2014年5月26日月曜日

第一回の七句会の選句結果

 七句会  各位
 第一回の七句会の選句結果をお報告いたします。
  下記に、作者名つき選句表、および、選句の結果表を添付します。
  諸事情で、ご報告がかなり遅延したことを深くお詫びいたします。
  次回については、追ってご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
  投句や選句のやり方やまとめ方など、ご意見がありましたら、よろしくお願い
いたします。
  七句会代表  橋口
  事務局      深瀬
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 七句会 選句表 (2012年 9月 1日)                     
                                  作者 
1.兼題  雷                            (敬称略)
(001)  ・雷で ガマが元気に 合唱団                        鳥海 
(003)  ・かみなりに へその仇討ち かえる跳ぶ               深瀬
(004)    最近ワイルドだと称し受けている芸人がいますので、    古川 
       ・雷や 肝ビビるぜ ワイルドだ                         
(006)    雷雲の後にうろこ雲が出るか否かは不知ですが、夏から秋  鳥海 
     に移り行く様子を詠って?みました。                       
    ・雷が 過ぎた後には うろこ雲                  
(009)  ・かみなりに 都会の騒音 押し黙る                     深瀬 
(010)  ・雷を 眼下に望む スカイツリ                       古川 
(012)  ・いかずちよ風よふかせよ俳句丸                       中島 
(013)  ・雷の 恨めし悲し 原子力                          吉良 
(014)  ・ごろごろと なまけびとには かみなりも                 深瀬 
(015)  ・いかずちに向ってうつぜゴルフ道                     中島 
(018)  ・高層の 窓にかみなり 覗くかな                     深瀬 
(019)  ・かみなりを 合図に妖怪 湧き出でる                   深瀬 
(028)  ・奥座敷 遠きかみなり ひっそりと                     深瀬 
(038)  ・遠雷や 涼風届け 夏深し                         古川 
(039)  ・雷鳴や 一瞬止まる 蝉しぐれ                    古川 
(040)  ・かみなりに 森や田の神 迎え出る             深瀬 
(041)  ・遠雷の 雨待ち遠しい 熱帯夜               橋口 
(052)  ・遠雷や 何処や去りし 夏行けり              古川 
(059)  ・雲海に 裂雷 (いかづち) 走る 佐久平           古川 
(060)  ・かみなりにすぐに退散我がゴルフ              中島 
(061)  ・遠雷よ 今いいスコア 近づくな              鳥海 
(062)  ・雷を 部屋で楽しむ ページェント             橋口 
(065)     台風一過のある夏の夕方、高速湾岸線で家路を急ぐ車のは  内野 
     るかかなたに浮かんでいた、あかね雲の神々しさに私は自然     
     の雄大さを感じたのです。                    
    ・あかね雲 あらしの後に かがやけり               
    ・暴風雨、去りて残しし あかね雲                 
    ・夕暮れの 空にきらめく あかね雲                
    ・雷鳴が とどろき叫ぶ 家路かな                 
(074)  ・雷の 過ぎし後には 高い空                鳥海 
(084)  ・雷鳴に 驚き騒ぐ 孫清き                 吉良 
(087)  ・レクイエム 遠きかみなり 交じるかな           深瀬 
(092)  ・かみなりに 「やかましい」とは おそろしく        深瀬 
(094)     ゴルフ中に雷が鳴り、スコアが良くないためでしょうか、  鳥海 
     中止にしたい気持ちがよく現れていますね。            
    ・雷に 怯えたふりで ゴルフやめ                 
(100)  ・雷よ ベストスコアだ 少し待て              鳥海 
(108)    雷->怖い(恐れる)女性・心身不安定->(安定させるため  鳥海 
     )そっと抱く->抱いたら甘い香りがした->若い時の過去の話     
     として創作をイメージしたものです。               
    ・雷で 甘き香りが よみがえり                  
                                     
