧と 慣れし我にも 秋が来た        中島03
(034)  くしゃみして  持った茶こぼす  秋の朝     深瀬10
 1  土川
(035)  公園に 秋を探して 歩みだし         鳥海01
 1  内野
2.兼題  ぶどう
(036)  ぶどう棚 同じに見えて 腰いたし       鳥海09
(037)  巨峰食べ 何を連想 葡萄なり         中島07
 1  深瀬  当たり前で、かなり不可解な句ですが、なにか間合いと
    断定の力強さに惹かれました。
(038)  妻ひとつ われもひとつと  ぶどう食べ     深瀬06
 1  内野
 2  鳥海
 3  小幡
 4  土川
(039)  スーパーの 葡萄を買って 秋を知る      中島06
(040)  ぶどうふさ  どれからとるか  手がおよぎ    深瀬04
 1  鳥海
(041)  原発も 種無し葡萄も 人知故         鳥海11
 1  土川
 2  中島  <山藤章二風ですね>
(042)  果肉吸ひ児(やや)に与ふる青葡萄       土川05
 1  内野
(043)  ぶどう園  食べ放題の  人の列         深瀬05
(044)  寄り添って 生きる葡萄 人同じ        鳥海12
 1  志方  人の生き様が奥ゆかしく表現されています。
       (小学生の頃のブドウの思いで)       #志方07
 2  土川
(045)  ブトウ食べ種を飛ばしてまた実れ        志方07
 1  土川
(046)  見下ろした 葡萄畑は 海になり        鳥海07
 1  内野
 2  土川
(047)  ぶどう種  さがす目宙を  追いにけり      深瀬03
(048)  秋風に 美味き葡萄は 手が懸かり       鳥海08
 1  柳町
(049)  朝テラス  夜風に落ちた ぶどう敷く      深瀬02
(050)  どの房も 同じに見える ぶどう棚       鳥海10
(051)  ガラス器に  盛られたぶどう  透きとおり    深瀬01
 1  中島  <All 透明感>
3.雑詠・川柳
(052)  時空間  ネットで失う  本屋さん        深瀬18
(053)  もみじ葉は きらめきゆれる 陽光に      内野03
(054)  ひとにぎり  天才読み解く  この宇宙      深瀬19
    (武蔵野の雑木林の風情  次の3句)      #志方04
(055)  林間に落ち葉踏みしめ百舌がなく        志方04
 1  小幡
(056)  風誘う落ち葉の輪舞カサカサと         志方05
 1  柳町
 2  内野
 3  深瀬  (001) とかなり近い光景を詠んでいるように感じました
    が、こちらの方が写実性という点ではおもしろいように感
    じました。
(057)  山路来て金木犀の秋薫る            志方06
 1  古川
(058)  次の音待ちて風凪ぐ鹿威(ししおど)し     土川01
 1  志方  私もこの秋、京都の詩仙堂で束の間の命の洗濯をいてき
    ました。鹿縅しは日本の工芸の粋かなとほれ込んでいます。
(059)  竹ばやし  満月いだき  風にゆれ        深瀬15
(060)  長き夜にNHKラジオ第一放送         土川03
(061)   体育の日おのれの力もう冬か          小幡04
 1  中島  <共感>
(062)  死の床で  父母に再会  思うかな        深瀬17
 1  内野
(063)  悠然と 雲流れゆく この大地         内野02
(064)  いまいずこ  昭和の安定  あの活気       深瀬20
(065)  柿ひとつ 枝に残して 鳥をまつ        内野01
 1  柳町
 2  鳥海
 3  志方  秋のさびしい情景が見事に浮かんできます
 4  深瀬  葉がすべて落ちてしまった柿の木に熟した柿が点々と残
    っていて、それを鳥がついばむ光景に、なにかノスタルジ
    ックなものを感じました。
 5  土川
 6  吉良  柿は老いた自分でしょうか 鳥はあの世への案内者でし
    ょうか
 7  中島   <その心は>
(066)  人生は  夢まぼろしと  惚け否定        深瀬16
 以上


付録 1. 投句者と選句者のコメント
(1) 投句者コメント
・秋の風情を詠み込んだ句といきごみましたが、情景を思い浮かべ
ながら、文字にするとなると、なかなか奥が深いと痛感するこの頃
です。 (志方さん)
・表現の難しさもあるのですが、やはり何を詠ったらいいのかが相
変わらず分かっていない感じです。所詮、感性がなければどうしよ
うもないのかな。感じないことには表現できませんからね (自嘲)
。 (土川さん)
・期限が迫っているのに何も浮かばないでいたのですが、3人では
寂しそうと、急遽乱作してみました。お笑い下さい。粗製乱造です
が、賑わいになれば。荒川の・・・は、今回の作では有りませんが、
一部の人に評判が良かったので枯れ木に賑わいで加えました。 (鳥
海さん)
・「兼題」での作句を何度か試みたのですが、どうしても作句でき
ません。自由題で何とか締切までに努力してみます。 (内野さん。
11月12日)
・先ほど犬と散歩に出かけ、やっと下記の3 句を得ました。人影の
ない風景の描写になってしまいましたが、今回も参加することにの
み意義を認めることとしました。 (内野さん。11月18日)
(2) 選句者のコメント
・今回は、選ぶのが難しい!!皆さん、とても上手です。 (柳町さ
ん)
・皆さん作句の腕が上がったとの印象があります。すごいことです。
感覚がだんだん研ぎ澄まされてきていますね。それに引き替え、私
は一向に向上みられません。頑張らなくてはと思います。小生、勤
めは往復を入れて7 時間程度ですが、帰宅して遅い昼食をとるとど
っと疲れ眠くなり一日が終わってしまいます。使う機会はまったく
ないですが、NHKの英語講座は続けています。うまくもないのに
下手の横付きですね。 (内野さん)
・上から目線で偉そうにと言われそうですが・・・・。回を重ねる
度に皆さん句らしくなってきた感じがします。 (鳥海さん)

付録 2. 12月1 日 (日) の七句会勉強会資料
・日時  2013年12月1 日 (日) 午後1 時30分~4 時45分
・場所  上智大学四谷キャンパス 9号館454 教室
・参加者  土川、小幡、深瀬 (選句会を兼ねました。)
・資料 1. 芭蕉の俳句の世界とは  蕪村、一茶と対比して (深瀬)
   (七句会勉強会131201 資料 深瀬1.pdf 、同2.pdf)
・資料 2. 「最近の心境です」、「森澄雄俳話集 (上・下)(永田書
房) を読みました。」 (土川)
  (七句会勉強会131201 資料 土川.pdf)
  以上

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