七句会 各位
第八回の七句会の選句結果をご報告いたします。
投句者は、土川さん、古川さん、志方さん、橋本さん、吉良さん、小幡さん
、深瀬の7 名であり、選句者は、投句者全員の他、鳥海さん、内野さん、柳町
さん、中島さんです。
内野さんと中島さんは、投句の締め切り日に誤認があったようで残念でした
。次回は、よろしくお願いいたします。
今回は、次の2 句が5 点句となりました。
(012) 春は花 花花花を 咲かせ行く 橋本02
(048) 「お帰り」といふ日本語の暖かし 土川03
橋本さんは、長谷川さんと同じ東工大機械科卒の同級で、元IHI 生産機械事
業部長を勤められ、七句会メンバーの多くとゴルフを共にしています。
下記に、選句表に、各句の右側に作者名、および、その下に選んだ人の名前
とコメント (追番付き、順不同、敬称略。) を付したものを添付します。
次回については、8 月上旬ころにご連絡したいと思っていますので、よろし
くお願いいたします。やり方について、ご意見がありましたら、ご連絡をいた
だきたく、よろしくお願いいたします。
2014.05.25
事務方 深瀬
第八回 七句会選句結果
1.兼題 春
(001) 若葉透け名残り桜に春は行く 志方03
1 古川
(002) 障子切る鳥影の濃し春や行く 深瀬03
1 吉良
2 古川
松永邸でバーベキュー御馳走になりました。以下1 句。
(003) 友集い 春昼下がり 酒うまし 古川04
1 橋本
2 鳥海 同席していた者として、全く同感。飲めない私でもつい飲みすぎてし
まいました。
3 小幡
4 中島
(004) この春も ひばりさえずる 分譲地 橋本01
1 土川
(005) 春愁や煙雨の向こうのおぼろ梅 志方01
1 柳町
2 吉良
3 古川
(006) 深みゆく緑に春を惜しみけり 深瀬01
1 志方
2 内野
(007) 雲雀鳴き 春風そよぐ 幸せや 古川03
1 深瀬 春風そよぐ野原のようなところで、雲雀が飛び交う空を見上げ、幸せ
を実感しているさまだと思います。ストレートな表現ですが、幸せとは、こう
いうものなのだと、かなり同感しました。
春のゴルフを2句。以下2 句。
(008) ティーショット 吸い込まれたい 皐月晴れ 橋本05
1 鳥海 作者を知っていますが、本人から聞いた際、気持ちは同じでした。な
かなかナイスオンとはいきませんが・・・。沖縄の181Yの海超えドライバ
ーショットが成功した時の爽快さは一生忘れないと思います。
(009) 薫風が 運んでくれた ナイスオン 橋本06
1 鳥海 (008) のコメントと同じ。
2 中島
(010) 春愁やエンドロールの文字滲む 土川01
1 深瀬 句の真意はつかめませんが、春愁、エンドロール、文字滲む、の三つ
の言葉の組み合わせに独特の雰囲気を感じました。エンドロールとは結婚式の
最後に流されるもののようですが。娘さんの結婚式の父親の心情?
2 古川
(011) 土けむり孫が泣き出す春あらし. 小幡03
1 柳町
2 橋本 もっとも乾燥する春の強風は手ごわいです
(012) 春は花 花花花を 咲かせ行く 橋本02
1 土川
2 柳町
3 吉良
4 深瀬 桜の花を、日本列島に沿って、絨毯のように咲かせていく自然の力強
さが簡潔に説得力をもって読まれていると感じました。「花花花」のたたみか
けがかなり効いている感じです。
5 小幡
(013) 風香る 菜の花畑 春爛満 古川01
1 内野
2 鳥海
(014) 半地下にロシアの春のアコーディオン 土川02
(015) 春惜しみ老後戦略再吟味 深瀬02
1 中島
(016) 若葉寒 春の気まぐれ 風しみる 古川02
1 志方
(017) 春うらら歳を忘れて岩登り. 小幡04
(018) この春も大地剥ぎ取る除染かな 志方06
今年2 月に中央区に転居し、毎朝街中を散歩しています。以下6 句。
(019) ビルの森 窓辺に映える 春の雲 吉良01
1 橋本
(020) コンクリを 押し分け萌える 春の草 吉良02
1 土川
2 小幡
(021) ざわめきの ひと人ヒトに 春の顔 吉良03
1 深瀬 春の明るさに、都会の人々の顔もはなやいだ感じになっていくのだと
思いますが、「ひと人ヒト」ということで、その表情にもいろいろあるという
作者の観察眼のきめ細かさを感じました。
(022) 春の陽の 水辺に照らす 白黄色 吉良04
1 古川
(023) 行く春に 汗したたらせ 若葉かぐ 吉良05
1 柳町
(024) 隅田川 春待ちわびて 櫂をこぐ 吉良06
1 土川
(025) 桜みちはずむ歩みが春を呼ぶ. 小幡01
1 内野
2 古川
2.兼題 老い、老後
(026) 雨風に 曝されても行くぞ 老いの道 古川06
