七句会 各位
第二回の七句会の選句結果をご報告いたします。
下記に、選句の結果表、および、作者名つき選句表、を添付します。
次回については、追ってご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
投句や選句のやり方やまとめ方など、ご意見がありましたら、よろしくお願
いいたします。
七句会代表 橋口
事務局 深瀬
1.選句の結果表
今回は、4 点句 2つ、3 点句 3つ、2 点句 9つ、1 点句 26 でした。
句の右側に記した名前は作者です。句番の下に記した名前は選んだ人です。
敬称略。
○4 点句
(037) ・風に舞う 銀杏吹雪 黄金色 古川充
内野
鳥海 (017)とともに綺麗を狙っている意図に嵌ってみました。
中島 黄金色が何に見えますか
橋口
(063) ・連山を おおう紅葉 (こうよう) 夕 (ひ) にのまる 深瀬
小幡
吉良 紅葉が夕焼けのなかに沈んでいく感じが目の前に浮かべ
られる
土川
古川充
○3 点句
(017) ・さわさわと 小鳥とお喋り 大銀杏 古川充
鳥海 (037)とともに綺麗を狙っている意図に嵌ってみました。
中島 メルヘンチックです
橋口
(018) ・星空に 凛と天さす 銀杏黄葉 吉良
橋口
古川充
深瀬 なにかゴッホの絵画作品「糸杉と星の見える道」のよう
な情景を連想させられ、色彩的にもすばらしいと感じまし
た。
(046) ・懐かしき アイスコーヒー 遠い夏 古川充
内野
土川
鳥海 これも作者の狙いに嵌ってみました。
○2 点句
(003) ・銀杏の実 避けつつ歩く朝の道 柳町
補) 朝の通勤や散歩の時、足元に強いにおいの銀杏
があると、皆さんはそれを避けて歩くさまを想いま
した
小幡
中島 情景が眼に浮かびます
(020) ・ビル風が いちょう落ち葉の 山つくる 深瀬
土川
橋口
(041) ・よみがえる あの珈琲の味 君の笑み 古川充
内野
吉良 コーヒーの句は皆それぞれに昔の思い出があるのです
(045) ・コーヒーで 心静かに 秋暮れる 鳥海
内野
深瀬 なにかセザンヌの絵画の静謐さを想い起こさせるような
雰囲気がありひかれました。
(047) ・コーヒーだのみ 期末試験の 冬の夜 深瀬
吉良
鳥海 情景が目に浮かび、差し迫った自己経験と重なる句で、
これも作者の意図に嵌った。
(048) ・晩秋や 珈琲の温もり 心地良し 古川充
内野
鳥海 人は心地よい温もりを求めるものなのでしょう。
(058) ・ほろ苦気 珈琲の味 別れの朝 古川充
吉良
橋口
(065) ・逝く母の我生まれ出でしところ拭く 土川
中島 自分には到底読めない句です
深瀬 つよいインパクトを受けました。「我生まれ出でしとこ
ろ」は観察者としてのすごさを感じます。また、命の伝承
を実感させられました。
(077) ・日記帳 ともに歩みて 年の暮れ 深瀬
土川
橋口
○1 点句
(001) ・輝ける まつりがおわり 銀杏散り 内野
深瀬 はなやかな祭りの賑わいと散るいちょうの対比が、やや
無常観的でもあり、秋の深まりをいっそう際立たせている
ように感じました。
(005) ・空の青 銀杏の黄色 帯の赤 吉良
古川充
(008) ・いちょう落ち葉 浴びて昼寝す 古老団 深瀬
吉良
(011) ・国憂い 国会前の 銀杏散る 中島
鳥海 自民が300議席越え確実で、維新を加えて2/3越え
で憲法第9条を改正(?)し、自衛隊を国防軍にすると言
われており、この国は何処に行こうとしているのか?とい
う状況にピッタリか。
(013) ・銀杏で 飲んだスナック 今は無し 鳥海
小幡
(015) ・銀杏の匂いなつかし御堂筋 小幡
深瀬 むかし勤務した場所のことを想いだしている雰囲気が長
いサラリーマン人生をしみじみと回想している感じがしま
した。御堂筋も効いている感じです。
(019) ・銀杏や 母想いだす 茶碗蒸し 鳥海