2.兼題  朝顔                               
(016)  ・朝顔も 涼を求めて 軽井沢                鳥海 
(021)  ・竹ぐしを あさがほの蔓(つる) ふきこぼる        深瀬 
(022)  ・朝顔や 夕日が落ちて 微睡みぬ              古川 
(025)    緑のカーテンの朝顔、昼間はこの猛暑で萎れています。そ  長谷川
     こで一句、                           
    ・雷雲に こうべを上げた 朝顔が                 
(027)  ・朝顔の 淡いピンクに 母思う               吉良 
(037)  ・朝顔や悪官育てた自民党                  中島 
(042)     宿題で観察しようとしても朝起きる事ができなかった様子  鳥海 
     がわかりますね。                        
    ・朝顔の 観察日記 創作で                    
(051)  ・朝顔や政治で遊ぶ元首相                  中島 
(053)  ・朝顔や今年の夏も暑いぜよ                 中島 
(083)  ・ろくろ首 あさがほに見る 不気味かな           深瀬 
(085)  ・朝顔や 遠く背比べ スカイツリ              古川 
(086)  ・朝顔に 浴衣の君や 映えにけり              古川 
(088)  ・朝顔に昔の夏を懐かしむ                  中島 
(090)  ・あさがほの 淡きいろどり 江戸情緒            深瀬 
(091)  ・朝顔や何をやるのか小沢君                 中島 
(093)  ・雷鳴に しだれ朝顔 首を上げ               長谷川
(097)  ・あさがほの 咲きたる数を 今朝も記す           深瀬 
(099)  ・朝顔に 見送られて 心立つ                吉良 
(101)  ・今朝咲いた あさがほ夕に 摘みにけり           深瀬 
(106)  ・朝顔や 暑さに耐えて 花咲かす              鳥海 
                                     
3.自由題                                 
(002)  ・山門の甍にひびく夏のあめ。                小幡 
(011)  ・特養で ムンクの「叫び」 みるおもひ           深瀬 
(017)  ・いい加減 それもゆるす 江戸の本             橋口 
(020)  ・ゴルフ道 たまには妻に 声をかけ             古川 
(023)  ・なんでかと 問うときすでに とき遅し           深瀬 
(024)  ・堪忍の できない暑さ 温度計               橋口 
(029)  ・滑稽の 嘘字で遊ぶ 江戸の本               橋口 
(032)    今日午後より犬を引き連れ、熊,猿の里に出発します。途  古川 
     中家内の実家前橋には野生の雉が生息しており、まさに桃太     
     郎になった気がします。                     
    ・夏草や 獣の里に 我行かん                   
    ・静かさや 猿のいびきに 起こされし               
    ・山里や 風雪耐えて 我が別荘                  
    ・分け去れや 君の姿を 追い求め                 
    ・愛犬や 熊を見るなり 逃げ去りぬ                
(045)     私が独身貴族だった28歳の頃、300 万円で信州の佐久平に  古川 
     面する御代田町に別荘を建てました。ボロ別荘と称し卑下し     
     ていました。近くに日本最古の唐松植林地が残っています。     
     そこで30数年毎年夏お世話になった別荘を、この際 "唐松庵     
     " と称し敬い、次いでに俳号を‘古川唐松’と図々しくも称     
     す事としました。                        
    ・唐松や 風散歩道 枝そよぎ                   
(054)  ・風の盆 編笠女性 皆美人                 古川 
(055)    東山魁夷の有名な白馬が池のほとりにいる絵のモデルにな  橋口 
     った八ヶ岳の池を訪れると 季題なし。              
    ・ノスリ舞い 空が青くなる 山の池                
    ・白犬が 白馬のいない 森におり                 
(063)  ・叩かれた ボール飛び込む 池の音             鳥海 
(064)  ・せみの声不意のあらしにかきけされ。             小幡 
(072)  ・ミンミンと ひぐらし鳴きて せせらぎの音 (ね)       長谷川
(073)  ・白球や バンカ目指して まっしぐら            鳥海 
(075)  ・自分だか 自分でないか こころ病む            深瀬 
(076)    御代田町からサンラインで40分上田方面に走ると東御市が  古川 
     あります。雷電の出身地ですが、ここに深井先生はお住まい     
     でした。20年ぐらい前に家族で訪問した事があります。草深     
     き御宅で、先生は隣人に草が生え過ぎと言われると、秋にな     
     れば枯れると言って、草刈はしないとおっしゃっていたのを     
     思い出します。                         
    ・雷電と 同郷なりし 深井さん                  
    ・草深き タヌキの里に 深井さん                 
(089)  ・白球よ 何度叩けば、言うこと聞くの?           長谷川
(098)  ・流れ星 雲間にひょっこり 穴をあけ            橋口 
(102)    アサギマダラという滑空する蝶が、ヨツバヒヨドリ花の匂  橋口 
     いを好んでとまります                      
    ・山越えて アサギマダラの 休みどこ               
    ・匂う草 蝶を集めて 奏でたり                  
(107)  ・堪忍の できる暑さ セミ時雨               橋口 
(112)  ・前をゆく まるみ帯びたる 大ヒップ            深瀬 
                                      