1 志方 老いをどう認識し前向きに考えるか、覚悟がうかがえます。
(027) ボケたかと不安横切る老後日々 深瀬07
1 柳町
2 鳥海 日々感じていることです。
3 小幡
(028) 花びえに重きからだに老いとしる. 小幡02
1 吉良
(029) いつ終わる老後の道の一人旅 深瀬08
1 志方
2 中島
(030) 老いの先 宇宙の基へと 帰る道 古川05
1 橋本 ふとした時、死後はそうなるのかとも思いますが
3.自由題 (季語)
(031) あぜ道に命みなぎるつくしかな 志方02
1 土川
2 内野
3 小幡
4 中島
(032) 単線の上りを待ちて黄水仙 土川05
1 吉良
(033) 海と陽といのちたわむる干潟かな 深瀬05
1 土川
2 内野
3 橋本 石垣島のサンゴ礁の浅瀬でもいのちの多様さを実感、残したい
4 鳥海 沖縄の海岸で高齢者がはしゃいでいた様子が思いだされます。
(034) 相馬路の今年も悲しき山桜 志方05
1 吉良
2 深瀬 放射能汚染で廃墟となった山里の家々の間に、美しい桜が満開にさき
ほこっている様子をテレビ画像でみると、人間の罪深さ、業、愚かさといった
なにか非常に複雑な思いがあり、共感しました。
(035) 朧月車窓に映る無表情 土川04
1 柳町
2 小幡
(036) 桜みち弾むこころに夢をみる. 小幡05
(037) タイヤチェーン雪うつ音や都心夜 深瀬06
1 土川
(038) 残雪に夕陽が滲む那須連峰 志方07
(039) 癒される 柔らか若葉の 散歩道 橋本04
(040) みちすがら相馬の桜に鯉のぼり 志方04
(041) 新緑の フィールドアスレチック (の子ら) 声高く 橋本03
(042) 新緑に山はおおわれ別世界 深瀬04
1 志方
2 鳥海
4.自由題 (無季語、川柳)
(043) 絶叫す中継アナに落差あり 深瀬20
日本の公的債務 (借金) の危機的状況はどうなる? 以下1 句。
(044) 借金が 世界遺産と ならぬ世に 橋本07
1 志方
2 中島
(045) うましくに日本に溢る汚染水 深瀬13
(046) 細胞の個々とわれとの関係は? 深瀬18
1 古川
(047) 星をみて亡きひと想ういのちあり 深瀬14
1 吉良
(048) 「お帰り」といふ日本語の暖かし 土川03
1 柳町
2 深瀬 日本語の母音の単純さとか、音の強弱や高低をあまり強調しないとい
ったせいなのか、外国人の声楽家が日本唱歌の暖かみのようなものを指摘して
いるのを聞いたことがあります。「お帰り」も、確かに、そういう感じがある
ように思いました。
3 橋本
4 小幡
5 中島
(049) 米中のはざまで問わる日本流 深瀬11
(050) 独立の意味いま問わる日本かな 深瀬12
(051) 自然への畏敬なき学うわ滑る 深瀬17
1 志方 川柳ですが、世相の不安に我々世代へ思いを表現しています。
(052) 電王に腕組む棋士に疲労感 深瀬19
1 橋本
農協の日替わり定食で、でてきたカレーと蕎麦で考えて
しまいました。ちなみに私も知らないおじさんもカレー
から食べました。
(053) カレーと蕎麦 どちらを先に 食べるべき 古川07
1 深瀬 わたしは、まあ、どっちでも同じだろう、と思う方ですが、こういう
問題提起をするのは、駒東生に意外に多いのかもしれない、などと思いました
。やはりカレーが先、が正しい?
(054) 日本鬱中華帝国よみがえり 深瀬09
(055) 日本流耽美こだわりガラパゴス? 深瀬10
(056) 自然への畏怖失せし世は空騒ぎ 深瀬16
(057) 自然との距離と関係思想生む? 深瀬15
[補足] 選句者からのコメントをご参考までに、以下、掲載します。
・土川さん
いつも選句は悩ましいです。詩 (的) であるというのはどういうことなので
しょうか。今回も選句のコメントを書けませんでした。
・柳町さん
毎回、みなさん上手くて選定に困ります。
・志方さん
選句にいい意味で苦労しました。
・内野さん
季語のあるものを選んでしまいました。(老いのテーマには怖くて、向き合
えないのです。)
・吉良さん
田舎の春の情景をうまく表現した上手な句が多く選ぶのに多少悩みました。
またそろそろ老い支度を考える年代となり、実感の湧く句を選びました。
・橋本さん [少し本題とはなれるかもしれませんが]
沖縄旅行は、一寸欲張りな旅程でしたので疲れましたが、晴れ男の鳥海さん
のおかげもあり十分楽しめました。
・中島さん
10句作成済で7句厳選して投句を考えているうちに期限を過ぎてしましま
した。皆さまからは共感できる句が多数寄せられ選句には苦労させられます。
以上
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