小幡
(023) ・さくさくと 銀杏踏んで 冬来る 橋口
古川充
(026) ・黄葉の とんがり帽子 銀杏道 橋口
古川充
(028) ・痛いほど 銀杏の吹雪 あたる頬 橋口
吉良 子供が散りゆく銀杏の木の下を走っている情景がうかび
ます
(029) ・かさかさと 揺れる銀杏の 話し声 古川充
小幡
(031) ・秋深し 銀杏落葉 眺めけり 鳥海
深瀬 いちょうの黄葉がいっせいに舞い散るのはなにか普通で
ない風情がありますから、それを見ながら秋の深まりを実
感する作者の気持ちに共感しました。
(032) ・腰折りて銀杏拾ふ世捨て人 土川
吉良 実際に大勢います
(033) ・銀杏の 跳ねて酒飲む 夜寒かな 吉良
深瀬 秋も深まり、寒さきびしい夜に、銀杏の実を煎りながら
酒を飲む情景に、なにかノスタルジー的なものを感じまし
た。「跳ねて」も効いている感じです。
(035) ・茶碗蒸し底に控える銀杏の実 柳町
補) 茶碗蒸しの中に、かまぼこや鶏肉、銀杏の実が
ありますが、それを想ってつくりました。
土川
(039) ・きらきらと 青空に映える 大銀杏 古川充
古川充
(044) ・蓄音機夜長に珈琲漉す時間 土川
橋口
(049) ・香り立つ 至福が来たる 珈琲時 橋口
小幡
(051) ・妻避けて 冬のコーヒー店 昼下がり 深瀬
鳥海 妻に存在を否定されて、対応に苦慮している皆の気持ち
を代弁しているのでしょうか?
(052) ・紅葉や 珈琲カップに 枯葉入る 古川充
小幡
(056) ・珈琲を 仕送り届き 友と飲み 鳥海
土川
(057) ・コーヒーの香りで起きる冬の朝 小幡
内野
(061) ・ケータイを 迷子札とす 老いし母 深瀬
土川
(067) ・翼竜ら 太古の空を 滑空す 深瀬
古川充
(074) ・おおつなみ 街のみこみて すがたなし 深瀬
中島 政権代れど忘れてはならない情景です
(076) ・雲変化 空を彩る 自在さや 深瀬
内野
番外
(075) ・脚痒く 今年も冬かと 老い自覚 深瀬
(小幡 なかなか面白く共感した一句を追加)
付記 選句に当たって、次のようなコメントがありました。
・内野さん --- 句を読んで、深い心象風景が広がる句を選んだつもりです。
・小幡さん --- みんな良いので選ぶのに苦労しました。
・鳥海さん --- 今回は、選句が結構大変でした。自分の句には素直に共感で
きるのですが・・・。結果的に、身近な人の句を選択してしまった気がします
が・・・。
2.作者名つき選句表
[1] 兼題句 銀杏 (いちょう、いてふ、ぎんなん)
(001) ・輝ける まつりがおわり 銀杏散り 内野
(002) ・大銀杏 土俵の世界 成功者 鳥海
(003) ・銀杏の実 避けつつ歩く朝の道 柳町
補) 朝の通勤や散歩の時、足元に強いにおいの
銀杏があると、皆さんはそれを避けて歩くさま
を想いました
(004) ・銀杏を 煎ったあの人 今何処 鳥海
(005) ・空の青 銀杏の黄色 帯の赤 吉良
(006) ・銀杏の落ち葉の色が寒さ呼ぶ 小幡
(007) ・コーヒーの 俳句捻りて 秋過ぎし 鳥海
(008) ・いちょう落ち葉 浴びて昼寝す 古老団 深瀬
(009) ・イチョウの木 雌雄なしでは 哀れなり 鳥海
(010) ・久々に 二人横綱 大銀杏 古川
(011) ・国憂い 国会前の 銀杏散る 中島
(012) ・恋人の 香り残してや いちょう舞う 吉良
(013) ・銀杏で 飲んだスナック 今は無し 鳥海
(014) ・銀杏並木 落ち葉の絨毯 踏み分けて 古川
(015) ・銀杏の匂いなつかし御堂筋 小幡
(016) ・もみじ葉を 一気に落とす いちょうかな 深瀬
(017) ・さわさわと 小鳥とお喋り 大銀杏 古川
(018) ・星空に 凛と天さす 銀杏黄葉 吉良
(019) ・銀杏や 母想いだす 茶碗蒸し 鳥海