    以上
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  七句会  選句の結果表 (2012年10月 6日)            
 はじめに、選者のコメントを紹介します。
 橋口代表
 レベルはともかく、全般に気楽につくった感じということで、無理
のない句でした。かえってそれが、肩に力が入りすぎない、楽しいも
のになりました。60代のおじさん(もう高齢者だそうですが)らしく
もあります。票は全体にばらけました。飛び抜けた人がいないことも
あるででょうが、選ぶ側も、うまさとか、俳句らしさより、共感性に
重きを置いたようでした。ま、これを数回続けていくと、趣味の領域
は超えませんが、いい会になる可能性はあります。        
 大谷さん
  皆様の俳句?読ませていただきました。あらためて難しさを感じま
した。七句選べということでしたが、小生が共感できたのは、しいて
いえば、次の四句でした。今少し修練が必要かなと思います。   
 小幡さん
  選句の基準は、よんでイメージが具体的に湧いてくるものに絞りま
した、また、よんで面白い句もありましたが川柳にちかいと感じた句
は避けました。076 は深井先生に敬意をこめ、選句しました。以上で
す。
 内野さん
  いずれも文語的表現で、写実的なものを選んでしまいました。  

  以下、選句の結果です。
  注。番号のしたの名前が選んだ人です。敬称略。       
    注。橋口代表は、9 句選ばれました。            
                               
5 点句                            
(086)  ・朝顔に 浴衣の君や 映えにけり              古川
 橋口                                 
 小幡                                 
 吉良  昔の若き頃の思い出が他人ごとではあるが懐かしく思い出     
    させる句である                         
 鳥海  拓郎等のフォークの世界を思い出す。              
 中島  いいですね                          
                                    
4 点句                                 
(038)  ・遠雷や 涼風届け 夏深し                         古川
 橋口                                 
 内野                                 
 吉良  蒸し暑い今年の夏に思わず涼しい風が欲しい気持ちがでて     
    いる。                             
 中島  今年の夏の蒸し暑さが応えてます                
                                    
(039)  ・雷鳴や 一瞬止まる 蝉しぐれ                    古川
 橋口
 小幡
 内野
 吉良  (009) に通ずるところがありますが、セミも思わず驚いた
    様子が面白い。
(059)  ・雲海に 裂雷 (いかづち) 走る 佐久平           古川 
 橋口
 大谷
 小幡
 内野
(065)     台風一過のある夏の夕方、高速湾岸線で家路を急ぐ車のは  内野
     るかかなたに浮かんでいた、あかね雲の神々しさに私は自然
     の雄大さを感じたのです。
    ・あかね雲 あらしの後に かがやけり
    ・暴風雨、去りて残しし あかね雲
    ・夕暮れの 空にきらめく あかね雲
    ・雷鳴が とどろき叫ぶ 家路かな
 橋口
 古川
 小幡
 深瀬   一日の仕事の緊張から解放され、家路に急ぐ途中で、神々
    しい景色に出会い、別次元に引き込まれた作者の貴重な体験
    に共感できました。
(089)  ・白球よ 何度叩けば、言うこと聞くの?
 鳥海  「言う事聞くの」は字あまりで、5文字に収めると「意の
    ままに」になると思うが、「言う事聞くの」の方が気持ちを
    忠実に表現し、とても共感できます。ゴルフの世界だけでは
    なく、夫婦・親子等の人間関係まで広がりを見せていると感
    じた。  
 中島  正に実感と共に諦めが、共感されます
  橋口
  深瀬    俳句としての許容範囲ぎりぎりの感じもしますが、なにか
    実感がひしひしと感じられ、つい選んでしまいました。
   
(090)  ・あさがほの 淡きいろどり 江戸情緒            深瀬
 橋口
 古川
 吉良  朝顔市の様子が眼に浮かべられる句
 鳥海  綺麗でしっとり感あり。
3 点句 (なし)
2 点句
(002)  ・山門の甍にひびく夏のあめ。                小幡
 吉良  突然の雨に山門に雨宿りしていると、雨の音を通して昔の
    華やかな情景が思い出させられる気持ちが伝わる
 深瀬  雨の降りしきり線と音、そして、甍の色彩感の組み合わせ
    が美しく、浮世絵的な一幅の絵画のイメージがあり、新鮮に
    感じられました。 
(041)  ・遠雷の 雨待ち遠しい 熱帯夜               橋口 
 鳥海  同感。
 深瀬  熱帯夜の涼を求める気持ちが、遠雷にほぐされる構図がお
    もしろいと思いました。
(076)  ・草深き マヌキの里に 深井さん              古川
 中島  深井先生を小諸に訪ねたことを思い出しました
 小幡  深井先生に敬意をこめ、選句しました。
(088)  ・朝顔に昔の夏を懐かしむ                  中島 
 鳥海  介護保険の対象者ともなると色々な思い出があります。
 長谷川
(099)  ・朝顔に 見送られて 心立つ                吉良 
 古川
 深瀬  出勤前の緊張感と朝顔のなにげない存在感の共振がすばら
    しいと感じました。ばたばたした出勤では、味わえない心境
    のようにも思います。      
1 点句
(003)  ・かみなりに へその仇討ち かえる跳ぶ                      深瀬
 鳥海    面白い。
(009)  ・かみなりに 都会の騒音 押し黙る             深瀬
 吉良  轟く雷鳴に一瞬「押し黙る」が実感としてよく描写されて
    いる。          
(010)  ・雷を 眼下に望む スカイツリ               古川
 中島  ナウイ句です
(011)  ・特養で ムンクの「叫び」 みるおもひ           深瀬
 小幡
(013)  ・雷の 恨めし悲し 原子力                 吉良
 中島  福島の怨念が見えます
(016)  ・朝顔も 涼を求めて 軽井沢                鳥海
 内野
(017)  ・いい加減 それもゆるす 江戸の本             橋口
 深瀬   なにか作者のこころのひろさを素直に表現している感じが
    伝わってきました。そして、江戸時代の人々の自由奔放なた
    のしみ方もいいと思いました。  
(019)  ・かみなりを 合図に妖怪 湧き出でる            深瀬
 橋口
(021)  ・竹ぐしを あさがほの蔓(つる) ふきこぼる        深瀬
 吉良  勢いのある朝顔の弦がからまりあい飛び出ている感じをフ
    キコボルとの表現がよい
(022)  ・朝顔や 夕日が落ちて 微睡みぬ              古川
 橋口
(023)  ・なんでかと 問うときすでに とき遅し           深瀬
 鳥海  「後悔先に立たず」に近く、高校時代に【後悔後に立つ】
    と戸塚と言っていたことを思い出ださせてくれました。
(027)  ・朝顔の 淡いピンクに 母思う               吉良
 内野
(028)  ・奥座敷 遠きかみなり ひっそりと                     深瀬
 内野
(032)    今日午後より犬を引き連れ、熊,猿の里に出発します。途  古川
     中家内の実家前橋には野生の雉が生息しており、まさに桃太
     郎になった気がします。
    ・夏草や 獣の里に 我行かん
    ・静かさや 猿のいびきに 起こされし
    ・山里や 風雪耐えて 我が別荘
    ・分け去れや 君の姿を 追い求め
    ・愛犬や 熊を見るなり 逃げ去りぬ
 橋口  (愛犬や 熊を見るなり 逃げ去りぬ)                       
(045)     私が独身貴族だった28歳の頃、300 万円で信州の佐久平に  古川
     面する御代田町に別荘を建てました。ボロ別荘と称し卑下し
     ていました。近くに日本最古の唐松植林地が残っています。
     そこで30数年毎年夏お世話になった別荘を、この際 "唐松庵
     " と称し敬い、次いでに俳号を‘古川唐松’と図々しくも称
     す事としました。
    ・唐松や 風散歩道 枝そよぎ
  大谷
(055)    東山魁夷の有名な白馬が池のほとりにいる絵のモデルにな  橋口
     った八ヶ岳の池を訪れると 季題なし。
    ・ノスリ舞い 空が青くなる 山の池
    ・白犬が 白馬のいない 森におり
  深瀬    八ヶ岳の池の周辺の景色をたいへんリアルに思い浮かべる
    ことができ、旅行しなくてもそこに行ったような感じになり、
    得した気持ちになりました。  
(072)  ・ミンミンと ひぐらし鳴きて せせらぎの音 (ね)       長谷川
  古川
(073)  ・白球や バンカ目指して まっしぐら                    鳥海
  中島  事実&実感です
(074)  ・雷の 過ぎし後には 高い空                鳥海
  古川
(093)  ・雷鳴に しだれ朝顔 首を上げ    長谷川
 大谷
(102)    アサギマダラという滑空する蝶が、ヨツバヒヨドリ花の匂  橋口
     いを好んでとまります 
    ・山越えて アサギマダラの 休みどこ
    ・匂う草 蝶を集めて 奏でたり
  大谷
(106)  ・朝顔や 暑さに耐えて 花咲かす              鳥海
  小幡
(107)  ・堪忍の できる暑さ セミ時雨               橋口
 古川
(108)  ・雷で 甘き香りが よみがえり               鳥海
  古川
  以上

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