(020) ・ビル風が いちょう落ち葉の 山つくる 深瀬
(021) ・銀杏の 臭いも良かし 議事堂前 中島
(022) ・銀杏の実 落ちて知る 早足の秋 (とき) 柳町
(023) ・さくさくと 銀杏踏んで 冬来る 橋口
(024) ・大銀杏 下で過ごした 日々遠く 鳥海
(025) ・遊歩道 銀杏蹴散らし ジョギング 吉良
(026) ・黄葉の とんがり帽子 銀杏道 橋口
(027) ・銀杏の木 結実遠く 人同じ 鳥海
(028) ・痛いほど 銀杏の吹雪 あたる頬 橋口
(029) ・かさかさと 揺れる銀杏の 話し声 古川
(030) ・いちょう愛で 銀杏臭い 興醒めす 中島
(031) ・秋深し 銀杏落葉 眺めけり 鳥海
(032) ・腰折りて銀杏拾ふ世捨て人 土川
(033) ・銀杏の 跳ねて酒飲む 夜寒かな 吉良
(034) ・いちょう落ち葉 掃く人気持ち シーシュポス 深瀬
(035) ・茶碗蒸し底に控える銀杏の実 柳町
補) 茶碗蒸しの中に、かまぼこや鶏肉、銀杏の
実がありますが、それを想ってつくりました。
(036) ・冬迫り カラス持ち去る 黄色玉 中島
(037) ・風に舞う 銀杏吹雪 黄金色 古川
(038) ・大銀杏 涙で別れ 新世界 鳥海
(039) ・きらきらと 青空に映える 大銀杏 古川
[2] 兼題句 コーヒー、珈琲
(040) ・コーヒーを 飲む振りしてた 階段下 鳥海
(041) ・よみがえる あの珈琲の味 君の笑み 古川
(042) ・冬の夜 ラジオで聞いた コーヒールンバ 深瀬
(043) ・コーヒーの香りが語る過去の秋 小幡
(044) ・蓄音機夜長に珈琲漉す時間 土川
(045) ・コーヒーで 心静かに 秋暮れる 鳥海
(046) ・懐かしき アイスコーヒー 遠い夏 古川
(047) ・コーヒーだのみ 期末試験の 冬の夜 深瀬
(048) ・晩秋や 珈琲の温もり 心地良し 古川
(049) ・香り立つ 至福が来たる 珈琲時 橋口
(050) ・秋深し 夫婦過ごすは コーヒーで 鳥海
(051) ・妻避けて 冬のコーヒー店 昼下がり 深瀬
(052) ・紅葉や 珈琲カップに 枯葉入る 古川
(053) ・コーヒーが思い出語る薫りかな 小幡
(054) ・コーヒーで 仕事始まる 朝の部屋 橋口
(055) ・古色然 コーヒー店ひっそり 冬の暮れ 深瀬
(056) ・珈琲を 仕送り届き 友と飲み 鳥海
(057) ・コーヒーの香りで起きる冬の朝 小幡
(058) ・ほろ苦気 珈琲の味 別れの朝 古川
(059) ・落ち葉踏み コーヒー片手に 急ぐ朝 深瀬
[3] 自由題句
(060) ・とりもちの 組織の論理 やっと抜け 深瀬
(061) ・ケータイを 迷子札とす 老いし母 深瀬
(062) ・秋蘇州音曲の調 (てう) 移りけり 土川
(063) ・連山を おおう紅葉 (こうよう) 夕 (ひ) にのまる 深瀬
(064) ・言いかけて ぐっと抑える 歳 (とし) の功 深瀬
(065) ・逝く母の我生まれ出でしところ拭く 土川
(066) ・おかしいと 思いながらも なにもせず 深瀬
(067) ・翼竜ら 太古の空を 滑空す 深瀬
(068) ・帰り花 同窓会に 花添える 深瀬
(069) ・地殻割け マグマに消える いのちかな 深瀬
(070) ・リセットと 叫びたくなる ときもあり 深瀬
(071) ・漆黒に 蒼き地球の 寂寥感 深瀬
(072) ・ざる一枚平らげしばし蕎麦湯待つ 土川
(073) ・秋更けて 栗を思いて チョコレート 中島
(074) ・おおつなみ 街のみこみて すがたなし 深瀬
(075) ・脚痒く 今年も冬かと 老い自覚 深瀬
(076) ・雲変化 空を彩る 自在さや 深瀬
(077) ・日記帳 ともに歩みて 年の暮れ 深瀬
以上
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